| 【発明の名称】 |
ガラス繊維廃材の再利用方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】寺山 隆司 【住所又は居所】千葉県木更津市新港15−1 新日鐵化学株式会社総合研究所内
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| 【要約】 |
【課題】ガラス繊維廃材に調湿機能を付与して再利用する方法を提供、及びガラス繊維を利用した調湿材。
【解決手段】ガラス繊維又はガラス繊維廃材と、濃度10〜50重量%のアルカリ金属水酸化物水溶液を80〜250℃で加熱乾燥し、吸放湿率5重量%以上の調湿材を得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガラス繊維廃材と、濃度10〜50重量%のアルカリ金属水酸化物水溶液を80〜220℃で加熱乾燥し、吸放湿率5重量%以上の調湿材を得ることを特徴とするガラス繊維廃材の再利用方法。 【請求項2】 ガラス繊維廃材に、パーライト、珪藻土、白土等のシリカ類及び/又は水酸化アルミニウムを配合してなる請求項1記載のガラス繊維廃材の再利用方法。 【請求項3】 請求項1又は2に記載のガラス繊維廃材の再利用方法により得られた調湿材。 【請求項4】 ガラス繊維と、濃度10〜50重量%のアルカリ金属水酸化物水溶液を80〜220℃で加熱乾燥して得られ、吸放湿率5重量%以上であることを特徴とする調湿材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、断熱材やFRP等に利用されたのち廃棄されたガラス繊維廃材の再生利用方法に関し、さらに詳しくは、ガラス繊維廃材を利用した床下調湿材、押入調湿材、調湿断熱材などとして好適な調湿材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】ガラス繊維は、一般住宅、ビルの断熱材、吸音材やFRP補強用などに幅広く使われている。建築物、設備の点検や補修、解体の際には撤去されたガラス繊維廃材が大量に発生する。この廃材は産業廃棄物として埋め立て処分される。埋め立て処分には広大な場所を必要とするが、近年用地の確保が困難となってきており、大きな社会問題となっている。 【0003】ガラス繊維廃材は、その表面が樹脂フィルムや防湿紙で覆われていたり、繊維間を接着するフェノール樹脂バインダーが付着していたり、FRPにあっては多量のバインダー樹脂に覆われており、その処理が困難である。したがって、ガラス繊維廃材の効果的な再生利用は行われていないのが現状である。 【0004】ところで、近年、コンクリート構造物等の居住空間においては結露問題を生じており、それを防止するために、各種の吸放湿材が提案されている。例えば、特許3026604号は石膏ボードを利用した材料、特許3065607号は珪酸カルシウムを利用した材料を開示する。特許2948133号、特許3041348号は、天然鉱物を利用し、比表面積等を特定した材料を開示する。また、特公平6-49131号、特開平10-266366号は、無機発泡体やSiO2-Al2O3系粉体等をアルカリ金属珪酸塩、いわゆる水ガラスをバインダーとして使用してなる材料を開示する。さらに、本出願人も、特開平9-328374号、特開平11-322468号などにパーライト等をアルカリ硬化した材料を開示する。 【0005】また、特開平9-124315号は、ロックウール等のシリカアルミナ粉粒体をアルカリ処理後脱水し、加圧成形した後に水熱処理するゼオライト硬化体を開示する。さらに、特開平6-183813号は、ロックウール等を、木片等、アルカリ刺激剤とともに水の存在下でホットプレス成形してなる成形体を開示する。これは、コンクリート製品の代替など高強度の材料を提供するものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述した従来の問題を解決し、ガラス繊維廃材に新たな機能特に調湿機能を付与して再利用する方法、またガラス繊維を利用した調湿材を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ガラス繊維廃材と、濃度10〜50重量%のアルカリ金属水酸化物水溶液を100〜220℃で加熱乾燥し、吸放湿率5重量%以上の調湿材を得ることを特徴とするガラス繊維廃材の再利用方法である。前記ガラス繊維廃材に、パーライト、珪藻土、白土等のシリカ類及び/又は水酸化アルミニウムを配合してもよい。また、本発明は、ガラス繊維と、濃度10〜50重量%のアルカリ金属水酸化物水溶液を80〜220℃で加熱乾燥して得られ、吸放湿率5重量%以上であることを特徴とする調湿材である。 【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明でいうガラス繊維とは、いわゆる断熱材、吸音材、FRP等に用いられているガラス繊維の他に、これらの製品の加工工程で発生する屑等、及び未使用ガラス繊維を含む。このガラス繊維廃材は、比較的大きなものが多いので、まず粗粉砕し、ガラス繊維を選別する。ガラス繊維断熱材は、表面を覆っている樹脂フィルムや防湿紙を取り除くことが望ましい。FRPはバインダー樹脂を取り除くことが望ましい。このようにして得られたガラス繊維を主体とする混合物は、そのまま使用してもよいが、さらに粉砕して粉状として利用することも可能である。アルカリ金属水酸化物との反応上、より粉砕されたものを用いる方が本発明の効果である調湿性能を得やすい。 【0009】アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが挙げられるが、費用対効果の点から安価な水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを用いることが好ましい。本発明は、このアルカリ金属水酸化物を水溶液として用いるが、アルカリ金属水酸化物の濃度は10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%である。これが10重量%より低いと、ガラス繊維とアルカリ金属水酸化物との反応が進まず、調湿性能の低いものしか得られず、また余分な水分を追い出すために加熱乾燥に時間がかかる。濃度が50重量%を超えると、水溶液が材料全体に分散しにくくなる。 【0010】アルカリ金属水酸化物の添加量は、ガラス繊維廃材の粉砕程度やガラス繊維に含まれるシリカの含有量によって異なる。150メッシュ篩通過程度に粉砕された粉状となっている場合、ガラス繊維中のシリカ100重量部に対し、水酸化ナトリウム場合、固形分として3〜25重量部、好ましくは5〜15重量部の添加が好ましい。これが3重量部より少ないと十分な吸放湿性が得られず、25重量部を超えると余剰の水酸化ナトリウムが残存し、製品が潮解性を示し実用的でない。 【0011】アルカリ金属水酸化物は、ガラス繊維のシリカと反応し、珪酸アルカリを生じ脱水過程で重縮合ゲル化し、空気中の水分を吸放湿する活性表面が形成されるものと考えられる。この機能を補うため、ガラス繊維混合物にパーライト、珪藻土、白土等のシリカ類や、水酸化アルミニウムを配合してもよい。シリカ類はガラス繊維の場合と同様に珪酸アルカリを形成するものと考えられ、水酸化アルミニウムを添加した場合には、生成物の強度を高めることができる。シリカ分は5〜25重量部、水酸化アルミニウムは2〜10重量部添加することが好ましい。 【0012】ガラス繊維とアルカリ金属水酸化物水溶液を、適当な水分を含んだ状態で十分に混合して湿潤混合物を調製し、この湿潤混合物を80〜220℃、好ましくは100〜200℃で加熱乾燥する。これは反応と同時に水分を強制的に飛ばすもので、混合物が顆粒状の場合3〜10分、10mm程度の造粒物の場合5〜15分が目安である。加熱乾燥の条件は、供給材料の量や形状や加熱装置の能力によって変わる。80℃より低い温度では乾燥が遅く、反応も十分に進まなくなり、本発明で規定する吸放湿率5重量%以上の調湿材が得られない。また、加熱温度をこれ以上高くしても、吸放湿性能の向上はなく、経済性が損なわれる。 【0013】本発明で規定する吸放湿率は、25℃、90%環境と25℃、50%環境を24時間ごとに繰り返し、吸湿時重量と放湿時重量がほぼ一定になった時点での両者の重量差を乾燥重量で除して得られる重量%である。 【0014】本発明の調湿材は、用途に応じて、粉状、球状、棒状、板状、フレークなど任意の形状に加工することができる。この加工は、加熱乾燥前の湿潤混合物を造粒、加圧成形してもよいし、加熱乾燥後に造粒、加圧成形してもよい。また、これらを通気性のある袋に入れるなどして取り扱いを容易にすることも可能である。本発明の調湿材の用途としては、床下調湿材、押入調湿材、調湿断熱材などが挙げられる。 【0015】 【実施例】実施例1〜3、比較例1〜2廃棄されたガラス繊維断熱材をボールミルで粉砕し、150メッシュ篩通過の粉砕物Aを得た。また、廃棄されたFRPパイプを粗粉砕し、ガラス繊維を選別し、繊維長数mmの粉砕物Bを得た。これらの粉砕物に水酸化ナトリウム水溶液を添加し、十分に攪拌したのち加熱乾燥して調湿材を得た。なお、実施例2と比較例2は更に珪藻土粉末を配合し、実施例3は更に白土粉末と水酸化アルミニウムを配合した。材料配合(水酸化ナトリウム水溶液濃度は重量%)、加熱乾燥条件及び調湿材の吸放湿率(重量%)を表1に掲げる。特に単位を記していない数字は重量部を示す。 【0016】 【表1】
【0017】 【発明の効果】本発明によれば、従来廃棄されてきたガラス繊維を含む廃材に、アルカリ金属水酸化物を反応させて、空気中の水分を吸放湿させる機能を付与することができ、調湿度材として再利用することを可能にした。また、ガラス繊維の新しい用途を開くことができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006644 【氏名又は名称】新日鐵化学株式会社 【住所又は居所】東京都品川区西五反田七丁目21番11号
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| 【出願日】 |
平成14年2月1日(2002.2.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082739 【弁理士】 【氏名又は名称】成瀬 勝夫 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−225529(P2003−225529A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月12日(2003.8.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−25459(P2002−25459) |
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