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【発明の名称】 ガス処理方法及びガス処理装置
【発明者】 【氏名】金子 芳昭
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】青柳 広美
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【氏名】西口 敏司
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【要約】 【課題】揮発性有害物質を含有するガスを無害化するに際して、装置コスト・運転コストの低減化及びエネルギー効率の向上を図ることができ、処理流量の増加を図ることが可能となるガス処理方法及びガス処理装置を提供する。

【解決手段】揮発性有害物質を含有するガスを無害化するガス処理方法において、揮発性有害物質を吸着除去する複数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、これらの処理部によって前記揮発性有害物質を含有するガスを無害化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】揮発性有害物質を含有するガスを無害化するガス処理方法において、揮発性有害物質を吸着除去する複数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、これらの処理部によって前記揮発性有害物質を含有するガスを無害化することを特徴とするガス処理方法。
【請求項2】前記複数の吸着除去部において、該複数の吸着除去部の一方で揮発性有害物質を吸着除去している間に、他方の吸着除去部において吸着除去によって生じた揮発性有害物質を減容濃縮し、これを放電処理部で放電処理することを特徴とする請求項1に記載のガス処理方法。
【請求項3】前記減容濃縮は、前記吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を加熱により脱着濃縮することによって行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス処理方法。
【請求項4】前記複数の吸着除去部は、ガス導入部と放電処理部との間に配置され、前記ガス導入部と前記複数の吸着除去部との間の濃度測定器によって演算された揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記吸着除去する処理から前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に動作移行することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のガス処理方法。
【請求項5】前記濃度測定器によって演算された揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記一方における吸着除去部での吸着除去による処理を前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に切り替えると共に、前記他方における吸着除去部での減容濃縮する処理を吸着除去による処理に切り替え、これらの処理を同時に併行して行うことを特徴とする請求項4に記載のガス処理方法。
【請求項6】前記吸着除去部は、揮発性有害物質を吸着するための吸着剤が充填された槽を有し、前記揮発性有害物質を含有するガスを流通させ、該揮発性有害物質を吸着除去することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス処理方法。
【請求項7】前記放電処理部は、無機誘電体が充填された槽を有し、該槽内において該無機誘電体で生起された放電により、該槽内を流通する揮発性有害物質を分解処理することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス処理方法。
【請求項8】前記放電処理部に充填される無機誘電体は、強誘電体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス処理方法。
【請求項9】前記無機誘電体が、粒状体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のガス処理方法。
【請求項10】前記放電処理部において、前記無機誘電体で生起された放電により、減容濃縮してガス状にされた揮発性有害物質を常圧下においてプラズマ化することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のガス処理方法。
【請求項11】揮発性有害物質を含有するガスを無害化するガス処理装置において、揮発性有害物質を吸着除去する複数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、これらの処理部によって前記揮発性有害物質を含有するガスを無害化することを特徴とするガス処理装置。
【請求項12】前記複数の吸着除去部において、該複数の吸着除去部の一方で揮発性有害物質を吸着除去している間に、他方の吸着除去部において吸着除去によって生じた揮発性有害物質を減容濃縮する構成と、前記減容濃縮された揮発性有害物質を放電処理する放電処理部と、を有することを特徴とする請求項11に記載のガス処理装置。
【請求項13】前記複数の吸着除去部は、前記吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を加熱により脱着濃縮する手段を有することを特徴とする請求項11または請求項12に記載のガス処理装置。
【請求項14】前記複数の吸着除去部は、ガス導入部と放電処理部との間に配置され、前記ガス導入部と前記複数の吸着除去部との間の濃度測定器によって演算された揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記吸着除去する処理から前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に動作移行する構成を備えていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のガス処理装置。
【請求項15】前記濃度測定器によって演算された揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記一方における吸着除去部での吸着除去による処理を前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に切り替えると共に、前記他方における吸着除去部での減容濃縮する処理を吸着除去による処理に切り替え、これらの処理を同時に併行して行う構成を備えていることを特徴とする請求項14に記載のガス処理装置。
【請求項16】前記吸着除去部は、揮発性有害物質を吸着するための吸着剤が充填された槽を有し、前記揮発性有害物質を含有するガスを流通させ、該揮発性有害物質を吸着除去する構成を備えていることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項17】前記放電処理部は、無機誘電体が充填された槽を有し、該槽内において該無機誘電体で生起された放電により、該槽内を流通する揮発性有害物質を分解処理する構成を備えていることを特徴とする請求項11〜16のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項18】前記放電処理部に充填される無機誘電体は、強誘電体であることを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項19】前記無機誘電体が、粒状体であることを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項20】前記放電処理部は、前記無機誘電体で生起された放電により、減容濃縮してガス状にされた揮発性有害物質を常圧下においてプラズマ化する構成を備えていることを特徴とする請求項11〜19のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揮発性有害物質を含有するガスを無害化するためのガス処理方法及びガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、工場等から排出される揮発性有害物質の処理は、(1)吸着回収法、(2)触媒分解法、(3)燃焼法に大別できる。しかしこれらの方法については、処理対象ガスが大容量の場合、装置容積の大型化、燃焼による有害物質の生成、装置及び運転コストの高騰等の問題点を有し、いずれも満足できる物ではなかった。
【0003】一方、これらの問題を解決すべく非平衡プラズマ放電による揮発性有害物質の無害化処理の研究が進められている。非平衡プラズマ放電による無害化処理は、大気圧・室温での処理が可能である。また低濃度揮発性有害物質については、非常に高い効率で分解処理できることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記非平衡プラズマ放電による揮発性有害物質の無害化処理は、低濃度条件下では投入エネルギー当りの分解効率が低いため運転効率が非常に悪く、また処理流量が大きい場合は、装置を大規模化する必要があり、運転コスト、装置コストの高騰を招く問題点があった。また運転効率向上のために強誘電体と多孔質吸着剤を混合させ、濃縮分解を同一槽内で行う方法が提案されているが、処理流量が大きい場合は、装置を大規模化する必要がある。
【0005】そこで、本発明は、上記課題を解決し、揮発性有害物質を含有するガスを無害化するに際して、装置コスト・運転コストの低減化及びエネルギー効率の向上を図ることができ、処理流量の増加を図ることが可能となるガス処理方法及びガス処理装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために、(1)〜(20)のように構成したガス処理方法及びガス処理装置を提供するものである。
(1)揮発性有害物質を含有するガスを無害化するガス処理方法において、揮発性有害物質を吸着除去する複数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、これらの処理部によって前記揮発性有害物質を含有するガスを無害化することを特徴とするガス処理方法。
(2)前記複数の吸着除去部において、該複数の吸着除去部の一方で揮発性有害物質を吸着除去している間に、他方の吸着除去部において吸着除去によって生じた揮発性有害物質を減容濃縮し、これを放電処理部で放電処理することを特徴とする上記(1)に記載のガス処理方法。
(3)前記減容濃縮は、前記吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を加熱により脱着濃縮することによって行われることを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載のガス処理方法。
(4)前記複数の吸着除去部は、ガス導入部と放電処理部との間に配置され、前記ガス導入部と前記複数の吸着除去部との間の濃度測定器によって演算された揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記吸着除去する処理から前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に動作移行することを特徴とする上記(2)または上記(3)に記載のガス処理方法。
(5)前記濃度測定器によって演算された揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記一方における吸着除去部での吸着除去による処理を前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に切り替えると共に、前記他方における吸着除去部での減容濃縮する処理を吸着除去による処理に切り替え、これらの処理を同時に併行して行うことを特徴とする上記(4)に記載のガス処理方法。
(6)前記吸着除去部は、揮発性有害物質を吸着するための吸着剤が充填された槽を有し、前記揮発性有害物質を含有するガスを流通させ、該揮発性有害物質を吸着除去することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のガス処理方法。
(7)前記放電処理部は、無機誘電体が充填された槽を有し、該槽内において該無機誘電体で生起された放電により、該槽内を流通する揮発性有害物質を分解処理することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のガス処理方法。
(8)前記放電処理部に充填される無機誘電体は、強誘電体であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のガス処理方法。
(9)前記無機誘電体が、粒状体であることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載のガス処理方法。
(10)前記放電処理部において、前記無機誘電体で生起された放電により、減容濃縮してガス状にされた揮発性有害物質を常圧下においてプラズマ化することを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載のガス処理方法。
(11)揮発性有害物質を含有するガスを無害化するガス処理装置において、揮発性有害物質を吸着除去する複数の吸着除去部と、該吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を放電処理する放電処理部とを有し、これらの処理部によって前記揮発性有害物質を含有するガスを無害化することを特徴とするガス処理装置。
(12)前記複数の吸着除去部において、該複数の吸着除去部の一方で揮発性有害物質を吸着除去している間に、他方の吸着除去部において吸着除去によって生じた揮発性有害物質を減容濃縮する構成と、前記減容濃縮された揮発性有害物質を放電処理する放電処理部と、を有することを特徴とする上記(11)に記載のガス処理装置。
(13)前記複数の吸着除去部は、前記吸着除去部において吸着された揮発性有害物質を加熱により脱着濃縮する手段を有することを特徴とする上記(11)または上記(12)に記載のガス処理装置。
(14)前記複数の吸着除去部は、ガス導入部と放電処理部との間に配置され、前記ガス導入部と前記複数の吸着除去部との間の濃度測定器によって演算された揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記吸着除去する処理から前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に動作移行する構成を備えていることを特徴とする上記(12)または上記(13)に記載のガス処理装置。
(15)前記濃度測定器によって演算された揮発性有害物質の吸着量に応じて、前記一方における吸着除去部での吸着除去による処理を前記揮発性有害物質を減容濃縮する処理に切り替えると共に、前記他方における吸着除去部での減容濃縮する処理を吸着除去による処理に切り替え、これらの処理を同時に併行して行う構成を備えていることを特徴とする上記(14)に記載のガス処理装置。
(16)前記吸着除去部は、揮発性有害物質を吸着するための吸着剤が充填された槽を有し、前記揮発性有害物質を含有するガスを流通させ、該揮発性有害物質を吸着除去する構成を備えていることを特徴とする上記(11)〜(15)のいずれかに記載のガス処理装置。
(17)前記放電処理部は、無機誘電体が充填された槽を有し、該槽内において該無機誘電体で生起された放電により、該槽内を流通する揮発性有害物質を分解処理する構成を備えていることを特徴とする上記(11)〜(16)のいずれかに記載のガス処理装置。
(18)前記放電処理部に充填される無機誘電体は、強誘電体であることを特徴とする上記(11)〜(17)のいずれかに記載のガス処理装置。
(19)前記無機誘電体が、粒状体であることを特徴とする上記(11)〜(18)のいずれかに記載のガス処理装置。
(20)前記放電処理部は、前記無機誘電体で生起された放電により、減容濃縮してガス状にされた揮発性有害物質を常圧下においてプラズマ化する構成を備えていることを特徴とする上記(11)〜(19)のいずれかに記載のガス処理装置。
【0007】
【発明の実施の形態】上記構成を適用することで、揮発性有害物質の無害化処理を、高効率で実現することができる。すなわち、非平衡プラズマによる揮発性有害物質の無害化処理を吸着除去と放電分解処理を組み合わせることにより、吸着除去した揮発性有害物質を加熱脱着による減容濃縮後、放電処理を行うことで分解効率の向上、装置コスト、運転コストの低減及び処理流量の増加を図ることが可能なガス処理方法及びガス処理装置を実現することが可能となる。具体的には、例えば吸着剤を充填した槽複数個をガス導入部と放電処理部の間に複数個並列に配置する。揮発性有害物質を含有するガスを吸着除去部に流通させ、揮発性有害物質の吸着除去を行い、処理ガスは系外に放出される。吸着された揮発性有害物質は、加熱ガスにより脱着され、減容濃縮された状態で放電処理部に導かれ放電により無害化処理を行う。一方、吸着除去部における脱着・濃縮の間、他方の吸着除去部において吸着除去を行う。上記の操作を繰り返し実施することにより、連続した吸着除去及び放電処理を可能とする。また処理対象となるガスを減容濃縮した状態で放電処理するため、エネルギー効率の向上を可能とし、最も設備コストのかかる放電処理部を拡大することなく処理量の増加を可能とする。
【0008】吸着除去部で使用される吸着材は、高シリカゼオライト、USY、ZSM−5などが挙げられるが、揮発性有害物質を吸着保持できる性質かつ耐熱性を有するものであれば、特に限定するものではない。吸着材の形状は、粒状またはハニカム状のものが挙げられる。また処理対象となる揮発性有害物質成分、濃度、流量により吸着材の種類、形状を選択することで吸脱着を高効率に行うことができる。
【0009】吸着除去から脱着濃縮への動作移行は、ガス導入部と吸着除去部の間に配置した揮発性有害物質濃度測定器による吸着量演算結果から吸着能力または放電処理能力に応じて行うため、吸着破過及び放電処理能力を超えたガスの流通を防止し、濃度変動のない安定した条件において放電処理を行うことを可能とする。
【0010】また脱着濃縮を開始する吸着量に達するまで吸着除去から脱着濃縮への移行動作を行わないため、その間放電処理部の電源をOFFにすることが可能になり、また移行動作を最小限に抑えられるため運転コストの低減を図ることができる。
【0011】該濃度測定器には、半導体式ガスセンサーなどが挙げられるが、対象となる揮発性有害物質を測定する測定手段と測定値に基づいて吸着量を求める演算手段を有するものであれば、特にこの限りではない。吸着除去部における脱着及び濃縮は、揮発性有害物質を吸着した吸着材を加熱し脱着用ガスを吸着除去部に流通させることで行う。例えば脱着用ガスを電気ヒーターにより加熱し、吸着除去部に流通させる。加熱温度は150℃〜200℃程度で行い、脱着用ガスの流通方法は、送風ファンによる送風により行う。脱着濃縮手段には以上のような方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。また揮発性有害物質の放電処理後排出されるガスを大気放出することなく再び脱着濃縮処理に使用すれば、加熱時のエネルギー消費を最小限に抑えられ、分解効率を向上させることが可能となる。
【0012】放電処理部に充填される誘電体の形状は、粒状体である限り球形、円柱形に限らず充填された状態でガスが透過することが可能であれば特に限定するものではない。使用する誘電体は、強誘電体であり、比誘電率が1000以上のものが望ましいため、チタン酸バリウムやチタン酸ストロンチウムが挙げられるが、これに限定されるものではなく使用目的に応じ選択することができる。
【0013】以下に、本発明の実施の形態に係る具体的構成について、図に基づいて説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。図1は本発明実施の形態に係るガス処理装置構成図である。図1において、吸着濃縮部3A及び3Bを原ガス入口12と放電処理部7Aの間に並列に複数配置し、複数ある吸着除去部の内一方で吸着除去を行い、他方では、揮発性有害物質の脱着濃縮を行い、減容濃縮された揮発性有害物質を放電処理部7Aに流通させることで分解処理する構成となっている。吸着濃縮部3A及び3B内には、吸着材3Cが充填され、放電処理部7A内には、強誘電体7Bが充填されている。吸着濃縮部入口には、揮発性有害物質吸着量を測定するための測定器2A及び2Bを配置し、再生用ファン6と再生ガス加熱用電気ヒータ4の間には、熱回収を行うための熱交換器5を配置している。
【0014】次に装置動作について説明する。バルブ8A及び10Aが開き、バルブ8B、9A、10B及び11Aが閉じた状態で、原ガスファン1により揮発性有害物質を含有したガスが吸着濃縮部3Aに送り込まれる。吸着濃縮部3Aでは揮発性有害物質の吸着除去が行われ、浄化されたガスが処理ガス出口13より系外へ排出される。その間測定器2Aにより吸着量の演算が行われ、所定吸着量に達すると、バルブ8A、10A、9B、11Bが閉じられ、バルブ8B、10B、9A、11Aが開いた状態に切り替わり、吸着濃縮部3Bにおいて吸着処理が行われる。切り替え操作と同時に吸着除去部3Aには、再生ファン6及び電気ヒータ4により再生用の加熱ガスが送り込まれ揮発性有害物質の脱着が行われる。流通する加熱ガスの流量は、原ガスファンによる原ガス流量より少量にし、揮発性有害物質ガスを減容濃縮した状態で脱着を行う。吸脱着の切り替えと同時もしくは切り替えの直前に放電処理部7Aでは放電が行われ、揮発性有害物質の放電分解処理を開始する。放電処理されたガスは、処理ガス出口13より系外排出を行うが、一部を吸着濃縮部の脱着濃縮に使用することで処理率の向上を可能とする。
【0015】上記の様な構成において処理操作を繰り返し交互に行うことにより、連続した揮発性有害物質の処理を可能とし、減容濃縮された揮発性有害物質を間欠的に放電処理することで、エネルギー効率の向上、運転及び設備コストを最小限に抑えることができる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。図2に、本実施例に用いられるガス処理装置の構成を示す。以下に実験の主要な項目を示す。
(吸着濃縮部)
吸着材充填槽:モレキュラシーブ5A(1/8インチ)ペレットを充填した円筒状槽。
槽寸法:直径50mm、長さ300mm。
(放電処理部)
放電処理槽:粒径3mmチタン酸バリウム(比誘電率ε=7000)ペレットを充填した同軸円筒状パックトベッド式放電装置。
槽寸法:外径40mm、内径15mm、長さ300mm。
(分析部)
分析装置:ガスクロマトグラフ(島津製作所製GC−14B)、ガスクロマトグラフ質量分析計(Agilent社製、6890/5973)。
【0017】[実施例1]実施例1においては、図2に示すガス処理装置において、バルブ23A、26Aを開き、バルブ23B、24A、24B、27Aを閉じた状態で200ppmMEKガスを毎分10L流量で吸着材充填槽25Aに30分間流通させた。30分間流通時、吸着材充填槽25A出口においてガスを分析したところ、MEKは検出されないため、吸着材にMEK成分が吸着されていることが確認できる。30分間流通後、バルブ23B、24A、26B、27Aを開き、バルブ23A、24B、26A、27Bを閉じ吸着材充填槽25Bで吸着を行う。
【0018】一方、切り替えと同時に吸着材充填槽25Aには、電気ヒータ31で150℃に加熱したガスを、毎分1.0L流量で30分間流通させ、吸着したMEKを脱着させる。この場合、吸着流量の10分の1の流量で脱着を行うことで、MEK200ppmのガスを10倍の2000ppm濃縮ガスとして放電処理を行うこととなる。脱着操作開始と同時に放電処理槽28Aでは、3kVの電圧を印加させ、放電処理を行う。放電処理後のガスを分析したところMEK濃度は、40ppm程度であった。以上の操作を複数の吸着材充填槽を用いて連続的に処理することから、連続してMEK除去率98%程度を得ることができる。単位時間当りの分解処理ガス量は、600L/hrであり、21g/hrのMEKが分解処理されたことになる。
【0019】[実施例2]実施例2においては、図2に示すガス処理装置において、バルブ23A、26Aを開き、バルブ23B、24A、24B、27Aを閉じた状態で20ppmMEKガスを毎分10L流量で吸着材充填槽25Aに流通させた。100分間流通時、吸着材充填槽25A出口においてガスを分析したところ、MEKは検出されないため、吸着材にMEK成分が吸着されていることが確認できる。100分間流通後、バルブ23B、24A、26B、27Aを開き、バルブ23A、24B、26A、27Bを閉じ吸着材充填槽25Bで吸着を行う。
【0020】一方、切り替えと同時に吸着材充填槽25Aには、電気ヒーター31で180℃に加熱したガスを、毎分1.0L流量で流通させ、吸着したMEKを脱着させる。脱着されたMEKガスは、放電処理槽28Aへ導かれ放電処理を行う。吸着材充填槽25A出口においてガスを分析したところ、脱着濃縮開始後、30分程度でMEKは未検出となり、脱着完了が確認された。脱着完了確認後、放電処理槽25Aにおいて放電処理を休止した。この時、放電処理によるMEK処理率は、100%であった。以上の操作を複数の吸着材充填槽を用いて連続的に処理を行う。単位時間当りの分解処理ガス量は、600L/hrであり、2.1g/hrのMEKが分解処理されたことになる。また放電処理槽における単位時間当たりの放電時間は、18min/hrとなる。
【0021】[実施例3]実施例3においては、200ppmトルエンガスを流通させる以外は実施例1と同様に処理を行った。吸着・濃縮後、放電処理されたガスを分析したところトルエン濃度は、60ppm程度であった。よってトルエン処理率97%程度となる。単位時間当りの分解処理ガス量は、600L/hrであり、26g/hrのトルエンが分解処理された。
【0022】(比較例1)比較例1においては、MEKガスを直接放電処理槽に流通させ、放電処理のみで処理を行う他は、実施例1と同様の方法で処理を行った。実施例1と同様に200ppmMEKガスを毎分10L流量で放電処理槽に流通させながら放電のみでMEKガスの処理させる。
【0023】放電処理後のガスを分析したところMEK濃度は、60ppm程度であった。よってMEK処理率は、70%程度となる。単位時間当りの分解処理ガス量は、600L/hrであり、15g/hrのMEKが分解処理されたことになる。実施例1では、本比較例と比較して、単位時間当り1.4倍のMEKを分解することができる。
【0024】(比較例2)比較例2においては、バルブ23B、24B、26B、27Bを常時閉じた状態にし、吸着材充填槽1槽(吸着材充填槽25A使用)のみと放電処理槽28Aで処理を行う他は、実施例1と同様の方法で処理を行った。実施例1と同様に200ppmMEKガスを毎分10L流量で吸着材充填槽25Aに30分間流通する。30分間流通時、吸着材充填槽25A出口においてガスを分析したところ、MEKは検出されないため、吸着材にMEK成分が吸着されていることが確認できる。30分間流通後、バルブ24A、27Aを開き、バルブ23A、26Aを閉じ、吸着材充填槽25Aには、電気ヒータ31で150℃に加熱したガスを、毎分1.0L流量で30分間流通させ、吸着したMEKを脱着させる。この場合、吸着流量の10分の1の流量で脱着を行うことで、MEK200ppmのガスを10倍の2000ppm濃縮ガスとして放電処理を行うこととなる。脱着操作開始と同時に放電処理槽28Aでは、実施例1と同様に3kVの電圧を印加させ、放電処理を行った。
【0025】放電処理後のガスを分析したところMEK濃度は、40ppm程度であった。よってMEK処理率98%程度となる。単位時間当りの分解処理ガス量は、300L/hrであり、10.5g/hrのMEKが分解処理されたことになる。
【0026】本比較例と実施例1の処理率は、同程度あったが、しかし単位時間当たりの分解処理ガス量及びMEK処理量において実施例1では、本比較例と比較して2倍の量を分解処理することができた。
【0027】(比較例3)比較例3においては、MEKガスを直接放電処理槽に流通させ、放電処理のみで処理を行う他は、実施例2と同様の方法で処理を行った。実施例2と同様に20ppmMEKガスを毎分10L流量で放電処理槽に流通させながら放電のみでMEKガスの処理させる。
【0028】放電処理後のガスを分析したところMEK未検出であった。よってMEK処理率は、100%となる。単位時間当りの分解処理ガス量は、600L/hrであり、2.1g/hrのMEKが分解処理されたことになる。本比較例と実施例2の単位時間当りのMEK処理量は同じであったが、放電処理層における放電時間を比較した場合、本比較例では、常時放電を行っているのに対し、実施例2では、単位時間当たり18min/hrの放電で処理が行える。すなわち1/3程度の消費電力により処理が行えることとなる。
【0029】(比較例4)200ppmトルエンガスを毎分3L流量で直接放電処理槽に流通させ、放電処理のみでトルエンガスの処理を行う他は、実施例3と同様の方法で処理を行った。放電処理後のガスを分析したところトルエン濃度は、10ppm程度であった。よってトルエン処理率は、95%程度となる。SV値で処理率を考えた場合、実施例3と同等の処理率を達成するためには、本比較例の結果よりSV=0.93での処理が必要となる。この結果を毎分10L流量の200ppmトルエンガスを処理する場合に置き換えると、10/3倍程度の容量の放電処理槽が必要となる。従って実施例3と比較例4より、最も設備コストのかかる放電処理部を縮小することが可能で、放電処理部におけるエネルギー効率を向上させることが可能であることを実証できている。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、揮発性有害物質を含有するガスを無害化するに際して、装置コスト・運転コストの低減化及びエネルギー効率の向上を図ることができ、処理流量の増加を図ることが可能となるガス処理方法及びガス処理装置を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
【出願日】 平成13年12月4日(2001.12.4)
【代理人】 【識別番号】100105289
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 達也
【公開番号】 特開2003−170022(P2003−170022A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−370162(P2001−370162)