| 【発明の名称】 |
フィルタとそれに使用するろ材の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐々 幸哉 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】西沢 一敏 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】風圧によるろ材の構造変形に因る気流の圧力損失の上昇を防止すると共に、ヒダ折り加工工数同一でヒダ折りろ材製品の多数個取り製造を可能にする。
【解決手段】本発明のフィルタ10は、ヒダ折りされたろ材20のヒダ折りの稜線方向が、フィルタを通る気体の流れ方向と略同じ方向になるように、フィルタケース内にヒダ折りろ材を装着している。またヒダ折りろ材20は、広巾のウェブ状のろ材をフィルタ高さhである複数の細巾にカッター30でミシン目状に長手方向にスリットし、次いでヒダ折り装置40で所定のヒダ折り数だけ折った後に広巾のろ材を横断方向に切断して広巾のヒダ折りろ材20Aを形成し、その後ミシン目に沿って切断することで、複数のヒダ折りろ材が一度に得られる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 気体が貫流するケース内にヒダ折りされたろ材が装着されているフィルタにおいて、前記ヒダ折りされたろ材のヒダ折りの稜線方向が、該フィルタを通る気体の流れ方向と略同じ方向になるように装着されていることを特徴とするフィルタ。 【請求項2】 前記ヒダ折りされたろ材が、その両端で高さが異なっていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。 【請求項3】 前記ろ材が、有害ガス、悪臭ガス等の汚染物質を除去する活性炭や吸着剤又は触媒等の脱臭層と、塵、埃、花粉等の粒子状物質を除去する除塵層との多層構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタ。 【請求項4】 前記ろ材が、塵、埃、花粉等の粒子状物質を除去する除塵層に、有害ガス、悪臭ガス等の汚染物質を除去する活性炭や吸着剤又は触媒等の担体を混ぜたものを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタ。 【請求項5】 前記除塵層が、不織布、エレクトレット繊維層又はウレタンフォームのような発泡層よりなることを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルタ。 【請求項6】 前記活性炭が、粉末炭、破砕炭又は球状炭であることを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルタ。 【請求項7】 前記吸着剤が、酸性吸着又は塩基性吸着であることを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルタ。 【請求項8】 前記吸着剤を前記活性炭に添着したことを特徴とする請求項3,4,6又は7に記載のフィルタ。 【請求項9】 前記触媒が、TiO2 等の金属酸化物の光触媒又は白金担持系の常温触媒であることを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルタ。 【請求項10】 フィルタ内に配置されるヒダ折りされたろ材を製造する方法において、ロール状に巻かれたろ材から巻き解かれて供給される広巾のウェブ状のろ材を、フィルタ高さである複数の細巾にミシン目状に長手方向にスリットし、次いでヒダ折り装置によって所定のヒダ折り数だけ折った後に、該広巾のウェブ状のろ材を横断方向に切断して広巾のヒダ折りされたろ材を形成し、その後ミシン目に沿って切断することで、フィルタ高さの複数のヒダ折りろ材を得ることを特徴とするヒダ折りろ材の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、空気中の汚れ物質を除去・清浄するフィルタ及びこのフィルタに適用されるろ材の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来技術における空気中の汚れ物質を除去・清浄するフィルタ1は、図7に示されるように、ろ材2をヒダ折りしその稜線方向に対して垂直に風を流す構造をしていた。この従来構造のフィルタ1においては、図8に示されるように、ろ材2が風圧に負けてろ材変形(ろ材のヒダ折り高さH→H’になる)が起こり、ろ材間のヒダ密着が起こることにより、構造変形による気流の圧力損失が増加する要因となっていた。これはろ材2の深さ方向(ヒダ折り高さH)が大きいとき、またはろ材2の腰強度・座屈強度が低いときに、特に起こり易い。 【0003】これらの不具合を克服するために、従来においては、例えばろ材の目付けを上げたりしてろ材自体を強度を上げるか、図9に示すように、ろ材2のヒダ山間の隙間・間隔dを小さく・狭くしたりしてろ材の構造強度を上げるかして、これに対処していたが、逆にろ材間のヒダ密着を引き起こすことによってトータルの気流の圧力損失が上昇するという問題があった。しかもそれだけでなく、ろ材2のヒダ山間の間隔dを小さくすることによって、製品1個当りのヒダ折り加工工数が上昇し、生産効率が悪くなるという問題もあった。 【0004】また従来においては、上記のヒダ密着を起こさせないように、図10(a)に示すように、ろ材2のヒダ山に適合するような鋸歯状のスペーサ3を使用し、図10(b)に示すように複数個のスペーサ3をろ材2のヒダ山間に配置した構造のフィルタも考えられているが、この構造は、余分なスペーサ3を必要とすることから、コストアップに直結するという問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、風圧によるろ材の構造変形に起因する気流の圧力損失の上昇を防止すると共に、ろ材のヒダ折り加工工数同一で製品の多数個取り製造を可能とし生産効率の向上が計れるフィルタ及びフィルタに使用するヒダ折りろ材の製造方法を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載のフィルタ及びフィルタに使用するヒダ折りろ材の製造方法を提供する。請求項1に記載のフィルタは、ヒダ折りされたろ材のヒダ折りの稜線方向が、フィルタを通る気体の流れ方向と略同じ方向になるようにろ材を装着したものであり、これにより、気体の風圧によるろ材変形によってろ材間のヒダ密着が起こり、これに起因して生じる圧力損失を防止できる。 【0007】請求項2のフィルタは、ヒダ折りされたろ材の両端でその高さを異なるようにしたものであり、これにより、曲部等の不均一な流れの個所に対応したフィルタが得られる。請求項3のフィルタは、ろ材が、有害ガス、悪臭ガス等の汚染物質を除去する活性炭や吸着剤又は触媒等の脱臭層と、塵、埃、花粉等の粒子状物質を除去する除塵層との多層構造のものを使用するものであり、脱臭効果と除塵効果とを合わせもつろ材を使用することも可能であり、一つのフィルタで両方の効果が得られる。 【0008】請求項4のフィルタは、ろ材として、塵、埃、花粉等の粒子状物質を除去する除塵層に、活性炭や吸着剤又は触媒等の担体を混ぜたものを含んでいるものを使用したものであり、これにより、脱臭層と除塵層の2層構造と同様の効果が得られる。請求項5のフィルタは、ろ材の除塵層として、不織布又はエレクトレット繊維層或いはウレタンフォーム等の発泡層を採用することを規定したものである。 【0009】請求項6のフィルタは、ろ材に使用される活性炭が、粉末炭、破砕炭又は球状炭であることを特定したものであり、用途によって好適な活性炭を選択できる。請求項7のフィルタは、ろ材に使用される吸着剤が、酸性吸着又は塩基性吸着を行うものに特定したものであり、用途によって好適な吸着剤が使用できる。 【0010】請求項8のフィルタは、活性炭に吸着剤を添着したものであり、これにより、両者を適当な割合に混合することで特殊なフィルタを得ることができる。請求項9のフィルタは、ろ材に使用される触媒が、TiO2 等の金属酸化物の光触媒又は白金担持系の常温触媒であることを特定したものである。 【0011】請求項10に記載のヒダ折りろ材の製造方法は、広巾のウェブ状のろ材を、フィルタ高さである複数の細巾にミシン目状に長手方向にスリットし、次いでヒダ折り装置によって所定のヒダ折り数だけ折った後に、この広巾のウェブ状のろ材を横断方向に切断して広巾のヒダ折りろ材を形成し、その後ミシン目に沿って切断することで、フィルタ高さの複数のヒダ折りろ材を得るようにしたものであり、これにより、1回のヒダ折り工程で、ヒダ折り加工工数が同一の多数のフィルタ高さのヒダ折りろ材を同時に形成することができ、ろ材の生産効率を上げることができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態のフィルタ及びこのフィルタに使用されるヒダ折りろ材の製造方法について説明する。図1は、本発明のフィルタ10の全体構成を示す斜視図である。フィルタ10は、図1において、上面と下面が開放されているフィルタケース11内に、ヒダ折りされたろ材20が装着されている。ろ材20によって浄化される気体は、このフィルタケース11内を上方から下方へ貫通して流れる。本発明においては、ヒダ折りされたろ材20の端部に対し、気体の流れ方向が垂直になるように、即ち、ヒダ折りされたろ材20のヒダ折りの稜線方向が、気体の流れ方向と略同一となるようにヒダ折りろ材20が、フィルタ10内に配置されている。したがって、ヒダ折りされたろ材20は、風圧を受けにくいように配置されている。 【0013】ここに使用されるろ材20としては、その用途に応じて各種のろ材が適用可能であるが、例えば、汚染物質、特に有害ガス、悪臭ガス等を除去する各種の活性炭や各種の吸着剤又は各種の触媒等を含む脱臭層21をもつろ材であってもよく、また塵、埃、花粉等の粒子状物質を除去する除塵層22をもつろ材であってもよい。或いは、上記の脱臭層21と除塵層22とを多層に重ねて形成したろ材であってもよい。図2には、脱臭層21と除塵層22とを2層に重ねたろ材20が示されている。 【0014】塵、埃、花粉等の粒子状物質を除去する除塵用ろ材としては、不織布、エレクトレット繊維でもよく、更にはウレタンフォームのような発泡材でもよい。エレクトレットとは、物体内部に電荷が分極保持された状態をいい、この状態の物体を繊維化したものがエレクトレット繊維であり、粒子状物質の捕集効果が大巾に改善される。更には、原料繊維を炭素化した後活性化処理した活性炭素繊維を使用することもできる。また、前記活性炭としては、粉末炭、破砕炭、球状炭等各種のものを、その用途に応じて使用することができる。前記吸着剤としては、酸性吸着、塩基性吸着等各種の吸着剤が、用途に応じて使用可能であり、更には、吸着剤を活性炭に添着して利用することもできる。更に前記触媒としては、TiO2 等各種金属酸化物の光触媒や、白金担持系の常温触媒等各種の公知の触媒を使用することができる。 【0015】図2では、2層構造のろ材20が実施例として示されているが、図3に示す実施例のように、塵、埃、花粉等の粒子状物質を除塵する除塵層22内に、汚染物質である有害ガス、悪臭ガス等を除去する各種の活性炭や各種の吸着剤または各種の触媒等の担体23を混ぜたものをろ材20として使用することもできる。この図1及び図2に示された実施例のろ材20においては、ろ材厚みtが厚い場合において好適である。 【0016】図4は、本発明の別の実施の形態のフィルタの全体構成を示している。上述の実施の形態のフィルタ10の構造においては、直方体の形状をしているが、この実施の形態のフィルタ10は、錐台形状をしている。即ち、フィルタ10内に装着されるヒダ折りしたろ材20は、その両端で高さが異っている。この場合においても、ヒダ折りされたろ材20のヒダ折りの稜線方向が、気体の流れ方向と略同一になるようにろ材20はフィルタ10内に配置されている。この様の構造のフィルタ10は、曲部等の気体の流れが不均一な場所に配備するのに好適である。本発明のフィルタ10は、一般的な空気清浄器や空調装置等に普く使用可能なものであるが、好適には例えば、車両用空気清浄器や車両用空調機に搭載する。 【0017】次に、本発明の実施の形態であるフィルタに使用されるヒダ折りろ材の製造方法について図5,6に従って説明する。図5に示されるように、製品としてのヒダ折りろ材2の原材料である広巾のウェブ状のろ材20Aがロール状に巻かれており、これを巻き解くことでろ材20Aが供給される。このろ材20Aの進行途中には、ろ材20Aにフィルタ高さhの間隔でミシン目24を付与するカッター30が並列状に複数(図5においては3つ)配置されている。所定のフィルタ高さhの間隔でミシン目24を付与されたろ材20Aは、次の工程であるヒダ折り装置40によって所定の数のヒダ折りが付けられる。なお、ミシン目に代えて、ろ材の厚さ方向に極く一部残す形でスリットするようにしてもよい。 【0018】このヒダ折り装置40は、ろ材20Aの上方及び下方に配置された折り板41,42が上下に往復動することによって、ヒダ折りが行われる。ろ材20Aのヒダ折り高さHは、折り板41,42のストロークによって任意に変えることができる。また、ヒダ折り数もヒダ折り装置の設定によって任意に変えることができる。所定の数のヒダ折りがされたろ材20Aは、そのヒダ折りの後端において、図示されないカッターによってろ材20Aを横断する方向に切断される。これによって、図6に示されるようなヒダ折りされたろ材20Aが得られる。この広巾のヒダ折りされたろ材20Aをミシン目24に沿って手作業で切断することによって、最終製品であるヒダ折りされたろ材20が得られる。即ち、図6に示されたろ材20Aにおいては、4つの製品としてのヒダ折りろ材20が得られる。 【0019】以上説明したように、本発明のフィルタにおいては、ヒダ折りしたろ材がそのヒダ折りの稜線方向に対して略同じ方向に気体が流れるような配置構造になっているので、風圧を受けにくくろ材変形が防止でき、ろ材間のヒダ密着が起らず、したがって気体の圧力損失が防止できる。また、ろ材のヒダ山間にスペーサを配置する必要もない。更に、本発明のヒダ折りろ材の製造方法においては、ヒダ折りする前にフィルタ高さに細巾にカッターでスリットすることにより、一度のヒダ折り工程で多数のヒダ折りろ材製品にヒダ折りを付与することができ、生産効率が向上する。また、ヒダ折り高さ及びヒダ折り数の変更も、生産コストに影響を及ぼすことなく、任意に行える。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成13年6月25日(2001.6.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−1025(P2003−1025A) |
| 【公開日】 |
平成15年1月7日(2003.1.7) |
| 【出願番号】 |
特願2001−191755(P2001−191755) |
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