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【発明の名称】 |
濾 材 |
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【氏名】峯村 慎一 【住所又は居所】滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡績株式会社総合研究所内 |
【課題】フィルターとして低通気抵抗、高除塵効率を維持しながら、かつ熱負荷による寸法安定性にも優れ、かつ使用後の廃棄性にも優れた濾材を提供するものである。
【解決手段】エレクトレット化された脂肪族ポリエステルを主体とした不織布と多孔性シートが融着により接合一体化され、さらに80℃×1hrでの耐熱試験後の収縮率が3%以下である濾材を使用することにより達成される。脂肪族ポリエステルの含有量は除塵効率及び生分解性を考慮して不織布中50重量%以上は必要である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】エレクトレット化された脂肪族ポリエステルを主体とした不織布と多孔性シートが融着により接合一体化されたことを特徴とする濾材。 【請求項2】80℃×1hrでの耐熱試験後の収縮率が3%以下であることを特徴とする請求項1に記載の濾材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、低通気抵抗で高除塵効率であることはもちろんのこと、寸法安定性にすぐれ、かつ、使用後は容易に廃棄可能な濾材に関するものである。空気清浄機用フィルター、自動車用車内用フィルターなどのフィルター濾材として広く使用される。 【0002】 【従来の技術】低通気抵抗で空気浄化用及び生分解性を有する濾材の技術として特開2001−146672号公報には脂肪族ポリエステルを主成分とした不織布を荷電処理した濾材について開示されているが、この不織布をそのまま単体でフィルターとして使用するには特に熱環境負荷を与えた際、濾材の収縮やしわが発生しやすく、安定した通気抵抗、除塵効率を得ることは難しい。特開平10−314520号公報には生分解性を有する不織布を熱融着等により積層一体化した濾材についての記載があるが不織布状のものであるため熱処理した場合に収縮がおこりやすく、また不織布状の補強材である限り、実使用上かなり通気抵抗が生じるためフィルター全体としての通気抵抗が比較的高いものとなっていた。こられのことから、脂肪族ポリエステルからなる寸法安定性にすぐれた低通気抵抗の生分解性濾材が望まれている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前述したようにフィルターとして低通気抵抗、高除塵効率を維持しながら、かつ熱負荷による寸法安定性にも優れ、かつ使用後の廃棄性にも優れた濾材を提供するものである。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、エレクトレット化された脂肪族ポリエステルを主体とした不織布と多孔性シートが融着により接合一体化され、さらに80℃×1hrでの耐熱試験後の収縮率が3%以下である濾材を使用することにより達成される。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明で用いられるエレクトレット化された不織布は以下の特性を有することが必要である。まず、本発明において、不織布を構成する素材は、脂肪族ポリエステルを主成分とすることが必要である。脂肪族ポリエステルとしては、ポリ乳酸および/またはポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂であることが好ましい。ポリ乳酸を主体とする熱可塑性樹脂としては、乳酸にε−カプロラクトンなどの環状ラクトン類、α−ヒドロキシ酪酸、α−ドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸などのα−オキシ酸類、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのグリコール類、コハク酸、セパチン酸などのジカルボン酸類が1種あるいは2種以上共重合されたものを用いることができる。共重合体には、ランダム共重合体および/またはブロック共重合体を用いることができる。また、分子末端にカルボキシル基をもつ化合物でポリマー分子末端をエステル化処理する事が好ましく、このことにより熱成形時の安定性を改善することが可能である。脂肪族ポリエステルの含有量は除塵効率及び生分解性を考慮して不織布中50重量%以上は必要である。 【0006】不織布の製造方法や形態は特に規定されないが、通常の短繊維をカード処理して、更に機械的交絡や水流交絡によって不織布化することが可能である。長繊維の不織布の製造方法であるスパンボンド法やメルトブロー法なども繊維の脱落のないリントフリー性が求められるフィルター用途に好ましい。また予め帯電させたフィルム状シートをスプリット後不織布化する方法も可能である。 【0007】不織布に静電気集塵力を与える荷電処理は、通常の直流コロナ処理を用いる事が可能である。印加する電圧は高い方がより高い静電気力を付与することが可能であるが、スパーク等の問題を生じる可能性があるため20kV前後が好ましい。また紡糸後不織布化するまでに帯電化させることも可能である。なお前述したようにフィルム状シートをスプリット後不織布化する方法ではフィルム状態時に荷電しておけば高電荷密度のものが作製可能である。また、後述するように機能性粒子を不織布間に散布し、ある程度シート化した後、荷電処理することも当然可能である。 【0008】荷電処理時間は、5〜30秒程度が一般的であるが、時間が長すぎてもあまり性能差がなく、適当な処理時間を選択することが可能である。通常の処理する温度は20℃前後の室温からポリマーの融点の間の温度を適用することが可能であるが、脂肪族ポリエステルでは、高温で処理したほど高温での静電気力の安定性が向上するため50〜130℃くらいの温度で処理を行うのが好ましい。 【0009】不織布に使用する繊維の繊維径は0.1〜40μmが好ましい。0.1μm以下であれば圧力損失が高くなりすぎ実用上問題となりがちである。40μm以上であれば濾過性能が低くなり好ましくない。特に好ましくは1〜30μmである。 【0010】不織布の目付は、5〜120g/m2であることが好ましい。目付が高すぎると、フィルターとして使用した場合の圧力損失が大きくなったり、嵩高になりすぎて好ましくない。 【0011】次に不織布の厚みは0.1〜3.0mmであることが必要である。厚みが0.1mmより小さいと強度面で弱くなり実用上の使用に問題があるばかりか除塵効率も高いものが期待できない。一方、厚みが3.0mmより大きいと、後述する多孔性シートと一体化しても不織布の寸法安定性がよくないので好ましくない。 【0012】不織布は充填率が0.01〜0.15g/cc程度がよい。さらに好ましくは、充填密度が0.02〜0.10g/ccの間にあることである。充填密度が小さいほど通気抵抗が低くなり好ましい。ただし充填率が0.01g/ccよりあまり小さくなると不織布の外荷重に対する圧縮あるいは引張変形抵抗が小さくなり不織布の形態を保持することが難しくなるのであまり好ましくない。充填密度が0.15g/ccより大きいと、通気抵抗も高くなり好ましくない。 【0013】多孔性シートを構成する材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、EVA、ポリエステル等の一般的な合成繊維またはポリ乳酸系、脂肪族ポリエステル系、ラクトン系、澱粉/ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリアミノ酸など単独、又は混合したもの、或いはレーヨン繊維などのセルロース系繊維などの生分解性材料を使用するのが特に好ましい。これらの中でもポリ乳酸系、脂肪族ポリエステル系、又はラクトン樹脂は比較的低温での熱融着性に優れており特に好ましい。 【0014】多孔性シートの厚みは、0.1〜2.0mm程度が扱い易く、特に0.2〜1.0mmであるとより好ましい。多孔性シートの開口形状、開口率は特に限定されないが、形状としては円形、四角形、六角形、菱形などが好ましく、開口率は80〜99%が好ましい。 【0015】多孔性シートの構造としてはモノフィラメントやマルチフィラメントを平織りあるいは絡み織りしたものがあげられる。不織布と接合性を良好にするためにフィラメント表面付近部に熱融着性のあるものが好ましい。多孔性シートは難燃化されていると更に好ましい。難燃化法は種々適用できるが、難燃剤の脱落性等を考えるとフィラメントに難燃剤を練り込んだものがより好ましい。 【0016】エレクトレット化された脂肪族ポリエステルを主体とする不織布を多孔性シートと接合する方法としては、多孔性シートの低融点成分の融点以上かつシート状物の融点以下の温度に加熱された、平滑な表面を有する2つのロール間に、これらを同時に挿入し、その際に両ロールの間隙を狭くして幾分圧下力が該不織布と多孔性シートにかかるようにし、両ロール間を通過させる等の方法を使用できる。この場合、両ロールの温度を所定の同一温度に設定してもよいし、異なる温度に設定していてもよい。ロールの温度(特に、ロール表面温度)を所定の温度にする方法としては、ロール内部に加熱流体を循環させるなどの方法を使用できる。又、両ロール間のクリアランス、ロール回転速度、ロール径などは用途、目的に応じて選択可能である。当然ながら接合後のシートを帯電させエレクトレット化させることも可能である。一般にエレクトレットフィルターは熱負荷に対して弱いので製造途中で熱負荷がよりかからない後者の方法がより好ましい。また、上記方法以外に熱超音波を使用した融着法も可能である。この方法であれば不織布の融着をより抑えることができるので一層の低通気抵抗化を実現できる。また不織布間に多孔性シートをサンドイッチして接合一体化した濾材ももちろん可能であり、更に高除塵効率化が実現できる。 【0017】多孔性シートと不織布の接着強度は、実施例に記載の剥離強度測定法(幅50mmサンプル)で最小強度が50gf以上であることが必要である。50gf以下であれば、不織布の収縮がおこりやすく不織布の寸法安定性に問題がある。また500gf以上になると、微生物等が接着部に進入しにくくなるため生分解の速度が遅くなる傾向になり好ましくない。基本的には上記濾材の80℃で1hr熱負荷を与えた場合に不織布自身の収縮率は3%以下に抑えることが濾材としての性能安定性という点で必要である。そのためには上記接着強度も必須である。 【0018】本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に沿って設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。 【0019】尚、実施例中の数値は以下のような方法で測定した値である。 【0020】 【実施例】(還元比粘度)溶媒をクロロホルムとして、試料ポリマーを0.5g/dl秤量し、溶かした試料溶液により、ウベローデ粘度計を用い測定した。 (酸価)試料ポリマーをクロロホルム/メタノール(体積比1:1)混合溶媒に溶解し、この溶液をナトリウムメトキシド/メタノール溶液で滴定することにより測定した。 (目付)30cm各の正方形に不織布を切り出し重量を測定した後、1m2あたりに換算した。 (平均繊維径)不織布の表面像を走査型電子顕微鏡で1500倍の倍率で撮影した。繊維断面が円形であると仮定して、各繊維側面の端部間の距離を測定して繊維径とした。100本の繊維をランダムに選んで測定を実施し、算術平均した値を平均繊維径(μm)とした。 (厚み)荷重180gf/cm2の圧力を加えた時の値(生分解試験)サンプルに対して土中埋設試験を行った。試験方法はサンプルを深さ10cmのところに6ヶ月間埋めて、その後外観で分解状態を評価した。 (剥離強度)以下図に示す様に測定する。試験片の大きさは幅50mm,長さ200mmとして,引張速度は100mm/minとする。L寸法は,スタート時180mmで終了時260mmとし,その間の最低値を剥離強度とする。 【0021】実施例1メルトブロー法により得られた還元比粘度が1.52、酸価が16(eq/103kg)の分子末端カルボキシル基をラウリルアルコールでエステル化したポリ乳酸よりなる平均繊維径2.6μm、目付30g/m2、厚み0.2mmの不織布に20KVの電界をかけ帯電不織布とした。その後、目付50g/m2,開孔率95%、厚み0.4mmのポリプロピレン−ポリエチレン複合糸からなる多孔性シートとともに重ねて130℃の熱ロールにギャップ0.6mmで通過させ融着一体化した。この濾材の剥離強度は100gfであった。80℃×1hr中にこの濾材を放置値後、収縮度を調査したところ収縮率は1%であった。また除塵性能、通気抵抗も調査したが耐熱試験前とほとんど変化ないこともわかった、更に、使用後の濾材を土中への埋設試験を実施した結果、1ヶ月で多孔性シートと不織布が剥がれ、6か月で原型をとどめない程不織布の分解が進んでいることが判明した。 【0022】実施例2還元比粘度が1.52、酸価が16(eq/103kg)の分子末端カルボキシル基をラウリルアルコールでエステル化したポリ乳酸繊維(繊度:3dtex、繊維長:64mm)よりなる40g/m2のウェッブを30メッシュのスクリーン上で水流ジェットにより絡合せしめ、厚み1.0mmの不織布を得た。この不織布は水流交絡時に油剤が充分除去され、残留油剤付着量は0.01%以下であった。この不織布に20KVの電界をかけ帯電不織布とした。その後、目付50g/m2,厚み0.4mmのポリプロピレン−ポリエチレンモノフィラメントを平織り加工し、150℃で熱圧着し交点接着された多孔性シートを製造した。この際のフィラメントの打ち込み本数は5本/inch.(開口率60%)。この多孔性シートを上記エレクトレット化された不織布ともに重ねて130℃の熱ロールにギャップ0.6mmで通過させ融着一体化した。この濾材の剥離強度は50gfであった。この濾材を80℃×1hr中にこの濾材を放置値後、収縮度を調査したところ収縮率は2%であった。また除塵性能、通気抵抗も調査したが耐熱試験前とほとんど変化ないこともわかった、更に、使用後の濾材を土中への埋設試験を実施した結果、1ヶ月で多孔性シートと不織布が剥がれ、6か月で原型をとどめない程不織布の分解が進んでいることが判明した。 【0023】実施例3目付50g/m2,厚み0.4mmのポリ乳酸からなるモノフィラメントを平織り加工し、150℃で熱圧着し交点接着された多孔性シートを製造した。この際のフィラメントの打ち込み本数は5本/inch.(開口率60%)。この多孔性シートを実施例1に記載したエレクトレット化された不織布ともに重ねて130℃の熱ロールにギャップ0.6mmで通過させ融着一体化した。この濾材の剥離強度は50gfであった。この濾材を80℃×1hr中にこの濾材を放置値後、収縮度を調査したところ収縮率は2%であった。また除塵性能、通気抵抗も調査したが耐熱試験前とほとんど変化ないこともわかった、更に、使用後の濾材を土中への埋設試験を実施した結果、0.5ヶ月で多孔性シートと不織布が剥がれ、5か月で原型をとどめない程不織布の分解が進んでいることが判明した。 【0024】比較例1実施例1で記載した帯電不織布をそのまま80℃×1hrの放置後、収縮度を調査したところ収縮率は10%であった。この濾材の通気抵抗を調査したが耐熱試験前の約1.5倍まで高くなっており濾材として使用するには問題があるものであった。 【0025】 【発明の効果】以上述べた如く、本発明の不織布は熱に対して安定な濾材を実現し、かつ低通気抵抗、高除塵効率、更には、廃棄性に極めて優れた濾材を提供するものであり工業的価値は大である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号
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| 【出願日】 |
平成14年5月20日(2002.5.20) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−334409(P2003−334409A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月25日(2003.11.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−144952(P2002−144952) |
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