| 【発明の名称】 |
水系コーティング材用消泡剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】浦松 幸夫
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| 【要約】 |
【課題】水系コーティング材に添加されて使用される消泡剤であって、水系コーティング材の優れた消泡性を有し、水系コーティング材を塗装して形成された被膜が晴雨に曝されても雨筋跡防汚性と光沢性とを損なわない消泡剤を提供する。
【解決手段】水系コーティング材用消泡剤は、ポリアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチル変性オルガノポリシロキサン、フルオロ変性オルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも一種類のオルガノポリシロキサン化合物と、カオリナイト、ハロサイト、モンモリロナイトから選ばれる少なくとも一種類の粘土鉱物とが含まれたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチル変性オルガノポリシロキサン、フルオロ変性オルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも一種類のオルガノポリシロキサン化合物と、カオリナイト、ハロサイト、モンモリロナイトから選ばれる少なくとも一種類の粘土鉱物とが含まれていることを特徴とする水系コーティング材用消泡剤。 【請求項2】 該粘土鉱物が、該オルガノポリシロキサン化合物に対し重量比で1.0〜20%含まれていることを特徴とする請求項1に記載の水系コーティング材用消泡剤。 【請求項3】 ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種類のポリオキシアルキレン基含有化合物が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の水系コーティング材用消泡剤。 【請求項4】 該オルガノポリシロキサン化合物が0.5〜20重量部、該ポリオキシアルキレン基含有化合物が10〜99重量部含まれていることを特徴とする請求項3に記載の水系コーティング材用消泡剤。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の水系コーティング材用消泡剤が添加されていることを特徴とする水系コーティング材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、塗装に使用される水系コーティング材に添加されるもので、水系コーティング材に生じる泡や水系コーティング材の塗装により形成した被膜の表面に生じる泡を消す消泡剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】製品の外装を美しくしたり、防汚性や耐候性等を向上させたりする塗装を施す際、環境を汚染せず塗装作業者の健康を損なわない水系コーティング材が汎用されている。 【0003】水系コーティング材の泡の発生を抑制したり生じた泡を速やかに破泡したりするため、水系コーティング材に予めオルガノポリシロキサン化合物やポリオキシアルキレン基含有化合物を含む消泡剤が添加されている。 【0004】オルガノポリシロキサン化合物を含む消泡剤が添加された水系コーティング材は、消泡性が優れている反面、それを塗装した後に晴雨に曝されると雨筋跡がつき汚くなるうえ光沢を失ってしまう。一方、ポリオキシアルキレン基含有化合物を含む消泡剤が添加された水系コーティング材は、消泡性が不十分である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を解決するためなされたもので、水系コーティング材に添加されて使用される消泡剤であって、水系コーティング材の優れた消泡性を有し、水系コーティング材を塗装して形成された被膜が晴雨に曝されても雨筋跡防汚性と光沢性とを損なわない消泡剤を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するためになされた本発明の水系コーティング材用消泡剤は、ポリアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチル変性オルガノポリシロキサン、フルオロ変性オルガノポリシロキサンから選ばれる少なくとも一種類のオルガノポリシロキサン化合物と、カオリナイト、ハロサイト、モンモリロナイトから選ばれる少なくとも一種類の粘土鉱物とが含まれたものである。 【0007】ポリアルキレン変性オルガノポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサンのようなシリコーン樹脂の一部がポリアルキレン基で置換されたもので、TSF410(東芝シリコーン社製の商品名)が挙げられる。 【0008】ポリエーテル変性オルガノポリシロキサンは、シリコーン樹脂の一部がポリエーテル基で置換されたもので、アクアレン820(共栄社化学社製の商品名)が挙げられる。 【0009】ジメチル変性オルガノポリシロキサンは、アクアレンN(共栄社化学社製の商品名)が挙げられる。 【0010】フルオロ変性オルガノポリシロキサンは、シリコーン樹脂の一部がフッ素含有基で置換されたもので、FQF501(東芝シリコーン社製の商品名)が挙げられる。 【0011】粘土鉱物は、具体的にはベントンSD−1、同SD−3(いずれもRHEOX社製の商品名)が挙げられる。 【0012】水系コーティング材用消泡剤は、粘土鉱物が、オルガノポリシロキサン化合物に対し重量比で1.0〜20%含まれていることが好ましい。1.0%未満であると、消泡剤の添加された水系コーティング材を塗装して形成された被膜の雨筋跡防汚性が悪くなる。20%を超えると、塗装被膜の光沢性が低下する。 【0013】水系コーティング材用消泡剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも一種類のポリオキシアルキレン基含有化合物が含まれていてもよい。 【0014】ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、数平均分子量500〜20,000のもので、例えばポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。 【0015】ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、例えば数平均分子量100〜1,000のポリエチレングリコールがエーテル結合しているソルビタンと、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸のような脂肪酸とが、エステル結合したものが挙げられる。 【0016】ポリオキシエチレン脂肪酸エステルは、数平均分子量100〜1,000のポリエチレングリコールと、前記と同様な脂肪酸とが、エステル結合したものが挙げられる。 【0017】水系コーティング材用消泡剤は、オルガノポリシロキサン化合物が0.5〜20重量部、ポリオキシアルキレン基含有化合物が10〜99重量部含まれていることが好ましい。オルガノポリシロキサン化合物は、0.5重量部未満であると消泡性が不十分となり、20重量部を超えると塗装被膜の雨筋跡防汚性が悪くなる。1〜10重量部であると一層好ましい。一方、ポリオキシアルキレン基含有化合物は、10重量部未満または99重量部を超えると、消泡性が不十分となってしまう。20〜98重量部であると一層好ましい。 【0018】水系コーティング材用消泡剤は、鉱物油を媒体として含んでいてもよい。 【0019】本発明の水系コーティング材は、前記の消泡剤が添加されたものである。消泡剤は、水系コーティング材用中、0.1〜1.0重量%含まれていることが好ましい。この水系コーティング材は、例えば産業製品や建造物の塗装に用いられる水性塗料である。水系コーティング材は消泡性が優れている。この水系コーティング材を製品の表面に塗装して形成された被膜は、晴雨に曝されても汚れず綺麗なままである。 【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の水系コーティング材用消泡剤、およびそれを添加した水系コーティング材の実施例を詳細に説明する。 【0021】本発明を適用する水系コーティング材用消泡剤を調製した例を実施例1〜3に示し、本発明を適用外の消泡剤を調製した例を比較例1〜3に示す。 【0022】(実施例1)ジメチル変性オルガノポリシロキサンとしてアクアレンN(共栄社化学社製の商品名)の4重量部と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてデスホYP−9(共栄社化学社製の商品名)の92重両部と、粘土鉱物としてベントンSD−1(RHEOX社製の商品名)の4重量部とを配合して、混練し、水系コーティング材用消泡剤を得た。 【0023】(実施例2)ポリエーテル変性オルガノポリシロキサンとしてアクアレン820(共栄社化学社製の商品名)の7重量部と、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしてソルゲンTW−80(第一工業製薬社製の商品名)の90重両部と、粘土鉱物としてベントンSD−3(RHEOX社製の商品名)の3重量部とを配合して、混練し、水系コーティング材用消泡剤を得た。 【0024】(実施例3)ポリアルキレン変性オルガノポリシロキサンとしてTSF410(東芝シリコーン社製の商品名)の5重量部と、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしてノニオライト0−30(共栄社化学社製の商品名)の90重両部と、粘土鉱物としてベントンSD−1(RHEOX社製の商品名)の5重量部とを配合して、混練し、水系コーティング材用消泡剤を得た。 【0025】(比較例1)実施例1に基づき、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを96重量部に変更し、粘土鉱物を配合しなかった。それ以外は実施例1と同様にして、消泡剤を得た。 【0026】(比較例2)実施例2に基づき、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを93重量部に変更し、粘土鉱物を配合しなかった。それ以外は実施例2と同様にして、消泡剤を得た。 【0027】(比較例3)実施例3に基づき、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルを95重量部に変更し、粘土鉱物を配合しなかった。それ以外は実施例3と同様にして、消泡剤を得た。 【0028】実施例1〜3および比較例1〜3で得られた消泡剤を夫々添加した水系コーティング材の特性についての試験を行った。 【0029】試験に先立ち、水系コーティング材である水性塗料を調製した。 【0030】先ず、水性塗料を構成するアクリル−スチレン系エマルション樹脂含有コーティング剤を調製した。分散剤であるフローレンTG−750W(共栄社化学社製の商品名)23.90重量部、防腐剤であるACTICIDE MV−4(ソー・ケミカルズ社製の商品名)1.53重量部、酸化チタンJR−600A(帝国化工社製の商品名)257.17重量部、増粘剤である3%CELLOSIZEQP−4400H(ユニオン・カーバイド社製の商品名)6.98重量部、および水45.22重量部を混合し、直径2.0〜2.5mmのガラスビーズ300重量部を更に加え、バッチ型サンドグラインダーを用いて1810rpmで2時間分散した。その後、この分散液を濾過してガラスビーズを除去し、濾液にエチレングリコール18.45重量部、アクリル−スチレン系エマルション樹脂であるボンコートEC−853(大日本インキ社製の商品名)519.12重量部、増粘剤であるチクゾールK−130B(共栄社化学社製の商品名)30.59重量部、造膜助剤であるテキサノール(イーストマン社製の商品名)38.24重量部、および水47.80重量部を加え、ペイントシェカーで20分間混合すると、アクリル−スチレン系エマルション樹脂含有コーティング剤が得られた。 【0031】次に、水性塗料を構成する防汚剤を調製した。テトラエトキシシランが縮合した数平均分子量750のエチルシリケート縮合物の100.0重量部と、数平均分子量200のポリオキシエチレングリコール#200(三洋化成社製)の106.7重量部と、触媒であるジブチル錫ジラウレート0.02重量部とを混合し、75℃で8時間反応させると、一部のエトキシ基がポリオキシエチルオキシ基に置換した縮合物である防汚剤が得られた。 【0032】次に、140mL広口ガラス瓶にアクリル−スチレン系エマルション樹脂含有コーティング剤の100gと、防汚剤の5gと、実施例1〜3の消泡剤0.1gまたは比較例1〜3の消泡剤0.3gの夫々とを、ディスパーを用いて1500rpmで3分間攪拌分散して、消泡剤の添加された水性塗料を調製した。なおブランクとして、消泡剤の添加されていない水性塗料を調製した。 【0033】得られた水性塗料の特性について以下の試験を行った。 【0034】(消泡性試験)実施例1〜3および比較例1〜3の消泡剤が夫々入った水性塗料とブランクの水性塗料の各々を、幅100mmのローラーバスケペア万能用の中毛ローラーに含浸させた。このローラーを回転させながら、表面が払拭されて脱脂されているアルミ板に接触させ、水性塗料をアルミ板上に塗装した。塗装により形成された被膜の消泡性を目視により観察した。塗装後、直ちに消泡したものを○、泡の残存しているものを×とする2段階で評価した。その結果を表1に示す。 【0035】(ハジキ試験)実施例1〜3および比較例1〜3の消泡剤が夫々入った水性塗料とブランクの水性塗料の各々を、表面が払拭されて脱脂されているガラス板上に、アプリケータを用いて150μmの厚さに塗装した。乾燥後、塗装被膜を目視により観察し、ハジキが認められなかったものを○、認められたものを×とする2段階で評価した。その結果を表1に示す。 【0036】(接触角測定試験)前記のハジキ試験と同様にして塗装したガラス板を各々、室温で14日間保存した。塗装被膜にイオン交換水を5μL落とし、できた液滴の直径をノギスで測定した。引き続き水に14日間浸漬し、ガラス板を取り出してから、ガーゼで塗装被膜表面の水を拭き取り、5時間室温で保存した。塗装被膜に再びイオン交換水を5μL落とし、できた液滴の直径をノギスで測定した。液滴の直径から接触角を換算した。その結果を表1に示す。 【0037】(60度鏡面光沢度試験)前記のハジキ試験と同様にして作製したガラス板を各々、室温で14日間保存した。このガラス板の塗装面について、JIS Z 8741(1997)鏡面光沢度の試験法に準じ、60度での光沢度を測定した。引き続き、水に14日間浸漬し、ガラス板を取り出してからガーゼで表面の水を拭き取り、5時間室温で保存する。このガラス板の塗装面について、同様にして60度での光沢度を測定した。その結果を表1に示す。 【0038】(雨筋跡防汚性試験)高さ300mm、幅150mm、厚さ3.0mmのアルミニウム板を立て、下端から3分の2の高さのところで、内角度が135度になるよう山折りに曲げた。エピコート1001−X−70(油化シェルエポキシ社製の商品名)の27.0重量部、酸化チタンR−820(石原産業社製の商品名)の20.0重量部、タルクND(日本タルク社製の商品名)の13.0重量部、沈降性硫酸バリウム(堺化学社製)の13.0重量部、キシレン:メチルイソブチルケトンの重量比22:5の混合物からなるシンナー27.0重量部、およびこのシンナー:硬化剤であるバーサミド115(へンケル白水社製の商品名)の重量比30:70の混合物の25重量部を、均一に混合して、エポキシ樹脂塗料を調製した。このエポキシ樹脂塗料をアルミニウム板の山折り面に、乾燥膜厚が約30μmとなるようにスプレー塗装し、20℃、相対湿度65%RHの条件で8時間乾燥させ、下地塗装被膜を形成した。これに、実施例1〜3および比較例1〜3の消泡剤が夫々入った水性塗料とブランクの水性塗料との各々を、乾燥膜厚が約40μmとなるようにスプレー塗装し、20℃、相対湿度65%RHの条件で7日間乾燥した。これの山折り面を南に向け、3箇月間、屋外で晴雨に曝した。その後、塗装被膜表面の雨筋跡の有無を目視により観察した。雨筋跡が認められなかったものを○、認められたものを×とする2段階で評価した。その結果を表1に示す。 【0039】 【表1】
【0040】実施例1〜3の消泡剤が添加されている水性塗料は、塗装の際の消泡性が優れ、ハジキが認められなかった。この水性塗料を用いて形成された塗装被膜は、水への浸漬前後でいずれも接触角が63°と小さく、濡れ性が高くて水をはじかないため、雨筋跡がつき難く防汚性が高かった。さらに塗装被膜は、60度鏡面光沢度が水への浸漬前で約86.0、浸漬後で83.5でありいずれも高い値を示し、浸漬前後で差が小さく、優れた光沢性が持続した。 【0041】一方、比較例1〜3の消泡剤が添加されている水性塗料を用いて形成された塗装被膜は、水への浸漬前後でいずれも接触角が74°以上と大きく、濡れ性が低かった。そのため雨露をはじきその水滴が雨筋跡となり易く防汚性が低かった。さらに塗装被膜は、60度鏡面光沢度が水への浸漬前で86.0と高いが、浸漬後で80.0と低く、曇っており、光沢性が持続しなかった。 【0042】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の水系コーティング材用消泡剤は消泡性が優れている。この消泡剤は、組成が単純であるため簡便に調製することができる。 【0043】この消泡剤を添加した水系コーティング材で塗装して形成した被膜は、表面に泡が生じずさらにハジキがなく、晴雨に曝しても雨筋跡がつかず防汚性に優れ、高い光沢性を有している。さらに雨筋跡防汚性と光沢性とは長時間持続する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000162076 【氏名又は名称】共栄社化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年12月7日(2001.12.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088306 【弁理士】 【氏名又は名称】小宮 良雄
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| 【公開番号】 |
特開2003−170005(P2003−170005A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月17日(2003.6.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−374387(P2001−374387) |
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