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【発明の名称】 不純物分離装置
【発明者】 【氏名】筒井 敏生
【住所又は居所】愛知県名古屋市天白区野並二丁目3番地 株式会社冨士樹脂工業株式会社内

【氏名】筒井 博
【住所又は居所】愛知県名古屋市天白区野並二丁目3番地 株式会社冨士樹脂工業株式会社内

【要約】 【課題】不純物を確実に除去するとともに、吸引ポンプの作動開始時に、即座に吸引できてポンプの損傷を防止する不純物分離装置を提供すること。

【解決手段】ポンプと吸水管との間に配置する分離器10は、中空状のケース体1と、ケース体11の内部に下室12と上室13とを二分する仕切り板14と、ポンプの作動開始前に下室12内に呼び水を導入する呼び水管16とを備えて構成する。仕切り板14には下室12と上室13とを連通する流体通路15を配置する。下部接続口12aから導入された原液は、下室12の内壁に沿って流れることによって軸心に対して旋回し、それによって不純物が沈殿する。一方、ポンプの作動前には、呼び水管16から呼び水を下室12内・上室13内に充填させて、ポンプの作動時における液体の吸引を即座に行なう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 不純物が混合された原液を吸水する吸引ポンプと、前記吸引ポンプに原液を送給する吸水管との間に、遠心分離機能を有する不純物分離手段が配置される不純物分離装置であって、前記不純物分離手段は、原液を収納するケース体と、前記ケース体内を上室と下室に二分する仕切り板とを有して構成され、前記下室には、前記吸水管が接続される下部接続口が形成されるとともに、下部に不純物を排出する排出口が形成され、前記上室には、前記吸引ポンプに配管される上部接続口が形成され、前記仕切り板には、前記下室と前記上室とを連通する流体通路が形成されるとともに、前記下室に呼び水を導入する呼び水管の一端が挿入されることを特徴とする不純物分離装置。
【請求項2】 不純物が混合された原液を吸水する吸引ポンプと、前記吸引ポンプに原液を送給する吸水管との間に、遠心分離機能を有する不純物分離手段が配置される不純物分離装置であって、前記不純物分離手段は、原液を収納するケース体と、前記ケース体内を上室と下室に二分する仕切り板とを有して構成され、前記下室には、前記吸水管が接続される下部接続口が形成されるとともに、下部に不純物を排出する排出口が形成され、前記上室には、前記吸引ポンプに配管される上部接続口が形成され、前記仕切り板における上室と下室とを連通する流体通路に、前記上室に充填された液体の、前記下室への流入を遮蔽する逆止弁が配設されていることを特徴とする不純物分離装置。
【請求項3】 前記吸引ポンプに、前記不純物分離手段が一体的に装着されていることを特徴とする請求項1又は2記載の不純物分離装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不純物が混入された切削液や研磨水等の原液、あるいは、不純物を含んだ海水(原液)等において、不純物を分離して洗浄された液体を供給可能に構成した不純物分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、機械加工における切削油や、研磨加工における研磨水等は、加工中に、被切削物や被研磨物に向かって噴出されて回収される。回収されたこれらの液体は循環されて再び使用される。この際、回収された液体(以下、原液という)には、切粉や研磨粉等が混じることになることから、通常、不純物が除去されて洗浄された液体を循環させることとなる。この際、回収されたこれらの切削油や研磨水は、一旦、回収タンクに回収されるとポンプ等で吸い上げられ、フィルタや吸水ストレーナ等の濾過部材を通過して循環されることとなる。
【0003】しかし、フィルタや吸水ストレーナ等の濾過部材は、切粉や研磨粉等の不純物によって目詰まりを起こしやすく、頻繁に掃除をするかあるいは新品に交換しなければならない。また、フィルタの網目の大きさによって、細かい粒子がフィルタを通過して循環されることがある。
【0004】フィルタが目詰まりした状態でポンプを作動したり、細かい粒子がポンプ内に入り込んでしまったりすることによってポンプ自体を損傷させることになるので、フィルタに代わる濾過装置が求められていた。
【0005】また海水を循環させて各種の魚介類を養殖する場合に、海水中に含まれる異物や不純物は、養殖の妨げになることから、異物や不純物を除去して、洗浄された海水を循環させる必要がある。このサイクルにおいても、フィルタや給水ストレーナ等を濾過部材として使用することには、目詰まりや、ポンプの損傷に至ることから、やはり、フィルタや吸水ストレーナに代わる濾過装置が求められていた。
【0006】これらを解決するために、従来においては、特開平11−309424号に示されるように、遠心機能を備えたサイクロンフィルタが提案されていた。このサイクロンフィルタは、吸引ポンプで原液を吸引する際に、原液を遠心力で回転させることによって、比重の大きい不純物は沈殿して除去され、洗浄された液体が吸引ポンプによって供給されることになる。これによって吸引ポンプの損傷を少なくして、効率的な循環サイクルを行なうことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般的に吸引ポンプは、非自吸式に構成されている。つまり、吸引ポンプは、液体を吸引することによって負圧域を作ることになり、負圧域に新たな液体を導入することによって連続的に液体を吸引することができることから、吸引ポンプの作動開始時に、吸引ポンプの吸い込み側には予め吸水される液体が充満されていないと、液体を吸引することができず、しかも吸引ポンプを空回りさせることによって吸引ポンプを損傷させる要因となってしまう。
【0008】これを解決するためには、吸引ポンプの吸い込み口を液体の液面下に設置すればよいが、例えば、設備機械を設置する工場の場合では、吸引ポンプの設置場所を、回収タンクの横側に設置すると床スペースを広くとることとなって、他の機械や部品等を置くスペースがない。また、海水を洗浄する場合、吸引ポンプを海中内に設置することはできない。
【0009】本発明は、上述の課題を解決するものであり、不純物を確実に分離するとともに、吸引ポンプを作動する際に、液体を常時吸水できるように構成した不純物分離装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る不純物分離装置は、上記の課題を解決するために、以下のように構成するものである。すなわち、請求項1記載の発明では、吸引ポンプの作動開始時に確実に吸水できるように構成するものであり、具体的には、不純物が混合された原液を吸水する吸引ポンプと、前記吸引ポンプに原液を送給する吸水管との間に、遠心分離機能を有する不純物分離手段が配置される不純物分離装置であって、前記不純物分離手段は、原液を収納するケース体と、前記ケース体内を上室と下室に二分する仕切り板とを有して構成され、前記下室には、前記吸水管が接続される下部接続口が形成されるとともに、下部に不純物を排出する排出口が形成され、前記上室には、前記吸引ポンプに配管され上部接続口が形成され、前記仕切り板には、前記下室と前記上室とを連通する流体通路が形成されるとともに、前記下室に呼び水を導入する呼び水管の一端が挿入されることを特徴とするものである。
【0011】請求項2記載の発明では、吸引ポンプの作動を停止した後で、再起動する際においても確実に吸水できるように構成するものであり、具体的には、不純物が混合された原液を吸水する吸引ポンプと、前記吸引ポンプに原液を送給する吸水管との間に、遠心分離機能を有する不純物分離手段が配置される不純物分離装置であって、前記不純物分離手段は、原液を収納するケース体と、前記ケース体内を上室と下室に二分する仕切り板とを有して構成され、前記下室には、前記吸水管が接続される下部接続口が形成されるとともに、下部に不純物を排出する排出口が形成され、前記上室には、前記吸引ポンプに配管される上部接続口が形成され、前記仕切り板における上室と下室とを連通する流体通路に、前記上室に充填された液体の、前記下室への流入を遮蔽する逆止弁が配設されていることを特徴とするものである。
【0012】また、前記吸引ポンプに、前記不純物分離手段が一体的に装着されていることが好ましい。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、不純物分離手段には、吸引ポンプが作動する前に、ケース体内の下室には呼び水管から呼び水が導入されるとともに、上室には下室内からの液体が流体通路を通って導入される。吸引ポンプが作動することによって、上室内の液体及び下室内の液体が吸引ポンプに連通する上部接続口から吸引ポンプ側に向かって送給され、上室・下室内の液体が吸水されて負圧状態になると、タンクからの液体が下室内に形成された吸水管との接続口から下室内に導入される。
【0014】吸水管から下室内に導入された原液は下室内のケース体の壁に沿って流入されると、軸心の周りを旋回することとなって、遠心力が作用される。この遠心力によって、比重の大きな不純物は重力で下方の排出口に向かって落下する。そして、不純物が分離された液体は、下室と上室とを連通する流体通路を通って上室に移動され、さらに接続口から吸引ポンプ側に送給されることとなる。
【0015】従って、不純物は確実に分離されるとともに、吸引ポンプの作動開始時においても、上室内には液体が充填されていることから、上室内の液体は即座に吸引ポンプに吸水されて送給されることとなる。そのため、吸引ポンプを空回りさせることによる吸引ポンプの損傷を発生することなく、原液の確実な吸引を行なうことができる。
【0016】また、不純物分離装置が、原液の液面より高位の位置に設置すれば、例えば、吸引ポンプを原液の貯留されたタンクの直上に設置することによって、床スペースを確保することができ、狭い工場でも有効に使用できる。
【0017】また、海水を原液とする場合においても、吸引ポンプを海中に設置することなく吸水を行なうことができる。
【0018】請求項2記載の発明によれば、吸引ポンプが作動していないときには、逆止弁は、下室と上室とを連通する流体通路を閉鎖して、下室内の液体の上室内への流入を妨げている。吸引ポンプが作動することによって、上室内の液体及び下室内の液体が吸引ポンプに接続する上部接続口から吸引ポンプ側に向かって送給され、上室・下室内の液体が吸水されて負圧状態になる。下室内が負圧状態になると、タンクからの液体が下室内に形成された下部接続口から下室内に導入される。
【0019】この際、下室内の液体は逆止弁を押し上げて、遮蔽されていた流体通路を開放することによって、上室内へ流入される。
【0020】吸水管から下室内に導入された原液は下室内のケース体の壁に沿って流入されると、軸心の周りを旋回することとなって、遠心力が作用される。この遠心力によって、比重の大きな不純物は重力で下方の排出口に向かって落下する。そして、不純物が分離された液体は、下室と上室とを連通する流体通路を通って上室に移動され、さらに接続口から吸引ポンプ側に送給されることとなる。
【0021】一方、原液が吸引ポンプによって循環された後、吸引ポンプを一旦作動停止すると、上室内に充填された液体は、逆止弁が流体通路を塞ぐように作動することによって、下室内には流れずに上室内に留まる。これによって上室内には液体が充填されることになって、吸引ポンプが再起動される際に、即座に吸引ポンプで吸引されることになる。
【0022】従って、吸引ポンプの再起動時においても、上室内の液体を即座に吸引して、循環サイクルを行なうことができるとともに、吸引ポンプの空運転を防止できて吸引ポンプの損傷を防止できる。
【0023】請求項3記載の発明によれば、吸引ポンプが不純物分離手段を一体的に構成することから、不純物分離装置を設置する際には、不純物分離手段を別に新たに設置する作業を除くことができて、手間のかからない容易な作業を行なうことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】実施形態の不純物分離装置は、原液を設備機械における切削液である場合について説明する。この切削液は、機械設備の中で循環されて回収タンクに回収されるとともに、循環される前の切削液には、機械加工中における切粉やその他の不純物が混入されている。
【0026】第1の実施形態による不純物分離装置(以下、装置ともいう。)1は、図1に示すように、機台2上には吸引ポンプ(以下、ポンプという。)3が配置され、ポンプ3の流入側には、切削液が充填されている回収タンク5から吸水管6を介して配管された分離器10がその流出側で接続されている。なお、図1において、回収タンク5は、わかりやすくするために、機台2の横側に設置しているが、実際には、床スペースを広く使用するために、機台2内に設置することが望ましい。
【0027】一方、ポンプ3の流出側には流出配管7が接続され、流出配管7の先端側には、一方では先端を回収タンク5に配置する回収管8が接続され、他方では洗浄された濾過液を薬剤で中和させて、例えば、下水道に放流する放出配管9が接続されている。
【0028】分離器10は、図2の拡大図に示すように、上部が大径円筒状に形成され下部が下方に向かって小径に形成されたテーパ部を有し内部に切削液(原液)を収納するケース体11と、ケース体11の内部を下室12と上室13とに二分する仕切り板14と、仕切り板14に支持されて下室12と上室13とを流通する流体通路15と、ケース体11の天井部11aと仕切り板14とを貫通して下端部を下室12に挿入する呼び水管16とを備えて構成されている。
【0029】また、ケース体11の下室12側には、吸水管6の一端が接続される下部接続口12aが形成され、ケース体11の上室13側には、ポンプ3の流入側に接続する上部接続口13aが形成されている。
【0030】下室12の下端部は、不純物を排出するための排出口12bが形成され、ケース体11の外で配置された開閉弁17に接続される。
【0031】また、呼び水管16は、ケース体11の天井部11aから上方で開閉弁18に接続されるとともに、下端を仕切り板14の仕切り板挿通孔14aを挿通して下室12内に挿入される。そして、ポンプ3を作動する前にケース体11内の下室12及び上室13に呼び水を充填可能に配置される。
【0032】仕切り板14は、ケース体11の内壁部に支持されるとともに、中央部には流体通路15が筒状に形成されて下室12の液体を上室13に流通可能に配置されている。
【0033】下部接続口12aには、流入管19がフランジ部19aを備えて配管されて、吸水管6の一端に配置されるフランジ部6aと結合されるとともに、下部接続口12aは、図3に示すように、流入管19の一端がケース体11の中心部(流体通路15)に向かう位置に対して偏心する位置に向かって装着できるように形成され、吸水管6を通ってきた切削液が下室12の壁に沿って旋回できるように形成される。
【0034】上部接続口13aには、流出管20がフランジ部20aを備えて配管されて、ポンプ3の吸入口21に配置されるフランジ部21aに結合されるとともに、上部接続口13aは、図3に示すように、流出管20の一端がケース体11の中心部(流体通路15)に向かう位置に対して偏心する位置に向かって装着できるように形成され、上室内の内壁部に沿って旋回された液体を受け入れて流出管20に送給できるように形成される。
【0035】なお、ケース体11には、下室12に一端が挿入されるエア抜き配管22が開閉弁23を備えて配置されていれば、下室12内に混入したエアを除去することができることから望ましい。
【0036】下室12の下部に配置される排出口12bには、下室12内において切削液の旋回によって遠心力で落下した不純物が貯留され、開閉弁17を開けることによって、不純物が、不純物用タンク24に回収される。この不純物はリサイクルされて、再び使用される。
【0037】一方、放出配管9には薬剤室26が接続され、開閉弁28を開けることによって、不純物が取り除かれた切削液を流通させる。薬剤室26に流入した切削液、例えば毒物が混入されている切削液を薬剤で中和することによって、生物的酸素要求量(BOD)あるいは化学的酸素送給量(COD)で設定された基準値を満足するようにする。この切削液は、開閉弁29を開けることによって濾過室27で濾過された後、例えば、下水道等に放流することができる。
【0038】また、毒物が含まれておらず不純物が取り除かれた切削液は、開閉弁30を開けることによって回収タンク5に回収される。
【0039】なお、回収タンク5内に配置される吸水管6の下端部に逆止弁6bを装着することが望ましい。つまり、逆止弁6bを配置することによって、ポンプ3を停止したときに吸水管6内に残された切削液が回収タンク5に戻されることなく貯留されたままになることから、ポンプ3の再起動の際、ポンプを空回りさせることなく即座に吸水を行なうことができる。そして、この逆止弁6bを設置することによって、装置1を回収タンクの液面より下方に位置することも可能である。
【0040】次に、上記のように構成された装置1の作用について説明する。
【0041】回収タンク5には、切粉やその他のごみまたは粉塵等の不純物を含んだ切削液が回収されている。なお、開閉弁30は開けられ、開閉弁17・18・26・27は閉められている。
【0042】ポンプ3を作動する前に、開閉弁18を開けて呼び水を呼び水管16より導入して、下室12及び上室13に充填する。上室13に充填された呼び水の液面は、上部接続口13aより高い位置に達している。
【0043】ポンプ3を作動すると、まず、上部接続口13aより上位に液面が位置されている上室13内の切削液(呼び水)がポンプ3によって吸引される。上室13の呼び水が吸水されると続いて下室12内の切削液(呼び水)が流体通路15を通って吸引される。
【0044】下室12内の呼び水が吸水されると、ポンプ3の連続的な作動により下室12は負圧域となって、回収タンク5からの切削液が吸水管6を通って下室12内に流入される。
【0045】吸水管6を通った切削液は、下室12の下部接続口12aに達すると、吸水管6に接続された流入管19が、下部接続口12aから下室12内の内壁部に向かって流れ込むことから、切削液は、下室12の軸心の周りを旋回するようにして下方に落下する。この際、旋回する切削液には遠心力が作用して、比重の大きい切粉やごみ又は粉塵等の不純物は、旋回しながら排出口12bに向かって沈殿し、排出口12b付近に貯留される。
【0046】一方、旋回する切削液は下室12で充満されると、ポンプ3が作動していることから流体通路15を通って上室13内に流入される。この切削液は沈殿した不純物を含んでいないことから、洗浄された切削液となって上室13内に流入することとなる。上室13内に流入した洗浄切削液は、上室13内において内壁に衝突した後、旋回運動を行ないながら上部接続口13aに向かって流れる。そして、上部接続口13aに向かった洗浄切削液は、上部接続口13a流出管20を通ってポンプ3の吸入口21に供給される。
【0047】ポンプ21の吸入口21に流入された洗浄切削液は、開閉弁30が開いていることから、流出配管7から回収管8を通って回収タンク5に戻される。
【0048】ポンプ3はさらに作動していることから、この作用が連続的に行なわれて、回収タンク5内の切削液は不純物が取り除かれた洗浄切削液となって、設備機械に循環される。
【0049】なお、所定時間が経過するとポンプ3の作動が停止される。この際、下室12の下部に貯留された不純物は、開閉弁17を開けることによって、不純物用タンク24に回収されることとなり、ケース体11の下室12・上室13には切削液が循環されて空になる。
【0050】上記のように、実施形態の装置1によれば、分離器10には、吸引ポンプ3が作動する前に、ケース体11内の下室12には呼び水管16から呼び水が導入されるとともに、上室13には下室12内からの切削液が流体通路15を通って導入される。ポンプ3が作動することによって、下室12・上室13内の切削液が上部接続口13aからポンプ3側に向かって送給され、負圧状態となった下室12内に、回収タンク5からの切削液が導入される。この際、切削液は下室12内の内壁に沿って旋回することから、比重の大きな不純物は重力で下方の排出口12bに向かって落下し、不純物が分離された切削液は、上部接続口13aからポンプ3に送給されることとなる。
【0051】従って、不純物は確実に分離されるとともに、ポンプ3の作動開始時においても、上室13内には切削液が充填されていることから、上室13内の切削液は即座にポンプ3に吸水されて送給されることとなる。そのため、ポンプ3を空回りさせることによるポンプ3の損傷を発生することなく、切削液の確実な吸引を行なうことができる。
【0052】しかも、呼び水を導入することによって、切削液の液面より高位の位置に設置できるから、例えば、ポンプ3を切削液の貯留された回収タンク5の直上に設置することによって、床スペースを確保することができ、狭い工場でも有効に使用できる。
【0053】また、海水を切削液とする場合においても、吸引ポンプ3を海中に設置することなく吸水を行なうことができる。
【0054】第2の実施形態による不純物分離装置(以下、装置という。)装置31では、図4〜6に示すように、分離器32は、第1の装置1の流体通路15に対して、逆止弁32を有する流体通路33を備えている。なお、分離器32における流体通路33の他の部位については、第1の実施形態と同様の構成をしていることから、符号については、第1の実施形態と同様の符号を付記するものとする。
【0055】流体通路33は、図5に示すように、下面を開口し上面を閉口した筒状に形成して仕切り板14に支持されている。仕切り板14の上部には、流体通路33の壁部に軸心に対して等間隔で複数の開口窓34が形成されている。そして、流体通路33の上部に、ケース体11の上室13内に位置するように、一形態では、球状の逆止弁35が挿入され、開口窓34を開閉可能に配置している。
【0056】なお、流体通路33の下室12内に位置する内壁の上部は逆止弁35を支持して、流体通路の開閉を行なうために、上方に向かって大径となるテーパ部33aを形成することが望ましい。
【0057】つまり、この逆止弁35は下室12内に充填された切削液によって浮上可能に配置することによって、流体通路33を下室12と上室13とを開通可能とし(図5参照)、下室12に切削液が充填されていない状態、あるいは充填されている下室12内の切削液に上室13内への流通する吸引力が働かない状態では、逆止弁35が流体通路33のテーパ部33に当接して(図6参照)、流体通路33を閉鎖する。
【0058】従って、この逆止弁35を設けることによって、ポンプ3が作動している間は、下室12内の切削液は、逆止弁35を上方に浮き上げて開口窓34を開通状態して切削液の循環を行う。また、吸引状態に作動しているポンプ3が、一旦作動停止した場合に、下室12内の切削液が逆止弁35を上方に浮き上がらせる力が作動しないことから、上室13内の切削液と逆止弁35自体の重量により、逆止弁35を流体通路33のテーパ部33aに当接させる。これによって、上室13内の切削液を下室12内に落下させないで、上室13内の切削液の液面を上部接続口13aより高位の状態にしておく。この状態を維持することによって、第1の形態による呼び水を充満させた状態と同様にすることができ、ポンプ3の再起動時に即座に上室13内の切削液を吸引することができ、切削液の循環を連続に行なうことができる。
【0059】また、吸水管6の下端部に、回収タンク5内に配置する逆止弁6bを設けることによって、ポンプ3の停止時に吸水管6内に切削液を貯留することができることから、ポンプ3の再起動時に、ポンプ3を空回りさせることなく即座に吸水できるとともに、装置1を回収タンク5の液面より下方に位置させることも可能となる。
【0060】なお、別の形態の流体通路43では、逆止弁35の形状は、図7に示すように、円板状に形成した逆止弁45を備えるものであってもよい。逆止弁45の軸心部には逆止弁45を挿通するピン46が、配置されて、上下に移動する逆止弁45の横揺れを防止するガイドとしての役目をすることになる。この形態においては、逆止弁45が下降した時に、流体通路43内に形成されたリング状の支持部材47で支持される。この構成によって、球状に形成された逆止弁33を備える形態と同様の作用を行なうこととなる。
【0061】上記のように、第2の形態の装置31によれば、ポンプ3が作動していないときには、逆止弁35は、下室12と上室13とを連通する流体通路33を閉鎖することによって、下室12内の切削液の上室13内への流入を妨げ、ポンプ3を作動することによって、上室13・下室12内の切削液が上部接続口13aからポンプ3側に向かって送給され、下室12内を負圧状態して、回収タンク5からの切削液を下室12内に導入する。
【0062】この際、下室12内の切削液は逆止弁35を押し上げて、遮蔽されていた流体通路33を開放することによって、上室13内へ流入される。
【0063】一方、切削液がポンプ3によって循環された後、ポンプ3を一旦作動停止すると、上室13内に充填された切削液は、逆止弁35が流体通路33を塞ぐように作動することによって、下室12内には流れずに上室13内に留まる。これによって上室13内には切削液が充填されることになって、ポンプ3が再起動される際に、即座にポンプ3で吸引されることになる。
【0064】従って、ポンプ3の再起動時においても、上室13内の切削液を即座に吸引して、循環サイクルを行なうことができるとともに、ポンプ3の空運転を防止できてポンプ3の損傷を防止できる。
【0065】なお、その他の構成部位の説明あるいは、装置1の作用説明は第1の形態と同様のため省略する。
【0066】なお、この第2の形態においては、特に呼び水管16を除くこともできる。
【0067】また、ポンプ3に分離器10(又は32)を一体的に装着することによって、不純物分離装置1(又は31)を設置する際には、分離器10(又は32)を新たに設置する作業を除くことができて、手間のかからない容易な作業を行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】593133176
【氏名又は名称】筒井 敏生
【住所又は居所】愛知県名古屋市緑区古鳴海一丁目402番地
【識別番号】502040166
【氏名又は名称】筒井 博
【住所又は居所】愛知県名古屋市天白区野並二丁目3番地
【出願日】 平成14年2月1日(2002.2.1)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
【公開番号】 特開2003−225514(P2003−225514A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−25867(P2002−25867)