トップ :: B 処理操作 運輸 :: B01 物理的または化学的方法または装置一般




【発明の名称】 フイルタプレス及び該フイルタプレスにおける濾過方法
【発明者】 【氏名】芝先 捷民

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 夫々の間に濾布が挟まれて配列された複数の濾板(M)のスラリ孔(O)に供給されたスラリを、上記夫々の濾布を通して濾過して濾液を外部に排出するフイルタプレス(FP)において、一側の上記濾板の上記スラリ孔に通じる通路と他側の上記濾板の上記スラリ孔に通じる通路とを上記フイルタプレスの外部にて連結するスラリ循環ライン(R)と、上記スラリ循環ラインの途中に連結され、上記スラリを収容可能な加圧式のスラリタンク(W)と、上記スラリタンクに上記スラリを供給するスラリ供給ポンプ(P)と、上記スラリ循環ラインの途中に連結され、かつ、上記夫々のスラリ孔において所定の流速が与えられるように、上記スラリ循環ライン及び上記スラリタンクを通して上記スラリを循環させるスラリ循環ポンプ(S)とを備えることを特徴とするフイルタプレス。
【請求項2】 上記スラリタンクに備えられ、かつ、上記スラリタンクの上記スラリの収容量を計測可能なスラリ計(L)と、上記スラリ計により計測される上記スラリの収容量の減少量に応じて、上記減少量を補うように上記スラリ供給ポンプを運転する制御装置(G)とをさらに備える請求項1に記載のフイルタプレス。
【請求項3】 夫々の間に濾布が挟まれて配列された複数の濾板(M)のスラリ孔(O)に供給されたスラリを、上記夫々の濾布を通して濾過して濾液を外部に排出するフイルタプレス(FP)における濾過方法において、一側の上記濾板の上記スラリ孔と他側の上記濾板の上記スラリ孔とを上記フイルタプレスの外部にて連結するスラリ循環ライン(R)と、上記スラリ循環ラインの途中に連結され、かつ、上記スラリを収容可能な加圧式のスラリタンク(W)とを通じて、スラリ供給ポンプ(P)により上記フイルタプレス内に上記スラリを供給し、上記スラリの供給を継続しながら、上記スラリ循環ライン及び上記スラリタンクを通して、上記供給されたスラリをスラリ循環ポンプ(S)により循環させることにより、上記夫々のスラリ孔において上記スラリに所定の流速を与えて、上記夫々の濾布を通しての上記濾過を継続させることを特徴とするフイルタプレスにおける濾過方法。
【請求項4】 上記スラリタンク内の上記スラリの収容量を計測して、上記計測された上記スラリの収容量の減少量に応じて、上記減少量を補うように上記スラリの供給が行なわれる請求項3に記載のフイルタプレスにおける濾過方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フイルタプレスから外部に設けたスラリ循環ラインにスラリを通してスラリに一定の流速を与え、濾板のスラリ孔付近にケーキを付着させることなく濾過を継続させるフイルタプレス及び該フイルタプレスにおける濾過方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、濾過の進行とともに濾板のスラリ孔にケーキが次第に付着して、スラリ孔が狭められることがある。スラリ孔が狭められるとスラリの通過が悪くなり、スラリが次の濾室に充分に満たされないため濾過が完全に行われなくなる。そこで濾過後に上記スラリ孔を清掃するため、一方側のスラリ供給孔から圧縮空気を吹き込むかあるいは圧力水を供給して、スラリ孔付近に残留するケーキを他方側へ吹き出している。
【0003】また、濾過中にスラリの一部をフイルタプレスの供給側と反対側へ抜き出して一時タンクに溜めて置き、このタンクからスラリを逆にフイルタプレスに戻そうとする例もある(例えば、特公昭62−41768号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スラリ孔が狭まらないようにするため濾過中にスラリ孔に圧縮空気の吹き込みまたは加圧水の供給を行うことはできない。スラリ孔が狭められると各濾板のスラリ孔をスラリが次第に通過し難くなり、各濾室にスラリが充分に満たされないため各濾室で濾過にばらつきが生じる。また場合によっては各濾室における濾過圧に偏りが生じ濾板が割れることがある。また、スラリをタンクからフイルタプレスにに戻そうとするものにおいては、スラリ孔を通過するスラリの流速が一定とは限らず、濾過のたびにいずれかのスラリ孔にケーキが付着するおそれがある。また、スラリ溜の圧力タンクや配管などの設備が大きくなる。
【0005】本発明は上記従来のフイルタプレス及び該フイルタプレスにおける濾過方法の欠点を解消することを目的とし、濾板のスラリ孔にケーキを付着させないようにして濾過を円滑に継続させることができるフイルタプレス及び該フイルタプレスにおける濾過方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1態様によれば、夫々の間に濾布が挟まれて配列された複数の濾板のスラリ孔に供給されたスラリを、上記夫々の濾布を通して濾過して濾液を外部に排出するフイルタプレスにおいて、一側の上記濾板の上記スラリ孔に通じる通路と他側の上記濾板の上記スラリ孔に通じる通路とを上記フイルタプレスの外部にて連結するスラリ循環ラインと、上記スラリ循環ラインの途中に連結され、上記スラリを収容可能な加圧式のスラリタンクと、上記スラリタンクに上記スラリを供給するスラリ供給ポンプと、上記スラリ循環ラインの途中に連結され、かつ、上記夫々のスラリ孔において所定の流速が与えられるように、上記スラリ循環ライン及び上記スラリタンクを通して上記スラリを循環させるスラリ循環ポンプとを備えることを特徴とするフイルタプレスを提供する。
【0007】本発明の第2態様によれば、上記スラリタンクに備えられ、かつ、上記スラリタンクの上記スラリの収容量を計測可能なスラリ計と、上記スラリ計により計測される上記スラリの収容量の減少量に応じて、上記減少量を補うように上記スラリ供給ポンプを運転する制御装置とをさらに備える第1態様に記載のフイルタプレスを提供する。
【0008】本発明の第3態様によれば、夫々の間に濾布が挟まれて配列された複数の濾板のスラリ孔に供給されたスラリを、上記夫々の濾布を通して濾過して濾液を外部に排出するフイルタプレスにおける濾過方法において、一側の上記濾板の上記スラリ孔と他側の上記濾板の上記スラリ孔とを上記フイルタプレスの外部にて連結するスラリ循環ラインと、上記スラリ循環ラインの途中に連結され、かつ、上記スラリを収容可能な加圧式のスラリタンクとを通じて、スラリ供給ポンプにより上記フイルタプレス内に上記スラリを供給し、上記スラリの供給を継続しながら、上記スラリ循環ライン及び上記スラリタンクを通して、上記供給されたスラリをスラリ循環ポンプにより循環させることにより、上記夫々のスラリ孔において上記スラリに所定の流速を与えて、上記夫々の濾布を通しての上記濾過を継続させることを特徴とするフイルタプレスにおける濾過方法を提供する。
【0009】本発明の第4態様によれば、上記スラリタンク内の上記スラリの収容量を計測して、上記計測された上記スラリの収容量の減少量に応じて、上記減少量を補うように上記スラリの供給が行なわれる第3態様に記載のフイルタプレスにおける濾過方法を提供する。
【0010】
【作用効果】本発明によれば、一側の上記濾板の上記スラリ孔に通じる通路と他側の上記濾板の上記スラリ孔に通じる通路とが、上記フイルタプレスの外部にて上記スラリ循環ラインで連結され、上記スラリ循環ラインの途中に加圧式の上記スラリタンクと上記スラリ循環ポンプとが備えられていることにより、上記スラリ循環ポンプを運転して、上記フイルタプレス内に供給されたスラリを上記スラリ循環ライン及び上記スラリタンクを通して循環させて、上記夫々のスラリ孔において上記スラリを所定の流速でもって通過させながら、上記夫々の濾布で上記スラリを濾過することができる。これにより、上記夫々のスラリ孔への上記スラリの付着を防止することができ、上記スラリが付着することにより、上記夫々のスラリ孔が狭められたりあるいは閉塞されたりすることを防止して、上記フイルタプレスにおける上記濾過を安定して継続させることができる。
【0011】また、このように上記夫々のスラリ孔が狭められたりあるいは閉塞されたりすることが防止されているため、上記フイルタプレス内にて上記夫々の濾板に均しく濾過圧力をかけることができ、上記夫々の濾板の破損を防止することができる。
【0012】また、上記スラリタンクには、上記スラリを供給する上記スラリ供給ポンプが備えられていることにより、上記濾過が行なわれる上記スラリを上記スラリタンク及び上記スラリ循環ラインを通して、上記フイルタプレス内に供給することができ、上記濾過を安定して継続させることができる。
【0013】さらに、上記スラリタンクに備えられた上記スラリ計により計測される上記スラリの収容量の減少量に応じて、上記減少量を補うように上記スラリ供給ポンプの運転が上記制御装置により制御されることにより、上記濾過されるスラリを上記スラリタンク及び上記スラリ循環ラインを通して、上記フイルタプレス内に過不足なく供給することができ、上記濾過を安定して継続させることができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を説明するにあたって、後述する図2に示す本発明の実施例の説明を容易とするための例示の態様にかかるフイルタプレスについて、まず、図1を用いて説明する。
【0015】図1において、フイルタプレスFPは、一側にある固定板D(または可動板E)と反対側にある可動板E(または固定板D)との間に複数枚の濾板Mを並べて可動板E側にある締付装置Cで締め付けてある。一側の固定板Dにはスラリ供給ラインAの一端が連結されるフランジがあり、該フランジから固定板Dを貫通する通路が隣側の濾板Mのスラリ孔Oに向かって開口する。また反対側の可動板Eの上部には外部のスラリ循環ラインRの一端が連結されるフランジがあり、該フランジから可動板Eを貫通する通路が隣側の濾板Mのスラリ孔Oに向かって開口する。固定板D側のフランジに一端が連結された上記スラリ供給ラインAの他端はスラリタンクWに連結され、スラリ供給ラインAの途中にスラリ供給ポンプPとスラリ供給ラインAを開閉するバルブVが設けらられている。また可動板E側のフランジに一端が連結された上記スラリ循環ラインRの他端はスラリ供給ラインAの固定板D近くに連結されている。また、スラリ循環ラインRの中間にはスラリを循環させるスラリ循環ポンプSが連結されている。また固定板Dの下部に濾液排出管Bが付いている。濾液排出管Bの途中に開閉弁Vがある。また上記スラリ循環ラインRの可動板E近くのところにスラリ戻し管Kの一端が連結され、その他端はスラリタンク内に入っている。スラリ戻し管Kには開閉弁Vが設けられている。なお、スラリ循環ラインRとスラリ戻し管Kの可動板E近くの部分は可とう性管を用いて、可動板Eの移動を自由にする。また、符号Nは濾板列下に出し入れ自在にされた洩れ液またはケーキ片の受け皿である。
【0016】上記フイルタプレスFPは、複数枚のセンタフイード型濾板Mから組み立てられたもので、各濾板Mと濾板Mとの間には濾布が挟まれている。また、上記濾板Mと濾板Mとの間には濾室厚を加減するための濾枠が挟まれてもよい。また上記濾板は、濾過床が板状又は網状体でありほぼ中央にスラリ孔が開いたセンタフイード型のものからなるものであってもよい。また、濾板はそれ自体濾過床を有せず中空枠体からなり、そのスラリ孔が該枠体に掛けた濾布に形成されたものからなる濾板であってもよい。また上記濾板は圧搾膜で被われた圧搾式の濾板でもよい。また、濾板のスラリ孔は、図例のセンタフイード式の他に、濾板下部にあるボトムフイード式、濾板上部にあるトップフイード式あるいはコーナフイード式に形成されたものでもよい。
【0017】次ぎに、上記のフイルタプレスを用いて濾過を行う方法について説明する。まず、スラリタンクWからスラリ供給ラインAとスラリタンクW内を通してスラリをスラリ供給ポンプPでフイルタプレスへ供給し、フイルタプレス内にある空気とスラリ循環ラインR内にある空気を抜く。供給されたスラリはスラリ戻し管Kを通してスラリタンクWに戻す。このとき、濾液排出管Bの弁Vは閉じ、スラリ供給ラインAの弁Vとスラリ戻し管の弁V (空気抜き弁)は開いておく。上記スラリ戻し管KからスラリがスラリタンクWに戻ってきたことを確認して、スラリ循環ラインRの途中のスラリ循環ポンプSを起動し、弁Vを閉じる。スラリ循環ポンプSが起動してから濾液排出管Bの弁Vを徐々に開く。スラリは濾板Mと濾板Mとの間に形成された濾室で濾板Mを被う濾布で濾過され機外へ排出される。この間スラリ供給ポンプPは連続して運転される。つづいて上記濾板Mのスラリ孔Oを流れるスラリは反対側の可動板Eの通路を通過して外部のスラリ循環ラインRに入ってその途中のスラリ循環ポンプSを通り再びフイルタプレスFPに入る。スラリ循環ポンプSは、スラリに所定の流速(好ましくは0.5−3.5m/s)を与えるよう調節する。またこの際、一定の濾過時間後にスラリ循環ポンプSの回転方向を変換して、外部のスラリ循環ラインRとフイルタプレスFPとを通過するスラリの循環方向を変えてもよい。さらに、スラリ循環ポンプSは間欠的に運転してもよい。また、スラリ供給ラインAのバルブV 1の開閉とスラリ供給ポンプPの運転とは適宜に調節する。次ぎに、所定の濾過時間経過後スラリ循環ポンプSの駆動を止め次いでスラリ供給ポンプPの駆動を止める。濾過の終了は濾液の流量を測定して行ってもよく、またスラリ循環ラインの固定板側の通路の圧力と可動板側の通路の圧力との差圧が所定の圧力になったとき、スラリ循環ポンプの運転を停止して濾過を終了するようにしてもよい。
【0018】次に、本発明の実施例にかかるフイルタプレスについて、図2を用いて説明する。
【0019】図2に示すフイルタプレスは、スラリタンクWがスラリ循環ラインに入った他は基本的に図1のものと同じ構成であり、以下スラリタンクを加えたフイルタプレスにおける濾過方法につき説明する。スラリは、スラリ供給ポンプPで加圧式のスラリタンクW内とスラリ循環ラインRの一部を通してフイルタプレスFPに供給される。スラリ供給ポンプPによってフイルタプレスFPにスラリが充満され、加圧式のスラリタンクW内のスラリの液位がスラリ循環ポンプSの起動に支障のないところに達した後スラリ循環ポンプSを起動させる。スラリは、スラリ循環ラインRを経て固定板D側に位置する濾板Mのスラリ孔Oから反対側の可動板Eの通路を通過してスラリ循環ラインRを経て加圧式のスラリタンクWのスラリ溜部Yに戻される。上記説明において、濾液排出管Bの開閉弁Vは図示を省略した。また、タンクW内に溜った気体はタンクWから適宜外部へ排出する。
【0020】また、スラリタンクWにはスラリの液位を測定するスラリ計Lが付いていて、スラリ計Lの上部端子とスラリ供給ポンプPの制御装置Gとが連結されている。スラリ供給ポンプPの制御装置Gは、スラリ計Lで計測されたスラリタンクW内のスラリ量(液位)による信号を入力してスラリ供給ポンプPの運転が制御されるる。上記濾過運転によりスラリタンクW内のスラリ量は濾過の進行とともに減少するが、この減少分は、スラリ供給ポンプPの運転が上記のとおり制御されて、スラリ供給ラインAからスラリタンクWに補給される。
【0021】スラリタンクWの上部の加圧部Uには、外部の空気圧縮装置Hにより圧縮空気が供給される。この圧縮空気でタンクW上部の加圧部Uを加圧することによりスラリは安定してフイルタプレスFPに送り込まれる。スラリタンクWのスラリ溜部とその上部の加圧部Uとは、タンクW内で上下に動くフロートFで仕切られている。このフロートFはタンクWの内壁との間で密閉式にされてもよい。また、このフロートFのため圧縮空気中にある成分がスラリ中に溶け込むことがない。またタンクW内において不必要な気流の発生がない。また上記の圧縮空気の代わりに油又は他の気体又は水などを用いてもよい。この場合は上記の空気圧縮装置Hは油圧装置又は加圧用水タンク等に換える。また上記例においては、スラリタンクWもスラリの循環系内にあるので、スラリ中に適当な大きさで分散している固形分が壊されずにフイルタプレスFPに送り込むことができる。また、上記スラリ循環ポンプSの運転は、スラリ循環ラインの固定板D(可動板E)近くの通路に該通路の圧力を測定する圧力計(図示略)を設け、また可動板E (固定板D )近くの通路に該通路の圧力を測定する圧力計(図示略)を設けて、両通路における差圧をとり、この差圧でスラリ循環ポンプSの運転を制御するようにしてもよい。
【出願人】 【識別番号】000142573
【氏名又は名称】株式会社栗田機械製作所
【出願日】 平成4年10月29日(1992.10.29)
【代理人】 【識別番号】100062144
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外2名)
【公開番号】 特開2003−205209(P2003−205209A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−323989(P2002−323989)