| 【発明の名称】 |
建築用調湿剤および建築用調湿ボード |
| 【発明者】 |
【氏名】竹内 松芳 【住所又は居所】富山県高岡市早川550番地 立山アルミニウム工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】廃棄物であるアルミスラッジを有効利用し、コストを低く抑え、調湿性能に優れた建築用調湿剤と建築用調湿建材を開発する。
【解決手段】アルミスラッジを70乃至110℃の温度で焼成して多孔質となっている塊を、粒径を50μm乃至2mmに粉砕し、整粒してなる建築用調湿剤、当該建築用調湿剤を、石膏ボード内に散在してある建築用調湿ボード、建築用調湿剤を内部芯部を除く表裏面側に散在してある建築用調湿ボード。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 アルミスラッジを70乃至110℃の温度で焼成して多孔質となっている塊を、粉砕し、整粒してなる建築用調湿剤。 【請求項2】 アルミスラッジを70乃至110℃の温度で焼成して多孔質となっている塊を、粒径を50μm乃至2mmに粉砕し、整粒してなる建築用調湿剤。 【請求項3】 請求項1または2記載の建築用調湿剤を、石膏ボード内に散在してある建築用調湿ボード。 【請求項4】 建築用調湿剤を、内部芯部を除く表裏面側に散在してある請求項3記載の建築用調湿ボード。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルミスラッジを利用した建築用調湿剤と建築用調湿ボードに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、建築技術の向上に伴って、気密性が高い建築物が増えてきた。それによって、逆に換気が行われにくい状態となり、室内の湿度が高まり、それによってダニなどの害虫やカビが発生しやすくなってきている。建物内における炊事や暖房機器の燃焼、人体からの発散と様々な要因による水蒸気を含んだ空気が、外部壁体を通り抜け建物外部へ出ていくが、その際、壁体内部に残留した水蒸気が、低い外部気温によって冷却され、露点以下となり、凝結し、水滴となる。これは壁体内部結露を起こす原因であり、また、壁体内部に充填されている断熱材がその水分を吸収し、断熱材の性能を著しく低下させ、また、それらの水分を、柱、間柱、内外壁下地、床面、又は土台の材料が吸収し、カビ、細菌などの温床となり、柱の構造部分等を腐食させる原因となっている。さらに、冷暖房により室内が乾燥しすぎ、肌荒れや喉の痛みが生じる例もある。このようにして、居住性が損なわれることがあり、結露防止はもとより、建築物内の湿度を適度に調整する技術、室内の調湿に効果のある吸放湿性能に優れる建材が求められていた。また、建材の表裏面側を別々の湿度に調湿できる建材が求められていた。 【0003】一方、アルミニウム表面処理工程より生ずるアルミニウム含有廃液は、技術的に再利用が難しく、これを中和処理して凝集させ、スラッジとして廃棄されていることが多い。そのため、スラッジの廃棄物量の増大による問題が深刻化する状況となっている。そこで、多量のアルミスラッジを再利用し、廃棄量を少なくする試みがなされている。例えば、アルミスラッジを土質改良材とする技術などの再利用方法が開発されてきているが、発明者らはさらに有効な活用方法の探索、開発を行ってきた。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、安価な製造コストで、且つ調湿性能に優れた、アルミニウムスラッジを有効利用した建築用調湿剤と建築用調湿建材を開発することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記載の建築用調湿剤は、アルミスラッジを70乃至110℃の温度で焼成して多孔質となっている塊を、粉砕し、整粒してなることを特徴とする。このように構成すれば、アルミニウム含有廃液の有効利用を図りながら、処理コストを下げ、調湿能力に優れた建築用調湿剤とすることができる。 【0006】本発明のうち請求項2記載の建築用調湿剤は、アルミスラッジを70乃至110℃の温度で焼成して多孔質となっている塊を、粒径を50μm乃至2mmに粉砕し、整粒してなることを特徴とする。このように構成すれば、アルミスラッジの粒径が50μm乃至2mmであることから、より一層調湿性に優れた建築用調湿剤とすることができる。また、粒径が50μmより小さいと製造時の取り扱いが困難であり、粒径が2mmより大きいと建材に用いた場合に建材の強度が弱くなるため、粒径を50μm乃至2mmにすることにより、製造時の取り扱いがしやすく、且つ建材の強度を高く保つことができる。 【0007】本発明のうち請求項3記載の建築用調湿ボードは、請求項1または2記載の建築用調湿剤を、石膏ボード内に散在してあることを特徴とする。このように構成すれば、アルミスラッジを利用した調湿剤と石膏ボードの相乗作用により、強度、剛性を損なうことなく、耐火性、消臭性、調湿性に優れた建築用調湿建材とすることができる。なお、石膏ボード内に配合する調湿剤の配合割合は問わないが、20〜40%が望ましい。 【0008】本発明のうち請求項4記載の建築用調湿ボードは、建築用調湿剤を、内部芯部を除く表裏面側に散在してあることを特徴とする。このように構成すれば、建築用調湿ボードの表面と裏面に接する空間を別々に調湿することができる。なお、石膏ボード内に配合する調湿剤の配合割合は問わないが、20〜60%が望ましい。また、表面側と裏面側の調湿剤の配合割合を変えた調湿ボードとすることで、表面側と裏面側の空間で任意の湿度に調湿することも可能である。 【0009】本発明により製造する石膏ボードは、アルミスラッジを焼成して多孔質とした塊を、粉砕し、整粒してなる建築用調湿剤と、石膏、水を加えて混合、撹拌し、型に流し込んで成型することにより製造することができる。なお、スラリー状に保って石膏の硬化を遅延させるためにクエン酸を添加しても良い。クエン酸の添加割合は問わないが、0.4〜0.8%が望ましい。また、石膏ボードの表裏面にボード原紙を設けてもよく、そのボード原紙は透湿するものが望ましい。さらに、石膏層を数層重ねた石膏ボードとすることもでき、それぞれの配合した石膏の硬化速度を調整することにより、自動ライン化も可能である。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。 【0011】アルミスラッジ(含水率30〜40%)を70乃至110℃で焼成して多孔質物とし、これを破砕した上、その粒径を50μm〜2mmに整粒し、整粒したアルミスラッジ由来の調湿剤1を作成した。この調湿剤1に加えて、石膏、水、クエン酸を、2分間ミキサーで混合して撹拌した。この調湿剤配合石膏3を、透湿性ボード原紙2上に流し、その上にさらに透湿性ボード原紙2を置いて石膏を固化させ、成型することにより、建築用調湿ボードを製造した(第1実施形態、図1)。 【0012】次に、表裏面側のみに調湿剤を配合した建築用調湿ボードについて説明する。アルミスラッジ(含水率30〜40%)を70乃至110℃で焼成して多孔質物とし、これを破砕した上、その粒径を50μm〜2mmに整粒し、整粒したアルミスラッジ由来の調湿剤1を作成した。次に、調湿剤1に、石膏、水、クエン酸を加え、2分間ミキサーで混合し、撹拌した。これとは別に、調湿剤を加えず、石膏、水、クエン酸のみを加えて混合、撹拌した調湿剤無配合石膏4を作成した。次に、図2に示す製造工程において、ベルトコンベア5上に透湿性ボード原紙2を展張し、第1ミキサー7から調湿剤配合石膏3を、透湿性ボード原紙2上に流し込んで固化させた後、その上に第2ミキサー8から調湿剤無配合石膏4を流して固化させた。そして、さらにその上に第3ミキサー9から再度調湿剤配合石膏3を流し、その上に透湿性ボード原紙2を展張させて石膏を固化させた。なお、それぞれの石膏はプレート6で厚さ制御させて、建築用調湿ボードを製造した(第2実施形態、図3)。 【0013】実施例1アルミスラッジ(含水率30〜40%)を70乃至110℃で焼成して多孔質物とし、これを破砕した上、その粒径を50μm〜2mmに整粒し、整粒して調湿剤を作成した。この調湿剤に、石膏、水、クエン酸を加え、2分間ミキサーで混合し、撹拌、型に入れて成型することにより、建築用調湿ボードを製造した。この製造方法にて調湿剤であるアルミスラッジの含有量を、0、33、50%とした3種の石膏ボードを作成した。混合割合を以下に示す。 アルミスラッジ0%石膏ボード石膏 300g水 150gクエン酸 2.7gアルミスラッジ33%石膏ボード石膏 240g水 180gアルミスラッジ 120gクエン酸 3.2gアルミスラッジ50%石膏ボード石膏 150g水 150gアルミスラッジ 150gクエン酸 2.7g【0014】試験例1実施例1で作成した石膏ボードを、25℃下の室内に置き、相対湿度を4日間90%に、順に続いて3日間45%、4日間90%、3日間45%、4日間90%に変化させて、3種の石膏ボードの1m2当たりの重量変化、すなわち吸放湿量を測定した。3種の石膏ボードの作成条件を表1に、結果を図4に示した。アルミスラッジの含有量が、0、33、50%になるにつれて、重量変化が大きくなっており、吸放湿能力が高かった。3種の石膏ボードの最大吸放湿量は約620g/cm2であり、優れた調湿性能を持つことが示された。 【0015】 【表1】
【0016】参考例1図5に、25℃・相対湿度90%下に24時間、続いて25℃・相対湿度50%下に24時間置いた活性白土配合石膏ボード、杉板、石膏ボードの吸放湿量を示した。この3種ボードの最大吸放湿量は約325g/cm2であり、試験例1の本発明による調湿石膏ボードの吸放湿量の方が最大約620g/cm2であってはるかに高く、優れた調湿性能を有することが示された。 【0017】 【発明の効果】本発明のうち請求項1記載の発明によれば、アルミスラッジを建築用調湿剤として有効利用でき、廃液を用いるので原料コストが非常に安く、焼成温度が低いことから工場の排蒸気などを用いることができ、処理コストを低く抑え、調湿性能に優れた安価な建築用調湿剤を提供することができる。 【0018】本発明のうち請求項2記載の発明によれば、調湿剤の粒径が50μmより小さいと製造時の取り扱いが困難であり、粒径が2mmより大きいと建材に用いた場合に建材の強度が弱くなるが、粒径を50μm乃至2mmにすることにより、製造時の取り扱いがしやすく、且つ建材の強度を高く保ち、調湿性能に優れた建築用調湿剤とすることができる。また、様々な建築用材料に調湿機能を付与することができる。 【0019】本発明のうち請求項3記載の発明によれば、調湿剤を石膏ボード内に散在させた建築用調湿ボードとすることで、極めて安価で、優れた調湿性能を有する建築用調湿ボードとすることができる。 【0020】本発明のうち請求項4記載の発明によれば、建築用調湿剤を、内部芯部を除く表裏面側に散在させた調湿ボードとすることで、調湿ボードの表面側と裏面側に接する部屋を別々の湿度に保つことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000250605 【氏名又は名称】立山アルミニウム工業株式会社 【住所又は居所】富山県高岡市早川550番地
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| 【出願日】 |
平成14年1月11日(2002.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090206 【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 信道
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| 【公開番号】 |
特開2003−205216(P2003−205216A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月22日(2003.7.22) |
| 【出願番号】 |
特願2002−5063(P2002−5063) |
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