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【発明の名称】 紙幣取扱装置、遊技システムおよび遊技提供方法
【発明者】 【氏名】萩原 常光
【住所又は居所】神奈川県伊勢原市鈴川7番地 株式会社オーイズミ内

【要約】 【課題】遊技者が遊技機の前に座ったままでも高額紙幣を使用でき、しかもそのためのシステム構成の複雑化や設置スペースの大型化等を避けるようにする。

【解決手段】遊技機に付設された遊技媒体貸出機10に対応して配設される紙幣取扱装置20に、紙幣が投入される紙幣投入口22と、投入金額を表示する金額表示部23と、残金の返却を要求する返却ボタン24とを設ける。そして、紙幣投入口22への高額紙幣の投入を受け付けると、遊技媒体貸出機10に対して遊技媒体の貸出が可能である旨の情報を通知し、金額表示部23での表示額がゼロでない状態で返却ボタン24が押下されると、その表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を遊技媒体貸出機10に行わせるように、紙幣取扱装置20を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技機に付設された遊技媒体貸出機に対応して配設される紙幣取扱装置であって、紙幣が投入される紙幣投入口と、前記紙幣投入口への投入金額を表示する金額表示部と、残金の返却を要求するための返却ボタンとを備え、前記金額表示部での表示額分を限度に前記遊技媒体貸出機に対して遊技媒体の貸出が可能である旨の情報を通知するとともに、前記遊技媒体貸出機における遊技媒体の貸出分だけ前記金額表示部での表示額を減算し、前記金額表示部での表示額がゼロでない状態で前記返却ボタンが押下されると、当該表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を前記遊技媒体貸出機に行わせるように構成されたことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項2】 前記紙幣投入口へ投入された紙幣の金種を識別する金種識別手段を備え、複数種類の紙幣を前記紙幣投入口に投入し得るように構成されたことを特徴とする請求項1記載の紙幣取扱装置。
【請求項3】 遊技媒体の投入を条件に遊技者に遊技を行わせる遊技機と、前記遊技機に付設され当該遊技機での遊技に必要となる遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出機と、前記遊技媒体貸出機に対応して配設された紙幣取扱装置とを具備してなる遊技システムであって、前記紙幣取扱装置は、紙幣が投入される紙幣投入口と、前記紙幣投入口への投入金額を表示する金額表示部と、残金の返却を要求するための返却ボタンを備え、前記金額表示部での表示額分を限度に前記遊技媒体貸出機に対して遊技媒体の貸出が可能である旨の情報を通知するとともに、前記遊技媒体貸出機における遊技媒体の貸出分だけ前記金額表示部での表示額を減算し、前記金額表示部での表示額がゼロでない状態で前記返却ボタンが押下されると、当該表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を前記遊技媒体貸出機に行わせるように構成され、前記遊技媒体貸出機は、遊技媒体の貸出を要求するための貸出ボタンを備え、前記紙幣取扱装置から遊技媒体の貸出が可能である旨の情報が通知されている状態で前記貸出ボタンが押下されると、所定量の遊技媒体の貸出を行うとともに、その貸出分を前記紙幣取扱装置に対して通知し、前記紙幣取扱装置から表示額相当分の遊技媒体の貸出指示があると、前記貸出ボタンの押下に依らずに当該表示額相当分の遊技媒体の貸出を行うように構成されたことを特徴とする遊技システム。
【請求項4】 前記紙幣投入口への投入金額が前記所定量の遊技媒体の相当額のみである場合には、前記貸出ボタンの押下を要することなく、前記遊技媒体貸出機が前記所定量の遊技媒体の貸出を行うように構成されたことを特徴とする請求項3記載の遊技システム。
【請求項5】 前記紙幣取扱装置を複数具備してなるとともに、各紙幣取扱装置にて投入された紙幣を受け取って収容する紙幣ストッカーと、各紙幣取扱装置と前記紙幣ストッカーとの間を接続する紙幣搬送機構とが設けられたことを特徴とする請求項3または4記載の遊技システム。
【請求項6】 前記紙幣取扱装置は、前記遊技機および前記遊技媒体貸出機と別体に配設されたものである、ことを特徴とする請求項3、4または5記載の遊技システム。
【請求項7】 前記紙幣投入口が前記遊技機の上方に配設されていることを特徴とする請求項3、4、5または6記載の遊技システム。
【請求項8】 前記遊技機を複数具備してなるとともに、前記紙幣投入口が隣り合う遊技機同士の間に配設されていることを特徴とする請求項3、4、5、6または7記載の遊技システム。
【請求項9】 遊技媒体の投入を条件に遊技者に遊技を行わせる遊技機と、前記遊技機に付設され当該遊技機での遊技に必要となる遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出機と、前記遊技媒体貸出機に対応して配設された紙幣取扱装置とを具備してなる遊技システムにて用いられる遊技提供方法であって、前記紙幣取扱装置に紙幣が投入されるとその投入金額を表示するとともに、当該表示額分を限度に前記遊技媒体貸出機を遊技媒体の貸出が可能な状態にし、前記遊技媒体貸出機に対して遊技媒体の貸出要求があると、所定量の遊技媒体の貸出を行うとともに、その貸出分だけ前記投入金額の表示額を減算し、前記表示額がゼロでない状態で残金の返却が要求されると、当該表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を前記遊技媒体貸出機が行い、当該遊技媒体により残金の返却を行うことを特徴とする遊技提供方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が設置された遊技場にて用いられる紙幣取扱装置、遊技システムおよび遊技提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が設置された遊技場では、各遊技機のそれぞれに対して遊技媒体貸出機が付設されている。遊技媒体貸出機は、パチンコ玉やメダル等といった遊技機での遊技に必要となる遊技媒体を遊技者に貸し出すためのもので、所定額(例えば5百円分または1千円分)の貨幣の投入があると、これに応じて所定量の遊技媒体(例えばパチンコ玉125個またはメダル50枚)の貸出を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の遊技媒体貸出機は、一度に貸出を行う遊技媒体の量に対応した額の貨幣(例えば5百円分の硬貨または1千円札紙幣)のみの投入を受け付けるようになっている。これは、高額紙幣(例えば1万円札紙幣、5千円札紙幣または2千円札紙幣)の使用を可能にすると、釣り銭の返却が問題となるからである。すなわち、遊技媒体貸出機毎に釣り銭の返却機構や釣り銭となる貨幣の収容スペース等を設けなければならず、システム構成の複雑化や設置スペースの大型化等を招いてしまうからである。
【0004】したがって、遊技者は、高額紙幣を使用しようとする場合には、遊技機での遊技を行うのに先立ち、あるいは遊技機での遊技を中断して、遊技媒体貸出機とは別に遊技場内に設置された両替機まで赴き、その高額紙幣を遊技媒体貸出機が受付可能な貨幣に両替しなければならない。また、近年では、金額に関する磁気情報を記憶する、いわゆるプリペイドカードを使用可能な遊技媒体貸出機もあるが、その場合であっても、遊技媒体貸出機とは別に遊技場内に設置されたカード販売機まで赴き、そのカード販売機で事前にプリペイドカードを購入しなければ、高額紙幣を使用することができない。
【0005】つまり、従来は、遊技者が一旦両替機またはカード販売機等まで赴かなければ高額紙幣を使用することができないため、遊技者に多大な煩わしさを感じさせてしまうおそれがある。このような煩わしさは、遊技者の遊技に対する興趣を損なうことにも繋がるため、極力排除すべきである。
【0006】そこで、本発明は、遊技者が一旦両替機やカード販売機等まで赴くことなく遊技機の前に座ったままでも高額紙幣を使用できるようにして、遊技者が遊技に対する興趣を損なうことなく当該遊技を楽しめるようにし、しかもそのためにシステム構成の複雑化や設置スペースの大型化等を招いてしまうことのない紙幣取扱装置、遊技システムおよび遊技提供方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために案出された紙幣取扱装置で、遊技機に付設された遊技媒体貸出機に対応して配設されるものであって、紙幣が投入される紙幣投入口と、前記紙幣投入口への投入金額を表示する金額表示部と、残金の返却を要求するための返却ボタンとを備え、前記金額表示部での表示額分を限度に前記遊技媒体貸出機に対して遊技媒体の貸出が可能である旨の情報を通知するとともに、前記遊技媒体貸出機における遊技媒体の貸出分だけ前記金額表示部での表示額を減算し、前記金額表示部での表示額がゼロでない状態で前記返却ボタンが押下されると、当該表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を前記遊技媒体貸出機に行わせるように構成されたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明は、上記目的を達成するために案出された遊技システムで、遊技媒体の投入を条件に遊技者に遊技を行わせる遊技機と、前記遊技機に付設され当該遊技機での遊技に必要となる遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出機と、前記遊技媒体貸出機に対応して配設された紙幣取扱装置とを具備してなるものである。そして、前記紙幣取扱装置は、紙幣が投入される紙幣投入口と、前記紙幣投入口への投入金額を表示する金額表示部と、残金の返却を要求するための返却ボタンとを備え、前記金額表示部での表示額分を限度に前記遊技媒体貸出機に対して遊技媒体の貸出が可能である旨の情報を通知するとともに、前記遊技媒体貸出機における遊技媒体の貸出分だけ前記金額表示部での表示額を減算し、前記金額表示部での表示額がゼロでない状態で前記返却ボタンが押下されると、当該表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を前記遊技媒体貸出機に行わせるように構成されている。さらに、前記遊技媒体貸出機は、遊技媒体の貸出を要求するための貸出ボタンを備え、前記紙幣取扱装置から遊技媒体の貸出が可能である旨の情報が通知されている状態で前記貸出ボタンが押下されると、所定量の遊技媒体の貸出を行うとともに、その貸出分を前記紙幣取扱装置に対して通知し、前記紙幣取扱装置から表示額相当分の遊技媒体の貸出指示があると、前記貸出ボタンの押下に依らずに当該表示額相当分の遊技媒体の貸出を行うように構成されている。
【0009】また、本発明は、上記目的を達成するために案出された遊技提供方法である。すなわち、遊技媒体の投入を条件に遊技者に遊技を行わせる遊技機と、前記遊技機に付設され当該遊技機での遊技に必要となる遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出機と、前記遊技媒体貸出機に対応して配設された紙幣取扱装置とを具備してなる遊技システムにて用いられる遊技提供方法であって、前記紙幣取扱装置に紙幣が投入されるとその投入金額を表示するとともに、当該表示額分を限度に前記遊技媒体貸出機を遊技媒体の貸出が可能な状態にし、前記遊技媒体貸出機に対して遊技媒体の貸出要求があると、所定量の遊技媒体の貸出を行うとともに、その貸出分だけ前記投入金額の表示額を減算し、前記表示額がゼロでない状態で残金の返却が要求されると、当該表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を前記遊技媒体貸出機が行い、当該遊技媒体により残金の返却を行うことを特徴とする。
【0010】上記構成の紙幣取扱装置および遊技システム、並びに上記手順の遊技提供方法によれば、紙幣取扱装置に紙幣が投入されるとその投入金額を表示するとともに、当該表示額分を限度に遊技媒体貸出機を遊技媒体の貸出が可能な状態にし、遊技媒体貸出機が所定量の遊技媒体の貸出を行う度に、その貸出分だけ投入金額の表示額を減算するようになっている。したがって、投入金額の表示額によっていわゆるクレジット機能が実現されることになり、所定量の遊技媒体の貸出分を超えた額の紙幣、すなわち高額紙幣をも紙幣取扱装置へ投入し得るようになる。そして、表示額がゼロでない状態で残金の返却が要求された場合には、当該表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を遊技媒体貸出機が行うようになっている。すなわち、残金返却要求に応じて表示額相当分の遊技媒体の貸出が行われるので、遊技者が当該遊技媒体を別途設けられた計数機等により精算すれば、その遊技者は残金の返却を受けられることになる。したがって、高額紙幣の投入を可能にした場合であっても、釣り銭の払い出し等を要することなく残金の返却を行い得るので、システム構成の複雑化や設置スペースの大型化等を招くこともない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明に係る紙幣取扱装置、遊技システムおよび遊技提供方法を説明する。
【0012】先ず、本発明に係る遊技システム全体の概略構成について説明する。図1は、本発明に係る遊技システムの概略構成の一例を示す模式図である。図例のように、ここで説明する遊技システムは、図示しない遊技機と、遊技媒体貸出機10と、紙幣取扱装置20と、紙幣搬送機構30と、図示しない紙幣ストッカーと、を具備してなるものである。
【0013】遊技機は、遊技媒体の投入を条件に遊技者に遊技を行わせるものである。具体的には、パチンコ玉の投入を条件に遊技者に遊技を行わせるパチンコ機や、メダルの投入を条件に遊技者に遊技を行わせるスロットマシン(いわゆるパチスロ機)がこれに相当する。
【0014】遊技媒体貸出機10は、遊技機に隣接するように付設されるサンドと呼ばれるもので、その遊技機での遊技に必要となる遊技媒体の貸出を行うものである。具体的には、パチンコ玉の貸出を行う玉貸機や、メダルの貸出を行うメダル貸機等がこれに相当する。また、プリペイドカードに対応した、いわゆるCRユニットであってもよい。
【0015】このような遊技媒体貸出機10では、遊技媒体の貸出を、所定量の遊技媒体(例えば、5百円分に相当するパチンコ玉125個、または1千円分に相当するメダル50枚)毎に、これを1つの単位として行うようになっている。また、遊技媒体貸出機10では、遊技媒体の貸出を要求するための貸出ボタン11を備えており、遊技媒体の貸出が可能な状態で貸出ボタン11が押下されると、1つの単位である所定量の遊技媒体の貸出を行うようになっている。
【0016】さらに、遊技媒体貸出機10は、貸出を行う遊技媒体(例えばメダル)を遊技機の媒体受皿まで案内するノズルシュート12を備えたものであってもよい。ノズルシュート12を備えている場合には、そのノズルシュート12での遊技媒体の詰まり等を検出するための監視センサとしてノズル詰まりセンサ13を設けることが望ましい。このノズル詰まりセンサ13は、周知技術を利用して実現すればよいため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0017】なお、これら遊技機および遊技媒体貸出機10は、それぞれ複数のものが島状に配設されて遊技システムを構成しているものとする。
【0018】紙幣取扱装置20は、ビルバリと呼ばれるもので、各遊技媒体貸出機10の上方側に位置するように、遊技機および遊技媒体貸出機10とは別体に、しかも各遊技媒体貸出機10のそれぞれに個別に対応するように、複数が配設されたものである。そして、各紙幣取扱装置20は、対応する遊技媒体貸出機10との間で通信を行い得るように、当該遊技媒体貸出機10と通信ケーブル等により接続されている。なお、紙幣取扱装置20は、原則として各遊技媒体貸出機10に個別に対応するように配設されるが、対応する遊技媒体貸出機10の選択機能を有していれば、例えば2つの遊技媒体貸出機10に対応して1つのみが配設されるものであってもよい。
【0019】紙幣搬送機構30は、各紙幣取扱装置20にて投入された紙幣を受け取って、これを紙幣ストッカーまで搬送するものである。また、紙幣ストッカーは、紙幣搬送機構30によって搬送されてくる紙幣、すなわち各紙幣取扱装置20にて投入された紙幣を受け取って、これを収容するものである。
【0020】続いて、以上のような構成の遊技システムにて用いられる紙幣取扱装置20、すなわち本発明に係る紙幣取扱装置について、さらに詳しく説明する。
【0021】紙幣取扱装置20は、それぞれが、ランニング&異常ランプ21と、紙幣投入口22と、金額表示部23と、返却ボタン24と、を備えている。
【0022】ランニング&異常ランプ21は、紙幣取扱装置20が稼働状態であるか否や、異常が発生しているか否か等を、ランプの点灯(点滅)状態に違いを利用して表示するものである。
【0023】紙幣投入口22には、1万円札紙幣、5千円札紙幣、2千円札紙幣、1千円札紙幣といった複数種類の紙幣を投入し得るように構成されている。そのために、紙幣投入口22には、投入された紙幣の金種を識別する金種識別手段(ただし不図示)が連設されている。なお、金種識別手段については、例えば周知のパターン認識技術を用いて実現すればよいので、ここではその詳細な説明を省略する。また、紙幣取扱装置20が各遊技媒体貸出機10の上方側に位置することから、紙幣投入口22も遊技媒体貸出機10の上方側に位置している。すなわち、紙幣投入口22は、遊技媒体貸出機10に並設される遊技機の上方に配設され、かつ、その遊技媒体貸出機10を挟んで隣り合う遊技機同士の間に配設されている。ただし、紙幣投入口12の配設位置はこれに限定されるものではなく、遊技者の操作性(投入容易性)等を考慮して適宜配設位置を決定すればよい。
【0024】金額表示部23は、紙幣投入口22への投入金額、すなわち金種識別手段が識別した金種の金額またはその金額から遊技媒体の貸出分だけ減算された金額を表示するものである。例えば、金額表示部23では、金額が9千円であれば「9」と表示し、5千円であれば「5」と表示するようになっている。
【0025】返却ボタン24は、遊技者が紙幣投入口22への投入額の残金、具体的には金額表示部23に表示されている金額の返却を要求するためのものである。
【0026】このような構成の紙幣取扱装置20では、紙幣投入口22への紙幣の投入があると、金額表示部23がその投入金額を表示し、その金額表示部23での表示額分を限度に遊技媒体貸出機10に対して遊技媒体の貸出が可能である旨の情報を通知するとともに、その遊技媒体貸出機10における遊技媒体の貸出分だけ金額表示部23での表示額を減算する。そして、金額表示部23での表示額がゼロでない状態で返却ボタン24が押下されると、その表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を遊技媒体貸出機10に行わせるよう、その遊技媒体貸出機10に指示を与えるようになっている。なお、これらの処理動作は、紙幣投入口22に連接された金種識別手段や金額表示部23等を制御する紙幣取扱装置20の動作制御部(ただし不図示)が、予め設定されている所定プログラムを実行することによって実現されるものである。
【0027】次に、以上のような紙幣取扱装置20を具備する遊技システムにおける処理動作例、すなわち本発明に係る遊技提供方法について、具体例を挙げて詳しく説明する。図2は、本発明に係る遊技提供方法の概要の一具体例を示す流れ図である。ここでは、遊技機がパチスロ機であり、遊技媒体貸出機10がメダル貸機であり、1つの単位として貸出を行う所定量の遊技媒体が1千円分に相当するメダル50枚である場合を例に挙げて説明する。
【0028】この遊技システムにおいて遊技者が遊技を行う場合に、遊技者は、所望する遊技機の場所まで赴き、その遊技機の前に座ればよい。そして、例えば図2(b)に示すように、その遊技機の上方側に位置する紙幣取扱装置20の紙幣投入口22に遊技者が1千円札紙幣を投入した場合には(ステップ201、以下ステップを「S」と略す)、遊技者はボタン操作等を一切行うことなく、その遊技機に隣接する遊技媒体貸出機10から50枚分のメダルの貸出を受け(S202)、そのメダルを用いて遊技機での遊技を行うことが可能になる。これは、紙幣投入口22への1千円札紙幣の投入により、紙幣取扱装置20は遊技媒体貸出機10に対してメダル貸出が可能である旨の情報を通知するが、これに応じて遊技媒体貸出機10が最初の1単位分については自動的にメダルの貸出を行うからである。ただし、その貸出によって1千円分が減算されることになるので、紙幣取扱装置20の金額表示部23での表示額はゼロとなる。
【0029】なお、この遊技システムにおける表示額がゼロの状態とは、ゼロという数字が表示される状態であってもよいし、何も表示がされない状態であってもよい。
【0030】一方、例えば図2(a)に示すように、遊技者が1万円札紙幣、5千円札紙幣または2千円札紙幣といった高額紙幣を使用する場合にも、遊技者は、その高額紙幣をそのまま紙幣取扱装置20の紙幣投入口22に投入する。紙幣取扱装置20に高額紙幣が投入されると(S101)、遊技媒体貸出機10は、上述した1千円札紙幣の場合と同様に、最初の1単位分については自動的にメダルの貸出を行う(S102)。
【0031】ただし、このとき、紙幣投入口22に投入されたのが高額紙幣であるため、遊技媒体貸出機10での最初の1単位分のメダル貸出によって1千円分が減算されても、紙幣取扱装置20の金額表示部23での表示額はゼロとならない。したがって、紙幣取扱装置20では、金額表示部23が減算後の表示額、すなわち残金の額を表示することになる。この状態においては、紙幣取扱装置20がその表示額分を限度に遊技媒体貸出機10に対してメダル貸出が可能である旨の情報を通知している。そのため、遊技者は、新たな紙幣等の投入を行わなくても、貸出ボタン11を押下するだけで、遊技媒体貸出機10から1単位分のメダル貸出を受けることができる。そして、紙幣取扱装置20では、その都度、金額表示部23での表示額が減算される。つまり、金額表示部23での表示額がゼロとなるまでは、遊技者は、貸出ボタン11を押下するだけで、遊技媒体貸出機10からのメダル貸出を受けられる(S104)。
【0032】ところで、紙幣取扱装置20に高額紙幣が投入された場合には、金額表示部23での表示額がゼロとなる前に遊技者が遊技を終了することも考えられるが、そのとき残金の返却をどのように行うかが問題となる。この場合、金額表示部23での表示額がゼロとなる前に遊技者が遊技を終了するときには、その遊技者に紙幣取扱装置20の返却ボタン24を押下させるようにする。返却ボタン24が押下されると、紙幣取扱装置20では、金額表示部23での表示額に相当する分の遊技媒体の貸出を遊技媒体貸出機10に行わせるよう、その遊技媒体貸出機10に指示を与える。この指示を受けて、遊技媒体貸出機10は、表示額相当分の遊技媒体の貸出を行う。
【0033】このとき、金額表示部23での表示額によっては、通常の貸出単位である1単位分よりも多枚数のメダル貸出を行う必要があるため、ノズルシュート12でのメダル詰まり等が発生する可能性が高くなる。このことから、遊技媒体貸出機10では、メダル貸出の際に、ノズル詰まりセンサ13を用いてノズルシュート12での状態を監視する。そして、メダル詰まり等が発生した場合には、ノズルシュート12からメダルを払い出すために設けられたホッパーと呼ばれるメダル払出装置(ただし不図示)を停止させるようにする。これにより、メダル詰まり等の早期発見および迅速な復旧が可能になる。
【0034】その後は、ノズルシュート12から払い出されたメダルを持って、遊技者が遊技場内に設置された計数機(ただし不図示)まで赴く。そして、その計数機でメダルの精算(換金)を行う(S106)。これにより、遊技者は、メダル枚数の相当分の貨幣、すなわち残金の返却を受けられることになる。なお、このときのメダル精算は、原則として、いわゆる等価交換で行われるものとする。
【0035】また、遊技者は、計数機での精算を行わなくても、払い出されたメダルを持って他の遊技機に移動して、当該他の遊技機での遊技を開始することも考えられる(S107)。この場合に、遊技者は、他の遊技機に移動しても、新たな紙幣等の投入を行わずに、遊技を行うことができる。
【0036】以上に説明したように、本実施形態で説明した紙幣取扱装置20、およびその紙幣取扱装置20を具備する遊技システム、並びにその遊技システムにて実施される遊技提供方法によれば、紙幣取扱装置20に紙幣が投入されると、その投入額分を限度に遊技媒体貸出機10が遊技媒体を貸出可能な状態になり、当該遊技媒体貸出機10が1単位分の遊技媒体の貸出を行う度にその投入金額が減算されるようになっている。これにより、いわゆるクレジット機能が実現され、遊技者は1単位分を超えた額の紙幣、すなわち高額紙幣をも紙幣取扱装置20へ投入することができる。つまり、遊技者は、高額紙幣を使用しようとする場合であっても、遊技場内に設置された両替機等まで赴くことなく、そのまま所望する遊技機の前に座れば、その遊技機での遊技を開始できるのである。したがって、従来のように、高額紙幣の使用にあたって、遊技者に多大な煩わしさを感じさせてしまうことがなく、遊技者の遊技に対する興趣を損なうこともなくなる。
【0037】さらには、高額紙幣が投入された場合であっても、残金の返却が要求されると、その残金返却要求に応じて遊技媒体貸出機10から表示額相当分の遊技媒体の貸出が行われるので、遊技者が当該遊技媒体を別途設けられた計数機等により精算すれば、その遊技者は残金の返却を受けられることになる。したがって、高額紙幣の使用を可能にしても、釣り銭の払い出し等を要することなく返却を行えるので、釣り銭の返却機構や釣り銭となる貨幣の収容スペース等が一切不要となり、システム構成の複雑化や設置スペースの大型化等を招いてしまうこともない。しかも、残金の返却にあたって、例えばカード等への情報書き込みを要することなく、遊技媒体貸出機10からの遊技媒体の払い出しを行うだけでよいので、既存のシステムの流用が非常に容易であり、システムをローコストに実現することができる。
【0038】その上、遊技媒体の払い出しによって残金返却を行うため、その返却時には負けた遊技者であっても勝ったような印象が得られ、この点においても遊技者の興趣向上に寄与するようになる。一方、遊技場側から見れば、遊技者が煩わしさを感じることなく高額紙幣の投入を行うようになるため、売上向上に繋がることが期待される。
【0039】また、本実施形態では、紙幣取扱装置20が紙幣投入口22へ投入された紙幣の金種を識別する金種識別手段を備えており、複数種類の紙幣を投入し得るようになっている。そのため、例えば1万円札紙幣、5千円札紙幣、2千円札紙幣、1千円札紙幣といった4金種のいずれを投入しても、遊技者は遊技媒体の貸出を受けて遊技を行うことができ、遊技者にとっては非常に利便性の高いものとなる。その上、1万円札紙幣等の高額紙幣を投入した場合であっても、遊技媒体の払い出しによって残金の返却を受け得るので、遊技者は安心して遊技を中断することができる。
【0040】また、本実施形態では、高額紙幣への対応が可能であっても、紙幣投入口22への投入金額が所定量(1単位分)の遊技媒体の相当額のみである場合には、貸出ボタン11の押下を要することなく、遊技媒体貸出機10が1単位分の遊技媒体の貸出を行うようになっている。したがって、高額紙幣を使用しない場合にも、遊技者が手軽に遊技を楽しむことができることから、遊技者の多様なニーズにも柔軟に対応し得るようになり大きな集客効果が期待できる。
【0041】また、本実施形態では、紙幣取扱装置20が複数配設されている場合であっても、各紙幣取扱装置20にて投入された紙幣を受け取って収容する紙幣ストッカーと、各紙幣取扱装置20と紙幣ストッカーとの間を接続する紙幣搬送機構30とが設けられているため、特に多数の紙幣取扱装置20を具備して遊技システムを構成した場合に、各紙幣取扱装置20にて投入された紙幣の集配等が非常に容易化する。
【0042】また、本実施形態では、各紙幣取扱装置20が遊技機および遊技媒体貸出機10と別体に配設されていることから、遊技機の機種交換等にも柔軟に対応することが可能である。すなわち、流行性に富む遊技機は一定サイクルで機種交換等がされることが考えられるが、その場合であっても、各紙幣取扱装置20については、通信ケーブル等の接続を切り換えるだけで、そのまま使用することができ、遊技機等に合わせて機種交換等を行う必要がない。
【0043】なお、本実施形態では、本発明を実施する上での好適な具体例を挙げて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0044】例えば、本実施形態では、各紙幣取扱装置20が返却ボタン24を備えており、その返却ボタン24の押下に応じて残金返却を行う場合を例に挙げて説明したが、専用の返却ボタン24を設けずに、遊技媒体貸出機10の貸出ボタン11にその機能を代用させてもよい。すなわち、残金の返却を要求するための返却ボタンは、必ずしも専用のものを設ける必要はなく、他のボタン等に返却ボタンとしての機能を兼用させても構わない。具体的には、金額表示部23での表示額がゼロでない状態で貸出ボタン11が所定時間以上長押しされると、本実施形態で説明した場合と同様に残金返却を行うようにすることが考えられる。また、貸出ボタン11が押下される都度、所定量(1単位分)の遊技媒体を払い出すことで、残金返却を行うようにしてもよい。さらには、専用の返却ボタン24を設ける場合であっても、必ずしも紙幣取扱装置20に設ける必要はなく、例えば遊技媒体貸出機10に設けても構わない。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る紙幣取扱装置、遊技システムおよび遊技提供方法によれば、遊技者が一旦両替機やカード販売機等まで赴くことなく遊技機の前に座ったままでも高額紙幣を使用することができるため、その遊技者は遊技に対する興趣を損なうことなく当該遊技を楽しめるようになる。しかも、遊技媒体貸出機での遊技媒体の貸出を利用して高額紙幣に対する残金返却を行うため、当該残金返却のためにシステム構成の複雑化や設置スペースの大型化等を招いてしまうこともない。
【出願人】 【識別番号】000128485
【氏名又は名称】株式会社オーイズミ
【住所又は居所】神奈川県厚木市中町2丁目7番10号
【出願日】 平成14年4月17日(2002.4.17)
【代理人】 【識別番号】100086298
【弁理士】
【氏名又は名称】船橋 國則
【公開番号】 特開2003−305273(P2003−305273A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−114126(P2002−114126)