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【発明の名称】 気体中に含まれる物質の除去方法およびその装置
【発明者】 【氏名】平下 寿

【要約】 【課題】高い効率での脱臭を低コストで実現する。

【解決手段】螺旋状の空間208に導入された気体にノズル216からオゾンを、ノズル215からミストを加え、臭気成分を分解する。さらに下流側でさらにミストを加え、ミスト中に取り込まれた臭気成分の分解成分を捕捉し、水滴として気相中から除去する。また、水面214との間に形成されたわずかな隙間224を介して、空間225から空間223に被処理気体を移動させ、空間223側に被処理気体と共に水面から水を吹き上げることで、吹き上げられた水中に被処理気体中に含まれる不純物を取り込み除去させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気体中にオゾンとミストを供給し、前記気体中に含まれる有機物を酸化分解する第1ステップと、前記オゾンと前記ミストが供給された気体中に時間差をおいてさらにミストを供給する第2ステップと、を含む、気体中に含まれる物質の除去方法。
【請求項2】 前記気体は流れており、前記第1ステップは流れの上流側で行われ、前記第2ステップは流れの下流側で行われる請求項1記載の気体中に含まれる物質の除去方法。
【請求項3】 前記気体が曲がった経路に沿って流される請求項2記載の気体中に含まれる物質の除去方法。
【請求項4】 前記気体が螺旋状に形成された経路に流される請求項2記載の気体中に含まれる物質の除去方法。
【請求項5】 気体中にオゾンとミストを供給する第1手段と、前記オゾンと前記ミストが供給された気体中に時間差をおいてさらにミストを供給する第2手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項6】 前記第1手段と前記第2手段とは離れた位置に配置され、前記第1手段から前記第2手段へと前記気体を流す手段をさらに含む請求項5記載の気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項7】 前記気体を流すための曲がった経路をさらに含む請求項6記載の気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項8】 前記気体を流すための螺旋状に形成された経路をさらに含む請求項6記載の気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項9】 液面との間に隙間を有して配置された分離部材によって分離された第1の空間と第2の空間を利用し、前記第1の空間に被除去物質を含んだ気体を導入すると共に前記第2の空間を前記第1の空間に対して減圧状態にし、前記第1の空間から前記隙間を介して前記第2の空間へと前記液面を構成する液体と共に前記気体を吸引させ、前記被除去物質を前記液体に捕捉させる、気体中に含まれる物質の除去方法。
【請求項10】 液面との間に隙間を有して配置され、第1の空間と第2の空間とを分離する分離部材と、前記第1の空間に被除去物質を含んだ気体を導入する手段と、前記第2の空間を前記第1の空間に対して減圧状態にする排気手段と、を含み、前記第2の空間を前記第1の空間に対して減圧状態にし、前記第1の空間から前記隙間を介して前記第2の空間へと前記液面を構成する液体と共に前記気体を吸引させ、前記被除去物質を前記液体に捕捉させる、気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項11】 下部に液体を貯めた筒状構造体と、前記筒状構造体内に配置され、前記液体の液面との間に隙間を設けた下端部を有する排気筒と、前記排気筒の外側を囲んだ筒状空間と、前記排気筒内を前記筒状空間に対して減圧状態にする排気手段と、を含み、前記排気筒内を前記筒状空間に対して減圧状態とし、前記筒状空間から前記排気筒内へと前記液面を構成する液体と共に気体を吸引させ、前記気体中に含まれる被除去物質を前記液体に捕捉させる、気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項12】 流れる気体中にオゾンとミストを供給し、前記気体中に含まれる有機物を酸化分解する第1ステップと、前記第1ステップが実施される場所より下流側において、前記気体にさらにミストを供給する第2ステップと、前記第2ステップが加えられた前記気体を液面との間に隙間を有して配置された分離部材によって第2の空間から分離された第1の空間へ導くステップと、前記第1の空間から前記隙間を介して前記第2の空間へと前記液面を構成する液体と共に前記気体を吸引するステップと、を含む、気体中に含まれる物質の除去方法。
【請求項13】 流れる気体中にオゾンとミストを供給する手段と、前記手段より下流側において、前記気体にさらにミストを供給する手段と、前記さらにミストを供給された気体が導かれる第1の空間と、液面との間に隙間を有して配置された分離部材によって前記第1の空間と分離された第2の空間と、前記第1の空間から前記隙間を介して前記第2の空間へと前記液面を構成する液体と共に前記気体を吸引する吸引手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項14】 下部に液体を貯めた筒状構造体と、前記筒状構造体内に配置され、前記液体の液面との間に隙間を設けた下端部を有する排気筒と、前記排気筒の外側を囲み、前記気体を前記液面に導く経路が内部に形成された筒状空間と、前記経路の上流側において前記気体中にオゾンとミストを供給する手段と、前記経路の下流側において前記気体中にミストを供給する手段と、前記排気筒内を前記筒状空間に対して減圧状態にする排気手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項15】 被除去物質を含んだ気体中にミストを供給する手段と、前記気体中からミスト中の液滴を除去する手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去措置。
【請求項16】 前記気体が高温ガスであり、前記ミストの供給により前記高温ガスの冷却が行なわれることを特徴とする請求項15記載の気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項17】 被除去物質を含んだ気体と液体とを混合する手段と、前記混合する手段で生成された混合物中から前記液体の液滴を除去する手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項18】 気体中にミストを供給する手段と、前記気体と液体とを混合する手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項19】 前記気体中からミスト中の液滴を除去する手段をさらに含む、請求項18記載の気体中に含まれる物質の除去装置。
【請求項20】 前記混合する手段で生成された混合物中から前記液体の液滴を除去する手段をさらに含む、請求項18または19に記載の気体中に含まれる物質の除去装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス等から有害物質等を除去する技術に関する。本発明は、例えば焼付塗装工程で発生する臭気ガスを脱臭する技術に適用できる。
【0002】
【従来の技術】工業製品や建材に塗装を行う方法として、焼付け塗装が知られている。焼付け塗装は、塗装を行う製品や材料に塗装を行い、それを高温処理することで、塗料を付着させる塗装技術である。焼付け塗装に用いられる塗料には、良好な塗装状態を得るためにアセトアルデヒドが含まれている。この塗料に含まれるアセトアルデヒドは、焼付け塗装工程における高温処理工程で雰囲気中に放出される。従って、焼付け塗装工程で発生する排気ガスには、アセトアルデヒドが高濃度で含まれる。アセトアルデヒドは、人体に有害であり、また強い刺激臭があるため、上記焼付け塗装工程で発生する排気ガスをそのまま外部(自然環境)に放出するのは好ましくない。
【0003】通常、焼付け塗装は、専用の工場内で行われる。そして、排気ガスには、何らかの処理を施して、アセトアルデヒドおよびその他の有害物質(あるいはそのまま排出しては好ましくない物質)を除去し、煙突等から空気中に放出される。
【0004】アセトアルデヒドを除去する方法としては、主に2種類の方法がある。第1の方法は、アセトアルデヒドを含んだ排気ガスを燃焼室に導き、燃焼室に燃料を導入して燃焼させて、アセトアルデヒドを分解させる方法である。この方法は、燃焼脱臭方式あるいはアフタバーナー方式と称される。
【0005】アセトアルデヒドを除去する第2の方法は、活性炭フィルタを利用する方法である。この方法は、アセトアルデヒドを含んだ排気ガスを活性炭フィルタに通し、活性炭にアセトアルデヒドを吸着させて除去する方法である。この方法は、活性炭吸着脱臭方式またはセピオ方式と称されている。
【0006】上述した方法以外に第1の方法と第2の方法を組み合わせた方法も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】第1の方法、即ち燃焼脱臭法による方法は、燃焼による燃焼室内の傷みが大きく、維持管理コストがかかる問題がある。また、燃料費のコストが高いという致命的な問題がある。さらに、高濃度の二酸化炭素を含んだ高温の排気ガスを排出するので、環境への悪影響があるという問題もある。
【0008】第2の方法、即ち活性炭吸着脱臭方式は、活性炭フィルタで吸着されずにフィルタ通過してしまうアセトアルデヒドが存在する問題がある。即ち、活性炭吸着脱臭方式は、アセトアルデヒドの除去効率が悪いという問題がある。また、活性炭フィルタの吸着能力が数週間という短期間で低下してしまい、頻繁に活性炭フィルタを交換しなければならい問題がある。そのため、活性炭フィルタを交換する手間と交換用の活性炭フィルタのコストがかかってしまう問題がある。また、使用済みの活性炭フィルタは産業廃棄物として埋め立て処理しなくてはならず、廃棄処理のためのコストも無視できない問題がある。
【0009】上述した第1の方法と第2の方法を組み合わせた方法では、上記第1および第2の方法における問題点は解決されず、依然としてその問題は残る。従って、上述した問題の解決にはならない。
【0010】本発明の目的は、排気等の気体中から被除去物質をより高い効率で除去できる低コストな方法の提供にある。本発明の他の目的は、気体中から被除去物質をより高い効率で除去でき、低コストで可動する装置の提供にある。発明の他の目的は、より低コストで高効率な脱臭方法の提供にある。さらに本発明の他の目的は、低コストで高効率な脱臭装置の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願の発明の概略を説明すれば、以下の通りである。即ち、本発明は、気体中にオゾンとミストを供給し、前記気体中に含まれる有機物を酸化分解する第1ステップと、前記オゾンと前記ミストが加えられた気体中に時間差をおいてさらにミストを加える第2ステップと、を含む気体中に含まれる物質の除去方法である。
【0012】上記発明によれば、オゾンとミストの相互作用によって有機物の分解が高い効率で行われ、その後にさらに時間差をおいてミストを加えることで、有機物の分解生成物を取り込んだミストを捕捉し、水滴として気体中から除去できる。こうして、有機物の分解と除去をより高い効率で行える。例えば、アセトアルデヒドの除去においては、まずオゾンとミストの相互作用によってアセトアルデヒドが効果的に分解され、さらに時間差をおいて加えられるミストの作用により、アセトアルデヒドの分解生成物である酢酸がミストに捕捉され、気相中から酢酸が除去される。こうして、臭気の除去が効果的に行われる。ここで、オゾンとミストの相互作用によるアセトアルデヒドの分解だけでは、アセトアルデヒドの分解生成物である酢酸が残存し、酢酸臭が残り、臭気の除去は十分に行えない。また、ミストの添加だけでは、アセトアルデヒドの分解が行われず、アセトアルデヒド臭の除去が十分に行えない。なお、ミストとは、気体中に液体の細かい滴(液体の微粒子)が分散して存在している状態をいう。例えば、霧吹きで生成される状態はミストである。また、ミスト中の水滴を構成する液体は代表的には水であるが、他の液体であってもかまわない。
【0013】上記発明は、システムとしても把握できる。上記発明をシステムとして把握する場合、各ステップを実施する手段を備えたシステムとして把握される。
【0014】他の本発明は、液面との間に隙間を有して配置された分離部材によって分離された第1の空間と第2の空間を利用し、前記第1の空間に被除去物質を含んだ気体を導入すると共に前記第2の空間を前記第1の空間に対して減圧状態にし、前記第1の空間から前記隙間を介して前記第2の空間へと前記液面を構成する液体と共に前記気体を吸引させ、前記被除去物質を前記液体に捕捉させる、気体中に含まれる物質の除去方法である。
【0015】この方法によれば、気体が第1の空間から第2の空間に移動する際に、液面との間に形成されたわずかな隙間を気体が勢い良く通過して液面から液体を巻き込みながら第2の空間側に噴出する。そして、気体に含まれている塵や有機物等の被除去物質が前記隙間から気体と共に噴出した液体中に捕捉される。この被除去物質を捕捉した液体は、液面に落下あるいは適当な経路を経由して液面に戻る。こうして、気体中に含まれていた被除去物質が除去される。
【0016】なお、上記発明において、さらに気体中からミスト中の液滴の除去(気体中に浮遊している液体の微粒子成分の除去)を行うステップを加えることは好ましい。第1の空間から隙間を介して第2の空間へと液面を構成する液体と共に気体を吸引させ、第2の空間側に噴出した液体中に被除去物質を捕捉させる際、被除去物質を捕捉した液体のミストが発生する。よって、このミスト中の液滴を除去することで、気体をよりクリーンにできる。また、第2の空間を第1の空間に対して減圧状態にする手段として排気ファンを用いる場合、上記ミストの除去は、気体が排気ファンに吸い込まれる前段階で行われるのが好ましい。
【0017】上記発明は、システムとしても把握できる。上記発明をシステムとして把握する場合、各ステップを実施する手段を備えたシステムとして把握される。
【0018】さらに他の発明は、流れる気体中にオゾンとミストを供給し、前記気体中に含まれる有機物を酸化分解する第1ステップと、前記第1ステップが実施される場所より下流側において、前記気体にさらにミストを加える第2ステップと、前記第2ステップが加えられた前記気体を液面との間に隙間を有して配置された分離部材によって第2の空間から分離された第1の空間へ導くステップと、前記第1の空間から前記隙間を介して前記第2の空間へと前記液面を構成する液体と共に前記気体を吸引するステップと、を含む気体中に含まれる物質の除去方法である。
【0019】この発明によれば、オゾンによる有機物の分解除去作用に加えて、さらに液面との間に設けた隙間から液面を構成する液体を巻き込んで気体を吸引することによる液体中への被除去物質の捕捉による被除去物質の除去効果が得られる。この発明では、オゾンによる分解除去効果の小さい物質の除去もでき、気体をよりクリーンにできる。なお、上記発明において、さらに気体中からミスト分の除去(除水)を行うステップを加えることは好ましい。こうすることで、気体中のミスト分に捕捉された被除去物質をミスト分と共に気体中から除去でき、気体をよりクリーンにできる。
【0020】上記発明は、システムとしても把握できる。上記発明をシステムとして把握する場合、各ステップを実施する手段を備えたシステムとして把握される。
【0021】他の発明は、被除去物質を含んだ気体中にミストを供給する手段と、前記気体中からミスト中の液滴を除去する手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去措置である。上記の発明によれば、気体中の被除去物質がミスト(霧状の微細な水滴)に取りこまれ、さらにこのミスト中の液滴を除去することで、ミストに取りこまれた被除去物質を気体中から除去できる。上記発明を例えば有機系塗料の塗装工程から排出される排気ガスの浄化に利用すると、有機系塗料に起因する臭気成分や有害成分の除去を行える。上記発明は、低コストで実施できる優位性がある。なお、液滴とは、ミストを構成する液体の微細な滴(雫)をいう。
【0022】上記発明において、さらに気体が高温ガスであり、ミストの供給により前記高温ガスの冷却が行なわれることは好ましい。この発明によれば、有害物質等の除去対象とする気体が高温である場合に、当該気体中から有害物質等を除去すると共に、清浄対象とする当該気体を冷却することができる。例えば、焼き付け塗装工程から排出される排気ガスは、有機溶剤の気化成分を含むと同時に火傷が懸念される程度の高温であるが、上記発明を利用することで、焼き付け塗装工程から排出される排気ガスから有機溶剤成分の除去を行うと共に排気ガスの冷却を同時に行うことができる。ここで、高温とは、室温より高い温度、代表的には60℃以上の温度、より代表的には80℃以上の温度をいう。特に上記発明は、排気ガスが100℃を超えるような熱風である場合に有効となる。100℃を超えるような高温ガスは、危険であり、また設備が早く痛む要因ともなるので、適切な方法で冷却できることは好ましい。
【0023】他の発明は、被除去物質を含んだ気体と液体とを混合する手段と、前記混合する手段で生成された混合物中から前記液体の液滴を除去する手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去装置である。
【0024】上記発明によれば、気体と液体とを混合した際に生じる細かい液滴中に気体中の被除去物質が取り込まれ、さらにこの液滴を生成された混合物中から取り除くことで、気体中からの被除去物質の除去が行なわれる。混合物の状態としては、気体と液体とが混合されて噴霧され、気体中に液体の微粒子(細かい液滴)が浮遊、あるいは気体中に液体の微粒子が分散して存在している状態が望ましい。この混合状態は、ある程度過渡的な状態であってもよい。つまり、混合状態が長時間維持されない状態であってもよい。
【0025】上記の発明では、気体と液体との混合過程において、気体中の被除去物質が生成される液滴中に取り込まれるので、被除去物質の除去効率をより高くできる。つまり、被除去物質を含んだ気体と液体とを混合し無数の液滴を生成する過程において、その場の雰囲気に被除去物質が存在しているので、被除去物質が液滴中に取り込まれ易い状態が得られる。このため、気体中の被除去物質の除去効率を高くできる。
【0026】気体と液体とを混合する手段としては、例えば、狭い隙間から気体と液体とを共に勢い良く噴出させる仕組み、液面上に僅かな隙間を設け、その隙間に気体を勢い良く通過させ液面から液体を巻き込んで両者を共に勢い良く吹き上げさせる構造、霧吹きやスプレーと同様な構造、超音波振動によりミストを生成する構造等が挙げられる。これらの構造は、液体と気体とを混合することで、細かい液滴を生成させるものである。これらの構造に共通しているのは、気体と液体との接触面積を増大させる点である。両者の接触面積を増やすことで、気体中に含まれる被除去物質を液体中に取り込み易くできる。
【0027】他の発明の構成は、気体中にミストを供給する手段と、前記気体と液体とを混合する手段と、を含む、気体中に含まれる物質の除去装置である。この構成には、さらに気体中からミスト中の液滴を除去する手段をさらに含むことが好ましい。また、混合する手段で生成された混合物中から液体の液滴を除去する手段をさらに含むことが好ましい。上記の発明によれば、ミストの供給による被除去物質の除去効果と、気体と液体とを混合することで得られる被除去物質の除去効果との相乗効果が得られ、気体中からの被除去物質の除去をより徹底して行える。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。なお、実施の形態の全体を通して同じ要素には同じ番号を付するものとする。
【0029】本実施の形態では、焼付け塗装工程で発生する排気ガス中から主にアセトアルデヒドを除去する脱臭装置の例を説明する。
【0030】図1および図2は、本発明の気体中に含まれる物質の除去装置の一実施形態である脱臭装置の一例を示す図である。図1および図2に示す脱臭装置100は、焼付け塗装装置から排出された排気から臭気成分であるアセトアルデヒドを主に除去する機能を有する。この脱臭装置100は、冷却部101および脱臭部102を含んでいる。
【0031】冷却部101は、吸気部114、第1冷却室107、第2冷却室108、遮蔽板123、遮蔽板124、排水部801、案内板802、遮蔽板805、開口部115、開口部116、配管117、配管118、ノズル119、配管120、配管121、ノズル122、排水管111および排水管112を含んでいる。
【0032】冷却部101は、脱臭部102で行われるオゾンを利用した脱臭が高効率で行える温度(40℃以下)まで排気ガスを冷却する機能を有する。また、冷却機能に加えて、ミスト中の水滴が脱臭成分を取り込むことによる脱臭機能を有する。またさらに、ミスト中の水滴に不純物が取り込まれることによる不純物の除去機能を有する。吸気部114は、冷却部101内に図示しない焼付け塗装装置からの排気ガスを吸気する。吸気部114は、冷却部101内の外周部に配置された第1冷却室107につながり、第1冷却室は開口115によって第2冷却室108につながっている。第2冷却室108には、流れの経路を2つに分ける案内板802が設けられ、この2つの経路の一方に遮蔽板805が設けられている。また、遮蔽板805の下部には、滴下した水を排水する排水部801が設けられている。また、排水部801には、配水管112が接続されている。また、第2冷却室108は、開口部116によって、脱臭部102内につながっている。
【0033】ノズル119は、第1冷却室107内にミスト(霧状の微細な水滴)を噴霧する機能を有する。ノズル122は、第2冷却室108内にミストを噴霧する機能を有する。ノズル119には、ミスト用の水を供給する配管117と圧縮空気を供給する配管118が接続されている。ノズル122には、ミスト用の水を供給する配管120と圧縮空気を供給する配管121が接続されている。
【0034】ノズル119と122は、同じ構造を有し、水と圧縮空気を混合することで、ミストを発生する機構を有している。ミスト用の水は、純水あるいは磁気処理した磁化水あるいは水道水をろ過した清水を用いる。
【0035】図2は、図1に示す装置における脱臭部102の内部構造を分かりやすく記載した図である。図3は、本発明の気体中に含まれる物質の除去装置の一実施形態である脱臭装置の一部を例示する図である。図3は、図1および図2に示す装置における脱臭部102の内部構造を分かりやすく記載した図である。図4は、本発明の気体中に含まれる物質の除去装置の一実施形態である脱臭装置の縦断面構造を例示する図である。図5は、本発明の気体中に含まれる物質の除去装置の一実施形態である脱臭装置を上方から見た断面構造を例示する図である。図5には、脱臭部102の最上部の上方から見た断面構造が示されている。
【0036】脱臭部102は、後述する2段階の脱臭機構を含んでいる。脱臭部102は、円筒形状を有し、仕切り202、排気筒103、ノズル215、ノズル216およびノズル217を含んでいる。ノズル215には、圧縮空気を供給する配管203とミスト用水を供給する配管204が接続されている。ノズル216には、オゾンを供給する配管205が接続されている。配管205には、オゾン発生装置230が接続されている(図4参照)。オゾン発生装置230には、高濃度酸素を供給する配管232と電源231が接続されている。また、排気筒103には、ミスト捕集装置150が接続され、さらに排気ファン104、オゾン分解フィルタ106が接続されている。また、排気ファン104には、ファンを駆動するためのモータ105が配置されている。
【0037】脱臭部102は、下部に水212を貯めた筒状構造を有している。脱臭部102は中心部に排気筒103が配置され、排気筒103の外側を囲む排気筒103と同軸状の筒状空間を有している。この排気筒103を囲む筒状空間の上部は、仕切り202によって螺旋状に仕切られ、螺旋空間208が形成されている。
【0038】螺旋空間208には、オゾン供給部220と捕捉部221が形成されている。オゾン供給部220には、ノズル215および216が配置されている。ノズル215は、配管203から送られてくる圧縮空気と配管204から送られてくるミスト用の清水または純水を混合し、ミストを発生させる。このミストは、螺旋空間208のオゾン供給部220において供給される。ノズル216は、オゾン発生装置230から供給されるオゾンをオゾン供給部220において供給する。
【0039】オゾン発生装置230は、コロナ放電によりオゾンを発生する機構を有している。オゾン発生装置230には、配管232から高濃度酸素が供給される。この高濃度酸素は、空気から窒素を除去し酸素濃度を85%〜90%に高めて生成される。オゾン発生装置230では、配管232から供給される高濃度酸素に電源231から供給される高電圧を加えてコロナ放電を発生させ、オゾンを生成させる。
【0040】捕捉部221には、ノズル217が配置されている。ノズル217は、配管206から送られてくる圧縮空気と配管207から送られてくる清水または純水とを混合し、ミストを発生させ、螺旋空間208の捕捉部221にミストを供給する機能を有する。
【0041】脱臭部102の下部には、吸引除去部222が設けられている。脱臭部102の下部には水212が溜まっている。排気筒103の下端部は、下方に向かってスカート状に広がり、水面214からわずかな隙間をおいて位置するフード240を含んでいる。ここでは、フード240の円筒部213における下端の縁は、水面214から隙間d=10〜20mmの間隔を空けて離れて配置され、隙間224が形成されている。また、フード240の円筒部213の縁は、鋸形状に加工されている(図3参照)。また間隔dは、例えば、0.5〜50mmの範囲から選択される。なお、上記縁部分は、上下方向に並行移動可能であり、水面214との間隔dは、装置の外部から適宜調整できるようになっている。
【0042】フード240の円筒部213の縁が鋸形状に加工されていることで、吸引された空気が隙間224を通過する際に水面214から水を巻き込み易くなっている。なお、鋸形状部分の先端を水面214に着けてしまい、第1の空間225と第2の空間223とが、多数の隙間(換言すれば多数の通気口)でつながるようにしてもよい。
【0043】脱臭部102の下部には、上方に円錐状に開いた受け部材218、排水管113が配置されている。フード240と受け部材218との間には、隙間が形成され226で示すような気流の流れが生じる構造となっている。また、フード240の円筒部213の形状および受け部材218の形状、および両者の位置関係は、隙間224から矢印226で示されるように流入した気流の流れが、直線状にならず、フード240や受け部材218の一部にぶつかるようになっている。また、水面214の位置を一定にするように排水管113が配置されている。なお、配水管113へは、図示しないその下部において、他の配水管が接続され、全ての排水が集まるようになっている。
【0044】脱臭部102の内部には、図1に示す冷却部101とつながる開口部116を介して冷却部101から被処理気体が図5の矢印501に示すように流入し、さらに矢印502、503で示すように螺旋空間208内を上方から見て時計周りに旋回しつつ下方に流れる。そして、被処理気体は、オゾン供給部220、捕捉部221と流れ、排気筒103を囲む筒状空間の最下部へ到る。そして、被処理気体の気流は、水面214とフード240の縁との間224を通過し、排気筒103内を上昇し、ミスト捕集装置150でミスト分が除去され、さらに排気ファン104、オゾン分解フィルタ106へと至り、装置外部へと排出される。以上の気流の流れは、排気ファン104が作動することで発生する。
【0045】以下、オゾン供給部についてより詳細に説明する。オゾン供給部220では、排気ガス中にオゾンガスとミストを供給することで、排気ガス中に含まれるアセトアルデヒドを水素、酸素、二酸化炭素、酢酸に分解する。オゾンガスに加えてミストを供給することで、オゾンとアセトアルデヒドの反応効率が高くなり、上記分解作用がより促進される。また、上記分解によって生じた酢酸成分は、水に溶けやすい性質を有するので、オゾンと共にミストを供給することで、ミスト中に酢酸成分が取り込まれ、アセトアルデヒド由来の臭気成分の除去効率を高められる。なお、上記オゾンによるアセトアルデヒドの分解効率を高めるために、ミストはできるだけ細かい方が好ましい。具体的には、ミストの平均粒子径は、0.05μm〜10μm程度が好ましい。
【0046】こうして、オゾン供給部220では、排気ガス中のアセトアルデヒドがオゾンによって分解され、生成した酢酸成分がオゾンと同時に加えられたミストに取り込まれる。また、アセトアルデヒド以外の有機物、硫化成分および窒素化合物等の不純物も同様に分解され、その分解成分は同様にミスト中に取り込まれる。
【0047】捕捉部221は、オゾン供給部220の下流側に配置されている。捕捉部221では、オゾン供給部220から流れてくる排気ガスとミストの混合気体に対して、さらにミストを加える。捕捉部221で加えられるミストによって、残存している酢酸成分がさらにミスト中に取り込まれる。また、酢酸成分を取り込んでいる細かい浮遊しているミストが新たに加えたミストによって補足され、より大きな水滴となって気相中から除去される。即ち、粒が細かく浮遊している酢酸を取り込んだミストの粒が、新たに加えたミストの粒と結合して大きな粒となり、第1冷却室107の壁面に水滴として付着等することで、気相中から除去される。なお、捕捉部221で加えるミストの量は、例えばオゾン供給部220で加えるミストの量とほぼ同量とする。
【0048】オゾン供給部220で加えられるミストは、アセトアルデヒド由来以外の他の臭気成分、細かい塵、焼付け塗装工程で発生した揮発成分、あるいはそれらの分解生成物等の不純物をも取り込んでいる。よって、捕捉部221で再度加えられるミストによって、オゾン供給部220から流れてくるミストを捕捉除去することは、上記他の不純物の除去にも有効となる。
【0049】次に吸引除去部222について説明する。排気ファン104を作動させて排気筒103内を減圧状態にすると、第2の空間である223内が第1の空間である空間225内より減圧となる。その結果、第1の空間225内に存在する気体が隙間224を介して第2の空間である空間223に移動する(図4参照)。この際、隙間224の寸法が小さいので、隙間224において、気体の移動に従って水面214から水を巻き込み、ミスト状の水しぶきが空間223側に発生する。この水しぶきのほとんどは、受け部材218の側面上部とフード240の上面部219に当たり、水滴となって落下する。この隙間224におけるミスト状の水しぶきの発生過程において、気相中に存在する有機成分、浮遊物その他の不純物が水滴中に捕捉され、排気ガスから除去される。
【0050】以下において、本実施の形態で例示する脱臭装置の動作の一例について具体的に説明する。まず、図1に示す吸気部114に図示しない焼付け塗装装置からの排気ガスが図示しないダクトを介して導かれる。排気ガスの流れは、排気ファン104が動作し、排気筒103内を排気することで発生する。焼付け塗装の排気の場合、吸気部114付近での排気ガスの温度は、通常100℃〜120℃程度である。この排気ガスには、アセトアルデヒドが高濃度に含まれている。
【0051】吸気部114から吸気された排気ガスは、第1冷却室107の外周側の壁面にそって冷却部の外周部を旋回する。この際、排気ガスは、ノズル119から噴霧されるミストによって冷却される。このミストは、排気ガスと混合され、排気ガスの熱を吸収する。また、このミストは、排気ガス中の臭気成分および不純物成分を水滴中に取り込む。そして、このミストは、第1冷却室107の壁面等にぶつかり冷却室の底部に水滴となって集まる。この水分は、排水管111から排水管113へと至り、装置の外部に排水される。こうして、排気ガス中の臭気成分およびその他不純物は、排水中に排出される。
【0052】ノズル119から噴霧されたミストと混合した排気ガスは、第1冷却室107の中を旋回し、ほぼ一周したところで、遮蔽板123に当たり、開口部115から第2冷却室108に入る。第2冷却室108内に入った排気ガスは、第1冷却室107の場合と同様に第2冷却室108内を旋回しつつ冷却される。この際、ノズル122よりさらにミストが噴霧されて引き続き冷却が行われる。また、臭気成分とその他不純物の除去が行なわれる。
【0053】第2冷却室108では、冷却と同時に加えられたミストの除去が行われる。図8は、第2冷却室108における排気ガスの流れを説明する図である。開口115から第2冷却室108に導かれた排気ガスは、第2冷却室108を3/4周程周回した場所で案内板802によって外周経路と内周経路に分けられる。水分を多く含んだ排気ガスは、遠心力によって案内板802によって形成された外周経路側に偏って流れ、さらに遮蔽板805によって流れが矢印803および804に示すように変えられる。この際、遮蔽板805に排気ガスの流れが衝突して、微細なミストが水滴となって遮蔽板805に付着し、排水部801の底部に水滴となって落下する。排水部801の底部に溜まった水は、配水管112から排水管113へと至り、装置の外部に排出される。こうして、排気ガス中の熱を吸熱し、さらに臭気成分や不純物を取り込んだ水分が除去される。
【0054】第2冷却室108内を旋回した排気ガスは、最終的に遮蔽板124に当たり、開口部116から脱臭部102に入る。開口部115と116は、段違いに配置されており、気流の流れが適度に乱流状態となるように工夫されている。
【0055】冷却部101で排気ガスが冷却されることで、開口部116付近での排気ガスの温度は、室温〜40℃程度となる。脱臭部102に入った排気ガスは、図3〜図5に示されるように、螺旋状の仕切り202によって形成された螺旋状の空間208を下方に旋回しながら進んで行く。この際、排気ガスは、まずオゾン供給部220において、ノズル215からミストの供給を受け、同時にノズル216からオゾンの供給を受ける。このオゾン供給部220における処理により、排気ガス中のアセトアルデヒド成分およびその他の有機物がオゾンとミストの相乗効果によって分解される。
【0056】オゾン供給部220で処理された排気ガスは、さらに螺旋状の空間208をほぼ半周進んだ場所に存在する捕捉部221において、再びミストの供給を受ける。捕捉部221において、オゾン供給部220において分解されたアセトアルデヒドの分解成分(酢酸)およびその他の有機物の分解成分を取り込んだミストがさらに加えられるミストによって補足され、より大きな水滴となり気相中から除去される。即ち、被除去成分を取り込み、さらなるミストの供給により大きくなった水滴は、遠心力によって螺旋状の空間208の外側壁面に移動し、そこで壁面に付着した水滴となる。そしてこの水滴は、脱臭部102の最下層に流れ落ちる。こうして、排気ガス中からアセトアルデヒドの分解成分(酢酸)およびその他の有機物の分解成分が除去される。
【0057】捕捉部221を通過した排気ガスは、さらに螺旋状の空間208を下方に旋回しながら進み、吸引除去部222へ到る。吸引除去部222では、排気ガス中に残存している不純物の除去がさらに行われる。即ち、排気ファン104の吸引力によって排気筒103内の空間223が空間225に対して減圧状態となり、空間223と空間225との間に圧力勾配が発生する。そして、この圧力勾配によって、フード213と水面214との隙間224を介して、第1の空間225から第2の空間223へと勢い良く排気ガスと水との混合物が吹き上げる。この際、隙間224において勢い良く通過する排気ガスの流れに水面214から水分が巻き込まれ、排気ガスと水分とが混合された混合物が第2の空間223側に噴出する。この噴出の際、巻き上げられた水分が無数の水滴となって空間223方向に飛散する。つまり、第1の空間225から第2の空間223への水飛沫が隙間224で発生する。この際、排気ガスに含まれる不純物が吹き上げられた水滴中に取り込まれる。不純物を取り込んだ水滴は、フードの上面部219や受け部材218に衝突して水滴として付着し、貯水されている水212へと戻る。こうして、排気ガスから不純物が除去される。不純物としては、各種の有機物、その分解生成物、ダスト、その他水滴に取り込まれ得る物質が挙げられる。
【0058】こうして、アセトアルデヒドを始めとして各種の不純物が除去された排気ガスは、矢印226に示すように移動し、さらに排気筒103の中を上昇して行く。排気筒103中を上昇した排気ガスは、排気ファン104に吸い込まれる前に、ミスト捕集装置150において、含まれているミスト分が除去される。
【0059】図6および図7は、ミスト捕集装置150の仕組みを説明する図である。排気筒103内を上昇した排気ガスは、ミスト捕集装置150の中央部149からミスト捕集装置150内に進入する。ミスト捕集装置150内は、螺旋状の仕切り152によって中央部から周辺部へと展開する螺旋空間151が形成されている。また、仕切り153によって、ミスト捕集部160が形成されている。中央部149から中に入った排気ガスは、螺旋空間151を外周方向に旋回しながら流れてゆく。この際、遠心力の作用によって、ミスト分は、螺旋空間151の外周付近に集まり、ミスト捕集部160内に進入する。ミスト捕集部160に進入したミスト分を多く含む排気ガスは、遮蔽板163に衝突し、矢印165および166に示すように流れる。この際、ミスト分は遮蔽板163に衝突して水滴となって付着し、さらに落下して配水管167から排水される。ミスト分を除去された排気ガスは、開口164から螺旋空間151内に戻り、排気ファン104へつながる開口154から排気ファンへ104と吸い出されてゆく。
【0060】ミスト捕集装置150から排気ファン104に吸い出された排気ガスは、オゾン分解フィルタ106に到り、残存しているオゾンが分解除去される。オゾン分解フィルタ106は、ポーラス状のセラミックスフィルタを内蔵している。このポーラス状のセラミックスフィルタは、二酸化マンガンを含有したアルミナを主成分とし、120mm角で厚さが20mmの板状を有し、120mm角の面に直径3.3mm径の孔が約210個存在している構造を有している。排気ガスは、この孔の中を通過する際にセラミックス材料に接触し、残留しているオゾンが分解消滅される。オゾン分解フィルタ106を通過させることで、排気ガス中の残留オゾンを問題とならない程度にまで除去できる。
【0061】ミスト捕集装置150では、ミストが除去される。ミスト中の水滴には、被除去物質が取り込まれているので、排気ガス中から被除去物質を含んだミストを除去することで、排気ガスからの被除去物質の除去をより高いレベルで行える。また、脱水を行うことで、排気ガスを外気に放出した際に水蒸気が発生するのを抑制できる。また、排気ガスが排気ファン104に吸い込まれる前の段階で、排気ガスをミスト捕集装置150に通過させることで、ミスト中の水滴が排気ファン104によって細かく粉砕され、ミストの除去が十分に行えなくなる問題を低減できる。
【0062】排水管113から排出される排水には、アセトアルデヒドおよびその分解生成物、さらには他の有害な不純物が含まれるので、そのまま下水や環境に流さず、適当な処理を施す必要がある。
【0063】本実施の形態で例示した脱臭装置の効果を示すデータを下記表1に示す。表1に示すデータは、焼付け塗装装置からの排気ガス中に含まれる不純物の濃度(処理前濃度)と脱臭装置100から排気された排気ガス中に含まれる不純物の濃度(処理後濃度)との関係を各不純物毎にまとめたものである。
【0064】表1に示すデータは、装置内に流入する排気ガスの流量が約50m/分であり、オゾン供給量が12g/時であり、オゾン供給部220および捕捉部221において供給されるミストとして各0.5リットル/分の清水を用い、第1冷却室107および第2冷却室108で供給される冷却用のミストとして16リットル/分の清水を用いた場合のものである。なお、清水は、水道水をフィルタに通して、ろ過したものを用いた。
【0065】
【表1】

【0066】本実施の形態では、焼付け塗装工程で発生する排気ガスに対してオゾン供給部220においてオゾンとミストを供給することで、効率よくアセトアルデヒドが分解され、さらにアセトアルデヒドの分解により生成した酢酸成分がミストに取り込まれる。そして、捕捉部において、さらにミストを加えることで、酢酸成分を取り込んだミストが捕捉され、臭気成分がさらに除去される。
【0067】なお、オゾンとミストによるアセトアルデヒドの分解作用だけでは、アセトアルデヒドの分解生成物である酢酸成分の除去効率が十分でなく、酢酸臭が残存する場合がある。また、ミストの添加だけでは、アセトアルデヒドの分解が行われず、アセトアルデヒドの除去は十分に行えない。従って両者を併用することがアセトアルデヒドの除去効果を高める上で重要となる。
【0068】本実施の形態においては、ミストの作用によって、酢酸成分をミストに取り込んだ後に、さらに加えて、吸引除去部において、残存したアセトアルデヒドおよび他の不純物成分が水中に取り込まれて、気相中から除去され、臭気成分の除去されたクリーンな排気ガスを得る。
【0069】また、本実施の形態では、吸引除去部を通過した排気ガスからミストの除去を行っている。吸引除去部を通過した排気ガス中には、被除去物質を取り込んだミスト分が含まれており、排気ガスをそのまま排気すると、せっかく水分中に取り込んだ被除去物質がミストと共に外部に排気されてしまう。本実施の形態では、吸引除去部を通過した排気ガスからミストを取り除くことで、この問題に対応している。
【0070】本実施の形態では、オゾン供給部220から捕捉部221、さらにその先へと流れる排気ガスの流れが円筒形状である脱臭部102の湾曲した側面に沿っている。このため、アセトアルデヒドの分解生成物である酢酸を含んだ水滴が遠心力によって脱臭部102の側面に衝突して付着し易い。従って、排気ガス中からの酢酸の除去効率を高くできる。また、螺旋状に気流を装置の外側から旋回させて導入し、装置の中心部から上部に排出する構造とすることで、全体の装置構造の小型化を実現している。
【0071】オゾンとミストの複合使用によるアセトアルデヒドの分解は、高い効率で行われ、ランニングコストも低い優位性がある。また、上記オゾンとミストとの複合使用によるアセトアルデヒドの分解に加えて、その下流側においてさらにミストを加えることで、アセトアルデヒドの分解成分である酢酸を取り込んだミストを捕捉し、水滴として気相中から除去できる。このさらにミストを加える機構もランニングコストが低くコストパフォーマンスに優れている。
【0072】また、水面との間に設けた狭いスリット状の隙間から減圧空間に水と共に排気ガスを吸い込むことで、水分に排気ガス中に残存しているアセトアルデヒドおよびその分解成分、さらにその他の有害物質やダスト等を取り込んで除去することができる。この方法は、水に取り込まれる物質であれば、その物質の除去に効果があり、またランニングコストが低くコストパフォーマンスに優れている。また、この方法は、オゾンで分解できない成分の除去にも効果がある優位性がある。
【0073】また、本実施の形態で示す脱臭装置は、非燃焼方式であるのでランニングコストが低い、環境に負荷を与えない、メンテナンス負担が軽い、煤や産業廃棄物が発生しない、といった優位性がある。本実施の形態では、排気源として焼付け塗装の例を示したが、本実施の形態は、電着塗装や他の塗装においても、その排気ガス中からの臭気成分の除去に有効である。
【0074】本実施の形態で示した脱臭方法が有効な被除去物質としては、硫黄化合物、アルデヒド類、脱脂酸および窒素化合物が挙げられる。硫黄化合物としては、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチルおよび二酸化メチルが挙げられる。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレインおよびプロピルアルデヒドが挙げられる。脱脂酸としては、酢酸、酪酸およびプロピオン酸が挙げられる。窒素化合物としては、アンモニア、メチルアミンおよびトリメチルアミンが挙げられる。
【0075】本実施の形態で示した脱臭方法が有効な臭気としては、汗の臭い、体臭、ペットの臭い、鶏や鳥の臭い、口臭、嘔吐臭、ゴミの臭い、糞尿の臭い、トイレの臭い、下水の臭い、浴室の臭い、カビの臭い、タバコの臭い、ゴミの焼却臭、食品臭、食品を調理した際に発生する臭い、燻製食品臭気、薬品臭、油の臭い、ゴムの臭い、インク臭、接着剤の臭い、内燃機関からの排気ガスの臭いおよび消毒液の臭い等が挙げられる。
【0076】本実施の形態で示した脱臭方法は、各種の臭気の除去に有効であり、例えば、薬品工場における脱臭、食品加工施設における脱臭、し尿処理施設における脱臭、医療施設における脱臭およびゴミ処理施設における脱臭等に利用できる。
【0077】また、オゾンによる酸化分解効果は、細菌の除去にも効果あるので、本発明を気体中から細菌を除去する用途に利用してもよい。また、本発明は、脱臭に限定されず、気体中からの不純物や有害物質の除去に広く利用することができる。
【0078】以上本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0079】本実施の形態において、オゾン供給部または捕捉部を複数設けても良い。また、本実施の形態において、オゾン供給部と捕捉部を交互に複数段配置してもよい。本実施の形態において、ミストおよび液体212としては、薬品、水に他の処理を施したもの、水に何らかの添加物を加えたもの、等が利用できる。
【0080】ミストを発生する機構としては、ミスト発生用のノズルを用いる方法以外に超音波を利用する方法を採用してもよい。
【0081】また、本実施の形態におけるオゾン供給部および捕捉部からなる部分のみを利用して脱臭や有機物の分解除去を行ってもよい。また、本実施形態における吸引除去部のみを利用して脱臭や気相中からの不純物の除去を行ってもよい。勿論、本実施の形態で示した両者の組み合わせを利用したものが、より高い効率で脱臭や気相中からの不純物の除去を行える。
【0082】本実施の形態では、オゾンによる有機物の分解が行われる場所と分解生成物を捕捉する場所は、位置的に離れている。前者から後者へと気体が流れることで、オゾンによる有機物の分解が行われ、さらに分解生成物を取り込んだミストが捕捉されて気相中から除去される。しかし、気体が流れておらず、同一の場所において、オゾンによる有機物の分解を行い、その後にミストの供給を行って分解生成物を取り込んだミストの捕捉を行ってもよい。
【0083】また、本実施の形態で示す構成の一部または全部を他の脱臭機構に組み合わせても良い。また、本実施の形態で示す構成の一部に他の脱臭機構を組み込んでも良い。
【0084】また、本実施の形態では、捕捉部221からの排気ガスの流れを円筒形状の脱臭部の壁面に沿ったものとすることで、捕捉した酢酸の収集効率を高めている。しかし、捕捉部221からの排気ガスの流れが適当に邪魔されるように適宜遮蔽部材を配置して、ミストを水滴として排気ガス中から除去し易い構造としてもよい。
【0085】
【発明の効果】本願で開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果は、以下の通りである。すなわち、本発明を採用することで、気相中から臭気成分や人体に有害な物質等の被除去物質をより高い効率で除去できる装置および方法が低コストで提供される。
【出願人】 【識別番号】300041273
【氏名又は名称】株式会社太寿
【出願日】 平成14年11月28日(2002.11.28)
【代理人】 【識別番号】100112520
【弁理士】
【氏名又は名称】林 茂則
【公開番号】 特開2003−225532(P2003−225532A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−345405(P2002−345405)