| 【発明の名称】 |
凝集処理剤の使用方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】野原 孝司 【住所又は居所】東京都品川区西五反田2−20−1 第28興和ビルハイモ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】高分子凝集剤として多様な排水や製紙原料に対応でき、また季節的な変動や配合パルプの変動にも対応可能な凝集処理方法を開発することであり、そのため異種化学組成のカチオン性水溶性高分子を混合し、アニオン性水溶性高分子と組み合わせる処理方法を提供する。
【解決手段】特定のカチオン性構造単位から選択される一種を5〜100モル%及び非イオン性構造単位を0〜95モル%有するカチオン性水溶性高分子(A)と、ビニルアミン構造単位を有するカチオン性水溶性高分子(B)との混合物、あるいは適宜更にもう一種のカチオン性水溶性高分子を配合した混合物と、アニオン性水溶性高分子とを組み合わせることによって達成できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1)〜(3)で表される構造単位から選択される一種を5〜100モル%及び非イオン性構造単位を0〜95モル%有するカチオン性水溶性高分子(A)と下記一般式(4)で表される構造単位を5〜100モル%及び非イオン性構造単位を0〜95モル%有するカチオン性水溶性高分子(B)との混合物、あるいは適宜更にもう一種のカチオン性水溶性高分子を配合した混合物と、アニオン性水溶性高分子とを組み合わせることを特徴とする凝集処理剤の使用方法。 【化1】
一般式(1) R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。 【化2】
一般式(2) R5、R6は水素又はメチル基、R7、R8は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす【化3】
一般式(3) R9、R10は水素又はメチル基、X3は陰イオンをそれぞれ表す。 【化4】
R11は水素又はメチル基、X4は陰イオンをそれぞれ表す。 一般式(4) 【請求項2】 前記アニオン性水溶性高分子が、塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ、下記一般式(5)で表される単量体5〜100モル%と非イオン性水溶性単量体0〜95モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することによって製造されることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法。 【化5】
一般式(5) R12は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R13は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオン【請求項3】 前記カチオン性水溶性高分子(A)が、塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ、下記一般式(6)あるいは(7)で表される単量体5〜100モル%及び非イオン性水溶性単量体0〜95モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合して製造されることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法。 【化6】
一般式(6) R14は水素又はメチル基、R15、R16は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X5は陰イオンをそれぞれ表わす。 【化7】
一般式(7) R17は水素又はメチル基、R18、R19は炭素数1〜3のアルキル基あるいはアルコキシル基、R20は水素、炭素数1〜3のアルキル基、ベンジル基あるいはアルコキシル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X6は陰イオンをそれぞれ表わす。 【請求項4】 前記高分子分散剤がイオン性であることを特徴とする請求項2あるいは3に記載の凝集処理剤の使用方法。 【請求項5】 前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項2あるいは3に記載の凝集処理剤の使用方法。 【請求項6】 前記カチオン性水溶性高分子(A)及び前記カチオン性水溶性高分子(B)が粉末であることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法。 【請求項7】前記カチオン性水溶性高分子(A)と前記カチオン性水溶性高分子(B)との混合物、あるいは適宜更にもう一種のカチオン性水溶性高分子を配合した混合物と、前記アニオン性水溶性高分子とを組み合わせて、白水回収、製紙排水の処理、製紙スラッジの脱水、有機汚泥の脱水に使用することを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法。 【請求項8】前記カチオン性水溶性高分子(A)と前記カチオン性水溶性高分子(B)との混合物、あるいは適宜更にもう一種のカチオン性水溶性高分子を配合した混合物と、前記アニオン性水溶性高分子とを組み合わせて、抄紙前の製紙原料中に添加し、歩留を向上させることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、凝集処理剤の使用方法に関するものであり、詳しくは白水回収、製紙排水の処理、製紙スラッジの脱水、有機汚泥の脱水などを、カチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)の混合物と、アニオン性水溶性高分子を組み合わせて使用する凝集処理剤の使用方法に関する。 【0002】 【従来の技術】高分子凝集剤として最も汎用されているものは、アクリルアミド、アクリル酸、あるいは(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノエチル四級アンモニウム塩などを(共)重合したアクリル系重合体である。これらアクリル系重合体の原料となる単量体は生産量も多いので、価格も比較的安い。すなわち重合しやすため種々の重合度に加工することができ、またイオン性も多様に変化させることが可能であることが普及している理由と推定される。しかし、凝集剤が多様な用途に応用されるほど、目的によっては十分満足な効果が得られない場合が増えてくる。例えば、製紙原料中には古紙や機械パルプの配合量が増加し、歩留向上剤としてはカチオン性アクリル系凝集剤単独では対応が難しくなってきている。また、有機汚泥の脱水剤として脱水ケーキの含水率を低下させるには、カチオン性アクリル系凝集剤では十分含水率を低下させることはできない。さらに汚泥の処理状態は季節により微妙に変化し、これも単一の脱水剤で対応することはなかなか困難である。 【0003】一方、製紙工業においては、抄紙工程におけるワイヤ−上の歩留率を向上させることは、排水負荷の軽減、製造コストの低下、填量分を効率良くリサイクルすることなど重要な意味を有している。そのため現在まで種々の歩留向上法が提案されている。カチオン性重合体とアニオン性重合体を組み合わせた歩留向上方法も開示されている。しかし、異種化学組成のカチオン性重合体をブレンドし、アニオン性重合体と組み合わせた歩留向上方法は知られていない。すなわち異種化学組成の混合により製紙原料の変化、抄紙の高速化、抄紙系のクローズド化の進展など多様な変化に対応可能な抄紙方法を開発できることが予想される。 【0004】また、有機汚泥の脱水においても、低エネルギー消費型として注目されているスクリュープレスに使用する脱水剤にも新たな凝集剤が求められていて、異種化学組成のカチオン性重合体をブレンドすることによる新たな機能の開発は、有効な手段と考えられる。高分子量カチオン性または両性凝集剤と低分子量アニオン性凝集剤を組み合わせた処方は既に開示されているが(特開平10−249399号公報)、アニオン性凝集剤の分子量が低く十分な処理が行えない。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高分子凝集剤として多様な排水や製紙原料に対応でき、また季節的な変動や配合パルプの変動にも対応可能な凝集処理方法を開発することであり、そのため異種化学組成のカチオン性水溶性高分子を混合し、アニオン性水溶性高分子と組み合わせる処理方法を検討する。 【0006】 【発明が解決するための手段】上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、以下に述べるような発明に達した。すなわち請求項1の発明は、下記一般式(1)〜(3)で表される構造単位から選択される一種を5〜100モル%及び非イオン性構造単位を0〜95モル%有するカチオン性水溶性高分子(A)と下記一般式(4)で表される構造単位を5〜100モル%及び非イオン性構造単位を0〜95モル%有するカチオン性水溶性高分子(B)との混合物、あるいは適宜更にもう一種のカチオン性水溶性高分子を配合した混合物と、アニオン性水溶性高分子とを組み合わせることを特徴とする凝集処理剤の使用方法に関する。 【化1】
一般式(1) R1は水素又はメチル基、R2、R3は炭素数1〜3のアルキルあるいはアルコキシル基、R4は水素、炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシル基あるいはベンジル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X1は陰イオンをそれぞれ表わす。 【化2】
一般式(2) R5、R6は水素又はメチル基、R7、R8は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X2は陰イオンをそれぞれ表わす【化3】
一般式(3) R9、R10は水素又はメチル基、X3は陰イオンをそれぞれ表す。 【化4】
一般式(4) R11は水素又はメチル基、X4は陰イオンをそれぞれ表す。 【0007】請求項2の発明は、前記アニオン性水溶性高分子が、塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ、下記一般式(5)で表される単量体5〜100モル%と非イオン性水溶性単量体0〜95モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合することによって製造されることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法である。 【化5】
一般式(5) R12は水素、メチル基またはカルボキシメチル基、AはSO3、C6H4SO3、CONHC(CH3)2CH2SO3、C6H4COOあるいはCOO、R13は水素またはCOOY2、Y1あるいはY2は水素または陽イオン【0008】請求項3の発明は、前記カチオン性水溶性高分子(A)が、塩水溶液に可溶な高分子分散剤を共存させ、下記一般式(6)あるいは(7)で表される単量体5〜100モル%及び非イオン性水溶性単量体0〜95モル%からなる単量体(混合物)を、塩水溶液中攪拌下、分散重合して製造されることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法である。 【化6】
一般式(6) R14は水素又はメチル基、R15、R16は炭素数1〜3のアルキル基、アルコキシ基あるいはベンジル基、X5は陰イオンをそれぞれ表わす。 【化7】
一般式(7) R17は水素又はメチル基、R18、R19は炭素数1〜3のアルキル基あるいはアルコキシル基、R20は水素、炭素数1〜3のアルキル基、ベンジル基あるいはアルコキシル基であり、同種でも異種でも良い、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2〜4のアルキレン基またはアルコキシレン基を表わす、X6は陰イオンをそれぞれ表わす。 【0009】請求項4の発明は、前記高分子分散剤がイオン性であることを特徴とする請求項2あるいは3に記載の凝集処理剤の使用方法である。 【0010】請求項5の発明は、前記塩水溶液を構成する塩が、少なくとも一種の多価アニオン塩を含有することを特徴とする請求項2あるいは3に記載の凝集処理剤の使用方法である。 【0011】請求項6の発明は、前記カチオン性水溶性高分子(A)及びカチオン性水溶性高分子(B)が粉末であることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法。 【0012】請求項7の発明は、前記カチオン性水溶性高分子(A)と前記カチオン性水溶性高分子(B)との混合物、あるいは適宜更にもう一種のカチオン性水溶性高分子を配合した混合物と、前記アニオン性水溶性高分子とを組み合わせて、白水回収、製紙排水の処理、製紙スラッジの脱水、有機汚泥の脱水に使用することを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法である。 【0013】請求項8の発明は、前記カチオン性水溶性高分子(A)と前記カチオン性水溶性高分子(B)との混合物、あるいは適宜更にもう一種のカチオン性水溶性高分子を配合した混合物と、前記アニオン性水溶性高分子とを組み合わせて、抄紙前の製紙原料中に添加し、歩留を向上させることを特徴とする請求項1に記載の凝集処理剤の使用方法である。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明で使用するカチオン性水溶性高分子(A)は、前記一般式(1)〜(3)で表される構造単位から選択される一種を5〜100モル%及び非イオン性構造単位を0〜95モル%各々含有する。一般式(1)で表される構造単位を含有する高分子としては、(メタ)アクリル系カチオン性高分子である。この高分子は、カチオン性単量体と非イオン性単量体との共重合によって合成することができる。カチオン性単量体の例としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類である(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、あるいはこれら単量体のモノハロゲン化物による四級アンモニウム塩である。その例としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物などがあげられる。これらカチオン性単量体は、二種以上を併用して用いることもできる。カチオン性単量体のモル%は、5〜100モル%であり、好ましくは10〜100モル%、最も好ましくは20〜100モル%である。 【0015】非イオン性単量体の例としては、アクリルアミドを使用することが最も好ましいが、アクリルアミド以外の非イオン性単量体を共重合しても良い。そのような例としてN,N−ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげられる。非イオン性単量体のモル%は、0〜95モル%であり、好ましくは0〜90モル%、最も好ましくは0〜80モル%である。 【0016】一般式(2)で表される構造単位を含有するカチオン性水溶性高分子(A)としては、ジアルキルジ(メタ)アリルアンモニウム塩類と非イオン性単量体との共重合によって合成することができる。ジアルキルジ(メタ)アリルアンモニウム塩類の例としては、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウム塩化物、ジエチルジ(メタ)アリルアンモニウム塩化物、メチルベンジルジ(メタ)アリルアンモニウム塩化物などである。非イオン性単量体は、前記非イオン性単量体が使用できる。カチオン性単量体のモル%は、5〜100モル%であり、好ましくは10〜100モル%、最も好ましくは20〜100モル%である。非イオン性単量体のモル%は前期と同様である。 【0017】一般式(3)で表される構造単位を含有するカチオン性水溶性高分子(A)は、ビニルアミジン系高分子である。この高分子はN−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルとの共重合物の酸による加水分解反応により合成することができる。単量体であるN−ビニルカルボン酸の例としては、N−ビニルホルムアミドやN−ビニルアセトアミドなどをあげることができる。使用する酸は、無機の強酸が好ましく、例えば塩酸、硝酸あるいはp−トルエンスルフォン酸などである。また共重合するビニル系ニトリル類としては、アクリロニトリルが最も一般的である。加水分解後の分子中アミジン基のモル%は、5〜100モル%であり、好ましくは10〜100モル%、最も好ましくは20〜100モル%である。非イオン性構造単位は、未加水分解のカルボン酸アミド基と未反応のニトリル基であり、0〜95モル%であり、好ましくは0〜90モル%、最も好ましくは0〜80モル%である。 【0018】一方、混合するカチオン性水溶性高分子(B)は、一般式(4)で表される構造単位を含有するビニルアミン系高分子である。この高分子は、N−ビニルカルボン酸アミド重合体の酸あるいはアルカリによる加水分解反応によって合成することができる。使用する酸は、無機の強酸が好ましく、例えば塩酸、硝酸あるいはp−トルエンスルフォン酸などである。また、アルカリは苛性アルカリが好ましく、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムなどである。単量体であるN−ビニルカルボン酸の例としては、N−ビニルホルムアミドやN−ビニルアセトアミドなどをあげることができる。加水分解後の分子中カチオン性基のモル%は、5〜100モル%であり、好ましくは10〜100モル%、最も好ましくは20〜100モル%である。非イオン性構造単位は、未加水分解のカルボン酸アミド基であり、0〜95モル%であり、好ましくは0〜90モル%、最も好ましくは0〜80モル%である。 【0019】また、カチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)の分子量としては、100万〜2000万であり、好ましくは300万〜2000万である。 【0020】次にカチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)の混合比について説明する。カチオン性水溶性高分子(A)の質量をWa、両性水溶性高分子(B)の質量をWbとすると、Wa:Wb=90:10〜10:90、好ましくはWa:Wb=80:20〜20:80である。これら配合比は、汚泥の種類あるいは目的とする排水の処理方法によって混合するカチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)によって配合を変えていくことが好ましい。例えば都市下水の消化汚泥には、一般式(1)あるいは(2)で表される構造単位を有するカチオン性水溶性高分子(A)の混合比を過半数以上とし、一般式(4)で表される構造単位を有するカチオン性水溶性高分子(B)をやや少なめに混合する。あるいは都市下水の混合生汚泥には、一般式(4)で表される構造単位を有するカチオン性水溶性高分子(B)を多くし、一般式(1)〜(3)で表される構造単位を有するカチオン性水溶性高分子(A)の割合を少なめにすると、凝集効果が上がり効率的な処理が可能になる。 【0021】あるは歩留向上剤として使用するならば、機械パルプの配合比が増加している製紙原料に適用する場合は、共存するアニオン性溶解物質の濃度が増加するので、カチオン当量の高い一般式(4)で表される構造単位を有するカチオン性水溶性高分子(B)の混合比を増やし、凝集能は分子量の高い一般式(1)あるいは(2)で表される構造単位を有するカチオン性水溶性高分子(A)で補うなどの処方を選択する。 【0022】本発明の凝集処理方法は、カチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)との混合物を使用するが、適宜第三種目のカチオン性水溶性高分子を添加する。例えば腐敗汚泥のように有機酸の含有量が増加した場合や、製紙原料においてアニオン性物質が増加した場合などは、更にもう一種のカチオン性水溶性高分子を配合して処理効果を高める操作を行なう。しかし、これ以上配合種を増やすことは煩雑になるので、実用的ではない。 【0023】これらカチオン性高分子(A)あるいはカチオン性高分子(B)は、水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合法など既知の重合法により合成することができる。また市販の粉末製品を混合して使用することもできる。最も好ましい形態は塩水中分散重合品である。 【0024】塩水溶液中に分散した高分子微粒子分散液からなる水溶性高分子は、特開昭62−15251号公報などを基本にして製造することができる。すなわち塩水溶液中で該塩水溶液に可溶な高分子からなる分散剤共存下で、攪拌しながら製造された粒系100mμ以下の高分子微粒子の分散液を得ることができる。重合に使用するカチオン性単量体は、前述の(メタ)アクリル系カチオン性単量体あるいはジアリルジアルキルアンモニウム塩単量体をであり、非イオン性単量体も前述の単量体類を使用する。 【0025】高分子からなる分散剤は、非イオン性あるいはイオン性いずれも使用することができるが、イオン性高分子を使用するほうがより好ましい。すなわちカチオン性水溶性高分子を重合する場合は、カチオン性高分子を使用するのがより好ましい。カチオン性高分子は、前述のカチオン性単量体の重合物や非イオン性単量体との共重合物を使用する。非イオン性高分子からなる分散剤ではスチレン/無水マレイン酸共重合物あるいはブテン/無水マレイン酸共重合物の完全アミド化物などを使用する。 【0026】また、これら高分子からなる分散剤の分子量は、イオン性高分子では5、000から300万、好ましくは5万から150万である。また、非イオン性高分子分の分子量としては、1,000〜100万であり、好ましくは1,000〜50万である。高分子からなる分散剤の添加量としては、単量体に対して1/100〜1/10であり、好ましくは2/100〜8/100である。 【0027】塩水溶液を構成する無機塩類は、多価アニオン塩類が、より好ましく、硫酸塩又は燐酸塩が適当であり、具体的には、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、燐酸水素アンモニウム、燐酸水素ナトリウム、燐酸水素カリウム等を例示することができ、これらの塩を濃度15%以上の水溶液として用いることが好ましい。 【0028】排水処理時併用するアニオン性水溶性高分子は、カチオン性水溶性高分子と同様に水溶液重合法、油中水型エマルジョン重合、油中水型分散重合、塩水中分散重合法など既知の重合法により合成することができる。また市販の粉末製品を使用することもできるが、最も好ましい形態は塩水中分散重合品である。この製品形態は分散液からなるが、単量体、塩水溶液あるいは製造法などはカチオン性水溶性高分子と同様である。 【0029】分散剤も同様に塩水溶液中に可溶な高分子を使用する。非イオン性ではスチレン/無水マレイン酸共重合物あるいはブテン/無水マレイン酸共重合物の完全アミド化物などである。イオン性高分子が好ましく、特にこの場合はアニオン性高分子が好ましい。すなわちアニオン性高分子の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸(塩)やスチレンスルホン酸(塩)など一種以上のアニオン性単量体の(共)重合体である。さらに非イオン性の単量体であるアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N、N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トのなどとの共重合体も使用可能である。 【0030】本発明の凝集処理剤は、製紙排水における固液分離処理、製紙における白水中の有価物回収、製紙スラッジの脱水、あるいは石油化学、食品加工、都市下水などの生物処理時発生する有機汚泥の脱水に特に有効である。これら有機汚泥は、本発明のカチオン性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物を水に溶解し水溶液とした後、添加し、凝集させた後、アニオン性水溶性高分子を添加、混合した後、ベルトプレス、フィルタ−プレス、デカンタ−あるいはスクリュ−プレスなどの脱水機により脱水する。 【0031】本発明で使用するカチオン性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物の排水への添加量としては、排水の液量に対し凡そ0.1〜100ppmであり、好ましくは0.2〜10ppmである。また、組み合わせるアニオン性水溶性高分子は、凡そ0.1〜100ppmであり、好ましくは0.2〜10ppmである。また、製紙スラッジに対しては、カチオン性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物は、対固形分0.05〜2%であり、好ましくは0.1〜0.5%である。組み合わせるアニオン性水溶性高分子は、0.05〜1%であり、好ましくは0.1〜0.5である。有機汚泥に対しては、対固形分0.1〜3%であり、好ましくは0.2〜1%である。組み合わせるアニオン性水溶性高分子は、0.1〜2%であり、好ましくは0.2〜1.0%である。 【0032】また、本発明の凝集処理剤を歩留向上剤として使用する場合、適用可能な抄紙pHとしては、酸性抄紙あるいは中性抄紙において適用可能である。従って、抄紙pHとして4.5〜9.0の範囲である。対象となる紙製品として、上質、中質紙、ダンボール用ライナー、中芯原紙あるいは白ボールなどである。 【0033】本発明で使用するカチオン性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物の添加量としては、製紙原料の固形分に対し凡そ20〜5000ppmであり、好ましくは50〜1000ppmである。また、組み合わせるアニオン性水溶性高分子は、凡そ20〜5000ppmであり、好ましくは50〜1000ppmである。添加順序はカチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物、アニオン性水溶性高分子の順が好ましい。また添加場所としては、カチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物を製紙原料に白水を混合して希釈するファンポンプの手前、あるいは、スクリーンの手前などが考えられ、また、組み合わせるアニオン性水溶性高分子は、スクリーンの手前あるいはスクリーンの出口などが考えられる。 【0034】 【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。 【0035】(合成例)攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水:131.7g、60%アクリル酸:50.0g、50%アクリルアミド:140.3gを加え、30重量%の水酸化ナトリウム8.3gによりアニオン性単量の15モル%を中和した。この溶液に硫酸アンモニウム135.4g、また20質量%水溶液のアクリルアミド2-メチルプロパンスルホン酸重合体(分子量:20万、20当量%中和物)25.0g(対単量体5.0質量%)を添加した。その後、攪拌しながら窒素導入管より窒素を導入し溶存酸素の除去を行う。この間恒温水槽により25℃に内部温度を調整する。窒素導入30分後、0.2質量%のペルオキソニ硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウムの0.2質量%水溶液をそれぞれこの順で2.5g(対単量体、40ppm)添加し重合を開始させた。重合開始後8時間たったところで前記開始剤をそれぞれ同量追加し、さらに15時間重合を継続させ反応を終了した。この試作品をD−1とする。このD−1のアクリル酸/アクリルアミドのモル比は30/70であり、粘度は560mPa・sであった。なお、顕微鏡観察の結果、2〜20μmの粒子であることが判明した。 【0036】 【実施例1〜12】古紙製造時や機械パルプ製造時などが混入する総合的な排水を製紙工場から採取しジャ−テスタ−によって凝集試験を行った。排水の性状は以下のようである。pH6.38、全ss3850ppm、無機分720ppm。この排水をビ−カ−に200ml採取し、カチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物1M〜8Mの0.1%水溶液を対液3ppm添加し、100rpmで1分間攪拌しその後、合成例で製造した分散液からなるアニオン性水溶性高分子D−1、あるいは市販の粉末アニオン性高分子(SS−130、ハイモ社製、分子量1200万、アニオン化度30モル%、A−1と記載)を対液1.5ppm添加し、100rpmで1分間攪拌、50rpmで1分間攪拌した後、攪拌を継続しながらフロックの大きさを記録し、その後2分後の上澄み濁度をHACH、DR2000P型濁度計により測定した。試験に用いた水溶性高分子は以下のものを用いた。表1に記載するC−1〜C−6のカチオン性水溶性高分子を用意し、これらを表2に記載する組み合わせと混合比率で混合物1M〜8Mを調製した。試験結果を表3に示す。 【0037】 【比較例1〜5】実施例1〜12と同様な操作により、表3のC−1〜C−4及びC−6を用い凝集試験を行った。結果を表3に示す。 【0038】 【表1】
【0039】 【表2】
混合比は質量%【0040】 【表3】
フロック径:mm、濁度:FAU【0041】 【実施例13〜24】新聞用紙抄紙時の白水(pH4.52、全ss2500ppm、無機分280ppm)を採取し、ジャ−テスタ−によって凝集試験を行なった。ビ−カ−に200mlの白水を採取し、カチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物1M〜8Mの0.1%水溶液を対液1.0ppm添加し、100rpmで1分間攪拌しその後、アニオン性水溶性高分子として合成例で製造したD−1、あるいは市販の粉末アニオン性高分子(SS−130、ハイモ社製、分子量1200万、アニオン化度30モル%、A−1と記載)を対液1.0ppm添加し、100rpmで1分間攪拌、50rpmで1分間、20rpmで30秒攪拌した後、攪拌を継続しながらフロックの大きさを記録し、その後2分後の上澄み濁度をHACH、DR2000P型濁度計により測定した。試験結果を表4に示す。 【0042】 【比較例6〜10】実施例13〜24と同様な操作により、表3のC−1〜C−4及びC−6を用い凝集試験を行った。結果を表4に示す。 【0043】 【実施例25〜36】製紙スラッジの脱水試験を行なった。物性は以下の通りである。pH5.83、全ss分29,800mg/L。前記スラッジ200mlをポリビ−カ−に採取し、カチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)との混合物1M〜8Mの0.2%水溶液を対液150ppm添加し、ビ−カ−移し変え攪拌10回行った後、アニオン性水溶性高分子D−1、あるいは市販の粉末アニオン性高分子(SS−130、ハイモ社製、分子量1200万、アニオン化度30モル%、A−1と記載)を対液100ppm添加し、ビ−カ−移し変え攪拌10回行った後、T−1179Lの濾布(ナイロン製)により濾過し、45秒後の濾液量を測定した。また濾過した汚泥をプレス圧4Kg/m2で1分間脱水する。その後ケ−キ自己支持性(脱水ケ−キの硬さ、含水率と関係)及びケ−キ含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。結果を表5に示す。 【0044】 【比較例11〜15】実施例25〜36と同様な操作により、表3のC−1〜C−4及びC−6を用い凝集試験を行った。結果を表5に示す。 【0045】 【実施例37〜48】下水消化汚泥を用い脱水試験を行った。用いた汚泥の物性は以下のようである。pH7.85、全ss分28,500mg/L。前記汚泥、200mlをポリビ−カ−に採取し、カチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)との混合物1M〜8Mの0.2%水溶液を対汚泥固形分0.6%添加し、ビ−カ−移し変え攪拌10回行った後、アニオン性水溶性高分子D−1、あるいは市販の粉末アニオン性高分子(SS−130、ハイモ社製、分子量1200万、アニオン化度30モル%、A−1と記載)を対汚泥固形分0.3%添加し、ビ−カ−移し変え攪拌10回行った後、T−1179Lの濾布(ナイロン製)により濾過し、45秒後の濾液量を測定した。また濾過した汚泥をプレス圧4Kg/m2で1分間脱水する。その後ケ−キ自己支持性(脱水ケ−キの硬さ、含水率と関係)及びケ−キ含水率(105℃で20hr乾燥)を測定した。試験結果を表6に示す。 【0046】 【比較例16〜20】実施例37〜48と同様な操作により、表3のC−1〜C−5を用い試験を行った。結果を表6に示す。 【0047】 【実施例49〜60】LBKPに古紙を配合した上質紙原料、pH5.85、全ss分2.14%、灰分0.20%を紙料として、パルプ濃度0.9重量%に水道水を用いて希釈し、ブリット式ダイナミックジャ−テスタ−により歩留率を測定した。添加薬品として、カチオン性デンプン、対製紙原料0.3重量%(以下同様)、軽質炭酸カルシウム、20%、中性ロジンサイズ、0.3%、硫酸バンド0.8%、表4のカチオン性水溶性高分子(A)とカチオン性水溶性高分子(B)からなる混合物、1M〜8Mを0.015%、及びアニオン性水溶性高分子D−1あるいは市販の粉末アニオン性高分子(SS−130、ハイモ社製、分子量1200万、アニオン化度30モル%、A−1と記載)を0.01%、それぞれこの順で15秒間隔により下記試験条件で添加し、攪拌を開始する。全薬品添加後のpHは6.9であった。全ての薬剤添加30秒後に10秒間白水を排出し、30秒間白水を採取し、下記条件で総歩留率を測定した。なお、攪拌条件は、回転数1000r.p.m.、ワイヤー125Pスクリーン(200メッシュ相当)、総歩留率(SS濃度)はADVANTECNO.2にて濾過し測定した。また乾燥後、濾紙を600℃で焼却し灰分を測定することにより炭酸カルシウムの歩留率を算出した。歩留試験結果を表7に示す。 【0048】 【比較例21〜25】実施例49〜60と同様な操作により、表3のカチオン性水溶性高分子C−1〜C−4及びC−6を用い歩留試験を行なった。歩留試験結果を表7に示す。 【0049】 【表4】
フロック径:mm、濁度:FAU【0050】 【表5】
30秒後濾液量:ml、ケーキ含水率:質量%脱水ケーキ硬さ:○>△>×の順に良いことを示す。 【0051】 【表6】
30秒後濾液量:ml、ケーキ含水率:質量%脱水ケーキ硬さ:○>△>×の順に良いことを示す。 【0052】 【表7】
総歩留率;質量%、填料歩留率;質量% |
| 【出願人】 |
【識別番号】000142148 【氏名又は名称】ハイモ株式会社 【住所又は居所】東京都品川区西五反田2丁目20番1号
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| 【出願日】 |
平成14年2月1日(2002.2.1) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−225510(P2003−225510A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月12日(2003.8.12) |
| 【出願番号】 |
特願2002−24947(P2002−24947) |
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