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【発明の名称】 オイルミスト除去装置
【発明者】 【氏名】嶋 欣一
【住所又は居所】大阪府大東市新田北町1番25号 昭和電機株式会社内

【要約】 【課題】空気導入管を吸込口から外すことなく、また建屋壁等に近接して設置されても、入側フィルタ交換時の作業性の飛躍的な改善が図られること。

【解決手段】オイルミストを最初に捕捉する面状入側フィルタ13は、フィルタケース3Bに設けたガイドレール15,15に沿って側方へ出し入れ可能なフィルタケージ10に収納される。そのフィルタケージ10の前面中心部分に衝突板17が取りつけられ、この衝突板によって落とされたダストを収容するダスト受け18が前方へ張り出して一体的に設けられる。フィルタケース3Bの側面には、衝突板17と一体のフィルタケージ10の出し入れ部分を覆うサイドカバーがあり、これを外せばフィルタの交換を簡単に行うことができる。このフィルタケージ10にはダスト受け18が一体化されており、捕集油に切削粉等が混入するのを可及的に少なくしておくことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オイルミストを含んだ空気をファンケース内の羽根車の回転によって略水平方向へ吸引し、空気導入管に連なり前記ファンケースの上流側に位置するフィルタケース内に配置の面状入側フィルタによってオイルミストを一次的に捕集し、羽根車室を経てファンケース後部に導入された空気から出側フィルタによって残存オイルミストを二次的に除去し、吸引空気からオイルミストを捕捉して浄化できるようにしたオイルミスト除去装置において、前記面状入側フィルタは、前記フィルタケースに設けた左右へ延びるガイドレールに沿って側方へ出し入れすることができるフィルタケージに収納され、該フィルタケージの前面中心部分には衝突板が取りつけられると共に、該衝突板によって落下したダストを収容するダスト受けがケージ前面下部から前方へ張り出して一体的に設けられ、前記フィルタケースの側面には、前記衝突板やダスト受けと一体となったフィルタケージの出し入れ部分を覆うサイドカバーが設けられていることを特徴とするオイルミスト除去装置。
【請求項2】 前記フィルタケージの面状入側フィルタ収納部の下面には下方へ膨らむ凹みが形成され、該凹みの底部にはオイル抜き孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたオイルミスト除去装置。
【請求項3】 前記面状入側フィルタは多層フィルタ構造であり、その中間部分に油滴を流下させるための菱形スペースネットが介在されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたオイルミスト除去装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオイルミスト除去装置に係り、詳しくは、機械加工作業場などで発生する油煙を吸引し、複数段のフィルタ構造によってオイルミストを順次に捕捉することにより、空気の浄化を図ることができるようにしたオイルミストの除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工場などで発生する塵埃や油煙を除去するために用いられているオイルミスト除去装置は、例えば特開平10−216437号公報に記載されているように、羽根車の回転によって吸引した空気をフィルタに通し、浮遊するオイルミストや微細な切削屑などのダストを捕捉するようにしている。
【0003】吸引空気は羽根車の上流側に位置する第一フィルタ、羽根車の下流側の第二フィルタ、吐出口直前の第三フィルタ等で順次濾過されて大気中へ放出される。しかし、各フィルタはオイルミストや塵埃が多量に付着すると目詰まりするので、定期的に交換する必要がある。なお、これらのフィルタとしては、通常ある一定の厚みのある不織布や多重構造の繊維質フィルタ等が使用される。
【0004】このようなオイルミスト除去装置は、羽根車および電動機を格納しているファンケースと、上流側でこれに一体化されたフィルタケースとを備える。空気導入管に連なるフィルタケースには面板状の入側フィルタが、大気への排気用吐出口を持ったファンケースには円筒状の出側フィルタが格納され、前者は側方へ後者は後方へ引き出して交換することができるようになっている。
【0005】このようなフィルタ取付構造を採用しておけば、壁際に配備されたり工作機械直上の高い位置に設置されることの多いこの種の装置でのフィルタ交換作業が極めて容易となる。従って、フィルタケースにはサイドカバーが、ファンケースにはリヤカバーが取りつけられ、手軽な位置からケースを開くことができるようになっている。このようにしておくことにより、入側フィルタを前方へ抜くという交換作業に必要となるフロントカバーの開放に欠かせない空気導入管の取り外し作業や、梯子を掛けるなどして高いところへ登りフィルタを上方へ引き出すといった負担の大きい作業が回避される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、吸引空気には微細な切削屑が混入しているが、これがフィルタに付着すると、目詰まりの進行を早める。そのため、入側フィルタの前面には衝突板が設けられ、空気の流れの勢いで衝突するダストを予めはたき落とすことができるようにしている。この衝突板の面積は入側フィルタの前面面積よりも小さいので、空気の流れは衝突板の周囲からフィルタに進入することができる。なお、落下したダストはフィルタケースの底部に溜まることになる。
【0007】一方、衝突板を越えた空気に伴われるオイルミストは、そのかなり部分が入側フィルタで捕捉される。そのオイルミストはフィルタを伝ってゆっくりと流下するが、これがやはりフィルタケースの底部に溜まる。このようにして滞留するオイルミストには上記したダストが混入することになるので、排油パイプを詰まらせたり、捕集油を廃棄するときダストを分離するなどの事後処理に手間を掛けなければならなくなる。
【0008】また、入側フィルタを支持すると共にサイドカバーを開いて引き出すときの案内として機能するガイドレールにもダストが積もることが多く、フィルタ交換のたびにフィルタケース内の清掃が余儀なくされる。また、フィルタからの油切れは概してよくないために下部が膨潤し、入側フィルタ引き出し時に油垂れが生じやすく、工作機械やその周辺の床を汚すといったことが多くなる問題がある。
【0009】本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、空気導入管を吸込口から外す必要がなく、建屋壁等に近接して設置されていても入側フィルタ交換時の作業性の飛躍的な改善が図られること、空気から分離したダストがフィルタケース内に散在するのを防いで、排油の際のパイプの目詰まりを回避したり、ケース内清掃の負担を軽減できることを実現したオイルミスト除去装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、オイルミストを含んだ空気をファンケース内の羽根車の回転によって略水平方向へ吸引し、空気導入管に連なりファンケースの上流側に位置するフィルタケース内に配置の面状入側フィルタによってオイルミストを一次的に捕集し、羽根車室を経てファンケース後部に導入された空気から出側フィルタによって残存オイルミストを二次的に除去し、吸引空気からオイルミストを捕捉して浄化できるようにしたオイルミスト除去装置に適用される。その特徴とするところは、図1を参照して、面状入側フィルタ13は、フィルタケース3Bに設けた左右へ延びるガイドレール15,15に沿って側方へ出し入れすることができるフィルタケージ10に収納される。そのフィルタケージ10の前面中心部分には衝突板17が取りつけられると共に、その衝突板によって落下したダストを収容するダスト受け18がケージ前面下部から前方へ張り出して一体的に設けられる。そして、フィルタケース3Bの側面には、衝突板17やダスト受け18と一体となったフィルタケージ10の出し入れ部分を覆うサイドカバー16,16(図2を参照)が設けられていることである。
【0011】図8に示すように、フィルタケージ10の面状入側フィルタ収納部の下面には下方へ膨らむ凹み40が形成され、その凹みの底部にオイル抜き孔41が設けられる。
【0012】図1に示すように、面状入側フィルタ13は多層フィルタ構造であり、その中間部分に油滴を流下させるための菱形スペースネット35が介在される。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、入側フィルタに流入する空気から予めダストを衝突板で除去した際に、そのダストをダスト受けに貯めておくことができる。このボックスは入側フィルタの上流側に位置しており、捕集されたオイルミストの油滴が混入することはないので、捕集油を廃棄するための処理が簡素化される。ダストがフィルタケース内に散在することも抑えられ、ケース内の清掃負担が軽減されるだけでなく、入側フィルタを収納したフィルタケージの交換操作も常時円滑なものとなる。
【0014】ガイドレールに沿って側方へフィルタを引き出すことができ、建屋壁面近くなど邪魔にならない箇所に設置することも可能となる。装置が大型である場合には特にフィルタ交換の利便性が高くなる。それゆえに、工場建屋の壁面に接近して設置しておくこともでき、本装置のレイアウトの自由度が大きくなる。
【0015】フィルタケージの入側フィルタ収納部下面に凹みを設けこれにオイル抜き孔を形成しておくなら、フィルタケージからの油切れがよくなり、ケージ下面を伝う油滴や拡がる油膜によるフィルタ交換時の油汚染を可及的に少なくすることができる。
【0016】入側フィルタを多層構造としその中間部分に菱形スペースネットが介在されていると、フィルタ内で成長した油滴をネットに移して付着させ、菱形経路を利用してその流落を助長させることができる。この入側フィルタでの捕集作用が高まれば出側フィルタでの濾過性能の向上や交換頻度の低減も図られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るオイルミスト除去装置を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。図1は、水平な回転軸を有するパドルファン形式の遠心式羽根車1とその上流側と下流側に設置された複数のフィルタを備えるオイルミスト除去装置2の縦断面図である。
【0018】この装置のケーシング3は、大きく分けて前後二つのケース3A,3Bから成り立っている。ケース3Aはファンケースであり、羽根車1とそれを駆動する電動機4、二次デミスタ5、出側フィルタ6および吐出口7を備え、羽根車室1Rと濾過室6Rと電動機収容空間兼浄化空気通路4Rに画成されている。ケース3Bはケース3Aの上流側に位置し、前後方向にボルト8,8で締結されたフィルタケースである。これは吸込口9、フィルタケージ10および一次デミスタ11を備え、ダスト除去空間17R、濾過空間10R、捕集油滴下空間11Rが軸方向に並んでいる。
【0019】このような構造により、蛇腹式ダクト等の空気導入管12を介して取り込まれた空気は、ファンケース3A内の羽根車1の回転によって略水平方向へ吸引される。その流れからはフィルタケース内に配置の面状入側フィルタ13によってオイルミストが一次的に捕集され、羽根車室1Rを経てファンケース3Aの後部に至った空気からは横置きの筒状出側フィルタ6によって残存オイルミストが二次的に除去され、吸引空気からオイルミストを捕捉して浄化できるようになっている。
【0020】面状入側フィルタ13はポリエステル繊維等からなる不織布であり、何枚もがフィルタケースに設けた左右へ延びるガイドレール15,15に沿って側方へ出し入れすることができるフィルタケージ10に収納されている。そのガイドレール15は例えば段付き断面のサッシュのようなものであり、フィルタケージは後述する箱形の籠体をなしている。なお、フィルタケース3Bは側面開放形式となっているので、それを閉止しておくためのサイドカバー16,16が図2に示すように左右に取りつけられる。
【0021】図1に戻って、そのフィルタケージ10の前面中心部分には、空気の流れに伴って導入されたダストをはたき落とすための衝突板17がステー17aを介して取りつけられている。そして、その下方には衝突板によって落下したダストを収容するボックス状のダスト受け18が設けられる。このボックスはケージ前面下部から前方へ張り出しており、フィルタケージと一体的に形成されている。フィルタケージ10は、後述する図8に示すように、トップシーリング10tおよびサイドウオール10sと一体のフロントパネル10f、サイドウオール後縁部に抜き差し可能に装着されるリヤパネル10rおよび上記したダスト受け18とでもって、入側フィルタ13(図1を参照)をホールドする一つの籠体を形成している。
【0022】もう少し詳しく述べると、フィルタケース3Bは図3に示したように、幾つかの箱の組み合わせのような形態となっている。これは、図4に示すフロントボディ21と図5に示すリヤボディ22および図6に示した二つのサイドカバー16からなる。サイドカバーは図3に示したクランプ金具23を解けば取り外すことができるが、フロントボディ21とリヤボディ22とは、溶接などによって図7のように一体化するように組み立られる。
【0023】このフィルタケース3Bは図10に示すように、入側フィルタ13を収納したフィルタケージ10を格納するものであるが、それを簡単に出し入れすることができるように配慮される。すなわち、図4に示すように、フロントボディ21には上下に各一本のガイドレール15a,15bが固定される。レール15aは図10に示したようにフィルタケージ10の前面上縁を案内し、レール15bはダスト受け18の前面下縁を乗載できるように配置される。なお、図4中の丸い開口は吸込口9であり、その下方の傾斜したプレートは吸引空気から離脱した切削粉をダスト受け18(図1を参照)へ誘導するための案内板24である。
【0024】リヤボディ22にも、図5に示すようにガイドレール15c,15dが設けられる。レール15cは図10に示したようにフィルタケージ10の背面上縁を案内し、レール15dはダスト受けの背面下縁すなわちフィルタケージの下縁を乗載できるように配置される。このリヤボディ22を上記したフロントボディ21と図7に示したように一体化させると、ガイドレール15a〜15dによって囲繞される部分がフィルタケージ挿脱用開口25を形成することになる。なお、図5中の26はファンケース3Aへ空気を送るための丸い開口である。
【0025】図1に示したように、フィルタケース3Bにはフィルタケージ10を収納する位置の背後に一次デミスタ11を設置できる捕集油滴下空間11Rが確保されている。このデミスタはファンケース3Aに備えられた二次デミスタ5と同じく、成長油滴の下流側への飛散を抑制して出側フィルタでの濾過負担を大幅に軽減しておこうとするためのものである。その構造は、例えば多数のアルミ線27を上下方向にして並べ、前後から金網28を当てて適宜の箇所を針金で一体に括りつけ略マット状にしたものである。流れ方向に重なる密集したアルミ線は飛来した油滴を捕捉し、上下に延びるアルミ線を伝って油滴をフィルタケース3Bの下部へ導びくようになっている。
【0026】一次デミスタ11は面状入側フィルタ13と略同じサイズの前面面積を備えており、フィルタケージ10の背面部を案内する図5に示すガイドレール15c,15dを後方へ張り出して乗載桟29c,29dを形成させ、これに載せるようにしておけば、リヤボディ22は部品点数の少ないシンプルな構造としておくことができる。なお、各乗載桟29の後縁には突起30aが設けられ、リヤボディ22のサイドウオール22aの内面にもフック30bを取りつけておけば、デミスタ11の後方への位置ずれが阻止され、フィルタ・デミスタ構造体の安定が図られる。
【0027】図6は左右一対のサイドカバー16を示している。これは図10のようにしてフィルタケージ10をフィルタケース3Bに入れた後に、そのフィルタケースの気密を保っておくための蓋である。これは必ずしも左右なければならないというものでないが、対にしておけばいずれが壁に面しようとも他方を使用できることは言うまでもない。このカバーは蝶番を用いて例えば観音開き構造としてもよいが、この例ではクランプ金具23(図3を参照)を使用してカバー全体を取り外すことができるようにしている。
【0028】なお、クランプ金具23による固縛を解放したときカバーが直ちに脱落しないように、図6のごとくフィルタケース側に突出する爪体31が設けられる。そのため、図5に示すように、リヤボディ22のサイドウオール22aには挿入孔32が形成され、図2のように係合させることができる。この爪体31があれば、サイドカバー16をフィルタケース3Bにあてがうときの位置決め操作を助けることも述べるまでもない。なお、このサイドカバー16はフィルタケース3Bを密閉しておく必要のあることから、図6に示すように、パッキン材33a,33bがカバー内周部に嵌め込まれている。
【0029】次に、図8および図9を参照して、入側フィルタを収納するフィルタケージ10について述べる。入側フィルタは図1に示したように面状をなした多層フィルタ構造である。そのフィルタの一つひとつはポリエステル繊維のマット34であり、例えば前後各二層のフィルタマットの間に油滴を流下させると共に、前二層で捕捉し凝集させた油滴を後二層に移らせないようにするための菱形スペースネット35が介在されている。
【0030】このような面状入側フィルタ13を収納するフィルタケージ10は、図8に示すように、その前後が前述したフロントパネル10fとリヤパネル10rで形成される。いずれも例えば金属製パネルであるが、フロントパネルは格子状に桟を備えて空気流入用の開口36を持ち、リヤパネルも格子状の空気流出用の開口37を有して面状入側フィルタを押さえるように機能する。このリヤパネル10rは、フロントパネル10fに一体のサイドウオール10sの後縁部に抜き差し可能に装着される。すなわち、サイドウオール10sの後縁部には図9に示した曲げ部38が形成され、図8のように隙間39に上から落とし込むことができるようになっている。このようにすることによって、リヤパネルで入側フィルタを押さえつつ空気の流通を図り、面状入側フィルタの安定が保たれる。
【0031】こうして面状入側フィルタをホールドすることができるフィルタケージ10には、面状入側フィルタ収納部の下面に下方へ膨らむ凹み40が形成され、この凹みの底部にオイル抜き孔41が設けられる。この凹みの存在によりフィルタケージ10がフィルタケース3Bから引き出しにくくなるのを回避するため、図7に示したごとくリヤボディ22のサイドウオール22aには、そのフロントボディ21との境界近くに切欠き部42が形成される(図1も参照)。
【0032】このようなオイル抜き孔41を設けておくと、フィルタケージ10からの油切れが極めてよくなる。フィルタケージをフィルタケース3Bから引き出そうとしたとき、ケージ下面を伝う油滴や拡がる油膜の量を少なくしておくことができ、従ってフィルタ交換時の油汚染が可及的に抑えられる。図8の例では三箇所設けられているがその数は適宜選択することができる。いずれにしても横一列に配置しておけば切欠き部42(図7を参照)の幅を最小限にとどめられる。因みに、その切欠き部に小さなゴムプレートを貼着するなどしておけば(図示せず)、引き出し時の油どりスクレーパとして機能させ、油飛散をより一層少なくすることができる。
【0033】このように構成されたオイルミスト除去装置によれば、以下のようにして組み立て、空気を流してその浄化を図ることができる。まず図7のように一体化されたフィルタケース3Bは図1に示したファンケース3Aに、図示しないパッキンを挟んでボルト締結される。ファンケース3Aのフロントプレート43にボルト8が溶接等によって予め固定されており、そのねじ部を図7に示した締結孔44に挿通し、ガイドレール15a〜15dで囲まれたフィルタケージ挿脱用開口25から手を入れるなどして、ナットを掛ければよい。
【0034】フィルタケース3Bにはフィルタケージ挿脱用開口25から一次デミスタ11(図1を参照)が入られ、それをガイドレール15c,15dの乗載桟29c,29dに載せる。それを突起30aとフック30bに当たるまで下流側へ押しつけ、その前面部分に前抜け防止用の適数本の棒材45を立てる。棒材は上端を乗載桟29cの孔に下方から深く挿入した後に下端を乗載桟29dの孔に落とし込むと、膨径部45aで支えられる。
【0035】一方、フィルタケージ10においては、図8のようにリヤパネル10rを上げておいて所定枚数の面状入側フィルタ13を図1のように収納し、図10のようにリヤパネル10rを下ろせばよい。このようなフィルタケージ10を移動させてフィルタケース3Bに格納すると、図3のようにサイドカバー16,16が取りつけられ、フィルタケース3Bの密閉が図られる。
【0036】因みに、図1のファンケース3Aにおいては、略ドーナツ状であるが例えば左右二つ割れとなっている二次デミスタ5のマットが、羽根車室1Rと濾過室6Rを画成する隔壁46に沿って取りつけられる。そして、電動機4の周囲を覆う円筒状ケージ47の外周に、出側フィルタとしてのドラムフィルタ6が後方から嵌め込まれる。最後に、吐出口7の付いたリヤカバー48が被せられ、クランプ金具49で固定される。
【0037】本装置を工作機械の直上に配置するなどして、油煙の発生する箇所から空気を取り入れるダクト(空気導入管12)が図1のように吸込口9に繋がれる。電動機4を駆動すると羽根車1が回り、空気がフィルタケース3Bに導入される。吸引空気に伴われたダストは、落下しやすくするために前傾させた衝突板17に当たり、そこで失速してダスト受け18に入る。一方、オイルミストはフィルタケージ10に入り、面状入側フィルタ13によって捕捉される。上流側の2枚のフィルタ34,34で捕捉されたオイルミストは後続の捕捉オイルミストと接触して、油滴に成長する。因みに、図8のようにフロントパネル10fの下部に仕切パネル10pを配置しておけば、ダストがフィルタに付着するのを阻止して、ダスト排出の際の取り扱いもさらに楽となる。
【0038】フィルタにおいては、結集してできた油滴が表面張力などによって簡単に流下することはないが、この成長した油滴は風圧で剥がれて下流側へ押しやられることが多い。図1を参照して、押し流された油滴が菱形スペースネット(金網)35に到るとそれに付着するが、このネットは横線のない傾斜した線ばかりであるので、それに沿って流落させることができる。その油滴は入側フィルタ13の下部に溜まるが、オイル抜き孔41を通してフィルタケース3Bの油溜め50に落とされる。ダスト受け18が設けられているがためにこの油溜めに進入するダストの量は極めて僅かであり、排油パイプ51での詰まりもほとんどなく円滑に排出される。
【0039】菱形スペースネット35はフィルタスペーサとしても機能する厚みを持ったものであり、入側フィルタ13における空気の閉塞を和らげる。菱形経路を利用しての流落の促進は、下流側での濾過性能の向上やフィルタの交換頻度の低減にも貢献する。この菱形スペースネット35を通過した空気は下流側の2枚のフィルタに入り、さらにオイルミストが捕捉される。このフィルタを出た空気にも成長した油滴を伴うことは避けられない。
【0040】一次デミスタ11を通過するとき油滴はアルミ線に付着し、これまた油滴の流落が助長される。空気はフィルタケース3Bの開口26(図7を参照)を経て羽根車室1Rに入るが、この時点でオイルミストや成長油滴は半減してしまっているので、羽根に付着する油や微細なごみが少なく、回転にアンバランスをきたすこともない。もちろん、成長油滴の羽根車進入を抑制するので、出側フィルタでの濾過負担をおおいに軽減する。
【0041】羽根車室1で加圧された空気は矢印52のように流れて、二次デミスタ5に入り、ここでさらに脱油される。このように油滴を除去しておくと出側フィルタ6での濾過負担がさらに軽減されることは言うまでもない。濾過室6Rに到ると出側フィルタ6を矢印53のようによぎって電動機収容空間兼浄化空気通路4Rに進み、浄化された空気が吐出口7を経て大気中へ放出される。なお、出側フィルタの構造は従来技術の項に掲げた特開平10−216437号公報等に紹介されているのでここではその説明を省くが、ドラムフィルタでない面状フィルタを出側フィルタとして採用することも何ら差し支えはない。
【0042】二次デミスタ5や出側フィルタ6から離脱した油滴はファンケース3Aの底部の油溜め54に集められ、排油パイプ55から排出される。一方、入側フィルタ13の油汚染が酷くなると頃合い見計らってサイドカバー16が開かれ、フィルタケージ10が取り出される。フィルタを交換するなどして戻せば運転は直ちに再開することができる。デミスタは一次・二次のいずれも油切れがよいものであり、日頃は特に清掃したり交換する必要はない。
【0043】以上の説明から分かるように、本装置によれば、入側フィルタに流入する空気から予めダストを除去した際に、そのダストをダスト受けに貯めておくことができる。このボックスは入側フィルタの上流側に位置しているので捕集されたオイルミストの油滴が混入することがなく、フィルタ交換時などに簡単に取り除くことができる。ダストがフィルタケース内に散在することも少なくなり、ケース内の清掃負担が軽減されるだけでなく、入側フィルタを収納したフィルタケージの交換操作も常時円滑なものとなる。
【0044】排油パイプから排出された捕集油にはダスト混入量が極めて少なく、従って排油の後処理も簡素化することができる。フィルタケージはガイドレールに沿って側方へ引き出すことになり、建屋壁面近くなど邪魔にならない箇所に設置することもできる。装置が大きい場合にはフィルタ交換の利便性が高まることは言うまでもない。それゆえ、本装置のレイアウト上の自由度も大きくなる。
【出願人】 【識別番号】391010596
【氏名又は名称】昭和電機株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市城東区中央2丁目12番14号
【出願日】 平成14年2月5日(2002.2.5)
【代理人】 【識別番号】100084593
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 勝俊
【公開番号】 特開2003−225524(P2003−225524A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−64918(P2002−64918)