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【発明の名称】 アルカンジオール発泡制御剤
【発明者】 【氏名】ジョウエル・シュウォーツ

【氏名】チャールズ・ジェイムズ・リーダー

【氏名】ヴィム・ペーテル・ストウト

【氏名】クリスティーン・マリー・クレツ

【氏名】ヨン・ジン・リー

【要約】 【課題】水性組成物または工業プロセスの発泡を制御する方法を提供する。

【解決手段】この方法は式HOR13C−[CH2]n−CR24OHの化合物を発泡制御剤として利用することからなる。R1およびR2は、炭素原子3〜6個を有するアルキル基の群から独立に選択される。R3およびR4は独立に、炭素原子1〜2個を有するアルキル基である。nは1〜6の整数である。この化合物は、C12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%水溶液に0.2重量%添加されるとき、この溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じる。本発明は発泡制御剤を含有する水性組成物にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 式HOR13C−[CH2]n−CR24OH(式中、R1およびR2は、独立に炭素原子3〜6個を有するアルキル基の群から選択され、R3およびR4は独立に、炭素原子1〜2個を有するアルキル基であり、そしてnは1〜6の整数である)の化合物であって、C12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%水溶液に対して0.2重量%添加するときに、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じる化合物を発泡制御剤として用いることからなる、発泡制御剤を加入することにより水性組成物のまたは工業プロセスの発泡を制御する方法。
【請求項2】 R1およびR2が炭素原子4〜6個を有するアルキル基の群から独立に選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】 R3およびR4がメチルである請求項1に記載の方法。
【請求項4】 nが1〜4である請求項1に記載の方法。
【請求項5】 nが2である請求項1に記載の方法。
【請求項6】 R1およびR2が独立に炭素原子4〜6個を有するアルキル基の群から選択され、R3およびR4がメチルであり、そしてnが2であるる請求項1に記載の方法。
【請求項7】 化合物が2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオールである請求項1に記載の方法。
【請求項8】 化合物が2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールである請求項1に記載の方法。
【請求項9】 化合物はC12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%溶液に0.2重量%で添加されるとき、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも40%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じさせる請求項1に記載の方法。
【請求項10】 化合物はC12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%溶液に0.2重量%で添加されるとき、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも50%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じさせる請求項1に記載の方法。
【請求項11】 化合物はC12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%溶液に0.2重量%で添加されるとき、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じさせる請求項1に記載の方法。
【請求項12】 水性組成物が、保護的または装飾的コーティング;インク組成物;接着剤組成物;オーバープリントワニス;放射線硬化コーティング、インク、オーバープリントワニス、または接着剤組成物;または農業用組成物である請求項1に記載の方法。
【請求項13】 工業プロセスが油井ポンプ汲み上げ、石油ガス洗浄、清浄化または消毒、食品加工、パルプ製造または製紙、発酵、金属処理、ポリマー合成または化学合成、排水処理、あるいは織物の染色または仕上げである請求項1に記載の方法。
【請求項14】 発泡制御剤化合物が、性能上の他の利点を少なくとも1つ提供する請求項1に記載の方法。
【請求項15】 発泡制御剤が存在しないときより大きい発泡を示す、発泡制御剤を含有する水性組成物であって、この発泡制御剤が、発泡を制御する量で存在しまた式HOR13C−[CH2]n−CR24OH(式中、R1およびR2は、炭素原子3〜6個を有するアルキル基の群から独立に選択され、R3およびR4は独立に炭素原子1〜2個を有するアルキル基である)のアルカンジオールであり、この化合物がC12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%溶液に0.2重量%で添加されるとき、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じる、上記水性組成物。
【請求項16】 R1およびR2が炭素原子4〜6個を有するアルキル基の群から独立に選択される請求項15に記載の組成物。
【請求項17】 R3およびR4がメチルである請求項15に記載の組成物【請求項18】 nが1〜4である請求項15に記載の組成物。
【請求項19】 nが2である請求項15に記載の組成物。
【請求項20】 R1およびR2が炭素原子4〜6個を有するアルキル基の群から独立に選択され、R3およびR4がメチルであり、そしてnが2であるる請求項15に記載の組成物。
【請求項21】 化合物が2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオールである請求項15に記載の組成物。
【請求項22】 化合物が2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールである請求項15に記載の組成物。
【請求項23】 化合物はC12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%溶液に0.2重量%で添加されるとき、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも40%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じさせる請求項15に記載の組成物。
【請求項24】 化合物はC12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%溶液に0.2重量%で添加されるとき、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも50%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じさせる請求項15に記載の組成物。
【請求項25】 化合物はC12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%溶液に0.2重量%で添加されるとき、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じさせる請求項15に記載の組成物。
【請求項26】 無機鉱物または顔料である無機化合物あるいは顔料、重合可能なモノマー、乳濁液、オリゴマー樹脂、ポリマー樹脂、洗浄剤、除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、または植物生長変更剤である有機化合物を水中に含有する請求項15に記載の組成物。
【請求項27】 以下の成分:(a) 0〜50重量%の顔料分散剤、粉砕樹脂、またはこれらの混合物、(b) 0〜80重量%の着色顔料、エクステンダー顔料、腐食防止顔料、他の種類の顔料、あるいはこれらの混合物、(c) 5〜99重量%の水性、水分散性、または水溶性の樹脂、乳濁液またはこれらの混合物、(d) 0〜30重量%の滑動添加剤、抗微生物剤、処理助剤、またはこれらの混合物、(e) 0〜50重量%の凝集性のまたは他の溶媒、(f) 0.01〜10重量%の界面活性剤、湿潤剤、流動および平坦化剤、またはこれらの混合物、および(g) 0.001〜5重量%のアルカンジオールを含有するコーティング組成物を水性媒体中に30〜80重量%含む水性コーティング組成物である請求項15に記載の組成物。
【請求項28】 以下の成分:(a) 1〜50重量%の顔料、(b) 0〜50重量%の顔料分散剤、粉砕樹脂、またはこれらの混合物、(c) 0〜50重量%樹脂溶液ベヒクル中の粘土ベース、(d) 5〜99重量%の水性、水分散性、水溶性の樹脂、(e) 0〜30重量%の凝集性のまたは他の溶媒、(f) 0.01〜10重量%の処理助剤、溶解化剤、またはこれらの混合物、(g) 0.01〜10重量%の界面活性剤、湿潤剤、またはこれらの混合物、および(h) 0.001〜5重量%のアルカンジオールを含有するインク組成物を水性媒体中に20〜60重量%含む水性インク組成物である請求項15に記載の組成物。
【請求項29】 以下の成分:(a) 0.1〜50重量%の除草剤、殺虫剤、植物生長変更剤、またはこれらの混合物、(b) 0〜5重量%の染料、(c) 0〜20重量%の増粘剤、安定化剤、共界面活性剤、ゲル防止剤、またはこれらの混合物、(d) 0〜25重量%の凍結防止剤、(e) 0.01〜50重量%の界面活性剤、湿潤剤、またはこれらの混合物、および(f) 0.001〜5重量%のアルカンジオールを含有する農業用組成物を水性媒体中に0.2〜80重量%含む水性の農業用組成物である請求項15に記載の組成物。
【請求項30】 以下の成分:(a) 0.05〜10重量%のフィルム形成性、水溶性巨大分子、(b) 1〜25重量%のアルコール、グリコール、またはC2〜C12ポリオール、(c) 0.01〜20重量%の水溶性の有機酸、無機酸、またはこれらの塩、(d) 30〜70重量%の水、(e) 0.01〜5重量%の湿潤剤、および(f) 0.001〜5重量%のアルカンジオールを含有するファウンテン溶液組成物である請求項15に記載の組成物。
【請求項31】 以下の成分:(a) 2.5〜10重量%のブロックコポリマー、(b) 10〜25重量%のアルカノールアミン、(c) 2〜10重量%の有機一塩基酸、(d) 1〜5重量%の有機二塩基酸、(e) 50〜60重量%の水、(f) 1〜5重量%の殺生物剤、および(g) 0.001〜5重量%のアルカンジオールを含有する金属加工組成物である請求項15に記載の組成物。
【請求項32】 以下の成分:(a) 1〜5重量%の陰イオン界面活性剤、(b) 1〜5重量%の非イオン界面活性剤、(c) 0.1〜3重量%のカルボキシレート塩、(d) 1〜5重量%のグリコールエーテル、(e) 0.5〜3重量%の緩衝剤、(f) 80〜95重量%の水、および(g) 0.001〜5重量%のアルカンジオールを含有する硬質表面クリーニング組成物である請求項15に記載の組成物。
【請求項33】 以下の成分:(a) 0.1〜3重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、(b) 0〜4重量%のフェノール樹脂、(c) 88〜99.99重量%の水、および(d) 10〜50000ppmのアルカンジオールを含有するフォトレジスト現像液組成物である請求項15に記載の組成物。
【請求項34】 以下の成分:(a) 20〜80重量%の水性または水分散性樹脂、(b) 0〜20重量%のロウ、(c) 2〜50重量%の水、(d) 0〜20重量%の殺生物剤、光学的光沢剤、架橋剤、または耐擦り切れおよび耐水用添加剤、(e) 0〜20重量%の共溶媒、(f) 0.01〜5重量%湿潤剤、および(g) 0.001〜5重量%のアルカンジオールを含有するオーバープリントワニス組成物である請求項15に記載の組成物。
【請求項35】 発泡制御剤化合物が性能上の他の利点を少なくとも1つ提供する請求項15に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の分野】本発明は発泡制御剤(foam controlling agent)としてのアルカンジオールの使用に関する。
【0002】
【発明の背景】多くの水性(waterborne)組成物への応用および工業プロセスにおいて発泡を制御しあるいはそれをなくすことは、応用での最適の性能および高いプロセス効率を得るのに重要である。水性コーティング、インク、接着剤、および農業用処方物のような応用での、また油井ポンプ汲み上げ、石油ガス洗浄、清浄化および消毒、食品加工、パルプ製造および製紙、発酵、金属処理、ポリマー合成および化学合成、排水処理、ならびに織物の染色および仕上げのような工業プロセスでの発泡の制御および排除は技術上高く十分に評価される。
【0003】泡は製造能力の低下、効率および装置の問題につながる可能性があるので、発泡制御剤がポリマーの製造および処理に広く用いられる。特に、未反応のモノマーをポリマー製品からストリッピングする際に、酷い発泡問題が普通生じる。
【0004】好ましくない発泡は、普通の多くの工業プロセスでの非効率な混合、劣悪な生産性、槽容量の減少および装置の故障につながる可能性がある。例えば、掘削、産油、刺激処理、蒸留、抽出、ガスおよび液体洗浄そして他の操作のような製油所プロセスでの発泡は、多くの操作上の困難を生じそして顕著な経済的結果を生む。酸性ガスのスイートニングにおいては、二酸化炭素および硫化水素のようなガスはアミン水溶液での洗浄によって除去される。このプロセスの洗浄または再生段階の両方に際して、問題となる発泡が起きるであろう。
【0005】コーティングのような応用の場合、コーティングを基材に噴霧、ロール塗り、または刷毛塗りするという動的性質のため、空気が系内に入り、それ自体は泡の形をとる。この泡は、少ない光沢または劣悪な表面被覆といった要因のため、コーティングの破損を惹起するおそれがある。クリーニングの応用では、少量の制御された泡がクリーニングに際して必要であるが、泡が多すぎると、汚損した物品をクリーニングしそしてリンスするについて想定される時間に影響する可能性がある。消泡剤および発泡防止剤は、問題化する発泡を減少しあるいは排除するのに使用する添加剤である。『発泡防止剤』という用語は泡の形成を防止する長期にわたって作用する添加剤をさす。『消泡剤』という用語は存在する泡を無くし、あるいは少なくとも減少させる添加剤をさす。本記載で用いる場合、『発泡制御剤』という用語は、多くの応用および過程で泡の防止および泡の排除の双方が必要であるので、泡を防止しそして/あるいは排除/減少する添加剤をさす【0006】発泡制御剤は、多くの応用において、湿潤、分散、乳化、溶解化、流動および平坦化、接着、そして光沢のような補助的なプラスの表面特性を付与するのが好ましい。例えば湿潤剤として作用する消泡剤および発泡防止剤は、コーティング、インク、接着剤および農業用処方物中で表面張力を著しく低下させる。加えて、このような多機能性物質は水性組成物中の湿潤剤を減少しまたはなくすことができ、添加剤の総量を減少することができる。ある物質が水性処方物中で湿潤剤として働く能力は、それが水の表面張力を減少させる能力によって決まる。系が静止している時、平衡表面張力の性能が重要である。しかしながら、動的条件下で表面張力を減少する能力は、大きな表面形成速度を利用する応用で著しく重要である。このような応用には、コーティングの噴霧、ローラー塗りおよび刷毛塗り、接着剤または農業用処方物、または高速グラビア印刷またはインクジェット印刷がある。動的表面張力は、ある物質が表面張力を減少しそして高速の施用条件下で湿潤を行う能力の尺度を与える基礎的な量である。空気の同伴および泡の形成が問題であるのは、このような高速の施用条件の下でもある。
【0007】湿潤を行うためにジオクチルナトリウムスルホンスクシネート(DOSS)のような添加剤がしばしば用いられる。これの使用にしばしば伴う悪影響は大量の泡であり、このために泡を制御するために消泡剤として第2の添加剤を使用する必要が生じるであろう。従って、単一の薬剤が一層優れた発泡制御を行いまた、湿潤、流動および平坦化、腐食防止、乳化、接着、光沢、および/または分散のような他の性能特性に強い影響を与える能力は、コーティング、インク、接着剤、クリーニング、半導体、染料または顔料製造、金属の加工および仕上げ、農業用処方物、パルプおよび紙、油およびガスの応用、化学品、乳濁液、および医薬品の製造、食品および飲料の処理、廃水処理、ならびに織物の製造および加工のような応用分野で高く評価されている。
【0008】エチレングリコールまたはプロピレングリコールのようなアルカンジオールは、コーティング、インク、および接着剤処方物のような分野で溶媒として最も普通に知られている。これを処方物に添加するのは、固形物の水準を低下し、凍結−融解の利益を与え、あるいは(より大きい使用水準で)湿潤を強化するためであるが、これが多機能性の発泡制御剤としては報告されていることはない。
【0009】US 2,992,278 は1,4−飽和ジオールを製造する方法について記載している。J. Org. Chem., 1962,27,2398 は、対称的に置換された1,4−アセチレングリコールの水素化および水素化分解についてさらに詳述している。いずれも、これらの製品の性能について論じていない。
【0010】I & EC Product Research Development, 1965, 4,236 中には2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール(HTMDD)が、そのアセチレン類縁体の2,4,7,9−テトラメチルデシン−4,7−ジオール(HMDD)に比較して湿潤特性が劣るものの、湿潤剤として報告されている。HTMDDのエトキシル化された様々な誘導体について発泡制御データが報告されているが、HTMDDそのもの発泡制御の情報は報告されていない。
【0011】GB 843,379 は、スルホネート界面活性剤とともに使用するときに、シャンプー組成物に泡安定性を付与する相溶性の溶解化剤としてのアセチレンジオールおよびアルカンジオールを記載している。特に、8〜20重量%の界面活性剤、6〜50重量%の脂肪酸アルキロールアミドとともに、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール(DMODまたは Surfynol(登録商標) 82)、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール(DMHDまたはDH)、または3,6−ジメチルオクタン−3,6−ジオール(HDMOD)を6〜50重量%の量含有するシャンプー組成物が開示されている。これらの処方物は安定性の良好な泡を大量に与えるといわれている。処方物中に含まれる成分の組み合わせのため、製品のこの組み合わせはこの性能特性において有効であるので、アルカンジオール、HDMODは実際には泡を増加し、それを制御または減少しない。
【0012】US 4,287,080 は改良された洗浄剤組成物を記載している。この組成物の肝要な部分は、最も広くいうならば、1分子あたりの炭素原子が少なくとも5つそして100より少ない、0.5〜50%の第3級アルコールである成分である。多くの第3級アルコールが記載されているが、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチル−2−プロパノール、および2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール(HDMHD)のような例の間での性能の差異については何も述べられていない。
【0013】US 4,692,277 には硬質表面の液体クリーナ中に成分として含まれるC8〜C12ジオールが開示されているが、その発泡性能については何も述べられていないUS 5,808,110、US 3,330,871、および WO特許93/18431 には、安全な溶媒としてまたは液晶のための添加剤としてアルカンジオールの使用が論じられている。これらの開示はいずれも、コーティング、インクおよび接着剤に応用するために、発泡制御剤または湿潤剤もしくは流動および平坦化剤としてこれらを使用することについて何も述べていない。
【0014】
【発明の概要】本発明は、発泡制御剤を含めることにより水性組成物または工業プロセスの発泡を制御する方法に関する。この方法は式HOR13C−[CH2]n−CR24OHの化合物を発泡制御剤として利用することを含む。R1およびR2は、炭素原子3〜6個を有するアルキル基の群から独立に選択される。R3およびR4は独立に、炭素原子1〜2個を有するアルキル基である。nは1〜6の整数である。この化合物は、C12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%水溶液に0.2重量%添加されるとき、この溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じる。
【0015】本発明は発泡制御剤を含む水性組成物であって、発泡制御剤の不存在ではより大きい発泡を示す組成物にも関する。発泡制御剤は発泡を制御する量で存在するアルカンジオールであり、式HOR13C−[CH2]n−CR24OHを有する。R1およびR2は、炭素原子3〜6個を有するアルキル基の群から独立に選択される。R3およびR4は独立に、炭素原子1〜2個を有するアルキル基である。nは1〜6の整数である。この化合物は、C12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%水溶液に0.2重量%添加されるとき、この溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生成する。
【0016】
【発明の詳述】本発明は発泡制御剤としてアルカンジオールを使用することに関する。多くの場合、このアルカンジオールは強化された湿潤、光沢、接着、および/または平坦化のような他の性能上の利益を提供する。この発泡制御剤の優れた消泡および発泡防止特性は、泡の減少、防止または破壊がそこにおいて重要である施用および過程にこの物質が応用可能であることを示唆する。このような応用には、保護的および装飾的コーティング、インク、接着剤、農業用処方物、油井ポンプ汲み上げ、石油ガス洗浄、清浄化および消毒、食品加工、パルプおよび紙の処理、発酵、金属処理、ポリマー合成および化学合成、排水処理、ならびに織物の染色および仕上げがある。加えて、この物質は水性組成物の動的表面張力も減少する能力を有する。性能特性のこのような組み合わせは、泡を制御しそして無くすためにこの物質を使用することを可能にし、応用での有害な作用は著しく少なく、コーティング、インクおよび接着剤中でこの物質を極めて有用にする。さらに、この発泡制御剤の湿潤能力のため、下流での応用においてマイナスの欠陥を出現させることなく、この物質をポリマーの製造および処理に利用することができる。
【0017】泡を減少する添加剤の能力は、水をベースとするコーティング、インク、ファウンテン溶液、接着剤、金属加工液体、農業用処方物、およびエレクトロニックケミカルの性能に対して重要である。系における発泡がより少ないことは、製造に際して通入量をより多くすることができ、また使用する際に処方物または製品の性能がより良いことを意味する。ただ1つではない性能上の利益を与える発泡制御剤は高く評価されまたしばしば大きな経済的利益があると考えられる。加えて、全処方物に対する揮発性有機化合物(VOC)の量が多くない液体としてこのような製品を有することは有利である。ここに記載するアルカンジオールはこれらの性能上の利益を確保する。
【0018】本発明のアルカンジオールは多機能の発泡制御剤を、消泡および発泡防止の性能を有するのみならず、強化された湿潤、平坦化、および光沢、少ない欠陥および他のプラスの審美的な特性の独特な組み合わせを付与するものにまで拡大させる。加えて、コーティング、インク、接着剤、ファウンテン溶液、農業用処方物、金属加工液体、およびエレクトロニックケミカルを含めて水性の多数の組成物中でこの界面活性剤を使用することが可能である。
【0019】ここで用いる場合、『水をベースとする』、『水性』、『水性』または『水性媒体』という用語は、水を含む、好ましくは水を少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%含む溶媒または液体分散媒体を意味する。すべてが水の媒体もまた含まれる。
【0020】本発明の他の態様では、発泡制御剤は他の性能のうち特に、欠陥の最小化、平坦化性能、光沢、および汚染抵抗を特に改善する湿潤剤として使用することができる。
【0021】コーティング、インク、接着剤、ファウンテン溶液、農業用処方物、エレクトロニックケミカル処方物、およびクリーニング処方物、そしてまた金属の加工および仕上げ、油およびガスの処理、パルプおよび紙の処理、廃水処理、そして染料、顔料、織物、乳濁液、化学薬品および医薬品の製造のような領域での処理助剤のような水性の組成物中でこのアルカンジオールを多機能性の発泡制御剤として使用すると顕著な利点がある。この利益には、匂いおよび色が僅少である発泡制御剤;活性成分が100%を占め、従って担体溶媒、流体または他の添加剤を必要としない発泡制御剤;汚染した表面でさえ著しく湿潤されるように、水性コーティング、インク、接着剤、農業用処方物およびクリーニング処方物の動的表面張力を減少することができる発泡制御剤;慣用の発泡制御剤に関連して通常認められるコーティングまたは印刷の欠陥の減少;水性の系または高速で操作される過程の湿潤性能の改善;揮発性有機物の含有率が低く、処方物を環境の対して好都合にする水性のコーティング、インクおよび接着剤があるが、これらに限定されない。
【0022】上記したように、本発明は発泡制御剤を含ませることにより、水性組成物または工業プロセスの発泡を制御する方法を提供する。この方法は発泡制御剤として式HOR13C−[CH2]n−CR24OHの化合物を利用する。
【0023】R1およびR2は、炭素原子3〜6個、好ましくは4〜6個、そして最も好ましくは4〜5好ましくはを有するアルキル基の群から独立に選択される。R3およびR4は独立に、炭素原子1〜2個を有するアルキル基であり、メチル基であるのが好ましい。nは1〜6、好ましくは1〜4、一層好ましくは1〜3、そして最も好ましくは2の整数である。
【0024】好ましい態様において、R1およびR2は、炭素原子4〜6個を有するアルキル基の群から独立に選択され、R3およびR4はメチルであり、またnは2である。好ましい他の態様で、化合物は2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオールである。さらに好ましい他の態様で、化合物は2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオールである。
【0025】発泡制御剤は、C12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%水溶液に0.2重量%添加されるとき、この溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度または終期(t=10分)発泡密度を生じさせる。この化合物は、C12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%水溶液に0.2重量%添加されるとき、このC12〜C1512溶液の発泡密度より少なくとも40%大きい、そして最も好ましくは少なくとも50%大きい初期発泡密度または終期発泡密度を生じるのが好ましい。発泡制御剤は、C12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%水溶液に0.2重量%添加されるとき、この溶液の発泡密度より少なくとも30%大きい初期(t=0分)発泡密度および終期(t=10分)発泡密度を生じさせるのが好ましい。この化合物は、C12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)の0.5重量%水溶液に0.2重量%添加されるとき、この溶液の発泡密度より少なくとも40%大きい、そして最も好ましくは少なくとも50%大きい初期発泡密度および終期発泡密度を生じさせるのが好ましい。Blender FoamTest としても知られ、ここで採用される第1級アルコールエトキシレート(PAE)は、Am. Soc. For Testing Materials, Method D3519-88, Philadelphia,PA, 1953 に記載されており、この開示は参照によって本明細書に加入される。この試験で使用する第1級アルコールエトキシレートは Neodol(登録商標) 25-12、つまりC12〜C15の第1級アルコールの12モルエトキシレート(C12〜C1512)である。
【0026】アルカンジオールは、無機鉱物または無機顔料である無機化合物、あるいは顔料、重合可能なポリマービニルモノマーの付加または縮合ポリマーの水性懸濁液である乳濁液、オリゴマー樹脂、ポリマー樹脂、洗浄剤、苛性クリーニング剤、除草剤、殺真菌剤、殺虫剤、または植物生長変更剤である有機化合物を水中に含有する水性組成物中で使用するのが好適である。
【0027】発泡の制御は様々な試験方法によって測定することができ、これらの方法にはすべて、系内に空気を同伴するように液体の撹拌または運動が関与し、引き続いて、液体の表面にまたは液体内で泡としてそれ自体出現する同伴された空気がつぶされる。薬剤の発泡防止能力の指標は系の初期発泡高さ、体積または密度として記録される。薬剤の消泡能力は泡を部分的にまたは完全に破壊するのに必要な時間によって示される。消泡剤単独の発泡の挙動を測定するための標準的な試験(実施例6)は Ross-Miles 発泡試験(Am. Soc. For Testing Materials, Method D1173-53, Philadelphia, PA, 1953)であり、実施例1〜5および7に記載のように、成分が1つより多い系では、Am. Soc. For Testing Materials, Method D3519-88, Philadelphia, PA, 1953 に記載のいろいろな形の Blender FoamTest が普通用いられ、参照によって本記載に加入されている。実施例1〜5および7において言及される応用分野で必要な発泡制御は様々であるので、本発明者の研究での撹拌方法は変更される(実施例2については Red Devil Shaker、実施例3および4については Dispermat および実施例1〜5および7については Waring Blender)が、実施例1〜5および7についての比較はすべて、以下に『発泡密度』と称される、試料の重量を泡および液体の体積で除したものによって行われる。Blender Foam Test 方法は5分における終期な測定を必要とするが、本発明者は各々の応用分野にとって重要である時間間隔で発泡密度を測定した。発泡制御の意義は応用分野ごとに変わるであろうが、本発明の重要な要素は、撹拌のタイプとはかかわりなく、興味あるアルカンジオール剤は多成分系中で有効な発泡制御剤である。
【0028】多機能の発泡制御剤が有するであろう別な利益は、湿潤化を始めとするがこれに限定されない。動的表面張力を測定する Maximum Bubble Pressre 法は、Langmuir, 1986, 428〜432 に記載されており、参照によって本記載に加入されている。所与の系にとって必要な表面張力の減少は、その応用において被覆されまたは濡らされる必要のある表面に著しく依存する。
【0029】水をベースとし、有機化合物を含有する組成物の泡を減少させ、または無くするのに有効なアルカンジオールの量は、処方物の全重量に基づき0.001〜20重量%、好ましくは0.001〜10重量%そして最も好ましくは0.001〜5重量%の範囲にあってよい。最も有利な量は、当該の系内の発泡に寄与する化学種に依存し、応用ごとに異なる。
【0030】本発明の発泡制御剤が添加されてよい、水をベースとする典型的な装飾的または保護的コーティング処方物は、水性媒体中に以下の成分を固形物で30〜80%含むであろう。
水をベースとする典型的なコーティング処方物 0〜50重量% 顔料分散剤/粉砕樹脂 0〜80重量% 着色顔料/エクステンダー顔料/腐食防止顔料/ 他の種類の顔料 5〜99重量% 水性、水分散性、または水溶性樹脂 0〜30重量% 滑動添加剤/抗菌剤/処理助剤 0〜50重量% 凝集性のまたは他の溶媒 0.01〜10重量% 界面活性剤/湿潤剤/流動および平坦化剤 0.001〜5重量% アルカンジオール発泡制御剤【0031】本発明の発泡制御剤が添加されてよい、水をベースとする典型的なインク組成物は、水性媒体中に以下の成分を固形物で20〜60%含むであろう。
水をベースとする典型的なインク組成物 1〜50重量% 顔料 0〜50重量% 顔料分散剤/粉砕樹脂 0〜50重量% 適当な樹脂溶液ベヒクル中の粘土ベース 5〜99重量% 水性、水分散性、または水溶性樹脂 0〜30重量% 凝集性溶媒 0.01〜10重量% 界面活性剤/湿潤剤 0.01〜10重量% 処理助剤/溶解化剤 0.001〜5重量% アルカンジオール発泡制御剤【0032】本発明の発泡制御剤が添加されてよい、水をベースとする典型的な農業用組成物は、水性媒体中に以下の成分を固形物で0.2〜80%含むであろう。
水をベースとする典型的な農業用組成物 0.1〜50重量% 殺菌剤または植物生長変更剤 0.01〜10重量% 界面活性剤 0〜5重量% 染料 0〜20重量% 増粘剤/安定化剤/共界面活性剤/ゲル化防止剤 0〜25重量% 凍結防止剤 0.01〜50重量% 湿潤剤 0.001〜5重量% アルカンジオール発泡制御剤【0033】本発明の発泡制御剤が添加されてよい、平版印刷用の典型的なファウンテン溶液は、以下の成分を含むであろう。
平版印刷用の典型的なファウンテン溶液 0.05〜10重量% フィルム形成性で水溶性の巨大分子 1〜25重量% アルコール、グリコールまたは炭素原子2〜12個の ポリオール 0.01〜20重量% 水溶性の有機酸、無機酸、またはこれらの塩 30〜70重量% 水 0.01〜5重量% 湿潤剤 0.001〜5重量% アルカンジオール発泡制御剤【0034】本発明の発泡制御剤が添加されてよい、典型的な金属加工液体は、以下の成分を含むであろう。
典型的な金属加工液体2.5〜10重量% プロックコポリマー10〜25重量% アルカノールアミン2〜10重量% 有機一塩基酸0〜5重量% 有機二塩基酸50〜60重量% 水1〜5重量% 殺生物剤0.001〜5重量% アルカンジオール発泡制御剤【0035】本発明の発泡制御剤が添加されてよい、典型的な硬質表面クリーナーは、以下の成分を含むであろう。
典型的な硬質表面クリーナー処方物1〜10重量% 陰イオン界面活性剤1〜10重量% 非イオン界面活性剤0.1〜3重量% カルボキシレート塩1〜10重量% グリコールエーテル0.5〜3重量% 緩衝剤60〜95重量% 水0.001〜5重量% アルカンジオール発泡制御剤【0036】本発明の発泡制御剤が添加されてよい、水をベースとする典型的なフォトレジスト現像剤または電子部品クリーニング組成物は、以下の成分を含むであろう。
水をベースとする典型的なフォトレジスト現像剤組成物 0.1〜3重量% テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 0〜4重量% フェノール樹脂 88〜99.99重量% 水 10〜50000ppm アルカンジオール発泡制御剤【0037】本発明の発泡制御剤が添加されてよい、典型的な加圧オーバープリントワニスは、以下の成分を含むであろう。
典型的なオーバープリントワニス 20〜80重量% 水性または水分散性の樹脂 0〜20重量% ロウ 2〜50重量% 水 0〜20重量% 殺生物剤/光学的光沢剤/架橋剤/耐擦り切れおよび 耐水用添加剤 0〜20重量% 共溶媒 0.01〜5重量% 湿潤剤 0.001〜5重量% アルカンジオール発泡制御剤【0038】
【実施例】参照によって本記載に加入されている US 2,992,278 中に記載の方式を僅かに変更したものによってすべてのアルカンジオールを製造した。これらの生成物はガスクロマトグラフィー/質量分析法、および核磁気共鳴(NMR)分析法によって特徴把握した。製造したアルカンジオールはすべて純度が95%をこえた。実施例6は、水中のHTMDD(2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール)およびHTMDDD(2,5,8,11−テトラメチルドデカン−5,8−ジオール)の泡の挙動を、特にこれらのアセチレン類縁体であるそれぞれ Surfynol(登録商標) 104(S104、2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオールTMDD)およびTMDDD(2,5,8,11−テトラメチルドデシン−5,8−ジオール)界面活性剤と対比して示す。実施例1では多機能性の発泡制御剤を評価するために用いる標準的な試験を述べる。実施例2〜5は、模型のコーティングおよびグラフィックアート用処方物中で使用されるブランクコントロール添加剤および他の添加剤に比較して改善された発泡制御および外見、平坦化、および湿潤のような他の利益を示す。別記しないかぎり、実施例1〜5において尺度が用いられる場合、その数が大きいほど性能が良い。実施例7は、先行技術において示されている化合物の発泡の挙動が劣悪であることを実証する比較例である。
【0039】実施例1湿潤剤および乳化剤で得られる性能上の利益広範囲の系で消泡剤を広く応用できることを理解するためには、系の最も発泡性である要素に消泡剤がいかに反応するかを理解するのが役立つ。このために本発明者は消泡剤の湿潤剤または乳化剤との組み合わせの泡の挙動を調べた。Waring Blender 撹拌法(30秒)を用いる Blender Foam Test を採用し、そして発泡密度をt=0分およびt=10分に測定した。この試験の結果を以下に示す【0040】
【表1】

【0041】上記の表に示すごとく、DOSSと組み合わせるときHTMDDDの消泡性能は、試験した他のあらゆる生成物の性能およびブランクの性能より良好であった。この利点は10分データおよび泡を破壊するのに必要な時間の両方によって示された。HTMDDDおよびTMDDDの強力な発泡防止性能は、t=0分での泡データによって明らかに示された。第1級アルコールエトキシレート(PAE)と組み合わせるときのHTMDDDの発泡防止性能と、HTMDDおよびTMDDDの発泡防止性能は、t=0分での泡データによって明瞭に認められた。ベンチマーク消泡剤(アルコールアルコキシレートD)のおよびブランクコントロールの泡性能はいずれも、DOSSまたはPAEのいずれかと組み合わせるときのアルカンジオール発泡制御剤の性能には達しなかった。水中の単独の消泡剤の挙動(実施例6)とは異なりHTMDDDおよびTMDDDの双方の消泡性能および発泡防止性能は、HTMDDおよびTMDDのそれらより良好であり、HTMDDおよびTMDDのそれらはブランクおよびアルコールアルコキシレートDのそれらより良好であった。
【0042】実施例2工業的な保守コーティングでの性能上の利益以下の処方物に本発明の多機能性の発泡制御剤を添加した。
量(g) 粉砕物: アクリル乳濁液(Maincote HG-54) 42.15 分散剤(Tamol 681) 0.96 水酸化アンモニウム 0.11 粉砕物消泡剤(Drewplus L-405) 0.25 顔料(Ti-Pure R900 HG) 13.45 レオロジー変更剤(Acrysol RM825) 0.05 稀薄化物:アクリル乳濁液(Maincote HG-54) 33.56 可塑化物(Texanol) 4.71 消泡剤(Drewplus Y-250) 0.37 湿潤剤/消泡剤(HTMDD) 0.98 水酸化アンモニウム 0.42 亜硝酸ナトリウム 0.86 水 2.08 レオロジー変更剤(Acrysol RM825) 0.05 合計 100.00【0043】処方物の粉砕物の部分は、顔料骨材が剪断によって1次粒子へと粉砕されそして立体および/または静電気安定化を通じて分散されるように、分散剤の存在で乾燥顔料を粉砕することに関連がある。粉砕物中に添加されている消泡剤は高剪断粉砕操作で生成した。粉砕物は次いで、コーティングに色彩を均等に与える目的で、バインダー(乳濁液)と溶媒との混合物に粉砕物を添加することにより希薄化した(あるいは希釈した)。希薄化段階で使用する消泡剤は、ある程度の発泡制御を果たすために添加し、また、湿潤化、流動および平坦化、泡性能を強化し、乾燥した終期なコーティングの一般的外見を良くするために湿潤剤/消泡剤(HTMDD)を添加した。アルカンジオールの使用を処方物の調製の段階に限定するために、処方物の希薄化部分中にアルカンジオールを使用することは考えなかった。
【0044】
【表2】

【0045】上記に示したように、HTMDDは他のすべての添加剤より良い発泡制御を果たし、すべての添加剤は処方物に対してある程度の泡を与えた。アルカンジオールHTMDDは、他のすべての添加剤にそしてブランクコントロールに比較して、ピンホール(UおよびC)そして20および60度の光沢(UおよびC)に関して一層優れた性能をやはり示した。ブランクコントロールおよび他のほとんどの添加剤と比較して優れた接着性を認めた。
【0046】実施例3木材のコーティングでの性能上の利益本発明の多機能発泡制御剤を以下の処方物に添加した。
量(g) アクリル乳濁液(Neocryl XK-12) 77.7 脱イオン水 10.8 水酸化アンモニウム,25% 5滴 溶媒(ブチルグリコール) 4.7 凝集添加剤(Lusolvan FBH) 0.5 ロウ添加剤(Aquacer 513) 3.8 増粘剤(Coatex BR-100-P, 1:1 水) 0.5 つや消し剤(Deuteron MK) 1.0 消泡剤(HTMDD) 1.0【0047】
【表3】

【0048】上記のデータから認められるように、HTMDDは上記の処方物中で、他の添加剤およびブランクコントロールと比較して改善された泡性能を示した。HTMDDの湿潤性能はブランクのそれよりかなり良好であり(より低く)また他のほとんどの添加剤のそれより良好であるか等しかった。平坦化およびピンホールの領域において、ブランクコントロールおよびいくつかの添加剤に関して追加の利益が認められた。
【0049】実施例4自動車の下塗りコーティングでの性能上の利益本発明の多機能発泡制御剤を以下の処方物に添加した。
量(g) ポリエステル樹脂(Bayhydrol D270) 18.49 脱イオン水 33.86 変性されたPU樹脂(Bayhydrol FT 145) 14.70 ジメチルエタノールアミン(100%) 0.35 粉砕助剤(Additol XW 395) 0.49 カーボンブラック顔料(Specialschwarz 4) 0.03 TiO2顔料(Tronox R-FD-I) 10.23 充填剤(Blanc Fixe Micro) 13.62 充填剤(Talkum IT Extra) 3.93 メラミンーホルムアルデヒド樹脂 3.30 消泡剤(HTMDD) 1.00【0050】
【表4】

【0051】上記のデータによって示されるように、HTMDDの発泡制御性能は、ブランクコントロール、TMDD、そして他のほとんどの添加剤より優れていた。このデータはやはり、試料の表面張力がコントロールおよびたのほとんどの添加剤と比較して改善した(より低い)ことを例証した。ピンホールがより少なくまた平坦化が良好であるという追加的利益のため、HTMDDは、特に発泡制御を重視するとして、全般的性能に関して性能が最高である添加剤となった。
【0052】実施例5包装用インクでの性能上の利益本発明の多機能発泡制御剤を以下の処方物に添加した。
量(g) アクリル乳濁液(Joncryl 624) 45.0 顔料分散体(Flexiverse BFD-1121) 45.0 ロウ乳濁液(Jonwax 26) 5.0 水 4.0 消泡剤(HTMDD) 1.0【0053】
【表5】

【0054】上記したデータに示すように、HTMDDは発泡制御性能に優れるのみならず、印刷性に対するプラスの影響、プレートの膨潤に対する僅かな影響、そして光沢に対するプラスの影響において優れた。これらの特性に関して、それは、ブランクコントロールそしてまた競合的製品および Surfinol(登録商標) 104PA(S104PA) に比較して最良の性能を示した。
【0055】実施例6水中のHTMDDおよびHTMDDDの泡性能0.1重量%のHTMDDおよびHTMDDDの泡性能を、Ross-Miles 発泡試験を用いてそれぞれ Surfinol(登録商標)104 およびTMDDDの性能と比較した。
【0056】
【表6】

【0057】上記に報告したように、Surfinol(登録商標) 104 およびHTMDDの消泡および発泡防止の性能は、水中でのHTMDDDおよびTMDDDのそれと同じでありまたそれより良好であった。TMDDDの消泡および発泡防止の性能は、HTMDDDのそれとは異なり、HTMDDDはより大きい初期泡高さを示し、つまり泡がより多く、この試験方法で発生した泡を破壊するのにより長い時間が必要であった。
【0058】実施例7先行技術の実施例との比較背景技術において述べたアルカンアルコールおよびアルカンジオールの組み合わせに対して、湿潤剤または乳化剤を用いて実施例1と類似の発泡試験を実施した。以下のデータは、Surfinol(登録商標) 61(S61)、DMOD(3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールまたは Surfinol(登録商標) 82)、HDMOD(3,6−ジメチルオクタン−3,6−ジオール)およびHDMHD(2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールまたはDH−S)は消泡しないことを示したのみならず、この検討で使用したDOSSおよびPAEに泡を実際に追加した。先行技術では第3級アルカンジオールおよびモノアルコールの性能の間に差異がないので、S61、DMOD、HDMOD、HDMHD、HTMDDおよびHTMDDDのような添加剤の泡性能が同じであろうことが先行技術から推論されるであろう。しかしながら、このデータはTMDDDおよびHTMDDDの発泡防止および消泡の性能が、S61、HDMOD、DMOD、およびブランクコントロールより良いという予想外の結果を明瞭に示した。
【0059】
【表7】

【出願人】 【識別番号】591035368
【氏名又は名称】エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【出願日】 平成14年9月30日(2002.9.30)
【代理人】 【識別番号】100091731
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 千嘉 (外1名)
【公開番号】 特開2003−205203(P2003−205203A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−285311(P2002−285311)