トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般




【発明の名称】 汚染油の処理方法
【発明者】 【氏名】中条 克彦
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【氏名】村松 武彦
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【氏名】前沢 幸繁
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【氏名】今 雅夫
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【氏名】轟木 朋浩
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【氏名】西澤 克志
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内

【氏名】小原 敦
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内

【要約】 【課題】最大数千ppm程度の範囲で廃油中に存在し、油と親和性の高い有機性の汚染物質を選択的かつ効果的に吸着分離する。

【解決手段】微量有機性の汚染物質汚染油を吸着剤に連続的に接触(場合によっては複数回接触)させることにより、廃油中の有機性の汚染物質を選択的に吸着分離する工程からなる廃油中有機性の汚染物質除去技術で、吸着剤として非プロトン性の極性溶媒を保持させた多孔質吸着剤を用いることを特徴とする。また、吸着剤として、多孔質体の表面に貴金属微粒子を担持したものを用いてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】多孔質体および前記多孔質体中の細孔内部に保持された非プロトン性極性溶媒を具備した吸着剤を、有機性の汚染物質を含有する汚染に接触させ、前記汚染物質を前記多孔質体中の非プロトン性極性溶媒に吸着することを特徴とする汚染油の処理方法。
【請求項2】前記吸着剤は、前記多孔質体の表面に貴金属微粒子を担持し、かつ、前記多孔質体中の細孔内部に保持された前記非プロトン性極性溶媒を具備した前記多孔質体からなるものであることを特徴とする請求項1記載の汚染油の処理方法。
【請求項3】前記非プロトン性極性溶媒が、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、テトラヒドロフラン(THF)、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン(DMI)、およびプロピレンカーボネートから選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汚染油の処理方法。
【請求項4】前記多孔質体は、木炭、骨炭、活性炭、シリカゲル、溶融シリカ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、フラースアース、活性白土、ボーキサイト、アルミナ、マグネシア、多孔性ガラスビーズ、キレート樹脂、キトサン、および高分子化合物樹脂から選ばれる少なくとも1種の材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汚染油の処理方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染油の処理方法に係わり、特に、汚染油から、残留性の高い有機性の汚染物質を選択的に吸着・分離するのに適した汚染油の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】残留性の高い有機性の汚染物質(persistent organic pollutants:POPs)は揮散移動性を有しており、様々な環境媒体中に広い濃度範囲で存在している。このような特徴を有する残留性の高い有機性の汚染物質を燃焼法および化学処理法で効率的に処理するためには、その存在する環境媒体から残留性の高い有機性の汚染物質のみを選択的に分離・回収することが重要となる。特に廃油中にppmオーダーという低濃度で存在している有機性の汚染物質の処理は、媒体と高い親和性を有する有機性の汚染物質の選択的な分離回収が困難であるため、その実質的処理量は膨大なものとなりエネルギー的に極めて非効率になる。有機性の汚染物質汚染油から親油性物質である有機性の汚染物質を選択的に分離回収する方法としては蒸留法や液−液抽出法が従来技術として挙げられる。
【0003】蒸留法では、鉱物油などでは、芳香族ハロゲン化合物と沸点が近いために、精度よくハロゲン化合物を回収することが困難であった。また、液−液抽出法は、例えばUSP4,405,448に開示されており、油脂類(液体)中の芳香族ハロゲン化合物を非プロトン性極性溶媒へ抽出する第1工程と、油脂類と抽出した芳香族ハロゲン化合物を含有する非プロトン性極性溶媒とを分離する第2工程を得た後、分離した非プロトン性極性溶媒中の芳香族族ハロゲン化合物の濃度を高めている。しかしながら、第2工程での二つの液体を簡便に分離することはできないため、油脂類中に残存する芳香族ハロゲン化合物の量が多くなったり、分離した他の液体中に油脂類が混入したりするという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低濃度のポリ塩化ビフェニル類のような芳香族ハロゲン化合物を含有した鉱物油などの油脂類を、油脂類と芳香族ハロゲン化合物とに簡便に、精度良く分離する油脂類の処理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記微量の有機性の汚染物質で汚染された油類の処理に関する従来技術の問題点を解消すべくなされたものである。すなわち、第1の本発明は、多孔質体および前記多孔質体中の細孔内部に保持された非プロトン性極性溶媒を具備した吸着剤を、有機性の汚染物質を含有する汚染に接触させ、前記汚染物質を前記多孔質体中の非プロトン性極性溶媒に吸着することを特徴とする汚染油の処理方法である。
【0006】また、第2の本発明は、前記吸着剤として、前記多孔質体の表面に貴金属微粒子を担持し、かつ、前記多孔質体中の細孔内部に保持された非プロトン性極性溶媒を具備した多孔質体からなるものを用いたことを特徴とする汚染油の処理方法である。
【0007】前記第1および第2の本発明において、前記非プロトン性極性溶媒としては、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、テトラヒドロフラン(THF)、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン(DMI)、プロピレンカーボネートから選ばれた少なくとも1種類を用いることが好ましい。さらに、前記第1および第2の本発明において、前記多孔質体は、木炭、骨炭、活性炭、シリカゲル、溶融シリカ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、フラースアース、活性白土、ボーキサイト、アルミナ、マグネシア、多孔性ガラスビーズ、キレート樹脂、キトサンおよび高分子化合物樹脂から選ばれる少なくとも1種の材料を用いることが好ましい。
【0008】前記本発明において、処理対象となる油類とは、例えば動植物油、精油、樹脂油あるいは鉱物油など、トランス油、コンデンサ油などの電気絶縁油、切削油、潤滑油、熱媒体、塗料、食料油、燃料油などとして用いられるものが挙げられる。
【0009】そして、前記油類に含有される有機性の汚染物質として本発明を適用するのに適した物質は、ポリ塩化ビフェニル類、ダイオキシン類、フラン類、クロルデン、ヘプタクロル、アルドリン、ディルドリン、エンドリン、ヘキサクロロベンゼン、DDT、トキサフェン、マイレックス、ヘキサクロロシクロヘキサン、ペンタクロロフェノール、クロルニトロフェンなどの有機塩素化合物など、人体をはじめとする動植物に蓄積され、悪影響を及ぼすおそれが強い油類であり、自然界では難分解性の物質である。
【0010】第1の本発明によれば、多孔質体の細孔内に非プロトン性極性溶媒が保持されている。この非プロトン性極性溶媒は油類と親和性が低く、有機性の汚染物質と親和性が高いため、残留性の高い有機性の汚染物質であっても選択的に非プロトン性極性溶媒に抽出され、多孔質体の細孔内に保持される。その後、油類から多孔質体をろ過などの簡便な作業によって分離することで、多孔質体と共に非プロトン性極性溶媒および有機性の汚染物質を油類から除去することが可能となる。また、第2の本発明によれば、多孔質吸着剤の表面および多孔質内に貴金属微粒子が担持されているため多孔質細孔内に選択的に吸着される有機汚染物質が、この触媒によって分解されることによって、さらに新たな有機汚染物質の細孔内への吸着が促進され、さらに効率的な吸着除去が可能になる。また、第2の本発明によれば、回収後の貴金属微粒子が担持された活性炭を窒素雰囲気、80℃程度という反応条件下で2−プロパノールなどの低級アルコールに水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリを溶解させた反応系に添加することで効率的な有機性の汚染物質の処理ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下に本発明の第1の実施の形態を詳しく説明する。本実施の形態における汚染油の処理方法は、最大数千ppm程度の有機性の汚染物質が混入した廃油を、20℃〜80℃で非プロトン性極性溶媒を保持した吸着剤に連続的に接触させ、廃油中の有機性の汚染物質を選択的に吸着・除去するものである。廃油と吸着剤との接触は、複数回にわたって接触を行っても差し支えない。本実施の形態において、被処理汚染油と、吸着剤との接触時間は、汚染油に含有されている汚染物質の量、多孔質吸着剤の比表面積、多孔質容積などの要素によって差異があるが、通常は、10分ないし48時間程度で十分である。接触工程が複数回にわたる場合には、累計の接触時間が前記範囲に入るように設定すればよい。この吸着操作においては、その操作方法は特に限定されないが、接触濾過法、流動層吸着法、固定層吸着法、移動層吸着法など従来公知の連続式あるいはバッチ式の方法が使用できる。これらの操作方法の内、接触濾過法を採用することが好ましい。その理由は、粉末状または微細粒状の吸着剤が使用でき、吸着剤の回収および扱いが非常に容易なことと電気絶縁油のような比較的粘性の高い流体が処理対象物の場合、他の吸着操作より効率がよいためである。この接触濾過法は、粉末状または微細粒状の吸着剤を汚染油に混入し、攪拌することによって油中に懸濁させて吸着を促進し、平衡に達してから吸着剤を濾別する方法である。
【0012】本実施の形態で多孔質体の細孔中に保持させる非プロトン性極性溶媒としてはアセトン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、THF、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンから選ばれた少なくとも1種類または2種類以上の混合物を使用できる。また、本発明で使用する多孔質体としては木炭、骨炭、活性炭、シリカゲル、溶融シリカ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、フラースアース、活性白土、ボーキサイト、アルミナ、マグネシア、多孔性ガラスビーズ、キレート樹脂、キトサンおよび高分子合成吸着剤から選ばれた少なくとも1種類の材料が使用できる。この吸着剤としては、比表面積として100〜3000m/gで、また細孔容積として0.5〜2.5ml/gのものが好ましい。比表面積が、前記範囲を下回る場合には、非プロトン性極性溶媒の含有量が減少し、選択的に吸着する有機汚染物質の量が減少する。一方、比表面積が前記範囲を上回る場合には、吸着剤粒子の機械的強度が低下し、取り扱いが困難になる。また、細孔容積が、前記範囲を下回った場合、これも非プロトン性極性溶媒の含有量が減少する。一方、細孔容積が、前記範囲を上回った場合、吸着操作時の非プロトン性極性溶媒の溶出の問題があり、好ましくない。また、吸着剤は、平均粒径が5〜1000μm程度の粒状であることが好ましい。平均粒径が前記範囲を下回った場合、粒子が微細すぎて取り扱いが困難となり、さらにこの吸着剤は充填密度が高くなり吸着剤と被処理汚染油との接触が困難になる。一方、平均粒径が前記範囲を上回った場合、吸着容器に充填する吸着剤の充填密度が低下するため、処理装置が大型化する。
【0013】本実施の形態において用いられる非プロトン性極性溶媒を保持した吸着剤の製造法としては、特に限定されないが、非プロトン性極性溶媒を多孔質体に浸漬処理する方法、多孔質体に非プロトン性溶媒を塗布処理する方法が挙げられる。好ましくは、公知の真空含浸装置を用いた含浸プロセスにより多孔質体の細孔全体に非プロトン性極性溶媒を保持させる。この場合、前記多孔質体を真空槽内にて充分に脱気、脱湿を行なった後、前記非プロトン性極性溶媒を注入することで、多孔質体の細孔全般にまで溶媒を保持させることができる。なお、処理後の吸着剤は吸引濾過装置により回収し、50℃以下の温度で室内乾燥もしくは機械乾燥する。こうして得られる本発明において用いられる非プロトン性極性溶媒を保持した吸着剤の断面模式図を図1に示す。図1において3が多孔質の吸着剤粒子であり、この粒子には、比較的大きなマクロ細孔4と、このマクロ細孔4に連接している中間孔5、およびこの中間孔5に連接しており、最も孔径の小さなマイクロ細孔6からなっている。このマクロ細孔4、中間孔5およびマイクロ細孔6の孔内に非プロトン性極性溶媒2が、保持されている。この吸着剤3が、非処理油7中に分散され、非処理油7と接触すると、非処理油中に分散溶解している有機性の汚染物質1は、非プロトン性極性溶媒と親和性があるため、吸着剤3のマクロ細孔4から侵入し細孔内に吸着される。
【0014】このようにして、汚染油と非プロトン性極性溶媒を保持した吸着剤とが接触することにより、我が国の環境基準濃度以下にまで、有機性の汚染物質が吸着除去された被処理油である廃油を回収することも可能になり、再利用が可能となる。また、吸着剤に吸着された有機性の汚染物質は、吸着剤とともに燃焼処理されるか、吸着剤を有機性の汚染物質を溶解する溶媒によって汚染物質を抽出し、これを分解などの無害化処理を行うことができる。
【0015】上記本実施の形態において、必要に応じて本発明の非プロトン性極性溶媒を保持した吸着剤を塩酸などの酸により化学処理することで、非プロトン性極性溶媒を分解させ、さらに有機溶媒と混合させることにより、吸着された有機性の汚染物質を有機溶媒中に濃縮回収することができる。前記有機溶媒は特に限定されないが、好ましくはヘキサンなどの無極性溶媒または2−プロパノールなどの低級アルコールまたは低沸点の有機溶媒を使用する。また、有機性の汚染物質回収処理後の吸着剤は、再生利用が可能である。すなわち、前記の化学処理に使用する酸の種類及び濃度は用いる非プロトン性極性溶媒を保持した吸着剤の種類によって変化するため特に限定はされないが、1M〜5Mの塩酸が好ましい。
【0016】[第2の実施の形態]第2の本発明の実施の形態は、前記第1の実施の形態においては、多孔質吸着剤に非プロトン性極性溶媒を保持させたものを用いたが、本実施の形態においては、さらに貴金属微粒子を担持させた吸着剤を用いて被処理汚染油を処理するものである。すなわち、有機性の汚染物質は吸着剤表面および細孔内の非プロトン性極性溶媒中に濃縮されるため、吸着剤表面および細孔内にパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの貴金属から選ばれた少なくとも1種類または2種類以上の混合物を担持させることで、廃油中の有機性の汚染物質無害化処理(脱塩素化による無害化処理)のための貴金属微粒子担持吸着剤として使用できる。この時の貴金属担持量は特に限定されるものではないが、0.5wt%〜10wt%が好ましい。
【0017】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
(実施例1、2)電気絶縁油中の低濃度ポリ塩化ビフェニル類を除去処理した試験につき説明する。本実施例において、廃油からの汚染物質の除去は、下記の試験条件下で接触濾過法により行なった。すなわち、処理対象物である廃油としては、電気絶縁油(鉱物油)200gにポリ塩化ビフェニル類(KC300)を0.096g添加したサンプルを用いた。これは、ポリ塩化ビフェニル類濃度にして、480ppmに相当するものである。また、吸着剤としては、比表面積が938m/gで、細孔容積が1.1cm/gの粉末状活性炭母材に、ジメチルスルホキシド(DMSO)を保持させた活性炭1gを用いた(実施例1)。また、他の実施例の吸着剤として、比表面積が450m/gで、細孔容積=0.8cm/gのシリカゲル母材に、ジメチルスルホキシド(DMSO)を保持させたシリカゲル1gを用いた(実施例2)。反応は、温度は25℃で、常圧で24時間行った。
【0018】DMSOを保持させた活性炭およびDMSOを保持させたシリカゲルの作製一定量の前記活性炭をいれた密閉容器の圧力を減じ、その後前記ジメチルスルホキシド(DMSO)50mlを活性炭が完全に浸るまで注入する。24時間の静置後、DMSOを濾過により分離し、40℃に設定済みの乾燥器で5時間乾燥した。また、DMSOを保持させたシリカゲルについても前記同様に作製した。
【0019】吸着試験25℃に調節済みの恒温水槽中三口フラスコにポリ塩化ビフェニル類含有電気絶縁油200g、吸着剤1gを加えて、攪拌機を用いて充分に攪拌(300rpm以上)した。24時間の攪拌後、吸引濾過装置により吸着剤と絶縁油を固液分離し、電気絶縁油中ポリ塩化ビフェニル類濃度を高分解能質量分析器付きのガスクロマトグラフィーにより測定した。代表的な実験結果を図2に示す。下記の結果よりDMSOを保持させた吸着剤により電気絶縁油中ポリ塩化ビフェニル類の吸着除去率が飛躍的に向上している。電気絶縁油からの低濃度ポリ塩化ビフェニル類の吸着除去が非プロトン性極性溶媒を保持させた吸着剤を使用して効果的に達成された。なお、固液分離による電気絶縁油の回収率は、各実施例ともに99.9%以上であった。
【0020】(比較例1、2)吸着剤として、粉末状活性炭(比表面積=938m/g、細孔容積=1.1cm/g)1g(比較例1)、およびシリカゲル(比表面積=450m/g、細孔容積=0.8cm/g)1g(比較例2)を用いたこと以外には、実施例1と同様にして廃油を処理した。その結果を、表1に併せて示す。
【0021】
【表1】

【0022】表1の結果から明らかなように、本発明の非プロトン性極性溶媒で処理した吸着剤を用いた場合には、このような処理を行っていない吸着剤を用いた場合と比較して、有機性の汚染物質の吸着除去率が大幅に向上することが明らかとなった。
【0023】(実施例3)実施例1で用いた粉末状活性炭(比表面積が938m/gで、細孔容積が1.1cm/g)92gに、平均粒径0.1μmのパラジウム粒子5mgを析出させた。以後実施例1と同様にして、ポリ塩化ビフェニル類を含有する鉱物油を処理した。回収したパラジウム担持活性炭を500mlの2−プロパノールに125mmol dm−3の水酸化ナトリウムを溶解した溶液に添加して、窒素雰囲気下で攪拌機により攪拌しながら、80℃の温度で無害化処理した。その結果、1時間の反応時間で99.9999%のPCB分解率を達成した。この実施例において、パラジウム貴金属微粒子の担持は次のようにして行った。すなわち、塩化パラジウムを濃塩酸と水とに溶かし、さらに水を加えて希釈したのちカーボンとよく混合し時々かき混ぜながら乾固する。この固体を粉末にして密閉容器中に貯える。必要量の貴金属を溶媒中で水素と振って還元する方法によって、本実施例において用いるのに適した貴金属微粒子担持吸着剤を制作することができた。尚、生成する塩酸を除く必要がある場合は、貴金属微粒子が湿った状態を保つようにして濾別し溶媒洗浄して使用する。
【0024】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば、低濃度の有機汚染物質を含有する油類を簡便な方法によって処理することにより、効率的に有機汚染物質を除去することが明らかとなった。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成14年2月5日(2002.2.5)
【代理人】 【識別番号】100088487
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 允之 (外1名)
【公開番号】 特開2003−225504(P2003−225504A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−28371(P2002−28371)