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【発明の名称】 フッ素含有流体の処理方法及びフッ素含有流体の処理装置
【発明者】 【氏名】金 載宗

【要約】 【課題】フッ素含有廃水や排ガス等のフッ素含有流体中のフッ素成分を除去するに優秀な効果を示す吸着材を用い、しかも、使用された吸着材を再利用する事が出来るようにし、高い効果を持つそして環境的に無汚染の両面を持つ高除去効率の処理方法及び処理装置を提供する。

【解決手段】フッ素含有流体を吸着材に接触させてフッ素含有流体からフッ素を吸着除去するもので、吸着材として、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを反応した後にアルカリにより中和して製造され、一般式、Ca5 (PO43 OH・nH 2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含むCa 10-X (HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oで示されるハイドロキシアパタイトと、一般式、Ca 8(HPO42 (PO44 ・nH2 Oで示される燐酸カルシウム塩(「燐酸八カルシウム」という)を含有した吸着材を用いた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フッ素含有流体を吸着材に接触させて該フッ素含有流体からフッ素を吸着除去するフッ素含有流体の処理方法において、上記吸着材として、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを反応させた後にアルカリにより中和して製造したものを用いたことを特徴とする請求項1記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項2】 上記吸着材を、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを0〜100℃でpH0〜7になるように混合して反応させた後、溶液にアルカリを用いてpH4〜14までに調節し沈殿物を発生させ、その中和反応により得た沈殿物を濾過して水洗い・乾燥し、その後に粉砕して製造することを特徴とする請求項1記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項3】 上記混合反応した後の溶液は、pH2〜3であり、上記中和反応により発生した沈殿物はpH7〜8であることを特徴とする請求項2記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項4】 上記吸着材は、粉末または一定の大きさに成形されたペレット状であることを特徴とする請求項2または3記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項5】 上記カルシウム塩は、CaCl2 ,Ca(OH)2 ,CaO2 ,CaSO4 ・2H2 O,CaCl2 ・XH2 O(X=0〜517),CaSO3 ・1/2H2 O,Ca(H2 PO22 ,CaO,CaCO3 ,(Ca8 NO32 ・4H2 Oになったグループから選択されるカルシウム塩であり、上記燐酸または燐酸塩は、H3 PO4 ,NaHPO4 ・12H2 O,NaH227 ,Na5310,Na6413,(NaPO3n ,KH2 PO4,K2 HPO4 ,K3 PO4 ・(0〜3H2 O),K427 ,Kn+2n3n+1(n〜3),(KPO3n ,NH42 PO4 ,(NH42 HPO4 ,Ca(H2 PO42 ・H2 O,CaHPO4 ・2H2 O及びCa3 (PO42 になるグループから選択される燐酸または燐酸塩であること特徴とする請求項1,2,3または4記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項6】 上記吸着材は、一般式、Ca5 (PO43 OH・nH 2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含むCa 10-X (HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oで示されるハイドロキシアパタイトと、一般式、Ca 8(HPO42 (PO44 ・nH2 Oで示される燐酸カルシウム塩(「燐酸八カルシウム」という)を含有していることを特徴とする請求項1,2,3,4または5記載のフッ素含有流体の処理方法。ここで、x=0〜1,n=0〜20である。
【請求項7】 上記フッ素含有流体がフッ素含有廃水であるとき、上記吸着材をカラム型反応槽に入れ、該カラム型反応槽にフッ素含有廃水を通過させて吸着処理することを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項8】 上記フッ素含有流体がフッ素含有廃水であるとき、上記吸着材を廃水処理槽に投入して攪拌してフッ素含有廃水を処理することを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項9】 上記フッ素含有流体がフッ素含有ガスであるとき、上記吸着材を脱着式吸着管に入れ、該脱着式吸着管にフッ素含有ガスを通過させて吸着処理することを特徴とする請求項1,2,3,4,5または6記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項10】 上記処理後の流体のフッ素濃度が希望処理基準値以上になったとき、吸着材を交換することを特徴とする請求項7,8または9記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項11】 使用された吸着材を再生する再生工程を備えたことを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項12】 上記再生工程は、処理後に流体のフッ素濃度が希望処理基準値以上のときに上記使用した吸着材を再生するものとし、フッ素の吸着除去は上記再生した吸着材を用いることを特徴とする請求項11記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項13】 上記再生工程は、上記使用された吸着材を500〜1600℃、20分からそれ以上の温度で焼成する第1段階と、上記焼成された吸着材を約5〜35%の塩酸溶液により室温またはそれ以上の温度で20分以上の時間をかけて攪拌・濾過する第2段階と、上記第2段階から濾過された固体に5〜30%燐酸溶液をpH2〜3になるように投入して、50〜80℃で、20分以上時間をかけて攪拌した後5〜100%の水酸化ナトリウムにより中和・沈殿させるとともに、上記第2段階から発生した濾液は5〜100%の水酸化ナトリウムにより中和沈殿する第3段階と、上記第3段階で沈殿された沈殿物を濾過・水洗い・乾燥する第4段階とから構成されていることを特徴とする請求項11または12記載のフッ素含有流体の処理方法。
【請求項14】 フッ素含有流体がフッ素含有廃水であるとき該フッ素含有廃水を吸着材に接触させてフッ素を吸着除去するフッ素含有流体の処理装置において、カラム型反応槽(1)を備え、カラム型反応槽(1)の廃水の入口と出口はガラスフィルタ(2a,2b)により閉まっていてその内部には吸着材(10)が充填され、上記の反応槽(1)の下段は加圧ポンプ(4)が付着された廃水供給管(5)を通じて廃水処理槽(3)と連結され、上記反応槽(1)の上段は排水管(8)が連結されたカバー(9)と連結され、上記カラム型反応槽(1)に、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを反応させた後にアルカリにより中和して製造され、ハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩を含有した構成の粉末またはペレット状の吸着材(10)を収納したことを特徴とするフッ素含有流体の処理装置。
【請求項15】 フッ素含有流体がフッ素含有ガスであるとき該フッ素含有ガスを吸着材に接触させてフッ素を吸着除去するフッ素含有流体の処理装置において、排ガス中のフッ素成分を吸着するため、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを反応させた後にアルカリにより中和して製造され、ハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩を含有した構成の粉末またはペレット状の吸着材(17)を充填した脱着式吸着管(16)と、上記脱着式吸着管(16)が脱着可能になるように連結された上・下部ガス処理管(20,21)と、上記フッ素含有ガスを上記下部ガス処理管(20)を通じて上記脱着式吸着管(16)へ移送し、フッ素成分が吸着処理された排ガスを上記ガス処理管(21)を通じて外部に移送するための移送手段とを備え、上記脱着式吸着管(16)上部にはネジ式充填口(14)が形成され、上記脱着式吸着管(16)内部の上,下部には濾過布(15)が具備されていることを特徴とするフッ素含有流体の処理装置。
【請求項16】 上記移送手段は、送風機(18)または真空吸引機(19)で構成されていることを特徴とする請求項15記載のフッ素含有流体の処理装置。
【請求項17】 上記脱着式吸着管の上・下部は、マイナス(−)式クリップ(13)に形成され、これと結合される上・下部ガス処理管(20,21)の末段は、合わせる穴(11)に連結されたプラス(+)式クリップ(12)に形成されていることを特徴とする請求項15または16記載のフッ素含有流体の処理装置。
【請求項18】 上記吸着材が空密度2〜2.3g/cm3 ,真密度2.5〜2.8g/cm3 ,気空率21.5〜23.0%,強度21.0〜23.5Kg/cm2 の条件で充填されていることを特徴とする請求項14,15,16または17記載のフッ素含有流体の処理装置。
【請求項19】 上記吸着材を、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを0〜100℃でpH0〜7になるように混合して反応させた後、溶液にアルカリを用いてpH4〜14までに調節し沈殿物を発生させ、その中和反応により得た沈殿物を濾過して水洗い・乾燥し、その後に粉砕して製造することを特徴とする請求項14,15,16,17または18記載のフッ素含有流体の処理装置。
【請求項20】 上記混合反応させた後の溶液は、pH2〜3であり、上記中和反応により発生した沈殿物はpH7〜8であることを特徴とする請求項19記載のフッ素含有流体の処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素含有流体の処理方法及びフッ素含有流体の処理装置に係り、特に、ハイドロキシアパタイトを含有した吸着材を利用したフッ素含有廃水と排ガスの高度処理方法及びその処理装置に関するものである。
【0002】より詳しく示すとフッ素成分を吸着する事が出来るハイドロキシアパタイトを含有する吸着材を製造し、その処理装置に充填して高濃度ばかりではなく低濃度のフッ素廃水またはフッ素ガス中のフッ素成分を効率的に吸着処理してフッ素含有廃水または排ガス中のフッ素含有量を人体に無害な濃度、即ち1mg/l以下に処理するフッ素含有流体の処理方法及びフッ素含有流体の処理装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】最近、半導体産業と電子産業の発達によりエッチング工程及び樹脂洗い工程でフッ化水素またはフッ素化合物が大量に使用されている。それらの工程により発生するフッ素含有廃水またはフッ素含有ガスを処理する方法が大変な関心を持たれている。
【0004】フッ素含有廃水中のフッ素成分はフッ素イオン、フッ素化合物またはフッ素着化合物の形態として存在し、世界各国ではそれぞれの環境基準値の廃水や排ガス中のフッ素濃度を1mg/lから15mg/lに定め、フッ素含有量を人体に対する影響を最小化する1mg/l以下に処理するための努力を続けている。特に、精油工場、肥料工場、アルミニウム工場及び製鉄工場などで気体状として排出されるフッ素成分は有毒で有害な悪臭を発生し、また水と反応して大量の廃水を発生する2次汚染の問題を共に起こしている。
【0005】このようなガス状のフッ素成分を除去するため従来の方法は排出される気体を大量の空気を供給することにより薄めて空中に流す方法以外には他の方法が現在までに報告されていない。フッ素の排ガスを薄めて空中に流す方法は排ガスを処理する方法として、あまり意味がない方法である。結局、上記の各産業が活性化するほど工場から発生されるフッ素の排ガスを人体に無害な基準値までに除去する方法の開発が極めて要求されている。
【0006】また、フッ素含有廃水を処理する際、従来は低濃度(約1から200ppm程)のフッ素含有廃水を処理する方法と、高濃度(約200ppm以上)のフッ素含有廃水を処理する方法とはかなり差が有ったので、5mg/l以下にフッ素含有量を減らすために、1段階で高濃度のフッ素含有量を持つ廃水を低濃度に減らした後に、2段階でその処理方法を変えて低濃度のフッ素含有量を持つ廃水を処理する方法を利用してきた。従来の技術では氷晶石(Na3 AlF6 )を添加して100mg/lまで処理し、Ca+2またはNa+ イオンを反応させCaF2 またはNaFとして沈殿させ処理水のフッ素濃度を約10〜30mg/lまで処理する方法が報告されている。
【0007】また、値段が安い石灰石と高分子凝集剤を10倍から多いときには70倍まで同時に投入してフッ素含有廃水を処理する方法では、約8mg/lまで処理することが出来た。またこれより低い基準値である5mg/lまで処理する場合には処理効率を向上させるために2段階処理方法として活性アルミナなどを投入して処理する方法が使用されている。韓国特許公告第1995−5911号では1段階に石灰石と硫酸を投入して処理した後、2段階ではアルミナ(Alum)を処理し、その後3段階としてポリアクリルアミドを凝集剤として用いフッ素を処理する方法が掲載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従来の韓国特許公告第1995−5911号に掲載されている処理方法は廃水処理後廃棄物が大量に発生するため2次的汚染の問題が起きる虞がある。ここで、より安定的で2次的な汚染の危険を減らした方法としてCa+2イオンとPO4 -3を添加しフルオロアパタイト(Ca5 (PO43 F)に作り上げ、イオン交換樹脂に通過させることで廃水中のフッ素含量を約3mg/lまで処理するイオン交換樹脂法がある。
【0009】しかし、この方法でもフッ素の除去率はかなり向上するが、フッ素イオンまたはフッ素化合物の選択分離性が低く、特に、低濃度のフッ素含有廃水を処理する場合には大量の水酸化カルシウム(Ca(OH)2 ),酸化カルシウム(CaO),炭酸カルシウム(CaCO3 )などのカルシウム塩を利用することにより使用されるカルシウム塩の量とともに比率的に大量の廃棄物が発生され2次環境汚染が発生し、その廃棄物を処理するにもたくさんの費用が掛かる。しかも、それだけはなく処理方法も複雑で短い時間で大量の廃水を除去するには処理費が高価で、処理効率が低いという問題点があった。
【0010】ここで、本出願人の韓国特許出願2000−65832号「フッ素含有廃水の高度処理方法とその装置」で焼成した吸着材を用いフッ素イオンまたはフッ素化合物を吸着処理することにより発生する廃棄物による2次汚染の問題を解決したが、吸着材であるフルオロアパタイトを約1200℃以上の高温で約10時間以上焼成処理するため焼成処理する費用と焼成時間が比較的かなり掛かることが問題となっている。また、焼成した吸着材を燐酸緩衝溶液で処理するのでフッ素イオンが吸着される燐酸基の数で決められるため、フッ素吸着率が低いのが大変問題が有った。
【0011】本発明は、以上のような問題点を解決するため案出されたもので、本発明の目的はフッ素含有廃水と排ガス中のフッ素成分を除去するに優秀な効果を示す吸着材を製造し、しかも、使用された吸着材を再利用する事が出来るようにして、高い処理効率を有しそして環境的に無汚染の両面を持つフッ素含有廃水と排ガスの高度処理方法及びその処理装置を提供するものである。本発明の目的は従来の技術に比べ安定的で高いフッ素の除去率を示し、高濃度のフッ素含有廃水と排ガスばかりではなく低濃度のフッ素含有廃水とフッ素含有排ガスでも高いフッ素の除去率を持つフッ素含有廃水と排ガスの高度処理方法及びその処理装置を提供する事である。また、本発明の目的は高い効果のため少量の薬品を使用し、それでも廃棄物による汚染がないフッ素含有廃水と排ガスの高度処理方法及びその装置を提供する事である。また、本発明の目的は吸着材の充填を良くするためのフッ素含有排ガスの処理装置を提供する事である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、本出願人の特許出願である韓国特許第2000−65832号「フッ素含有廃水の高度処理方法及びその装置」より改良された発明に関するもので、焼成方法により製造される吸着材より比較的簡単に製造できる。また、比較的高いフッ素除去率を持つ吸着材を提供したフッ素含有廃水または排ガスの処理方法を示し、そして使用された吸着材を簡単に化学的な処理により再生させ再利用することが出来るし、またフッ素含有廃水や排ガス中のフッ素濃度に関係なく吸着処理可能であるなどを特徴としたものである。
【0013】即ち、上記の問題点を解決するため、本発明のフッ素含有流体の処理方法は、フッ素含有流体を吸着材に接触させて該フッ素含有流体からフッ素を吸着除去するフッ素含有流体の処理方法において、上記吸着材として、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを反応させた後にアルカリにより中和して製造したものを用いた構成としている。これにより、従来の技術に比べ安定的で高いフッ素の除去率を示し、高濃度のフッ素含有廃水と排ガスばかりではなく低濃度のフッ素含有廃水とフッ素含有排ガスでも高いフッ素の除去率を達成できるようになる。
【0014】そして、必要に応じ、上記吸着材を、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを0〜100℃、好ましくは室温(25℃程度)で、pH0〜7、好ましくはpH2〜3になるように混合して反応させた後、溶液にアルカリを用いてpH4〜14、好ましくはpH7までに調節し沈殿物を発生させ、その中和反応により得た沈殿物を濾過して水洗い・乾燥し、その後に粉砕して製造する構成としている。この場合、上記混合反応させた後の溶液は、pH2〜3であり、上記中和反応により発生した沈殿物はpH7〜8であることが有効である。また、必要に応じ、上記吸着材は、粉末または一定の大きさに成形されたペレット状である構成としている。
【0015】また、必要に応じ、上記カルシウム塩は、上記カルシウム塩は、CaCl2 ,Ca(OH)2 ,CaO2 ,CaSO4 ・2H2 O,CaCl2 ・XH2 O(X=0〜517),CaSO3 ・1/2H2 O,Ca(H2 PO22 ,CaO,CaCO3 ,(Ca8 NO32 ・4H2 Oになったグループから選択されるカルシウム塩であり、上記燐酸または燐酸塩は、H3 PO4 ,NaHPO4 ・12H2 O,NaH227 ,Na5310,Na6413,(NaPO3n ,KH2 PO4,K2 HPO4 ,K3 PO4 ・(0〜3H2 O),K427 ,Kn+2n3n+1(n〜3),(KPO3n ,NH42 PO4 ,(NH42 HPO4 ,Ca(H2 PO42 ・H2 O,CaHPO4 ・2H2 O及びCa3 (PO42 になるグループから選択される燐酸または燐酸塩である構成としている。
【0016】更に、必要に応じ、上記吸着材は、一般式、Ca5 (PO43 OH・nH 2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含むCa 10-X (HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oで示されるハイドロキシアパタイトと、一般式、Ca 8(HPO42 (PO44 ・nH2 Oで示される燐酸カルシウム塩(「燐酸八カルシウム」という)を含有している構成としている。ここで、x=0〜1,n=0〜20である。本発明より製造された吸着剤は、Ca10-X(HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oで示されるハイドロキシアパタイトと、一般式、Ca 8(HPO42 (PO44 ・nH2 Oで示される燐酸カルシウム塩が共に含まれて生成されるが、自体の水溶液又はガス状にある他のイオンたとえばフッ素イオン、燐酸イオンなどが共存するとCa8 (HPO42 (PO 44 ・nH2 Oで示される全燐酸カルシウム塩がハイドロキシアパタイト、即ち一般式、「Ca5(PO43 OH・nH 2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含む」Ca 10-X (HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oで示されるハイドロキシアパタイトに転化して結局アパタイトに変わる。即ち、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩との反応から得られる生成物は上記に示した「Ca5 (PO43 OH・nH 2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含むCa 10-X (HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oで示されるハイドロキシアパタイト系」と「Ca 8(HPO42 (PO44 ・nH2 Oで示される燐酸カルシウム塩」がそれぞれ反応条件(pH,温度)により含有比率が異なって生成される。上記の反応としては、例えば、下記の反応式に示される反応が行なわれる。
【0017】CaCl2 +H3 PO4 +NaOH【0018】→Ca10-X(HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 O[Ca5 (PO43 OH・nH 2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2を含んだアパタイト]+Ca8 (HPO42 (PO44 ・nH2 O+NaCl【0019】ここで、x=0〜1,n=0〜20【0020】即ち、燐酸八カルシウムの分子構造はCa8 (HPO42 (PO44 ・nH2 O、ハイドロキシアパタイトの分子構造は「Ca5 (PO43 OH・nH2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含む」Ca 10-X (HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oであり、ここでx=0〜1,n=0〜20である。ここで、燐酸八カルシウムは燐酸カルシウム塩として表現する。以上の製造反応中の燐酸カルシウム塩とハイドロキシアパタイトの生成比率は反応中反応温度やpHの条件、そして原料濃度などの条件により異なるが、例えば、生成比率は燐酸カルシウム塩:ハイドロキシアパタイト=約70:約30の比率である。
【0021】即ち、吸着材は、上記の2つの、即ち、燐酸カルシウム塩とハイドロキシアパタイト系化合物の分子構造を複合した複合分子構造として現せば、CaX (HPO4y (PO4z (OH)m ・nH2 O(ここでx=3〜10,y=0〜2,z=1〜6,m=0〜2,n=0〜20)となる化合物を含有することになる。
【0022】また、必要に応じ、上記フッ素含有流体がフッ素含有廃水であるとき、上記吸着材をカラム型反応槽に入れ、該カラム型反応槽にフッ素含有廃水を通過させて吸着処理する構成としている。更に、必要に応じ、上記フッ素含有流体がフッ素含有廃水であるとき、上記吸着材を廃水処理槽に投入して攪拌してフッ素含有廃水を処理する構成としている。更にまた、必要に応じ、上記フッ素含有流体がフッ素含有ガスであるとき、上記吸着材を脱着式吸着管に入れ、該脱着式吸着管にフッ素含有ガスを通過させて吸着処理する構成としている。この場合、必要に応じ、上記処理後の流体のフッ素濃度が希望処理基準値以上になったとき、吸着材を交換する構成としている。
【0023】また、必要に応じ、使用された吸着材を再生する再生工程を備えた構成としている。この場合、上記再生工程は、処理後に流体のフッ素濃度が希望処理基準値以上のときに上記使用した吸着材を再生するものとし、フッ素の吸着除去は上記再生した吸着材を用いることが有効である。そしてまた、必要に応じ、上記再生工程は、上記使用された吸着材を500〜1600℃、好ましくは1100〜1200℃、20分からそれ以上の温度で焼成する第1段階と、上記焼成された吸着材を約5〜35%、好ましくは15〜20%の塩酸溶液により室温またはそれ以上の温度で20分以上の時間をかけて攪拌・濾過する第2段階と、上記第2段階から濾過された固体に5〜30%燐酸溶液をpH2〜3になるように投入して、50〜80℃、好ましくは60〜70℃で、20分以上時間をかけて攪拌した後5〜100%、好ましくは30〜40%の水酸化ナトリウムにより中和・沈殿させるとともに、上記第2段階から発生した濾液は5〜100%、好ましくは30〜40%の水酸化ナトリウムにより中和沈殿する第3段階と、上記第3段階で沈殿された沈殿物を濾過・水洗い・乾燥する第4段階とから構成されている。
【0024】また、上記の問題点を解決するため、本発明のフッ素含有流体の処理装置は、フッ素含有流体がフッ素含有廃水であるとき該フッ素含有廃水を吸着材に接触させてフッ素を吸着除去するフッ素含有流体の処理装置において、カラム型反応槽(1)を備え、カラム型反応槽(1)の廃水の入口と出口はガラスフィルタ(2a,2b)により閉まっていてその内部に吸着材(10)が充填され、上記の反応槽(1)の下段は加圧ポンプ(4)が付着された廃水供給管(5)を通じて廃水処理槽(3)と連結され、上記反応槽(1)の上段は排水管(8)が連結されたカバー(9)と連結され、上記カラム型反応槽(1)に、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを反応させた後にアルカリにより中和して製造され、ハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩を含有した構成の粉末またはペレット状の吸着材(10)を収納した構成としている。
【0025】そしてまた、上記の問題点を解決するため、本発明のフッ素含有流体の処理装置は、フッ素含有流体がフッ素含有ガスであるとき該フッ素含有ガスを吸着材に接触させてフッ素を吸着除去するフッ素含有流体の処理装置において、排ガス中のフッ素成分を吸着するため、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを反応させた後にアルカリにより中和して製造され、ハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩を含有した構成の粉末またはペレット状の吸着材(17)を充填した脱着式吸着管(16)と、上記脱着式吸着管(16)が脱着可能になるように連結された上・下部ガス処理管(20,21)と、上記フッ素含有ガスを上記下部ガス処理管(20)を通じて上記脱着式吸着管(16)へ移送し、フッ素成分が吸着処理された排ガスを上記ガス処理管(21)を通じて外部に移送するための移送手段とを備え、上記脱着式吸着管(16)上部にはネジ式充填口(14)が形成され、上記脱着式吸着管(16)内部の上,下部には濾過布(15)が具備されている構成としている。
【0026】この処理装置において、必要に応じ、上記移送手段は、送風機(18)または真空吸引機(19)で構成されている。また、必要に応じ、上記脱着式吸着管の上・下部は、マイナス(−)式クリップ(13)に形成され、これと結合される上・下部ガス処理管(20,21)の末段は、合わせる穴(11)に連結されたプラス(+)式クリップ(12)に形成されている。
【0027】そして、必要に応じ、上記吸着材が空密度2〜2.3g/cm3 ,真密度2.5〜2.8g/cm3 ,気空率21.5〜23.0%,強度21.0〜23.5Kg/cm2 の条件で充填されている構成としている。また、必要に応じ、上記吸着材を、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを0〜100℃でpH0〜7になるように混合して反応させた後、溶液にアルカリを用いてpH4〜14までに調節し沈殿物を発生させ、その中和反応により得た沈殿物を濾過して水洗い・乾燥し、その後に粉砕して製造する構成としている。更に、必要に応じ、上記混合反応させた後の溶液は、pH2〜3であり、上記中和反応により発生した沈殿物はpH7〜8である構成としている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係るフッ素含有流体の処理方法及びフッ素含有流体の処理装置について説明する。本発明の実施の形態に係るフッ素含有流体の処理方法は、フッ素含有廃水やフッ素含有ガス等のフッ素含有流体を吸着材に接触させてフッ素含有流体からフッ素を吸着除去するものであり、実施の形態に係るフッ素含有流体の処理装置により実現される。吸着材として、カルシウム塩と燐酸または燐酸塩とを反応させた後にアルカリにより中和して製造したものを用いる。具体的には、吸着材は、ハイドロキシアパタイトと燐酸カルシウム塩とを含有した吸着セラミックスとして構成されている。
【0029】実施の形態に係る吸着材は、以下のようにして製造される。図1には本発明の実施の形態に係りフッ素含有流体の処理方法に用いられる吸着材を製造する製造工程を示す。先ず、pHが約0から7までになるように同一モル数(単に、塩化カルシウムの使用量を同一モル数の塩化カルシウムの量より約1〜5重量%をもっと投入してもよい。)のカルシウム塩と燐酸又は燐酸塩を室温で混合・反応する。正しくするにはカルシウム塩と燐酸または燐酸塩との反応は溶液のpH2〜3になるように維持するようにする。pHがそれ以下(pH0〜2)の場合にはNaOHなどのアルカリを用い中和沈殿するときに副産物として塩化カルシウムが大量に発生し、pHがそれ以上(pH3〜7)になる場合にはハイドロキシアパタイトの粒子が小さくなるか半分以上の量が溶解したエマルジョン(emulsion)状態になるため濾過が難しくなるし、フッ素含有廃水または排ガスを処理した吸着材を再生するときに過量に入った水酸化ナトリウムの為にフッ化ナトリウム(NaF)として沈殿されるので2次汚染が発生する可能性が有るのである。
【0030】このようにして反応された溶液に、アルカリである水酸化ナトリウムを、沈殿されたハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質のpHを5〜14に合わせる量を投入する。正しくはハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質のpHを7〜8にするのが良いが、pH7以下にすると収率が低くなり、それ以上になると吸着材を取り引きするときに人体に有害になる虞がある。少しアルカリにするのが良いのは廃水と排ガスのほとんどが酸性なので少しアルカリであるのが反応性が早くなる効果がある。また、pH8以上になる場合にはフッ素含有廃水または排ガス処理するときに多量のNaOH中Naイオンと廃水または排ガス中のフッ素イオンとが結合してNaFが生成されるので再生工程から吸着材とNaFを分離するため多量の水を使用することでNaFが多量に含有された廃水が発生され2次汚染を起こす危険がある。反応に投入される薬品の量は下の反応式に現すようにモル比量に投入して反応を行い99.9%近い収率を得ることが出来、ハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質を沈殿するための水酸化ナトリウム(NaOH)の外に水酸化カルシウム(Ca(OH)2 ),酸化カルシウム(CaO),炭酸ナトリウム(CaCO3 ),水酸化カリウム(KOH),硫化カリウム(K2XX ,X =1〜10)等のアルカリを使用しても良い。本実施例ではカルシウム塩及び燐酸または燐酸塩として塩化カルシウム,CaCl2 ・2H2 Oと燐酸,H3 PO4 を使用し、中和するにはアルカリとして、水酸化ナトリウムを用いて反応を行った。
【0031】その結果、吸着材は、一般式、「Ca5 (PO43 OH・nH 2OとCa3(PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含む」Ca 10-X (HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oで示されるハイドロキシアパタイトと、一般式、Ca 8(HPO42 (PO44 ・nH2 Oで示される燐酸カルシウム塩(「燐酸八カルシウム」という)を含有して構成される。その反応式は以下のようになる。
【0032】CaCl2 +H3 PO4 +NaOH【0033】→Ca10-X(HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 O[Ca5 (PO43 OH・nH 2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含んだアパタイト]+Ca8 (HPO42 (PO44 ・nH2 O+NaCl【0034】ここで、x=0〜1,n=0〜20【0035】即ち、燐酸八カルシウムの分子構造はCa8 (HPO42 (PO44 ・nH2 O、ハイドロキシアパタイトの分子構造は「Ca5 (PO43 OH・nH2OとCa3 (PO42 Ca(OH)2 ・nH2 Oを含む」Ca 10-X (HPO4X (PO46-X (OH)2-X ・nH2 Oであり、ここでx=0〜1,n=0〜20である。ここで、燐酸八カルシウムは燐酸カルシウム塩として表現する。以上の製造反応中の燐酸カルシウム塩とハイドロキシアパタイトの生成比率は反応中反応温度やpHの条件、そして原料濃度などの条件により異なるが、例えば、生成比率は燐酸カルシウム塩:ハイドロキシアパタイト=約70:約30の比率である。
【0036】即ち、吸着材は、上記の2つの、即ち、燐酸カルシウム塩とハイドロキシアパタイト系化合物の分子構造を複合した複合分子構造として現せば、CaX (HPO4y (PO4z (OH)m ・nH2 O(ここでx=3〜10,y=0〜2,z=1〜6,m=0〜2,n=0〜20)となる化合物を含有することになる。
【0037】吸着材は、製造反応中反応温度、原料濃度などの条件によりその含量が違うだけで全体的には上記に示した一般式の分子構造を持つ種に含めている。アルカリ添加により沈殿したハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質を濾過する。その後、得た吸着材を水洗いして乾燥する。水洗いはイオン交換水かまたは水道水でも良いし、乾燥は温風を用い行っても良いし、ジャケット(Jacket)式の真空乾燥でも良いものである。上記の工程での水洗いは必ずしも行われなくても良い。このように製造された吸着材はボールミールにより1〜2mmの大きさに粉砕して使用しても良いし、一定な大きさのペレット状などに成形して、図2のカラム型反応槽または脱着式吸着管に充填して使用しても良い。
【0038】次に、実施の形態に係るフッ素含有流体の処理装置について説明する。図2はフッ素含有流体としてフッ素含有廃水を処理する処理装置の概略図である。この処理装置において、カラム型反応槽(1)の入口と出口はガラスフィルタ(2a,2b)に閉められ吸着材(10)を充填するときにセラミックスが濡れないように濾過布を付けている。カラム型反応槽(1)の下段は加圧ポンプ(4)を付けた廃水供給管(5)を通じて廃水処理槽(3)に連結され、カラム型反応槽(1)の上段は排水管(8)が連結されるカバー(9)に連結されている。反応槽(1)に吸着材(10)を充填するときにはカバー(9)とフィルタ(2b)を抜けた後に水と吸着材を混ぜたスラーリを入れる。そのときに、水は下段のフィルタ(2a)とバルブ(6)を通じて排出されて、吸着材(10)のみがカラム型反応槽(1)に残り吸着材(10)を反応槽(1)に入れることが出来る。ここで、符号7は配水管バルブである。
【0039】上述したように製造された吸着材の粉末またはペレットを、吸着材の重量の1倍または3倍に対する水と混合して、図2に示すカラム型反応槽(1)に入れた後に廃水を通過させ処理する。吸着材をカラム型の反応槽に入れる正しい条件としては空密度2〜2.3g/cm3 ,真密度2.5〜2.8g/cm3 ,気空率21.5〜23.0%,強度21.0〜23.5Kg/cm2 が吸着材とフッ素成分が圧力損失を最小化した一番よい条件である。
【0040】このように構成された本発明の実施の形態に係る処理装置の作用について説明すると、廃水処理槽(3)から出た廃水を加圧ポンプ(4)により強制的に移送させ廃水供給管(5)を通じカラム型反応槽(1)の中に移送させ、カラム型反応槽(1)で廃水に含まれているフリー(free)フッ素イオンまたはフッ素化合物のフッ素成分は吸着材(10)と反応・吸着してフッ素が除去される。処理後の廃水は排水管(8)を通じて放流システムにより放出する。
【0041】処理後廃水のフッ素濃度が希望する基準値(0〜15mg/l)になるようにカラム型反応槽(1)に供給される廃水の供給速度を調節する。カラム型反応槽(1)に入っている吸着材(10)の入れ替え時期は処理した廃水のpHをチェックするか処理した廃水のフッ素含有量をイオンクロマトグラム分析法により分析して決める。環境法上放出できる廃水中のフッ素量の基準値は地域により15mg/l,8mg/l,5mg/l,そして1mg/lにそれぞれ決めている。その中で清浄地域は人体に有害がない1mg/l以下に決められ、これらの基準値の調整が要求される。吸着材にフッ素または隣のイオンが吸着されることにより吸着材のpHが中性から酸性の方に変化しそれと同時に処理した処理後の廃水のpHも酸性の方に変わってくる。そのpHが酸性に変化が始まるとカラムの中に入っている吸着材を入れ替えなければならない(旦、廃水中のpHがフッ素イオンまたはフッ素化合物による酸性度を現すと処理水のpHは約7になる)。
【0042】吸着材の入れ替えは運営者の希望する処理水のpHから、即ち、希望する処理後の廃水の含まれているフッ素の量を測定して行われる。特に処理後の廃水の希望処理基準は処理後廃水のpHをチェックする事によりコントロール可能であり、自動的にpHチェックを行い、処理後の廃水が放出される排水管に連結し、吸着材の入れ替え時期を自動コントロールすることができる。または、フッ素含有廃水や排ガスが一定量、または一定濃度に図2のカラム型反応槽(1)と図3の脱着式吸着管(16)に供給する場合、処理する予想時間、即ち決められた時間に吸着材を入れ替えする方法でもよい。このようなカラム型反応槽(1)または脱着式吸着管(16)にフッ素含有廃水や排ガスを通過するとフッ素含有廃水や排ガスのフッ素成分が吸着材(10)に吸着されて、カラム型反応槽(1)または脱着式吸着管(16)を出た廃水または排ガスはフッ素成分が除去された処理後の廃水になる。
【0043】図3はフッ素含有流体としてフッ素含有ガスを処理する処理装置の概略図である。この処理装置は、フッ素含有排ガス中のフッ素成分を吸着するため上記と同様の吸着材(17)を充填した脱着式吸着管(16)を備え、脱着式吸着管(16)に連結された上・下部ガス処理管(20,21)を通じフッ素含有ガスを上記に示した脱着式吸着管(16)の方に移送してフッ素成分を吸着させる。この装置にはフッ素成分が吸着された処理後排ガスを外部に移送するため移送手段を備えている。
【0044】上記に示した吸着材(17)はフッ素含有廃水の処理装置のカラム型反応槽(1)に充填されている吸着材と同様の粉末または一定の大きさのペレットを使える。吸着材(17)は水と混合して脱着式吸着管(16)に入れることによりフッ素成分を除去する吸着材として使用することが出来る。正しくは空密度2〜2.3g/cm3 ,真密度2.5〜2.8g/cm3 ,気空率21.5〜23.0%,強度21.0〜23.5Kg/cm2 の条件で吸着材を入れるのがフッ素ガスと吸着材の接触効率を一番大きくすることが出来る。フッ素含有廃水処理装置に充填される吸着材(17)は上記に示したように水と混合して吸着管に入れることが出来る。これは圧力損失が大きく発生するので吸着材(17)はフッ素成分、即ちフッ素(F2 )またはフッ化水素(HF)等の形態でも、そしてミスト形態になった成分でも高い吸着力を持つことがわかる(後述の表1から4まで参照)。
【0045】上記の脱着式吸着管(16)は吸着材(17)の入れ替えを良くするため脱着式として構成され、上記に示している脱着式吸着管(16)の上・下部末段はマイナス(−)クリップ(clip,13)になり、これと結んでいる上・下部ガス処理管(20,21)の末段はクリップ(clip)形式により合わせ穴(11)にプラス(+)式クリップ(12)が連結されていて脱着がし易くなっている。また、脱着式吸着管(16)上部のマイナス(−)クリップ(clip,13)にはネジ式充填口(14)を付けて吸着材(17)を充填するか、入れ替えた場合にネジ式充填口(14)を回り開放させた後に充填でき、入れ替えする事が出来るように構成されている。上記に示した脱着式吸着管(16)内部の上・下部には吸着材(17)を止める止め濾過布(15)が具備されている。止め濾過布(15)の材質はポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリビルクロリドなどが使用されてこの粒径は約100〜200メッシュ(mesh)のものが使用される。
【0046】排ガスの移送手段は、送風機(18)または真空吸引機(19)により構成されている。移送手段として送風機(18)が使用される場合に処理後排ガスは上部ガス処理管(21)の出口側(23)の方に放出されるように構成されている。そして、真空吸引機(19)が使用される場合には処理後排ガスを上部ガス処理管(21)の出口側(24)を通じて真空吸引機(19)を通って外部に放出されるように構成されている。図3の装置では上部ガス処理管(21)が二つに図示されている。これは図一つで説明をし易くするため移送手段として送風機(18)を使用した場合と真空吸引機(19)を使用した場合を同時に現した。
【0047】上記に示したようにフッ素含有廃水または排ガス中のフッ素成分を吸着するため使用された吸着材は、再生して使用することが出来る。図4に示すように、先ず、使用された吸着材を灰火炉で500〜1600℃の温度(正しくは約800〜1000℃の温度)で20分からそれ以上焼成させた後焼成した吸着材を約5〜35%の塩酸溶液と混合して約40〜60℃の温度で30分またはそれ以上(例えば1〜3時間)攪拌させながら反応させる。
【0048】その後上記に示したように溶液を濾過し、濾過された固体(Ca(OH)2 またはCaOなどの溶解度が低いカルシウム塩と予想される)は約5〜85%の燐酸溶液を投入してpH2〜3に調節させた後約50〜80℃で20分またはそれ以上(例えば1〜3時間)攪拌して5〜100%NaOHを用い中和・沈殿させる。ここで沈殿した沈殿物を濾過して、水洗いするかまたはそのまま乾燥することにより得たものを再生セラミックスとする。また、塩酸溶液を入れ攪拌させた後に濾過した次に発生した濾液を約1〜100%の水酸化ナトリウム(NaOH)を用い中和(pH7〜8)すると白い粉末の吸着材が生成し、その後生成した沈殿物を濾過し水洗いと乾燥の工程を行い得たものを再生された吸着材にする。このように再生した吸着材をボールミールを使用して粉砕するかペレット状にするかして得てフッ素含有廃水またはフッ素含有排ガス中のフッ素成分を吸着させるために使用する。
【0049】
【実施例】次に、本発明の実施例について比較例とともに具体的に説明する。
[実施例1]吸着材は、pHが約2〜3になるように5gの塩化カルシウムと2gの燐酸を室温で混合・反応させて作成した。反応した溶液に水酸化ナトリウムにより中和処理してハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質を沈殿させる。このときに使用された水酸化ナトリウムの量は沈殿されたハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質が含まれている溶液をpH7〜8になるようにした。使用されたアルカリは水酸化ナトリウム以外に水酸化カルシウム(Ca(OH)2 ),酸化カルシウム(CaO),炭酸カルシウム(Na2 CO3 ),水酸化カリウム(KOH),硫化カリウム(K2XX ,x=1〜10)などが使用可能であることは上記に示した。このようにして製造されたハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質を濾過し、その後、水洗い・乾燥工程を行い、その後、ボールミールにより1〜2mmほどの大きさに均一に粉末化し、吸着材を製造した。
【0050】粉末化した吸着材を重量の約1倍から3倍の水と混合して空密度2〜2.3g/cm3 ,真密度2.5〜2.8g/cm3 ,気空率21.5〜23.0%,強度21.0〜23.5Kg/cm2 になるようにカラム型反応槽に入れ、その後に廃水のフッ素濃度が1mg/l以下になるように供給される廃水の供給速度を調節しながらフッ素含有量が25mg/lで、温度40℃,pH6.8であるフッ素含有廃水をポンプを使用してカラムの吸着材に加圧移送させ廃水中のフッ素成分を吸着した。吸着材がフッ素成分を飽和以上の濃度に吸着され、その吸着効率が望めるほどまで得られないときには吸着材を取り出して図4に示した方法により再生し、再生吸着材の能力を検討するために繰り返し試験を行った。
【0051】[実施例2]実施例1の結果を比較するために吸着材の製造に165gの塩化カルシウムと76gの燐酸を使用して、フッ素含有量が200mg/lであるフッ素含有廃水を使用したこと以外には実施例1と同一方法により行った。
【0052】[実施例3]本実施例には上記実施例1及び2とは違う方法(既存廃水処理設備に対応する方法)により廃水処理する方法として実施例1での同一方法により製造された吸着材を粉末化し、この吸着材をフッ素含有量が25mg/lで温度40℃,pH6.8のフッ素含有廃水が入っている廃水処理槽に投入し、20分間攪拌させた後に廃水を処理した。
【0053】[実施例4]本実施例は実施例3と同一方法で、実施例2と同一方法で製造された吸着材を粉末化し、この吸着材をフッ素含有量が200mg/lで、温度40℃,pH6.8のフッ素含有廃水が入っている廃水処理槽に投入して20分間かそれ以上攪拌して廃水を処理した。
【0054】[実施例5]本実施例はフッ素含有排ガスを処理した例である。この例では、実施例1で製造されたと同一のハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質を製造して、ボールミールにより粉末化して、同一の吸着材を製造した。その後、図3の脱着式吸着管(16)のネジ式充填口(14)を開けた状態で粉末化された吸着材(17)を充填し、吸着材を充填させた後にネジ式充填口(14)をしめた状態で+,−クリップ(12,13)を使用して吸着材が充填されている脱着式吸着管(16)を上,下部ガス処理管(20,21)に連結させた後に下部ガス処理管(20)の入口側(22)にある送風機(18)を利用してフッ素含有量が25mg/lのフッ素含有排ガスを脱着式吸着管(16)を通じ上部ガス処理管(21)の出口側(23)の方に強制移送させて吸着実験を行なった。処理前排ガスのフッ素含有量及び処理後排ガスのフッ素含有量は処理前排ガス及び処理後排ガスを純粋の水に飽和させた後にイオンクロマトグラム分析法により測定した。
【0055】[実施例6]本実施例では100gの塩化カルシウムと45gの燐酸を使用して実施例1での同一方法により吸着材を製造させた後にフッ素含有量が200mg/lであるフッ素含有排ガスを使用したこと以外には実施例5と同一方法により行った。
【0056】[比較例1]比較例1は従来方法であるフッ素含有量が50mg/lのフッ素含有廃水が入っている2200gの石灰石(Ca(OH)2 )を添加し、攪拌させた後に凝集剤としてポリアクリルアミドを投入して沈殿する通常の浄化方法を使用して試験を行った。
【0057】[比較例2]比較例1と同一の方法でフッ素含有量が200mg/lであるフッ素含有廃水が入っている精化槽に3300gの石灰石(Ca(OH)2 )を添加して攪拌させた後に凝集剤としてポリアクリルアミドを入れ沈殿する通常の方法を使用して試験を行った。
【0058】[比較例3]比較例3には従来の他の方法であるフッ素含有量が50mg/lであるフッ素含有量廃水が入っている精化槽に950gの石灰石(Ca(OH)2 )と700gの硫酸(H2 SO4 )、そして小量の硫酸カルシウムを入れ攪拌・反応してその後に凝集剤としてポリアクリルアミドを投入して沈殿除去する方法を使用して試験を行った。
【0059】[比較例4]比較例3と同一方法としてフッ素含有量が200mg/lであるフッ素含有廃水が入っている精化槽に1150gの石灰石(Ca(OH)2 )と700gの硫酸(H2 SO4 )、そして少量の硫酸カルシウムを入れた後に攪拌・反応し、その後に凝集剤としてポリアクリルアミドを投入して沈殿除去する方法を使用して試験を行った。
【0060】以上のように各実施例及び比較例について、処理された廃水及び排ガスに残っているフッ素含有量を検出・分析をイオンクロマトグラム分析法により以下の条件で測定した。
【0061】使用機器;IC20(DINONEX IC 20,SHIMAZU IN JAPAN)
カラム;Ion pac ASRA溶離液;2.7mmol/l, NaCO3 ,0.3mmol/l, NaHCO3流量;1.5ml/min試料流入量;10μl【0062】本発明の吸着材を用いたフッ素含有廃水の高度処理方法及びその処理装置を使用して、フッ素含有廃水を処理した実施例の試験結果と従来薬品を投入してフッ素含有廃水を処理する比較例の試験結果を、図5(表1)に示した。表1で示したように、比較例1及び2では71.0%及び95.0%のフッ素除去率を持ち、比較例3及び4では71.6%及び95.4%のフッ素除去率を持つことに比べ本発明の実施例1から4までの結果はほとんど100%近いフッ素成分の除去率を示した。
【0063】また、本発明による実施例では比較例に対して薬品の量が比較的に少ないし、これらの少ない薬品の量でも高い除去率を示す。特に、従来の方法での低濃度のフッ素含有廃水を処理した試験結果を示す比較例1及び3でのフッ素除去率は同じ方法により行った高濃度のフッ素含有廃水を処理した試験結果である比較例2及び4に比べ低い除去率である71.95%及び71.6%の除去率を示すことに比べ、本発明による高濃度のフッ素含有廃水を処理した結果である実施例2と実施例4及び低濃度のフッ素含有廃水を処理した結果である実施例1及び実施例3での除去率は表1に示したように全実施例の結果が高いフッ素除去率を示していることがわかる。その他、実施例では吸着材を再生して使用することで2次汚染問題が全く発生しないことに比べて、比較例1から4までの結果を見るとフッ素含有廃水を処理させた後に廃棄物が大量発生してその処理も一緒に行われなければいけない2次汚染の問題を起こした。
【0064】また、本発明の吸着材を利用したフッ素含有排ガスの処理方法及びその装置を使用してフッ素含有排ガスを処理する試験結果を、図6(表2)に示した。表2に示したように本発明で製造した吸着材を用いたフッ素含有排ガスの高度処理方法及びその装置によると高濃度ばかりではなく低濃度のフッ素含有ガスでもほとんど100%近いフッ素除去率を示した。また、使用した吸着材は再生して使用することで2次汚染問題が起こらない効果がある。
【0065】一方、フッ素含有廃水の温度による吸着材のフッ素吸着力を確認するために上記のフッ素含有廃水の処理装置を用いてフッ素含有廃水を処理した場合の実施例1と実施例2及び廃水処理槽に入れ攪拌する事でフッ素含有廃水を処理する場合の実施例3と実施例4と同一方法で、20℃から80℃以上の温度でフッ素含有廃水を使用して実験を行った。
【0066】また、フッ素含有廃水のpHによる吸着材のフッ素吸着力を確認するため上記した実施例1と実施例2、そして廃水処理槽に入れて攪拌してフッ素含有廃水を処理する場合の実施例3と実施例4と同一方法によりpH3から14までのフッ素含有廃水を使用して実験を行った。上記に示した実施例は比較例及びその他のフッ素含有廃水の温度またはpHによるハイドロキシアパタイト及び燐酸カルシウム塩等の物質の吸着力を確認するため実験の結果は以下のようにフッ素除去率を次の式により求めた。
【0067】(処理する前のフッ素含有量−処理させた後のフッ素含有量)÷(処理する前のフッ素含有量)×100=フッ素除去率(%)
【0068】廃水の温度による吸着材のフッ素吸着力を確認するため20℃から80℃以上の温度で廃水を用い実施例1から実施例4の方法と同一方法により実験を行った結果を、図7(表3)に示した。
【0069】また、廃水のpHによる吸着材のフッ素吸着力を確認するためにpH3〜14の廃水を用いて実施例1から実施例4までの方法と同一の方法により行われた結果を、図8(表4)に示した。
【0070】表3及び4からよく分かるように実施例1から実施例4までに40℃以上の温度、pH7以上のフッ素含有廃水のフッ素除去率はほとんど100%近い高い除去率を示した。そこで、フッ素含有廃水を処理する場合にはフッ素含有廃水の温度及びpHを以上で示した温度範囲及びpH範囲に合わせる必要がある。従って、上記に示した温度範囲及びpH範囲外に有るフッ素含有廃水は一般的に使用される加熱方法によりその温度範囲に合わせる方法が使用されることが出来、アルカリを添加してpH範囲を調節する方法などが利用できる。以上の本発明は上記した実施例により限定されない。同業者達による多様な変形及び変更は、本発明の目的と範囲に含まれる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように本発明のフッ素含有流体の処理方法及びフッ素含有流体の処理装置によれば、従来のフッ素含有廃水でのフッ素除去率に比べてかなり高い除去率を達成する事が出来、人体に無害な環境基準値である1mg/l以下まで安定的に処理できる。特に、低濃度のフッ素含有廃水でも高いフッ素除去率を持ち、低量の薬品を使用する為に薬品の消費量が少なくなり、そしてそのために発生する廃棄物の量も少なくなり、また、少ない廃棄物を100%再生して使用することにより2次汚染がない。設備及び処理工程が簡単で運営費用も節減及び新規の固定的カラムを利用することで安定的に廃水を高効率に浄化する効果がある。
【0072】また、本発明はこれまでに報告されていない技術でフッ素含有排ガス処理でも高い効率を現して上記のフッ素含有排ガスの効果と同一な効果を持ち脱着式吸着管を使用することから吸着材の入れ替えを容易にする効果を持つ。
【出願人】 【識別番号】502075939
【氏名又は名称】金 載宗
【出願日】 平成14年3月1日(2002.3.1)
【代理人】 【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
【公開番号】 特開2003−170003(P2003−170003A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2002−56165(P2002−56165)