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【発明の名称】 脱臭装置
【発明者】 【氏名】大内 和心

【要約】 【課題】微生物を用いた脱臭装置に於いて、微生物の活動条件を最適に保持し、より良好に脱臭対象気体の脱臭作用を行うことができるようにすること。

【解決手段】上部に脱臭対象気体の導入用の導入口1aを有し、下部に脱臭済み気体の排気口1dを備えた脱臭槽1であって、その多孔板1cより上方に微生物用担体である木材チップを充填した脱臭槽1と、脱臭槽1の内側上部に配した水分供給手段2と、脱臭槽1の内部の上下方向途中に配した水分検出手段3と、脱臭槽1の内部中央に上下方向に沿って配した撹拌手段4と、排気口1dに配した減圧排風ブロワ5と、水分供給手段2及び撹拌手段の動作を制御する制御手段とで構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気体中の臭気を除去するための臭気除去用微生物を担持した微生物用担体を充填する脱臭槽であって、臭気を含んだ気体を導入する導入口を上部に備え、上記微生物用担体の間を通じて流下した脱臭済みの気体を排出する排気口を下部に備えた縦型かつ上部拡大テーパ状の脱臭槽と、前記排気口に上記脱臭済みの気体を排出すべく配した減圧排風ブロワと、上記脱臭槽の上部に配した水分供給手段であって、前記微生物用担体に水分を供給する水分供給手段と、前記脱臭槽に配した水分検出手段であって、前記微生物用担体中の水分割合を検出する水分検出手段と、前記脱臭槽に配した、前記微生物用担体を定期的又は非定期的に撹拌する撹拌手段であって、その撹拌動作によって該微生物用担体に上昇方向の作用力を与えながら撹拌する撹拌手段と、前記脱臭槽の下部に備えた補助排水口であって、前記微生物用担体中を流下した水分で気化し得なかった水分を槽外に除去する補助排水口と、前記水分検出手段の検出結果を参照して、前記微生物用担体中の水分割合を前記臭気除去用微生物の活動に適するレベルに保持すべく、前記水分供給手段の水の供給動作を制御する制御手段と、で構成した脱臭装置。
【請求項2】 前記微生物用担体として、木材チップ、木炭、竹炭、活性炭及び椰子殻炭の全部又は一部の混合物、若しくは各単体を採用した請求項1の脱臭装置。
【請求項3】 前記水分供給手段を、前記脱水槽内の上部に配した散水管と、該散水管に定間隔で構成した複数のノズルと、上記散水管に水を供給する供給用配管とで構成した請求項1又は2の脱臭装置。
【請求項4】 前記撹拌手段を、前記脱臭槽の中央に直立状態に配した回転軸と、該回転軸に、その周方向には定角度間隔で、かつその長さ方向には定間隔で、これに直角に配した複数の撹拌羽根であって、該回転軸から直角方向に延びる棒状の撹拌羽根本体及び該撹拌羽根本体の両側に相互の上端が当接して山形になるように配設した二枚の板状羽根材からなる撹拌羽根と、該回転軸を回転駆動する回転駆動手段とで構成した請求項1、2又は3の脱臭装置。
【請求項5】 前記導入口に臭気を含んだ気体の導入を補助するための吸引ブロワを配した請求項1、2、3又は4の脱臭装置。
【請求項6】 前記脱臭槽の周側にその内部を加温する加温手段を配した請求項1、2、3、4又は5の脱臭装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の臭気、特に生ゴミその他の有機廃棄物を堆肥化処理する際に発生する臭気を除去する脱臭装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、家庭やレストラン等から排出される生ゴミを堆肥化し、又は更に酸化分解を進行させて消滅させる生ゴミ処理機が数多く提案され、使用されつつある。これらの生ゴミ処理機は、多くは好気性微生物の活動によって投入された生ゴミを酸化分解し、これらを堆肥化し、更にはほぼその全部を水と二酸化炭素にまで分解して消滅させようとするものであるが、他方で、多くはないが嫌気性微生物による発酵処理で分解させようとするものもある。いずれの場合も、それらの分解過程で、場合により、使用する微生物に特有の臭気を発生し、或いは、必ずしも完全な分解活動が行われ得ないことにより、腐敗臭その他の悪臭を伴うこともあり、更には生ゴミに含まれる種々の原因材料による不明な種々の臭いが発生することもある。
【0003】これらの種々の臭気を含む空気その他の気体中の臭気成分を除去する手段としては、活性炭、木炭又はゼオライト等の多孔質部材を用いて臭気成分を吸着する技術、オゾンを用いた脱臭技術、或いは微生物を用いて臭気成分を分解する技術等が知られているが、炭素循環の観点から見ると、最後の微生物を用いた技術が適当である。
【0004】上記微生物を用いた臭気成分の除去技術は、上記のように、微生物にその臭気成分を分解させるものであるが、具体的には、微生物を担持した基材等と称される担体を脱臭槽に充填し、この脱臭槽中を脱臭対象気体が通過するように構成したものである。なお脱臭槽中には微生物の生息条件を整えるための水分を供給する水分供給手段が配されることもある。
【0005】このような微生物による脱臭技術によれば、脱臭対象気体が脱臭槽中を通過する際に、その中の臭気成分が微生物により分解されるものであるが、ある程度の運転時間が経過すると、脱臭槽中に充填してある担体(基材)中に脱臭対象気体の通過する道筋ができあがり、徐々に脱臭槽に導かれた脱臭対象気体は上記道筋を通じてのみ移動するようになり、結局、充分に微生物に接触せずに脱臭槽から排出されてしまうこととなる。その結果、脱臭対象気体は、充分な脱臭作用を受けられず、臭気成分を含んだまま排出されるようになってしまうものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微生物による脱臭技術の利点を生かし、かつその問題点、即ち、運転中に脱臭槽中に脱臭対象気体の通過する筋道乃至通路が発生して脱臭作用が不充分になるという問題点を解消し、脱臭対象気体中の臭気成分を良好に分解除去できる脱臭装置を提供することを解決の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の1は、気体中の臭気を除去するための臭気除去用微生物を担持した微生物用担体を充填する脱臭槽であって、臭気を含んだ気体を導入する導入口を上部に備え、上記微生物用担体の間を通じて流下した脱臭済みの気体を排出する排気口を下部に備えた縦型かつ上部拡大テーパ状の脱臭槽と、前記排気口に上記脱臭済みの気体を排出すべく配した減圧排風ブロワと、上記脱臭槽の上部に配した水分供給手段であって、前記微生物用担体に水分を供給する水分供給手段と、前記脱臭槽に配した水分検出手段であって、前記微生物用担体中の水分割合を検出する水分検出手段と、前記脱臭槽に配した、前記微生物用担体を定期的又は非定期的に撹拌する撹拌手段であって、その撹拌動作によって該微生物用担体に上昇方向の作用力を与えながら撹拌する撹拌手段と、前記脱臭槽の下部に備えた補助排水口であって、前記微生物用担体中を流下した水分で気化し得なかった水分を槽外に除去する補助排水口と、前記水分検出手段の検出結果を参照して、前記微生物用担体中の水分割合を前記臭気除去用微生物の活動に適するレベルに保持すべく、前記水分供給手段の水の供給動作を制御する制御手段と、で構成した脱臭装置である。
【0008】本発明の2は、本発明の1の脱臭装置に於いて、前記微生物用担体として、木材チップ、木炭、竹炭、活性炭及び椰子殻炭の全部又は一部の混合物、若しくは各単体を採用したものである。
【0009】本発明の3は、本発明の1又は2の脱臭装置に於いて、前記水分供給手段を、前記脱水槽内の上部に配した散水管と、該散水管に定間隔で構成した複数のノズルと、上記散水管に水を供給する供給用配管とで構成したものである。
【0010】本発明の4は、本発明の1、2又は3の脱臭装置に於いて、前記撹拌手段を、前記脱臭槽の中央に直立状態に配した回転軸と、該回転軸に、その周方向には定角度間隔で、かつその長さ方向には定間隔で、これに直角に配した複数の撹拌羽根であって、該回転軸から直角方向に延びる棒状の撹拌羽根本体及び該撹拌羽根本体の両側に相互の上端が当接して山形になるように配設した二枚の板状羽根材からなる撹拌羽根と、該回転軸を回転駆動する回転駆動手段とで構成したものである。
【0011】本発明の5は、本発明の1、2、3又は4の脱臭装置に於いて、前記導入口に臭気を含んだ気体の導入を補助するための吸引ブロワを配したものである。
【0012】本発明の6は、本発明の1、2、3、4又は5の脱臭装置に於いて、前記脱臭槽の周側にその内部を加温する加温手段を配したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、基本的に、臭気除去用微生物を担持した微生物用担体を充填した脱臭槽と、排気口に配した減圧排風ブロワと、上記脱臭槽の上部に配した水分供給手段と、前記微生物用担体中の水分割合を検出する水分検出手段と、微生物用担体を撹拌する撹拌手段と、流下する水分を排出する補助排水口と、前記水分供給手段の動作を制御する制御手段とで構成した脱臭装置である。
【0014】前記脱臭槽は、その中に微生物用担体を充填する容器であるが、少なくとも、該微生物用担体を、脱臭対象気体の進行方向に直交する面に於いて平均した密度になるように充填する必要がある都合上、縦型の容器としたものである。加えて前記脱臭槽は、前記撹拌手段により、該微生物用担体を上昇方向の作用力を与えながら撹拌する際に、該微生物用担体を狭い空間に押し込んで圧縮してしまうようなことがないように、上部拡大のテーパ状に構成するものである。
【0015】また前記脱臭槽は、その上部に臭気を含んだ脱臭対象気体を導入する導入口を備え、かつ下部に脱臭済みの気体を排出する排気口を備えたものとする。脱臭対象気体は、上部の導入口から導入し、このような縦型の脱臭槽中を上方から下方に向かって進行させるものであり、そうすることにより該脱臭槽の内部のどの位置を通過する脱臭対象気体をも、同一高さの部位を通過する際には、ほぼ同一の密度の微生物用担体中を通過し得ることとすることができる。下部まで下降した脱臭済みの気体は前記排気口から排出されることになる。
【0016】なお、前記脱臭槽を横型の容器に構成した場合は、これに充填する微生物用担体の層は上部で密度が低く下部で高くなりがちであるため、脱臭対象気体を横方向に進行させようとすると、上部を通過したそれと下部を通過したそれとでは微生物との接触の機会が異なるものとなり、特に上部を通過した気体はそれに含まれる臭気成分が充分に除去されないおそれが生じる問題がある。前記脱臭槽を縦型の容器に構成したのは以上のような問題点を避ける趣旨からである。
【0017】また前記脱臭槽は、前記のように、縦型に構成するものであるが、更にその横断面形状はその内部に構成する撹拌手段との関係で決定するのが適当である。撹拌手段を、例えば、その撹拌羽根を水平方向に往復動させつつ微生物用担体に上昇方向の作用力を与え得るような機構に構成する場合は、その具体的な構成にもよるが、正方形又は長方形等の四辺形を採用できる。撹拌手段を、後に詳述するように、該脱臭槽の中央に直立させた回転軸及び該回転軸に配した複数の撹拌羽根を基本として構成する場合は、該脱臭槽の横断面形状は円形、即ち、槽形状を有底で上部拡大テーパ状の円筒型にするのが適当である。
【0018】更に前記脱臭槽の周側にはその内部を加温する加温手段を配するのが適当であり、こうして、該脱臭槽の内部を前記微生物用担体で担持する微生物に適する温度に保持することにより、その活動を活発にし、良好に臭気成分の分解を行わせることができるようになる。
【0019】なお前記脱臭槽の下部に構成する排気口付近には、その内面に光触媒反応を示す物質を被覆し、または光触媒反応を示す物質を被覆した網材等を配し、更にこの付近に紫外線を照射するランプ類を設置するのが好ましい。このように構成すると、該排気口から排出される脱臭済みの気体中に残存することのある臭気成分が、前記光触媒反応を示す物質によって分解され殺菌処理されることとなる。該脱臭槽を流下した水分中にそれらが含まれていた場合も同様である。前記光触媒反応を示す物質としては二酸化チタン等が採用可能である。
【0020】前記臭気除去用微生物は、除去すべき臭気成分の性質に応じた種々のそれを採用することができる。例えば、生ゴミ処理機等から排出される臭気の場合、好気性微生物を主体とした複合微生物が適当である。これらの臭気除去用微生物は適当な担体、例えば、木材チップ、木炭、竹炭、活性炭、椰子殻炭等の有機質基材又はゼオライト等の無機質基材の各単体、若しくはそれらの全部又は一部の混合物に担持させて前記脱臭槽に充填する。なお該脱臭槽には、底部の直上に網材又は多孔板材等の水分や脱臭済みの気体の通過が可能で、前記微生物用担体の通過を妨げ得る部材を配して、その上に該微生物用担体を充填するのが適当である。
【0021】前記減圧排風ブロワは、前記排気口に、ここから上記脱臭済みの気体を排出するために配したものであるが、単なる排気用を越えて、強力な吸引力で、該排気口に連続する前記脱臭槽の下部付近の空気圧を低下させ、前記微生物用担体の層中を流下する水分の蒸発を速めることにより、なるべく水分の液体状態での排出を不要にしようとするものである。
【0022】なお前記導入口には臭気を含んだ気体の導入を補助するための吸引ブロワを配することとするのが適当である。これによって脱臭対象気体は前記脱臭槽中に導入され、前記微生物用担体の層中に圧入される。前記のように、前記排気口の減圧排風ブロワが作用することによって、該脱臭対象気体は更に該微生物用担体の層中を下降させられることとなるものである。
【0023】前記水分供給手段は、前記微生物用担体に担持されている臭気除去用微生物の水分の面に於ける活動条件を良好に整えるためのものであり、前記脱臭槽内の最上部に配する。そしてそのような目的を達成できるものであれば特定の構成に限定されない。例えば、該水分供給手段は、水噴出用の多数のノズルを備えたリング状等の散水管と、これに水を供給する供給用配管とで構成することができる。上記供給用配管は水の供給源に接続するものであり、かつその途中に開閉弁を挿入する。云うまでもなく、上記開閉弁を開閉することにより、散水管からの散水動作を制御する。なお後述するように、上記開閉弁の開閉制御は前記水分検出手段の検出結果に基づいて行うものである。なおまた該散水管からの散水動作はなるべく前記撹拌手段の撹拌動作と同時に行われるものとするのが前記微生物用担体の層中の水分割合を全体にわたって平均化させる上で好都合である。
【0024】前記水分検出手段は、前記脱臭槽中に充填してある前記微生物用担体の層中の水分割合を測定する手段であり、これが良好に測定できるものであれば、特定の構成に限定されない。例えば、前記脱臭槽中の一以上の適当な位置に、それらの位置の微生物用担体の電気抵抗を測定する抵抗測定手段を配置し、得られた抵抗の値から水分割合を算出するように構成することができる。この場合、例えば、前記微生物用担体の水分割合と電気抵抗との関係を予め調べて相互関係を示す関係式を立てておき、上記電気抵抗の測定値から上記関係式に基づいて水分割合を算出することとすることができる。
【0025】前記水分検出手段は、また前記脱臭槽中の適当な位置に、その位置の微生物用担体の静電容量を測定する容量測定手段を配置し、得られた容量の値から水分割合を算出するように構成することもできる。
【0026】なお前記水分供給手段の制御は、水分割合と電気抵抗又は静電容量との関係が明らかになれば、水分割合に換算することなく、電気抵抗又は静電容量の値を直接用いて行うことができるのは云うまでもない。
【0027】前記撹拌手段は、前記脱臭槽中に配し、その中に充填してある微生物用担体を定期的又は非定期的に撹拌する手段であり、この脱臭装置の運転中に微生物用担体の層に生じる脱臭対象気体の通過する道筋を未然に防止するための手段である。この道筋は、前記したように、運転を継続すると、脱臭槽中に充填してある微生物用担体の層中に自ずとできあがり、該脱臭槽に導かれた脱臭対象気体はついには上記道筋を通じてのみ移動するようになり、いずれ、充分に微生物に接触せずに脱臭槽から排出されてしまうようになるものである。前記撹拌手段は、このような道筋ができる前にこれを未然に防止すべく微生物用担体を撹拌し、脱臭対象気体が良好に該担体に担持された微生物に接触しつつ移動できるようにするための手段である。
【0028】前記撹拌手段は、従って、そのように動作できるものであれば良いわけであるが、更に、その撹拌動作によって微生物用担体の層を圧縮せず、常に、その中に多数の微少空間を平均に維持することができるものである必要があり、そのような観点から、その撹拌動作によって該微生物用担体に上昇方向の作用力を与えながら撹拌するものである必要がある訳である。
【0029】このような撹拌手段を適度な時間間隔で定期的に、または非定期的に動作させれば、上記時間間隔で微生物用担体の層が撹拌され、その中に前記のような脱臭対象気体の通過する道筋のようなものができあがる余地がない。そのため脱臭対象気体は常時良好に微生物用担体に担持された微生物に接触しつつ移動できるようになる。またその撹拌動作は、前記したように、上昇方向の作用力を与えながら行われるものであり、撹拌される微生物用担体の層を圧縮することがないため、その中に多数の微少空間を平均に維持することができるものとなる。これは該微生物用担体が充填されている脱臭槽が上部拡大のテーパ状に構成されているため、より適切に実現されることとなる。そのため、微生物用担体の層は同一横断面のいずれに於いても殆ど密度が同一となり、この中を下降する脱臭対象気体は、そのどの位置を通過しても同程度に微生物に接触することとなり、その中の臭気成分の良好な分解を受けることができることとなる。
【0030】前記撹拌手段は、従って、前記したような条件を満足させれば、特定の構成のそれに限定されない。例えば、前記撹拌手段を、前記脱臭槽の中央に直立状態に配した回転軸と、該回転軸に、その周方向には定角度間隔で、かつその長さ方向には定間隔で、これに直角に配した複数の撹拌羽根であって、該回転軸から直角方向に延びる棒状の撹拌羽根本体及び該撹拌羽根本体の両側に相互の上端が当接して山形になるように配設した二枚の板状羽根材からなる撹拌羽根と、該回転軸を回転駆動する回転駆動手段とで構成することができる。
【0031】前記撹拌手段は、このように構成すれば、前記回転軸を回転させると、その回転方向の如何にかかわらず、脱臭槽中の微生物用担体は前記板状羽根材の作用により、上昇作用を受けつつ撹拌作用を受けることとなり、その密度が高くなるのを抑えることができることとなる。即ち、脱臭槽中に充填されている微生物用担体の密度を常に適度の状態に保持し、脱臭対象気体がその層中を通じて通過可能な状態を維持し得るようにすることができるものである。
【0032】前記補助排水口は、前記脱臭槽の最下部に構成し、前記微生物用担体の層中を流下した水分で気化し得なかった水分を槽外に排水すべく開口するものである。排出すべき水分は、主として前記水分供給手段から微生物用担体にその担持する微生物の生息条件を良好にする趣旨で供給され、これが該微生物用担体の層中を脱臭槽の底部まで流下した水である。これは、前記したように、特に排気口に配した減圧排風ブロワにより脱臭槽の下部付近が減圧されることによってその殆どが気化されることが期待されるが、それでも残存した水分の排水を目的とするものである。
【0033】排水すべき水分は量的に極めて少ないことが予測されるので、該補助排水口は前記排気口と兼用する構成とすることができる。脱臭済み気体はその上部を通過して大気中に排出され、水はその下部を流れて外部に流出することができる。流出する水は、必要に応じて、ここから配管を延長して不都合のない放流域に放流することとすることができる。
【0034】前記制御手段は、前記水分検出手段の検出結果を参照して、前記微生物用担体中の水分割合を前記臭気除去用微生物の活動に適するレベルに保持すべく、前記水分供給手段の水の供給動作を制御するものである。例えば、前記水分検出手段の検出結果が、30%(微生物用担体の水分割合)を下回る値である場合は、前記水分供給手段に対して給水動作をさせるべく制御し、70%を上回る場合は前記水分供給手段に対して給水動作を停止させるべく制御するものである。なお、先に述べたように、給水動作は、以上の水分割合が検出された上で、前記撹拌手段が撹拌動作している際に行うように、または撹拌手段に撹拌動作を同時に行わせつつ、行うように、制御するのが適当である。これは水分を微生物用担体の層中に平均に行き渡らせるためであることは先に述べた通りである。
【0035】従って本発明の脱臭装置によれば、その上部の導入口から臭気を含んだ気体を導入し、微生物用担体の層中を通過させれば、その通過の過程で微生物により臭気成分の分解作用を受け、その下部の排気口から臭気成分の除去された処理済みの気体を排出することができる。
【0036】この脱臭装置の運転動作中、脱臭槽に充填されている微生物用担体層の水分状態は、前記水分検出手段によって監視され、その検出結果が常時前記制御手段に送り込まれ、該制御手段により、その検出結果に基づいて、前記水分供給手段の水の供給動作が制御される。即ち、前記微生物用担体の層中の水分割合が前記臭気除去用微生物の活動に適するレベルを下回るおそれがある場合は水を供給するように制御され、水分割合が過剰になり、該臭気除去用微生物の活動を低下させるおそれが生じる場合は水の供給を停止するように制御される。微生物の種類にもよるが、前者の水分の割合は概ね30%であり、後者の割合は概ね70%である。
【0037】なお、前記のように、前記水分供給手段による水分供給動作は、前記撹拌手段の動作中に行うようにし、または水分供給動作中に該撹拌手段を同時に撹拌動作させるように制御すれば、前記微生物用担体の層中の水分状態をより平均化させ得る事となりより好都合である。なおまた、前記のように、前記脱臭槽の周側にその内部を加温する加温手段を配して置いた場合は、内部の温度条件もまた微生物の活動に良好に保持し得ることとなる。
【0038】従って微生物用担体層中を脱臭対象気体が通過する間、常に該担体に担持される臭気除去用微生物は良好な水分条件及び温度条件の下で活発に活動し、該脱臭対象気体に含まれる臭気成分を良好に分解除去することになる。
【0039】前記脱臭槽に充填されている微生物用担体は、脱臭装置の運転中、長時間にわたって放置しておくと、その層中に脱臭対象気体が通過する道筋が形成され、該気体が充分に微生物に接触せずにこれを通過して下部の排気口から排出されてしまうおそれが生じるが、本発明の脱臭装置に於いては、前記脱臭槽に配した撹拌手段が定期的又は非定期的に撹拌動作して該微生物用担体を撹拌し、前記道筋の発生を予防することができるため、該道筋の発生に起因する上記の問題を避けることができるものである。
【0040】それ故、脱臭対象気体は、常に、充分良好に臭気除去用微生物に接触し、含まれる臭気成分の分解作用を受け、臭気を除去されて、前記排気口から脱臭済みとなって排出されることになる。脱臭済みの気体は、該排気口に配された減圧排風ブロワの作用によって良好に排出されるものである。
【0041】なお前記水分供給手段から供給された水等の水分も前記微生物用担体の層中を流下し、ついには前記脱臭槽の最下部に至るが、その流下過程で若干の気化が生じてその量は減少する。このとき、該脱臭槽の最下部の空間は、前記排気口に配した減圧排風ブロワの作用によって減圧された状態になっているため、ここに流下した水分は更に高速で気化することとなり、殆どが気体となって該排気口から排出されることとなる。
【0042】なお前記のように、該排気口付近の内面に光触媒反応を示す物質を被覆し、または光触媒反応を示す物質を被覆した網材等を配し、かつその付近に紫外線を照射するランプ類を設置した場合は、前記のようにして該排気口から排出される脱臭済みの気体等は、紫外線を受けた光触媒反応を示す物質の作用により、その中に残存する事のある臭気成分が更に分解され、かつ紫外線による殺菌処理をされることとなる。
【0043】残存する水分は前記補助排水口から排出されることとなる。このような液体成分も以上の紫外線を受けた光触媒反応を示す物質の作用により、その中に残存する事のある臭気成分の分解及び紫外線による殺菌処理をされて排出されることとなるものである。
【0044】
【実施例】図1は一実施例の脱臭装置の概略縦断面説明図、図2(a)は一実施例の脱臭装置の一部切欠概略平面説明図、図2(b)は図1のA−A線断面説明図、図3は図2(b)の撹拌羽根の板状羽根材及び下辺板を省略した状態の拡大平面図、図4(a)は図2(b)の回転軸及び撹拌羽根の拡大平面図、図4(b)は回転軸及び撹拌羽根の一部切欠側面図である。
【0045】この実施例の脱臭装置は、図1に示すように、縦型で上部拡大テーパ状円筒形の脱臭槽1と、その内側上部に配した水分供給手段2と、上記脱臭槽1の内部の上下方向途中に配した水分検出手段3と、前記脱臭槽1の内部中央に上下方向に沿って配した撹拌手段4と、前記脱臭槽1の下部の排気口1dに配した減圧排風ブロワ5と、前記水分供給手段2及び撹拌手段4の動作を制御する制御手段とで構成したものである。
【0046】前記脱臭槽1は、図1に示すように、その上部の天板部に脱臭対象気体の導入口1aが開口してあり、この導入口1aには、図1及び図2(a)に示すように、脱臭対象気体を導入する導入配管6が接続している。この導入配管6は脱臭対象気体を発生する生ゴミ処理機その他の臭気発生源に接続するものであるのは云うまでもない。なお前記導入口1aには、前記脱臭対象気体を前記脱臭槽1内に吸引するための吸引ブロワ1bを配するものとする。
【0047】前記脱臭槽1には、図1及び図2(b)に示すように、その下部、詳しくは、後述する軸受4dのカバー材4eの上面と同一高さで、その上面周囲と脱臭槽1の周壁との間に金属製の多孔板1cを固設する。この多孔板1cは、文字通り、表裏貫通する多数の孔を平均に備えたものであるが、これらの孔は、この脱臭槽1に充填する微生物用担体、この実施例では、後述する微生物を担持した木材チップが、これを通じて落下することのない程度のサイズであるものとする。
【0048】また前記脱臭槽1の最下部には、側方に開口する排気口1dを開口する。この排気口1dは、図1に示すように、補助排水口と兼用するものとし、該排気口1dには、既述のように、減圧排風ブロワ5を配し、かつ図1、図2(a)及び(b)に示すように、排水及び排気用の排気排水配管1gを接続し延長する。該排気口1d及びここから延長する排気排水配管1gの途中までは、その内面に二酸化チタンによる光触媒コーティング用薬剤を塗布し、かつ図1に示すように、その塗布領域の末端に光触媒コーティング用薬剤を塗布した網材1hを配し、更にその内側に紫外線殺菌灯7を設置する。
【0049】更に前記脱臭槽1の周側には、図1及び図2(b)に示すように、その内部の微生物用担体である木材チップを40℃前後に加温するための面ヒータ8を外装する。この面ヒータ8は商用100Vの交流電源に接続することで、上記温度に自己制御できるタイプのそれである。
【0050】更にまた前記脱臭槽1には、その底部下に、図1に示すように、移動用のキャスター1eを配し、該脱臭槽1の天板部の一部には、図2(a)に示すように、微生物用担体である木材チップを投入するための蓋1f付きの投入口を構成する。
【0051】前記水分供給手段2は、図1及び図2(a)に示すように、水噴出用の多数のノズルを備えたリング状等の散水管2aと、これに水を供給する供給用配管2bとで構成したものである。上記ノズルは、云うまでもなく、上記リング状の散水管2aの下部側に定間隔で配してある。また前記供給用配管2bの途中には電磁開閉弁2cが挿入してあり、前記制御手段によって開閉制御されるようになっている。
【0052】前記水分検出手段3は、図1及び図2(b)に示すように、前記脱臭槽1中の側壁中間付近に取り付けてあり、この付近の微生物用担体層の水分割合を測定するものである。この実施例では、前記水分検出手段3は、微生物用担体層の2点間の電気抵抗を測定する抵抗測定手段と、該抵抗測定手段で得られた抵抗の値から水分割合を換算する換算回路とで構成したものであり、得られた水分割合を示す信号は、前記制御手段に入力するように構成してある。
【0053】前記撹拌手段4は、図1及び図2(b)に示すように、前記脱臭槽1の中央に直立状態に配した回転軸4aと、該回転軸4aに、その周方向には120度の定角度間隔で、かつその長さ方向には定間隔で、これに直角に配した複数の撹拌羽根4bと、該回転軸4aを回転駆動する回転駆動手段4cとで構成する。
【0054】前記回転軸4aの上端は、図1に示すように、前記回転駆動手段4cの出力軸に延長状態に連結してあり、下端は、前記多孔板1cの中央側下方に配した軸受4dに回転自在に支持してある。またこの軸受4dは、前記脱臭槽1の周側から中央側に延びるフレームで支持され、かつカバー材4eでその全体が被覆してある。
【0055】前記回転駆動手段4cは、電動モータとその出力軸に結合した減速機とで構成したものであり、図1及び図2(a)に示すように、前記脱臭槽1の天板部の中央にケースに内装した状態で配してある。既述のように、その出力軸、即ち、前記減速機の出力軸が前記回転軸4aに延長状態に連結しているものである。
【0056】また前記撹拌羽根4bは、図4(a)、(b)に示すように、前記回転軸4aから直角方向に延びる棒状の撹拌羽根本体4b1と、上記撹拌羽根本体4b1の両側に相互の上端が当接して先端側から見て山形になるように配設した二枚の板状羽根材4b2、4b2と、該撹拌羽根4bの先端側から見て三角形の下辺を形成するように、該撹拌羽根本体4b1の両側に配した下辺板4b5、4b5とで構成する。
【0057】前記撹拌羽根本体4b1は、図4(b)に示すように、八角柱状の部材で構成し、図3及び図4(a)に示すように、その内端の細径部を前記回転軸4aの該当する部位に開口した軸孔に挿入し、反対側から挿入した固定ネジ4b3を上記細径部に形成した雌ネジにねじ込むことで、該回転軸4aに固定する。該回転軸4aの該当する部位には、図4(a)、(b)に示すように、切欠4b4が形成してあり、上記軸孔はその中央に開口させ、以上のように、前記撹拌羽根本体4b1の細径部を該軸孔に挿入して固定するものであるが、このとき、上記切欠4b4の上下端が該撹拌羽根本体4b1の端部周側の対応する上下辺を係止し、その回転を止める働きをする。
【0058】なお以上の撹拌手段4は、この実施例では、前記回転軸4aを、10〜12rpmで、1時間に1回だけ、2回転させるように設定した。この設定は自由に変更できるようになっている。
【0059】前記排気口1dは、既述のように、前記脱臭槽1の最下部側壁に開口した開口部であり、補助排水口を兼ねる構成である。先に述べ、かつ図1、図2(a)、(b)に示すように、該排気口1dには、排水及び排気用の排気排水配管1gが接続してあり、この排気排水配管1gは、これを通じて移動する脱臭済み気体の排出のために、その途中を大気中に開放し、その末端を、下部を流れることのある水分の放流に不都合のない放流域まで延長する。
【0060】前記減圧排風ブロワ5は、先に述べ、かつ図1に示すように、前記脱臭槽1の下部の排気口1dに配したものであり、該排気口1dから脱臭済みの気体を排出するためのものであるのは云うまでもないが、単なる排気を越えて、強力な吸引力で、該排気口1dに連続する該脱臭槽1の下部空間の空気圧を低下させ、前記微生物用担体の層中を流下する水分の気化を速め、その水分の液体状態での排出をなるべく不要にしようとするものである。
【0061】前記微生物用担体である木材チップに担持させる微生物は、云うまでもなく、脱臭対象気体の臭気成分を分解除去するのに適するそれである。生ゴミ処理機が排出する気体を脱臭対象気体とする場合は、その生ゴミ処理機に用いる分解処理用の微生物を採用することができる。この実施例では、好気性菌に若干の通性嫌気性菌及び嫌気性菌を加えた複合菌を採用し、前記微生物用担体である木材チップに担持させたそれを前記脱臭槽1中に充填した。該脱臭槽1への充填は、前記天板部に構成した蓋1f付きの投入口を通じて行ったのは云うまでもない。
【0062】また前記制御手段は、前記水分検出手段3の微生物用担体層の水分割合についての検出結果に基づいて前記水分供給手段2の動作を制御する、即ち、上記検出結果に基づいて、該水分供給手段2の供給用配管2bの途中に挿入した電磁開閉弁2cを開閉制御するものである。該電磁開閉弁2cの開閉制御は、この実施例では、前記水分検出手段3の検出結果が30%を下回る値である場合は、これを開いて水の供給動作をさせるべく制御し、70%を上回る場合はこれを閉じて水の供給動作を停止させるべく行うものである。
【0063】この制御手段は、更に前記撹拌手段4の回転駆動手段4cの制御をも行う。前記のように、該撹拌手段4は、基本的に、10〜12rpmの回転速度で1時間に1回の割合で、2回転させるように制御し、かつ前記水分供給手段2に給水動作をさせる場合には、その給水動作中、連動して撹拌動作すべく、該撹拌手段4の回転駆動手段4cを制御するようにする。
【0064】従ってこの実施例の脱臭装置によれば、その上部の導入口1aから臭気を含んだ気体を導入し、微生物用担体である木材チップ層中を通過させることにより、その通過の過程で該木材チップに担持されている微生物によりその気体中の臭気成分が分解作用を受け、下部の排気口1dから臭気成分の除去された処理済みの気体を排出することができるものである。
【0065】この実施例では、生ゴミ処理機から排出される臭気を含んだ気体(空気)を脱臭対象とし、前記導入配管6をその排出口まで延長して接続したものである。前記排気口1dはこれに接続した排気排水配管1gを上記水分の放流に不都合のない放流域である下水道まで延長し、かつその途中を大気中に開放し、その内側上部を通じて移動する脱臭済み気体をそこから排出し得るようにする。
【0066】このように準備してこの脱臭装置の運転を開始すると、前記導入口1aの吸引ブロワ1b及び排気口1dの減圧排風ブロワ5の吸引作用により、前記生ゴミ処理機から排出される臭気を含んだ気体が導入配管6及び導入口1aを通じて脱臭槽1中に導かれ、更にこの中に充填されている微生物用担体である木材チップ層中を通って流下し、ついには下部の多孔板1cを通過して底部との間に至り、その側部に開口している排気口1d及び排気排水配管1gを通じて大気中に放出される。
【0067】前記生ゴミ処理機から導入された気体は、脱臭槽1に充填されている木材チップ層中を流下する間に、該木材チップに担持されている微生物によって、その中の臭気成分が分解作用を受け、徐々に脱臭され、上記のように、最下部の多孔板1cを通過する時点までには脱臭済みとなる。
【0068】このような脱臭装置の運転動作中は、常時、前記脱臭槽1中に充填されている木材チップ層の水分状態が前記水分検出手段3によって監視され、その検出結果が常時前記制御手段に送り込まれ、該制御手段により、その検出結果に基づいて前記水分供給手段2の水の供給動作が制御される。
【0069】即ち、この実施例では、前記木材チップ層中の水分割合が30%を下回ることが前記水分検出手段3で検出されると、その検出信号を受けた前記制御手段によって前記電磁開閉弁2cが開くように制御され、これによって前記供給用配管2bを通じて前記散水管2aに水が供給され、図1に示すように、その水がノズルを通じてその下方に充填されている木材チップ層上に供給されることになる。こうして木材チップ層の水分状態は前記臭気除去用微生物の活動に適するレベルに引き上げられることになる。またこのように水分供給手段2の給水動作が行われるのに連動して前記撹拌手段4もまた撹拌動作させられ、供給された水分は木材チップ層中に平均して与えられることになる。
【0070】以上のように、前記水分供給手段2によって水が供給され、木材チップ層に於ける水分割合が上昇し、前記水分検出手段3でその水分割合が70%を越えるに至ったことが検出されると、その検出信号を受けた前記制御手段によって今度は前記電磁開閉弁2cが閉じるように制御され、これによって前記供給用配管2bを通じた前記散水管2aへの水が供給が停止され、木材チップ層上への散水が停止されることとなる。同時に前記撹拌手段4の撹拌動作も停止させられる。
【0071】従って前記木材チップ層の水分割合は、その全体にわたって、この脱臭装置の運転中、常に、30〜70%の範囲内に維持されるため、該木材チップに担持される臭気除去用微生物は良好な水分条件の下で活発に活動することとなる。他方、前記脱臭槽1は前記面ヒータ8によりその周側から加温されており、その内部の木材チップは40℃前後に維持されることとなる。それ故、前記木材チップに担持される臭気除去用微生物は一層良好な活動条件の下で活発に活動することとなり、該木材チップ層中を通過する脱臭対象気体はこれに含まれる臭気成分が上記臭気除去用微生物によって良好に分解除去されることになる。
【0072】またこの脱臭装置の運転中、前記撹拌手段4は、前記回転軸4aを中心に10〜12rpmの回転速度で1時間に1回の割合で2回転するように設定されているため、そのように動作すべく制御され、前記脱臭槽1中に充填されている木材チップは良好に撹拌されることとなる。そのため、放置しておくと木材チップ層中に生じてくる気体の通路の発生を未然に防止することができ、脱臭対象気体の微生物への充分な接触を維持することができるものとなる。
【0073】しかも該撹拌手段4は、その撹拌羽根4bを前記のように構成したため、その回転動作時に微生物用担体である木材チップに上昇方向の作用力を与えつつ撹拌することになるものであり、かつ該木材チップを充填している脱臭槽1が上部拡大のテーパ状に構成した物であるため、該木材チップ層は、以上の撹拌動作によって圧縮されるような問題が生じることはなく、常時、平均した低密度の状態を保持することができる。
【0074】こうして、脱臭対象気体は、木材チップ層中を下降する間に、前記のような通路を移動するような問題は生ぜず、常に、活発に活動する臭気除去用微生物に良好に接触し、含まれる臭気成分の良好な分解作用を受け、臭気を除去されて前記多孔板1cの下方に至り、前記排気口1dから脱臭済みとなって排出されることになる。
【0075】このとき、前記排気口1d及び排気排水配管1gを通過する脱臭済み気体は、該排気口1d及び排気排水配管1gの内面及び網材1hに配されている光触媒コーティング用薬剤及びそこに設置されている紫外線殺菌灯7の照射する紫外線の作用により、残存する臭気成分が更に分解され、含まれて排出される事のある微生物類も死滅させられる事となる。
【0076】また前記水分供給手段2の散水管2aから供給された水は前記木材チップ層中を流下し、最終的には脱臭槽1の最下部まで降下することとなるが、前記排気口1dに配した減圧排風ブロワ5の吸引作用により、これに連続する該最下部の空間が減圧され、下降した水分の気化速度が向上し、排水口を兼ねる排気口1dに至るまでに殆どが気化し、脱臭済みの気体とともに、光触媒コーティング用薬剤及び紫外線殺菌灯7の作用を受けながら排出されることとなる。液体のまま排出される水分も同様に光触媒コーティング用薬剤及び紫外線殺菌灯7の作用を受けながら排出されることとなる。
【0077】気体成分は、前記排気排水配管1gを通じて大気中に排出され、液体成分は該排気排水配管1gを通じて下水道に排出される。
【0078】以下にこの実施例の脱臭装置を用いて行った脱臭試験結果を表1に示す。このテストに用いた実施例の脱臭槽1は、その多孔板1cより上部の容量が145リットルで、この中に充填した木材チップの容量は131リットルである。水分供給手段3及び撹拌手段4は先に述べた通り動作させ、導入脱臭対象気体の木材チップ中の下降速度は10〜100mm/secに設定した。また導入脱臭対象気体は生ゴミ処理機からの排気とし、このテストでは、該生ゴミ処理機に生ゴミを投入する前の排気、投入1時間後の排気、投入24時間後の排気について、脱臭装置への導入気体(脱臭対象気体)と排出気体(脱臭済み気体)との臭気を測定した。生ゴミ処理機に投入する生ゴミとしては弁当の残飯を用いた。
【0079】臭気の測定は複合する臭気に感度のある臭気計を用いて行った。導入気体の臭気は生ゴミ処理機のタンク内にそのセンサ部を挿入し、排出気体の臭気は脱臭装置の排気排水配管1gにその大気への開口部から挿入して、それぞれ測定した。
【0080】
【表1】

【0081】投入前の臭気データを見ると分かるように、生ゴミを投入していない生ゴミ処理機からの導入気体でも1760(臭気計セットから5分後の値)であり、既に相当な臭いがあることが分かる。これは微生物を担持させた基材及びこれまでの分解残滓から発する臭気であろうと思われる。このような導入気体の値も脱臭処理後の排出気体の測定値を見ると450までに低下している。人の嗅覚で僅かに臭いを感じられる程度まで脱臭されていることが分かる。
【0082】生ゴミ処理機に生ゴミを投入して1時間経過後の測定値を見ると、導入気体の値は、1940(臭気計セットから5分後の値)であり、投入前より、導入気体の臭気成分が増加しているのが分かる。しかしこのような導入気体の値も脱臭処理後の排出気体の測定値を見ると475まで低下している。投入前の導入気体を脱臭した場合と殆ど異ならない結果となっている。この場合も、人の嗅覚で僅かに臭いを感じられる程度まで脱臭されていることが分かる。
【0083】生ゴミ処理機に生ゴミを投入して24時間経過後の測定値を見ると、導入気体の値は、1745(臭気計セットから5分後の値)であり、投入から1時間経過後より導入気体の臭気成分が低下しており、投入前と殆ど同じになったことが分かる。このような導入気体の値は、脱臭処理後の排出気体の測定値を見ると399まで低下している。投入前の導入気体を脱臭した場合より若干低下した結果となっている。云うまでもなく、この場合も、人の嗅覚で僅かに臭いを感じられる程度まで脱臭されている。
【0084】
【発明の効果】従って本発明の1の脱臭装置によれば、脱臭槽に充填された微生物用担体の水分条件が、常にこれが担持する微生物の活動に適するように保持され、かつ運転中に放置すれば該微生物用担体層に生じてしまう脱臭対象気体の道筋が未然に防止されるとともに適切な密度に保持されることにより、脱臭対象気体は、該微生物用担体層を通過する間に良好な活動状態の微生物に接触し、その臭気成分が分解され、脱臭済み気体となって大気中に放出されることとなるものである。また最下部まで降下する事のある水分は、気化を速め得るようになっているため、殆どが気体となって排出されることとなる。
【0085】本発明の2の脱臭装置によれば、微生物用担体として、容易に入手できる部材を用い得、かつ微生物の良好な活動を確保することができる。
【0086】本発明の3の脱臭装置によれば、簡易な手段で微生物用担体に適切に水分を供給することができる。
【0087】本発明の4の脱臭装置によれば、微生物用担体を上方に浮上させながら撹拌するものであるため、該微生物用担体層の密度を無用に高めず、脱臭対象気体の通過を適度の圧力で適度の通過速度で可能であるように保持することができる。
【0088】本発明の5の脱臭装置によれば、脱臭対象気体を、その発生源の排気圧が低い場合にも不都合なく脱臭槽内に導き、かつその中の微生物用担体層中を降下させ、更にこうして脱臭された脱臭済み気体を外部に排出することができる。
【0089】本発明の6によれば、微生物用担体の温度をその担持する微生物の活動に適するように加温することができる。
【出願人】 【識別番号】594120319
【氏名又は名称】大内 和心
【出願日】 平成14年1月31日(2002.1.31)
【代理人】 【識別番号】100078879
【弁理士】
【氏名又は名称】木幡 行雄
【公開番号】 特開2003−225530(P2003−225530A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−24380(P2002−24380)