| 【発明の名称】 |
エアフィルタエレメントの再生方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 三喜夫 【住所又は居所】神奈川県川崎市宮前区菅生1丁目8番18号 東洋エレメント工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】使用済みのエアフィルタエレメントを簡便にかつ短時間に効率的に再生する。
【解決手段】(a)使用済みのエアフィルタエレメントを洗浄する工程、(b)洗浄したエアフィルタエレメントを脱水する工程、(c)脱水したエアフィルタエレメントを誘電加熱により乾燥する工程、を経ることにより使用済みのエアフィルタエレメントを再生する。エアフィルタエレメントは、その濾過部分がシート状濾材を折り曲げて多数のひだが形成されたものを、マイクロ波誘電加熱により乾燥する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 次の(a)〜(c)の工程を有するエアフィルタエレメントの再生方法。 (a)使用済みのエアフィルタエレメントを洗浄する工程(b)洗浄したエアフィルタエレメントを脱水する工程(c)脱水したエアフィルタエレメントを誘電加熱により乾燥する工程【請求項2】 前記誘電加熱は、マイクロ波誘電加熱である請求項1に記載のエアフィルタエレメントの再生方法。 【請求項3】 前記エアフィルタエレメントは、その濾過部分がシート状濾材を折り曲げて多数のひだが形成されたものである請求項1又は2に記載のエアフィルタエレメントの再生方法。 【請求項4】 前記エアフィルタエレメントは、内燃機関用エアフィルタエレメントである請求項1〜3のいずれかに記載のエアフィルタエレメントの再生方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エアフィルタエレメントの再生方法に関する。 【0002】 【従来の技術】エアフィルタエレメントは、各種濾過装置に装着されて使用され、導入すべき空気を清浄化する作用を奏するものである。使用に伴い、捕捉されたダストがエアフィルタエレメントの濾材に付着して目詰まりを起こし、濾過機能が低下する。濾過機能が低下した状態のままで放置するのは好ましくない。そこで、例えば、自動車の内燃機関用のエアフィルタエレメントにおいては、定期的な点検の際等に、エアの吹き付け又は吸引による清掃を行ない、汚れを除去している。しかし、エア吹き付け又は吸引による清掃では、十分な清浄効果は得られない。結局、汚れがある程度進行したエアフィルタエレメントの多くは廃棄され、新たなエアフィルタエレメントと交換されるのが実情である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】エアフィルタエレメントを余りに早期に廃棄し、新品と交換することは、コストの増加を招く他、省資源・環境保護の見地からも好ましいものとはいえない。特に比較的大型のエアフィルタエレメントを早期に廃棄することは得策とはいえない。本発明の目的は、省資源・環境保護の見地から、使用済みのエアフィルタエレメントを簡便にかつ短時間に効率的に再生することができる方法を提供し、もって再生されたエアフィルタエレメントを再利用(再使用)に供することができるようにすることにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】(1) 本発明は、次の(a)〜(c)の工程を有するエアフィルタエレメントの再生方法である。 (a)使用済みのエアフィルタエレメントを洗浄する工程(b)洗浄したエアフィルタエレメントを脱水する工程(c)脱水したエアフィルタエレメントを誘電加熱により乾燥する工程【0005】(2) 好ましくは、前記誘電加熱は、マイクロ波誘電加熱とする。 (3) 好ましくは、前記エアフィルタエレメントは、その濾過部分がシート状濾材を折り曲げて多数のひだが形成されたものである。 (4) 好ましくは、前記エアフィルタエレメントは、内燃機関用エアフィルタエレメントである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。 (a)使用済みのエアフィルタエレメントを洗浄する工程この工程では、既に使用済みの汚れたエアフィルタエレメントの洗浄を行なう。対象となるエアフィルタエレメントは、再生可能な状態のものであればよく、その材質、構造、形状、大きさ、用途等は特に限定されるものではない。例えば、エアフィルタエレメントの濾過部分が濾紙、不織布等のシート状濾材からなるもの、また、そのシート状濾材を折り曲げて多数のひだが形成されたものが好ましい。また、例えば、自動車や産業車両等の内燃機関用エアフィルタエレメントが好適であるが、この他、各種産業用機械器具、電気機械器具等のエアフィルタエレメントを対象とすることができる。エアフィルタエレメントは、濾材及び合成樹脂材の端板(支持部材)で構成され、金属部分を有しないものであるのが好ましい。エアフィルタエレメントが分解可能なものである場合、濾材部分等の洗浄を必要とする部分のみを対象としてもよい。 【0007】洗浄方法は、対象とするエアフィルタエレメントの種類や汚れ具合等に応じて適宜選択することができる。例えば、洗浄槽における攪拌洗浄、漬けおき洗浄、超音波洗浄、スプレー洗浄等の適宜洗浄手段を用いることができる。洗浄した後は、洗浄剤等が残らないように水ですすぐとよい。 【0008】(b)洗浄したエアフィルタエレメントを脱水する工程洗浄を完了したエアフィルタエレメントの脱水を行う工程である。この工程は、次に述べる乾燥工程をより効率的に行うための予備工程となるものである。脱水の程度は特に限定されず、必ずしも念入りに行なう必要はない。濾材等に含浸した水が垂れ落ちない程度に水を取り除くのが望ましい。遠心式その他の機械式脱水機を用いるのが好ましいが、脱水手段は特に限定されるものではない。 【0009】(c)脱水したエアフィルタエレメントを誘電加熱により乾燥する工程この工程は、エアフィルタエレメントに付着あるいは含浸した水分を十分に取り除く工程である。一般には、恒温加熱器、熱風循環加熱機、ドライヤ、天日干しといった乾燥手段が知られているが、本発明では、誘電加熱による乾燥を行う。誘電加熱は、誘電体を交流電界中において、その誘電体損失に基づく発熱によって加熱するものである。本発明者は、エアフィルタエレメントを誘電体としてこの誘電加熱を行うことにより、水分を含む洗浄後のエアフィルタエレメントを品質を低下させることなく、きわめて効果的に乾燥させることができる知見を得、エアフィルタエレメントを誘電加熱により乾燥する工程を採用した。 【0010】誘電加熱は、熱伝導に頼る外部からの加熱と異なり、被加熱物自体が発熱するため、内部の昇温に時間がかからず、きわめて短時間にかつ均一に加熱することができる。雰囲気の昇温も必要とせず、加熱効率も高い。エアフィルタエレメントは、濾過面積を増大させるために、濾過部分はシート状濾材を折り曲げて多数のひだが形成されたものが多く、これにより複雑な凹凸形状を有するものとなり、また水分を多く保持しやすいが、誘電加熱によって、外部加熱と異なり、短時間にかつ均一に加熱することができる。この加熱によって、エアフィルタエレメントに付着あるいは含浸した水分は、ムラなく短時間に蒸発し、取り除かれる。 【0011】誘電過熱には、使用する電磁波の周波数によって、高周波誘電加熱とマイクロ波誘電加熱(大体300MHz〜300GHz)とがある。本発明においては、そのいずれを用いることもでき、それらの装置構成は公知のものを採用し得るが、誘電体をはさむ電極を必要としない、簡単な装置構成を採ることができる、操作が楽である等の点で、マイクロ波誘電加熱により乾燥するのが好ましい。 【0012】マイクロ波誘電加熱による乾燥を行なう際の装置としては、例えば、電子レンジと同等の構成を有するものを用いることができる。このような装置は、マイクロ波発振器(マグネトロン)と、被加熱物を設置してマイクロ波を照射するための金属壁で囲まれた容器室、出力アンテナ、導波管等の加熱部(アプリケータ)を備える。ターンテーブルを備えたものが好ましい。 【0013】脱水したエアフィルタエレメントを誘電加熱により乾燥する工程を経ることにより、一連の再生方法が完了する。乾燥後、エアフィルタエレメントの発熱が大きい場合は、自然冷却あるいは強制冷却により温度を低下させればよい。なお、誘電加熱による乾燥の際、フィルタエレメントの過度な温度上昇を避けるため、温度センサー等を用いて、フィルタエレメントが過加熱となる前に装置の運転(加熱)を停止させる手段を設けてもよい。再生されたエアフィルタエレメントは再利用(再使用)に供される。 【0014】 【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例について説明する。 〔実施例〕ウッドパルプにアクリル樹脂を含浸させて得られた濾紙を断面菊花状となるように折り曲げて多数のひだを形成し、全体を中空円筒状となし、濾材の両端部を硬質の発泡ウレタン樹脂からなるエンドプレートで閉鎖した、使用済みの自動車の内燃機関用エアフィルタエレメントをサンプルとした(寸法は、外径169mm、内径115mm、高さ73mm、濾紙面積は0.239m2 )。 【0015】上記エアフィルタエレメントを、洗浄剤を混合した水を入れた洗浄槽内に20分間漬けおき、洗浄した。洗浄後、よく水ですすぎ、その後、空中で往復動を数回反復し、脱水した。脱水したエアフィルタエレメントを家庭用電子オーブンレンジ(日立熱器具株式会社製MRO−BA61F型、発振周波数:2450MHz、周波数出力:500W、ターンテーブル直径:285mm)内に入れて、マイクロ波誘電加熱を行ない、乾燥した。 【0016】〔比較例1〕上記実施例に用いたのと同じエアフィルタエレメントを、上記実施例と同様に洗浄し、脱水した後、定温恒温器(株式会社いすゞ製作所製、商品名コスモスSNS−115S、設定温度:120℃、出力:1.5KW、排気口:全開)を用いた恒温加熱法(無風)により乾燥した。 【0017】〔比較例2〕上記実施例に用いたのと同じエアフィルタエレメントを、上記実施例と同様に洗浄し、脱水した後、超定温恒温器(タバイエスパック株式会社製、超定温恒温器MC−810、設定温度:120℃、プロペラファン:154mm(4枚羽根)、排気口:全開)を用いた熱風循環加熱法により乾燥した。 【0018】実施例及び比較例1,2について、各乾燥工程における各装置の運転時間と乾燥率の関係を図1のグラフに示す。横軸は運転時間(分)、縦軸は乾燥率(%)である。乾燥率は秤量法により測定した。図1から明らかなとおり、本発明の実施例は、比較例1,2に比べ、約2.5〜3.3倍も速く乾燥することができた。 【0019】また、消費電力量は、表1に示すとおり、実施例のものが8分の乾燥時間で134Whであるのに対し、比較例1では27分の乾燥時間で229Whであり、実施例のものは、比較例1のものに比べて約40%消費電力量が少なかった。 【0020】 【表1】
【0021】さらに、実施例による再生方法を行なう前後におけるエアフィルタエレメントの濾紙の強度について、ミューレン低圧形試験機(熊谷理器工業株式会社製)を用いて測定したところ、表2に示すとおり、実施例により再生されたエアフィルタエレメントに強度の低下は認められなかった。 【0022】 【表2】
【0023】以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で適宜変更付加等して実施することができるものである。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、使用済みのエアフィルタエレメントを簡便にかつ短時間に効率的に再生することができる。再生したエアフィルタエレメントを顧客に対してスピーディーに納品することができ、事業の効率を各段に向上させることができる。再生されたエアフィルタエレメントは再利用に供されるので、省資源・環境保護の見地からきわめて有益である。特に、シート状濾材を折り曲げて多数のひだが形成されたエアフィルタエレメントを簡便にかつ短時間に効率的に再生することができる。実施するのに用いる装置類の占有面積も小さくでき、省スペース化も可能となるので、事業上も有利である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000222163 【氏名又は名称】東洋エレメント工業株式会社 【住所又は居所】神奈川県川崎市宮前区菅生1丁目8番18号
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| 【出願日】 |
平成14年2月5日(2002.2.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093850 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 草彦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−225522(P2003−225522A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月12日(2003.8.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−28769(P2002−28769) |
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