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【発明の名称】 食品の洗浄廃水処理用凝集剤
【発明者】 【氏名】鈴木 健司
【住所又は居所】神奈川県厚木市上依知3012−3 株式会社オーネックス内

【要約】 【課題】本発明は、水質汚濁を防止し、設備及びランニングコストが安価で、産業廃棄物を減量化できるとともに、有価物に転換可能な、安全性が高い食品洗浄廃水の浄化手段を提供することを課題とする。

【解決手段】本発明は、(a)イオン交換/吸着成分、(b)凝結成分、及び(c)助沈成分を少なくとも含む凝集剤であって、前記(a)イオン交換/吸着成分として人工ゼオライトを配合してなり、且つ塩素分を実質的に含まない、食品の洗浄廃水処理用凝集剤を提供することにより、上記課題を解決したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)イオン交換/吸着成分、(b)凝結成分、及び(c)助沈成分を少なくとも含む凝集剤であって、前記(a)イオン交換/吸着成分として人工ゼオライトを配合してなり、且つ塩素分を実質的に含まない、食品の洗浄廃水処理用凝集剤。
【請求項2】 前記人工ゼオライトの配合量が、10〜40重量%である、請求項1記載の食品の洗浄廃水処理用凝集剤。
【請求項3】 前記人工ゼオライトが、Ca型、Mg型及びFe型からなる群より選択される一種以上の人工ゼオライトである、食品の洗浄廃水処理用請求項1又は2記載の凝集剤。
【請求項4】 前記(b)凝結成分が、水溶性アルミニウム塩および/または高分子有機化合物である、請求項1〜3の何れかに記載の食品の洗浄廃水処理用凝集剤。
【請求項5】 前記水溶性アルミニウム塩の含有量が20〜40重量%であり、前記高分子有機化合物の含有量が1〜5重量%である、請求項4記載の食品の洗浄廃水処理用凝集剤。
【請求項6】 前記(c)助沈成分が、硫酸カルシウムおよび/または粘土類である、請求項1〜5の何れかに記載の食品の洗浄廃水処理用凝集剤。
【請求項7】 前記硫酸カルシウムの含有量が10〜40重量%であり、前記粘土類の含有量が5〜40重量%である、請求項6記載の食品の洗浄廃水処理用凝集剤。
【請求項8】 洗米廃水処理用である、請求項1〜7の何れかに記載の食品の洗浄廃水処理用凝集剤。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水質汚濁を防止し、設備及びランニングコストが安価で、産業廃棄物を減量化できるとともに、有価物に転換可能な、安全性が高い食品の洗浄廃水処理用凝集剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、お米の研ぎ汁(洗米廃水)について環境を悪化させることが指摘されている。特に、最近では無洗米が工業化されたことに伴い、多量の研ぎ汁が排出されることになり、この研ぎ汁から出るヌカには、BOD物質(有機物)、窒素、りん等が含まれるため、水質汚濁の原因となっている。このヌカの量は、全国で約40万トンにも上っている。下水道や合併浄化槽が整備されていない所での川や海に研ぎ汁を放流すると、水質汚染や下水処理設備の処理能力不足による弊害が懸念される。
【0003】現在、洗米廃水の処理には、活性汚泥法等による大規模な設備を必要としているため、その設備は高く、ランニングコストも高い。また、洗米廃水を処理する際にできるヌカ等の凝集物は、産業廃棄物として廃棄されている。これらのことは、お米の研ぎ汁に限られず、水質汚濁の原因となる物質を含む、食品一般の洗浄廃水についても同様にいえることである。
【0004】このため、お米の研ぎ汁等、広くは食品の洗浄廃水に適用できる優れた浄化手段の開発、更には、産業廃棄物の低減化が期待されることから、食品の洗浄廃水から出る凝集物等を、生物や自然環境に害のない安全性の高い有価物へ転換することが望まれていた。
【0005】一方、一般工業用廃水の処理では、大規模な設備で、凝集剤を廃水中に添加して凝集物を形成し、これを分離除去して水を浄化することが行なわれている。そこで、このような凝集剤を食品の洗浄廃水に小規模化した形で適用することも考えらる。しかし、一般工業用廃水処理用の凝集剤には、通常、無機系凝集剤原料として広く使用されているポリ塩化アルミニウム(PAC)やポリ塩化鉄、塩化カルシウム等の、生物に対して有害な塩素分が使用されている。
【0006】また、このような凝集剤により形成される凝集物も通常塩素分を含むため、かかる凝集剤を使用して食品の洗浄廃水を安全性の高い有価物に転換することは不可能である。特に、塩素分を含む凝集物を植物生育土壌に適用した場合には土壌を悪化させるため、かかる凝集剤を使用して食品の洗浄廃水を肥料等の土壌用有価物に転換することはできない。尚、一般工業用廃水処理用の凝集剤から形成される凝集物も、産業廃棄物として処理されている。
【0007】従って、本発明は、水質汚濁を防止し、設備及びランニングコストが安価で、産業廃棄物を減量化できるとともに、有価物に転換可能な、安全性が高い食品洗浄廃水の浄化手段を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究した結果、特定成分として人工ゼオライトを配合してなり且つ特定の有害物質を実質的に含まない凝集剤を使用することにより、前記課題を解決し得ることの知見を得た。
【0009】本発明は、前記知見に基づきなされたもので、(a)イオン交換/吸着成分、(b)凝結成分、及び(c)助沈成分を少なくとも含む凝集剤であって、前記(a)イオン交換/吸着成分として人工ゼオライトを配合してなり、且つ塩素分を実質的に含まない、食品の洗浄廃水処理用凝集剤を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。本発明の凝集剤は、食品の洗浄廃水処理に適用するものであり、その配合成分の一つである(a)イオン交換/吸着成分として人工ゼオライトを配合してなり、且つ塩素分を実質的に含まないものである。
【0011】本発明の凝集剤は、上記のように、人工ゼオライト〔(a)成分〕を配合してなるものであるため、そのイオン交換機能及び吸着機能の発現により、食品を洗浄した際に発生する廃水に対する凝集作用を促進しつつ凝集物を形成し、その凝集物の形成の際に発生する悪臭成分を吸着することができる。これにより、本発明の凝集剤は、食品洗浄廃水の有価物への転換を促進でき、得られる凝集物を悪臭成分のない有価物にして有効に利用することが可能となる。特に、得られる凝集物を土壌用有価物としての肥料にして使用する場合には、土壌に散布された肥料の養分(有効成分)を吸着し、雨水等によってその養分が流れるのを抑制することができる。
【0012】また、本発明の凝集剤は、上記のように、塩素分を実質的に含まないものであるため、生物や土壌等の自然環境に対して安全性が高いものである。これにより、本発明の凝集剤は、得られる凝集物を有価物として有効に利用することが可能となる。尚、「実質的に含まない」とは、生物や自然環境に対する影響を無視できる程度の量(微量)のものまで含まない趣旨ではないという意味である。
【0013】本発明の凝集剤は、このように、安全性が高く、また凝集物を有価物にして回収できるため、問題となっていた川や海等への廃水放流による水質汚濁を防止し、産業廃棄物を減量化でき、しかも、廃水処理に大規模な設備が必要でないため、設備及びランニングコストが安価なものである。
【0014】本発明に用いられる(a)成分の人工ゼオライトの配合量は、凝集作用及び吸着作用の向上の点から、凝集剤中に、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは15〜40重量%である。
【0015】また、人工ゼオライトは、Ca型、Mg型、Fe型等の人工ゼオライトであることが、生物や自然環境に対する安全性に優れる点で好ましい。特に、本発明の凝集剤により得られる凝集物を肥料等の土壌用有価物として利用する場合には、有価物が土壌での植物育成に対する安全性に優れたものとなる点でも、これらの型の人工ゼオライトは好適である。
【0016】これらの人工ゼオライトは、使用に際して一種単独で又は二種以上を混合して用いることができ、例えば、Ca型人工ゼオライト、Mg型人工ゼオライト、Fe型人工ゼオライトをそれぞれ単独で用いてもよいし、Ca型とMg型の複合型人工ゼオライト、Ca型とFe型の複合型人工ゼオライト、Ca型とMg型とFe型の複合型人工ゼオライト等のように複合して用いてもよい。このような人工ゼオライトの種類は、本発明の凝集剤により転換しようとする有価物の用途に応じて適宜選択される。例えば、本発明の凝集剤を土壌用有価物にする場合には、土壌の状況に応じて適宜選択される。
【0017】また、人工ゼオライトとしては、産業廃棄物の減量化に更に寄与できる点で、石炭灰等の産業廃棄物から転換したものを用いることが好ましい。具体的には、特開2000−1311号公報に開示されている人工ゼオライトの製造方法によって得られる人工ゼオライト等が挙げられる。
【0018】本発明に用いられる(b)成分の凝結成分としては、例えば、水溶性アルミニウム塩および/または高分子有機化合物が挙げられる。特に、凝結作用により凝集物の形成を促進できる点で、水溶性アルミニウム塩および高分子有機化合物の両方を用いることが好ましい。
【0019】水溶性アルミニウム塩の含有量は、凝結作用向上の点で、凝集剤中に、好ましくは20〜40重量%であり、更に好ましくは23〜38重量%である。
【0020】水溶性アルミニウム塩としては、例えば、硫酸アルミニウム、アルミン酸ソーダ等が好適に挙げられる。
【0021】また、高分子有機化合物の含有量は、凝結作用向上の点で、好ましくは1〜5重量%、更に好ましくは1〜4重量%である。
【0022】高分子有機化合物としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンアミン、デンプン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等が挙げられ、特に、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンアミンが好適である。
【0023】本発明に用いられる(c)成分の助沈成分としては、例えば、硫酸カルシウムおよび/または粘土類が挙げられる。特に、助沈作用により凝集物の形成を促進できる点で、硫酸カルシウムおよび粘土類の両方を用いることが好ましい。
【0024】硫酸カルシウムの含有量は、助沈作用向上の点で、凝集剤中に、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは10〜34重量%である。
【0025】一方、粘土類の含有量は、助沈作用向上の点で、凝集剤中に、好ましくは5〜40重量%、更に好ましく6〜33重量%はである。
【0026】粘土類としては、例えば、カオリン、タルク、ベントナイト、酸性白土等が挙げられ、特に、カオリン、タルク、ベントナイトが好適である。
【0027】本発明の凝集剤には、塩素分を実質的に含まない限り、前記(a)、(b)及び(c)成分以外にも、必要に応じて活性二酸化ケイ素等の電荷中和剤等を配合することができる。
【0028】本発明の凝集剤は、例えば、前述した各成分をそれぞれ粉末状にした各原料を用いて混合すること等により調製することができる。
【0029】本発明の凝集剤の調製に際しては、凝集速度を早くし、かつ凝集剤の食品洗浄廃水への添加量を極力少なく抑えることができる点で、粉末状の各原料は全て、出来るだけ粒度が小さい事が好ましく、その平均粒径が100ミクロンメータ以下とされる。中でも、(b)凝結成分の一つである高分子有機化合物の粒度は、特に細かいことが好ましく、その平均粒径が約50ミクロンメータに調整される。尚、平均粒径の調整は、粉砕機等を用いて行なうことができる。
【0030】また、本発明の凝集剤の調製に際しては、各原料が十分に乾燥状態にあることが好ましく、各原料の含水率を10重量%以下とされる。吸湿すると凝集剤として配合された原料間で化学反応を起こして変質するおそれがあるからである。尚、含水率が高い原料でも、凝集剤の調製前に、予め熱風等により乾燥して所望の含水率に調整してから使用することができる。
【0031】さらに、本発明の凝集剤の調製に際しては、各原料を均一に混合することが好ましく、例えば、V型混合機等を用いて均一に混合することができる。混合する際、各原料の比重差が大きい場合、均一な混合が困難になる場合があるため、混合の方式と混合時間を適宜に設定することが望まれる。尚、混合機としては、V型混合機以外の方式の混合機を用いても良い。また、均一な混合の確認は、一定条件下での凝集試験等により行うことができる。
【0032】本発明の凝集剤は、食品の洗浄廃水処理の用途に使用するものであり、具体的には、米、大豆、海草、もやし、ギャベツ等のカット野菜や、雑穀、コーヒー豆、牡蛎等を洗浄する際に排出する廃水の処理に使用できる。
【0033】本発明の凝集剤は、特に、洗米廃水処理用の凝集剤として、米を洗浄する際に排出する廃水(洗米廃水、即ちお米の研ぎ汁)に対して適用することが、昨今の無洗米の工業化に伴う環境悪化の改善に寄与するとともに、ヌカ等を含む凝集物の脱水・乾燥処理により、窒素、りんを豊富に含む肥料等の有価物への転換が可能となる点で好ましい。また、本発明の凝集剤は、主として、無洗米製造業、弁当製造業、及び食堂やレストラン等の飲食業、外食産業等に利用できるものである。
【0034】本発明の凝集剤によれば、その浄化作用により、食品の洗浄廃水中のSS、BOD物質、窒素、りん等の濃度を減少させて、透明な水にすることができる。
【0035】本発明の凝集剤によれば、前述したように、それ自体が生物や土壌等の自然環境に対して安全性が高いこと及び対象となる廃水がお米の研ぎ汁等の食品の洗浄廃水であることが相俟って、生物や自然環境に害のない安全性の高い有価物、例えば、肥料、堆肥の熟成促進剤、水耕栽培用培養液添加剤等を得ることができる。中でも、本発明の凝集剤中に配合される人工ゼオライトの保肥力や保水力を活用できる点で、肥料等の土壌用有価物として特に有用である。
【0036】本発明の凝集剤は、これを食品の洗浄廃水に添加することで凝集物を形成し、この凝集物を脱水及び乾燥処理することで有価物を形成することができる。この有価物の製造方法の具体的な一例は、下記の通りである。
【0037】即ち、本発明の凝集剤を、食品の洗浄廃水100重量部に対して、好ましくは0.1〜0.4重量部となる量で添加し、撹拌する。そして、凝集物が上澄み水と分離して沈降するのを確認した後、上澄み水を捨て、沈降した凝集物を取り出す。この凝集物を、布袋等によって回収した後、凝集物の含水率が好ましくは30〜40重量%となるように遠心分離装置等の所望の脱水手段にて脱水する。次いで、脱水した凝集物を所望の形態とし、さらに熱風乾燥炉中等で好ましくは100〜250℃の温度で乾燥し、有価物として形成する。
【0038】特に、食品の洗浄廃水として洗米廃水を使用する場合には、所望の含水率に脱水した凝集物に、米糠を好ましくは25〜45重量%混合して混合粉体とし、これをペッレト状等に造粒した後、乾燥させる。この米糠は、上記洗米廃水とは別に、精米時に調製しておいたものを用いることができる。また、米糠の含水率は、10〜25重量%であることが好ましい。また、できるだけ澱粉質を減らして、土壌の養分となるりん分や窒素分の割合を多くし、肥料等の土壌用有価物としての効果を高めるために、脱水した凝集物と米糠からなる上記混合粉体に、発酵酵素を添加し、2日間程度発酵処理を行って肥料化することも更に好ましい。このようにして、所望のりん分、窒素分を有する有用な肥料等の土壌用有価物を形成することができる。尚、この洗米廃水を使用する場合における方法で特に詳述しない点については、上記の有価物の製造方法が適宜適用される。
【0039】また、本発明の凝集剤を用いて、下記凝集処理装置を使用することが、栄養素を十分に保持した性質に優れた有価物、特に肥料が得られる点で好ましい。即ち、凝集剤を出来るだけ最少の添加量に抑えること、かつ凝集物が腐敗しないように凝集物の回収及びその乾燥を出来るだけ早く行なうことが可能な構造の装置が好ましい。具体的には、図1に示すように、凝集剤を細かく散布し投入する凝集剤投入部1と、回転速度の調節が可能でかつ回転方向が可逆可能である撹拌部2と、装置底部に位置する凝集物回収部3と、装置上部に接続される廃水供給ラインaと、装置中部に接続される上澄み水排出ラインbと、を備える凝集処理装置10が一例として好適である。
【0040】上記凝集処理装置10において、凝集剤投入部1は、廃水供給ラインaから供給され蓄えられた食品洗浄廃水中へ出来るだけ最少の添加量に抑えて凝集剤を散布・投入できる。また、撹拌部2は、素早く凝集を完了させることができる。また、凝集物回収部3は、凝集物回収袋4等への凝集物の回収を容易にし、上澄み水への凝集物の混入を回避することができる。尚、凝集後の上澄み水は上澄み水排出ラインbから排出される。この凝集処理装置10は、間欠的な、いわゆるバッチ式であるが、連続式になっていても良い。
【0041】前述した製造方法や凝集処理装置を使用することによって、特に有用な肥料等の有価物を得ることが可能となる。
【0042】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例により何等限定されるものではない。
【0043】〔実施例(1)〜(3)〕表1に示す組成(%は重量%を示す)からなる各実施例の凝集剤を、後述の調製法により調製した。尚、表1中の人工ゼオライトは、産業廃棄物である石炭灰を原料としてアルカリ水溶液中で加熱処理することにより転換したものである。そのプロセスの詳細は、次の通りである。即ち、1キログラムの石炭灰と3規定の苛性ソーダ3リッターを内容積10リッターのオートクレーブに入れ、130℃で3時間保持した後、冷却、遠心分離機による脱水及び水洗の各工程を経て、Na型の人工ゼオライト1キログラムを得た。この後に、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化鉄の水溶液中で処理することにより、それぞれCa型、Mg型およびFe型の人工ゼオライトを得た。
【0044】〔凝集剤の調製法〕凝集剤の各原料は、平均粒径が100ミクロンメータ以下の粉状物を用いた。但し、高分子有機化合物のみ、平均粒径を約50ミクロンメータに調整した粉状物を用いた。平均粒径は、必要に応じ粉砕機を用いて調整した。また、各原料は、含水率が10重量%以下のものを用いた。含水率は、必要に応じて熱風乾燥により調整した。これらの原料をV型混合機により均一に混合して、凝集剤(粉末状)を調製した。
【0045】〔洗米廃水の調製〕当実施例では、専用の洗米装置を使用して洗米廃水を調製した。洗米装置は、お米と水の撹拌槽、水の連続供給装置、洗米廃水のオーバーフロー口、洗米廃水の受槽からなる構造である。まず、お米(銘柄:秋田こまち)5キログラムを撹拌槽に入れ、室温(約15℃)水を少しずつ撹拌槽内に入れながら撹拌を開始した。洗米廃水は撹拌槽内で一定量以上になるとオーバーフローして、洗米廃水の受槽に溜められた。洗米に要した水量は35リッターであった。この間の洗米に要した時間は5分であった。洗米廃水は最後に洗米廃水の受槽にて全て回収された。以上の方法で、洗米廃液を調製した。尚、この洗米廃水(凝集処理前)のSS及びBODそれぞれの濃度を予め調べたところ、SS…1600mg/L、BOD…650mg/Lであった。
【0046】<凝集試験>得られた洗米廃液1L中に、実施例(1)の凝集剤を2g添加した。また、実施例(2)及び(3)の各凝集剤についても、実施例(1)と同様に、それぞれ洗米廃液1L中に2g添加した。このとき、凝集剤を添加してから廃液中の成分が凝集を開始するときまでの時間を調べた。また、凝集終了後の上澄水の透明度を目視により評価した。更に、凝集終了後における上澄水中のSS及びBODそれぞれの濃度(mg/L)を調べた。それらの結果を表1に示す。尚、凝集開始時は、小さな凝集物(フロック)の生成開始のときをいうものとする。一方、凝集終了時は、廃液が上澄み水と凝集物に分離完了のときをいうものとする。
【0047】
【表1】

【0048】<有価物の形成>750グラムのお米を5リットルの水で研ぎ、その洗米廃水に、本発明の凝集剤(実施例(1)の凝集剤)を10グラム添加、撹拌して約60秒後に凝集物が上澄み水と分離して沈降した。沈降した凝集物は、凝集剤の成分とお米からの米糠と澱粉質を含有している。上澄み水を捨て、沈降した凝集物を取り出した後、やや目の粗い布袋の回収し、その後遠心分離装置にて脱水した。この時点での凝集物の含水率は約35%であった。次に、凝集物に精米時に得られた含水率約15%の米糠を30〜40%混合した。次に、混合粉体をペッレト状などに造粒し、さらに熱風乾燥炉中で約150℃の温度で乾燥させて、ペレットを形成した。このペッレトは、分析の結果、りん分が1.5%、窒素分が1.6%であることが分かり、有価物、特に肥料としての性能を十分に持っていることが判明した。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、水質汚濁を防止し、設備及びランニングコストが安価で、産業廃棄物を減量化できるとともに、有価物に転換可能な、安全性が高い食品の洗浄廃水処理用凝集剤を提供できる。
【出願人】 【識別番号】595114643
【氏名又は名称】いちかわライスビジネス株式会社
【住所又は居所】東京都町田市鶴間279番地
【識別番号】592216764
【氏名又は名称】株式会社オーネックス
【住所又は居所】神奈川県厚木市上依知字上の原3012−3
【出願日】 平成14年2月1日(2002.2.1)
【代理人】 【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸 (外2名)
【公開番号】 特開2003−225513(P2003−225513A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−25588(P2002−25588)