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【発明の名称】 スロットマシン
【発明者】 【氏名】宮原 里支
【住所又は居所】大阪市中央区南船場2丁目9番14号 高砂電器産業株式会社内

【要約】 【課題】内部当たり状態の設定にかかる自由度を高めてゲーム展開を多様化し、興趣の高いスロットマシンを提供する。

【解決手段】抽選によりボーナス入賞への内部当たりに当選すると、この当選状態を示すフラグをオンにすることでボーナス入賞への内部当たり状態が設定される。この状態下で保留スイッチ26が操作されると、前記内部当たり状態は保留され、フラグのオン状態が解除される。この保留状態は、解除スイッチ27の操作に応じた任意のタイミングで解除することができ、フラグをオン状態に復帰させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 抽選により内部当たり状態を設定するか否かを決定するとともに、所定の入賞について、この入賞が成立するまで内部当たり状態を維持するようにしたスロットマシンにおいて、前記所定の入賞についての内部当たり状態が設定されている状態下で、遊技者の操作に応じて前記内部当たり状態を保留する保留手段と、所定の条件の成立に応じて前記内部当たり状態の保留を解除する保留解除手段とを具備して成るスロットマシン。
【請求項2】 前記保留手段は、所定のゲームを開始する操作の前に遊技者の保留操作を受け付けるように設定されて成る請求項1に記載されたスロットマシン。
【請求項3】 前記保留手段は、内部当たり状態が保留されている状態下において、新たに設定された内部当たり状態を追加して保留することが可能に設定されて成る請求項1または2に記載されたスロットマシン。
【請求項4】 請求項1〜3に記載されたスロットマシンであって、前記内部当たり状態においてこの内部当たり状態に再当選する可能性のある抽選を実行する特別抽選手段と、前記再当選に応じて複数回分の内部当たり状態を蓄積する内部当たり蓄積手段とを具備し、前記保留手段は、前記内部当たり状態において、前記内部当たり蓄積手段に蓄積された回数を上限として、任意回数分の保留を指定する操作を受け付け、その指定された回数分の内部当たり状態を保留する請求項1〜3のいずれかに記載されたスロットマシン。
【請求項5】 前記解除手段は、遊技者の解除操作に応じて前記保留状態を解除する請求項1に記載されたスロットマシン。
【請求項6】 前記解除手段は、複数回分の内部当たり状態が保留されているとき、その保留回数を上限とする任意回数分の解除を指定する操作を受け付け、指定された回数分の内部当たり状態を解除する請求項5に記載されたスロットマシン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のシンボル列を変動表示させた後に各シンボル列の変動表示を順に停止させ、停止表示されたシンボルの組合せに応じて勝敗を決するようにしたスロットマシンに関するもので、特に、所定の入賞について、抽選によりその入賞を成立させることが決定したとき、この決定結果を入賞が成立するまで維持する機能を持つスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の典型的なスロットマシンでは、機体前面の中央部にシンボル表示窓が形成され、その下方に始動レバーや停止釦スイッチなどが配備されている。シンボル表示窓の背後には、3個のリールを具備するリールユニットが配備されており、これらのリールを回転させることによってシンボル表示窓内でシンボルが変動表示される。また前記シンボル表示窓の表面には、水平方向に3本,斜め方向に2本の入賞ラインが描かれており、各リールが停止した時に、各入賞ライン上に、それぞれリール毎の3駒分のシンボルが整列するように、各リールのシンボルの数および間隔が定められている。
【0003】ここですべてのリールが停止したときに、有効な入賞ライン上に所定のシンボルが成立すると、入賞となり、所定数のメダルが特典として払い出される。また特定のシンボルによる入賞が成立すると、メダル払出の後に、「ボーナスゲーム」と呼ばれる入賞確率の高いゲームを実行できるゲームモードに移行して、遊技者に多数の特典が付与される。一般に、このボーナスゲームのモードとして、レギュラーボーナス,ビッグボーナスなどの複数種のモードが設定されており、各モードにそれぞれ1〜複数のシンボル組合せによる入賞が対応づけられている。
【0004】従来のスロットマシンでは、入賞を成立させるか否かを抽選により決定している。この抽選により所定の入賞を成立させることが決定した状態は、「内部当たり」と呼ばれる。この内部当たりに当選すると、当選した入賞に応じたシンボルが有効な入賞ライン上に停止するように、各リールの停止動作が制御されることになる。(この明細書では、上記の制御状態を「内部当たり状態」と呼ぶ。)
特に、前記したボーナスゲーム用の入賞(以下、「ボーナス入賞」という。)の内部当たり状態が設定されたときには、このボーナス入賞が成立するまで内部当たり状態を維持するようにしている。
【0005】さらに近年のスロットマシンには、ボーナス入賞の内部当たり状態が維持されている場合に、再度、同じ内部当たりに当選する可能性のある抽選を実施し、この抽選で再度ボーナス入賞の内部当たりに当選すると、この内部当たり状態を前回の当選に続けて蓄積するようにしたものがある(特開2000−210413号公報)。このような構成によれば、1回目の内部当たり状態下でボーナス入賞が成立して、一連のボーナスゲームが実行された後、つぎの内部当たり状態が設定されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のスロットマシンでは、ボーナス入賞の内部当たり状態が設定されると、音声やランプの点灯などにより遊技者に告知がなされるが、設定された内部当たり状態を繰り延べて、所定時間後に内部当たり状態に復帰するなど、遊技者の希望に応じたゲーム展開を設定することは不可能である。特に、上記のように複数回分の内部当たり状態を蓄積できる場合には、遊技者からは、内部当たり状態を連続的に設定せずに、所望の時間を置いて設定したい、という要望が出る可能性がある。
【0007】この発明は上記問題点に着目してなされたもので、抽選によりボーナス入賞のような特典の大きな入賞の内部当たりに当選した場合に、遊技者の要望に応じて、内部当たり状態を所定時間繰り延べて設定できるようにすることにより、内部当たり状態の設定にかかる自由度を高めてゲーム展開を多様化し、興趣の高いスロットマシンを提供することを目的とする。
【0008】またこの発明は、複数回分の内部当たり状態を順に設定できる状態にあるときに、遊技者の要望に応じた回数分の内部当たり状態を繰り延べて設定できるようにすることにより、内部当たり状態の設定にかかる自由度をさらに高めることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数のシンボル列を移動させてシンボルを変動表示した後に各シンボル列を順に停止させて、所定数の入賞ラインにそれぞれ各シンボル列のシンボルを整列させて勝敗を決するスロットマシンに適用される。
【0010】シンボル列は、たとえばリールの外周面に配備されるもので、このリールをシンボル表示窓の背後に駆動源となるモータとともに配備し、リールを回転させることによって、前記シンボル表示窓内でのシンボルの変動表示を実現することができる。ただし、シンボルを表示するための構成は上記に限らず、CRTや液晶パネルなどの表示画面上でシンボル列をスクロール表示してもよい。またリールに代えて、表面にシンボル列が配備された帯状体の両端部を繋いだものを使用するようにしてもよい。
【0011】この発明にかかるスロットマシンは、抽選により内部当たり状態を設定するか否かを決定するとともに、所定の入賞について、この入賞が成立するまで内部当たり状態を維持するように設定されており、前記所定の入賞についての内部当たり状態が設定されている状態下で、遊技者の操作に応じて前記内部当たり状態を保留する保留手段と、所定の条件の成立に応じて前記保留状態を解除し、前記内部当たり状態に復帰する保留解除手段とを具備するものである。
【0012】前記「内部当たり」は、フラグのような識別用のデータにより示すことができる。すなわち各種入賞毎に個別のフラグを設け、所定のフラグをオンにセットすることによって、当選した内部当たりの種類を示すことができる。内部当たり状態が設定されると、シンボルの変動表示を停止させる際に、前記内部当たりになった入賞に応じたシンボルを入賞ライン上に引き込んで停止させる制御が実行される。ただし、この停止制御では、遊技者の停止操作から所定時間以内にシンボルの変動表示を停止させる都合上、必ずしも前記内部当たりに対応するシンボルを入賞ライン上に停止できる訳ではない。通常の入賞では、このように停止制御に失敗してゲーム結果が「はずれ」となると、内部当たり状態は解除される。これに対し、前記所定の入賞への内部当たり状態が設定されると、この入賞が成立するまで、前記入賞にかかるシンボルを引き込み対象とする停止制御が実行されることになる。
【0013】なお、内部当たり状態が維持される「所定の入賞」とは、前記したBB入賞やRB入賞のように、特別のゲームモードへの移行を伴う特別入賞や、高い特典が付与される入賞であるのが望ましい。
【0014】内部当たり状態の保留を指示する遊技者の操作は、内部当たり状態が設定された直後に行うこともできるが、これに限らず、内部当たり状態下で所定数のゲームを実行した後に行うこともできる。またこの操作は、ゲームが終了してつぎのゲームが開始される前に行うのが望ましいが、これに限らず、たとえば、ゲームが開始されてから最初の停止操作が行われるまでの間に、保留を指示する操作を受け付けることもできる。
【0015】また内部当たり状態の保留状態は、遊技者による解除操作が行われたことに応じて解除するのが望ましいが、解除の条件は、これに限定されるものではない。たとえば、所定数のゲームが実行されたことや、保留操作から所定時間が経過したことを条件として、保留状態を自動的に解除するようにしてもよい。また保留後、あらかじめ定められた特定のシンボル組合せ(入賞以外の組合せでもよい。)が成立したことを条件とするなど、遊技者の予測できないタイミングで保留状態を解除すれば、ゲーム性の高いスロットマシンを提供することができる。
【0016】上記構成のスロットマシンによれば、抽選により所定の入賞に当選した場合には、遊技者の要望に応じて内部当たり状態を繰り延べることができるので、内部当たり状態の設定にかかる自由度を高めてゲーム展開を多様化することができ、スロットマシンの興趣を高めることができる。
【0017】上記構成のスロットマシンの好ましい態様では、前記保留手段は、所定のゲームを開始する操作の前に遊技者の保留操作を受け付けるように設定される。なお、このように構成する場合には、内部当たり状態が設定されたことを告知する手段(効果音出力手段,照明手段,所定の告知情報の表示手段など)を設けるのが望ましい。このようにすれば、遊技者は、内部当たり状態が設定されたことを確認した後に、保留操作を行うことができる。
【0018】上記態様のスロットマシンは、少なくとも内部当たり状態への当選を得たゲームが終了してから、保留操作を受け付けることが可能となる。ただし、保留操作は、前記入賞への当選を得たゲームが終了した直後のみならず、内部当たり状態が設定されたゲームが所定回数実行された後に行うことも可能である。
【0019】また上記構成のスロットマシンにおいては、前記保留手段を、内部当たり状態が保留されている状態下において、新たに設定された内部当たり状態を追加して保留するように構成することができる。より具体的に言えば、内部当たり状態が保留されて通常のゲームが実行されている間に、再度、前記所定の入賞の内部当たり状態に当選したとき、保留操作を受け付けて、前回の保留に追加して保留することができる。なお、新たな内部当たり状態に対して保留操作が行われない場合には、この新たな内部当たり状態が保留された内部当たり状態に先行して実行されることになる。この構成によれば、複数回分の内部当たり状態を保留することが可能となるから、遊技者に、保留された内部当たり状態を解除することによって大きな特典を得ることができるという楽しみを持たせることができ、興趣を高めることができる。
【0020】さらに好ましい態様のスロットマシンには、前記内部当たり状態においてこの内部当たり状態に再当選する可能性のある抽選を実行する特別抽選手段と、前記再当選に応じて複数回分の内部当たり状態を蓄積する内部当たり蓄積手段とが設けられる。また前記保留手段は、前記内部当たり制御手段において、前記内部当たり蓄積手段に蓄積された回数を上限として、任意回数分の保留を指定する操作を受け付け、その指定された回数分の内部当たり状態を保留するように構成される。
【0021】上記構成によれば、蓄積された複数回分の内部当たり状態を順次設定できる状態下にあるときに、遊技者の要望に応じて任意回数分の内部当たり状態を保留することが可能となる。したがって複数回分の内部当たり状態を順に設定するだけの従来の機種と比較すると、内部当たり状態の設定の自由度を大きくすることができ、興趣をより一層高めることができる。
【0022】さらに好ましい態様のスロットマシンでは、前記解除手段は、遊技者の解除操作に応じて前記保留状態を解除するように構成される。この構成によれば、遊技者の要望に応じて内部当たり状態を保留した場合に、その保留状態を遊技者の要望に応じたタイミングで行うことができるので、遊技者が所望する時期まで内部当たり状態を繰り延べることができる。したがって内部当たり状態の設定を遊技者の意図に応じて行うことができ、遊技者へのサービスを高めることができる。
【0023】さらに前記解除手段は、複数回分の内部当たり状態が保留されているとき、保留回数を上限とする任意回数分の解除を指定する操作を受け付け、指定された回数分の内部当たり状態を解除するように構成することができる。この構成によれば、保留された複数回分の内部当たり状態を個別に解除したり、これらの内部当たり状態を一斉に解除するなど、遊技者に解除の態様を自由に選択させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施例にかかるスロットマシンの外観を、図2はその機体本体部の内部構造を示す。図示例のスロットマシン1は、前面開口の機体本体部2の開口部に扉部3を組み付けて成る。機体本体部2の上段位置にはリールブロック4や制御基板5などが配備され、下段位置には、ホッパー6aを備えたメダル払出機6が組み込まれる。
【0025】前記リールブロック4は、金属製のフレーム7に3個のリール8a,8b,8cが組み付けられて成る。各リール8a,8b,8cは、リール枠の外周面に複数のシンボルが配列された帯状テープを貼設して成るもので、駆動源となるステッピングモータ9a,9b,9cとともに前記リールブロック4に取り付けられる。
【0026】一方、扉部3には、3枚のパネル11,12,13が組み付けられている。これらのパネル11,12,13は、透明な合成樹脂板または強化ガラスの表面にシルクスクリーン印刷を施して形成されたもので、各所に電飾用のランプやLED(図示せず。)が配備されている。
【0027】特に正面パネル11は、ゲームの進行状態を表示するエリアとして使用される。この正面パネル11の中央部には、図3に示すように、無着色で透明のシンボル表示窓20が形成されるほか、このシンボル表示窓20の周囲に、貯留枚数表示器21,払出枚数表示器22,内部当たり状態表示器23などの表示器が配備される。
【0028】前記シンボル表示窓20の背後位置には、前記リール8a,8b,8cが外周面をシンボル表示窓20に向けて配置されている。シンボル表示窓20は、横方向の長さが、3個のリール8a,8b,8cが外部から見えるように、また縦方向の長さが、リールの停止時に3駒分のシンボルSが外部から見えるように、横に長い矩形状に形成される。さらにシンボル表示窓20の表面には、各シンボルの停止表示位置を結ぶように、水平方向に3本、斜め方向に2本、計5本の入賞ラインL1〜L5が描かれている。これら入賞ラインL1〜L5は、メダルの投入枚数に応じて有効化されるもので、投入メダルが1枚のときは中央の入賞ラインL1が、投入メダルが2枚のときは3本の水平な入賞ラインL1〜L3が、投入メダルが3枚のときはすべての入賞ラインL1〜L5が、それぞれ有効化される。
【0029】正面パネル11と下部パネル13との間には、遊技のためのメダルを受け付けるメダル投入口16,各リール8a,8b,8cを一斉に回転させるための始動レバー14,各リール8a,8b,8cを個別に停止させるための停止釦スイッチ15a,15b,15cのほか、3個のベット釦スイッチ17,18,19,精算スイッチ24,切替スイッチ25,保留スイッチ26,解除スイッチ27などのスイッチが配備される。さらに下部パネル13の下方には、メダル払出口28,メダル受け皿29などが設けられる。
【0030】前記ベット釦スイッチ17,18,19は、実物のメダルを投入する代わりに、電子データ形式で貯留されたメダルを引き落としてゲームに賭ける場合に使用されるもので、各ベット釦スイッチ17,18,19の操作により、それぞれ3枚、2枚、1枚のメダルが引き落としされる。精算スイッチ24は、貯留メダルを精算して、貯留数分のメダルをメダル払出口28より払い出しさせるためのものである。また切替スイッチ25は、前記メダル投入口16からメダルを投入してゲームを実行するモード(マニュアルモード)と前記した貯留メダルによるゲームを実行するモード(クレジットモード)とを切り替えるために使用される。
【0031】前記貯留枚数表示器21および払出枚数表示器22は、LEDなどによる数値表示器であり、貯留枚数表示器21には、クレジットモード時のメダルの貯留枚数が、前記払出枚数表示器22には、ゲームにより入賞が成立したときに報賞として払い出されるメダルの枚数が、それぞれ表示される。
【0032】保留スイッチ26は、詳細は後記するが、機体がボーナス入賞の内部当たり状態になったとき、この内部当たり状態の保留を指示するためのものである。解除スイッチ27は、前記内部当たり状態の保留を解除して、機体を内部当たり状態に復帰させるためのものである。なお、この実施例では、ゲームの開始操作がある前に、これら保留スイッチ26および解除スイッチ27の操作が行われたときに、その操作を有効化するようにしているが、これに限らず、ゲーム中にも、所定のタイミングでこれらのスイッチの操作を受け付けることができる。たとえば各リール8a,8b,8cが始動してから最初のリール停止操作が行われるまでの間に、保留スイッチ26や解除スイッチ27の操作を受け付けるようにしてもよい。
【0033】前記内部当たり状態表示器23は、液晶表示器であり、後記する抽選によりボーナス入賞の内部当たりに当選したとき、その当選を告知する情報を表示するほか、前記内部当たり状態の保留回数や解除された回数などを示す情報(以下「保留情報」と呼ぶ。)を表示するように設定される。
【0034】図4は、前記スロットマシン1の電気的構成を示す。図中、30は、このスロットマシン1の制御部であり、制御主体となるCPU31のほか、ROM32,RAM33の各メモリや、前記抽選に用いられる乱数発生器34などが含まれる。なお、ROM32には、プログラムのほかに、各リール8a,8b,8cのシンボル配列を示すシンボル配列テーブルや、各種入賞を乱数と対応づけた抽選テーブルなどが格納される。
【0035】前記制御部30には、バス37を介して各種入出力部が接続される。入力部としては、前記した機体前面の各種スイッチ(始動レバー14を含む。)のほか、メダル投入口16への投入メダルを検出するためのメダル検知センサ35などが接続される。また出力部としては、前記リールユニット4の各ステッピングモータ9a,9b,9cを駆動するリール駆動部36a,36b,36c,メダル払出機6,貯留枚数表示器21,払出枚数表示器22,内部当たり状態表示器23などが接続される。
【0036】上記構成のスロットマシン1において、CPU31は、前記メダル検知センサ35またはいずれかのベット釦スイッチ17,18,19からの信号に応じて所定数の入賞ラインを有効化する。さらに始動レバー14からの操作信号を受けると、CPU31は、前記乱数発生器34やROM32内の抽選テーブルを用いて抽選を実施した後、各リール8a,8b,8cを一斉に始動させる。さらにこのスロットマシン1では、以後の停止操作に応じて各リール8a,8b,8cを停止させる際に、有効な入賞ラインに所定のシンボルを引き込んで停止させる引き込み制御を実行する。
【0037】前記の抽選用の抽選テーブルには、各種入賞について、それぞれその内部当たりに当選する可能性が設定されている。この「内部当たり」に当選すると、前記したリールの引き込み制御において、当選した内部当たりに対応するシンボルを引き込み対象とする制御状態が設定される。この状態が「内部当たり状態」である。
【0038】この内部当たり状態の設定のために、CPU31には各種入賞毎に個別のフラグが設定されており、いずれかの入賞の内部当たりに当選すると、対応するフラグをオンにすることで、引き込み対象のシンボルを判別するようにしている。なお、このように各入賞の内部当たり状態は個別のフラグにより示されるので、以後は、抽選により内部当たりに当選したことを「フラグに当選」したと、言い換えることにする。
【0039】前記の引き込み制御では、目的とするシンボルが有効な入賞ライン上に到達するまでリールを滑らせて停止させるが、このリールを滑らせることができる時間には制限が設けられている。したがって抽選で所定の入賞用のフラグに当選しても、必ずしも実際の入賞を成立させることはできない。ただし、ボーナス入賞については、入賞が成立するまでフラグのオン状態を持ち越すことにより、フラグへの当選状態を維持するようにしている。ここまでの設定は、従来のスロットマシンと同様である。
【0040】さらにこの実施例のスロットマシン1は、ボーナス入賞用のフラグに当選している場合には、前記保留スイッチ26の操作に応じて前記フラグへの当選を保留する一方、解除スイッチ27の操作に応じて前記フラグへの当選保留を解除し、前記フラグをオン状態に復帰させるようにしている。
【0041】図5および図6は、上記スロットマシン1におけるゲーム制御の詳細な手順であり、以下、この流れに沿って、一連の制御を説明する。なお、図中および以下の説明では、各処理のステップを「ST」として示す。またボーナス入賞には、前記したように、BB入賞とRB入賞とがあり、それぞれの入賞に内部当たり用のフラグが個別に設定されるが、以下では説明を簡単にするために、BB入賞に対する処理のみを示す。また図中のNsは前記したBBフラグへの当選の保留回数、Nrはその解除回数であって、いずれも初期値は0に設定される。
【0042】ST1〜3では、遊技者の操作に待機する。ここで実行された操作が、ベット操作,保留操作,解除操作のいずれかであれば、その操作は有効となり、以下の処理に進む。なお、ここでいうベット操作とは、ゲームのための賭けメダルを設定する操作であり、ベット釦スイッチ17,18,19の操作のほか、メダル投入口16からのメダル投入操作も含む。
【0043】まずベット操作が行われると、ST1が「YES」となってST4に進み、始動レバー14の操作に待機する。ここで始動レバー14が操作されると、ST4が「YES」となってST5に進み、BB入賞の内部当たり用フラグ(以下、「BBフラグ」と呼ぶ。)への当選状態が持ち越されているかどうかをチェックする。
【0044】ここでBBフラグがオフであれば、ST5は「NO」となり、つぎのST6で前記した抽選が実行される。この抽選においてBBフラグに当選すると、ST7からST8に進んでBBフラグをオンにする。さらにつぎのST9で、前記内部当たり状態表示器23に、BBフラグに当選したことを示す告知情報を表示した後、ST10において、各リール8a,8b,8cを一斉に始動する。
【0045】一方、BBフラグに当選しなかった場合は、ST8,9の処理をスキップしてST10に進み、各リール8a,8b,8cを始動する。なお、ここには図示していないが、前記抽選により一般入賞用のフラグに当選した場合には、その当選に対応するフラグをセットしてからST10に進むことになる。
【0046】この後、最初の停止操作が行われると、ST11が「YES」となってST12に進む。ST12では、停止釦スイッチ15a,15b,15cの操作に応じて、対応するリールを前記引き込み制御により停止させる。なお、このST12では、一般入賞用のフラグがオンであれば、そのフラグに対応するシンボルを引き込み対象とするが、BBフラグがオンである場合には、BB入賞用のシンボルを引き込まないような制御が実行される。すなわちBBフラグへの当選を得たゲームでは、BB入賞を成立しないような制御がなされることになる。
【0047】上記のリール停止制御によりすべてのリール8a,8b,8cが停止すると、つぎのST13では、入賞が成立したかどうかをチェックする。ここで所定の入賞が成立すると、ST13が「YES」となってST14に進み、前記メダル払出機6から所定数のメダルを払い出したり、前記フラグのオン状態を解除するなどの入賞処理を実行する。
【0048】つぎに、前回のゲームからBBフラグへの当選状態が持ち越され、つぎのゲーム開始のためのベット操作や始動操作がなされた場合には、ST1,4の「YES」判定に続き、ST5が「YES」となる。この場合には、ST15に進んで各リール8a,8b,8cを始動した後、最初の停止操作に応じてST16からST17のリール停止制御に進む。なお、ここでは図示しないが、このようにBBフラグが持ち越されている場合には、リールを始動する前に、一般入賞の内部当たりのみを対象とした抽選を実行する。
【0049】前記ST17のリール停止制御は、前記BB入賞用のシンボルを引き込み対象とするもので、すべてのリール8a,8b,8cにおいて、このシンボルを前記した制限時間内に引き込みできる回転位置で停止操作が行われた場合には、BB入賞が成立することになる。この場合には、ST18が「YES」となってST19に進み、前記内部当たり状態表示器23の告知情報を消去した後、ST20において、ビッグボーナスゲーム用の処理(以下、「BBゲーム処理」という。)を実行する。
【0050】このようにして一連のビッグボーナスの手順が実行されると、つぎのST21では、BBフラグの解除回数Nrが0より大きいかどうかをチェックする。この解除回数Nrは、後記するように、前記解除スイッチ27の操作によってBBフラグの保留が解除されたときにインクリメントされるから、上記したように前回のゲームからBBフラグが持ち越され、BB入賞が成立した場合には、Nr=0となる。よってこのST21の判定は「NO」となってST23に進み、BBフラグをオフに解除してST1に戻る。なお、BB入賞が成立しなかった場合には、ST18からST13に移行し、成立したシンボル組合せに応じて、入賞または外れの処理を実行する。
【0051】つぎにベット操作に先立ち、保留スイッチ26が操作された場合には、ST2が「YES」となってST24に進む。ST24では、BBフラグがオンであるかどうかをチェックし、もしオフであれば、ST1に戻ることによって、前記保留スイッチ26の操作を無効化する。
【0052】BBフラグがオンの状態下で保留スイッチ26が操作されると、ST24が「YES」となり、つぎのST25で保留回数Nsをインクリメントした後、さらにST26でBBフラグをオフにする。また前記したように、BBフラグがオンの状態下では、内部当たり状態表示器23に告知情報が表示されているので、つぎのST27において、この告知情報を消去し、代わりに前記ST25で算出した保留回数Nsに基づく保留情報を表示する。
【0053】つぎに解除スイッチ27が操作されると、ST3が「YES」となってST28に進む。このST28では、保留回数Nsが0より大きいかどうかをチェックし、もしNs=0であれば、ST28からST1に戻ることにより、前記解除スイッチ27の操作を無効化する。
【0054】Ns>0の状態下で解除スイッチ27が操作された場合には、ST28が「YES」となってST29に進み、BBフラグがオフであるかどうかをチェックする。この実施例では、BBフラグがオフ状態にあるときのみ、保留されたBBフラグを解除するようにしており、もしBBフラグがオンであれば、ST29からST1に戻ることにより、前記解除スイッチ27の操作を無効化する。
【0055】BBフラグがオフであれば、ST29からST30に進み、前記保留回数Nsをディクリメントする一方で、解除回数Nrをインクリメントする。さらにST31でBBフラグをオンにした後、ST32で、前記内部当たり状態表示器23に、再び告知情報を表示するとともに、前記保留回数Nsや解除回数Nrに基づき、保留情報を更新して表示する。
【0056】このようにしてBBフラグの保留状態が解除された後に、ベット操作や始動操作が行われると、前記ST1,4,5の各処理を実行した後にST15に進み、さらにST16,17の処理を行うことにより、BB入賞用のシンボルを対象とする引き込み制御が行われる。この結果、BB入賞が成立すると、ST18が「YES」となり、ST19で告知情報が消去された後に、ST20のBBゲーム処理が実行される。この後のST21の判定は「YES」となるので、ST22で前記解除回数Nrをディクリメントした後、ST23でBBフラグをオフにし、しかる後にST1に戻る。
【0057】なお、既にBBフラグのオン状態が保留された状態下で、再度、抽選によりBBフラグに当選した場合にも、ST24〜26の手順により、保留操作に応じてBBフラグへの当選状態を保留することができる。この場合、ST27では、加算された保留回数Nsに基づき、保留情報の表示更新処理が行われる。
【0058】上記の手順によれば、BBフラグに当選した状態下であれば、保留スイッチ26の操作に応じて前記BBフラグへの当選状態を保留することができ、また解除スイッチ27の操作に応じて、前記保留状態を解除してBBフラグの当選状態に復帰することができる。よって、BBフラグへの当選状態を遊技者の要望に応じた時期まで繰り延べることができ、前記したBB入賞用のリール停止制御を実行する時期を、遊技者の都合に応じて設定することができる。またBBフラグが保留されている状態下で再度BBフラグに当選した場合には、保留操作に応じて当選状態を追加して保留することができるから、保留された複数回分のBBフラグの解除により得られる特典により、遊技者の期待感を高めることができる。
【0059】なお、図5,6の手順では、BBフラグに当選した状態下では、再度BBフラグに当選することがないようにしているが、これに限らず、BBフラグへの当選状態を複数回分蓄積するようにしてもよい。またゲームの開始前の保留スイッチ26や解除スイッチ27の操作も、1回のみ有効とする必要はなく、これらのスイッチ26,27の連続操作に応じて、複数回分の当選状態を保留または解除することができる。
【0060】つぎの図7,8に示す手順では、BBフラグへの当選状態を蓄積するとともに、この当選状態の保留や解除も、複数回分行うことができるようにしている。なお、この手順では、先の図5,6の手順との混同を避けるため、各処理をST101以降のステップとして示す。またこの手順では、前記解除回数Nrに代えて、蓄積されたBBフラグへの当選回数NBBを設定する。保留回数Ns,当選回数NBBとも、初期値は0である。
【0061】図7でも、ST101〜103において、ベット操作,保留操作,解除操作のいずれかに待機する。まず、ベット操作が行われた場合には、ST101から104に進んで、始動レバー14の操作に待機する。ここで始動レバー14が操作されると、ST105に進んで抽選を実行する。なお、このST105では、BBフラグがオンのときとオフのときとで、使用する抽選テーブルを変更するようにしてもよい。
【0062】前記抽選によりBBフラグに当選すると、ST106が「YES」となり、ST109において、当選回数NBBをインクリメントする。なお、BBフラグがオフの状態下で当選した場合、すなわち初めてBBフラグに当選した場合には、ST107が「YES」となり、ST108でBBフラグをオンに設定した後にST109に進む。
【0063】前記抽選でBBフラグに当選せず、またBBフラグのオン状態の持ち越しや保留の解除もなされていない場合、前記ST106が「NO」となった後、つぎのST110の判定も「NO」となり、以下、ST111〜115において、前記図5のST10〜14と同様の処理が実行される。一方、BBフラグがオン状態であれば、ST110からST116に進む。ST116では、内部当たり状態表示器23に告知情報が既に表示されているかどうかをチェックし、告知情報が表示されていない場合(すなわちNBB=1の場合)には、ST117に進んで告知情報の表示を行う。さらにつぎのST118では、各リール8a,8b,8cを始動した後、ST119,120において、BB入賞用のシンボルを引き込み対象としながら、停止操作に応じて各リール8a,8b,8cを順に停止させる。
【0064】このリール停止制御によりBB入賞が成立すると、ST121が「YES」となり、つぎのST122で、前記当選回数NBBをディクリメントする。このディクリメント後のNBBが0であれば、ST123からST124に進んで、BBフラグをオフにした後、つぎのST125で前記告知情報を消去し、しかる後にST126のBBゲーム処理を実行する。一方、ディクリメント後のNBBが0より大きい場合には、ST124,125の処理をスキップしてST126に進む。この処理によりBBゲーム処理が終了した後も、BBフラグへの当選状態を維持したまま、つぎのゲームを実行することができる。
【0065】ベット操作の前に保留スイッチ26が操作された場合には、ST102が「YES」となってST127に進み、前記当選回数NBBをチェックする。ここでNBB=0であれば、ST127の判定は「NO」となり、前記保留スイッチ26の操作は無効化される。
【0066】NBB>0の場合には、ST127の判定は「YES」となり、つぎのST128において、保留回数Nsのインクリメントおよび当選回数NBBのディクリメントを行う。この演算によりNBB=0となると、ST129からST130に進み、BBフラグをオフにする。さらにつぎのST131で、前記内部当たり状態表示器23の告知情報を消去した後、続くST132で、内部当たり状態表示器23に、前記保留回数Nsに基づく保留情報を表示する。なお、NBB>0の場合には、ST128の処理の後に前記ST130,131をスキップしてST132に進み、既に表示されていた保留情報を、前記Ns,NBBの値に応じて更新することになる。
【0067】さらにベット操作の前に複数回の保留操作スイッチ26の操作が行われた場合には、2回目以降の操作に対しても、上記と同様の手順を実行することにより、その操作を有効化して保留回数Nsを追加することができる。ただし最初の保留操作を行う前に設定されていた当選回数NBBを越える回数の保留操作が行われた場合には、ST127が「NO」となり、前記操作は無効化される。
【0068】ベット操作の前に解除スイッチ27が操作された場合には、ST103が「YES」となってST133に進む。このST133で保留回数Nsが0より大きいことが確認されると、ST134に進み、前記保留回数Nsをディクリメントするとともに、当選回数NBBをインクリメントする。
【0069】さらにST135では、BBフラグの値をチェックする。ここでBBフラグがオフの場合、すなわちBBフラグへの当選状態にない状態下で前記解除操作が行われた場合には、ST135が「NO」となり、つぎのST136でBBフラグをオンにした後、ST137において、前記内部当たり状態表示器23に告知情報を表示する。さらにこの後は、ST132に移行し、前記NsやNBBの値に基づき、保留情報を更新して表示する。
【0070】またベット操作の前に複数回の解除スイッチ27が操作された場合、2回目以降の操作に対しても、保留回数Nsが0より大きいことを条件として、その操作を有効化して当選回数NBBを追加することができる。なお、2回目以降の解除操作時には、BBフラグはオンになっているから、ST136,137をスキップしてST132に進み、保留情報の表示を更新する処理のみを実行する。
【0071】上記図7の手順によれば、BBフラグへの当選状態を蓄積する機能を持つスロットマシンにおいて、任意回数分の当選状態を保留したり、解除することが可能となる。またベット操作の前であれば、保留回数や解除回数を何度でも設定しなおすことができる。したがって、蓄積された当選状態を連続的に設定していた従来のスロットマシンと比較すると、内部当たり状態の設定にかかる自由度が高くなり、ゲーム展開を多様化して、興趣を大幅に高めることができる。
【0072】なお、上記各実施例では、保留操作や解除操作のために専用のスイッチを設けたが、これに代えて、既存のスイッチを、保留操作や解除操作用のスイッチとして使用するようにしてもよい。
【0073】また上記各実施例のスロットマシンは、いずれもフラグへの当選状態の保留や解除が可能なゲームモードのみを実行するタイプのものであるが、このゲームモードのほかに保留や解除を行わない従前のゲームモードも組み込み、いずれのゲームモードを実行するかを遊技者に選択させるように構成してもよい。
【0074】
【発明の効果】この発明によれば、所定の入賞について、その入賞が成立するまで内部当たり状態が維持される場合に、この内部当たり状態を繰り延べて設定することができるので、内部当たり状態の設定にかかる自由度を高めてゲーム展開を多様化することができ、興趣の高いスロットマシンを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000169477
【氏名又は名称】高砂電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区南船場2丁目9番14号
【出願日】 平成14年1月31日(2002.1.31)
【代理人】 【識別番号】100078916
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 由充
【公開番号】 特開2003−225363(P2003−225363A)
【公開日】 平成15年8月12日(2003.8.12)
【出願番号】 特願2002−24726(P2002−24726)