| 【発明の名称】 |
情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】飛鳥井 正道 【住所又は居所】東京都品川区東五反田1丁目14番10号 株式会社ソニー木原研究所内
|
| 【要約】 |
【課題】キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを楽しくする。
【解決手段】ユーザの移動からそのリズムを抽出し、ユーザの移動のリズムを評価してキャラクタの移動のリズムと状態を計算するとともに、キャラクタの移動のリズムと状態に基づいて、キャラクタを表示する。ユーザの歩行のリズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれ、2つのリズムがほぼ一致する同調状態になると、キャラクタの機嫌がよくなり、ユーザとキャラクタの間に深い親密感が醸成されて、楽しく移動できるようなエンタテインメントが実現される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを実現する情報処理装置であって、ユーザの移動を検出する移動検出部と、ユーザの移動検出結果を基にユーザの身体リズムを抽出するリズム抽出部と、感情や身体リズムからなるキャラクタの状態を記憶する状態記憶部と、ユーザの身体リズムとキャラクタの状態を基にキャラクタの状態を更新するリズム評価部と、キャラクタの状態に応じた身体リズムを持つキャラクタを表示する表示制御部と、を具備することを特徴とする情報処理装置。 【請求項2】前記移動検出部はユーザの歩行を検出し、前記リズム抽出部はユーザの歩行半周期を身体リズムとして抽出する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項3】前記移動検出部はユーザが乗る自転車のクランクの回転を検出し、前記リズム抽出部はユーザが乗る自転車の走行半周期を身体リズムとして抽出する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項4】前記リズム評価部は、ユーザの身体リズムにキャラクタの身体リズムが引き込まれるようにキャラクタの状態を更新することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項5】前記リズム評価部は、ユーザの身体リズムに対するキャラクタの身体リズムの引き込まれ易さをキャラクタの感情に応じて変化させることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。 【請求項6】前記リズム評価部は、ユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムの差を基にユーザとキャラクタの同調状態を判定する、を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項7】前記リズム評価部は、ユーザとキャラクタの同調時間に応じてキャラクタの感情を制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項8】前記リズム評価部は、ユーザとキャラクタの同調時間が所定値に到達したことに応答してキャラクタの感情を高揚させる、ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。 【請求項9】前記リズム評価部は、時間の経過とともにキャラクタの感情を減衰させる、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項10】前記表示制御部は、キャラクタの状態毎の表示データをあらかじめ複数通り用意し、前記リズム評価部により決定されたキャラクタの状態に応じて該当する表示データを用いてキャラクタの動作を発現する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項11】前記表示制御部は、キャラクタの移動に関する周期的な動きを利用して身体リズムを表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項12】前記表示制御部は、ユーザと同調状態において、ユーザの移動半周期の整数倍又は整数分の一の移動半周期を持つキャラクタの動作を発現する、ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。 【請求項13】前記表示制御部は、キャラクタの移動以外に関する周期的な動きを利用して身体リズムを表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項14】前記表示制御部は、キャラクタの身体リズムを音声又は装置本体の振動として表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項15】前記表示制御部は、視覚的、聴覚的、又は触覚的な変位量に応じて感情移入を実現する媒介を用いて身体リズムを出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項16】他のユーザの身体リズムを受信する通信部をさらに備え、前記リズム評価部は、ユーザの身体リズムと並列移動を行なう他のユーザの身体リズムに応じてキャラクタの状態を更新する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項17】前記リズム評価部は、ユーザの身体リズムと他のユーザの身体リズムが同調状態に到達したことに応答してキャラクタの感情を高揚させる、ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。 【請求項18】前記リズム評価部は、ユーザが他のユーザの並列歩行時の身体リズムが単独歩行時の身体リズムからの変化が所定範囲外であるときは、キャラクタの感情を高揚させない、ことを特徴とする請求項17に記載の情報処理装置。 【請求項19】キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを実現する情報処理方法であって、ユーザの移動を検出する移動検出ステップと、ユーザの移動検出結果を基にユーザの身体リズムを抽出するリズム抽出ステップと、感情や身体リズムからなるキャラクタの状態を記憶する状態記憶ステップと、ユーザの身体リズムとキャラクタの状態を基にキャラクタの状態を更新するリズム評価ステップと、キャラクタの状態に応じた身体リズムを持つキャラクタを表示する表示制御ステップと、を具備することを特徴とする情報処理方法。 【請求項20】前記移動検出ステップではユーザの歩行を検出し、前記リズム抽出ステップではユーザの歩行半周期を身体リズムとして抽出する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項21】前記移動検出ステップではユーザが乗る自転車のクランクの回転を検出し、前記リズム抽出ステップではユーザが乗る自転車の走行半周期を身体リズムとして抽出する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項22】前記リズム評価ステップでは、ユーザの身体リズムにキャラクタの身体リズムが引き込まれるようにキャラクタの状態を更新することを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項23】前記リズム評価ステップでは、ユーザの身体リズムに対するキャラクタの身体リズムの引き込まれ易さをキャラクタの感情に応じて変化させることを特徴とする請求項22に記載の情報処理方法。 【請求項24】前記リズム評価ステップでは、ユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムの差を基にユーザとキャラクタの同調状態を判定する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項25】前記リズム評価ステップでは、ユーザとキャラクタの同調時間に応じてキャラクタの感情を制御する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項26】前記リズム評価ステップでは、ユーザとキャラクタの同調時間が所定値に到達したことに応答してキャラクタの感情を高揚させる、ことを特徴とする請求項25に記載の情報処理方法。 【請求項27】前記リズム評価ステップでは、時間の経過とともにキャラクタの感情を減衰させる、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項28】前記表示制御ステップでは、キャラクタの状態毎の表示データをあらかじめ複数通り用意し、前記リズム評価ステップにおいて決定されたキャラクタの状態に応じて該当する表示データを用いてキャラクタの動作を発現する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項29】前記表示制御ステップでは、キャラクタの移動に関する周期的な動きを利用して身体リズムを表示する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項30】前記表示制御ステップでは、ユーザと同調状態において、ユーザの移動半周期の整数倍又は整数分の一の移動半周期を持つキャラクタの動作を発現する、ことを特徴とする請求項29に記載の情報処理方法。 【請求項31】前記表示制御ステップでは、キャラクタの移動以外に関する周期的な動きを利用して身体リズムを表示する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項32】前記表示制御ステップでは、キャラクタの身体リズムを音声又は装置本体の振動として表示する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項33】前記表示制御ステップでは、視覚的、聴覚的、又は触覚的な変位量に応じて感情移入を実現する媒介を用いて身体リズムを出力する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項34】他のユーザの身体リズムを受信する通信ステップをさらに備え、前記リズム評価ステップでは、ユーザの身体リズムと並列移動を行なう他のユーザの身体リズムに応じてキャラクタの状態を更新する、ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理方法。 【請求項35】前記リズム評価ステップでは、ユーザの身体リズムと他のユーザの身体リズムが同調状態に到達したことに応答してキャラクタの感情を高揚させる、ことを特徴とする請求項34に記載の情報処理方法。 【請求項36】前記リズム評価ステップでは、ユーザが他のユーザの並列歩行時の身体リズムが単独歩行時の身体リズムからの変化が所定範囲外であるときは、キャラクタの感情を高揚させない、ことを特徴とする請求項35に記載の情報処理方法。 【請求項37】キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを実現するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ可読形式で物理的に格納した記憶媒体であって、前記コンピュータ・ソフトウェアは、ユーザの移動を検出する移動検出ステップと、ユーザの移動検出結果を基にユーザの身体リズムを抽出するリズム抽出ステップと、感情や身体リズムからなるキャラクタの状態を記憶する状態記憶ステップと、ユーザの身体リズムとキャラクタの状態を基にキャラクタの状態を更新するリズム評価ステップと、キャラクタの状態に応じた身体リズムを持つキャラクタを表示する表示制御ステップと、を具備することを特徴とする記憶媒体。 【請求項38】キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを実現するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、ユーザの移動を検出する移動検出ステップと、ユーザの移動検出結果を基にユーザの身体リズムを抽出するリズム抽出ステップと、感情や身体リズムからなるキャラクタの状態を記憶する状態記憶ステップと、ユーザの身体リズムとキャラクタの状態を基にキャラクタの状態を更新するリズム評価ステップと、キャラクタの状態に応じた身体リズムを持つキャラクタを表示する表示制御ステップと、を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、キャラクタを介したユーザとのインタラクションを行なう情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、感情などの内部状態に応じてキャラクタのインタラクションを制御することによりエンタテインメントを実現する情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムに関する。 【0002】さらに詳しくは、本発明は、キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを実現する情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、移動中のユーザの身体リズムに応じたキャラクタのインタラクションを制御することによりエンタテインメントを実現する情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムに関する。 【0003】 【従来の技術】情報処理、情報通信技術の発展に伴い、コンピュータは広範に普及してきている。例えば、学術・研究などの高度な技術分野だけでなく、日常生活の支援や娯楽などにもコンピュータが積極的に利用されている。 【0004】最近では、エンタテインメントの分野においてもコンピュータ処理が利用されるようになってきている。例えば、コンピュータ・グラフィックスで生成されるキャラクタや、コンピュータ制御ロボットなどが、ユーザからの指令や周囲の環境に応じて自律的に対話行動を行なうことにより、娯楽性が高まる。 【0005】また、このようなエンタテインメントは、オフィスや家庭内など特定の場所で作業するユーザに利用されるだけでなく、移動中のユーザにおいても必要とされる。 【0006】従来の移動中のエンタテインメントは「移動しながらエンタテインメントを楽しむ」ことに主眼があり、移動中に携行できなかったエンタテインメント機器を小型・携帯化することにより、同様なエンタテインメントを移動中でも楽しめるようにしただけに過ぎなかった。 【0007】本発明者らは、移動中の全く新しいエンタテインメントを創造するためには、「移動そのものをエンタテインメントとして楽しむ」ことを実現する必要がある。このためには移動という身体行為をエンタテインメントにフィードバックすることが重要であると思料する。 【0008】このような移動として歩行を例にとると、相互引き込み現象(エントレインメント)が知られている。歩行の相互引き込み現象とは、歩いている2人の人間が相手の歩行を、視覚的な足の動きや聴覚的な足音で捉えることにより、無意識に相手の歩行のリズムに引き込まれていくことを言う。 【0009】例えば、三宅美博氏の「歩行介助ロボット」の研究(清水博他著、「場と共創」、NTT出版、2000年、第四章「コミュニカビリティーと共生成」)には、相互引き込み現象を利用したロボットの動作制御について提案されている。「歩行介助ロボット」では、歩行リズムの相互引き込み現象を利用して、人工的な足音を聞かせることによって、足が不自由な高齢者や身体障害者の歩行を支援することを試みている。 【0010】別の観点から見ると、このような相互引き込み現象は、単純にリズムが相互に引き込まれるというだけでなく、リズムが共有されることによって、相互に引き込まれている両者の間に無意識のうちに、一種の連帯感に似た親密感が醸成される。両者が知り合いであれば単純に親密感が醸成される。一方、両者が全く知らない同士、例えば若い女性とオジサン(あるいは共感を覚え難い相手)であれば、若い女性はその親密感の醸成をむしろ嫌い、意識的に歩行リズムを変えて走り去る、ということも考えられる。 【0011】このような親密さの醸成は「ラポール(rapport)」の観点からも説明可能である。ラポールとは、カウンセリングなどの心理療法において、カウンセラ(医者)とクライアント(患者)との間に築かれる親密感を伴う人間関係であり、ラポールの構築は効果的な治療の第一歩であると考えられている。 【0012】このようなラポールを構築するためのテクニックとしては、呼吸・姿勢・身振り・表情・声のトーン・話すテンポなどを相手に合わせる「ペーシング(pacing)」が良く知られている。ペーシングにより相手とラポールを築き、無意識のうちに親密感を醸成することができれば、相手の状態を少しずつコントロールして別の状態に移行させる「リーディング(leading)」というテクニックを使うことができる。 【0013】このペーシングやリーディングは、前述の引き込み現象を利用していると言える。 【0014】歩行を例にとると、相手の歩行リズムに合わせるペーシングによってラポールを築き、歩行リズムを徐々に変化させていくリーディングにより、最終的には相手を自分の歩行リズムに引き込むことができる。 【0015】前述した三宅美博氏の「歩行介助ロボット」の研究では人工的な足音と人の間での歩行リズムの引き込み現象について扱っている。これに対し、本発明者らは、コンピュータ上で合成されたアニメーション・キャラクタ(以下、単に「キャラクタ」と言う)と人の間にも歩行リズムの引き込み現象を同様に生じさせることができれば、ラポールのような親密感を醸成することによって、移動そのものをエンタテインメントとして楽しむことが可能となる。 【0016】例えば、特開平11−110514号公報には、使用者が体の一部に付けて使用し、使用者の歩行に応じて歩数を表示する歩数計であって、使用者の歩行によって生じる振動を検出する振動検出手段、前記振動検出手段の出力を計数して歩数を求める計数手段、前記計数手段の計数値を歩数情報として表示する歩数表示手段、ゲームのためのキャラクタを表示するキャラクタ表示手段、および少なくとも、前記計数手段の計数値に基づいて、前記キャラクタ表示手段で表示されるキャラクタの表示状態を変化させる利用に制御するキャラクタ表示制御手段を備えたゲーム機能付き歩数計について開示されている。 【0017】同公報に記載のゲーム機能付き歩数計は、歩調に合わせてキャラクタのインタラクションを制御して、移動中のユーザの親近感を得ることにより、歩行や走行などの運動に苦痛を感じることなく、使用することができる。しかしながら、このゲーム機能付き歩数計は、映像の変化は単純に単位時間当たりの歩数のみに依存し、相互引き込み現象を利用するものではない。このため、ユーザとキャラクタの間に無意識に醸成される親近感は充分でない。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、本能や感情などの内部状態に応じてキャラクタのインタラクションを制御することによりエンタテインメントを実現することができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。 【0019】本発明のさらなる目的は、キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを楽しくすることができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。 【0020】本発明のさらなる目的は、移動中のユーザの身体リズムに応じたキャラクタのインタラクションを制御することによりユーザの親密感を得て、移動そのものをエンタテインメントとして楽しむことができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。 【0021】本発明のさらなる目的は、移動中のユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムの相互引き込み現象を利用することにより、ユーザとキャラクタとの間に無意識のうちに充分な親密感を醸成されて、移動そのものをエンタテインメントとして楽しむことができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。 【0022】 【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを実現する情報処理装置又は情報処理方法であって、ユーザの移動を検出する移動検出部又はステップと、ユーザの移動検出結果を基にユーザの身体リズムを抽出するリズム抽出部又はステップと、感情や身体リズムからなるキャラクタの状態を記憶する状態記憶部又はステップと、ユーザの身体リズムとキャラクタの状態を基にキャラクタの状態を更新するリズム評価部又はステップと、キャラクタの状態に応じた身体リズムを持つキャラクタを表示する表示制御部又はステップと、を具備することを特徴とする情報処理装置又は情報処理方法である。 【0023】ここで、前記移動検出部又はステップはユーザの歩行を検出するとともに、前記リズム抽出部又はステップはユーザの歩行半周期を身体リズムとして抽出するようにしてもよい。 【0024】あるいは、前記移動検出部又はステップはユーザが乗る自転車のクランクの回転を検出するとともに、前記リズム抽出部又はステップはユーザが乗る自転車の走行半周期を身体リズムとして抽出するようにしてもよい。 【0025】前記リズム評価部又はステップは、ユーザの身体リズムにキャラクタの身体リズムが引き込まれるようにキャラクタの歩行半周期などの身体リズムを更新する。さらには、前記リズム評価部又はステップは、ユーザの身体リズムに対するキャラクタの身体リズムの引き込まれ易さをキャラクタの感情に応じて変化させる。 【0026】この結果、ユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムとの相互引き込み現象を利用してキャラクタの表示出力を制御することができる。 【0027】例えば、キャラクタがご機嫌のときはリズムの引き込みが強く、ユーザの歩行のリズムに短い時間で同調するようにしてもよい。逆に、キャラクタの機嫌が悪いときはリズムの引き込みが弱くして、ユーザの歩行のリズムに同調することなく、自分勝手に歩くようにしてもよい。したがって、ユーザの歩行のリズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれ、2つのリズムがほぼ一致する同調状態になると、キャラクタの機嫌がよくなり、ユーザとキャラクタの間に深い親密感が醸成されて、楽しく移動できるようなエンタテインメントが実現される。 【0028】また、前記リズム評価部又はステップは、ユーザとキャラクタの同調を扱うことによって、相互引き込み現象を好適に実現することができる。例えば、前記リズム評価部又はステップは、ユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムの差を基にユーザとキャラクタの同調状態を判定することができる。 【0029】前記リズム評価部又はステップは、ユーザとキャラクタの同調時間に応じてキャラクタの感情を制御することができる。例えば、ユーザとキャラクタの同調時間が所定値に到達したことに応答してキャラクタの感情を高揚させるようにしてもよい。 【0030】この結果、ユーザとキャラクタが同調していると、だんだんキャラクタの機嫌がよくなっていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0031】また、前記リズム評価部又はステップは、時間の経過とともにキャラクタの感情を減衰させることにより、ユーザとキャラクタが同調していないと時間が経つにつれてキャラクタの機嫌が悪くなっていく、あるいは時間の経過とともに高揚した感情が減衰して徐々に落ち着いていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0032】また、前記表示制御部又はステップは、キャラクタの状態毎の表示データをあらかじめ複数通り用意し、前記リズム評価部により決定されたキャラクタの状態に応じて該当する表示データを用いてキャラクタの動作を発現するようにしてもよい。 【0033】また、前記表示制御部又はステップ、キャラクタの移動に関する周期的な動きを利用して身体リズムを表示するようにしてもよい。 【0034】例えば、ユーザと同調状態において、ユーザの移動半周期の整数倍又は整数分の一の移動半周期を持つキャラクタの動作を発現するようにしてもよい。整数又は整数分の一とするのは、ユーザの歩行時の足の接地タイミングや自転車のクランクの回転のタイミングとキャラクタの足の接地のタイミングとを同調させるためである。 【0035】また、キャラクタがゾウのように大きな動物のキャラクタでは人間の歩行周期と同じでは不自然なので整数倍をとり、ネズミのように小さな動物のキャラクタでは逆に整数分の一の値をとるようにすればよい。 【0036】あるいは、前記表示制御部又はステップは、キャラクタの移動以外に関する周期的な動きを利用して身体リズムを表示するようにしてもよい。例えば、鳥ならば翼による羽ばたき、魚なら尾びれの動き、クラゲなら傘の動きを歩行周期に対応させて表現すればよい。 【0037】あるいは、前記表示制御部又はステップは、キャラクタの身体リズムを音声又は装置本体の振動として表示するようにしてもよい。音声や振動の場合には、歩行半周期の足の接地のタイミングで足音や振動を再生したり、鳥であれば歩行周期で翼の羽ばたきの音や振動を再生する。さらに、ユーザとキャラクタが同調状態のときには、同調を表現する音を再生するようにすればよい。 【0038】あるいは、前記表示制御部又はステップは、視覚的、聴覚的、又は触覚的な変位量に応じて感情移入を実現する媒介を用いて身体リズムを出力するようにしてもよい。 【0039】また、エンタテインメントを実現する情報処理装置は、他のユーザの身体リズムを受信する通信部をさらに備えていてもよい。このような場合、前記リズム評価部又はステップは、ユーザの身体リズムと並列移動を行なう他のユーザの身体リズムに応じてキャラクタの状態を更新することができる。 【0040】このような場合、前記リズム評価部又はステップは、ユーザの身体リズムと他のユーザの身体リズムが同調状態に到達したことに応答してキャラクタの感情を高揚させることによって、ユーザが他のユーザと同調しているとだんだんキャラクタの機嫌がよくなっていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0041】このとき、前記リズム評価部又はステップは、ユーザが他のユーザとの並列移動時の身体リズムが単独歩行時の身体リズムからの変化が所定範囲外であるときは、キャラクタの感情を高揚させないようにしてもよい。 【0042】この場合には、確かにユーザと他のユーザの間で移動のリズムは同調しているが、それはユーザの単独移動のリズムから大きくずれており、ユーザが他のユーザの移動のリズムに無理やり合わせたものと判断できるからであり、ユーザとの親密性は醸成されていない。 【0043】また、本発明の第2の側面は、キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを実現するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ可読形式で物理的に格納した記憶媒体であって、前記コンピュータ・ソフトウェアは、ユーザの移動を検出する移動検出ステップと、ユーザの移動検出結果を基にユーザの身体リズムを抽出するリズム抽出ステップと、感情や身体リズムからなるキャラクタの状態を記憶する状態記憶ステップと、ユーザの身体リズムとキャラクタの状態を基にキャラクタの状態を更新するリズム評価ステップと、キャラクタの状態に応じた身体リズムを持つキャラクタを表示する表示制御ステップと、を具備することを特徴とする記憶媒体である。 【0044】本発明の第2の側面に係る記憶媒体は、例えば、さまざまなプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ可読な形式で提供する媒体である。このような媒体は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)、FD(Flexible Disk)、MO(Magneto-Optical disc)などの着脱自在で可搬性の記憶媒体である。あるいは、ネットワーク(ネットワークは無線、有線の区別を問わない)などの伝送媒体などを経由してコンピュータ・ソフトウェアを特定のコンピュータ・システムに提供することも技術的に可能である。 【0045】また、本発明の第2の側面に係る記憶媒体は、コンピュータ・システム上で所定のコンピュータ・ソフトウェアの機能を実現するための、コンピュータ・ソフトウェアと記憶媒体との構造上又は機能上の協働的関係を定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係る記憶媒体を介して所定のコンピュータ・ソフトウェアをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係る情報処理装置又は情報処理方法と同様の作用効果を得ることができる。 【0046】また、本発明の第3の側面は、キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを実現するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、ユーザの移動を検出する移動検出ステップと、ユーザの移動検出結果を基にユーザの身体リズムを抽出するリズム抽出ステップと、感情や身体リズムからなるキャラクタの状態を記憶する状態記憶ステップと、ユーザの身体リズムとキャラクタの状態を基にキャラクタの状態を更新するリズム評価ステップと、キャラクタの状態に応じた身体リズムを持つキャラクタを表示する表示制御ステップと、を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。 【0047】本発明の第3の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第3の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係る情報処理装置又は情報処理方法と同様の作用効果を得ることができる。 【0048】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。 【0049】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。 【0050】A.装置構成図1には、本発明の一実施形態に係るエンタテインメント装置11の外観構成を示している。同図に示すように、本エンタテインメント装置11は携帯可能な小型の装置として構成されており、キャラクタが表示される画像出力部12と、音を出力する音出力部13、電源スイッチ14などを備えている。 【0051】また、図2には、本エンタテインメント装置11の内部ハードウェア構成を模式的に示している。同図に示すように、エンタテインメント装置11は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、入力部24、表示部25、及び通信インタフェース26を備えている。 【0052】プロセッサ21は、装置11全体の動作を統括的に制御するメイン・コントローラであり、オペレーティング・システム(OS)の制御下で、各種のアプリケーション・プログラムを実行する。ここで言うアプリケーションには、例えば入力部24を介して入力されるユーザの移動に関する情報に基づいて表示部25上のキャラクタの表示を制御するソフトウエア・プログラムなどが含まれる。 【0053】ROM(Read Only Memory)22は、製造時にデータが恒久的に書き込まれる読み出し専用の不揮発メモリである。ROM22上には、例えば、電源投入時に実行する自己診断テスト(POST:Power On Self Test)プログラムや、ハードウェア入出力操作を実行するためのコード群(BIOS:Basic Input/OutputSystem)、その他、プロセッサ21上で実行されるプログラム・コードが格納されている。 【0054】RAM(Random Access Memory)23は、プロセッサ21が実行するプログラム・コードをロードしたり、作業データを一時格納するために使用される、書き込み可能なメモリである。RAM23は、通常、複数個のDRAM(Dynamic RAM)チップで構成される。 【0055】入力部24は、ユーザの移動に関する情報を入力するための装置である。入力部24は、例えばキーボードやマウスなどで構成され、ユーザの移動情報を手付け入力するようにしてもよい。あるいは、入力部24は、ユーザの歩行動作を捕捉する歩数計や、自転車のクランクの回転を計測する回転計など、ユーザの移動作業を物理的に計測して直接入力する移動検出装置であってもよい。このような歩数や回転数などの入力データは、プロセッサ21に渡される。 【0056】なお、歩数計は、歩行時の衝撃を振り子により検出する機械式、あるいは加速度検出素子により検出する電子式で構成される。また、自転車の回転計(ケイデンス・センサ)は、フレームにコイル(巻き線)、クランクにマグネット(磁石)を装着して構成され、クランクのマグネットがコイルを横切るときに電磁誘導により発生する電流のパルスをカウントすることにより、クランクの回転数を測定する。 【0057】表示部25は、相互引き込み現象を利用して生成されるキャラクタの身体リズムを外部出力するための装置である。例えば、キャラクタを視覚的に出力する場合には、表示部25はLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)などの画像表示装置で構成される。また、キャラクタを音声出力する場合には、表示部25はサウンド・ボード及びスピーカなどの音声表示装置で構成される。また、表示部25を、偏心部材をモータで回転させるようなデバイスで構成して、キャラクタの身体リズムを装置11本体の振動として出力するようにしてもよい。 【0058】通信インタフェース26は、本エンタテインメント装置11が有線又は無線の通信媒体を介して別のエンタテインメント装置と通信するための装置である。例えばBluetoothなどの近距離無線通信を用いる場合、通信インターフェース26は、ベースバンド部とRF(Radio Frequency)部で構成される。ベースバンド部はプロセッサ21からの送信データにさまざまなデータを付加してRF部に送ったり、RF部からの受信データをプロセッサ21に渡したりする。また、RF部はベースバンド部からの送信データを無線周波数へアップコンバートして電波として放射したり、受信した電波をダウンコンバートしてベースバンド部に渡したりする。 【0059】例えば、歩行時のユーザの歩数や、ユーザが操縦する自転車のクランクの回転数などのユーザの移動に関する情報を、外部の移動検出装置から通信インターフェース26経由で本エンタテインメント装置11に入力したり、装置間で移動させたりすることができる。また、本エンタテインメント装置11上で抽出されたユーザの身体リズムや、身体リズムの評価により得られた相互引き込み現象、相互引き込み現象を利用して生成されるキャラクタ又はその身体リズムなどを通信インタフェース26経由で他の装置に移動させることもできる。さらに、ユーザの身体リズムとの相互引き込み現象を利用してキャラクタの表示を制御するソフトウェア・プログラムを通信インターフェース26経由で本エンタテインメント装置11に導入することもできる。 【0060】B.装置動作本実施形態に係るエンタテインメント装置11は移動するユーザの身体リズムを取得して、ユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムとの相互引き込み現象を利用してキャラクタの表示出力を制御する。この結果、ユーザとキャラクタとの間に無意識のうちに充分な親密感を醸成されて、移動そのものをエンタテインメントとして楽しむことができる。 【0061】以下では、本エンタテインメント装置11が移動中のエンタテインメントを実現するための装置オペレーションについて説明する。 【0062】B−1.歩行におけるエンタテインメントエンタテインメント装置11には、入力部24を介してユーザの歩行動作が入力される。そして、ユーザの歩行のリズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれ、2つのリズムがほぼ一致する同調状態になると、キャラクタの機嫌がよくなり、ユーザとキャラクタの間に深い親密感が醸成されて、楽しく移動できるようなエンタテインメントが実現される。 【0063】図3には、ユーザの歩行時におけるエンタテインメントを実現するための本エンタテインメント装置11の機能構成を模式的に示している。図示の構成は、実際には、プロセッサ21がユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムとの相互引き込み現象を利用してキャラクタの表示出力を制御するソフトウェア・プログラムを実行することによって実現される。 【0064】図示の通り、エンタテインメント装置11は、ユーザの身体リズムを管理するユーザ・リズム管理部37と、キャラクタの身体リズムを管理するキャラクタ・リズム管理部38で構成され、両リズム管理部の協働的動作により相互引き込み現象を利用する。 【0065】歩行検出部31は、ユーザの腰などに取り付けられた加速度検出素子で構成され、足の接地時の衝撃により加速度の変化を検出すると、入力部24を介してユーザ・リズム管理部37に通知する。 【0066】ユーザ・リズム管理部37は、リズム抽出部32とリズム記憶部33で構成される。リズム抽出部32は、足の接地が通知された時刻を記憶するとともに、前回の時刻との差であるユーザの歩行半周期を計算して、これをユーザの身体リズムとしてリズム記憶部33に出力する。 【0067】リズム記憶部33は、リズム抽出部32により算出された歩行半周期を記憶するとともに、最近の何回かの歩行半周期の平均と標準偏差を求めて、これをキャラクタ・リズム管理部38のリズム評価部34に送る。 【0068】一方、キャラクタ・リズム管理部38は、キャラクタの内部状態を管理する状態記憶部35と、ユーザの身体リズムとキャラクタ自身の内部状態に応じてキャラクタの身体リズムを評価するリズム評価部34とで構成される。 【0069】状態記憶部35は、キャラクタの歩行半周期や、キャラクタの身体リズムの引き込まれ易さのパラメータである同調ステップ数、感情パラメータを記憶する。 【0070】リズム評価部34は、リズム記憶部33からの歩行半周期の平均と標準偏差と、状態記憶部35からのキャラクタの歩行半周期と同調ステップ数と感情パラメータを用いて、キャラクタの新しい歩行半周期と感情パラメータを計算して、この計算結果を状態記憶部35に送る。 【0071】表示制御部36は、キャラクタの表示データを持ち、状態記憶部35に保持されているキャラクタの歩行半周期と感情パラメータを基に、表示部25上でのキャラクタの表示を制御する。 【0072】続いて、キャラクタ・リズム管理部38内のリズム評価部34の動作について、図4に示したフローチャートを参照しながら詳解する。 【0073】まず、ユーザ・リズム管理部37においてユーザの身体リズムが抽出されているか、すなわち、歩行データとしてユーザの歩行半周期の平均Tuと標準偏差σuがリズム記憶部33に格納されているかどうかをチェックする(ステップS1)。ここで、身体リズムがまだ抽出されていない場合には、後述する感情パラメータの時間減衰の処理に進む(ステップS11)。 【0074】歩行データが既に抽出されている場合には、ユーザの歩行半周期の標準偏差σuを標準偏差許容量σ0と比較して、歩行のリズムが安定しているかどうかをさらに判断する(ステップS2)。 【0075】σu<σ0ならば、ユーザの歩行のリズムが安定していると判断して次の処理に進む。そうでないならば、歩行のリズムが安定していないとして後述する感情パラメータの時間減衰の処理に進む(ステップS11)。 【0076】次いで、キャラクタの歩行半周期を計算する(ステップS3)。ユーザの安定した歩行のリズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれると考えて、キャラクタの歩行半周期の計算は、以下の式を用いて行なう。 【0077】 【数1】 Tc’=Tc+(Tu−Tc)/N(M) 【0078】ここで、Tc’はキャラクタの次の歩行半周期、Tcはキャラクタの現在の歩行半周期、Tuはユーザの歩行半周期の平均、N(M)はリズムの引き込まれ易さのパラメータである同調ステップ数、Mはキャラクタの感情パラメータである。 【0079】感情パラメータMは、機嫌が悪い状態(0.0)からご機嫌な状態(1.0)までの値をとる。また、同調ステップ数N(M)は、キャラクタの感情パラメータMの関数となっており、例えば下記のように設定する。 【0080】 【数2】 0.9<=M<=1.0のとき、 N(M)=20.5<=M<0.9のとき、 N(M)=100.0<=M<0.5のとき、 N(M)=100【0081】したがって、キャラクタがご機嫌のときはリズムの引き込みが強く、ユーザの歩行のリズムに短い時間で同調する。一方、キャラクタの機嫌が悪いときはリズムの引き込みが弱く、ユーザの歩行のリズムに同調することなく、自分勝手に歩くことになる。そして、計算されたキャラクタの次の歩行半周期Tc’は、キャラクタ・リズム管理部38の状態記憶部35に送られる。 【0082】次いで、キャラクタがユーザと同調状態にあるかどうかを、下式を用いて判断する(ステップS4)。但し、δsは同調状態を判定する定数である。 【0083】 【数3】|Tu−Tc|/Tc < δs【0084】上記の式を満足する同調状態であれば、さらに、同調フラグが設定されているかどうかをチェックする(ステップS5)。同調フラグが設定されていなければ、同調フラグを設定するとともに(ステップS6)、その同調開始時刻tsを記憶する。 【0085】また、キャラクタはユーザと同調状態であるが、既に同調フラグが設定されている場合には、その同調時間が充分に長いかどうかを、下式を用いて判定する(ステップS7)。但し、tは現在時刻、tsは同調開始時刻、Tsは同調判断時間である。 【0086】 【数4】t−ts>Ts【0087】上記の式を満足し、同調時間が十分に長いと判断されると、現在の感情パラメータMと、同調による感情パラメータの増加msから、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算することによって、キャラクタの感情パラメータを上昇させる(ステップS8)。但し、M’>1.0のときはM’=1.0とする。 【0088】 【数5】M’=M+ms【0089】したがって、ユーザとキャラクタが同調していると、だんだんキャラクタの機嫌がよくなっていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0090】他方、同調状態でなく(ステップS4)、且つ同調フラグが設定されていれば(ステップS9)、同調フラグを解除する(ステップS10)。 【0091】最後に、現在の感情パラメータMと、感情パラメータの時間減衰maから、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算する(ステップS11)。但し、M’<0.0のときはM’=0.0とする。 【0092】 【数6】M’=M−ma【0093】したがって、ユーザとキャラクタが同調していないと、時間が経つにつれてキャラクタの機嫌が悪くなっていく、あるいは時間の経過とともに高揚した感情が減衰して徐々に落ち着いていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0094】上記のキャラクタの歩行リズムの次の歩行半周期Tc’、及びキャラクタの次の感情パラメータM’は、状態記憶部35に送られる。 【0095】続いて、表示制御部36によるキャラクタの表示制御動作について詳解する。 【0096】表示制御部36は、各感情を表出するためのキャラクタの表示データを持ち、状態記憶部35のキャラクタの歩行半周期Tcと感情パラメータMに基づいてキャラクタを表示する。感情パラメータMの値毎のキャラクタの表示データとして、例えば下記のように、キャラクタが歩行している様子の画像の集合としての映像を複数通り用意しておく。 【0097】 【数7】 0.9<=M<=1.0のとき、 楽しそうに歩いている映像 0.5<=M<0.9のとき、 普通に歩いている映像 0.0<=M<0.5のとき、 不機嫌そうに歩いている映像 【0098】それぞれの映像はキャラクタの歩行周期の長さを持ち、繰り返して再生することにより、無限に歩いている映像が生成される。 【0099】表示制御部36は、現在の感情パラメータMに対応した上記の映像を、現在の歩行半周期Tcの2k倍の歩行周期(2kTc)で再生(すなわち表示部25から表示出力)する。 【0100】ここで、kは、それぞれのキャラクタに依存する定数である。例えば、ゾウのように大きな動物のキャラクタでは人間の歩行周期と同じでは不自然なので、kを1よりも大きい整数の値を取り、ネズミのように小さな動物のキャラクタでは、逆に1よりも小さい整数分の一の値を取る。整数又は整数分の一とするのは、ユーザの足の接地のタイミングとキャラクタの足の接地のタイミングを同調させるためである。 【0101】また、歩行しないようなキャラクタに関しては、身体を用いた周期的な動きを利用する。例えば、鳥ならば翼による羽ばたき、魚なら尾びれの動き、クラゲなら傘の動きを歩行周期に対応させて表現すればよい。 【0102】また、表示部25から出力されるキャラクタの表示データは画像の集合としての映像に必ずしも限定されるものではない。例えば、2次元又は3次元コンピュータ・グラフィックスにより生成されるアニメーション、あるいは音声や振動でもよい。 【0103】2次元や3次元のアニメーションの場合には、キャラクタが歩行している様子のアニメーションを感情パラメータの値の幾つかの範囲毎に用意しておき、アニメーションを歩行周期(2kTc)で再生する。 【0104】また、音声や振動の場合には、歩行半周期の足の接地のタイミングで足音や振動を再生したり、鳥であれば歩行周期で翼の羽ばたきの音や振動を再生する。さらに、ユーザとキャラクタが同調状態のときには、同調を表現する音を再生する。 【0105】また、キャラクタは、人や動物、あるいはこれらに似た擬人化されたものに必ずしも限定されるものではなく、視覚的・聴覚的・触覚的な動きが付与され感情移入が行なえるようなものなら何でもよい。 【0106】また、ユーザの移動は歩行だけでなく、ランニングのような走行、あるいはトレッドミルを利用した擬似的な歩行や走行、ステップマシンを利用した擬似的な階段の上り下りに関しても同様に扱うことができる。 【0107】B−2.自転車走行時におけるエンタテインメントエンタテインメント装置11は、ユーザが乗る自転車のクランクの回転を検出することにより、ユーザの身体リズムを抽出する。そして、ユーザの自転車の走行のリズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれ、2つのリズムがほぼ一致する同調状態になるとキャラクタの機嫌がよくなり、ユーザとキャラクタの間に深い親密感が醸成されて、楽しく移動できるようなエンタテインメントを実現することができる。 【0108】図5には、ユーザの自転車走行時におけるエンタテインメントを実現するための本エンタテインメント装置11の機能構成を模式的に示している。図示の構成は、実際には、プロセッサ21がユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムとの相互引き込み現象を利用してキャラクタの表示出力を制御するソフトウェア・プログラムを実行することによって実現される。 【0109】図示の通り、エンタテインメント装置11は、ユーザの身体リズムを管理するユーザ・リズム管理部57と、キャラクタの身体リズムを管理するキャラクタ・リズム管理部58で構成され、両リズム管理部の協働的動作により相互引き込み現象を利用する。 【0110】走行検出部51は、自転車のフレームにコイル、クランクにマグネットを装着してユーザが乗る自転車のクランクの回転を検出する装置で構成される。そして、クランクのマグネットがコイルを横切るときに電磁誘導により発生する電流のパルスを、入力部24を介してユーザ・リズム管理部57に通知する。 【0111】ユーザ・リズム管理部57は、リズム抽出部52とリズム記憶部53で構成される。リズム抽出部52は、走行検出部51から知らされた時刻を記憶し、前回の時刻との差の半分であるユーザの自転車の走行半周期を計算して、これをリズム記憶部53に出力する。 【0112】リズム記憶部53は、ユーザの自転車の走行半周期を記憶するとともに、最近の何回かの走行半周期の平均と標準偏差を求めて、キャラクタ・リズム管理部58のリズム評価部54に送る。 【0113】一方、キャラクタ・リズム管理部58は、キャラクタの内部状態を管理する状態記憶部55と、ユーザの身体リズムとキャラクタ自身の内部状態に応じてキャラクタの身体リズムを評価するリズム評価部54とで構成される。 【0114】状態記憶部55は、キャラクタの歩行半周期、リズムの引き込まれ易さのパラメータである同調ステップ数、感情パラメータを記憶する。 【0115】リズム評価部54は、リズム記憶部53からの走行半周期の平均と標準偏差と、状態記憶部55からのキャラクタの歩行半周期と同調ステップ数と感情パラメータを用いて、キャラクタの新しい歩行半周期と感情パラメータを計算して、状態記憶部55に送る。 【0116】表示制御部56は、キャラクタの表示データを持ち、状態記憶部55のキャラクタの歩行半周期と感情パラメータに基づき、キャラクタを表示する。 【0117】続いて、キャラクタ・リズム管理部58内のリズム評価部54の動作について、図6に示したフローチャートを参照しながら詳解する。 【0118】まず、ユーザ・リズム管理部57においてユーザの身体リズムが抽出されているか、すなわち、走行データとしてユーザが乗る自転車の走行半周期の平均Tuと標準偏差σuがリズム記憶部53に格納されているかどうかをチェックする(ステップS21)。身体リズムがまだ抽出されていない場合には、後述する感情パラメータの時間減衰の処理に進む(ステップS31)。 【0119】歩行データが既に抽出されている場合には、ユーザが乗る自転車の走行半周期の標準偏差σuを標準偏差許容量σ0と比較して、走行のリズムが安定しているかどうかをさらに判断する(ステップS22)。 【0120】σu<σ0ならば、ユーザの走行のリズムが安定していると判断して次の処理に進む。そうでないならば、走行のリズムが安定していないとして後述する感情パラメータの時間減衰の処理に進む(ステップS31)。 【0121】次いで、キャラクタの歩行半周期を計算する(ステップS23)。ユーザの安定した自転車の走行リズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれると考えて、キャラクタの歩行半周期の計算は、以下の式を用いて行なう。 【0122】 【数8】Tc’=Tc+(Tu−Tc)/N(M) 【0123】ここで、Tc’はキャラクタの次の歩行半周期、Tcはキャラクタの現在の歩行半周期、Tuはユーザが乗る自転車の走行半周期の平均、N(M)はリズムの引き込まれ易さのパラメータである同調ステップ数、Mはキャラクタの感情パラメータである。 【0124】感情パラメータMは、機嫌が悪い状態(0.0)からご機嫌な状態(1.0)までの値をとる。また、同調ステップ数N(M)は、キャラクタの感情パラメータMの関数となっており、例えば下記のように設定する。 【0125】 【数9】 0.9<=M<=1.0のとき、 N(M)=20.5<=M<0.9のとき、 N(M)=100.0<=M<0.5のとき、 N(M)=100【0126】したがって、キャラクタがご機嫌のときはリズムの引き込みが強く、ユーザの自転車走行のリズムに短い時間で同調する。一方、キャラクタの機嫌が悪いときはリズムの引き込みが弱く、ユーザの歩行のリズムに同調することなく、自分勝手に歩くことになる。そして、計算されたキャラクタの次の歩行半周期Tc’は、キャラクタ・リズム管理部58の状態記憶部55に送られる。 【0127】次いで、キャラクタがユーザと同調状態にあるかどうかを、下式を用いて判断する(ステップS24)。但し、δsは同調状態を判定する定数である。 【0128】 【数10】|Tu−Tc|/Tc < δs【0129】上記の式を満足する同調状態であれば、さらに、同調フラグが設定されているかどうかをチェックする(ステップS25)。同調フラグが設定されていなければ、同調フラグを設定するとともに(ステップS26)、その同調開始時刻tsを記憶する。 【0130】また、キャラクタはユーザと同調状態であるが、既に同調フラグが設定されている場合には、その同調時間が充分に長いかどうかを、下式を用いて判定する(ステップS27)。但し、tは現在時刻、tsは同調開始時刻、Tsは同調判断時間である。 【0131】 【数11】t−ts>Ts【0132】上記の式を満足し、同調時間が十分に長いと判断されると、現在の感情パラメータMと、同調による感情パラメータの増加msから、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算することによって、キャラクタの感情パラメータを上昇させる(ステップS28)。但し、M’>1.0のときはM’=1.0とする。 【0133】 【数12】M’=M+ms【0134】したがって、ユーザとキャラクタが同調していると、だんだんキャラクタの機嫌がよくなっていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0135】他方、同調状態でなく(ステップS24)、且つ同調フラグが設定されていれば(ステップS29)、同調フラグを解除する(ステップS30)。 【0136】最後に、現在の感情パラメータMと、感情パラメータの時間減衰maから、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算する(ステップS31)。但し、M’<0.0のときはM’=0.0とする。 【0137】 【数13】M’=M−ma【0138】したがって、ユーザとキャラクタが同調していないと、時間が経つにつれてキャラクタの機嫌が悪くなっていく、あるいは時間の経過とともに高揚した感情が減衰して徐々に落ち着いていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0139】上記のキャラクタの歩行リズムの次の歩行半周期Tc’、及びキャラクタの次の感情パラメータM’は、状態記憶部55に送られる。 【0140】続いて、表示制御部56によるキャラクタの表示制御動作について詳解する。 【0141】表示制御部56は、各感情を表出するためのキャラクタの表示データを持ち、状態記憶部55のキャラクタの歩行半周期Tcと感情パラメータMに基づいてキャラクタを表示する。感情パラメータMの値毎のキャラクタの表示データとして、例えば下記のように、キャラクタが歩行している様子の画像の集合としての映像を複数通り用意しておく。 【0142】 【数14】 0.9<=M<=1.0のとき、 楽しそうに歩いている映像 0.5<=M<0.9のとき、 普通に歩いている映像 0.0<=M<0.5のとき、 不機嫌そうに歩いている映像 【0143】それぞれの映像はキャラクタの歩行周期の長さを持ち、繰り返して再生することにより、無限に歩いている映像が生成される。 【0144】表示制御部56は、現在の感情パラメータMに対応した上記の映像を、現在の歩行半周期Tcの2k倍の歩行周期(2kTc)で再生(すなわち表示部25から表示出力)する。 【0145】ここで、kは、それぞれのキャラクタに依存する定数である。例えば、ゾウのように大きな動物のキャラクタやネズミのように小さな動物のキャラクタの歩行のリズムとユーザの自転車の走行リズムを同調させるために、整数又は整数分の一の値をとる。整数又は整数分の一とするのは、ユーザが乗る自転車のクランクの回転のタイミングとキャラクタの足の接地のタイミングを同調させるためである。 【0146】また、歩行しないようなキャラクタに関しては、身体を用いた周期的な動きを利用する。例えば、鳥ならば翼による羽ばたき、魚なら尾びれの動き、クラゲなら傘の動きを歩行周期に対応させて表現すればよい。 【0147】また、表示部25から出力されるキャラクタの表示データは画像の集合としての映像に必ずしも限定されるものではない。例えば、2次元又は3次元コンピュータ・グラフィックスにより生成されるアニメーション、あるいは音声や振動でもよい。 【0148】2次元や3次元のアニメーションの場合には、キャラクタが歩行している様子のアニメーションを感情パラメータの値の幾つかの範囲毎に用意しておき、アニメーションを歩行周期(2kTc)で再生する。 【0149】また、音声や振動の場合には、歩行半周期の足の接地のタイミングで足音や振動を再生したり、鳥であれば歩行周期で翼の羽ばたきの音や振動を再生する。さらに、ユーザとキャラクタが同調状態のときには、同調を表現する音を再生する。 【0150】また、キャラクタは、人や動物、あるいはこれらに似た擬人化されたものに必ずしも限定されるものではなく、視覚的・聴覚的・触覚的な動きが付与され感情移入が行なえるようなものなら何でもよい。 【0151】また、自転車の走行だけでなく、電動自転車の走行、あるいは自転車エルゴメータによる擬似的な自転車を漕ぐ運動に関しても同様に扱うことができる。自転車と同様に、ボートにコイル、オールにマグネットを装着する。そして、オールのマグネットがコイルを横切るときに電磁誘導により発生する電流のパルスを検出することにより、図5に示したエンタテインメント装置11をボートによる移動やローイングエルゴメータによる擬似的なボートを漕ぐ運動にも拡張して使用することができる。 【0152】B−3.並列歩行におけるエンタテインメントエンタテインメント装置11には、入力部24又は通信インターフェース26を介してユーザの歩行動作が入力される。そして、リズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれ、2つのリズムがほぼ一致する同調状態になると、キャラクタの機嫌がよくなり、ユーザとキャラクタの間に深い親密感が醸成されて、楽しく移動できるようなエンタテインメントが実現される。 【0153】さらに、2人以上のユーザが並んで歩く「並列歩行」を行なっているときには、ユーザの歩行リズムと他のユーザの歩行リズムの間で相互引き込み現象が生じて同調状態になると、キャラクタはユーザと他のユーザとの間に親密感が醸成されたと判断してさらに機嫌がよくなる。 【0154】なお、ここで言う並列歩行には、ユーザ同士が物理的に並んで歩き、手を握ったり、腕を組んだり肩を抱いて歩くことなどの他に、通信媒体を介して擬似的に並んで歩くことも含まれるものとする。 【0155】図7には、ユーザの並列歩行時におけるエンタテインメントを実現するための本エンタテインメント装置11の機能構成を模式的に示している。図示の構成は、実際には、プロセッサ21がユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムとの相互引き込み現象を利用してキャラクタの表示出力を制御するソフトウェア・プログラムを実行することによって実現される。 【0156】図示の通り、エンタテインメント装置11は、ユーザの身体リズムを管理するユーザ・リズム管理部78と、キャラクタの身体リズムを管理するキャラクタ・リズム管理部79で構成され、両リズム管理部の協働的動作により相互引き込み現象を利用する。 【0157】歩行検出部71は、ユーザの腰などに取り付けられた加速度検出素子で構成され、足の接地時の衝撃により加速度の変化を検出すると、入力部24又は通信インターフェース26を介してユーザ・リズム管理部78に通知する。 【0158】ユーザ・リズム管理部78は、リズム抽出部72とリズム記憶部73で構成される。リズム抽出部72は、足の接地が通知された時刻を記憶するとともに、前回の時刻との差であるユーザの歩行半周期を計算して、これをユーザの身体リズムとしてリズム記憶部73に出力する。 【0159】通信管理部77は、通信インターフェース26を介して、本エンタテインメント装置11が他のユーザのエンタテインメント装置との間で相互引き込み現象に関するデータ通信動作を制御する。本エンタテインメント装置11のリズム記憶部73から読み出したユーザの歩行半周期を、この通信管理部77を通して他のユーザのエンタテインメント装置に送信するとともに、他のユーザ側のエンタテインメント装置のリズム記憶部からの他のユーザの歩行半周期を、通信管理部77を通して受信してリズム記憶部73に送ることができる。 【0160】リズム記憶部73は、リズム抽出部72により算出されたユーザの歩行半周期、並びに通信管理部77を介して得られた他のユーザの歩行半周期を記憶するとともに、最近の何回かの歩行半周期の平均と標準偏差を求めて、これをキャラクタ・リズム管理部79のリズム評価部74に送る。 【0161】一方、キャラクタ・リズム管理部79は、キャラクタの内部状態を管理する状態記憶部75と、ユーザの身体リズムとキャラクタ自身の内部状態に応じてキャラクタの身体リズムを評価するリズム評価部74とで構成される。 【0162】状態記憶部75は、キャラクタの歩行半周期、キャラクタの身体リズムの引き込まれ易さのパラメータである同調ステップ数、感情パラメータを記憶する。 【0163】リズム評価部74は、リズム記憶部73からの当該ユーザの歩行半周期の平均と標準偏差、及び通信管理部77を介して取得した他のユーザの歩行半周期の平均と標準偏差、状態記憶部75からのキャラクタの歩行半周期と同調ステップ数と感情パラメータを用いて、キャラクタの新しい歩行半周期と感情パラメータを計算して、この計算結果を状態記憶部75に送る。 【0164】表示制御部76は、キャラクタの表示データを持ち、状態記憶部75に保持されているキャラクタの歩行半周期と感情パラメータを基に、表示部25上でのキャラクタの表示を制御する。 【0165】続いて、キャラクタ・リズム管理部79内のリズム評価部74の動作について、図8及び図9に示したフローチャートを参照しながら詳解する。但し、ここでは説明の簡素化のため、他のユーザは1人だけとする。 【0166】図8には、相互引き込み現象によって、他のユーザと並列歩行しているユーザとキャラクタの同調を実現するための処理手順をフローチャートの形式で示している。 【0167】この場合、まず、ユーザ・リズム管理部78においてユーザの身体リズムが抽出されているか、すなわち、歩行データとしてユーザの歩行半周期の平均Tuと標準偏差σuがリズム記憶部73に格納されているかどうかをチェックする(ステップS41)。身体リズムがまだ抽出されていない場合には、後述する感情パラメータの時間減衰の処理に進む(ステップS51)。 【0168】歩行データが既に抽出されている場合には、ユーザの歩行半周期の標準偏差σuを標準偏差許容量σ0と比較して、歩行のリズムが安定しているかどうかをさらに判断する(ステップS42)。 【0169】σu<σ0ならば、ユーザの歩行のリズムが安定していると判断して次の処理に進む。そうでないならば、歩行のリズムが安定していないとして、後述する感情パラメータの時間減衰の処理に進む(ステップS51)。 【0170】次いで、キャラクタの歩行半周期を計算する(ステップS43)。ユーザの安定した歩行のリズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれると考えて、キャラクタの歩行半周期の計算は、以下の式を用いて行なう。 【0171】 【数15】Tc’=Tc+(Tu−Tc)/N(M) 【0172】ここで、Tc’はキャラクタの次の歩行半周期、Tcはキャラクタの現在の歩行半周期、Tuはユーザの歩行半周期の平均、N(M)はリズムの引き込まれ易さのパラメータである同調ステップ数、Mはキャラクタの感情パラメータである。 【0173】感情パラメータMは、機嫌が悪い状態(0.0)からご機嫌な状態(1.0)までの値をとる。また、同調ステップ数N(M)は、キャラクタの感情パラメータMの関数となっており、例えば下記のように設定する。 【0174】 【数16】 0.9<=M<=1.0のとき、 N(M)=20.5<=M<0.9のとき、 N(M)=100.0<=M<0.5のとき、 N(M)=100【0175】したがって、キャラクタがご機嫌のときはリズムの引き込みが強く、ユーザの歩行のリズムに短い時間で同調する。一方、キャラクタの機嫌が悪いときはリズムの引き込みが弱く、ユーザの歩行のリズムに同調することなく、自分勝手に歩くことになる。そして、計算されたキャラクタの次の歩行半周期Tc’は、キャラクタ・リズム管理部79の状態記憶部75に送られる。 【0176】次いで、キャラクタがユーザと同調状態にあるかどうかを、下式を用いて判断する(ステップS44)。但し、δsは同調状態を判定する定数である。 【0177】 【数17】|Tu−Tc|/Tc < δs【0178】上記の式を満足する同調状態であれば、さらに、同調フラグが設定されているかどうかをチェックする(ステップS45)。同調フラグが設定されていなければ、同調フラグを設定するとともに(ステップS46)、その同調開始時刻tsを記憶する。 【0179】また、キャラクタはユーザと同調状態であるが、既に同調フラグが設定されている場合には、その同調時間が充分に長いかどうかを、下式を用いて判定する(ステップS47)。但し、tは現在時刻、tsは同調開始時刻、Tsは同調判断時間である。 【0180】 【数18】t−ts>Ts【0181】上記の式を満足し、同調時間が十分に長いと判断されると、現在の感情パラメータMと、同調による感情パラメータの増加msから、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算することによって、キャラクタの感情パラメータを上昇させる(ステップS48)。但し、M’>1.0のときはM’=1.0とする。 【0182】 【数19】M’=M+ms【0183】したがって、ユーザとキャラクタが同調していると、だんだんキャラクタの機嫌がよくなっていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0184】他方、同調状態でなく(ステップS44)、且つ同調フラグが設定されていれば(ステップS49)、同調フラグを解除する(ステップS50)。 【0185】最後に、現在の感情パラメータMと、感情パラメータの時間減衰maから、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算する(ステップS51)。但し、M’<0.0のときはM’=0.0とする。 【0186】 【数20】M’=M−ma【0187】したがって、ユーザとキャラクタが同調していないと、時間が経つにつれてキャラクタの機嫌が悪くなっていく、あるいは時間の経過とともに高揚した感情が減衰して徐々に落ち着いていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0188】また、図9には、相互引き込み現象によって、並列歩行しているユーザ間での同調を実現するための処理手順をフローチャートの形式で示している。 【0189】この場合、まず、ユーザ・リズム管理部78において当該ユーザの歩行半周期の平均Tuと標準偏差σuがリズム記憶部73に格納されているかどうか、並びに、通信管理部77を介して他のユーザの歩行半周期の平均Tu2と標準偏差σu2を取得できたかどうかをチェックする(ステップS61)。身体リズムがまだ抽出されていない場合には、本処理ルーチン全体を終了する。 【0190】歩行データが既に抽出されている場合には、他のユーザの歩行半周期の標準偏差σu2を標準偏差許容量σ0と比較して、その歩行のリズムが安定しているかどうかをさらに判断する(ステップS62)。 【0191】σu2<σ0ならば、ユーザの歩行のリズムが安定していると判断して次の処理に進む。そうでないならば、歩行のリズムが安定していないとして、本処理ルーチン全体を終了する。 【0192】次いで、ユーザと他のユーザが同調状態にあるかどうかを、下式を用いて判断する(ステップS63)。但し、δsは同調状態を判定する定数である。 【0193】 【数21】|Tu−Tu2|/Tu2 < δs【0194】上記の式を満足する同調状態であれば、さらに、同調フラグが設定されているかどうかをチェックする(ステップS64)。同調フラグが設定されていなければ、同調フラグを設定するとともに(ステップS65)、その同調開始時刻tsを記憶する。 【0195】また、キャラクタはユーザと同調状態であるが、既に同調フラグが設定されている場合には、その同調時間が充分に長いかどうかを、下式を用いて判定する(ステップS66)。但し、tは現在時刻、ts2はユーザと他のユーザの同調開始時刻、Tsは同調判断時間である。 【0196】 【数22】t−ts2>Ts【0197】上記の式を満足し、同調時間が十分に長いと判断されると、現在の感情パラメータMと、ユーザと他のユーザの同調による感情パラメータの増加ms2から、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算することによって、キャラクタの感情パラメータを上昇させる(ステップS67)。但し、M’>1.0のときはM’=1.0とする。 【0198】 【数23】M’=M+ms2【0199】したがって、ユーザが他のユーザと同調していると、だんだんキャラクタの機嫌がよくなっていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0200】これに加えて、他のユーザの歩行データがない、すなわちユーザ間の並列歩行ではなく単独歩行のときに得た歩行半周期の平均を基本歩行半周期Tu0として記憶しておき、以下の式が成り立つときには、上記の感情パラメータの上昇を行なわないようにすることもできる(δ0は基本歩行からのずれを判定する定数)。 【0201】 【数24】|Tu−Tu0|/Tu0 > δ0【0202】この場合には、確かにユーザと他のユーザの間で歩行のリズムは同調しているが、それはユーザの単独歩行のリズムから大きくずれており、ユーザが他のユーザの歩行のリズムに無理やり合わせたものと判断できるからであり、ユーザとの親密性は醸成されていない。 【0203】また、同調状態でなく(ステップS63)、且つ同調フラグが設定されていれば(ステップS68)、同調フラグを解除する(ステップS69)。 【0204】上記のキャラクタの歩行リズムの次の歩行半周期Tc’、及びキャラクタの次の感情パラメータM’は状態記憶部75に送られる。 【0205】続いて、表示制御部76によるキャラクタの表示制御動作について詳解する。 【0206】表示制御部76は、各感情を表出するためのキャラクタの表示データを持ち、状態記憶部75のキャラクタの歩行半周期Tcと感情パラメータMに基づいてキャラクタを表示する。感情パラメータMの値毎のキャラクタの表示データとして、例えば下記のように、キャラクタが歩行している様子の画像の集合としての映像を複数通り用意しておく。 【0207】 【数25】 0.9<=M<=1.0のとき、 楽しそうに歩いている映像 0.5<=M<0.9のとき、 普通に歩いている映像 0.0<=M<0.5のとき、 不機嫌そうに歩いている映像 【0208】それぞれの映像はキャラクタの歩行周期の長さを持ち、繰り返して再生することにより、無限に歩いている映像が生成される。 【0209】表示制御部76は、現在の感情パラメータMに対応した上記の映像を、現在の歩行半周期Tcの2k倍の歩行周期(2kTc)で再生(すなわち表示部25から表示出力)する。 【0210】ここで、kは、それぞれのキャラクタに依存する定数である。例えば、ゾウのように大きな動物のキャラクタでは人間の歩行周期と同じでは不自然なので、kを1よりも大きい整数の値を取り、ネズミのように小さな動物のキャラクタでは、逆に1よりも小さい整数分の一の値を取る。整数又は整数分の一とするのは、ユーザの足の接地のタイミングとキャラクタの足の接地のタイミングを同調させるためである。 【0211】また、歩行しないようなキャラクタに関しては、身体を用いた周期的な動きを利用する。例えば、鳥ならば翼による羽ばたき、魚なら尾びれの動き、クラゲなら傘の動きを歩行周期に対応させて表現すればよい。 【0212】また、表示部25から出力されるキャラクタの表示データは画像の集合としての映像に必ずしも限定されるものではない。例えば、2次元又は3次元コンピュータ・グラフィックスにより生成されるアニメーション、あるいは音声や振動でもよい。 【0213】2次元や3次元のアニメーションの場合には、キャラクタが歩行している様子のアニメーションを感情パラメータの値の幾つかの範囲毎に用意しておき、アニメーションを歩行周期(2kTc)で再生する。 【0214】また、音声や振動の場合には、歩行半周期の足の接地のタイミングで足音や振動を再生したり、鳥であれば歩行周期で翼の羽ばたきの音や振動を再生する。さらに、ユーザとキャラクタが同調状態のときには、同調を表現する音を再生するようにすればよい。 【0215】また、キャラクタは、人や動物、あるいはこれらに似た擬人化されたものに必ずしも限定されるものではなく、視覚的・聴覚的・触覚的な動きが付与され感情移入が行なえるようなものなら何でもよい。 【0216】また、並列歩行だけでなく、ランニングのような並列走行、あるいはトレッドミルを利用した擬似的な並列歩行や並列走行、ステップマシンを利用した擬似的な階段の並列上り下りに関しても同様に扱うことができる。 【0217】B−4.自転車の並列走行時におけるエンタテインメントエンタテインメント装置11は、ユーザが乗る自転車のクランクの回転を検出することにより、ユーザの身体リズムを抽出する。そして、ユーザが乗る自転車の走行のリズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれ、2つのリズムがほぼ一致する同調状態になるとキャラクタの機嫌がよくなり、ユーザとキャラクタの間に深い親密感が醸成されて、楽しく移動できるようなエンタテインメントを実現することができる。 【0218】さらに、2人以上のユーザが並んで自転車を走行させる「並列走行」を行なっているときには、ユーザの走行のリズムと他のユーザの走行のリズムの間で相互引き込み現象が生じて同調状態になると、キャラクタはユーザと他のユーザとの間に親密感が醸成されたと判断してさらに機嫌がよくなる。 【0219】なお、自転車の並列走行とは、二人以上が並んで自転車を走行させることであり、物理的に並んで走行させることの他に、通信により擬似的に並んで走行させることも含む。 【0220】図10には、ユーザの自転車の並列走行時におけるエンタテインメントを実現するための本エンタテインメント装置11の機能構成を模式的に示している。図示の構成は、実際には、プロセッサ21がユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムとの相互引き込み現象を利用してキャラクタの表示出力を制御するソフトウェア・プログラムを実行することによって実現される。 【0221】図示の通り、エンタテインメント装置11は、ユーザの身体リズムを管理するユーザ・リズム管理部98と、キャラクタの身体リズムを管理するキャラクタ・リズム管理部99で構成され、両リズム管理部の協働的動作により相互引き込み現象を利用する。 【0222】走行検出部91は、自転車のフレームにコイル、クランクにマグネットを装着してユーザが乗る自転車のクランクの回転を検出する装置で構成される。そして、クランクのマグネットがコイルを横切るときに電磁誘導により発生する電流のパルスを、入力部24又は通信インターフェース26を介してユーザ・リズム管理部98に通知する。 【0223】ユーザ・リズム管理部98は、リズム抽出部92とリズム記憶部93で構成される。リズム抽出部92は、走行検出部91から知らされた時刻を記憶し、前回の時刻との差の半分であるユーザの自転車の走行半周期を計算して、これをリズム記憶部93に出力する。 【0224】通信管理部97は、通信インターフェース26を介して、本エンタテインメント装置11が他のユーザのエンタテインメント装置との間で相互引き込み現象に関するデータ通信動作を制御する。本エンタテインメント装置11のリズム記憶部93から読み出したユーザの走行半周期を、この通信管理部97を通して他のユーザのエンタテインメント装置に送信するとともに、他のユーザ側のエンタテインメント装置のリズム記憶部からの他のユーザの走行半周期を、通信管理部97を通して受信してリズム記憶部93に送ることができる。 【0225】リズム記憶部93は、ユーザの自転車の走行半周期を記憶するとともに、最近の何回かの走行半周期の平均と標準偏差を求めて、キャラクタ・リズム管理部99のリズム評価部94に送る。 【0226】一方、キャラクタ・リズム管理部99は、キャラクタの内部状態を管理する状態記憶部95と、ユーザの身体リズムとキャラクタ自身の内部状態に応じてキャラクタの身体リズムを評価するリズム評価部94とで構成される。 【0227】状態記憶部95は、キャラクタの歩行半周期、リズムの引き込まれ易さのパラメータである同調ステップ数、感情パラメータを記憶する。 【0228】リズム評価部94は、リズム記憶部93からの当該ユーザが乗る自転車の走行半周期の平均と標準偏差、及び通信管理部97を介して取得した他のユーザの自転車の走行半周期の平均と標準偏差、状態記憶部95からのキャラクタの歩行半周期と同調ステップ数と感情パラメータを用いて、キャラクタの新しい歩行半周期と感情パラメータを計算して、この計算結果を状態記憶部95に送る。 【0229】表示制御部96は、キャラクタの表示データを持ち、状態記憶部95のキャラクタの歩行半周期と感情パラメータに基づき、キャラクタを表示する。 【0230】続いて、キャラクタ・リズム管理部99内のリズム評価部94の動作について、図11及び図12に示したフローチャートを参照しながら詳解する。但し、ここでは説明の簡素化のため、他のユーザは1人だけとする。 【0231】図11には、相互引き込み現象によって、他のユーザと並列走行しているユーザとキャラクタの同調を実現するための処理手順をフローチャートの形式で示している。 【0232】この場合、まず、ユーザ・リズム管理部98においてユーザの身体リズムが抽出されているか、すなわち、走行データとしてユーザの走行半周期の平均Tuと標準偏差σuがリズム記憶部93に格納されているかどうかをチェックする(ステップS71)。身体リズムがまだ抽出されていない場合には、後述する感情パラメータの時間減衰の処理に進む(ステップS81)。 【0233】歩行データが既に抽出されている場合には、ユーザの走行半周期の標準偏差σuを標準偏差許容量σ0と比較して、走行のリズムが安定しているかどうかをさらに判断する(ステップS72)。 【0234】σu<σ0ならば、ユーザの走行のリズムが安定していると判断して次の処理に進む。そうでないならば、走行のリズムが安定していないとして、後述する感情パラメータの時間減衰の処理に進む(ステップS81)。 【0235】次いで、キャラクタの歩行半周期を計算する(ステップS73)。ユーザの安定した走行のリズムにキャラクタの歩行のリズムが引き込まれると考えて、キャラクタの歩行半周期の計算は、以下の式を用いて行なう。 【0236】 【数26】 Tc’=Tc+(Tu−Tc)/N(M) 【0237】ここで、Tc’はキャラクタの次の歩行半周期、Tcはキャラクタの現在の歩行半周期、Tuはユーザが乗る自転車の走行半周期の平均、N(M)はリズムの引き込まれ易さのパラメータである同調ステップ数、Mはキャラクタの感情パラメータである。 【0238】感情パラメータMは、機嫌が悪い状態(0.0)からご機嫌な状態(1.0)までの値をとる。また、同調ステップ数N(M)は、キャラクタの感情パラメータMの関数となっており、例えば下記のように設定する。 【0239】 【数27】 0.9<=M<=1.0のとき、 N(M)=20.5<=M<0.9のとき、 N(M)=100.0<=M<0.5のとき、 N(M)=100【0240】したがって、キャラクタがご機嫌のときはリズムの引き込みが強く、ユーザの歩行のリズムに短い時間で同調する。一方、キャラクタの機嫌が悪いときはリズムの引き込みが弱く、ユーザの歩行のリズムに同調することなく、自分勝手に歩くことになる。そして、計算されたキャラクタの次の歩行半周期Tc’は、キャラクタ・リズム管理部99の状態記憶部95に送られる。 【0241】次いで、キャラクタがユーザと同調状態にあるかどうかを、下式を用いて判断する(ステップS74)。但し、δsは同調状態を判定する定数である。 【0242】 【数28】|Tu−Tc|/Tc < δs【0243】上記の式を満足する同調状態であれば、さらに、同調フラグが設定されているかどうかをチェックする(ステップS75)。同調フラグが設定されていなければ、同調フラグを設定するとともに(ステップS76)、その同調開始時刻tsを記憶する。 【0244】また、キャラクタはユーザと同調状態であるが、既に同調フラグが設定されている場合には、その同調時間が充分に長いかどうかを、下式を用いて判定する(ステップS77)。但し、tは現在時刻、tsは同調開始時刻、Tsは同調判断時間である。 【0245】 【数29】t−ts>Ts【0246】上記の式を満足し、同調時間が十分に長いと判断されると、現在の感情パラメータMと、同調による感情パラメータの増加msから、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算することによって、キャラクタの感情パラメータを上昇させる(ステップS78)。但し、M’>1.0のときはM’=1.0とする。 【0247】 【数30】M’=M+ms【0248】したがって、ユーザとキャラクタが同調していると、だんだんキャラクタの機嫌がよくなっていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0249】他方、同調状態でなく(ステップS74)、且つ同調フラグが設定されていれば(ステップS79)、同調フラグを解除する(ステップS80)。 【0250】最後に、現在の感情パラメータMと、感情パラメータの時間減衰maから、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算する(ステップS81)。但し、M’<0.0のときはM’=0.0とする。 【0251】 【数31】M’=M−ma【0252】したがって、ユーザとキャラクタが同調していないと、時間が経つにつれてキャラクタの機嫌が悪くなっていく、あるいは時間の経過とともに高揚した感情が減衰して徐々に落ち着いていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0253】また、図12には、相互引き込み現象によって、自転車を並列走行させているユーザ間での同調を実現するための処理手順をフローチャートの形式で示している。 【0254】この場合、まず、ユーザ・リズム管理部98において当該ユーザが乗る自転車の走行半周期の平均Tuと標準偏差σuがリズム記憶部93に格納されているかどうか、並びに、通信管理部97を介して他のユーザが乗る自転車の走行半周期の平均Tu2と標準偏差σu2を取得できたかどうかをチェックする(ステップS91)。身体リズムがまだ抽出されていない場合には、本処理ルーチン全体を終了する。 【0255】走行データが既に抽出されている場合には、他のユーザが乗る自転車の走行半周期の標準偏差σu2を標準偏差許容量σ0と比較して、その走行のリズムが安定しているかどうかをさらに判断する(ステップS92)。 【0256】σu2<σ0ならば、ユーザが乗る自転車の走行のリズムが安定していると判断して次の処理に進む。そうでないならば、歩行のリズムが安定していないとして、本処理ルーチン全体を終了する。 【0257】次いで、ユーザと他のユーザが同調状態にあるかどうかを、下式を用いて判断する(ステップS93)。但し、δsは同調状態を判定する定数である。 【0258】 【数32】|Tu−Tu2|/Tu2 < δs【0259】上記の式を満足する同調状態であれば、さらに、同調フラグが設定されているかどうかをチェックする(ステップS94)。同調フラグが設定されていなければ、同調フラグを設定するとともに(ステップS95)、その同調開始時刻tsを記憶する。 【0260】また、キャラクタはユーザと同調状態であるが、既に同調フラグが設定されている場合には、その同調時間が充分に長いかどうかを、下式を用いて判定する(ステップS96)。但し、tは現在時刻、ts2はユーザと他のユーザの同調開始時刻、Tsは同調判断時間である。 【0261】 【数33】t−ts2>Ts【0262】上記の式を満足し、同調時間が十分に長いと判断されると、現在の感情パラメータMと、ユーザと他のユーザの同調による感情パラメータの増加ms2から、下式を用いて次の感情パラメータM’を計算することによって、キャラクタの感情パラメータを上昇させる(ステップS97)。但し、M’>1.0のときはM’=1.0とする。 【0263】 【数34】M’=M+ms2【0264】したがって、ユーザが他のユーザと同調していると、だんだんキャラクタの機嫌がよくなっていくというキャラクタの感情特性を得ることができる。 【0265】これに加えて、他のユーザの走行データがない、すなわちユーザ間の並列走行歩行ではなく単独走行のときに得た走行半周期の平均を基本走行半周期Tu0として記憶しておき、以下の式が成り立つときには、上記の感情パラメータの上昇を行なわないようにすることもできる(δ0は基本歩行からのずれを判定する定数)。 【0266】 【数35】|Tu−Tu0|/Tu0 > δ0【0267】この場合には、確かにユーザと他のユーザの間で走行のリズムは同調しているが、それはユーザの単独走行のリズムから大きくずれており、ユーザが他のユーザの歩行のリズムに無理やり合わせたものと判断できるからであり、ユーザとの親密性は醸成されていない。 【0268】また、同調状態でなく(ステップS93)、且つ同調フラグが設定されていれば(ステップS98)、同調フラグを解除する(ステップS99)。 【0269】上記のキャラクタの歩行リズムの次の歩行半周期Tc’、及びキャラクタの次の感情パラメータM’は状態記憶部95に送られる。 【0270】続いて、表示制御部96によるキャラクタの表示制御動作について詳解する。 【0271】表示制御部96は、各感情を表出するためのキャラクタの表示データを持ち、状態記憶部95のキャラクタの歩行半周期Tcと感情パラメータMに基づいてキャラクタを表示する。感情パラメータMの値毎のキャラクタの表示データとして、例えば下記のように、キャラクタが歩行している様子の画像の集合としての映像を複数通り用意しておく。 【0272】 【数36】 0.9<=M<=1.0のとき、 楽しそうに歩いている映像 0.5<=M<0.9のとき、 普通に歩いている映像 0.0<=M<0.5のとき、 不機嫌そうに歩いている映像 【0273】それぞれの映像はキャラクタの歩行周期の長さを持ち、繰り返して再生することにより、無限に歩いている映像が生成される。 【0274】表示制御部96は、現在の感情パラメータMに対応した上記の映像を、現在の歩行半周期Tcの2k倍の歩行周期(2kTc)で再生(すなわち表示部25から表示出力)する。 【0275】ここで、kは、それぞれのキャラクタに依存する定数である。例えば、ゾウのように大きな動物のキャラクタでは人間の自転車の走行周期と同じでは不自然なので、kを1よりも大きい整数の値を取り、ネズミのように小さな動物のキャラクタでは、逆に1よりも小さい整数分の一の値を取る。整数又は整数分の一とするのは、ユーザが乗る自転車のクランクの回転のタイミングとキャラクタの足の接地のタイミングを同調させるためである。 【0276】また、歩行しないようなキャラクタに関しては、身体を用いた周期的な動きを利用する。例えば、鳥ならば翼による羽ばたき、魚なら尾びれの動き、クラゲなら傘の動きを歩行周期に対応させて表現すればよい。 【0277】また、表示部25から出力されるキャラクタの表示データは画像の集合としての映像に必ずしも限定されるものではない。例えば、2次元又は3次元コンピュータ・グラフィックスにより生成されるアニメーション、あるいは音声や振動でもよい。 【0278】2次元や3次元のアニメーションの場合には、キャラクタが歩行している様子のアニメーションを感情パラメータの値の幾つかの範囲毎に用意しておき、アニメーションを歩行周期(2kTc)で再生する。 【0279】また、音声や振動の場合には、歩行半周期の足の接地のタイミングで足音や振動を再生したり、鳥であれば歩行周期で翼の羽ばたきの音や振動を再生する。さらに、ユーザとキャラクタが同調状態のときには、同調を表現する音を再生するようにすればよい。 【0280】また、キャラクタは、人や動物、あるいはこれらに似た擬人化されたものに必ずしも限定されるものではなく、視覚的・聴覚的・触覚的な動きが付与され感情移入が行なえるようなものなら何でもよい。 【0281】また、自転車の並列走行だけでなく、電動自転車の並列走行、あるいは自転車エルゴメータによる擬似的な自転車を漕ぐ並列運動に関しても同様に扱うことができる。自転車と同様に、ボートにコイル、オールにマグネットを装着する。そして、オールのマグネットがコイルを横切るときに電磁誘導により発生する電流のパルスを検出することにより、図10に示したエンタテインメント装置11をボートによる移動やローイングエルゴメータによる擬似的なボートを漕ぐ並列運動にも拡張して使用することができる。 【0282】なお、上記のような考え方は、歩行や走行(ランニング)、自転車や電動自転車やボートによる移動のような物理世界の移動、あるいはトレッドミルやステップマシンや自転車エルゴメータやローイングエルゴメータのような物理世界の擬似移動に限定されるものではなく、コンピュータ・グラフィックスにより生成された仮想世界において、上述したような物理世界の擬似移動の機器を入力デバイスとして利用した擬似移動や、キーボードやマウスやジョイスティックなどを利用した擬似移動にも容易に拡張することができる。 【0283】さらに、並列運動に関しては、歩行と歩行や自転車と自転車など同様な運動の間に限定されるものではなく、自転車と走行(ランニング)や自転車と自転車エルゴメータなどにも容易に拡張することができる。 【0284】[追補]以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。 【0285】 【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、キャラクタのインタラクションを介して移動中のユーザに対するエンタテインメントを楽しくすることができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。 【0286】また、本発明によれば、移動中のユーザの身体リズムに応じたキャラクタのインタラクションを制御することによりユーザの親密感を得て、移動そのものをエンタテインメントとして楽しむことができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。 【0287】また、本発明によれば、移動中のユーザの身体リズムとキャラクタの身体リズムの相互引き込み現象を利用することにより、ユーザとキャラクタとの間に無意識のうちに充分な親密感を醸成されて、移動そのものをエンタテインメントとして楽しむことができる、優れた情報処理装置及び情報処理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラムを提供するができる。 【0288】すなわち、ユーザの移動に伴うリズムと、キャラクタの動きのリズムとの間に相互引き込み現象を生じさせ、キャラクタの状態に応じて引き込まれ度合いを変化させることにより、ユーザとキャラクタの間に深い親密感を醸成し、移動することによるエンタテインメントを楽しくすることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社 【住所又は居所】東京都品川区北品川6丁目7番35号
|
| 【出願日】 |
平成14年4月15日(2002.4.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093241 【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 正昭 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−305278(P2003−305278A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月28日(2003.10.28) |
| 【出願番号】 |
特願2002−111486(P2002−111486) |
|