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【発明の名称】 車両運転装置
【発明者】 【氏名】安川 裕介
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番1号 富士通株式会社内

【氏名】十時 伸
【住所又は居所】大分県大分市東春日町17番58号 株式会社富士通大分ソフトウェアラボラトリ内

【氏名】新藤 泰司
【住所又は居所】東京都葛飾区立石7丁目9番10号 株式会社トミー内

【要約】 【課題】運行遅延や待ち合わせに対処させながら手動運転車両を含む複数の車両を自動走行させること。

【解決手段】走行路をセクションに分割し、セクション間をギャップで切り分け、各センションへの給電を制御して、車両の走行、停止を制御する。また、他セクションが隣接するセクションの端部近傍に車両を検出する車両センサT1〜T10を設置する。制御手段2は車両センサT1〜T10により車両の位置を認識し、次に走行するセクションに進入可能であるか否かを判定しながら、各セクションにおける車両の走行、停止を制御して各車両を、予め登録された走行パターンに沿って運行させる。また、手動運転手段3により制御される手動運転車両が、セクションの端部近傍に達したとき、制御手段2は、次に走行するセクションに進入可能であるか否かを判定し、手動運転車両の走行、停止を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行路をセクションに分割し、セクション間をギャップで切り分け、各セクションにおける車両の走行/停止を制御する車両運転装置であって、他セクションが隣接するセクションの端部近傍に車両を検出する車両センサを設置し、車両の運行を制御する制御手段は、上記車両センサの出力により車両の位置を判定し、該判定結果に基づき各セクションにおける車両の走行、停止を制御することを特徴とする車両運転装置。
【請求項2】 上記制御手段は、車両毎に予め設定された走行パターンに基づき、車両の運行を制御するものであり、前記車両センサにより車両の位置を認識し、次に走行するセクションに他の車両がいるか否かにより、該セクションに進入可能であるか否かを判定し、各セクションにおける車両の走行、停止を制御することを特徴とする請求項1の車両運転装置。
【請求項3】 走行路上の特定の車両を手動で運転するための手動運転手段を備え、上記制御手段は、手動運転の車両が、セクションの端部近傍に達したとき、次に走行するセクションに進入可能であるか否かを判定し、上記手動運転の車両の走行、停止を制御することを特徴とする請求項1または請求項2の車両運転装置。
【請求項4】 上記制御手段は、上記手動運転手段による運転技量を評価し、得点として表示することを特徴とする請求項3の車両運転装置。
【請求項5】 走行路をセクションに分割し、セクション間をギャップで切り分け、各セクションにおける車両の走行、停止を制御する車両運転プログラムであって、上記プログラムは、他セクションが隣接するセクションの端部近傍に設けられた車両センサの出力により車両の位置を認識する処理と、次に走行するセクションに他の車両がいるか否かにより、該セクションに進入可能であるか否かを判定する処理と、上記判定結果に基づき各セクションにおける車両の走行、停止を制御する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする車両運転プログラム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両運転装置に関し、特に、鉄道模型等に適用するに好適な車両運転装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、鉄道模型等においては、線路と、線路上もしくは線路の近傍に信号機、ポイント切り換え器、駅、踏み切り等を備えたレイアウト上を模型列車を自動走行させる車両運転装置が各種提案されている。上記鉄道模型において、線路上の列車への給電は、通常、線路の2本のレール間を絶縁し、2本のレール間に直流電圧(もしくは交流電圧)を供給して線路上を走行する列車に給電する方法が用いられる。また、線路を複数の区間に分割し、各区間毎に選択的に給電する方法も提案されている。線路を複数の区間に分割すれば、各区画毎に給電を制御することができるので、線路上に複数の列車を走行させ、各列車の走行/停止を制御することができる。また、直流電源を用いて給電方向を制御すれば、各列車の進行方向を制御することもできる。特に近年では、パソコンを用いて列車の走行/停止を制御し、列車を自動運転するものも提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来から車両運転装置が各種提案されている。しかし、従来の鉄道模型等における車両運転装置は、以下点で充分なものではなかった。
(1) 同一レイアウト上に多数の車両を走行させ、これらの車両の運行の遅延や、他車両の待ち合わせに対処できるように各車両を自動運転させるものは少なかった。特に、複数の車両の内、特定の車両を手動で運転し、他の車両を手動運転車両の走行に対応させて自動走行させることは困難であった。
(2) 従来から車両の前方に小型のビデオカメラを設置し、ビデオカメラで受像した風景を受像器に伝送し、走行する車両の前方の風景を受像器に表示しながら車両を走行させるようにしたものも提案されているが、従来のものは、天候等をシミュレーションして車両の前方の風景を加工して表示させたり、天候等に応じて運転性能を変化させることはできなかった。
(3) 従来の鉄道模型等においては、専らレイアウト上で車両を走行させることに楽しみを見いだすものであり、ゲーム性の面において充分なものではなかった。
(4) 従来の模型鉄道等においては、各車両の自動走行の手順を、高度な知識を持たないユーザ自身が自由に設定したり変更するのは困難であった。本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、運行遅延や待ち合わせに対処させながら手動運転車両を含む複数の車両を自動走行させることができ、また、ゲーム性に富み、さらに、各車両の走行の手順をユーザ自身が自由に設定することが可能な車両運転装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては、以下のようにして前記課題を解決する。
(1)図1に示すように、走行路をセクションに分割し、セクション間をギャップで切り分け、各セクションにおける車両の走行、停止を制御して車両を運行させる。そして、他セクションが隣接するセクションの端部近傍に車両を検出する車両センサT1〜T10を設置する。車両の運行を制御する制御手段2は、上記車両センサT1〜T10の出力により各車両の位置を判定し、車両の運行を制御する。
(2)制御手段2には車両毎の走行パターンが予め設定され、制御手段2はこの走行パターンに基づき、車両の運行を制御する。そして、車両センサT1〜T10により車両の位置を認識し、次に走行するセクションに他の車両がいるか否かにより、該セクションに進入可能であるか否かを判定し、各セクションにおける車両の走行、停止を制御する。
(3)走行路上の特定の車両を手動で運転するための手動運転手段3を設ける。そして、制御手段2は、手動運転の車両が、セクションの端部近傍に達したとき、次に走行するセクションに進入可能であるか否かを判定し、上記手動運転の車両の走行、停止を制御する。
(5)上記制御手段2は、上記手動運転手段3による運転技量を評価し、得点として表示する。
以上のように、本発明においては、走行路をセクションに分割し、セクション間をギャップで切り分け、各セクションにおける車両の走行、停止を制御するとともに、他セクションが隣接するセクションの端部近傍に車両を検出する車両センサを設置して、車両センサの出力により各車両の位置を判定し、各車両の運行を制御するようにしたので、車両の運行の遅延や、他車両の待ち合わせに対処させながら、同一レイアウト上に複数の車両を走行させることができる。また、各車両毎に運転論理を定義し各車両を制御するようにしたので、各車両毎に走行パターン(走行シナリオ)を設定することができ、多車両が同一レイアウト上を走行する場合であっても、走行パターンを容易に設定することができる。さらに、手動運転手段を設け、手動運転の車両が、セクションの端部近傍に達したとき、次に走行するセクションに進入可能であるか否かを判定し、上記手動運転の車両の進行、停止を制御するようにしたので、自動走行車両と手動運転車両の混合運転を行うことができる。また、上記手動運転手段による運転技量を評価し得点として表示するようにしたので、ゲーム性が増し、運転が楽しくすることができる。本発明は上記に加え、以下のように構成することもできる。
(1)上記車両センサを、セクションの端から、走行している車両が停止するに必要な距離だけ離れた位置に設置する。上記構成とすることにより、車両を信号機等が設けられたセクションの直前で停止させることができる。
(2)セクションの端部近傍に2つの車両センサを設置し、該2つのセンサの出力に基づき、車両の走行方向を検出する。上記構成とすることにより、ギャップ部分で車両が停止したときでも誤動作することがない。
(3)車両運行の開始時、車両が初期位置にいないとき、前記制御手段は、走行路のレイアウトに基づき、上記車両を上記初期位置に移動させる経路を探索し、車両を初期位置まで移動させる。上記構成とすることにより、各車両をレイアウト上の設置し易い任意に位置に設置して、車両の運転を開始することができる。
(4)手動運転車両が駅に到着したとき、車両センサもしくは定点停止センサの出力により、車両が予め定められた位置に停止したか否かを判定し、車両が上記予め定められた位置に停止したとき、駅到着時に伴う各種の操作を行う。上記構成とすることにより、手動による車両運転を一層楽しくすることができる。
(5)手動運転車両に、車両の進行方向前方の風景を撮影するビデオカメラを設置し、また、該ビデオカメラにより撮影した画像を表示するための表示装置を設け、該ビデオ画像を加工して、設定された天候、時間帯、季節および/または背景の景色に応じた画像を生成し、該画像に運転席の画像を重ねて上記表示装置に表示する。また、上記天候等の環境に応じて、車両の運転性能を変化させる。これにより、車両の前方を見ながら車両の運転を行うことができ、また、ビデオ画像を加工して、設定された天候等に応じた画像を表示することにより、季節感、時間感覚の無い室内レイアウトでも変化のある運転が可能となる。さらに、設定環境による運転の変化を設定可能とすれば、一層実感を持って運転を楽しむことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、鉄道模型について説明するが、本発明の適用対象は、鉄道模型に限定されるものではなく、その他の車両の運転にも適用することができる。図1は本発明の車両運転装置の概要を示す図である。同図において、1は車両が走行する走行路のレイアウトである。図1は、例えば、鉄道模型の線路のレイアウトを示しており、この場合の車両は列車(一台の電車や機関車であってもよいが、以下ではこれらを含めて列車という)であり、走行路は、列車が走行する線路である。また、前記した車両センサは、この例では列車センサである。上記線路上もしくは線路の近傍には信号機、ポイント切り換え器、駅、踏み切り等が設けられており、線路はギャップ位置、ポイント位置で区間に分割される。この例ではギャップGp1〜Gp3、ポイントP1〜P3により、5つの区間に分割され、フィーダ(同図のF1〜F5)を介して、各区間(以下では区間をセクションともいう)毎に給電を制御して、列車の走行/停止を制御する。線路上には列車を検出する列車センサ(同図T1〜T10)、ポイント(同図P1〜P3)、信号機(同図のS1〜S9)等が配置されている。また、同図では2両の列車がレイアウト上に配置され、その内の1両の列車は、列車の前方に小型のビデオカメラを備えたカメラカーであり、カメラカーからのビデオ画像は、無線あるいは線路等のビデオ信号伝送路を介して制御手段2に伝送される。2は制御手段、3は手動運転装置(マスコンともいう)、4は表示装置であり、制御手段2は、カメラカーからのビデオ画像を受信し、後述するようにビデオ画像を加工して、設定された天候、時間帯、季節および/または背景の景色に応じた画像を生成し、表示装置4に例えば運転台の映像と重ねて表示する。また、制御手段2は列車センサT1〜T10から送られる列車検知信号を受信し、制御手段2内に予め設定された運行手順(以下シナリオという)やマスコン3からの手動運転信号等に基づき、各セクションへの給電、ポイントP1〜P3の切り換え、信号機S1〜S9、踏み切り、駅アナウンス等の制御を行う。
【0006】図2は本発明を鉄道模型に適用した場合のシステム構成例を示す図である。同図において、1は前記したレイウアト、列車Cは上記レイアウト1上を走行するカメラ付き列車であり、カメラ付き列車Cの前方に設けられたビデオカメラにより列車前方の風景が撮影され、ビデオ信号が前記したようにビデオ信号伝送路を介して映像キャプチャーボード等のインタフェースIF1に送られる。パソコン20はインタフェースIF1(マイコンボード)を介してビデオ信号を受信し、前記したように受信したビデオ画像を加工して、天候、時間帯、季節等に応じた画像を生成し、表示画面上に運転台の映像等と重ねて表示する。また、パソコン20は、インタフェースIF3(マイコンボード)を介してレイアウト1上に設けられた列車センサ等からの信号を受信するともに、インタフェースIF2(マイコンボード)を介してマスコン3からの信号を受信する。21はパワーコントローラであり、パソコン20からの指令に応じて、レイアウト1の各セクションへの直流電圧の供給を制御する。また、ポイント駆動電源のポイントへの供給を制御する。パソコン20は、予め設定されたシナリオ、上記マスコン3からの指令等に応じてレイアウト1の各セクションへの給電制御信号を出力するとともに、レイウウト上に設けられたポイント、信号機等を制御する信号を出力する。パソコン20から出力は、インタフェースIF4(マイコンボード)を介してレイアウト1上に設けらけた各種機器に送られる。なお、上記パソコン20、インタフェースIF1〜IF4、パワーコントローラ21で前記した制御手段2を構成する。
【0007】図3は本発明の実施例の鉄道模型のレイアウト例を示す図である。本実施例において、レイアウトは、駅モジュールM1、分岐モジュールM2、踏み切り1aを備えたループ右線1b、ループ左線1cから構成される。レイアウト上には、前記したように列車を検出する列車センサT1〜T10、ポイントP1〜P3、信号機S1〜S9が設けられる。また、駅モジュールM1にはホーム1eが設けられている。そして、前記したように、線路はギャップGp1〜Gp3の位置、およびポイントP1〜P3の位置で5つの区間に分割され、フィーダF1〜F5を介して各セクション毎に給電が制御される。なお、駅モジュールではホーム1eの両側に線路が配置され、各線路毎にフィーダF1,F2が設けられ、線路毎に給電が制御される。
【0008】上記レイアウトは、セクション/モジュール/線路等を単位として分割することができ、ユーザは、これら分割されたセクション/モジュール/線路等を接続して、レイアウトを組み立てたり、また必要に応じて新たなモジュール、線路等を追加して、レイアウトを変更することができる。なお、前記したパソコン20に予めレイアウト形状等を設定しておけば、上記レイアウトの組立に際し、パソコン20はレイアウトの形状等を表示画面に表示するとともに、各セクション、モジュール等の接続を検出し、組立状況を表示画面上に表示する。これにより、ユーザは、容易にレイアウトの組立を行うことができる。
【0009】図4は駅モジュールM1の構成例を示す図である。駅モジュールM1に設けられた駅のホーム1eの両側には前記したように線路が設けられ、フィーダF1,F2を介して各線路毎に給電が制御される。ホーム1eの両側の線路はポイントP1,P2で分岐しており、ポイントP1,P2を切り換えることにより、ホームH1に進入する列車の到着番線(1番線あるいは2番線)を制御することができる。ポイントP1,P2のホーム1e側には、それぞれ信号機S2,S5、信号器S3,S6が設けられており、信号機S2,S5,S3,S6が青にならないとホームH1から列車は発車することができない。ポイントP1,P2の先にはギャップGp1,Gp2が設けられ、ループ右線1b、ループ左線1cと分離されている。また、ホームH1の両側の線路の両端部には列車センサT2,T5、T3,T6が設けられ、また、ギャップのループ右線1b、ループ左線1c側には列車センサT1,T4が設けられている。さらにループ右線1b、ループ左線1cのギャップ近傍には、信号機S1,S4が設けられており、信号機S1,S4が青にならないと列車はホームH1に進入することができない。
【0010】上記列車センサT1〜T6の出力は、マイコンボート(前記インタフェースIF3,IF4)の設けられた列車センサ回路10a、プロセッサ10を介して前記したパソコン20に送られる。また、パソコン20の出力はプロセッサ10を介して、信号駆動回路10b、ポイント駆動回路10c、Hブリッジ10d,10eに送られる。信号駆動回路10bはパソコン20の出力に基づき上記信号機S1〜S6を駆動する。ポイント駆動回路10cはパソコン20の出力に基づきポイントP1,P2を駆動する。また、Hブリッジ10d,10eはパソコン20の出力に基づき、フィーダF1,F2による線路への給電を制御する。
【0011】図5は分岐モジュールM2の構成例を示す図である。分岐モジュールM2にはループ右線1bとループ左線1cを分岐するギャップGp3が設けられ、フィーダF3,F4,F5を介してループ右線1b、ループ左線1c、留置線1dの給電が制御される。ギャップGp3のループ左線1c側には、ポイントP3が設けられ、ポイントP3から留置線1dが分岐している。ポイントP3のループ右線1b側には列車センサT7と信号機S7が設けられ、また、ポイントP3のループ左線1c側には列車センサT8と信号機S8が設けられている。さらに留置線1dには、列車センサT9,T10と、信号機S9が設けられている。
【0012】上記列車センサT7〜T10の出力は、マイコンボート(前記インタフェースIF3,IF4)の設けられた列車センサ回路10a、プロセッサ10を介して前記したパソコン20に送られる。また、パソコン20の出力はプロセッサ10を介して、信号駆動回路10b、ポイント駆動回路10c、Hブリッジ10d,10eに送られる。信号駆動回路10bはパソコン20の出力に基づき上記信号機S8〜S9を駆動する。ポイント駆動回路10cはパソコン20の出力に基づきポイントP3を駆動する。また、Hブリッジ10d,10eはパソコン20の出力に基づき、フィーダF3,F4による線路への給電を制御する。さらに、上記マイコンボードには、ループ右線1bに設けられた踏み切り1aを制御する踏み切り駆動回路10fが設けられており、パソコン20により踏み切り1aが制御される。
【0013】以上のように、線路をギャップ、ポイントでセクションに切りわけることにより、セクション毎に給電を制御することができるので、各セクション上にある列車の走行/停止を制御することができ、同一レイアウト上に複数の列車を走行させることができる。また、セクション端に列車センサT1〜T10を設置することにより、各セクションへの列車の入出力を検出することができ、あるセクションに列車がいる場合には、そのセクショクへ進入する方向の信号機を赤にして、そのセクションへの他の列車の進入を禁止することができる。なお、線路電圧の方向により列車の進行方向を判定し、列車の進行方向と、上記列車センサの反応により、列車の走行を制御することも可能である。また、セクション端に2つセンサーを設置して、センサー反応パターンにより列車走行方向を検出し、列車の走行を制御するようにしてもよい。このようにすれば、ギャップ部分で列車が停止したときでも誤動作することがない。また、セクション端に、列車の停止距離を離して列車センサを設置すれば、赤信号のとき、セクションの直前で列車を停止させることができる。
【0014】次に、上記パソコン20による上記鉄道模型の走行制御について説明する。なお、以下では、前記図3に示したレイアウト上を列車A,Bおよびカメラが設置された列車Cが走行する場合について説明する。図6に本実施例の制御システムの概略構成を示す。同図に示すように、本実施例の制御システムは、前記パソコンにより実現される全体制御論理(実行エンジン)50と、前記マイコンボード等のハードウェア駆動ドライバ51と、各分割させたセクションに給電を行い列車を走行させるフィーダ、ポイント、信号機、踏み切り等のハードウェア52から構成される。そして、パソコンの外部記憶装置に、列車A,B,C毎の走行手順を走行シナリオとして登録しておき、上記全体制御論理50は、定型的走行マクロである区間の移動手順、駅停止手順等を記述した共通手順〔実行指示書(データ)〕に基づき、個別列車の階層的状態遷移制御をより各列車の走行を制御する。また、列車間の衝突防止は、通常の鉄道と同様に閉塞区間の排他制御により行う。すなわち、各セクションには、1列車しか入れないようにし、列車が走行しているセクションの両側に設けられた信号機は赤とされる。
【0015】図7は上記制御の概要を示すフローチャートである。同図に示すように、走行シナリオには、例えば、「発車アナウンス」、「駅から右ループ右に進行」…「終了」のように各列車の走行手順が記述され、共通手順(状態遷移制御)には、「発車共通手順」、「ポイント切替共通手順」、駅アナウス共通手順」等の各列車に共通の制御手順が記述される。各列車の制御は、同図のフローチャートに示すように、まず初期化をした後、列車A、B、Cの順に上記走行シナリオに基づき走行制御処理を行い、この処理をシナリオが終了するまで繰り返す。各列車の走行制御処理においては、上記シナリオの各ステップで、シナリオに応じた共通手順を実行し、各セクションへの給電/給電の停止、ポイントの切り換え、信号機の制御、踏み切りの制御等を行う。
【0016】図8に列車A,B,Cの走行シナリオの一例を示し、図9に図8に示す走行シナリオに基づく列車の走行パターンを示す。この例においては、各列車A,B,Cの初期位置は図8,図9(a)に示すように列車Aがホーム1番線(以下ホーム1という)、列車Bがホーム2番線(以下ホーム2という)、列車Cが留置線である。上記走行シナリオに基づき、各列車は以下のように走行する。上記初期位置から、図9(a)(b)に示すように列車A、列車Cが発車し、列車Aはループ右線(以下ループ右という)からループ左線(以下ループ左という)を走行してホーム1に戻り、同期設定をする(SYNCを2にする)。列車Cは、上記列車Bが走行している間にループ左を通ってホーム1に停車する。さらに、ホーム1を発車してループ右に停止し、同期待ちをする(SYNC3を待つ)。この間、列車Bはホーム2に停止している。列車Aの走行によりSYNCが2になると、図9(c)に示すように、列車Bが走行を開始し、ホーム2からループ左を経由して、留置線に停車し、同期設定をする(SYNCを3にする)。SYNCが3になると、図9(c)に示すように列車Cが発車し、ループ右、ループ左を経由して、ホーム2に停車する。以上のように、図8に示す走行シナリオを登録することにより、図9に示すように各列車を走行させることができる。走行シナリオは、図8に示すように各列車毎に設定すればよく、列車間の関係は、「同期設定」、「同期待ち」により設定することができる。
【0017】図10の本実施例で使用する変数を示し、図11に本実施例における区間と信号の関係を示す。図10の使用変数の値は、上記走行パターンサンプルにおける初期値であり、使用変数としては、同図に示すように、「列車位置」、「区間状況」(列車がいると、その区間はBUSY、列車がいないと、その区間はCLEAR)、「ポイント方向」、「給電」、「信号色」、「シナリオ命令番号」(シナリオの実行位置を示す)、「実行中共通手順」、「同期番号」である。図11は区間に進入する信号の条件を示し、ある区間がCLEARに変わったとき、同図に示す条件に合致してら信号は青となり、また、ある区間がBUSYにかわったとき、対応する信号を赤に変更する。
【0018】図12〜図14は、前記図7に示す処理を実現するためのフローチャートであり、本実施例は、図12に示すタイマ割り込み方式、図13に示すイベント駆動方式、図14に示すプログラムループ方式(ポーリング方式)の何れかにより実現することができる。図12のタイマ割り込み方式を用いた場合、以下のように処理が行われる。
(1) 初期化図12のフローAに示すように、各テーブル(前記図11に示した使用変数等を記憶するテーブル)を初期化し、出力(給電状態)を初期化する。そして、10ms毎のタイマ割り込みをセットし、タイマ割り込み待ちでウエイトする。
(2) タイマ割り込みが入ると、以下の処理を実行する。図12のフローBに示すように、列車A、列車B、列車Cのそれぞれについて、以下の(i)(ii) (iii) を実行する。
(i) シナリオ命令番号(列車名:着目している列車のシナリオ命令番号)が「終了」のとき、処理はせず、以下の(ii)も実行しない。それ以外の場合、シナリオ命令番号(列車名)をインクリメントし、シナリオ(列車名)からその番号の実行手順名を得る。そして、上記実行手順名を実行中共通手順名(列車名)にセットする。同時に引数も記録する。なお、共通手順の詳細については後述する。
(ii)実行中共通手順名(列車名)の共通手順を実行する。このとき、対応する引数を使用する。また、共通手順の最終実行命令が「共通手順終了」の場合には、実行中共通手順名(列車名)に「NO」をセットする。なお、共通手順の実行命令が「継続」で終わる場合でも、「共通手順終了」と同様、実行中共通手順名(列車名)に「NO」をセットする。
(iii) 終了判定シナリオ命令番号(列車A)が「終了」で、かつ、シナリオ命令番号(列車B)が「終了」で、かつ、シナリオ命令番号(列車C)が「終了」のとき、処理を終了する。それ以外の場合には、タイマ割り込み待ちとなる。以上のように、タイマ割り込みが生ずる毎に、各列車について、シナリオの各ステップに対応する共通手順を順次実行することにより、シナリオに沿って各列車を制御することができる。
【0019】図13はイベント駆動方式による処理を示すフローチャートである。図13の処理は、イベント割り込みにより同図フローBに示す処理を行う点を除き、図12の処理と同様である。すなわち、列車センサ等のセンサの値の変化等により割り込みを発生し、図12で説明した(2) (i)(ii)(iii)の処理を行う。なお、この場合、上記(ii)において、ポイント変更命令等でセンサ変化情報が失われるのを防ぐため、同じ列車名で(i)(ii) を繰り返し実行する(次のイベントを待たずに次命令を実行する)。図14はプログラムループ方式による処理を示すフローチャートである。図14の処理は、図12、図13に示したような割り込みを用いず、各列車毎に実行中共通手順名(列車名)の共通手順を実行することにより、各列車をシナリオに沿って制御するものであり、処理の内容は前記図12,図13と同様である。
【0020】以上のように、本実施例においては、パソコン20により、セクション毎に電圧の供給を制御し、他列車の自動走行を実現する。また、各列車の位置は各セクション端に設置された列車センサで検出され、パソコン20は列車センサの出力に基づき、各列車の位置を認識する。そして、各列車毎に予め定められた走行シナリオ(走行パターン)によって列車を自動運転する。走行シナリオでは、前記図8に示したように、進行セクションを指定する形で走行シナリオを指定し、この走行シナリオに基づき、共通手順を実行して、自動的に走行指令とポイント制御を行う。走行の次セクションに列車がいるかどうか(BUSYか否か)は、上記列車センサの出力や、次のセクションに給電されているか否か等により判断することができる。これにより、セクション端に設けられた各信号機を点灯制御することができ、赤信号の場合には、列車を自動停止させ、また、セクションが列車がいなくなると(CLEARの場合)、他の列車を自動発進させることができる。以上のような制御を行うことにより、列車ごとの走行速度の個体差により進行に差ができても自動的に待ち合わせが可能となる。また、1列車が遅れても論理が破綻することが無い。また、予め定められたダイヤグラムで運転する場合にように、不自然な場所で停止することも無い。
【0021】なお、上記のように、走行シナリオで各列車を自動走行させる場合には、各列車を初期位置に移動させ、初期位置から走行シナリオに基づき自動走行させる必要がある。しかし、列車を初期位置まで移動させるのは、手間かかかる。また、レイアウトの構成によっては、列車を設置し易い場所がある。そこで、ユーザが列車を任意の位置に設置したとき、各列車を初期位置まで自動走行させるようにしてもよい。各列車を初期位置まで自動走行させるには、バックトラック法を用いることができる。すなわち、レイアウト形状と各列車の位置から、パソコン20により、初期位置に移動させる経路を自動探索し、見つかった経路により各列車を初期位置に移動させることができる。
【0022】本実施例においては、多列車自動走行運転時に、特定の列車を手動運転とすることができる。手動で運転する場合には、列車の走行/停止、進行方向等を手動運転装置(マスコン)3の操作によりコントロールすることができる。また、ポイントP1〜P3の切替え、駅アナウンス等を手動で操作できるようにしてもよい。なお、列車速度を制御できるようにした場合には、列車の速度を自動運転論理で定められた最高速度まで上げることができる。自動手動混合運転が選択された場合、パソコン20は列車センサT1〜T10の出力により手動運転列車が走行している区間を認識し、後述する自動手動混合運転用の区間移動共通手順により区間移動処理を行う。これにより、手動運転列車が進入しようとするセクションがBUSYであったり、ポイントが進行可能な状態に切り替わっていない場合等、信号機が赤で列車が進行出来ない場合には、手動運転列車は信号機の手前で停止となる。この場合、パソコン20の表示画面には「ATSによる進入禁止」と表示される。自動走行列車と、手動運転列車が同一レイアウト上を走行(自動手動混合運転)する場合、自動走行列車は前記自動運転論理により走行するので、仮に手動運転列車が遅れても、他の自動運転列車は条件が合うまで待機する。このため、手動運転列車を安全に走行させることができる。
【0023】ここで、前記した小型のビデオカメラを設置した列車を手動運転列車にすれば、列車の前方の風景をパソコン20の表示画面に表示しながら、列車を手動運転することができる。なお、ビデオ信号を線路を介して伝送する場合には、前記したように、自動運転論理により手動運転列車の位置が分かるので、そこのセクションからビデオ信号をピックアップすることが可能であり、それをパソコン20の表示画面に表示することで手動運転列車等の特定列車の運転席視野の表示が可能となる。その際、パソコン20は列車の運転席の映像を上記列車の前方の風景に重ねて表示する。これにより、ユーザは実感をもって列車の運転をすることができる。また、上記ビデオカメラにより撮影された列車前方の風景をパソコン20により加工し、天候等をシミュレーションした画像を生成して表示画面に表示する。例えば、朝、夕方、夜等の時間帯や季節、晴れ、雨、雪等の天候等をシミュレーションする。また、背景の景色(例えば市街、海、山等の風景)を生成して、パソコン20の表示画面に表示するようにしてもよい。なお、上記シミュレーションは周知の技術を用いて実現することができる。これにより、季節感、時間感覚の無い室内レイアウトでも変化のある運転が可能となる。さらに、設定環境による運転の変化を設定可能としてもよい。例えば、雨や雪の日には、ブレーキの効きを悪くしたりスリップし易くする等の運転性能を変化させたり、乗客の多い朝、夕方等のラッシュ時には、ブレーキの効きを悪くするようにしてもよい。これにより、ユーザは、一層実感を持って運転をすることができる。
【0024】上記手動運転列車が駅に停車する際の駅停止論理を定義し、手動運転列車が駅に到着したとき、以下の駅停止論理を実行させるようにすることもできる。
(1) 駅に設置した列車センサや定点停止検出用のセンサ(定点停止センサ)等により、手動運転列車の駅での停車を検出する。
(2) 列車が定点停止したのみ駅に停止したと見なす。
(3) 手動運転列車が駅に到着し、定点停止をすると駅アナウンスを行い、また必要に応じて出発信号を青に変える。
上記のように、手動運転列車のホーム停止を判断し、駅アナウンス等を行うことにより、運転を楽しくすることができる。
【0025】また、手動運転列車により運転技量検定を行うこともできる。運転技量検定は、例えば以下のようにしてユーザの運転技量を判定し、運転技量を得点として計算し、パソコン20の表示画面に表示する。
(1) 運転技量として、例えばホーム停止精度を用いる。ホーム停止精度は、駅に停止精度検出用のセンサを設置し、センサの出力を前記パソコン20に入力し、列車の停止精度を検出する。そして、停止精度に応じて得点を計算する。
(2) 運転技量として、手動運転列車の走行の定時性を用いる。すなわち、パソコン20により予め設定されたダイヤグラム通りに列車が運転されているかを判定する。そして、列車走行の定時性により得点を計算する。
以上のような運転技量検定を行うことにより、ゲーム性が増し、運転が楽しくなる。また、前記天候シミュレーションと組み合わせ、設定環境による運転の変化を付けることにより、一層ゲーム性が増し運転を楽しくすることができる。
【0026】図15〜図17は各共通手順を説明する図であり、以下、前記共通手順の具体例について説明する。
(a) 区間移動共通手順図15(a)は区間移動共通手順の引数等を説明する図、図18、図19は区間移動共通手順における制御を説明する図、図20は自動運転における区間移動共通手順の処理を示すフローチャート、図21は自動手動混合運転における区間移動共通手順の処理を示すフローチャートである。区間移動共通手順において、区間1から区間2へ進行するときの引数は、図15(a)に示すように、走行している列車名、列車が現在走行している区間(区間1)、列車の走行方向の区間(区間2)区間1の端部に設けられた列車センサT1、区間2の端部に設けられた列車センサT2、区間1の給電状態(給電1)、区間2の給電状態(給電2)、検査の対象となる検査ポイント名、該ポイントの開通方向、区間1に設けられた踏切1、区間2に設けられた踏切2である。まず、図18、図19を参照しながら、図20のフローチャートにより自動運転時における区間移動共通手順について説明する。
(1) 列車位置が区間1であるかを判定する(図20のステップS1)。列車位置が区間1の場合、(2) に行く。列車位置が区間1でない場合には(5) に行く。
(2) 列車位置が区間1の場合、区間1の列車センサT1がオフであるかを調べる。列車位置が区間1であり、列車センサT1がオフの場合には、走行が設定方向になるように区間1に給電する(ステップS2,S3)。列車はそのままの状態で進行する〔図18(a)〕。
(3) 列車位置が区間1のとき、列車センサT1がオンで、区間2がBUSYなら、区間1の給電をオフにする(ステップS4,S10)。また、ポイントが開通方向でないなら、区間1の給電をオフにする(ステップS5,S10)。これにより列車は停車して待機する〔図18(b)〕。
(4) 列車位置が区間1のとき、列車センサT1がオンで、区間2がBUSYでなく、ポイントが開通方向なら、区間1の給電をon、区間2の給電をonにし、列車位置を区間1+2とする(ステップS6,S7)。また、区間2をBUSYとし(例えば区間配列[2] に列車名を登録する)、区間2に踏切がある場合は踏切をonにして遮断機を下げる(ステップS8,S9)〔図18(c)〕。
(5) 前記(1) で列車位置が区間1でない場合には、列車位置が区間1+2であるかを調べる(ステップS11)。
(6) 列車位置が区間1+2の場合、区間1+2の列車センサT2がonであるかを調べる(ステップS12)。列車センサT2がonであれば(7) に行く。列車センサT2がonでなければ、列車はそのままの状態で進行する〔図18(d)(e)〕。
(7) 列車センサT2がonであれば、列車位置を区間2Pとし、区間2への進入信号を赤とする(ステップS13,S14))。列車はそのままの状態で進行する〔図19(f)(g)(h)(i)〕。なお、図19では、列車が1両の場合と、2両の場合についてそれぞれ示している。
(8) 列車が区間2Pにいるとき、列車センサT2がonでなければ(ステップS15,S16)、区間1への給電をoffとし、列車位置を区間2とする(ステップS17,S18)。また、区間1の区間状況をCLEARし(例えば区間配列[1] から列車名を削除)、区間1に踏切があれば、遮断機を上げる(ステップS19,S20)。区間1に進入する方向の信号を前記図11の条件に合わせて青にし〔図19(j)〕、列車は区間移動を完了する(ステップS21,S22)。
【0027】次に、図21により自動手動混合運転時における区間移動共通手順について説明する。自動手動混合運転時における区間共通移動手順は、前記図20に示した処理と同様であるが、マスコンの操作により各区間への給電を制御できるようにしてたものである。
(1) 列車位置が区間1であるかを判定する(図21のステップS1)。列車位置が区間1の場合、(2) に行く。列車位置が区間1でない場合には(5) に行く。
(2) 列車位置が区間1の場合、区間1の列車センサT1がオフであるかを調べる(ステップS2)。列車位置が区間1であり、列車センサT1がオフの場合には、手動運転列車であるかを調べる。そして、手動運転列車の場合には、マスコンの操作に応じて、区間1、区間2に給電を行う(ステップS3,5)。また、手動運転列車でない場合には、走行が設定方向になるように区間1に給電する(ステップS3,S4)。
(3) 列車位置が区間1のとき、列車センサT1がオンで、区間2がBUSYなら、区間1の給電をオフにする(ステップS6,S14)。また、ポイントが開通方向でないなら、区間1の給電をオフにする(ステップS7,S14)。これにより列車は停車して待機する。
(4) 列車位置が区間1のとき、列車センサT1がオンで、区間2がBUSYでなく、ポイントが開通方向なら、手動運転列車であるかを調べる。そして、手動運転列車の場合には、マスコンの操作に応じて、区間1、区間2に給電を行う(ステップS8,S13)。また、手動運転列車でない場合には、区間1の給電をon、区間2の給電をonにする(ステップS9)。ついで、列車位置を区間1+2とする(ステップS10)。また、区間2をBUSYとし(例えば区間配列[2] に列車名を登録する)、区間2に踏切がある場合は踏切をonにして遮断機を下げる(ステップS11,S12)。
(5) 前記(1) で列車位置が区間1でない場合には、列車位置が区間1+2であるかを調べる(ステップS15)。
(6) 列車位置が区間1+2の場合、区間1+2の列車センサT2がonであるかを調べる(ステップS16)。列車センサT2がonであれば(7) に行く。列車センサT2がonでなければ、列車はそのままの状態で進行する。
(7) 列車センサT2がonであれば、列車位置を区間2Pとし、区間2への進入信号を赤とする(ステップS17,S18)。列車はそのままの状態で進行する。
(8) 列車が区間2Pにいるとき、列車センサT2がonでなければ(S19,S20)、区間1への給電をoffとし、列車位置を区間2とする(ステップS21,S22)。また、区間1の区間状況をCLEARし(例えば区間配列[1] から列車名を削除)、区間1に踏切があれば、遮断機を上げる(ステップS23,S24)。区間1に進入する方向の信号を前記図11の条件に合わせて青にし、列車は区間移動を完了する(ステップS25,S26)。
【0028】(b) 停車共通手順停車共通手順における引数は、図15(b)に示すように、停車位置に設けられた列車センサ(列車センサ1)、そのセクションへの給電状態(給電1)である。停車共通手順においては、同図に示すように、列車センサ1がonなら給電1をoffにする。これにより、列車は停車位置に停止する。
(c) 発車共通手順発車共通手順における引数は、図15(c)に示すように、発車位置におけるセクションの給電状態(給電1)、列車の走行方向の区間名(区間2)、列車走行方向、走行方向前方にある検査ポイント、該ポイントの開通方向である。発車共通手順においては、同図に示すように、区間2の区間状況を調べ、区間2がCLEARで、検査ポイントが開通方向なら、給電1をonにして、区間2に向けて発車する。
(d) 留置線停車共通手順留置線停車共通手順における引数は、図16(d)に示すように、停車位置に設けられた列車センサ(列車センサ1、列車センサ2)、そのセクションへの給電状態(給電1)である。留置線停車共通手順においては、列車センサ1がoffで、列車センサ2がonの場合、給電1をoffする。これにより、列車は留置線に停車する。
【0029】(e) ポイント切替共通手順ポイント切替共通手順における引数は、図16(e)に示すように、ポイント名、ポイントの切替え方向、ポイントに接続されている区間(区間1、区間2、区間3)、各区間に配置される信号(信号1,2,3)である。ここでは、ポイントの切り替わり方向を区間2とする。ポイント切替共通手順においては、信号1を赤とし、区間2の区間状況がBUSYならば、信号3を赤とし、そうでなければ信号3を青とする。また、区間3の区間状況がBUSYならば、信号2を赤とし、そうでなければ信号2を青とする。
(f) 駅アナウンス共通手順駅アナウンス共通手順の引数は、図17(f)に示すようにアナウンス番号でり、駅アナウンス共通手順においては、上記アナウンス番号で指定されたアナウンスを開始する。
(g) 同期設定共通手順同期設定共通手順の引数は、図17(g)に示すように同期番号であり、同期設定共通手順においては、同期変数を同期番号にする。
(i) 同期待機共通手順同期待機共通手順の引数は、図17(h)に示すように列車名と同期番号であり、同期待機共通手順においては、同期がとれるまで待機する。
【0030】図22、図23は上記共通手順に基づき作成される走行シナリオの例であり、この走行シナリオにより、各列車は前記図9に示した走行パターンで走行する。図22、図23に示すように、各走行シナリオの各ステップで、共通手順名と、前記図15〜図17に示した引数を定義する。これにより、各列車は、上記走行シナリオに基づき、前記した制御論理によりレイアウト上を走行する。なお、種々の走行パターンの走行シナリオを、予めCD等に登録しておき、ユーザに配付すれば、高度な知識を持たない子供等であっても、好みの走行シナリオを選択し、列車を走行させることができる。特に、各走行シナリオに基づく各列車の走行パターンをパソコン20の表示画面上に表示できるようにすれば、好みの走行パターンを容易に選択することができる。また、上記走行シナリオは、プログラミングやシステムついての格別の知識が無くても作成できるので、ある程度の知識をもったユーザであれば、好みの走行パターンを作成して、登録することができる。
【0031】以上説明した実施例は、前記図3等に示したレイアウトに基づくものであるが、その他のレイアウトに本発明を適用してレイアウト上を複数の列車を走行させることができる。図24に他のレイアウトによる複数の列車の走行経路の一例を示し、図25、図26に各列車の走行パターンの一例を示す。図24〜図26の例は、以下の方針に基づき走行パターンを設計したものである。
(1) 3列車が運行し、同時に2列車が走行。
(2) 一方通行にせず、なるべく双方向に走らせる。
(3) 駅で追い抜きや待ち合わせをする。
(4) 貨物列車の機関車の付け替えをする。
(5) 前半を自動運転、後半を手動+自動手動混合運転をイメージする。
(6) なるべく、変化を持たせる。
(7) 走行終了時には、開始時と同じ列車配置とする。
図24(a)にレイアウトの概要を示し、図24(b)に各列車の走行パターン(一部)を示す。この例において、Cはカメラカーであり、カメラ取り付け方向にのみ前進する。Kはこまち(通常の列車)、Fは貨物列車であり、機関車Lと貨車fからなる。なお、貨物列車Fの進行方向を逆向きするときには、上記(4) のように進行方向の前方に機関車がくるように、機関車の付け替えを行う。また、■から■はセクションを示し、P1〜P4はポイントを示し、ポンイトP1はセクション■、ポイント2はセクション■、ポイントP3はセクション■、ポイントP4はセクション■に属する。さらに、図24では駅等は省略され、線路のみを示している。また、図24(b)において、■〜■は図24(a)の■〜■の位置を示しており、各列車の初期位置は、カメラカーCが■、列車Kが■、貨物列車Fが■である。図24(a)(b)において、例えば、貨物列車Fは初期位置■から発車して、■−■−■−■を走行して■に至る(図24(b)のシーケンス番号0−5)そして、■で列車Cに追い越されたのち(この位置に駅が設けられているとする)、■に貨車fを残したまま、機関車Lのみが■−■−■を走行して、貨車に対して進行方向側に機関車を移動させる(機関車の付け替え)(図24(b)のシーケンス番号8ー11)。そして、■から■に走行する。また、カメラカーC、こまち(通常の列車)Kは、図24(b)のK,Cに示すような経路でレイアウト上を走行する。
【0032】以上説明した実施例では、パソコンにより各列車を制御する場合について説明したが、上記パソコンを用いる代わりに、専用のハードウェアを用いて各列車の走行を制御するようにしてもよい。また、各セクション毎に専用のハードウェアを設け、いわゆるローカル制御により各列車の走行を制御することもできる。例えば、上記専用のハードウェアにより、ギャップの両側のセクションの給電状態から、両側のセクション上の列車の有無、列車の進行方向を判別し、これと列車センサの出力により、前記したように各セクションの給電を制御したり、信号機、踏切等を制御するように構成することもできる。また、上記実施例ではレイアウトが単線で構成されている場合について説明したが、レイアウトを複線で構成してもよい。さらに、本発明は前記したように、鉄道模型以外の車両に適用することができ、例えば、所定の走行路を走行する自動車等の車両の運転に適用してもよい。また、上記車両は、実在の車両でなく、コンピュータ画面上に表示される車両であってもよい。
【0033】(付記1) 走行路をセクションに分割し、セクション間をギャップで切り分け、各セクションにおける車両の走行、停止を制御する車両運転装置であって、他セクションが隣接するセクションの端部近傍に車両を検出する車両センサを設置し、車両の運行を制御する制御手段は、上記車両センサの出力により車両の位置を判定し、該判定結果に基づき各セクションにおける車両の走行、停止を制御することを特徴とする車両運転装置。
(付記2) 上記車両センサを、セクションの端から、走行している車両が停止するに必要な距離だけ離れた位置に設置することを特徴とする付記1の車両運転装置。
(付記3) セクションの端部近傍に2つの車両センサを設置し、該2つのセンサの出力に基づき、車両の走行方向を検出することを特徴とする付記1または付記2の車両運転装置。
(付記4) 上記制御手段は、車両毎に予め設定された走行パターンに基づき、車両の運行を制御するものであり、前記車両センサにより車両の位置を認識し、次に走行するセクションに他の車両がいるか否かにより、該セクションに進入可能であるか否かを判定し、各セクションにおける車両の走行、停止を制御することを特徴とする付記1,2または付記3の車両運転装置。
(付記5) 上記制御手段は、予め定められた初期位置から車両の運行を開始させるものであり、車両運行の開始時、車両が初期位置にいないとき、走行路のレイアウトに基づき、上記車両を上記初期位置に移動させる経路を探索し、車両を初期位置まで移動させることを特徴とする付記1,2,3または付記4の車両運転装置。
(付記6) 走行路上の特定の車両を手動で運転するための手動運転手段を備え、上記制御手段は、手動運転の車両が、セクションの端部近傍に達したとき、次に走行するセクションに進入可能であるか否かを判定し、上記手動運転の車両の進行、停止を制御することを特徴とする付記1,2,3,4または付記5の車両運転装置。
(付記7) 上記制御手段は、手動運転車両が駅に到着したとき、車両センサもしくは定点停止センサの出力により、車両が予め定められた位置に停止したか否かを判定し、車両が上記予め定められた位置に停止したとき、駅到着時に伴う各種の操作を行うことを特徴とする付記6の車両運転装置。
(付記8) 上記制御手段は、上記手動運転手段による運転技量を評価し、得点として表示することを特徴とする付記6または付記7の車両運転装置。
(付記9) 手動運転車両に、車両の進行方向前方の風景を撮影するビデオカメラを設置し、また、該ビデオカメラにより撮影した画像を表示するための表示手段を設け、上記制御手段は、上記ビデオカメラにより撮影した画像を受信し、該ビデオ画像を加工して、設定された天候、時間帯、季節および/または背景の景色に応じた画像を生成し、該画像に運転席の画像を重ねて上記表示装置に表示し、上記天候等の環境に応じて、車両の運転性能を変化させることを特徴とする付記8の車両運転装置。
(付記10) 走行路をセクションに分割し、セクション間をギャップで切り分け、各セクションにおける車両の走行、停止を制御する車両の車両運転プログラムであって、上記プログラムは、他セクションが隣接するセクションの端部近傍に設けられた車両センサの出力により車両の位置を認識する処理と、次に走行するセクションに他の車両がいるか否かにより、該セクションに進入可能であるか否かを判定する処理と、上記判定結果に基づき各セクションにおける車両の走行、停止を制御する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする車両運転プログラム。
(付記11) 上記プログラムは、予め定められた初期位置から車両の運行を開始させるものであり、車両運行の開始時、車両が初期位置にいないとき、走行路のレイアウトに基づき、上記車両を上記初期位置に移動させる経路を探索する処理と、上記探索結果に基づき、車両を初期位置まで移動させる処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記10の車両運転プログラム。
(付記12) 上記プログラムは、手動運転手段により運転される手動運転の車両が、セクションの端部近傍に達したとき、次に走行するセクションに進入可能であるか否かを判定し、上記手動運転の車両の進行、停止を制御する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記10または付記11の車両運転プログラム。
(付記8) 上記プログラムは、手動運転手段による運転技量を評価し、得点として表示する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする付記10,11または付記12の車両運転プログラム。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては、以下の効果を得ることができる(1)走行路をセクションに分割し、セクション間をギャップで切り分け、各セクションにおける車両の走行/停止を制御するとともに、他セクションが隣接するセクションの端部近傍に車両を検出する車両センサを設置して、車両センサの出力により各車両の位置を判定し、各車両毎に定義された運転論理により各車両の運行を制御するようにしたので、車両の運行の遅延や、他車両の待ち合わせに対処させながら、同一レイアウト上に複数の車両を自動走行させることができる。
(2)上記(1)において、手動運転手段を設け、手動運転の車両が、セクションの端部近傍に達したとき、次に走行するセクションに進入可能であるか否かを判定し、上記手動運転の車両の進行、停止を制御するようにしたので、自動走行車両と手動運転車両の混合運転を行うことができる。また、上記手動運転手段による運転技量を評価し得点として表示するようにすれば、ゲーム性が増し、一層運転が楽しくすることができる。
(3)各車両毎に運転論理を定義し各車両を制御するようにしたので、各車両毎の走行パターンを走行シナリオとしてを設定することができ、多車両が同一レイアウト上を走行する場合であっても、走行パターンを容易に設定することができる。
(4)手動運転車両等に、車両の進行方向前方の風景を撮影するビデオカメラを設置し、また、該ビデオカメラにより撮影した画像を表示するための表示手段を設け、該ビデオ画像を加工して、設定された天候、時間帯、季節および/または背景の景色に応じた画像を生成し、該画像に運転席の画像を重ねて上記表示装置に表示し、また、上記天候等の環境に応じて、車両の運転性能を変化させるようにすれば、車両の前方を見ながら車両の運転を行うことができ、また、季節感、時間感覚の無い室内レイアウトでも変化のある運転が可能となる。さらに、設定環境による運転の変化を設定可能とすれば、一層実感を持って運転を楽しむことができる。
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番1号
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社トミー
【住所又は居所】東京都葛飾区立石7丁目9番10号
【出願日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【代理人】 【識別番号】100100930
【弁理士】
【氏名又は名称】長澤 俊一郎
【公開番号】 特開2003−225472(P2003−225472A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−29670(P2002−29670)