| 【発明の名称】 |
二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】飯嶋 正樹 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】二酸化炭素回収プロセスで大量に発生する排熱を利用して地域暖房等に供給される温水を得る二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法を提供する。
【解決手段】燃焼排ガスを冷却塔に供給して冷却する工程と、この燃焼排ガスを吸収塔に供給し、再生塔から供給された再生吸収液と接触させて燃焼排ガス中の二酸化炭素を再生吸収液に吸収する工程と、吸収塔の底部に貯留された二酸化炭素吸収溶液を再生塔から供給された再生吸収液と熱交換して加熱した後、再生塔に供給すると共に、再生塔底部を飽和蒸気で加熱して二酸化炭素吸収溶液を二酸化炭素と再生吸収液に分離する工程とを含み、温水戻り水を熱交換後の再生吸収液との熱交換、再生塔から排気された二酸化炭素との熱交換、および再生塔底部を加熱した後の飽和水との熱交換のいずれかまたは2つ以上の組み合わせにより加熱して温水を得ることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷却塔、吸収塔再生塔を備えた二酸化炭素回収装置を用い、燃焼排ガスを前記冷却塔に供給して冷却する工程と、冷却された燃焼排ガスを前記吸収塔に供給し、前記再生塔から供給された再生吸収液と接触させてその燃焼排ガス中の二酸化炭素を再生吸収液に吸収する工程と、前記吸収塔の底部に貯留された二酸化炭素吸収溶液を前記再生塔から供給された再生吸収液と熱交換して加熱した後、前記再生塔に供給すると共に、この再生塔底部を飽和蒸気を用いて加熱して前記二酸化炭素吸収溶液を二酸化炭素と再生吸収液に分離し、二酸化炭素を前記再生塔から排出、回収する工程とを含む燃焼排ガス中の二酸化炭素回収プロセスにおいて、温水戻り水を、前記熱交換後の再生吸収液との熱交換、前記再生塔から排気された二酸化炭素との熱交換、および前記再生塔底部を加熱した後の飽和水との熱交換、のいずれかまたは2つ以上の組み合わせにより加熱して温水を得ることを特徴とする二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法。 【請求項2】 前記燃焼排ガスは、発電所のボイラーまたはガスタービンから排気されたものであることを特徴とする請求項1記載の二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、燃焼排ガスから二酸化炭素を回収プロセスにおいて発生する大量の排熱を冷却水により冷却し、海や川、大気に放出していた。このため、大量の低温の排熱は利用されなかった。また、大量の冷却水を確保されない地域ではエアークーラを用いることもあった。 【0003】一方、地域に温水を供給するシステムとしては例えば図4に示す発電所で発生する熱を利用することが行われている。 【0004】すなわち、ボイラー101の蒸気はスチームタービン102に供給され、発電機103を発電し、蒸気は復水器104で凝縮され、ポンプ105により前記ボイラー101に戻される。前記スチームタービン102から低圧スチームが抜かれ、地域温水から戻された水と熱交換器106で熱交換されて加熱され、地域温水として供される。熱交換後の凝縮水はポンプ107により前記ボイラー101に戻される。 【0005】しかしながら、従来の地域温水システムではスチームタービン102から低圧スチームを引き抜くため、スチームタービン102の出力が低下し、結果として発電量が低下する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、燃焼排ガスから二酸化炭素を回収するプロセスにおいて大量に発生する排熱を利用して温水戻り水を加熱し、地域暖房等として供給される大量の温水を得ることが可能な二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法を提供しようとするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明に係る二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法は、冷却塔、吸収塔および再生塔を備えた二酸化炭素回収装置を用い、燃焼排ガスを前記冷却塔に供給して冷却する工程と、冷却された燃焼排ガスを前記吸収塔に供給し、前記再生塔から供給された再生吸収液と接触させてその燃焼排ガス中の二酸化炭素を再生吸収液に吸収する工程と、前記吸収塔の底部に貯留された二酸化炭素吸収溶液を前記再生塔から供給された再生吸収液と熱交換して加熱した後、前記再生塔に供給すると共に、この再生塔底部を飽和蒸気を用いて加熱して前記二酸化炭素吸収溶液を二酸化炭素と再生吸収液に分離し、二酸化炭素を前記再生塔から排出、回収する工程とを含む燃焼排ガス中の二酸化炭素回収プロセスにおいて、温水戻り水を、前記熱交換後の再生吸収液との熱交換、前記再生塔から排気された二酸化炭素との熱交換、および前記再生塔底部を加熱した後の飽和水との熱交換、のいずれかまたは2つ以上の組み合わせにより加熱して温水を得ることを特徴とするものである。 【0008】本発明に係る二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法において、前記燃焼排ガスとして発電所のボイラーまたはガスタービンから排気されたものを用いることを許容する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明に係る二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。 【0010】図1は、二酸化炭素回収装置を組み込んだ発電所を示す概略図、図2は図1の二酸化炭素回収装置を詳細に示す概略図、図3は温水戻り水の熱交換状況を示す概略図である。 【0011】ボイラー1は、流路101を通して発電機2を有するスチームタービン3に連結されている。前記スチームタービン3は流路102を通して前記ボイラー1に連結されている。蒸気を凝縮する復水器4およびポンプ5は前記流路102に順次介装されている。 【0012】前記ボイラー1は、流路103を通して二酸化炭素回収装置20に連結されている。この二酸化炭素回収装置20は、図2に示すように互いに隣接して配列された冷却塔21、吸収塔22および再生塔23を備えている。 【0013】前記冷却塔21は、前記ボイラー1と前記流路103を通して連結されている。前記冷却塔21には、気液接触部材24が内蔵されている。循環流路104は、一端が前記冷却塔21の底部に、他端が前記冷却塔21の上部に連結されている。第1ポンプ25および第1熱交換器26は、前記冷却塔21の底部側から前記循環流路104に順次介装されている。冷却水は、前記循環流路104を通して前記冷却塔21の上部に噴射され、前記流路103を通して導入された燃焼排ガスを前記気液接触部材24で冷却している。前記冷却塔21の頂部は、流路105を通して前記吸収塔22の下部付近と連結され、かつこの流路105にはブロワ27が介装されている。 【0014】前記吸収塔22には、2つの上部側、下部側の気液接触部材28a,28bが内蔵されている。これら気液接触部材28a,28b間には、再生された吸収液のオーバーフロー部29が配置されている。流路106は、一端が前記吸収塔22の前記オーバーフロー部29の個所に連結され、他端がポンプ30および第2熱交換器(洗浄水冷却器)31を経由して前記吸収塔22上部側の気液接触部材28a上の個所に連結されている。排気管32は、前記吸収塔22の頂部に連結されている。 【0015】前記再生塔23には、2つの上部側、下部側の気液接触部材33a,33bが内蔵されている。 【0016】前記吸収塔22の底部は、流路107を通して前記再生塔23の2つの上部側、下部側の気液接触部材33a、33b間に位置する上部に連結されている。ポンプ34および第3熱交換器35は、前記流路107に前記吸収塔22側から順次介装されている。 【0017】前記再生塔23の底部は、前記第3熱交換器35を経由する流路108を通して前記吸収塔22のオーバーフロー部29が位置する上部に連結されている。ポンプ36は、前記再生塔23の底部と前記第3熱交換器35の間に位置する前記流路108に介装されている。第4熱交換器(吸収液冷却器)37は、前記第3熱交換器35と前記吸収塔22の間に位置する前記流路108に介装されている。温水戻り水用流路109は、図2および図3に示すように前記第4熱交換器37に交差され、この流路109を流通する温水戻り水は前記第4熱交換器37と熱交換される。 【0018】流路1010は、一端が前記再生塔23の下部付近に連結され、他端が前記気液接触部材33b直下に位置する前記再生塔23に連結されている。ポンプ38および第5熱交換器39は、前記流路1010に前記吸収液再生塔23の下部付近側から順次介装されている。前記第5熱交換器39は、飽和蒸気が導入される流路1011と交差し、その飽和蒸気と熱交換される。 【0019】流路1012は、一端が前記再生塔23の頂部に連結され、他端が第6熱交換器(還流冷却器)40を経由して気液分離器41に連結されている。この気液分離器41で分離された二酸化炭素は排気管42を通して回収される。前記第4熱交換器37を経由した前記温水戻り水用流路109は、図2および図3に示すように前記第6熱交換器40に交差され、この流路109を流通する温水戻り水は前記第6熱交換器40と熱交換される。この気液分離器41は、流路1013を通して前記再生塔23の頂部に連結されている。この流路1013には、ポンプ42が介装されている。 【0020】前記第6熱交換器40を経由した前記温水戻り水用流路109は、図1および図3に示すように前記飽和水が流通する流路1011と交差する第7熱交換器44に交差され、この流路109を流通する温水戻り水は前記第7熱交換器44と熱交換される。 【0021】次に、前述した図1〜図3に示す二酸化炭素回収装置を組み込んだ発電所を参照して二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法を説明する。 【0022】ボイラー1で発生した蒸気は、流路101を通してスチームタービン3に供給され、発電機2を発電する。スチームタービン3の蒸気は、流路102を通して復水器4に供給され、ここで凝縮され、生成した凝縮水はポンプ5により前記ボイラー1に戻される。 【0023】前記ボイラー1で発生した燃焼排ガスは、流路103を通して二酸化炭素回収装置20冷却塔21に供給される。ポンプ25の駆動により前記冷却塔21底部から引き抜かれた処理水は、第1熱交換器26が介装された循環流路104を経由する間に冷却され、この冷却水は前記冷却塔21の上部に噴射されることによって、前記流路103を通して導入された前記燃焼排ガスを前記気液接触部材24で冷却する。 【0024】冷却された燃焼排ガスは、前記冷却塔21の頂部からブロワ27の駆動により流路105を通して吸収塔22の下部付近に供給され、その内部の下部側気液接触部材28bを上昇する間、再生塔23から第3熱交換器35および第4熱交換器37を経由する流路108を通して前記吸収塔22のオーバーフロー部29に供給された再生吸収液、例えば再生アミン液と接触してその燃焼排ガス中の二酸化炭素がアミン液に吸収される。燃焼排ガスは、さらに前記オーバーフロー部296経由して上部側気液接触部材28aを上昇する間、ポンプ30の駆動により流路106を通して前記吸収塔22の頂部付近に供給された排ガスが冷却され、全系の水のバランスを保持すると共に、アミン蒸気を系外に排出しないようにする。二酸化炭素が除去された燃焼排ガスは、排気管32を通して大気に放出される。 【0025】前記二酸化炭素吸収アミン液は、前記吸収塔22の底部に貯留され、ここからポンプ34の駆動により流路107を通して前記再生塔23の2つの気液接触部材33a,33b間に位置する上部に供給される。このとき、前記二酸化炭素を吸収したアミン液は前記流路107と前記再生塔93の底部の比較的温度の高い再生アミン液が流通される前記流路108との交差部に位置する前記第3熱交換器35で熱交換されて加熱されるとともに、その再生アミン液が冷却される。 【0026】加熱された二酸化炭素吸収アミン液は、前記再生塔23の下部側気液接触部材33bを流下する間に二酸化炭素と再生アミン液に分離される。このとき、前記再生塔23底部に貯留された再生アミン液はポンプ38の駆動により第5熱交換器39が介装された流路1010を通して循環され、前記第5熱交換器39に流路1011を通して供給される飽和蒸気と熱交換されて加熱される。これにより前記再生塔23自体を加熱して二酸化炭素と再生アミン液との分離の熱源を付与する。前記再生アミン液は、前記再生塔23底部に貯留され、ポンプ36の駆動により前記流路108を通して前記吸収塔22に返送される。 【0027】前記二酸化炭素は、前記再生塔23の上部側気液接触部材33aを上昇し、再生塔23頂部から流路1012を流通する間、第6熱交換器40で冷却されて二酸化炭素と共に持ち運ばれる水蒸気が凝縮され、さらに気液分離器41に送られ、ここで二酸化炭素とアミン液とに分離される。二酸化炭素は、排気管42を通して回収される。アミン液は、流路1013を通して前記再生塔23に戻される。 【0028】前述した二酸化炭素の回収プロセスにおいて、温水戻り水は図1〜図3に示すように第4熱交換器37、第6熱交換器40および第7熱交換器44が介装された温水戻り水用流路109に供給される。このとき、温水戻り水用流路109を流通する温水戻り水は最初に第4熱交換器37で、これに交差する流路108を流れる例えば60〜70℃の温度の再生アミン液と熱交換されて加熱される。次に、第6熱交換器40で、これに交差する流路1012を流れる再生塔23から排気された例えば90〜100℃の温度の二酸化炭素および水蒸気と熱交換されて加熱される。最後に、第7熱交換器44で、これに交差する流路1011を流れる例えば120〜140℃の温度の飽和水と熱交換されて加熱されて目的とする温度まで上昇され、温水として例えば地域暖房に利用される。 【0029】具体的には、図3に示すように20℃の温水戻り水は前記第4熱交換器37で熱交換されて55℃まで加熱され、さらに前記第6熱交換器40で熱交換されて85℃まで加熱され、最後に第7熱交換器44で熱交換されて100℃まで加熱されることによって、目的とする温水温度になる。このように温水戻り水を低温から高温の熱交換器に流通することによって、前記温水戻り水を効率よく目的の温水温度まで加熱することが可能になる。 【0030】したがって、本発明よればボイラー等の燃焼排ガス発生源の燃焼排ガスから二酸化炭素を回収するプロセスにおいて、従来、冷却水で冷却して廃棄していた大量に発生する排熱を利用して温水戻り水を加熱することによって、地域暖房等として供給される大量の温水を安価に得ることができる。 【0031】また、本発明の排熱利用方法をボイラーを有する発電所に適用することによって、従来の地域温水システムのようにスチームタービンから低圧スチームを引き抜くことなく、二酸化炭素の回収プロセス側で地域温水を供給できるため、低圧スチームを引き抜くこと伴うスチームタービンの出力低下を防止することができる。 【0032】なお、前述した実施形態では温水戻り水を第4熱交換器37、第6熱交換器40および第7熱交換器44を全て利用して加熱し、温水を得たが、これに限定されない。例えば、温水戻り水を前記第4熱交換器37、第6熱交換器40および第7熱交換器44のいずれかまたは2つ以上の熱交換器を利用して加熱し、温水を得てもよい。2つ以上の熱交換器を利用する際には、温水の熱交換器への流通順序は特に制限されない。 【0033】前述した実施形態では温水戻り水を比較的温度の高い流体が流通する第4熱交換器37、第6熱交換器40および第7熱交換器44を利用して加熱し、温水を得たが、これに限定されない。例えば、温水戻り水を前記第4熱交換器37と熱交換する前に、前記第4、第6、第7の熱交換器より温度の低い流体が流通する前述した図2に示す第1熱交換器26(例えば20〜50℃の温度の冷却水が交差)および第2熱交換器31(例えば20〜50℃の温度の冷却水が交差)のいずれか一方または両者と熱交換して加熱してもよい。 【0034】また、燃焼排ガス発生源としてはボイラーに限定されるものではない。 【0035】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、燃焼排ガスから二酸化炭素を回収するプロセスにおいて、大量に発生する排熱を利用して温水戻り水を加熱し、地域暖房等として供給される大量の温水を安価に得ることが可能な二酸化炭素回収プロセスの排熱利用方法を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006208 【氏名又は名称】三菱重工業株式会社 【住所又は居所】東京都港区港南二丁目16番5号
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| 【出願日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−225537(P2003−225537A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月12日(2003.8.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−24528(P2002−24528) |
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