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【発明の名称】 ガス処理装置
【発明者】 【氏名】茂木 完治
【住所又は居所】大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業株式会社堺製作所金岡工場内

【氏名】田中 利夫
【住所又は居所】大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業株式会社堺製作所金岡工場内

【氏名】香川 謙吉
【住所又は居所】大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業株式会社堺製作所金岡工場内

【要約】 【課題】吸着ロータから濃縮されて脱離した高濃度の被処理成分による臭気が漏れるのを有効に回避し、使用者等が不快感を抱くのを未然に防止する空気浄化装置を提供する。

【解決手段】吸着ロータ(5)の再生部からプラズマ反応器(28)までの封じ込め対象範囲(a)を含む全体をケーシング(1)内の密閉空間(S)に封じ込め、再生空気により吸着ロータ(5)の被処理成分を脱離させてプラズマ反応器(28)で分解させる際の高濃度の被処理成分による臭気を密閉空間(S)内に封じ込める。また、ケーシング(1)内の密閉空間(S)内に再生ファン(21)の吸込み口(21a)を開口してファン運転時に密閉空間(S)内を負圧に保ち、密閉空間(S)外の空気が密閉空間(S)内に流入する定常的な空気の流れを生成して、臭気が密閉空間(S)外に漏れ出るのをさらに確実に防ぐ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主流ファン(8)により吸い込んだ被処理ガスからその中の被処理成分を吸着する吸着部材(5)と、再生ファン(21)からの再生空気を再生通路(22)で送給して加熱手段(26)で加熱し、該加熱された再生空気を上記吸着部材(5)の再生部に通過させて該吸着部材(5)から上記被処理成分を脱離させる再生手段(20)と、該再生手段(20)により吸着部材(5)から脱離した被処理成分を分解する分解手段(28)とを備えたガス処理装置において、少なくとも上記吸着部材(5)の再生部から分解手段(28)までの封込め対象範囲(a)が略密閉状の密閉空間(S)に封じ込められていることを特徴とするガス処理装置。
【請求項2】 請求項1のガス処理装置において、密閉空間(S)内が負圧になるように再生ファン(21)の少なくとも吸込み口(21a)が密閉空間(S)内に開口されていることを特徴とするガス処理装置。
【請求項3】 請求項2のガス処理装置において、再生ファン(21)全体が密閉空間(S)内に配置されていることを特徴とするガス処理装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つのガス処理装置において、密閉空間(S)は、装置のケーシング(1)内に設けられていることを特徴とするガス処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理ガス中の被処理成分を吸着部材で吸着した後、その被処理成分を脱離することで吸着部材を再生可能としたガス処理装置に関し、特に、その吸着部材の再生に伴う異臭の発生を防止するための対策に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種被処理ガスを処理するためのガス処理装置として、例えば空気中の煙草臭、食品臭、屎尿臭、体臭、ペット臭、パーマ臭、建築臭、油煙、VOC、NOx等の臭気成分や有害成分を除去するための空気浄化装置が知られており、店舗、医療機関、工場等において一般に用いられている。
【0003】このような従来の空気浄化装置として、例えば活性炭やゼオライト等の吸着剤を含んだ吸着部材を使用して空気中の臭気成分や有害成分を吸着除去するものがある。そして、この種の装置において、吸着部材が上記成分を略飽和状態になるまで吸着すると、空気浄化性能が大幅に低下し、吸着部材を定期的(例えば数カ月毎)に交換する必要が生じるために、吸着部材に熱風を当てて、吸着部材で吸着した臭気成分又は有害成分を脱離させることで、吸着部材を再生する方式の空気浄化装置が提案されている(例えば特開平7−2560474号公報参照)。この提案例のものでは、吸着部材から脱離した臭気成分や有害成分を、高温に加熱した触媒(燃焼酸化触媒)を有する分解手段に通過させて、これらの成分を酸化分解するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように、処理しようとする被処理ガスを主流ファンにより吸い込んで吸着部材により被処理ガス中の被処理成分を吸着させる一方、この吸着部材から被処理成分を脱離させる再生手段として、再生ファンにより吸い込んだ再生空気をヒータ等の加熱手段で高温度に加熱し、この高温度の再生空気を上記吸着部材に通過させて該吸着部材から被処理成分を脱離させるようにすることが考えられる。
【0005】しかし、その場合、上記再生空気により吸着部材の被処理成分を脱離させて分解手段で分解させる際、その吸着部材から脱離して分解手段に至る被処理成分は濃縮されて高濃度となり、この高濃度の被処理成分による臭気が外部に漏出すると、使用者等の不快感を招来することとなり、何等かの対策が必要である。
【0006】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、上記のガス処理装置の構造を変更することにより、吸着部材から濃縮されて脱離した高濃度の被処理成分による臭気が漏れるのを有効に回避し、使用者等が不快感を抱くの未然に防止しようとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、この発明では、少なくとも吸着部材から分解手段までの範囲を密閉空間に封じ込めて、濃縮された被処理成分による異臭が密閉空間外に漏れ出ないようにした。
【0008】具体的には、この請求項1の発明では、主流ファン(8)により吸い込んだ被処理ガスからその中の被処理成分を吸着する吸着部材(5)と、再生ファン(21)からの再生空気を再生通路(22)で送給して加熱手段(26)で加熱し、この加熱された再生空気を上記吸着部材(5)の再生部に通過させて該吸着部材(5)から上記被処理成分を脱離させる再生手段(20)と、この再生手段(20)により吸着部材(5)から脱離した被処理成分を分解する分解手段(28)とを備えたガス処理装置が前提である。
【0009】そして、少なくとも上記吸着部材(5)の再生部から分解手段(28)までの封込め対象範囲(a)が略密閉状の密閉空間(S)に封じ込められていることを特徴とする。
【0010】この構成によれば、少なくとも吸着部材(5)の再生部から分解手段(28)までの封込め対象範囲(a)が略密閉状の密閉空間(S)に封じ込められているので、再生空気により吸着部材(5)の被処理成分を脱離させて分解手段(28)で分解させる際に、その吸着部材(5)から脱離して分解手段(28)に至る高濃度の被処理成分が生じていても、それによる臭気は密閉空間(S)内に封じ込められたままとなり、使用者等の不快感を招来することはない。
【0011】請求項2の発明では、上記密閉空間(S)内が負圧になるように上記再生ファン(21)の少なくとも吸込み口(21a)を密閉空間(S)内に開口させる。こうすると、再生ファン(21)の運転時に密閉空間(S)内は常に負圧となって、密閉空間(S)外の空気が密閉空間(S)内に流入する定常的な空気の流れが生成され、この空気流に逆らって臭気が密閉空間(S)外に漏れ出ることはなくなり、使用者等の不快感の防止をさらに安定して図ることができる。
【0012】その場合、請求項3の発明では、上記再生ファン(21)全体が密閉空間(S)内に配置されている構成とする。このことで、ガス処理装置の外観をすっきりとすることができる。
【0013】請求項4の発明では、上記密閉空間(S)は、装置のケーシング(1)内に設けられているものとする。このことで、ガス処理装置のケーシング(1)内を密閉空間(S)として兼用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】(実施形態1)図1〜図3は本発明の実施形態1に係るガス処理装置としての空気浄化装置(A)の概略構成を示し、この空気浄化装置(A)は、被処理ガスとしての被処理空気からその中の有害成分や臭気成分等の被処理成分を吸着して、その被処理空気を浄化するものである。
【0016】上記空気浄化装置(A)は下面の隅部にキャスタ(2),(2),…が支持された矩形箱状のケーシング(1)を備え、このケーシング(1)は基本的に密閉構造のもので、その内部に略密閉状の密閉空間(S)が形成されている。但し、ケーシング(1)は、後述の再生ファン(21)による負圧の生成のために気密状には密閉されていない。
【0017】上記ケーシング(1)の後壁面(図2では左側面)左寄りには、被処理空気をケーシング(1)内に導入する空気吸込口(3)が、また左側壁面(図1で左側面)には浄化後の空気を排気する空気吹出口(4)がそれぞれ開口されている。尚、図3では、説明のために図面を簡略にする目的で、ケーシング(1)の空気吸込口(3)や空気吹出口(4)、ケーシング(1)内の各種構成部材の各レイアウトは図1及び図2とは異ならせている。
【0018】ケーシング(1)の内部には、被処理空気からその中の有害成分や臭気成分等の被処理成分を吸着する吸着部材としての吸着ロータ(5)と、この吸着ロータ(5)から被処理成分を脱離させる再生手段(20)と、この再生手段(20)によって吸着ロータ(5)から脱離した被処理成分を分解する分解手段としてのプラズマ反応器(28)とを備えている。
【0019】上記空気吸込口(3)と空気吹出口(4)とは上記吸着ロータ(5)の一部を通る吸着通路(7)により接続されている。すなわち、上記空気吸込口(3)には、ケーシング(1)内の後側左端部に配置されかつ水平左右方向の軸心を有するターボファンからなる主流ファン(8)の吸込み口(8a)が吸込みダクト(9)を介して接続され、この主流ファン(8)の吐出口(8b)は、ケーシング(1)の内底面上に設置した被処理空気導入チャンバ(10)に接続され、この導入チャンバ(10)上に吸着ロータ(5)がその一部を導入チャンバ(10)内と連通させた状態で配置されている。吸着ロータ(5)の上側には吹出しダクト(11)がその上流端(下端)を吸着ロータ(5)の一部(吸着部)と連通させた状態で配置され、この吹出しダクト(11)の下流端は上記空気吹出口(4)に接続されている。そして、主流ファン(8)の作動により被処理空気は空気吸込口(3)からケーシング(1)内に吸込みダクト(9)を経て吸い込まれた後、導入チャンバ(10)から吸着ロータ(5)に導入されて、それを通る間に被処理成分が吸着処理され、その処理後に吹出しダクト(11)を経由して空気吹出口(4)から吹き出されるようになっており、このケーシング(1)内で空気吸込口(3)から空気吹出口(4)へ空気の流れる経路が吸着通路(7)に構成されている。
【0020】上記吸着ロータ(5)は、図示しないが、水平方向に配置されて、空気の流れ方向に沿って貫通する多数の小孔を有するハニカム形状の基材からなる吸着部を有し、被処理空気が下側から上方に通り抜けるように通気性を有している。尚、吸着ロータ(5)は、基材の表面に吸着剤を担持する構成の他に、ゼオライト等の吸着剤をバインダで固めてハニカム状等の通気性を有する形状に成形してもよい。
【0021】この吸着ロータ(5)は、吸着部の表面に吸着剤を担持し、被処理空気が小孔を通過する際に臭気成分や有害成分を吸着剤に吸着することで、これらの成分を被処理空気から除去するもので、吸着剤には例えば活性炭やゼオライト等が用いられる。また、吸着剤には、多孔質セラミックス、活性炭繊維、モルデナイト、フェリエライト、シリカライト等を使用してもよい。
【0022】一方、上記吸着ロータ(5)の一部の再生部(図示せず)となる部分は断面扇状の閉空間からなる再生空間(図示せず)に臨むように配置され、この再生空間は、上記再生手段(20)の一部として後述の再生空気の流通する再生通路(22)の一部を構成しており、この再生空間(再生通路(22))内で再生空気が流れることにより、吸着ロータ(5)が再生部で再生される。
【0023】すなわち、上記吸着ロータ(5)は、上記被処理空気が流通する吸着通路(7)と再生空気が流通する再生通路(22)とに跨って配置された水平円板状のものであって、その上下方向の中心軸(図示せず)回りに吸着通路(7)及び再生通路(22)に跨って回転するようになっており、この吸着通路(7)内に位置する部分が吸着部に、また再生通路(22)内に位置する部分が再生部にそれぞれなっている。
【0024】ケーシング(1)内には、上記吸着ロータ(5)を回転させるためにロータ駆動機構(13)が設けられている。このロータ駆動機構(13)は、ケーシング(1)内の前側左端部に配置された上下方向の軸心を有する駆動モータ(14)と、この該駆動モータ(14)の出力軸(14a)に回転一体に取付固定された歯付プーリからなる駆動プーリ(15)と、この駆動プーリ(15)及び吸着ロータ(5)間に巻き掛けられた歯付ベルトからなる駆動ベルト(16)とを備え、駆動モータ(14)で駆動ベルト(16)を走行させることにより、吸着ロータ(5)を回転させ、この吸着ロータ(5)の回転状態で、その吸着部で被処理成分の吸着を、また再生部で被処理成分の脱離をそれぞれ行わせて、被処理ガスを連続的に処理するようになっている。
【0025】再生手段(20)は、ケーシング(1)の内の前側右端部に配置された水平左右方向の軸心を有するターボファンからなる再生ファン(21)を備えている。この再生ファン(21)の吸込み口(21a)はケーシング(1)内の密閉空間(S)に開口されており、このことで、密閉空間(S)内がケーシング(1)外部に比べて若干負圧になるように再生ファン(21)の吸込み口(21a)を含む全体が密閉空間(S)内に配置されている。
【0026】上記再生ファン(21)の吐出口(21b)には再生通路(22)の上流端が接続されている。この再生通路(22)は、上記再生ファン(21)から、再生通路用チャンバ(23)の上流側チャンバ(23a)、吸着ロータ(5)の吸着部、熱回収用熱交換器(25)、再生通路用チャンバ(23)の下流側チャンバ(23b)、吸着ロータ(5)の再生部、及びプラズマ反応器(28)を経て上記吹出しダクト(11)に至る部分で構成されている。
【0027】すなわち、上記吸着ロータ(5)下側のケーシング(1)内底面上には再生通路(22)の一部をなす再生通路用チャンバ(23)が上記被処理空気導入チャンバ(10)と並んで設置され、この再生通路用チャンバ(23)は上流側及び下流側チャンバ(23a),(23b)に区画され、上流側チャンバ(23a)に再生ファン(21)の吐出口(21b)が接続されている。この上流側チャンバ(23a)は、吸着ロータ(5)において再生空間よりも回転方向下流側に位置する部分を通って、吸着ロータ(5)上側に位置する再生通路(22)の下端(上流端)に連通され、この再生通路(22)の上端(下流端)は熱回収用熱交換器(25)に接続されている。この熱交換器(25)には、下流側に位置する再生通路(22)の上端(上流端)が接続され、この再生通路(22)は下方に延びてその下端(下流端)は上記再生通路用チャンバ(23)の下流側チャンバ(23b)に接続されている。この下流側チャンバ(23b)内には電気ヒータ(26)が配置されており、このヒータ(26)により再生空気を加熱して吸着ロータ(5)の再生空間内の再生部に供給し、この高温度の再生空気により吸着ロータ(5)から被処理成分を脱離させるようにしている。
【0028】そして、上記下側チャンバ(23b)は吸着ロータ(5)の再生部を介して吸着ロータ(5)上側に位置するさらに下流側の再生通路(22)の下端(上流端)に連通され、この再生通路(22)の上端(下流端)は吸着ロータ(5)よりも上側に位置するプラズマ反応器(28)(分解手段)に接続されている。このプラズマ反応器(28)は、内部構造を図示しないが、ストリーマ放電により生成される低温プラズマと、この低温プラズマにより発生する活性種の作用で活性化して上記被処理成分の処理を促進する触媒手段とにより、吸着ロータ(5)から脱離した上記被処理成分を分解する。
【0029】上記プラズマ反応器(28)の触媒手段は、低温プラズマにより活性化する触媒を例えばハニカム状の基材の表面に担持したものや、触媒粒子を通気性の容器に充填したもの等によって構成され、再生空気が通過するように通気性を有している。
【0030】尚、低温プラズマにより活性化する触媒としては、例えば、Pt(白金),Pd(パラジウム),Ni(ニッケル),Ir(イリジウム),Rh(ロジウム),Co(コバルト),Os(オスミウム),Ru(ルテニウム),Fe(鉄),Re(レニウム),Tc(テクネチウム),Mn(マンガン),Au(金),Ag(銀),Cu(銅),W(タングステン),Mo(モリブデン),Cr(クロム)のうちの少なくとも1種を含むものを用いることができる。また、このうち、FeやMnを始め、一部の物質は酸化物(例えばFe23、MnO2 等)の形態で含ませるとよい。
【0031】さらに、上記プラズマ反応器(28)にはさらなる下流側の再生通路(22)の上流端が接続され、この再生通路(22)は水平方向に延びてその下流端は上記熱交換器(25)を介して上記吹出しダクト(11)に接続されている。この熱交換器(25)は、上記再生ファン(21)から再生通路(22)を経由して電気ヒータ(26)に至る再生空気と、プラズマ反応器(28)から吹出しダクト(11)に向かう排気ガスとを熱交換し、排気ガスをその熱の回収により冷却するとともに、その回収した熱で再生空気を加熱するもので、上記プラズマ反応器(28)よりも若干高い位置に配置されている(尚、熱交換器(25)はプラズマ反応器(28)と同じ高さ位置であってもよい)。熱交換器(25)はハウジング(30)内に収容され、このハウジング(30)内には、熱交換器(25)の他に、プラズマ反応器(28)からのガスを加熱する電気ヒータ(31)と、このヒータ(31)の下流側(熱交換器(25)側)に配置された後処理触媒(32)とがまとめられて一体に収容されている。この後処理触媒(32)は、プラズマ反応器(28)で分解しきれなかった量の被処理成分や、プラズマ反応器(28)では分解不可能の異なる被処理成分を担持触媒成分によって分解する。
【0032】以上により、吸着ロータ(5)、プラズマ反応器(28)、後処理触媒(32)、熱交換器(25)、主流ファン(8)及び再生ファン(21)、再生通路(22)、吸着通路(7)、吹出しダクト(11)はいずれもケーシング(1)内の密閉空間(S)に収容されており、このことで、少なくとも、上記吸着ロータ(5)(吸着部材)の再生部からプラズマ反応器(28)(分解手段)まで再生通路(22)によって接続された封込め対象範囲(a)が上記密閉空間(S)に封じ込められていることとなる。
【0033】したがって、この実施形態においては、空気浄化装置(A)の運転時、基本的には、主流ファン(8)及び再生ファン(21)が作動し、主流ファン(8)の作動により被処理空気がケーシング(1)の空気吸込口(3)から吸込みダクト(9)を経て主流ファン(8)に吸い込まれた後、その主流ファン(8)の吐出口(8b)から吐出されて被処理空気導入チャンバ(10)に導入口(10a)から導入され、さらに、この導入チャンバ(10)から吸着ロータ(5)に導入されて、それを通る間に被処理成分の吸着処理がなされる。この吸着処理によって被処理成分のなくなった空気は吹出しダクト(11)を経由して空気吹出口(4)からケーシング(1)外に吹き出される。
【0034】これに対し、上記吸着ロータ(5)に吸着された被処理成分を脱離させて分解させる場合には、上記再生ファン(21)の作動により、その吸込み口(21a)にケーシング(1)内の空気が再生空気として吸い込まれ、この再生空気は再生通路用チャンバ(23)の上流側チャンバ(23a)に導入された後、吸着ロータ(5)に流れる。
【0035】上記再生通路用チャンバ(23)の上流側チャンバ(23a)に導入された後に吸着ロータ(5)に流れた再生空気は、その吸着ロータ(5)での残留熱により加熱された後、再生通路(22)を熱交換器(25)に向かい、この熱交換器(25)で、後述の如くプラズマ反応器(28)からの排気ガスとの熱交換によりその熱を回収して加熱される。この熱交換器(25)で加熱された再生空気は、上記再生通路用チャンバ(23)の今度は下流側チャンバ(23b)に流入し、その内部の電気ヒータ(26)により加熱されて高温度になる。この高温度の再生空気が吸着ロータ(5)の再生部に導入され、このことで吸着ロータ(5)に吸着されていた被処理成分がロータ(5)から脱離されて再生空気中に混入する。この被処理成分と再生空気との混合ガスはプラズマ反応器(28)に導入されて、そのストリーマ放電により生成される低温プラズマと、この低温プラズマにより発生する活性種の作用で活性化して被処理成分の処理を促進する触媒手段とにより、吸着ロータ(5)から脱離した被処理成分が分解される。
【0036】そして、このプラズマ反応器(28)で被処理成分が分解された後、そのプラズマ反応器(28)からの排気ガスはヒータ(31)によって加熱された後に、後処理触媒(32)に流入し、この触媒(32)で、プラズマ反応器(28)で分解しきれなかった量の被処理成分や、プラズマ反応器(28)では分解不可能の異なる被処理成分が分解される。この後処理触媒(32)を通過して被処理成分のなくなった排気ガスは熱交換器(25)に入り、この熱交換器(25)で、上記再生通路用チャンバ(23)の上流側チャンバ(23a)から下流側チャンバ(23b)に流れる再生空気が加熱されるとともに、排気ガス自体は冷却される。そして、この冷却後の排気ガスは上記吹出しダクト(11)内の空気と混入され、その吹出しダクト(11)により空気吹出口(4)から吹き出される。
【0037】この実施形態の場合、吸着ロータ(5)の再生部からプラズマ反応器(28)までの封込め対象範囲(a)と、その他の範囲を含む部分との全体が、ケーシング(1)内の略密閉状の密閉空間(S)に封じ込められているので、再生ファン(21)から送給された再生空気により吸着ロータ(5)の再生部に吸着されている被処理成分を脱離させてプラズマ反応器(28)で分解させる際に、その吸着ロータ(5)から脱離してプラズマ反応器(28)に至る高濃度の被処理成分が発生したとしても、この高濃度の被処理成分による臭気はケーシング(1)内の密閉空間(S)内に封じ込められたままとなり、その臭気がケーシング(1)外に漏出することはなく、使用者等の不快感を防止することができる。
【0038】しかも、上記再生ファン(21)の吸込み口(21a)を含む全体がケーシング(1)内の密閉空間(S)に配置されているので、この再生ファン(21)の作動運転に伴い、その吸込み口(21a)への密閉空間(S)内の空気が吸い込まれることで、密閉空間(S)内はケーシング(1)外に対し負圧状態になる。このように密閉空間(S)内が常に負圧となることで、ケーシング(1)外の空気が密閉空間(S)内に流入する定常的な空気の流れが生成されるようになり、この空気流に逆らって臭気が密閉空間(S)外に漏れ出ることは全くなく、よって、使用者等の不快感の防止をさらに安定して図ることができる。尚、ケーシング(1)内の再生ファン(21)が密閉空間(S)内の空気を再生空気として吸い込んだときに、その密閉空間(S)が負圧に保たれるようにする条件を満たす限り、ケーシング(1)の各壁部に所定の数や大きさの通気孔を設けてもよい。
【0039】また、再生ファン(21)全体がケーシング(1)内に配置されているので、空気浄化装置(A)のケーシング(1)外観をすっきりとすることができる。さらに、密閉空間(S)は、空気浄化装置のケーシング(1)内に設けられているので、空気浄化装置(A)のケーシング(1)内を密閉空間(S)として兼用できる。
【0040】また、上記吸着ロータ(5)は略水平方向に配置されていてそれを被処理空気が上昇方向に通過するようになっており、再生ファン(21)からの再生空気は、吸着ロータ(5)を通る間にその残留熱を奪って加熱されて上昇気流となる。また、吸着ロータ(5)の上側にプラズマ反応器(28)が配置され、上記熱交換器(25)の高さ位置が上記プラズマ反応器(28)の高さ位置よりも高い位置に配置されているので、この上昇気流の再生空気は、再生通路用チャンバ(23)の下流側チャンバ(23b)に導入されてヒータ(26)で加熱され、その加熱に伴って再生空気は上昇気流となり、その上側の吸着ロータ(5)に送り込まれて、この吸着ロータ(5)から被処理成分を脱離させ、被処理成分を高濃度に含む高濃度ガスとなる。こうして、吸着ロータ(5)の上側にプラズマ反応器(28)を、また熱交換器(25)の高さ位置をプラズマ反応器(28)よりも高い位置にそれぞれ配置することで、上記のような上昇気流を有効に利用して空気流を生成することができ、空気流の抵抗の増大や通路内での偏流により再生ファン(21)の負荷が増大することはなく、空気浄化装置(A)の処理効率及び処理性能を向上させることができる。
【0041】また、吸着ロータ(5)は、被処理ガスの流通する吸着通路(7)と再生空気の流通する再生通路(22)とに跨って回転可能に配置され、その一部で被処理成分の吸着を行い、他の一部で被処理成分の脱離を行うことにより、被処理ガスを連続的に処理するので、吸着通路(7)を流れる被処理空気に含まれる有害成分や臭気成分が吸着ロータ(5)の一部で吸着されて被処理空気が処理され、これらの成分を吸着した部分は、ロータ駆動機構(13)により吸着ロータ(5)が回転して再生通路(22)内に移動すると、再生通路(22)を流れる再生空気によって再生される。そして、このようにして再生された部分が吸着ロータ(5)の回転に伴って吸着通路(7)内へ再度移動すると、被処理空気中の被処理成分を吸着するのに用いられる。このように、吸着ロータ(5)が回転しながら吸着と脱離とが行われるので、被処理空気が連続的に処理される。
【0042】(実施形態2)図4は本発明の実施形態2を示し(尚、図1〜図3と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1では、再生ファン(21)からの再生空気を吸着ロータ(5)の一部(残留熱を受ける部分)、熱交換器(25)で加熱するようにしているのに対し、電気ヒータ(26)のみで加熱するようにしたものである。
【0043】また、この実施形態では、主流ファン(8)はケーシング(1)の外側に配置されており、その吐出口(8b)をケーシング(1)の空気吸込口(3)に接続している。その他の構成は実施形態1と略同様であり、従って、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0044】尚、上記実施形態では、封込め対象範囲(a)を含む略全体をケーシング(1)内の密閉空間(S)に封じ込めているが、封込め対象範囲(a)のみを密閉空間(S)に封じ込めるようにしてもよい(この場合は気密状態に封入するのが好ましい)。さらに、その封込め対象範囲(a)を封入した密閉空間(S)を気密状に密閉しないで、その密閉空間(S)に再生ファン(21)の吸込み口(21a)を開口させるようにすることもできる。
【0045】また、上記各実施形態では、回転式の吸着ロータ(5)を用いているが、この代わりに固定式の吸着板(吸着部材)を用い、吸着運転と再生運転を交互に切り換えながら行うことにより、被処理ガスを間欠的に処理する(空気浄化を間欠的に行う)ようにしてもよい。
【0046】また、上記各実施形態は、被処理空気中の被処理成分を吸着ロータ(5)によって吸着するとともに、この吸着ロータ(5)から被処理成分を脱離させて再生する空気浄化装置(A)の例であるが、本発明は、吸着部材から脱離した被処理成分を、放電により低温プラズマを生成して分解する分解手段を用いたものであればよく、吸着ロータ、吸着板、再生手段等の具体的な構成は任意に変更してもよい。
【0047】さらに、本発明は、上記各実施形態の如き空気浄化装置(A)の他、被処理ガスからその中の被処理成分を除去するためのガス処理装置に対しても適用することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によると、主流ファンにより吸い込んだ被処理ガス中の被処理成分を吸着部材で吸着し、再生ファンからの再生空気を加熱手段で加熱して吸着部材に通過させて該吸着部材から上記被処理成分を脱離させ、この吸着部材から脱離した被処理成分を分解手段で分解するようにしたガス処理装置において、少なくとも吸着部材の再生部から分解手段までの封込め対象範囲を密閉空間に封じ込めるようにしたことにより、再生空気により吸着部材の被処理成分を脱離させて分解手段で分解させる際の高濃度の被処理成分による臭気を密閉空間内に封じ込めたままとすることができ、使用者等の不快感の招来の防止を図ることができる。
【0049】請求項2の発明によると、密閉空間内が負圧になるように再生ファンの少なくとも吸込み口を密閉空間内に配置したことにより、再生ファンの運転時に密閉空間内の負圧により密閉空間外の空気が密閉空間内に流入する定常的な空気の流れを生成でき、臭気が密閉空間外に漏れ出るのをさらに確実に防いで、使用者等の不快感の防止をさらに安定して図ることができる。
【0050】請求項3の発明によると、上記再生ファン全体を密閉空間内に配置したことにより、ガス処理装置の外観見映えの向上を図ることができる。
【0051】請求項4の発明によると、密閉空間は、装置のケーシング内に設けたことにより、ガス処理装置のケーシング内を密閉空間として兼用できる。
【出願人】 【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル
【出願日】 平成14年2月7日(2002.2.7)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外7名)
【公開番号】 特開2003−225527(P2003−225527A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−30253(P2002−30253)