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【発明の名称】 ゲームシステム、ゲーム装置、および記録媒体
【発明者】 【氏名】垂水 浩幸

【氏名】加藤 圭一

【要約】 【課題】元来現実世界を仮想世界で模擬したゲームにおいて、仮想空間の状況を現実空間に重ね合わせて表現する具体的な指針がない。

【解決手段】仮想空間を現実空間に重ね合わせて表示するオブジェクト出力システムを利用するゲームシステムを提供する。このゲームシステムはゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を備える。また、このゲームシステムの構成要素となるゲーム装置、およびゲーム装置で用いられるプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 出力情報を含むオブジェクト情報により示されるオブジェクトを該出力情報に基づいて出力するオブジェクト出力装置を有し、前記オブジェクト出力装置の位置を特定する手段と、前記オブジェクト出力装置の位置の情報とオブジェクトの位置情報との関係が所定の関係である場合に、前記オブジェクト出力装置から前記オブジェクトを出力する手段とを備えるオブジェクト出力システムを利用するゲームシステムにおいて、前記ゲームシステムがさらにゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を備えていることを特徴とする、ゲームシステム。
【請求項2】 出力情報を含むオブジェクト情報により示されるオブジェクトを該出力情報に基づいて出力するオブジェクト出力装置を有し、前記オブジェクト出力装置の位置を特定する手段と、前記オブジェクト出力装置の位置及び向きの情報とオブジェクトの位置情報との関係が所定の関係である場合に、前記オブジェクト出力装置から前記オブジェクトを出力する手段とを備えるオブジェクト出力システムを利用するゲームシステムにおいて、前記ゲームシステムがさらにゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を備えていることを特徴とする、ゲームシステム。
【請求項3】前記オブジェクト出力装置は前記オブジェクト操作のコマンド入力手段を備え、前記オブジェクト出力装置の位置の情報とオブジェクトの位置情報との関係が所定の関係である場合に、前記オブジェクト操作が有効となることを特徴とする請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】前記オブジェクト出力装置は前記オブジェクト操作のコマンド入力手段を備え、前記オブジェクト出力装置の位置及び向きの情報とオブジェクトの位置情報との関係が所定の関係である場合に、前記オブジェクト操作が有効となることを特徴とする請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項5】 前記ゲームが領地を争う性質のものであって、前記オブジェクトが領地の所有権を主張する内容の出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項6】 前記ゲームは囲碁であって、前記仮想空間は碁盤であって、前記仮想空間管理手段が前記碁盤の各格子点が現実空間の特定の場所と対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項7】 前記特定の場所が、交差点であることを特徴とする、請求項6に記載のゲームシステム。
【請求項8】 前記ゲームは黒石と白石をオブジェクトとして少なくとも有し、黒石のオブジェクトは黒石の視覚情報による出力情報を持ち、白石のオブジェクトは白石の視覚情報による出力情報を持つことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項9】 前記ゲームは不動産をテーマとするものであって、前記オブジェクトが建造物の視覚情報による出力情報を持っているものを含むこと特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項10】 前記ゲームは都市、地域もしくは国家をテーマとするものであって、前記オブジェクトが前記都市、地域、もしくは国家の構成要素の視覚情報による出力情報を持つものを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項11】 前記都市、地域、もしくは国家の構成要素に、該都市、地域、もしくは国家で生活すると想定された仮想の人間もしくは生物を含むことを特徴とする、請求項10に記載のゲームシステム。
【請求項12】 前記ゲームは将棋類であって、前記仮想空間は将棋類の盤であって、前記仮想空間管理手段が前記将棋類の盤の各格子点又は桝目が現実空間の特定の場所と対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項13】 前記現実空間の特定の場所が、交差点であることを特徴とする、請求項12に記載のゲームシステム。
【請求項14】 前記ゲームは将棋類であって、前記オブジェクトとして少なくとも将棋類の駒に対応する視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項15】 前記ゲームはスポーツ競技をテーマとするものであって、前記仮想空間管理手段が前記仮想空間内の競技場が現実空間の競技場に対応するように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項16】 前記ゲームは戦争をテーマとするものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間における戦場が現実空間の特定箇所に対応するように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項17】 前記戦争が歴史的な戦争であって、前記特定箇所が前記歴史的な戦争に対応する古戦場であることを特徴とする、請求項16に記載のゲームシステム。
【請求項18】 前記ゲームは格闘技をテーマとしたものであって、前記オブジェクトとして少なくとも格闘者の視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項19】 前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間が現実空間の中でも特に格闘に相応しい特定の場所との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項18に記載のゲームシステム。
【請求項20】 前記ゲームは学校をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の学校が現実空間の特定の学校に対応するように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項21】 前記ゲームは釣をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の釣り場所が現実空間の釣に好適な場所との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項22】 前記ゲームはゴルフ競技をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内のゴルフ場が現実空間内の特定のゴルフ場との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項23】 前記ゲームは交通機関をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の特定箇所が現実空間の交通機関に係わる特定の場所と対応するように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項24】 前記交通機関はバス、鉄道、飛行機、または船舶の少なくとも一つを含み、前記現実空間の交通機関に係わる特定の場所は前記交通機関に対応するバス停、鉄道駅、空港、または港であることを特徴とする、請求項23に記載のゲームシステム。
【請求項25】 前記ゲームは旅行をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が前記仮想空間内の旅行目的地が現実空間の旅行目的地と対応するように定めていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項26】 計算機を用いてゲームの実施を行うゲーム装置において、前記ゲーム装置が、ゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を備え、ゲームのオブジェクトと、該ゲームのオブジェクトの現実空間内の位置情報と、該ゲームのオブジェクトの出力表現を定める出力情報とから少なくとも構成されるデータを出力することを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項27】 前記ゲームが領地を争う性質のものであって、前記オブジェクトが領地の所有権を主張する内容の出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項28】 前記ゲームは囲碁であって、前記仮想空間は碁盤であって、前記仮想空間管理手段が前記碁盤の各格子点が現実空間の特定の場所と対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項29】 前記特定の場所が、交差点であることを特徴とする、請求項28に記載のゲーム装置。
【請求項30】 前記ゲームは黒石と白石をオブジェクトとして少なくとも有し、黒石のオブジェクトは黒石の視覚情報による出力情報を持ち、白石のオブジェクトは白石の視覚情報による出力情報を持つことを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項31】 前記ゲームは不動産をテーマとするものであって、前記オブジェクトが建造物の視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項32】 前記ゲームは都市、地域もしくは国家をテーマとするものであって、前記オブジェクトが前記都市、地域、もしくは国家の構成要素の視覚情報による出力情報を持つものを含むことを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項33】 前記都市、地域、もしくは国家の構成要素に、該都市、地域、もしくは国家で生活すると想定された仮想の人間もしくは生物を含むことを特徴とする、請求項32に記載のゲーム装置。
【請求項34】 前記ゲームは将棋類であって、前記仮想空間は将棋類の盤であって、前記仮想空間管理手段が前記将棋類の盤の各格子点又は桝目が現実空間の特定の場所と対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項35】 前記現実空間の特定の場所が、交差点であることを特徴とする、請求項34に記載のゲーム装置。
【請求項36】 前記ゲームは将棋類であって、前記オブジェクトとして少なくとも将棋類の駒に対応する視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項37】 前記ゲームはスポーツ競技をテーマとするものであって、前記仮想空間管理手段が前記仮想空間内の競技場が現実空間の競技場に対応するように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項38】 前記ゲームは戦争をテーマとするものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間における戦場が現実空間の特定箇所に対応するように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項39】 前記戦争が歴史的な戦争であって、前記特定箇所が前記歴史的な戦争に対応する古戦場であることを特徴とする、請求項38に記載のゲーム装置。
【請求項40】 前記ゲームは格闘技をテーマとしたものであって、前記オブジェクトとして少なくとも格闘者の視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項41】 前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間が現実空間の中でも特に格闘に相応しい特定の場所との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項40に記載のゲーム装置。
【請求項42】 前記ゲームは学校をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の学校が現実空間の特定の学校に対応するように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項43】 前記ゲームは釣をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の釣り場所が現実空間の釣に好適な場所との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項44】 前記ゲームはゴルフ競技をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内のゴルフ場が現実空間内の特定のゴルフ場との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項45】 前記ゲームは交通機関をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の特定箇所が現実空間の交通機関に係わる特定の場所と対応するように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項46】 前記交通機関はバス、鉄道、飛行機、または船舶の少なくとも一つを含み、前記現実空間の交通機関に係わる特定の場所は前記交通機関に対応するバス停、鉄道駅、空港、または港であることを特徴とする、請求項45に記載のゲーム装置。
【請求項47】 前記ゲームは旅行をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が前記仮想空間内の旅行目的地が現実空間の旅行目的地と対応するように定めていることを特徴とする、請求項26に記載のゲーム装置。
【請求項48】 計算機を用いてゲームの実施を行うゲーム装置において読み取り可能なプログラムを記録した記録媒体において、前記記録媒体が、ゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を実現する第一のプログラムコードと、ゲームのオブジェクトと、該ゲームのオブジェクトの現実空間内の位置情報と、該ゲームのオブジェクトの出力表現を定める出力情報とから少なくとも構成されるデータを出力する第二のプログラムコードを少なくとも記録していることを特徴とする、記録媒体。
【請求項49】 前記ゲームが領地を争う性質のものであって、前記オブジェクトが領地の所有権を主張する内容の出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項50】 前記ゲームは囲碁であって、前記仮想空間は碁盤であって、前記仮想空間管理手段が前記碁盤の各格子点が現実空間の特定の場所と対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項51】 前記特定の場所が、交差点であることを特徴とする、請求項50に記載の記録媒体。
【請求項52】 前記ゲームは黒石と白石をオブジェクトとして少なくとも有し、黒石のオブジェクトは黒石の視覚情報による出力情報を持ち、白石のオブジェクトは白石の視覚情報による出力情報を持つことを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項53】 前記ゲームは不動産をテーマとするものであって、前記オブジェクトが建造物の視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項54】 前記ゲームは都市、地域もしくは国家をテーマとするものであって、前記オブジェクトが前記都市、地域、もしくは国家の構成要素の視覚情報による出力情報を持つものを含むことを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項55】 前記都市、地域、もしくは国家の構成要素に、該都市、地域、もしくは国家で生活すると想定された仮想の人間もしくは生物を含むことを特徴とする、請求項54に記載の記録媒体。
【請求項56】 前記ゲームは将棋類であって、前記仮想空間は将棋類の盤であって、前記仮想空間管理手段が前記将棋類の盤の各格子点又は桝目が現実空間の特定の場所と対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項57】 前記現実空間の特定の場所が、交差点であることを特徴とする、請求項56に記載の記録媒体。
【請求項58】 前記ゲームは将棋類であって、前記オブジェクトとして少なくとも将棋類の駒に対応する視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項59】 前記ゲームはスポーツ競技をテーマとするものであって、前記仮想空間管理手段が前記仮想空間内の競技場が現実空間の競技場に対応するように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項60】 前記ゲームは戦争をテーマとするものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間における戦場が現実空間の特定箇所に対応するように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項61】 前記戦争が歴史的な戦争であって、前記特定箇所が前記歴史的な戦争に対応する古戦場であることを特徴とする、請求項60に記載の記録媒体。
【請求項62】 前記ゲームは格闘技をテーマとしたものであって、前記オブジェクトとして少なくとも格闘者の視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項63】 前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間が現実空間の中でも特に格闘に相応しい特定の場所との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項62に記載の記録媒体。
【請求項64】 前記ゲームは学校をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の学校が現実空間の特定の学校に対応するように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項65】 前記ゲームは釣をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の釣り場所が現実空間の釣に好適な場所との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項66】 前記ゲームはゴルフ競技をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内のゴルフ場が現実空間内の特定のゴルフ場との対応関係を持つように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項67】 前記ゲームは交通機関をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が、前記仮想空間内の特定箇所が現実空間の交通機関に係わる特定の場所と対応するように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【請求項68】 前記交通機関はバス、鉄道、飛行機、または船舶の少なくとも一つを含み、前記現実空間の交通機関に係わる特定の場所は前記交通機関に対応するバス停、鉄道駅、空港、または港であることを特徴とする、請求項67に記載の記録媒体。
【請求項69】 前記ゲームは旅行をテーマにしたものであって、前記仮想空間管理手段が前記仮想空間内の旅行目的地が現実空間の旅行目的地と対応するように定めていることを特徴とする、請求項48に記載の記録媒体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、計算機とネットワークを用いたゲームシステム、ゲーム装置、および記録媒体に関し、特に仮想世界を現実世界に重ね合わせてプレイヤーに提供するゲームシステム、ゲーム装置、および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、計算機を利用したゲームの多くは単体のコンピュータあるいはゲーム機を用いて家庭やゲーム専門店で遊戯するものであった。最近になって、複数の計算機をネットワークで積極的に結合し、複数のプレイヤーが協調して遊戯するものも見られるようになった。しかしその場合であっても、多くのゲームは計算機あるいは計算機のネットワークの中だけに存在する仮想的なゲームの舞台(以下、仮想空間もしくは仮想世界と称する)において遊戯されるもので、現実に存在する都市、住居、山や海といった空間(以下、現実空間もしくは現実世界と称する)とは無関係であった。
【0003】ここで、用語の定義について明らかにしておく。本明細書では、現実空間および仮想空間は主として各々の空間構造を意味するものとする。これに対し、現実世界および仮想世界は、空間構造に加えて各々の空間内部に存在する要素オブジェクトについても言及する言葉として用いる。ただし、従来文献において用いられる場合はこの限りではなく、あまり区別されていない場合もある。従来文献について言及する場合は原文献で用いられてる用語をそのまま用いる。
【0004】一部ではあるが仮想世界と現実世界の両方を利用したゲームに関する提案が行われている。例えば、特開2001−70656号公報「仮想的な世界を表示するシステムおよび方法」(以下、文献1)および特開2001−70658号公報「仮想的な世界を表示するシステムおよぴ方法」(以下、文献2)では、プレイヤーが現実世界において徒歩等で移動した変位を仮想世界内に存在する迷路などにおける変位とみなすことによって、現実世界での移動を仮想世界での移動に射影し、さらに特定の位置に移動すると仮想世界を異なるものに切替えるなどのイベントを発生させることを提案している。
【0005】また、特開2000−352960号公報「複合現実感画像の効果付加装置、効果付加のための画像処理方法およびプログラム記憶媒体」(以下、文献3)では、現実空間にいるプレーヤーが仮想空間にいる物体と戦うゲームについて提案している。
【0006】本願発明者のうち一名が既に開示した技術である特開2001−34378号公報「オブジェクト出力システム、オブジェクト管理装置、オブジェクト出力装置、および記録媒体」(以下、文献4)は、現実空間にリンクした仮想空間を移動するオブジェクトを、例えば仮想生物の画像として出力し、オブジェクトの履歴により出力形態等のオブジェクトの特徴を変化させることにより、オブジェクトに対する親近感及び現実感を高め、親しみ易いユーザーインタフェース及び/又は娯楽を提供することができるオブジェクト出力システム、そのシステムに用いられるオブジェクト管理装置及びオブジェクト出力装置、並びにそれらの装置を実現するためのプログラムが記録されている記録媒体の提供について述べている。したがって、文献4に開示されている技術を用いれば、仮想空間内のゲームのオブジェクトを現実空間にリンクして(すなわち、対応させて)出力させることができ、仮想空間と現実空間の両方を利用したゲームが構築できる。ここで、ゲームのオブジェクトとは、たとえばゲームの駒、登場人物、ゲーム中に登場する物体、などを意味する。
【0007】さらに、文献4では、複数のオブジェクトを設定し、夫々のオブジェクト間で、例えば喧嘩をする、会話をするといった相互作用を演出し、さらに相互作用により出力形態等のオブジェクトの情報を変更してオブジェクトの成長を演出することにより、オブジェクトに対する親近感及び現実感を高め、親しみ易いユーザーインターフェース及び/又は娯楽を提供することができるオブジェクト出力システム、オブジェクト管理装置、オブジェクト出力装置、及び記録媒体の提供を行っている。これを応用すれば、ゲームのオブジェクト間で自動的に相互作用を行わしめ、ゲームをより変化に富んだ魅力的なものにしつつ、しかもそれらのオブジェクトが現実空間にリンクして出力されるため、より一層魅力的なゲームを、仮想空間と現実空間の両方を利用して構築できる。
【0008】以下、図面を参照しながら文献4の内容について説明する。図15は、文献4に示されるオブジェクト出力システムの実施形態の一例の構成を示すブロック図である。図中10はホストコンピュータを用いたオブジェクト管理装置であり、オブジェクト管理装置10は、携帯型の端末装置を用いた単数または複数のオブジェクト出力装置20,20,...と無線の通信ネットワークを介して相互に接続され、現実空間とリンクした仮想空間上に示される仮想生物等のオブジェクトを、オブジェクト出力装置20,20,...から出力するオブジェクト出力システムを形成している。
【0009】オブジェクト管理装置10は、オブジェクト管理装置用のプログラム及びデータ等の情報を記録した記録媒体31から情報を読み取る補助記憶手段12を備えており、また補助記憶手段12により読み取られた情報を記録する固定記録媒体13を備えている。そして固定記録媒体13からプログラム及びデータ等の情報を読み取り、一時的に情報を記憶するRAM14に記憶させてCPU11により実行することで、オブジェクト管理装置として動作する。
【0010】さらにオブジェクト管理装置10は、オブジェクト出力装置20,20,...と通信ネットワークを介して各種のデータを送受信する通信手段15と、仮想生物等のオブジェクトを管理するオブジェクト管理データベース101にアクセスするデータベースアクセス手段16とを備えている。なおオブジェクト管理データベース101はオブジェクト管理装置10が備える固定記録媒体13の記録領域の一部を用いて形成してもよい。
【0011】図16は文献4におけるオブジェクト出力システムに用いられるオブジェクト管理データベース101の記録内容を示す概念図である。オブジェクト管理データベース101には、オブジェクトに関する各種の情報が、ID、位置情報、速度ベクトル、管理者、有効半径、検知半径、有効期間、種別、パラメータ、及び履歴等の各項目にデータを有するレコードとして記録されている。
【0012】IDの項目には001及び002等のオブジェクトを管理するための識別番号を示すデータが記録されている。
【0013】位置情報及び速度ベクトルの項目は、現実空間にリンクした仮想空間を演出し、該仮想空間に存在するオブジェクトの存在位置及び移動を示す項目である。
【0014】位置情報の項目には(8273649,1839376)及び(8273645,1839287)等のオブジェクトが存在する位置を示す座標のデータが記録されており、各座標は現実空間上の位置とリンクしている。図12に示す例では直行座標系(X,Y)で示しているが、現実空間において用いられる経度緯度を座標系として用いてもよい。また高さの概念を加えた三次元座標系(X,Y,Z)を用いることにより、高度の概念を有するオブジェクト、例えば鳥を模した仮想生物、高層建築物の特定の階に設置された伝言板を表現することが可能になる。
【0015】速度ベクトルの項目には(0,0)及び(1.0,1.5)等のオブジェクトの移動方向及び移動速度を示すデータがベクトルの形式で記録されており、単位時間当りの位置情報の変化分を示している。
【0016】管理者の項目には「垂水」及び「森下」等のオブジェクトに対する修正及び削除等の管理を行うことができる権限を有する利用者を示すデータが記録されている。
【0017】有効半径、検知半径、有効期間、種別、及びパラメータは、オブジェクトの個性を演出するオブジェクト情報を示す項目である。
【0018】有効半径の項目には200及び100等のオブジェクトを特定することができる距離を示すデータが記録されており、オブジェクトとオブジェクト出力装置20との間の距離を計算し、該距離が有効半径より小さい場合、オブジェクト出力装置20は当該オブジェクトを特定することができる。
【0019】検知半径の項目には400及び500等のオブジェクトを検知することができる距離を示すデータが記録されており、オブジェクトとオブジェクト出力装置20との間の距離を計算し、該距離が検知半径より小さい場合、オブジェクト出力装置20は当該オブジェクトを検知することができる。
【0020】具体的には、オブジェクト出力装置20が、オブジェクトに対して、検知半径より小さく、有効半径より大きい距離まで接近した場合、オブジェクト出力装置20は、何かのオブジェクトが存在することを検知できるが、そのオブジェクトが何かということを特定することまではできない。そしてオブジェクト出力装置20が、有効半径より小さい距離まで接近した場合、オブジェクトが何であるかを特定することができる。このため通常は有効半径の方が検知半径より小さく設定される。
【0021】またオブジェクトが猫等の小型の仮想生物を模している場合に有効半径及び検知半径を小さく設定し、恐竜等の大型の仮想生物を模している場合に有効半径及び検知半径を大きく設定することにより、小型の動物は接近しないと確認できないが、大型の動物は離れていても確認することができるというように、現実感のある仮想生物を演出することができる。
【0022】有効期間の項目には1999/6/3−1999/6/20及び1999/6/10−1999/10/31等のオブジェクトの有効期間を示すデータが記録されている。
【0023】種別の項目には、テキスト及び仮想生物等のオブジェクトの出力形式の種類を示すデータが記録されており、図12に示す例以外にも静止画、動画、及び音声等の出力形式を設定することができる。
【0024】パラメータの項目には、文字色、表現、知性、及び体力等のオブジェクトの特徴を示すデータが記録されている。図16に示す例では、種別がテキストであるオブジェクトは文字色及び文字列の出力情報がデータとして記録され、種別が仮想生物であるオブジェクトでは猫及び恐竜等の出力情報が、表現のデータとして記録される。さらに例えば仮想生物をゲーム中のキャラクタとして用いる場合には、知性及び体力等のゲームの内容に従って意味付けされたパラメータがデータとして記録される。
【0025】履歴の項目には、オブジェクトの成長を演出するためのデータが記録されており、オブジェクトに対して特定の処理が行われる都度、処理に対応する数値を積算データとして加算する。そして積算データの値が所定の条件を満たした場合に、表現、知性、及び体力等の項目に示されているデータを変更することにより、仮想生物の成長を演出することができる。
【0026】オブジェクト管理装置10のRAM14上では、オブジェクト同士の相互作用に関する処理を行う相互作用管理手段111、及びオブジェクトの出力情報の変更に関する処理を行う育成管理手段112等のプログラムがCPU11により実行される。
【0027】相互作用管理手段111を実行することにより、オブジェクトの位置に関する情報を示す位置テーブル121、各オブジェクトの間の距離を示す距離テーブル122、他のオブジェクトに与える作用を示す相互作用定義テーブル123が、RAM14又は固定記録媒体13上の領域に生成され、相互作用管理手段111はこれらのテーブルを用いて各種の処理を行う。
【0028】また育成管理手段112を実行することにより、他のオブジェクトから与えられる被相互作用と、該被相互作用により変更されるオブジェクト情報とを関連づける規則を示す育成ルールテーブルが、RAM14又は固定記録媒体13上の領域に生成され、育成管理手段112はこの育成ルールテーブルを用いて各種の処理を行う。
【0029】図17は文献4におけるオブジェクト管理装置10での処理に用いられる位置テーブルの内容を示す概念図である。位置テーブルには、オブジェクトの位置情報及びオブジェクト情報等の情報が、ID、位置情報、有効半径、検知半径、及び種別等の各項目にデータを有するレコードとして記録されており、これらのデータは、オブジェクト管理データベース101から取り込んだ情報に基づいている。
【0030】図18は文献4におけるオブジェクト管理装置10の処理、及びオブジェクト出力装置20にて実行されるフィルタ手段25の処理を示すフローチャートである。オブジェクト管理装置10では、オブジェクト管理データベース101に記録されているオブジェクトの位置情報及びオブジェクト情報等の情報を、通信手段15により送信し(S401)、送信された情報をオブジェクト出力装置20は通信手段22により受信する(S501)。
【0031】そしてオブジェクト出力装置20は、位置センサ23により自機の位置を特定し(S502)、さらに地図情報データベース201から特定した自位置の近傍の地図情報を抽出する(S503)。そしてステップS501にて受信したオブジェクトの位置情報、及びステップS502にて特定した自位置を比較し(S504)、比較した結果より、地図情報、及び該地図情報上におけるオブジェクトの位置情報に対応する位置に出力情報に基づくオブジェクトを出力する(S505)。
【0032】即ち自位置及びオブジェクトの位置情報の距離が、オブジェクト情報のオブジェクトの有効半径より短いと判別した場合、猫及び恐竜等のオブジェクトの種別を特定できる出力情報を、地図情報を出力するユーザインタフェース24から、オブジェクトの位置情報に対応する位置に出力し、検出半径より短く、しかも有効半径より長いと判別した場合、不特定のオブジェクトを示すオブジェクト出力情報として"?"をユーザインタフェース24から出力する。またオブジェクトの検出半径より長いと判別した場合は出力を行わない。
【0033】図19は文献4におけるオブジェクト出力装置20のユーザインタフェース24から出力される画像の例を示す説明図である。ユーザインタフェース24からはオブジェクト出力装置20の自位置を中心とした地図が表示されており、自位置からオブジェクトの位置情報までの距離が、当該オブジェクトの有効半径より短いオブジェクトは、猫及び恐竜の出力情報に基づいて、オブジェクトの位置情報に対応する地図上の位置に表示されている。そして自位置からオブジェクトの位置情報までの距離が、当該オブジェクトの検出半径より短く、しかも有効半径より長いオブジェクトは、"?"が地図上に表示されている。
【0034】文献4は以上のように構成されるオブジェクト出力システムを示しているので、文献4のオブジェクト出力システムをゲームに応用する場合、例えばゲーム中に登場する人物やキャラクターを仮想生物のオブジェクトとし、またそれ以外のゲーム中に登場する物をその他のオブジェクトとすることによって、オブジェクト出力装置20を所持するプレーヤーがゲームの仮想世界を現実世界に重ね合わせて見ることができる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】元来、ゲームの多くは現実世界を仮想世界で模擬するものである。たとえば、囲碁は現実世界の領地争いを碁盤と碁石いう仮想世界で模擬するものであり、将棋は現実世界の戦争を将棋盤上の駒で模擬するものである。さらに、より具体的な性格や能力の設定された武将による戦争を仮想世界で模擬するゲームは計算機によるゲームとしては普及している種類の一つである。また具体的なスポーツ選手を計算機内の競技場という仮想空間で模擬して戦わせるゲームもよく普及している。これらのゲームにおいては、仮想世界は現実世界を模擬しているのであるから、仮想世界におけるゲームのオブジェクトを現実世界に重ね合わせて表現する方が望ましいのは明らかである。
【0036】しかしながら、文献1、文献2の提案は現実世界のプレーヤーの移動を仮想世界に射影するのみであって、仮想世界から現実世界への重ね合わせは用いられていない。
【0037】また、文献3に示されている技術の場合、現実空間と仮想空間との間で戦闘が行われるが、戦闘の相手である仮想空間の物体は特に現実空間のどこと関係があることが好ましいというわけではなく、現実空間と仮想空間との関連づけに工夫が必要ないという問題がある。
【0038】文献4に示されている技術を用いれば、仮想生物等の仮想空間におけるゲームのオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表現することは可能である。しかし、具体的な個々のゲームについて、どのようなゲームのオブジェクトを現実空間にどのように重ね合わせれば良いかという詳細な実施の形態については実施者の判断に委ねられている。
【0039】したがって、元来現実世界を仮想世界で模擬したゲームにおいて、仮想空間の状況を現実空間に重ね合わせて表現する具体的な指針がないという課題があった。またゲームの中には計算機の普及以前から存在する伝統あるものも多く、例えば碁盤や将棋盤といった仮想世界での実現があまりにも常識的になってしまったため、逆にそれを現実世界に戻すという発想が得られなかった。本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、具体的なゲームについて、ゲームのオブジェクトを現実空間に重ね合わたり、重ね合わせ表示されたオブジェクトに対してオブジェクト位置に対応する現実空間にいるプレーヤーが現実感を持ってゲーム進行できるゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム装置で用いられるプログラムを記録した記録媒体を提供し、従来では思いもよらなかったゲームを楽しめるようにする。
【0040】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係わる発明においては、ゲームシステムが、出力情報を含むオブジェクト情報により示されるオブジェクトを該出力情報に基づいて出力するオブジェクト出力装置を有し、前記オブジェクト出力装置の位置を特定する手段と、前記オブジェクト出力装置の位置の情報とオブジェクトの位置情報との関係が所定の関係である場合に、前記オブジェクト出力装置から前記オブジェクトを出力する手段とを備えるオブジェクト出力システムを利用することにより、オブジェクトを現実世界の特定位置に重ね合わせて表示することを可能としている。さらにゲームシステムがゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を備えていることにより、仮想空間内に存在するゲームのオブジェクトを、対応する現実空間の位置に表示するように位置情報を定めることが可能である。
【0041】本願請求項2に係わる発明のゲームシステムにおいて、本願請求項1に係わる発明と異なる部分は、オブジェクト出力システムが、オブジェクト出力装置の位置及び向きの情報とオブジェクトの位置情報との関係が所定の関係である場合に、オブジェクト出力装置からオブジェクトを出力するとしていることである。これにより、オブジェクト出力装置が向いている方向により出力表示されるオブジェクトが異なるようにすることができる。
【0042】本願請求項3に係わる発明のゲームシステムは、請求項1に記載のゲームシステムにおいて、オブジェクト出力装置はオブジェクト操作のコマンド入力手段を備え、前述のオブジェクト出力装置の位置情報とオブジェクトの位置情報との関係が所定の関係である場合に、前述のオブジェクト操作が有効となることを特徴とする。
【0043】本願請求項4に係わる発明のゲームシステムは、請求項2に記載のゲームシステムにおいて、前記オブジェクト出力装置は前記オブジェクト操作のコマンド入力手段を備え、前記オブジェクト出力装置の位置及び向きの情報とオブジェクトの位置情報との関係が所定の関係である場合に、前記オブジェクト操作が有効となることを特徴とする。
【0044】本願請求項5に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームが領地を争う性質のものであって、オブジェクトが領地の所有権を主張する内容の出力情報を持っているものを含むことを特徴とする。
【0045】本願請求項6に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは囲碁であって、仮想空間は碁盤であって、仮想空間管理手段が前記碁盤の各格子点が現実空間の特定の場所と対応関係を持つように定めていることを特徴としている。
【0046】本願請求項7に係わる発明のゲームシステムは、請求項6に係わるゲームシステムにおいて、現実空間の特定の場所が、交差点であることを特徴としている。
【0047】本願請求項8に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは黒石と白石をオブジェクトとして少なくとも有し、黒石のオブジェクトは黒石の視覚情報による出力情報を持ち、白石のオブジェクトは白石の視覚情報による出力情報を持つことを特徴としている。
【0048】本願請求項9に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは不動産をテーマとするものであって、建造物の視覚情報による出力情報を持つオブジェクトを含むこと特徴としている。
【0049】本願請求項10に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは都市、地域もしくは国家をテーマとするものであって、オブジェクトが都市、地域、もしくは国家の構成要素の視覚情報による出力情報を持つものを含むことを特徴としている。
【0050】本願請求項11に係わる発明のゲームシステムは、請求項10に記載のゲームシステムにおいて、都市、地域、もしくは国家の構成要素に、該都市、地域、もしくは国家で生活すると想定された仮想の人間もしくは生物を含むことを特徴としている。
【0051】本願請求項12に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは将棋類であって、仮想空間は将棋類の盤であって、仮想空間管理手段が将棋類の盤の各格子点又は桝目が現実空間の特定の場所と対応関係を持つように定めていることを特徴としている。
【0052】本願請求項13に係わる発明のゲームシステムは、請求項12に記載のゲームシステムにおいて、現実空間の特定の場所が、交差点であることを特徴としている。
【0053】本願請求項14に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは将棋類であって、オブジェクトとして少なくとも将棋類の駒に対応する視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴としている。
【0054】本願請求項15に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームはスポーツ競技をテーマとするものであって、仮想空間管理手段が仮想空間内の競技場が現実空間の競技場に対応するように定めていることを特徴としている。
【0055】本願請求項16に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは戦争をテーマとするものであって、仮想空間管理手段が、仮想空間における戦場が現実空間の特定箇所に対応するように定めていることを特徴としている。
【0056】本願請求項17に係わる発明のゲームシステムは、請求項16に記載のゲームシステムにおいて、戦争が歴史的な戦争であって、現実空間の特定箇所が当該歴史的な戦争に対応する古戦場であることを特徴としている。
【0057】本願請求項18に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは格闘技をテーマとしたものであって、オブジェクトとして少なくとも格闘者の視覚情報による出力情報を持っているものを含むことを特徴としている。
【0058】本願請求項19に係わる発明のゲームシステムは、請求項18に記載のゲームシステムにおいて、仮想空間管理手段が、仮想空間が現実空間の中でも特に格闘に相応しい特定の場所との対応関係を持つように定めていることを特徴としている。
【0059】本願請求項20に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは学校をテーマにしたものであって、仮想空間管理手段が、仮想空間内の学校が現実空間の特定の学校に対応するように定めていることを特徴としている。
【0060】本願請求項21に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは釣をテーマにしたものであって、仮想空間管理手段が、仮想空間内の釣り場所が現実空間の釣に好適な場所との対応関係を持つように定めていることを特徴としている。
【0061】本願請求項22に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームはゴルフ競技をテーマにしたものであって、仮想空間管理手段が、仮想空間内のゴルフ場が現実空間内の特定のゴルフ場との対応関係を持つように定めていることを特徴としている。
【0062】本願請求項23に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは交通機関をテーマにしたものであって、仮想空間管理手段が、仮想空間内の特定箇所が現実空間の交通機関に係わる特定の場所と対応するように定めていることを特徴としている。
【0063】本願請求項24に係わる発明のゲームシステムは、請求項23に記載のゲームシステムにおいて、交通機関はバス、鉄道、飛行機、または船舶の少なくとも一つを含み、現実空間の交通機関に係わる特定の場所は当該交通機関に対応するバス停、鉄道駅、空港、または港であることを特徴としている。
【0064】本願請求項25に係わる発明のゲームシステムは、請求項1または請求項2に記載のゲームシステムにおいて、ゲームは旅行をテーマにしたものであって、仮想空間管理手段が仮想空間内の旅行目的地が現実空間の旅行目的地と対応するように定めていることを特徴としている。
【0065】本願請求項26乃至請求項47に係わる発明のゲーム装置は、請求項1、請求項2、そして請求項5乃至請求項25に記載のゲームシステムにおいて、ゲームの実施を行う部分を独立のゲーム装置として構成する場合に用いられるゲーム装置であって、ゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を備え、ゲームのオブジェクトと、該ゲームのオブジェクトの現実空間内の位置情報と、該ゲームのオブジェクトの出力表現を定める出力情報とから少なくとも構成されるデータを出力することを特徴としている。
【0066】本願請求項48乃至請求項69に係わる発明の記録媒体は、請求項26乃至請求項47に記載のゲーム装置のそれぞれにおいて用いられるプログラムを記録した記録媒体である。これらの記録媒体は、ゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を実現する第一のプログラムコードと、ゲームのオブジェクトと、該ゲームのオブジェクトの現実空間内の位置情報と、該ゲームのオブジェクトの出力表現を定める出力情報とから少なくとも構成されるデータを出力する第二のプログラムコードを少なくとも記録していることを特徴としている。
【0067】
【発明の実施の形態】図1は、本発明によるゲームシステムの構成の一例を示したブロック図である。本実施の形態は文献4のオブジェクト出力シテスムを応用したものである。オブジェクト出力装置1020は図11のオブジェクト出力装置20に、オブジェクト管理装置1010は図11のオブジェクト管理装置10に、オブジェクト管理データベース1101は図11のオブジェクト管理データベース101に、それぞれ対応している。これらの基本的な動作の概要は、図11乃至図15を用いて既に説明した通りである。
【0068】なお、本発明で利用するオブジェクト出力システムは図11乃至図15を用いて説明した文献4の実施の形態に限られるものではなく、たとえば同じく文献4に示されている第二の実施の形態によっても構わない。また、屋外などの広域の現実空間を取り扱う必要がなければ、文献3に示されている技術を用いても構わない。(文献3の技術は頭部の姿勢を計測する必要があるため、屋外などで広域に使用することはできないため。)要は、オブジェクト管理データベース1101に記録されているオブジェクトが位置情報と出力情報を少なくとも有している場合に、該位置情報に対応する現実空間の場所に存在するオブジェクト出力装置1020において該オブジェクトの出力情報に基づいた出力を行えるシステムであれば良い。
【0069】出力においては、オブジェクト出力装置1020の位置だけでなく、オブジェクト出力装置1020の向いている方向を条件に含める場合もありうる。文献3に記載されている技術はまさにそのようなものであって、オブジェクト出力装置1020に対応するものは文献3では頭部装着型の表示装置となっており、頭部の向いている方向の現実空間に対応する仮想空間のオブジェクトを出力するようになっている。また、屋外において頭部装着型の表示装置を用いて現実空間に合わせた情報表示を行う技術の例としては、Feiner らが1997年のIEEE(米国電気電子工学会)ウェアラブルコンピューティングシンポジウムで発表し、同シンポジウムの論文集(インターネット上においてIEEEが会員向けに公開している)に収録された論文「A Touring Machine: Prototyping 3D Mobile Augmented Reality Systems for Exploring the Urban Environment」に示されている Touring Machine もあり、このような技術をオブジェクト出力装置1020として採用することも可能である。
【0070】ゲーム装置1050は、ゲームを実行するプログラムを蓄積・提供を有した計算機であって、実際にゲームの実施を行う。これは一般に知られている計算機を用いたゲーム装置と同様に実現すれば良い。ただし、ゲーム内に登場するオブジェクトはオブジェクト管理データベース1101に出力して一元的に保存・管理するようにプログラムを構成しておく。
【0071】本実施の形態においては、ゲーム装置1050は独立の装置として実現しているが、オブジェクト管理装置1010と一体の装置としてもかまわないし、また他の装置と一体化して実現しても構わない。
【0072】なお、ゲームに対するプレーヤーのコマンド入力についてはさまざまな方法が考えられる。プレーヤーはゲーム装置1050を利用し、ゲーム装置1050においてコマンド入力を行ってもよい。またプレーヤーはオブジェクト出力装置1020を利用し、オブジェクト出力装置1020に備えた入力手段(図示していない)でコマンドを入力し、通信を解してゲーム装置1050にコマンドを到達せしめてもよい。また、それ以外の装置でゲーム装置1050とネットワーク結合された装置においてコマンド入力を行っても構わない。また他のいかなる方法によってコマンド入力を行っても良い。場合によっては、ゲームはシミュレーションであってコマンド入力が必要ないこともある。本発明においては、コマンドの入力方法は本質的要素ではなく、いかなるものであっても構わない。
【0073】仮想空間管理手段1051は、仮想空間の位置を現実空間の位置と対応づけるための手段であり、ゲーム装置がゲームのオブジェクトの情報をオブジェクト管理データベース1101に保存する際に利用される。これは例えば表によって実現される。図2は、仮想空間管理手段1051を実現する表の一例を示す図である。この例では、表は仮想空間内名称、仮想空間内座標、現実空間内名称、現実空間内座標の四つのデータ項目からなっている。仮想空間内の名称と座標はゲームにおいて独自に用いられるものであり、ゲームプログラムの都合により任意に決められる。一方、現実空間内名称、現実空間内座標は現実に存在する場所の名称とその場所の座標値である。座標値は一般に緯度、経度による2次元か、これに高さを加えた3次元の座標値によって指定される。図2において、最初の行の例は、仮想空間内の名称が「釣りスポットA」と呼ばれる箇所が現実世界では犬吠埼に対応しており、仮想空間内の座標表現が(20,50)であり、現実世界内の座標は犬吠埼における現実の緯度、経度である。二番目の行は、仮想世界における名称は現実世界の名称を踏襲しているため、どちらの空間における名称も「東京タワー先端」である。ただし、座標は仮想空間内のものと現実空間のものは異なる。この場合は座標は3次元で取り扱っている。なお、図2における東京タワーと犬吠埼の緯度、経度値は例として示したものであって、必ずしも正確な値ではない。
【0074】仮想空間管理手段1051において、座標変換には図2のような表ではなく、変換式を用いて計算する方法を用いてもよい。その変換式は、ゲームプログラムにおいて任意に定めれば良いが、後に述べるようにゲームの具体的な性質や種類により好適な定め方がそれぞれ考えられる。
【0075】ゲーム装置1050で用いられるゲームプログラムにおいては、ゲーム中のオブジェクトをオブジェクト管理データベース1101に保存する際、仮想空間管理手段1051を利用して、ゲームによって定められた仮想空間内の位置に対応する正しい現実空間内の位置にオブジェクトの位置を定めるようにしておく。
【0076】図3は、ゲーム装置1050によってオブジェクト管理データベース1101に保存されたオブジェクトの情報の一例を示す図である。データの構造は図12と同様に決めてもよく、またそれ以外のデータ項目を追加しても構わないが、図3においては、本発明の実施において必要なデータ項目のみを示している。位置情報は現実空間の位置情報に対応している、有効半径、検知半径については図12と同様の意味である。出力情報は、図12においてはパラメータの一部として表現されていたが、図3では画像、テキスト、3次元モデル、音声などの出力情報の参照によって実現している。これらの出力情報はオブジェクト出力装置1020に送られ、オブジェクト出力装置1020において出力処理がなされる。
【0077】ここで、3次元モデルとはオブジェクトの形状および外観をフレームモデル、多面体モデル、テクスチャマッピング等の3次元モデル化技法によって表現したものであり、この場合オブジェクト出力装置1020は3次元モデルを特定の視点から見た場合のレンダリングを行う手段を備える必要がある。また視点の決定においては、オブジェクト出力装置1020の現実空間内の位置と、オブジェクト出力装置1020が向いている方向と、オブジェクトの位置情報とを参考に決定するのが一般的には好適な実施の形態と言える。
【0078】なお、図3においては位置情報はすべて3次元で表現しているが、緯度、経度のみの2次元で表現しても構わない。
【0079】以下、具体的なゲームを例にとって、本発明のゲームシステムの実施形態を、特に仮想空間管理手段1051におけるデータの設定、およびオブジェクトの出力を中心に説明する。
【0080】ゲームの中には、領地を争う性質のものがいくつか存在する。例えば、戦国時代の武将同士の争いや国家間の戦争のシミュレーションを行って領地をとりあうものがある。また囲碁も元来領地の争いを盤上で再現したものである。
【0081】このような領地を争う性質のゲームにおいては、出力情報として領地の所有権を主張する内容を持つオブジェクトを用いて現実空間に重ね合わせると効果的である。図4は、図1に示したゲームシステムによって提供されるゲームに参加するプレーヤーやゲームが展開される現実空間を含めたゲーム実施の全体図である。ここでゲーム装置のある屋内など固定位置でゲームに参加するプレーヤーをホームプレーヤー、ゲームのオブジェクトが出力される屋外の現実空間を移動しながら参加するプレーヤーをフィールドプレーヤーと呼ぶこととする。ゲームシステム401、ホームプレーヤー402、ゲームリモコン403、ネットワーク404、無線基地局405、現実空間(ゲームが展開されるフィールド)406、オブジェクト407、フィールドプレーヤー408、頭部装着型のオブジェクト出力装置409という全体像である。
【0082】図5は領地の所有権を主張する内容の出力情報の画像の例を示す図であり、全体像におけるオブジェクト407の出力情報である。オブジェクトの位置との位置関係が所定の条件を満たすとき、フィールドプレーヤー408がオブジェクト出力装置409で見ることが出来る画像である。例えば、図5(a)のような立て看板や、図5(b)のような家紋付の幟などを出力画像とし、プレーヤーの領地として想定される現実空間の場所に重ね合わせて表示するとよい。戦争のシミュレーションの場合は勝ち取った国(現実空間)の至るところにこのような画像を出力情報しとしてもつオブジェクトとして重ね合わせてもよい。また、囲碁においては確定した地に対応する現実空間の部分に重ね合わせて表示すると良い。仮想空間管理手段1051は以上述べたような重ね合わせが行われるように仮想空間と現実空間の対応付けを行うように定めればよい。
【0083】また、特に囲碁においては黒石と白石の外観を真似た出力情報を持つオブジェクトを利用し、現実空間の対応する場所に重ね合わせることも効果的である。その際、特に直交する多数の道路を持つ都市においては、囲碁盤の格子点と現実世界の交差点を重ねあわせるとよい。図6は囲碁ゲームの進行の一例を示したフローチャートである。ステップ601において、フィールドプレーヤーは碁石を置きたい交差点まで移動する。次にステップ602において、オブジェクト出力装置に備え付けられたゲームリモコンから所定の入力を行う。ステップ603において測位が行われ、ステップ604において、その位置に碁石のオブジェクトが設定される。ステップ605において、設定されたオブジェクトがオブジェクト出力装置において重ね合わせ表示される。このようなステップで、フィールドプレーヤーは、自身のゲーム進行を現実世界に重ね合わせてみることが出来る。
【0084】ここではフィールドプレーヤーが、自身のオブジェクト出力装置に備えるゲームリモコンの操作でゲームを進める場合の例を示したが、ゲームシステムのある固定した場所で液晶等に表示された図7の2001aに示すような地図画面を見ながらゲームリモコンを操作するホームプレーヤーによってゲームが進められ、そのゲーム進行状況を現実空間に重ね合わせ表示する方法でもよく、本発明のゲーム進行方法はこれら実施例に限定されるものではない。
【0085】図7は囲碁の黒石と白石を現実世界に重ね合わせて表示している例を示す図である。図7(a)においては、地図上に石を重ね合わせて表現している。この例においては、オブジェクト出力装置1020の画面上に現実空間の地図画像を出力し、その対応する場所に仮想空間のオブジェクトである石を表示している。例えば2001aは白石の出力画像である。また、図7(b)は現実空間の交差点に三次元画像の石2001bを重ね合わせて表示している例である。図7(b)および以降の図において、波線の楕円で囲った部分が仮想空間のオブジェクトの出力によって表現された画像であり、それ以外の部分は現実空間を意味するものとする。図7(b)においては、オブジェクト出力装置1020の位置とオブジェクト出力装置1020の向いている方向を参照して出力情報が現実空間とうまく重ね合わせるように出力されることが仮定されている。
【0086】このような現実空間との重ね合わせ表示をフィールドプレーヤー408が装着するオブジェクト出力装置として、ゴーグル形状のオブジェクト出力装置を採用することが有効である。このようなオブジェクト出力装置は、本発明の発明者が既に開示した技術である特願2001-247114「画像情報配信システム」(以下、文献5)に記載の画像表示端末を適用すればよい。図8は文献5記載のゴーグル形状の画像表示端末の外観図である。ゲームシステムアクセス手段と無線通信回線接続手段を構成する通信ユニット801、画像処理ユニット802、画像表示するレンズ803R、803L、眼球運動測定ユニット804R、804L、視線算出ユニット805、GPSユニット806、姿勢検出ユニット807、音声再生ユニット808R、808Lという構成である。
【0087】同じように黒と白の石を利用したゲームには連珠やオセロゲームがあり、これらのゲームにおいても同様に黒石と白石を現実世界の交差点あるいはブロックに重ね合わせて表示することが効果的である。
【0088】領地を争うゲームに似たものとして、不動産をテーマにしたゲームがある。このようなゲームでは、不動産をいかに多く所有するかによって勝敗を競うことが多い。土地の取得に関しては、図5で示したような出力情報を持つオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示することが効果的であるが、建物の取得においては、建造物の視覚情報による出力情報を持つオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示すると効果的である。図9はそのようなオブジェクトを現実空間の都市に重ね合わせて表示した例であり、仮想空間の建造物が現実空間に画像2002として出力されている。仮想空間管理手段1051は以上述べたような重ね合わせが行われるように仮想空間と現実空間の対応付けを行うように定めればよい。
【0089】またゲームの中には都市、地域、国家などの建設やそこに住む人々のシミュレーションを行うものがある。このようなゲームにおいては、図9に示すように建造物の視覚情報による出力情報を持ったオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示するとともに、鉄道や空港など、その他の都市要素についても同様にその視覚情報を出力情報として持つオブジェクトを現実空間に重ね合わせると良い。また、都市等に住む人や生物などもその各々の視覚情報による出力情報を持ったオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示すると一層効果的である。図10は人や生物の視覚情報による出力情報を持ったオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示した例であり、2003a、2003b、2003c、2003dがそれらの画像表現である。仮想空間管理手段1051は以上述べたような重ね合わせが行われるように仮想空間と現実空間の対応付けを行うように定めればよい。
【0090】囲碁と同様に伝統的な盤上のゲームとしては将棋類がある。ここで、将棋類とは、日本の将棋のみならず、西洋のチェス、中国象棋、タイ国のマークルックなどの、類似のゲームをすべて総称したものとする。将棋類に本発明を適用する場合、囲碁の場合と同様に盤上の格子点を現実空間の都市の交差点などに対応させるように仮想空間管理手段1051を定めればよい。図11は、将棋ゲームの進行の一例を示したフローチャートである。ステップ1101において、フィールドプレーヤーは動かしたい駒のオブジェクト位置まで移動する。次にステップ1102において、フィールドプレーヤーの装着したオブジェクト出力装置の位置の測位が行なわれ、ステップ1103においてその位置の付近にあるオブジェクトの出力情報として駒が表示される。そしてステップ1104において、オブジェクト出力装置に備え付けられたゲームリモコンから所定の操作入力を行う。ステップ1105において、オブジェクトの位置が操作入力に応じて書き換えられ、オブジェクトの移動が行なわれる。ステップ1106において、その移動先の位置に敵の駒があるか、どうかの判別が行われる。判別の結果としてYes、すなわち敵の駒がある場合、ステップ1107において、敵駒の取得が行なわれ、ステップ1108において、敵駒の消失、自軍の駒の移動を反映した状態が再表示される。判別の結果がNo、すなわち敵の駒がない場合、ステップ1108において、自軍の駒の移動を反映した状態が再表示される。このようなステップで、フィールドプレーヤーは、自身のゲーム進行を現実世界に重ね合わせて見ることが出来る。
【0091】ここではフィールドプレーヤーが、自身のオブジェクト出力装置に備えるゲームリモコンの操作でゲームを進める場合の例を示したが、ゲームシステムのある固定した場所で液晶等に表示された地図画面を見ながらゲームリモコンを操作するホームプレーヤーによってゲームが進められ、そのゲーム進行状況を現実空間に重ね合わせ表示する方法でもよく、本発明のゲーム進行方法はこれら実施例に限定されるものではない。
【0092】ここで駒についてはその外観の視覚情報を出力情報として持つオブジェクトを現実空間に重ね合わせ表示すればよい。仮想空間管理手段1051は以上述べたような重ね合わせが行われるように仮想空間と現実空間の対応付けを行うように定めればよい。
【0093】例えば、図12は将棋の駒の歩兵の画像2004を出力情報として持つオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示している例である。この場合は駒の形そのものの画像を出力情報としているが、駒の意味するもの、たとえばチェスのナイトであれば馬に乗った兵士、中国象棋の砲であれば大砲の画像を用いればより一層効果的である。
【0094】また、ゲームの中には、野球、サッカー、バスケットボール、ホッケー、フットボール、テニス、その他のスポーツ競技をテーマとするものも多い。このようなゲームにおいては、仮想空間内の競技場にて競技者を模擬して競技を行う。この場合、仮想空間内の競技場が現実空間の特定の競技場に対応するように仮想空間管理手段1051を定めておき、競技者の画像表現を出力情報として持つ仮想オブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示すると効果的である。またボール等も同様にして現実空間に重ね合わせて表示すると良い。
【0095】図13はサッカーを例にした場合の、競技者の画像表現を出力情報として持つオブジェクトを現実空間の競技場内に重ね合わせて表示した例を示す図である。画像2005はボールを蹴っている競技者の画像である。その他の破線で囲まれた画像も同様に競技者の画像が現実空間に重ね合わせて表示されているものである。
【0096】また、これに似た例として、前述の戦国時代の武将同士の争いや国家間の戦争のシミュレーションを行うゲームにおいて、戦場における戦いを模擬する部分がある。このような場合、実際の戦場となる場所において、戦隊、武将、兵士、城などのオブジェクトや登場人物の外観の視覚情報を出力情報として持つオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示すると効果的である。特に、過去の歴史上の戦争をテーマにしているゲームの場合、現実空間における古戦場を舞台にすればより効果的である。仮想空間管理手段1051は以上述べたような重ね合わせが行われるように仮想空間と現実空間の対応付けを行うように定めればよい。
【0097】図14は山を背後にし、中央に川のある現実空間の古戦場において戦隊と城の視覚情報を出力情報として持つオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示した例を示す図である。2006aは戦隊を表現する画像であり、2006bは城を表現する画像である。この例では武将や兵士などの人間に対応するオブジェクトは表示されていないが、これらを表示すればより一層効果的である。
【0098】ゲームの中には格闘技をテーマにしたものがある。このようなゲームの場合、格闘者の視覚情報による出力情報を持つオブジェクトを現実空間に重ね合わせて表示すると良い。格闘ゲームにおいては現実空間のどの場所に重ね合わせても構わないが、一般的に格闘ゲームにおいて特に格闘に相応しいとされる状況を備えた現実空間、例えばビルの屋上、海辺や川辺、広場、著名な競技場、東京タワーや富士山などの現実空間の著名物を背景とする場所などに重ね合わせるように仮想空間管理手段1051を定めれば一層効果的である。
【0099】ゲームの中には学校をテーマとしたものがある。このようなゲームにおいては、ゲームの仮想空間における学校が現実空間の特定の学校に対応するように仮想空間管理手段1051を定めると効果的である。
【0100】ゲームの中には釣をテーマとしたものがある。このようなゲームにおいては、ゲームの仮想空間における釣り場所が、現実空間の中でも釣に好適な特定の場所に対応するように仮想空間管理手段1051を定めると効果的である。
【0101】ゲームの中にはゴルフ競技をテーマとしたものがある。このようなゲームにおいては、ゲームの仮想空間におけるゴルフ場が、現実空間の特定のゴルフ場に対応するように仮想空間管理手段1051を定めると効果的である。さらにこの対応づけは個々のホール毎に行うとより一層効果的である。
【0102】ゲームの中にはバス、鉄道、航空機、船などの交通機関をテーマとしたものがある。このようなゲームにおいては、ゲームの仮想空間における特定箇所(例えば、バス停、駅、空港、港)が、現実空間の交通機関に係わる特定の場所に対応するように仮想空間管理手段1051を定めると効果的である。
【0103】ゲームの中には旅行をテーマとしたものがある。このようなゲームにおいては、ゲームの仮想空間における旅行目的地が、現実空間の旅行目的地に対応するように仮想空間管理手段1051を定めると効果的である。
【0104】ゲーム装置1050は一般的にはプログラムで動作する計算機によって実現される。その際、ゲーム装置1050で動作するプログラムは一般的には、計算機で読み取り可能な記録媒体によって提供される。このような記録媒体に記録されたプログラムは、これまでに説明したゲーム装置の機能を提供する目的に照らし合わせれば、ゲームの実施される仮想空間と現実空間との対応を定義する仮想空間管理手段を実現する第一のプログラムコードと、ゲームのオブジェクトと、該ゲームのオブジェクトの現実空間内の位置情報と、該ゲームのオブジェクトの出力表現を定める出力情報とから少なくとも構成されるデータを出力する第二のプログラムコードとを少なくとも含んでいる必要がある。第一のプログラムコードは例えば表の参照もしくは変換式の利用によって達成される。第二のプログラムコードは、例えばオブジェクト管理データベース1101へのデータ出力によって達成される。
【0105】
【発明の効果】本発明によるゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム装置で用いられるプログラムを記録した記録媒体を利用することにより、元来現実世界を仮想世界で模擬したゲームにおいて、仮想空間の状況を現実空間に重ね合わせて表現する具体的な指針がないという課題を解決し、具体的なゲームについて、ゲームのオブジェクトを現実空間に重ね合わせるゲームシステム、ゲーム装置、およびゲーム装置で用いられるプログラムを記録した記録媒体を提供し、従来では思いもよらなかったゲームを楽しめるようにする効果がある。
【出願人】 【識別番号】302042520
【氏名又は名称】株式会社スペースタグ
【出願日】 平成15年2月17日(2003.2.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−305276(P2003−305276A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2003−38383(P2003−38383)