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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】市原 高明
【住所又は居所】愛知県西春日井郡西春町大字沖村字西ノ川1番地 株式会社大一商会内

【氏名】齋藤 篤
【住所又は居所】愛知県西春日井郡西春町大字沖村字西ノ川1番地 株式会社大一商会内

【要約】 【課題】球通路の供給口と回転体の外周面との間に球が不測に噛み込む不具合を防止することができる遊技機を提供する。

【解決手段】球通路40と、その球通路40の下端の供給口46から供給された球Bを受けてその球Bを払い出す回転体82と、を有する球払出装置30を備える。供給口46には、回転体82に向けて球Bを案内する案内部62を有する可動案内部材60が、球案内位置と、案内部62が回転体82から遠ざかる退避位置とに変位可能に設けられる。可動案内部材60は、弾性体66によって案内位置に配置されるとともに、所定値以上の荷重が作用したときには、弾性体66を弾性変形させながら退避位置に向けて変位する構成にしてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 球通路と、その球通路の下端の供給口から供給された球を受けてその球を払い出す回転体と、を有する球払出装置を備えた遊技機であって、前記供給口には、前記回転体に向けて球を案内する案内部を有する可動案内部材が、球案内位置と前記案内部が回転体から遠ざかる退避位置とに変位可能に設けられ、前記可動案内部材は、弾性体によって前記案内位置に配置されるとともに、所定値以上の荷重が作用したときには、前記弾性体を弾性変形させながら前記退避位置に向けて変位する構成にしてある遊技機。
【請求項2】 請求項1に記載の遊技機であって、可動案内部材は、その一端側寄りにおいて回動可能に支持され他端側に案内部が設けられている遊技機。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の遊技機であって、可動案内部材は、供給口の両側部に一対をなして設けられている遊技機。
【請求項4】 請求項3に記載の遊技機であって、一対の可動案内部材の間に跨って弾性体が配設されている遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、球(パチンコ球)を使用して遊技を行う遊技機、例えば、弾球遊技機(主としてパチンコ機)と呼ばれている遊技機や、コインに換え球を使用してスロットマシン遊技のような遊技を行う遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】球(パチンコ球)を使用して遊技を行う遊技機においては、賞球や貸球の球数に対応する数の球を所定位置、例えば、払出通路を介して遊技機前側に設置された受け皿(上皿や下皿)に払い出すように構成する必要がある。このため、遊技機の所定位置には、球通路と、その球通路の下端の供給口から供給された球を受けてその球を払い出す回転体と、を有する球払出装置が配設されるようになっている。また、球払出装置の回転体の外周面には、球を受ける複数の球受部が所定の角度を隔てて設けられたスプロケット状に形成されているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、球通路の下端の供給口から供給された球を回転体によって受け、その球を回転体の回転動作によって払い出すように構成すると、供給口と回転体の外周面との間に球が不測に噛み込んで回転体の回転が停止する、いわゆる球噛みによる不具合が発生する場合がある。このような球噛み発生時には、球通路の下端の供給口と回転体の外周面との間に噛み込んだ球を取り除く球噛み解消作業が必要となり、厄介であった。
【0004】この発明の目的は、前記問題点に鑑み、球通路の供給口と回転体の外周面との間に球が不測に噛み込む不具合を防止することができる遊技機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、第1の発明に係る遊技機は、請求項1に記載のとおりの構成を要旨とするもので、球通路と、その球通路の下端の供給口から供給された球を受けてその球を払い出す回転体と、を有する球払出装置を備える。前記供給口には、前記回転体に向けて球を案内する案内部を有する可動案内部材が、球案内位置と前記案内部が回転体から遠ざかる退避位置とに変位可能に設けられる。前記可動案内部材は、弾性体によって前記案内位置に配置されるとともに、所定値以上の荷重が作用したときには、前記弾性体を弾性変形させながら前記退避位置に向けて変位する構成にしてある。
【0006】したがって、球通路の下端の供給口に供給された球は、可動案内部材の案内部に案内されて回転体に供給される。そして、回転体に供給され球は、同回転体の回転動作によって払い出される。回転体の回転動作によって球を払い出す際、供給口の可動案内部材と回転体の外周面との間に球が不測に噛み込もうとすることがある。球が噛み込もうとする所定値以上の荷重が可動案内部材に作用すると、可動案内部材は、弾性体を弾性変形させながら、その案内部が回転体の外周面から遠ざかる退避位置に向けて変位する。このため、供給口の可動案内部材と回転体の外周面との間に球が不測に噛み込んで回転体の回転が停止する、という球噛みによる不具合の発生を防止することができる。
【0007】また、第2の発明に係る遊技機は、請求項2に記載のとおりの構成を要旨とするもので、可動案内部材は、その一端側寄りにおいて回動可能に支持され他端側に案内部が設けられている。したがって、可動案内部材は、その一端側寄りの支持部を支点として回動することことで球案内位置と退避位置とに変位される。そして、可動案内部材が球案内位置に配置された状態において、供給口の球が可動案内部材の案内部に案内されて回転体に向けて良好に供給される。また、球が噛み込もうとする所定値以上の荷重が可動案内部材に作用すると、可動案内部材は、支持部を支点として退避位置に向けて回動し円滑に変位する。
【0008】また、第3の発明に係る遊技機は、請求項3に記載のとおりの構成を要旨とするもので、可動案内部材は、供給口の両側部に一対をなして設けられている。したがって、供給口の球が一対の可動案内部材の案内部に案内されて回転体に向けて一層良好に案内することができる。
【0009】また、第4の発明に係る遊技機は、請求項4に記載のとおりの構成を要旨とするもので、一対の可動案内部材の間に跨って弾性体が配設されている。したがって、一対の可動案内部材に対しそれぞれ別個の弾性体を組み付けて弾発する必要性を解消することができ、弾性体を共通化した分だけ部品点数や組付工数を軽減してコスト低減を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。球を使用して遊技を行う遊技機(例えばパチンコ機)を後方から表した図1において、遊技機1は、外枠2と、その外枠2の前側にヒンジ機能によって開閉可能に装着され方形枠状の前枠3とを主体として構成されている。前枠3の前側には、周知のようにガラス板を有する開閉扉、球B(パチンコ球)が貯留可能な上皿、下皿、球発射用のハンドル装置等が配設されている。前枠3の後面には、その枠開口部の周縁部において遊技盤装着枠が固定状態で組み付けられ、その遊技盤装着枠の枠内には遊技盤(図示しない)が着脱可能に嵌込まれ、その遊技盤の後面の周囲が機構板10(裏セット板、裏機構板等とも呼ばれる)によって押されられた状態で固定されている。なお、遊技盤の前面の遊技領域には、各種入賞装置、役物装置、図柄表示装置、ゲート口等が適宜に配設されている。
【0011】機構板10の後面の上部には、球Bが貯留される球タンク11と、その球タンク11の一端寄りの下部に接続されるタンクレール12とがそれぞれ装着されている。タンクレール12は、その一側から他側(図1に向かって左側から右側)に向けて球Bが前後2列に整列されながら流れる傾斜状の球送り通路13が形成され、その球送り通路13の下傾端を球送出部としている。機構板10の後面の片側(図1に向かって右側)には、タンクレール12の球送出部に隣接してユニット装着部が設けられ、そのユニット装着部には球払出装置30を構成する1つのユニット状の球払出装置ユニット31が着脱可能に装着されている。
【0012】また、機構板10の後側には、球払出装置ユニット31の賞球用通路72並びに貸球用通路73の下流端を合流してこれら賞球用通路72及び貸球用通路73から払い出された球Bを所定位置まで導く前後2列の本体側払出通路14が形成されている。また、本体側払出通路14の下流部には球Bを上皿に導く上皿用球通路16が設けられている。また、上皿用球通路16には上皿用球溜部17が形成され、その上皿用球溜部17の一側には、上皿の球Bが満杯になったときに上皿用球溜部17の球Bを下皿に導く下皿用球通路19が形成されている。また、機構板10の後側には、球タンク11及びタンクレール12の球Bを球払出装置ユニット31の一部に設けられた排出通路50を介して機外に排出するための本体側排出通路21が形成されている。
【0013】図2〜図5に示すように、球払出装置ユニット31は、ユニットケース32と、そのユニットケース32に組み付けられる通路切換部材52、可動案内部材60、回転体82、払出用モータ80、各種検出器等を備えている。ユニットケース32は、合成樹脂の射出成形等によってそれぞれ形成されかつネジ等によって分離可能に結合された第1通路構成部材33、第2通路構成部材34及び第3通路構成部材35の3部品を主体として構成されている。図2と図5に示すように、ユニットケース32内には、前後2列でかつ縦通路状をなす球通路40と、その球通路40の下端部に連通する供給口46とがそれぞれ区画形成されている。
【0014】また、この実施の形態において、図5に示すように、ユニットケース32内には、前後2列の球通路40の片側にそれぞれ隣接して排出通路50が区画形成されている。この排出通路50と球通路40との上部境界部には、通路切換部材52が操作ロック部材55によって第1位置と第2位置とに配置切換可能に配設されている。そして、図5に示すように、操作ロック部材55によって通路切換部材52が第1位置に配置されてロックされたときには、タンクレール12の球送出部から送られる球Bが排出通路50に流れることなく球通路40にのみ流れるようになっている。また、図6に示すように、操作ロック部材55が上方に操作されてロック解除されたときには、タンクレール12の球送出部から球通路40の上部に向けて流れる球Bの流圧を受けて通路切換部材52が軸53を中心として回動し、第2位置に配置切り換えされる。これによって、球通路40の上部に向けて流れる球Bが排出通路50に流れるようになっている。なお、操作ロック部材55はバネ58によって下方のロック位置に向けて弾発されており、その下端部には、通路切換部材52の所定位置に形成された係合部54と係脱可能に係合して通路切換部材52を第1位置と第2位置とに択一的にロックするロック部56が形成されている。
【0015】図5に示すように、ユニットケース32内の下部には、供給口46に連通する回転体配設部が形成され、その回転体配設部には、球Bを受けて払い出すスプロケット状の回転体82が正逆方向に回転可能に配設されている。そして、ユニットケース32内の下部には、回転体82の外周面の片側(図5に向かって左側)に賞球用通路72が反対側に貸球用通路73がそれぞれ前後2列に区画形成されている。
【0016】すなわち、図2と図5に示すように、第1通路構成部材33と第2通路構成部材34との間には、第1通路構成部材33の基板部と第2通路構成部材34の基板部によって前側の球通路40、前側の供給口46、前側の賞球用通路72、前側の貸球用通路73及び前側の排出通路50の各前・後壁がそれぞれ形成されている。さらに、第1通路構成部材33の基板部によって回転体配設部の前側壁が形成されるとともに、第2通路構成部材34には、回転体82が貫挿される孔が形成されている。また、第1通路構成部材33の基板部と第2通路構成部材34の基板部とのうち、少なくとも一方には、前側の球通路40と前側の排出通路50とを隣接して区画形成する通路壁41、42、51がそれぞれ形成されるとともに、前側の賞球用通路72、前側の貸球用通路73の外側壁48がそれぞれ形成されている。さらに、第1通路構成部材33の基板部と第2通路構成部材34の基板部とのうち、少なくとも一方には、回転体82の下方に隣接して前側の賞球用通路72と前側の貸球用通路73とを区画する分岐壁59が形成されている。
【0017】また、第2通路構成部材34と第3通路構成部材35との間においても、略同様にして、第2通路構成部材34の基板部と第3通路構成部材35の基板部によって後側の球通路40、後側の供給口46、後側の賞球用通路72、後側の貸球用通路73及び後側の排出通路50の各前・後壁がそれぞれ形成されるとともに、第3通路構成部材35の基板部によって回転体配設部の後側壁48、49が形成されている。また、第2通路構成部材34の基板部と第3通路構成部材35の基板部とのうち、少なくとも一方には、後側の球通路40と後側の排出通路50とを隣接して区画形成する通路壁41、42、51がそれぞれ形成されるとともに、後側の賞球用通路72、後側の貸球用通路73の外側壁が形成されている。さらに、第2通路構成部材34の基板部と第3通路構成部材35の基板部とのうち、少なくとも一方には、回転体82の下方に隣接して後側の賞球用通路72と後側の貸球用通路73とを区画する分岐壁59が形成されている。
【0018】図5〜図8に示すように、前後2列の縦通路状をなす球通路40は、その上端部(上流端)の補充口が、ユニットケース32の上端部側方に開口するとともに、タンクレール12の前後2列の球送り通路13の下傾端の球送出部に臨んで連通されている。また、前後2列の球通路40の下端部(下流端)は、供給口46を介して回転体82に臨んでいる。また、球通路40は、上部から下部に向けて上通路部43、幅広通路部44及び絞り通路部45を順次連通して有する。また、上通路部43、幅広通路部44及び絞り通路部45に球Bが相互に接した状態でかつこれら各球Bが両通路壁41、42のいずれか一方の内壁面に接した状態で略ジグザグ状をなして一列状に配列されるようになっている。
【0019】この実施の形態において、上通路部43は、側方(横方向)に開口する補充口から下方に向けて屈曲された逆L字状をなし、その上通路部43の通路幅W1は、球Bの直径寸法よりも1.2倍程度に大きく形成されている。上通路部43の下部に連続して形成された幅広通路部44はその略中央部が最大の通路幅W2を有しかつ直線に近い略湾曲状に形成され、その中央部の通路幅W2が最大で球Bの直径寸法よりも1.8倍程度(この実施の形態では1.5倍前後)だけ大きく形成されている。そして、幅広通路部44の上部の通路幅は、上通路部43の下部との間に段差が生じることがないように球Bの直径寸法よりも1.2倍程度に大きく形成されている。また、幅広通路部44の下部の通路幅は、絞り通路部45の上部との間の段差が生じることがないように球Bの直径寸法よりも1.3倍程度に大きく形成されている。
【0020】また、幅広通路部44の下部に連続して形成された絞り通路部45は、幅広通路部44の横方向の変位量と略同じ程度の横方向の変位量の範囲において略S字状に屈曲された形状に形成されてるとともに上部から下部に向けてしだいに通路幅が縮小されている。そして、絞り通路部45の上部の通路幅は、幅広通路部44の下部との間に段差が生じることがないように球Bの直径寸法よりも1.3倍程度に大きく形成されている。また、絞り通路部45の下部は略鉛直状をなしかつその下端開口部の通路幅W3は球Bの直径寸法よりも1.05倍程度で僅かに大きく形成されている。
【0021】図5と図8に示すように、前後2列の絞り通路部45の下端開口部の直下に隣接してそれぞれ設けられた前後2列の供給口46のそれぞれの両側部には、回転体82に向けて球Bを案内する球案内位置と、回転体82の外周面からから遠ざかる退避位置とに変位可能な前後各一対の可動案内部材60がそれぞれ装着されている。この実施の形態において、図8に示すように、前後各一対の可動案内部材60は、その一端部寄りにおいて軸61を中心としてそれぞれ個別に回動可能に、第1、第2通路構成部材33、34の基板部の所定位置にそれぞれ取り付けられている。そして、一対の可動案内部材60の他端側(相対する先端側)には、球Bの直径寸法よりも1.05倍程度で僅かに大きい間隔寸法W4を隔てて対向し球Bを回転体82に向けて案内するための案内部62が形成されている。また、一対の可動案内部材60の案内部62は、軸61と略同一中心をなす円弧面に形成されている。
【0022】また、図8に示すように、前後各一対の可動案内部材60は、その所定位置に形成されたストッパ部64と、第1、第2通路構成部材33、34の基板部の所定位置にそれぞれ形成された規制孔65によってその回動範囲(回動角度)が規制されている。すなわち、前後各一対の可動案内部材60は、規制孔65の一側縁にストッパ部64が当接する球案内位置と、規制孔65の他側縁にストッパ部64が当接する退避位置との範囲において軸61を中心としてそれぞれ回動可能となっている。また、前後各一対の可動案内部材60は、弾性体66の弾発力によって球案内位置に配置保持され、所定値以上の荷重が作用したときには、弾性体66を弾性変形させながら前記退避位置に向けて変位するように構成されている。
【0023】この実施の形態において、一対の可動案内部材60の所定位置には、その各ストッパ部64の近傍においてバネ掛け部がそれぞれ形成され、これら両バネ掛け部に跨ってコイルスプリングよりなる弾性体66の両端部が掛け止めされて張設されている。そして、一対の可動案内部材60は、共通の弾性体66の弾発力をそれぞれ受けて球案内位置に配置保持される一方、一対の可動案内部材60のうち、片側の可動案内部材60に対してのみ所定値以上の荷重が作用したときでも、その片側の可動案内部材60のみが弾性体66の弾発力に抗して、退避位置に向けて変位するように構成されている。また、一対の可動案内部材60の下側面には、球Bを押し下げる押下面63が略湾曲状に形成されている。
【0024】図2、図8及び図11に示すように、前後2列の供給口46の直下に位置する回転体配設部には、各供給口46の球Bを受けて払い出す前後2列のスプロケット部83、87を有する回転体82が正逆方向に回転可能に配設されている。そして、回転体82の一方向(図8に向かって反時計回り方向)の回転動作によって遊技盤の各種入賞口に入ったときの賞球数に対応する数の球Bを払い出すとともに、反対方向の回転動作によって、貸球機(図示しない)から送られる貸球数に対応する数の球Bを払い出すようになっている。すなわち、図2と図11に示すように、回転体82には、前側の供給口46に対応するスプロケット部83と、後側の供給口46に対応するスプロケット部87とを同一中心線上に一体状に備えている。また、前側のスプロケット部83の前端面中心部には、第1通路構成部材33の基板部の所定位置に設けられたボス部に装着された軸95が挿通され、後側のスプロケット部87の後端面中心部に突設された連結部には、払出用モータ80の出力軸81がトルク伝達可能に嵌挿される連結孔が形成されている。そして、回転体82は払出用モータ80を駆動源として正逆方向に回転駆動されるようになっている。
【0025】また、この実施の形態において、図11に示すように、前側のスプロケット部83の外周には、複数(例えば3個)の凹円弧の球受部84が所定の間隔(例えば、3個の場合120度間隔)を保って凹設されている。そして、各球受部84は、その両肩部のうち、一方を第1払出部85とし、他方を第2払出部86としている。また、後側のスプロケット部87の外周には、前側のスプロケット部83の球受部84に対し半ピッチ分(例えば、3個の場合60度)だけそれぞれ位相して複数(例えば3個)の凹円弧の球受部88が凹設され、各球受部88の両肩部のうち、一方を第1払出部89とし、他方を第2払出部90としている。
【0026】また、この実施の形態において、図2に示すように、払出用モータ80の出力軸81の外周には、被検出部材100がトルク伝達可能に取り付けられており、この被検出部材100の外周面に形成されたリング部101には、前後2列の両スプロケット部83の球受け部84、88の合計の数に対応する数(例えば6個)のスリットあるいは孔等よりなる被検出部がそれぞれ設けられ、これら被検出部を検出する払出数検出器105が第3通路構成部材35の基板部の後側部に装着されている。そして、賞球、あるいは貸球の払出個数に対応して被検出部材100の被検出部が払出数検出器105によって検出されるようになっている。
【0027】また、払出用モータ80は、ユニットケース32の後側に設置されたモータ用保護ケース110内に収納された状態でそのユニットケース32に固定されている。そして、払出用モータ80は遊技機1の所定位置に配設された主制御基板または枠制御基板(共に図示しない)から送られる賞球払出信号に基づいて回転制御されるとともに、遊技機1の片側に設置された貸球機(図示しない)から送られる貸球払出信号に基づいて回転制御されるようになっている。また、この実施の形態において、図2と図4に示すように、第3通路構成部材35の後面の略下半部の四周縁に突設された台枠部に保護ケース110が装着されている。この保護ケース110は、払出用モータ80がビス等によって固定されるベース部111と、そのベース部111に開閉可能に装着されたカバー体120とを備えている。
【0028】また、ベース部111は、アルミ、銅、ステンレス、鉄等の吸熱並びに放熱性に優れた金属板よりなり、払出用モータ80を固定する取付板部112と、その取付板部112の両側部から後方に向けて略直角状に折り曲げられて形成された側板部113とを備えている。そして、ベース部111は、その取付板部112の所定位置において、ビス等によってユニットケース32の後側に取り付けられ、その取付板部112の後面の取付面に払出用モータ80がビス等によって固定されている。なお、払出用モータ80の出力軸81は、取付板部112を貫通して回転体82の後側のスプロケット部87の連結部にトルク伝達可能に嵌挿されるようになっている(図2参照)。
【0029】また、この実施の形態において、図2と図8に示すように、前後2列の賞球用通路72の所定位置には、その通路に払い出された球Bを検出する賞球用検出器75が配設され、前後2列の貸球用通路73の所定位置には、その通路に払い出された球Bを検出する貸球用検出器76が配設されている。賞球用検出器75による球Bの検出信号は、主制御基板と枠制御基板にそれぞれ送られ、貸球用検出器76による球Bの検出信号は、球貸機と枠制御基板にそれぞれ送られるようになっている。そして、賞球数あるいは貸球数に対応する数の球Bに対し、賞球用検出器75あるいは貸球用検出器76において検出される検出個数が不足している場合(例えば、球タンク11、タンクレール12等において球Bの供給不良が発生したとき球Bの払い出し個数に不足が生じる)、その不足に相当する信号が払出用モータ80に送られ、これによって、回転体82が不足数に対応する分だけ回転し、所要とする数の球Bが不足なく正確に払い出されるようになっている。また、賞球用通路72と貸球用通路73とはその各下流に連通して設けられた本体側払出通路14において合流する(図1参照)。
【0030】また、この実施の形態において、図6に示すように、ユニットケース32内には、前後2列の球通路40の球Bの有無を検出するための検出器130が設けられている。この検出器130は、板バネ状の作動板131を有し、その作動板131が検出保護片135によって保護された状態で前後2列の球通路40に臨んでいる。すなわち、前後2列の球通路40の通路壁41の上部には切り欠き状の開口孔が形成され、その開口孔に臨んで検出保護片135がその上部の軸136を支点として揺動可能に組み付けられている。そして、球通路40の上部に球Bがあるときにはその球Bの荷重を受けて検出保護片135が通路壁41の内壁面と略同一面をなす後退位置に配置され、これによって作動板131が後退されることで球Bの存在が検出される。また、球通路40の上部に球Bが存在しないときには、作動板131が球通路40内に向けて変位し、これによって球通路40の上部に球Bが存在しないことが検出されるようになっている。その際、作動板131の変位によって検出保護片135が軸136を中心として球通路40内に向けて突出する。
【0031】この実施の形態に係る遊技機1は上述したように構成される。したがって、遊技に先だって、あるいは、遊技の際において、球タンク11からタンクレール12の前後2列の球送り通路13を経て、その球送出部から送られる球Bは、前後2列の球通路40の補充口からその球通路40の上通路部43、幅広通路部44及び絞り通路部45を順に流れ、絞り通路部45下端の供給口46を経て回転体82の前後2列のスプロケット部83、87上にそれぞれ流れる。そして、前後2列のスプロケット部83、87において、例えば、前側のスプロケット部83の外周面と、後側のスプロケット部87の球受部88上に球Bがそれぞれ供給される(図8参照)。
【0032】ここで、遊技機1の前側の所定位置に配設された球貸しスイッチ(図示しない)が作動されると、その信号が枠制御基板に送られる。また、前記球貸しスイッチの作動に基づく信号が遊技機1の片側に設置された貸球機(図示しない)に送られ、その貸球機から発せられる貸球数に対応する数の信号が枠制御基板に送られる。これに基づいて枠制御基板から発せられる払出信号によって払出用モータ80が回転制御される。すると、払出用モータ80によって、回転体82が一方向(例えば、図9に向かって時計回り方向)にかつ貸球数に対応する回転数あるいは回転角度だけ回転する。回転体82の所定方向の回転によって、その前後2列のスプロケット部83、87の各球受部84、88に球Bが順次に受けられ、引き続いて球受部84、88の回転方向後側の第1払出部85、89に押されかつ球Bの自重も加わって前後2列の貸球用通路73にそれぞれ払い出される。前後2列の貸球用通路73にそれぞれ払い出された球Bは、前後2列の本体側払出通路14にそれぞれ流れた後、前後2列の本体側払出通路14を経て上皿用球通路16に流れ上皿に払い出される。
【0033】また、遊技の際、遊技盤11の遊技領域に発射された球Bが入賞口に流入し検出器によって検出されると、その信号が主制御基板に送られる。そして、主制御基板から発せられる賞球数に対応する数の信号が枠制御基板に送られ、これに基づいて枠制御基板から発せられる払出信号によって払出用モータ80が回転制御される。すると、払出用モータ80によって、回転体82が反対方向(図9に向かって反時計回り方向)にかつ賞球数に対応する回転角度だけ回転する。回転体82の反対方向の回転によって、その前後2列のスプロケット部83、87の各球受部84、88に球Bが順次に受けられ、引き続いて球受部84、88の回転方向後側の第2払出部86、90に押されかつ球Bの自重も加わって前後2列の賞球用通路72にそれぞれ払い出される。前後2列の賞球用通路72に払い出された球Bは、前後2列の本体側払出通路14を経て上皿用球通路16に流れ上皿6に払い出される。
【0034】前記したように、球通路40の直下に位置する供給口46に供給された球Bを、回転体82の回転動作によって、その前後2列のスプロケット部83、87の各球受部84、88に受け、これら球Bを前後2列の賞球用通路72あるいは貸球用通路73に払い出す際、供給口46の可動案内部材60と回転体82のスプロケット部83、87の外周面との間に球Bが不測に噛み込もうとすることがある。球Bが噛み込もうとする所定値以上の荷重が可動案内部材60に作用すると、可動案内部材60は、弾性体66の弾発力に抗してかつ弾性体66を弾性変形させながら、その案内部62が回転体82のスプロケット部83(又は87)の外周面から遠ざかる退避位置に向けて軸61を中心として回動し変位する(図10参照)。このため、供給口46の可動案内部材60と回転体82のスプロケット部83、87の外周面との間に球Bが不測に噛み込んで回転体82の回転が停止する、という球噛みによる不具合の発生を防止することができる。
【0035】また、この実施の形態においては、供給口46の両側部に一対の可動案内部材60が球案内位置と、退避位置とに変位可能に設けられ、一対の可動案内部材60の案内部62の間隔寸法W4が球Bの直径寸法よりも1.05倍程度で僅かに大きい間隔寸法に設定されいる。このため、図8に示すように、供給口46に供給された球Bを一対の可動案内部材60の案内部62によって回転体82に向けて良好に案内することができる。また、この実施の形態においては、一対の可動案内部材60の案内部62が、軸61と略同一中心をなす円弧面に形成されている。このため、球案内位置にある可動案内部材60が、軸61を中心として退避位置に向けて回動する際、その案内部62が供給口46の球Bに干渉して可動案内部材60の退避動作が妨げられる不具合が防止される。
【0036】また、この実施の形態においては、一対の可動案内部材60のバネ掛け部に跨って1本のコイルスプリングよりなる弾性体66の両端部が掛け止めされて張設されている。そして、一対の可動案内部材60は、共通の弾性体66の弾発力をそれぞれ受けて球案内位置に配置保持されるようになっている。このため、一対の可動案内部材60に対しそれぞれ別個の弾性体を組み付けて弾発する必要性を解消することができ、弾性体66を共通化した分だけ部品点数や組付工数を軽減してコスト低減を図ることができる。
【0037】なお、この発明は前記実施の形態に限定するものではない。例えば、前記実施の形態においては、球払出装置30が一つのユニット化された球払出装置ユニット31によって構成され、機構板10のユニット装着部に対し着脱可能に装着される場合を例示したが、機構板10の所定位置に球払出装置30の各通路の通路壁を形成したり、各種検出器や通路切換部材、可動案内部材60、回転体82、払出用モータ80等をそれぞれ組み付けて球払出装置30を構成することも可能である。また、前記実施の形態において球払出装置30として、払出用モータ80を駆動源としかつ前後2列のスプロケット部83、87を備えた回転体82を主体として構成される場合を例示したが、球Bを送出する機能を有する回転体を備えた球送出装置であればこの発明を実施することができる。また、球払出装置30の球通路40等は、前後2列以上の複列に設けてもよく、また単列に設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、回転体の回転動作によって球を払い出す際、球通路の供給口の可動案内部材と回転体の外周面との間に球が不測に噛み込もうとする際、可動案内部材が退避位置に向けて変位するため、供給口の可動案内部材と回転体の外周面との間に球が不測に噛み込んで回転体の回転が停止する、という球噛みによる不具合の発生を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000148922
【氏名又は名称】株式会社大一商会
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区鴨付町1丁目22番地
【出願日】 平成14年6月26日(2002.6.26)
【代理人】 【識別番号】100064344
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外2名)
【公開番号】 特開2003−305245(P2003−305245A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−186782(P2002−186782)