| 【発明の名称】 |
排ガス処理装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】永井 良憲 【住所又は居所】広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立株式会社呉事業所内
【氏名】加藤 泰良 【住所又は居所】広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立株式会社呉研究所内
【氏名】藤澤 雅敏 【住所又は居所】広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立株式会社呉研究所内
【氏名】森田 勇人 【住所又は居所】広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立株式会社呉事業所内
【氏名】山田 晃広 【住所又は居所】広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立株式会社呉事業所内
|
| 【要約】 |
【課題】排ガス中のNOxおよびDXNを低温域で共に効率よく分解、除去することができる排ガス処理装置を提供すること。
【解決手段】排ガス7に還元剤9を添加したのち触媒充填層に導入し、触媒の存在下、排ガス7に含まれる窒素酸化物とポリハロゲン化有機化合物を分解、除去する排ガス処理装置5において、触媒充填層に、ガス流れ方向に沿って順次脱硝および脱ダイオキシン触媒10、一酸化窒素の酸化触媒11ならびに脱硝および脱ダイオキシン触媒10を配置したこと。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排ガスに還元剤を添加したのち触媒充填層に導入し、触媒の存在下、前記排ガスに含まれる窒素酸化物とポリハロゲン化有機化合物を分解、除去する排ガス処理装置において、前記触媒充填層に、脱硝および脱ダイオキシン触媒と前記窒素酸化物中の一酸化窒素を酸化する酸化触媒を配置したことを特徴とする排ガス処理装置。 【請求項2】 前記触媒充填層に、ガス流れ方向に沿って順次脱硝および脱ダイオキシン触媒、一酸化窒素の酸化触媒ならびに脱硝および脱ダイオキシン触媒を配置したことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。 【請求項3】 前記ガス流れ方向に沿った上流側の脱硝および脱ダイオキシン触媒(A)と、中間位置の一酸化窒素の酸化触媒(B)と、下流側の脱硝および脱ダイオキシン触媒(C)との体積比は、(A)、(C)、(B)の順に小さくなることを特徴とする請求項2に記載の排ガス処理装置。 【請求項4】 前記一酸化窒素の酸化触媒が、Ti−Mn系、Ti−Pt系、Ti−Co系またはTi−Cr系触媒であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の排ガス処理装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス処理装置に係り、特に都市ごみ焼却炉をはじめとする廃棄物焼却設備等から排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)とポリハロゲン化有機化合物(以下、DXNまたはダイオキシンという)を低温域で効率よく分解、除去することができる、排ガス処理装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、埋め立て地不足や環境問題への関心から、都市ごみは焼却処理される傾向が高く、また広域的なエネルギ問題の観点から都市ごみ焼却処理設備に、廃熱回収ボイラや、ガスタービンによる排ガスの独立再加熱を行う発電設備を付設したプラントが増加している。このような設備は都市近郊に建設されることが多いので、その排ガス処理装置には、公害防止の点からも高効率性および高信頼性が要求されている。 【0003】ところで、このような都市ごみ焼却処理設備にもNOx排出規制が適用され、多くの処理設備に触媒脱硝装置が採用されている。例えば、新設の都市ごみ焼却処理設備においては、ごみ焼却炉から排出された排ガスは廃熱回収ボイラで熱回収され、減温塔で急冷された後、有毒ガス除去装置、集じん装置等を経て触媒脱硝装置に導かれ、ここで排ガス中のNOxが分解、除去された後、大気に排出される。触媒脱硝装置における排ガス温度は、通常200℃程度と低いことから、適用する脱硝触媒は、低温高活性であることが好ましい。 【0004】このような状況の下、本発明者は、低温域でNOxを効率よく分解、除去することができる排ガス処理技術として、排ガス中に存在するNOx(多くはNOとして存在)を酸化触媒によって一部NO2 に酸化する、低温脱硝装置を提案した(特開平8−103636号公報)。なお、この装置は、排ガス中のNOとNO2 の存在比が1:1の場合が最も高い脱硝活性が得られるという事実に基づいて開発されたものであり、それまでのNOxの接触還元方法では、図3に示したように、反応温度の影響を受け易く、温度が低くなるにつれて脱硝性能が低下するために必要触媒使用量が多くなるという欠点を解決するとともに、排ガスの通風抵抗を低減しようとしたものである。 【0005】一方近年、都市ごみ焼却設備等から排出されるダイオキンシの毒性が問題視されており、1997年1月にはその排出量を0.1ng−TEQ/m3 N以下にするという欧州並の最も厳しい排出規制が適用されることになった。また、2002年までには都市ごみ焼却設備以外の鉄鋼業焼結機や電気炉などに対しても規制の網が掛けられることになり、優れたダイオキシン処理技術の開発が望まれている。このような状況下、本発明者は、ごみ焼却処理設備等から排出されるDXNが排ガス中の二酸化窒素(NO2 )によって効果的に分解除去されること、すなわち、排ガス中のDXN類は、触媒の存在下でNO2 によりHCl、H2 OおよびCO2 に完全に酸化分解されるという知見を得ている。 【0006】ここで、上述した最近の排ガス規制強化の動向を考慮すれば、ごみ焼却処理設備等から排出される排ガス中のNOxとDXNを同時に分解、除去することができる技術が確立されることが望ましく、上記NO2 によるDXNの分解方法によってNOxとDXNを同時に分解、除去することも考えられるが、上記方法には還元剤の注入によりDXN分解活性に必要なNO2 とNOの反応が優先して発生するために、NO2 が不足してDXNが十分に分解されないという問題があった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、排ガス中のNOxおよびDXNを低温域で共に効率よく分解、除去することができる排ガス処理装置を提供することにある。 【0008】 【解決を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明者は、(1)排ガスに含まれるDXN類の触媒分解反応はNO2 によって生起されること、(2)排ガス中のNOxの分解反応は反応温度の低下とともに低下するが、図4に示すように、NOとNO2 の共存系において、その存在比が約1:1の時、脱硝率が高くなること、(3)一般に焼却過程で発生するNOxの90〜95%はNOであり、NO2 は微量(数%)に過ぎないが、これでも排ガスに含まれるDXNに比べて大過剰であり、DXNの分解に寄与できること、(4)脱硝反応と、脱DXN反応はいずれも比較的反応速度が速いので、同時処理を行う場合、DXN除去に必要なNO2 が脱硝反応で消費されてしまうために、DXN除去率が低下する場合があること等の知見を得、これらに基づいて鋭意研究した結果、触媒充填層に、脱硝および脱DXN触媒とNOをNO2 に酸化する酸化触媒を配置することにより、排ガス中のNOの一部をNO2 に酸化してNO2 の存在割合が増大し、これによって低温域であっても、NOxの除去性能を維持したままDXN類が効率よく分解除去されることを見出し、本発明に到達した。 【0009】すなわち、本願で特許請求する発明は、以下のとおりである。 (1)排ガスに還元剤を添加したのち触媒充填層に導入し、触媒の存在下、前記排ガスに含まれる窒素酸化物とポリハロゲン化有機化合物を分解、除去する排ガス処理装置において、前記触媒充填層に、脱硝および脱ダイオキシン触媒と前記窒素酸化物中の一酸化窒素を酸化する酸化触媒を配置したことを特徴とする排ガス処理装置。 (2)前記触媒充填層に、ガス流れ方向に沿って順次脱硝および脱ダイオキシン触媒、一酸化窒素の酸化触媒ならびに脱硝および脱ダイオキシン触媒を配置したことを特徴とする上記(1)に記載の排ガス処理装置。 【0010】(3)前記ガス流れ方向に沿った上流側の脱硝および脱ダイオキシン触媒(A)と、中間位置の一酸化窒素の酸化触媒(B)と、下流側の脱硝および脱ダイオキシン触媒(C)との体積比は、(A)、(C)、(B)の順に小さくなることを特徴とする上記(2)に記載の排ガス処理装置。 (4)前記一酸化窒素の酸化触媒が、Ti−Mn系、Ti−Pt系、Ti−Co系またはTi−Cr系触媒であることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載の排ガス処理装置。 【0011】 【発明の実施の形態】次に、本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明装置が適用される都市ごみ焼却処理施設の排ガス処理プラントを示す装置系統図である。図において、この排ガス処理プラントは、ごみ焼却炉1と、該ごみ焼却炉1の排ガス煙道に順次設けられたボイラ2、ガス冷却装置3、集塵装置としてのバグフィルタ4および触媒分解装置5と、該触媒分解装置5の後流に設けられた煙突6とから主として構成されている。触媒分解装置5の触媒充填層には、例えば図2に示したように、排ガスの流れ方向に沿って順次、脱硝および脱DXN触媒10、NOの酸化触媒11ならびに脱硝および脱DXN触媒10が配置されている。 【0012】このような構成において、都市ごみ焼却炉1から排出された燃焼排ガス7は、ボイラ2で熱交換され、ガス冷却装置3で、例えば約200℃まで急冷された後、煙道に添加された消石灰8と混合してバグフィルタ4に流入し、ここでダストと共に塩化水素や硫黄酸化物が取り除かれる。硫黄酸化物等が取り除かれた排ガスは、次いで排ガス煙道に添加された、NOxの還元剤としてのアンモニア9と混合した後、触媒分解装置(以下、排ガス処理装置ともいう)5に流入し、ここで、排ガス中のNOxおよびDXNが除去される。脱硝および脱ダイオキシン処理された排ガスは、浄化排ガスとして煙突6から大気に排出される。 【0013】本実施例によれば、触媒充填層に脱硝および脱DXN触媒と共にNOの酸化触媒を配置したことにより、排ガス中のNOの一部をNO2 に酸化してNOxの分解によって消費されたNO2 を補充することができるので、DXNの分解に必要なNO2 を確保してDXNをNOxとともに効率よく分解、除去することができる。 【0014】本実施例において、NOをNO2 に酸化する酸化触媒は、脱硝および脱DXN触媒が充填された触媒充填層内に部分的に設けること、すなわち、前記脱硝および脱DXN触媒の中間位置に設けることが好ましい。またこのとき、ガス流れ方向に沿った上流側の脱硝および脱DXN触媒(A)と、中間位置のNOの酸化触媒(B)と、下流側の脱硝および脱DXN触媒(C)との体積比は、(A)、(C)、(B)の順に小さくなるように、例えば約70:約10:約20(合計100)とすることが好ましい。 【0015】本実施例において、ガス流れ方向上流側の脱硝および脱DXN触媒域では主として排ガス中のNOx(大部分がNO)の分解が行われ、中間位置に配置された酸化触媒域によってNOの一部をNO2 に酸化することによって、前記NOxの分解で消費されたNO2 を補充したのち、後流側の脱硝および脱DXN触媒域で主として前記NOによるDXNの分解が行われる。上記触媒の体積比を(A)、(C)、(B)の順に小さくしたのは、上記NOxの分解、NOのNO2 への酸化およびNO2 によるDXNの分解を最適の触媒量で行うためである。 【0016】本実施例において、脱硝および脱DXN触媒としては、酸化チタン(TiO2)をベースに各種活性成分として、例えばタングステンやバナジウムを添加したもの、具体的にはTi−W系、Ti−V系触媒が用いられ、チタン(Ti)に対してバナジウム(V)を、例えば1〜10wt%含むTi−V系触媒が好適に用いられる。一方、NOの酸化触媒としては、例えばTi−Mn系、Ti−Pt系、Ti−Co系、Ti−Cr系触媒が用いられ、マンガン(Mn)、白金(Pt)、コバルト(Co)またはクロム(Cr)がチタン(Ti)に対して、例えば5ppm〜10wt%含まれているものが好適に使用される。 【0017】比較例触媒分解装置としての排ガス処理装置5に充填される触媒を、図5に示したように、全て脱硝および脱DXN触媒10とし、NOの酸化触媒を充填しなかった以外は上記実施例と同様の装置を用い、同様の条件でごみ焼却炉1の排ガスを処理した。 【0018】表1に、上記実施例および比較例における脱硝および脱DXN活性をまとめて示した。なお、脱硝活性および脱DXN活性は、比較例を基準とし、実施例の活性は比較例に対する比として示した。
*触媒比率:排ガス流れ方向に沿った 上流側の(脱硝および脱DXN触媒)Aと、 中間部の(NO酸化触媒)Bと、 下流側の(脱硝および脱DXN触媒)Cの体積比率表1において、実施例における脱硝活性および脱DXN活性は共に比較例よりも高くなっており、本実施例によれば、NOxとDXNを同時に効率よく分解、除去できることが分かる。 【0019】なお、本発明において、排ガス中のNOのNO2 への転換は、低温ほどその反応速度が速くなるため、本発明が対象とする、低温域ではむしろ好都合であるが、実システムでは焼却過程で生成したNOの大部分はそままの状態で触媒分解装置に流入しているのが現状であり、一定割合のNO2 を生成するためにはNOをNO2 に酸化する酸化触媒を用いる必要がある。 【0020】 【発明の効果】本願の請求項1に記載の発明によれば、排ガスに含まれる有害なNOxとDXNを同時に、かつ効率よく除去することができ、厳しい排出規制に対して比較的少ない触媒量で対応することができる。本願の請求項2に記載の発明によれば、NOxの分解反応で消費したNO2 を補充してNOxとDXNを同時に効率よく分解、除去することができる。 【0021】本願の請求項3に記載の発明によれば、上記発明の効果に加え、最適触媒量でNOxとDXNを効率よく分解、除去することができる。本願の請求項4に記載の発明によれば、上記発明の効果に加え、NOx中のNOの一部を効率よくNO2 に酸化してNOxとDXNを同時に効率よく分解、除去することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005441 【氏名又は名称】バブコック日立株式会社 【住所又は居所】東京都港区浜松町二丁目4番1号
|
| 【出願日】 |
平成14年1月11日(2002.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076587 【弁理士】 【氏名又は名称】川北 武長
|
| 【公開番号】 |
特開2003−205223(P2003−205223A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月22日(2003.7.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−4731(P2002−4731) |
|