| 【発明の名称】 |
フィルム風船及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】矢部 信彦 【住所又は居所】東京都墨田区東駒形1丁目9番11号 伸栄ゴム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】気体の封入、密封が簡便に行え、しかも製造工程が簡略で低コストで製造可能である、2重構造を有するフィルム風船及びその製造方法を提供する。
【解決手段】2枚の外側風船用フィルム21、22の周縁部23を熱溶着してなる外側風船20内に、同じく2枚の内側風船用フィルムの周縁部を熱溶着してなる内側風船30を配置した2重構造のフィルム風船10であって、外側風船20内に気体を封入するための第1の逆止弁40が外側風船用フィルム21、22の熱溶着によって一体に接合され、内側風船30内に気体を封入するための第2の逆止弁50が、外側風船20のフィルム間と内側風船30のフィルム間に挟まれるように挿入配置され、それぞれのフィルムの熱溶着によって一体に接合されている。各逆止弁40、50の内面には非溶着部分44、54、55が設けられ、通気性が確保されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のフィルムの周縁部を熱溶着してなる外側風船内に、同じく複数のフィルムの周縁部を熱溶着してなる内側風船を配置した2重構造のフィルム風船であって、前記外側風船内に気体を封入するための、両端が開口した偏平な筒状のフィルムからなる第1の逆止弁が、前記外側風船のフィルム間に挟まれて前記外側風船の周縁部から内部に挿入配置され、前記外側風船のフィルムの熱溶着によって一体に接合されるとともに、前記外側風船内への通気路を形成しており、前記内側風船内に気体を封入するための、両端が開口した偏平な筒状のフィルムからなる第2の逆止弁が、前記外側風船のフィルム間に挟まれて前記外側風船の周縁部から内部に挿入配置され、更に前記内側風船のフィルム間に挟まれて前記内側風船の周縁部から内部に挿入配置されており、前記外側風船及び前記内側風船のそれぞれのフィルムの熱溶着によって一体に接合されるとともに、前記内側風船内への通気路を形成していることを特徴とするフィルム風船。 【請求項2】 前記第1及び第2の逆止弁の内面には、少なくとも前記外側風船及び前記内側風船のフィルムの周縁部に熱溶着される位置に、前記通気路を確保するための非溶着部分が設けられている請求項1記載のフィルム風船。 【請求項3】 前記非溶着部分が、耐熱性の樹脂又はインクを塗布して形成した層である請求項2記載のフィルム風船。 【請求項4】 複数のフィルムの周縁部を熱溶着してなる外側風船内に、同じく複数のフィルムの周縁部を熱溶着してなる内側風船を配置した2重構造のフィルム風船の製造方法であって、前記内側風船用のフィルムを重ね合わせ、これらのフィルムの周縁部から内部に挿入されるように、両端が開口した偏平な筒状のフィルムからなる第2の逆止弁を挟んで配置し、この第2の逆止弁のフィルム内面に溶着防止手段を設けた状態で、前記重ね合わせたフィルムの周縁部を溶着して、前記第2の逆止弁が一体に接合された内側風船を形成する工程と、前記外側風船用のフィルムを重ね合わせ、前記内側風船をこれらのフィルムの内部に挟んで、前記第2の逆止弁を前記外側風船用のフィルムの周縁部から外側に延出するように配置するとともに、前記外側風船用のフィルムの周縁部から内部に挿入されるように、両端が開口した偏平な筒状のフィルムからなる第1の逆止弁を挟んで配置し、前記第1の逆止弁及び第2の逆止弁のフィルム内面に溶着防止手段を設けた状態で、前記外側風船用のフィルムの周縁部を溶着して、前記第1の逆止弁と前記第2の逆止弁とが一体に接合された外側風船を形成する工程とを含むことを特徴とするフィルム風船の製造方法。 【請求項5】 前記溶着防止手段が、前記第1及び第2の逆止弁の内面であって、少なくとも前記外側風船及び前記内側風船のフィルムの周縁部に熱溶着される位置に形成された非溶着部分からなる請求項4記載のフィルム風船の製造方法。 【請求項6】 前記非溶着部分が、耐熱性の樹脂又はインクを塗布して形成した層である請求項5記載のフィルム風船の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、遊具や宣伝広告等に使用される、装飾性、意匠性を有するフィルム風船に関し、更に詳しくは、外側風船内に内側風船を設けた2重構造を有するフィルム風船及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、装飾性、意匠性を有するフィルム風船として、2枚の円形状のフィルムの周縁部を熱溶着し、風船内に空気より軽いヘリウム等の気体を充填した球形又は円盤状のフィルム風船が知られている。 【0003】このフィルム風船は、内部にヘリウム等を充填して従来のゴム風船に比べて長時間浮遊できるように、軽量でガスバリア性を有する多層フィルムが使用され、熱溶着によってフィルムの周縁部が密封されている。これにより、内部の気体がフィルム面を透過して風船が萎んでしまうのを長期間防止でき、また、フィルム表面に自由に印刷等可能であることから、装飾性にも優れているという特徴を有している。また、ガスバリア層として金属蒸着フィルムを設けることにより、ガスバリア性及び装飾性を同時に付与することも行われている。 【0004】一方、フィルム風船としては、更に装飾性、意匠性を高めるために、外部風船の全部又は一部に透明フィルムを使用し、外側風船内側に内側風船を配置した、いわゆる2重風船も知られている。 【0005】例えば、特開2000−61158号公報には、ガスバリア性の高いフィルム素材を用いてガス抜けを少なくし、フィルム風船として長持ちさせることのできる2重風船として、透明なプラスチックフィルム製の風船状体からなる外皮内に、プラスチックフィルム製の別体の風船状体からなる内皮を挿入することにより構成される複合プラスチックフィルムバルーンであり、前記外皮がガスバリア共押出プラスチックフィルムまたはガスバリアプラスチックフィルム/直鎖状低密度ポリエチレンフィルムのラミネートフィルムからなり、前記内皮がガスバリアプラスチックフィルム/直鎖状低密度ポリエチレンフィルムのラミネートフィルム、またはAl金属蒸着ナイロンフィルム/直鎖状低密度ポリエチレンフィルムのラミネートフィルムからなることを特徴とする複合プラスチックフィルムバルーンが開示されている。 【0006】また、2重風船内に気体を封入する際に、気体の封入が容易に行え、しかも、封入後に気体が逆流して封入口から漏れることをを防止するための逆止弁も提案されており、例えば、実公平7−31832号公報には、一体に形成された2重風船のためのガス充填弁として、基端部が閉塞されている第1の筒体に第1、第2、第3のフランジを設け、基端部が閉塞されている第2の筒体が前記第2のフランジに固定されると共に前記第3のフランジを貫通して前記第1の筒体と平行方向に突設され、前記第1及び第2のフランジの間における第1の筒体、並びに第2及び第3のフランジの間における第2の筒体に横孔を設けたものであって、前記第2のフランジに内側風船の口部を装着し、前記第3のフランジに外側風船の口部を装着し、第1及び第2の筒体を風船から突出させることを特徴とする2重風船玩具におけるガス充填弁が開示されている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来技術のうち、特開2000−61158号公報の2重構造のフィルム風船においては、ガスバリア性の高いフィルム素材を用いて、フィルム自身からのガス抜けを少なくすることは可能であるが、弁体を用いていないので、気体封入口を縛る等して封止する必要がある。このため、気体封入口から気体が漏れ易く、気体封入作業も煩雑となる。また、2重風船にするために内側風船を外側風船内に挿入する工程が別途必要となることから、製造工程が複雑になるという問題点があった。 【0008】また、実公平7−31832号公報のガス充填弁においては、気体封入作業は容易であるが、逆止弁の構造が、ゴム風船の弾力による戻りを利用して横孔を塞ぐ構造となっていることからフィルム風船には適用できない。また、弁体が成型体であるので、別途弁体を2重風船に取付ける工程が必要となり、やはり製造工程が複雑でコストも高くなる。 【0009】したがって、本発明の目的は、気体の封入、密封が簡便に行え、しかも製造工程が簡略で低コストで製造可能である、2重構造を有するフィルム風船及びその製造方法を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のフィルム風船は、複数のフィルムの周縁部を熱溶着してなる外側風船内に、同じく複数のフィルムの周縁部を熱溶着してなる内側風船を配置した2重構造のフィルム風船であって、前記外側風船内に気体を封入するための、両端が開口した偏平な筒状のフィルムからなる第1の逆止弁が、前記外側風船のフィルム間に挟まれて前記外側風船の周縁部から内部に挿入配置され、前記外側風船のフィルムの熱溶着によって一体に接合されるとともに、前記外側風船内への通気路を形成しており、前記内側風船内に気体を封入するための、両端が開口した偏平な筒状のフィルムからなる第2の逆止弁が、前記外側風船のフィルム間に挟まれて前記外側風船の周縁部から内部に挿入配置され、更に前記内側風船のフィルム間に挟まれて前記内側風船の周縁部から内部に挿入配置されており、前記外側風船及び前記内側風船のそれぞれのフィルムの熱溶着によって一体に接合されるとともに、前記内側風船内への通気路を形成していることを特徴とする。 【0011】本発明のフィルム風船によれば、第2の逆止弁が外側風船及び内側風船のそれぞれのフィルムの熱溶着によって一体に接合されているので、この第2の逆止弁から内側風船内に気体を封入して容易に内側風船を膨らませることができる。また、その状態で第1の逆止弁から外側風船内に気体を封入することにより、外側風船も容易に膨らませることができる。その結果、外側風船内に内側風船が第2の逆止弁を介して連結されて配置された2重構造のフィルム風船が得られる。なお、第1及び第2の逆止弁を別個に設けたので、内側風船の挿入位置を自由に選べ、複数の内側風船を設けることもできる。更に、逆止弁が偏平な筒状のフィルムであり、弁体として成形品を用いる必要がないので低コストである。 【0012】本発明のフィルム風船の好ましい態様においては、前記第1及び第2の逆止弁の内面には、少なくとも前記外側風船及び前記内側風船のフィルムの周縁部に熱溶着される位置に、前記通気路を確保するための非溶着部分が設けられている。 【0013】この態様によれば、逆止弁に非溶着部分が設けられているので、外側風船及び内側風船のフィルムの周縁部を熱溶着する際に、同時に逆止弁が熱溶着されることがなく、外側風船及び内側風船の製造を容易に行うことができる。 【0014】本発明のフィルム風船の別の好ましい態様においては、前記非溶着部分が、耐熱性の樹脂又はインクを塗布して形成した層である。 【0015】この態様によれば、逆止弁を構成するフィルムの内面が熱溶着可能な材質であっても、逆止弁の内面の必要な部分のみに、確実に非溶着部分を設けることができる。 【0016】一方、本発明のフィルム風船の製造方法は、複数のフィルムの周縁部を熱溶着してなる外側風船内に、同じく複数のフィルムの周縁部を熱溶着してなる内側風船を配置した2重構造のフィルム風船の製造方法であって、前記内側風船用のフィルムを重ね合わせ、これらのフィルムの周縁部から内部に挿入されるように、両端が開口した偏平な筒状のフィルムからなる第2の逆止弁を挟んで配置し、この第2の逆止弁のフィルム内面に溶着防止手段を設けた状態で、前記重ね合わせたフィルムの周縁部を溶着して、前記第2の逆止弁が一体に接合された内側風船を形成する工程と、前記外側風船用のフィルムを重ね合わせ、前記内側風船をこれらのフィルムの内部に挟んで、前記第2の逆止弁を前記外側風船用のフィルムの周縁部から外側に延出するように配置するとともに、前記外側風船用のフィルムの周縁部から内部に挿入されるように、両端が開口した偏平な筒状のフィルムからなる第1の逆止弁を挟んで配置し、前記第1の逆止弁及び第2の逆止弁のフィルム内面に溶着防止手段を設けた状態で、前記外側風船用のフィルムの周縁部を溶着して、前記第1の逆止弁と前記第2の逆止弁とが一体に接合された外側風船を形成する工程とを含むことを特徴とする。 【0017】この製造方法によれば、内側風船用のフィルムの溶着時には、第2の逆止弁のフィルム内面に溶着防止手段を設け、外側風船のフィルムの溶着時には、第1の逆止弁及び第2の逆止弁のフィルム内面に溶着防止手段を設けて、フィルムの溶着を行うので、各逆止弁の通気路を確保しながら、フィルム風船を作業性よく容易に形成することができる。また、外側風船を形成する際に、同時に第2の逆止弁が接合された内側風船を挿入配置して一体化できるので、2重風船を形成後に逆止弁を取付ける必要がなく、製造工程を簡略化することができる。 【0018】また、本発明のフィルム風船の製造方法においては、前記溶着防止手段が、前記第1及び第2の逆止弁の内面であって、少なくとも前記外側風船及び前記内側風船のフィルムの周縁部に熱溶着される位置に形成された非溶着部分からなることが好ましい。 【0019】この態様によれば、外側風船及び内側風船のフィルムの周縁部を熱溶着する際に、予め耐熱性のフィルムや樹脂板等を逆止弁の内部に挿入しておくなどの必要がないので、製造工程を更に簡略化することができる。 【0020】更に、本発明の製造方法においては、前記非溶着部分が、耐熱性の樹脂又はインクを塗布して形成した層であることが好ましい。 【0021】この態様によれば、逆止弁を構成するフィルムの内面が熱溶着可能な材質であっても、逆止弁の内面の必要な部分のみに、確実に非溶着部分を設けることができる。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明のフィルム風船の一実施形態を示す斜視図であり、図2は同フィルム風船における第2の逆止弁を形成する2枚の帯状フィルムを重ね合わせる工程を示す斜視図であり、図3は同フィルム風船における第2の逆止弁の斜視図であり、図4は同フィルム風船における内側風船を形成する工程を示す斜視図であり、図5は同フィルム風船における第2の逆止弁が接合された内側風船の斜視図であり、図6は同フィルム風船における外側風船を形成する工程を示す斜視図であり、図7は同フィルム風船の気体封入前の斜視図であり、図8は同フィルム風船の気体封入時の状態を説明する概略図である。 【0023】図1に示すように、本発明のフィルム風船10は、外側風船20と、内側風船30と、外側風船内に空気を封入するための第1の逆止弁40と、内側風船内に空気を封入するための第2の逆止弁50から構成されている。60は風船保持用の紐である。 【0024】外側風船20は、円筒の両端が半球面状をなし、全体として鳥かごのような形状に形成されている。この外側風船20は、小判形の外側風船用フィルム21、22を2枚重ね合わせ、それらの周縁部23を熱溶着することにより形成されている。外側風船用フィルム21、22は透明フィルムからなり、表面には鳥かごの模様を表す印刷部25、26が設けられ、透明部24から内側風船30が透視できるようになっている。 【0025】外側風船用フィルム21、22は、外側から内側風船30が透視できればよく、完全に透明なフィルムでもよく、半透明のフィルムでもよい。また、装飾性とバリア性を兼ねる方法として、一部にアルムニウム等の金属蒸着層が設けられていてもよい。 【0026】外側風船用フィルム21、22の材質としては、熱溶着可能なフィルムであれば特に限定されないが、フィルムからのガス透過によって風船が萎んでしまうのを防止するためガスバリア性を有していることが好ましい。このようなガスバリア性を備える熱溶着可能なフィルムとして、従来公知の、少なくともヒートシール層とガスバリア層を含む積層フィルムが例示できる。ヒートシール層の樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリブロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合(EVA)等が例示でき、ガスバリア層としては、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エチレンービニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン等が例示できる。これらの樹脂はフィルム状態で積層されていてもよく、表面にコーティングされていてもよい。また、金属又は金属酸化物の蒸着層もガスバリア層として好ましく用いられ、金属としてアルミニウム、金属酸化物としてはシリカ、アルミナ等が使用できる。更に、上記の積層フィルムは3層以上で構成されていてもよい。 【0027】外側風船20の形状は特に限定されず、図1のような円筒状の他、球状でもよく、角柱状等でもよい。外側風船用フィルム21、22は、周縁部を溶着して風船とし、その内部に気体を封入して膨らませたときに所望の形状となるように設定されていればよい。また、外側風船20を構成するフィルムは2枚以上であってもよく、例えば多面体を形成するような場合には、複数のフィルムで構成されていてもよい。 【0028】内側風船30は、外側風船20と同じように2枚の内側風船用フィルム31、32を周縁部33で熱溶着してなり、外側風船20の周縁部23と、内側風船30の周縁部33とを連通する第2の逆止弁50を介して、外側風船20内の上部から吊下げるように配置されている。 【0029】内側風船用フィルム31、32としては、周縁部33で熱溶着可能であれば特に限定されず、外側風船用フィルム21、22と同様のフィルムを用いることができる。また、外側風船用フィルム21、22と、内側風船用フィルム31、32とは、同じ材質のものでもよく、異なっていてもよい。更に、内側風船用フィルム31、32の表面には、印刷又は金属蒸着が施されていてもよい。 【0030】第2の逆止弁50は、その基端部が外側風船用フィルム21、22の間に挟まれて外側風船20の周縁部23から内部に挿入配置され、更に先端部が内側風船用フィルム31、32の間に挟まれて内側風船30の周縁部33から内部に挿入配置されている。そして、外側風船用フィルム21、22の熱溶着時、及び内側風船用フィルム31、32の熱溶着時に一体に接合されるとともに、内側風船20内への通気路が確保されるようになっている。 【0031】第2の逆止弁50は、図2、3に示すような2枚の帯状のフィルム51、52を重ね合せ、両側辺53を溶着、接着等の方法で接合することにより、両端が開口した偏平な筒状のフィルムとなっている。帯状のフィルム51、52は、外側風船用フィルム21、22及び内側風船用フィルム31、32と、熱溶着によって一体に接合できる材質であればよく、これらのフィルム21、22、31、32の熱溶着層と同じ材質であることが好ましい。 【0032】そして、一方の帯状のフィルム51の重ね合わされる内面側には、外側風船20の周縁部23に熱溶着される位置、及び内側風船30の周縁部33に熱溶着される位置の2ヶ所に、通気路を確保するための非溶着部分54、55が形成されている。この実施形態の場合、非溶着部分54、55は、耐熱性の樹脂又はインクを塗布して形成されている。 【0033】耐熱性の樹脂としてはフッ素樹脂、シリコーン樹脂等が例示でき、耐熱性のインクとしては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等を含有し、前記耐熱性の樹脂をバインダーとしたインクが例示できる。また、耐熱性の樹脂又はインク以外に、例えば金属または金属酸化物等の薄膜を蒸着等の手段で設けることによって非溶着部分が形成されていてもよい。 【0034】また、本発明においては、熱溶着時にフッ素樹脂等の耐熱性のフィルムや板を筒内に挿入しておき、熱溶着後にこれを取除いて非溶着部分を形成してもよい。更に、第2の逆止弁50を予めチューブ状に成形したものとし、内側を耐熱層、外側を熱溶着層の多層チューブとして内側に非溶着部分を形成してもよい。 【0035】一方、前記第1の逆止弁40は、外側風船20内に気体を封入するためにフィルム風船10の下部に設けられており、外側風船用フィルム31、32の間に挟まれて、外側風船20の周縁部23から内部に挿入配置され、外側風船用フィルム21、22の熱溶着によって一体に接合されるとともに、外側風船20内への通気路を形成している。 【0036】第1の逆止弁40は、基本的には上記の第2の逆止弁50と同じ構造をなしており、図6に示すように、外側風船20の周縁部23の熱融着部分となる位置のみに非溶着部分44が形成されている点が異なっており、その他の構造、材質は第2の逆止弁50と同様である。 【0037】次に、このフィルム風船10の製造方法について説明する。まず、図2に示すように、2枚の帯状のフィルム51、52を重ね合わせ、両側辺53を溶着又は接着して、両端が開口した偏平な筒状のフィルムである第2の逆止弁50を形成する。このとき、一方のフィルム51の内面には、前記のように耐熱性の樹脂又はインクを塗布して形成した非溶着部分54、55が設けられている。 【0038】次に、図4に示すように、内側風船用フィルム31、32を重ね合わせ、この間に、フィルムの周縁部33から内部に挿入されるように、第2の逆止弁50を挟んで配置する。その際、前記非溶着部分55が内側風船用フィルム31、32の溶着部と重なるように配置する。そして、この状態で重ね合わせた内側風船用フィルム31、32の周縁部33を溶着して、図5に示すような第2の逆止弁50が一体に接合された内側風船30を形成する。なお、熱溶着手段としては、ヒートシール、インパルスシール、溶断シール、超音波シール等の従来公知の方法が使用でき特に限定されない。このとき、第2の逆止弁50の内部には、上記非溶着部分55が設けられているので、気体を封入するための通気路が確保される。 【0039】次に、図6に示すように、外側風船用フィルム21、22を重ね合わせ、第2の逆止弁50が一体に接合された内側風船30をこれらのフィルム21、22の間に挟んで、第2の逆止弁50が外側風船用のフィルムの周縁部23から外側に延出するように配置するとともに、第1の逆止弁40を外側風船用のフィルムの周縁部23から内部に挿入されるように挟んで配置する。 【0040】なお、第2の逆止弁50は、その非溶着部分54において、外側風船用フィルム21、22の溶着部と重なるように配置され、同様に、第1の逆止弁40は、その非溶着部分44において、外側風船用フィルム21、22の溶着部と重なるように配置されている。 【0041】そして、この状態で重ね合わせた外側風船用フィルム21、22の周縁部23を溶着して、図7に示すような第1及び第2の逆止弁40、50が一体に接合された外側風船20を形成し、フィルム風船10が完成する。このとき、第1及び第2の逆止弁40、50のうち、外側風船用フィルム21、22の周縁部23によって溶着される部分には、非溶着部分44、54がそれぞれ設けられているので、気体を封入するための通気路が確保される。 【0042】このように、本発明の製造方法によれば、外側風船20を形成する際に、同時に第2の逆止弁50が接合された内側風船30を挿入配置して一体化できるので、2重風船を形成後に逆止弁を取付けたり、外側風船内に内側風船を挿入する工程が不用となり製造工程を簡略化することができる。 【0043】次に、本発明のフィルム風船10の作用について説明する。このフィルム風船10は、図8に示すように、ストロー状の気体封入用具70を第1の逆止弁40や第2の逆止弁50に挿入し、ヘリウム等の気体をこれらの逆止弁を通して注入することにより膨らませることができる。そして、風船を膨らませた後、気体封入用具70を抜き出すと、風船内部の圧力によって逆止弁の筒体が閉じられるので、気体が逆流して漏れることがない。 【0044】実際には、内側風船30の第2の逆止弁50にストロー状の気体封入用具70を挿入し気体を封入して、まず内側風船30を膨らまし、次に、外側風船20の第1の逆止弁40に上記気体封入用具70を挿入して、外側風船20を膨らませることが好ましい。 【0045】内側風船20に封入する気体は、必ずしも外側風船20に封入する気体と同じでなくてもよく、例えばこの実施形態のように内側風船30を外側風船20の上部から吊下げるような場合には、外側風船20内にはヘリウムを封入し、内側風船30内には通常の空気を封入してもよい。 【0046】なお、本発明においては、第1の逆止弁40及び第2の逆止弁50は、外側風船用フィルムの周縁部23のいずれの場所に設けてもよい。また、第2の逆止弁50は必要に応じて複数設けてもよい。これによって、内側風船30を複数個配置することも可能である。 【0047】このように、本発明のフィルム風船10によれば、第2の逆止弁50が外側風船20及び内側風船30のそれぞれのフィルムの熱溶着によって一体に接合されると共に、内側風船30内への通気路が確保されているので、この第2の逆止弁50から内側風船30内に気体を封入して容易に内側風船30を膨らますことができる。また、逆止弁が偏平な筒状のフィルムであり、弁体として複雑な成形品を用いる必要がないので低コストである。 【0048】更に、第1の逆止弁40及び第2の逆止弁50を別個に設けたので、内側風船30の挿入位置を自由に選べ、複数の内側風船30を配置することもでき、優れた意匠効果を生じさせることができる。 【0049】この実施形態の場合には、外側風船20の表面の鳥かご模様の印刷部25、26の隙間から、鳥の形状及び模様を有する内部風船30が視認され、あたかも鳥かごに鳥が入っているようなデザインの風船を提供することができる。 【0050】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、外側風船と、内側風船と、それぞれの風船に気体を封入するための逆止弁とが一体となったフィルム風船及びその製造方法を提供できる。このフィルム風船は、気体の封入が簡単で長期間の浮遊が可能であり、内部風船の浮遊による優れた装飾性、意匠性を生じさせることから、遊具や宣伝広告等に好適に使用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】391044845 【氏名又は名称】伸栄ゴム株式会社 【住所又は居所】東京都墨田区東駒形1−9−11
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| 【出願日】 |
平成13年12月5日(2001.12.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086689 【弁理士】 【氏名又は名称】松井 茂
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| 【公開番号】 |
特開2003−169968(P2003−169968A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月17日(2003.6.17) |
| 【出願番号】 |
特願2001−370850(P2001−370850) |
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