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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】久保 和則
【住所又は居所】愛知県名古屋市千種区今池3丁目9番21号 株式会社三洋物産内

【要約】 【課題】パチンコ機等の遊技機において、興趣の飛躍的な向上を図る。

【解決手段】パチンコ機1の遊技盤には、その略中央部において可変表示装置が取着されている。可変表示装置は、液晶表示部と、該液晶表示部を囲むようにして設けられたセンターフレームとを有している。センターフレームの下部にはステージ部材が取着されている。ステージ部材は、上段ステージと下段ステージとを備えている。そして、センターフレームの側部流路から導出される遊技球は、下段ステージへ案内され、当該下段ステージを通って上段ステージへと誘導される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技球が流下可能な遊技領域に、前記遊技球が転動可能な転動遊技領域を有する遊技部材を備えた遊技機であって、前記転動遊技領域上に案内される遊技球が、前記遊技機の正面から見て前記転動遊技領域の手前側に設けられた特定傾斜部によって、前方向への動きが規制されつつ横方向へ転動し、当該遊技球の転動経路の少なくとも一部より高位置にある上段特定転動領域へ、自身の転動に基づいて移動できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】 遊技球が流下可能な遊技領域に、前記遊技球が転動可能な転動遊技領域を有する遊技部材を備えた遊技機であって、前記転動遊技領域に、前記遊技機の正面から見て、横方向へ延在しかつ凹状に湾曲した前記特定転動面と、前記特定転動面の奥側において、当該転動面の少なくとも一部より高位置となる上段特定転動領域とを設けるとともに、前記特定転動面の手前側の少なくとも一部において特定傾斜部を設けることによって、当該転動面の少なくとも一端部近傍へ案内される遊技球が、前方向への動きが規制されつつ前記特定転動面に沿って当該転動面の他端部に向かって転動し、当該他端部から所定の連通路を介して前記上段特定遊技領域へ転動できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【請求項3】 前記遊技球を前記特定転動面の一端部へ案内する少なくとも1つの案内手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】 前記遊技部材は、識別情報を変動表示可能な可変表示装置の周囲を囲むセンターフレームによって構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、遊技機の一種として、遊技盤に、遊技球の転動を許容するステージ等の転動遊技領域を有する中央装置等を備えたパチンコ機が知られている。
【0003】このようなパチンコ機では、中央装置の下方や転動遊技領域内等に作動口等が設けられており、遊技球が作動口に入賞することに基づき、各種遊技状態、例えば遊技者に有利な大当たり状態等が導出される。
【0004】転動遊技領域に案内される遊技球は、しばらく転動遊技領域上で転動した後、遊技球の転動の仕方によっては、作動口等へ入賞したりする。従って、遊技者は、転動遊技領域上における遊技球の挙動に期待感を持って注目する。
【0005】このため、上述したようなパチンコ機の中には、遊技球に所定動作を行わせ、興趣の向上を図ろうとしているものもある。これらのパチンコ機では、遊技球に所定動作を行わせるため、転動遊技領域上にリブ等の仕切部材を突設し、遊技球の動きを規制している。
【0006】しかし、例えば遊技機の正面から見て仕切部材が転動遊技領域の横方向に沿って比較的長く延在するように設けられた場合など、仕切部材が設けられる位置や向き、その区間の長さ等によっては、遊技者に遊技球の動きを見づらくさせてしまうおそれがあった。その結果、遊技球の挙動を楽しむという点においては、遊技者にとっての興趣を阻害してしまうおそれがあった。
【0007】本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、遊技球の動きによって、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
【0009】手段1.遊技球が流下可能な遊技領域に、前記遊技球が転動可能な転動遊技領域を有する遊技部材を備えた遊技機であって、前記転動遊技領域は、前記遊技機の正面から見て、少なくとも横方向へ延在し、かつ、手前側から奥側へ向けて下方へ傾斜する特定傾斜部と、前記特定傾斜部の奥側において、当該傾斜部の少なくとも一区間に沿って延在し、かつ、当該傾斜部の傾斜に基づく遊技球の流下を規制する特定球受部とを備え、前記遊技球が前記特定球受部に沿って転動できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0010】上記手段1によれば、特定傾斜部と特定球受部とを設けることによって、遊技球の動きを規制しつつ、当該遊技球を特定球受部に沿って転動させることができる。従って、遊技者は、特定球受部に沿って横方向へ転動する遊技球の動きを特定傾斜部が設けられた手前側から見ることができる。結果として、遊技球に所定動作を行わせるとともに、その動きの視認性を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0011】手段2.手段1において、前記特定球受部は、前記特定傾斜部に対応する側壁部として構成され、その壁面が略鉛直方向に沿って、又は、略鉛直方向より手前側に傾くように形成されていることを特徴とする遊技機。
【0012】上記手段2によれば、特定球受部が略鉛直方向に沿って、又は、略鉛直方向より手前側に傾くように形成されていることにより、例えば特定球受部が略鉛直方向より奥側へ傾くように構成されている場合に比べ、より確実に特定傾斜部の傾斜に基づく遊技球の流下を規制し、当該遊技球を特定球受部に沿って転動させることができる。
【0013】手段3.遊技球が流下可能な遊技領域に、前記遊技球が転動可能な転動遊技領域を有する遊技部材を備えた遊技機であって、前記転動遊技領域は、前記遊技機の正面から見て、少なくとも横方向へ延在し、かつ、前記遊技球の転動を許容する特定転動面と、前記特定転動面の手前側かつその延在方向の少なくとも一区間において、当該転動面に向けて下方へ傾斜する特定傾斜部と、前記特定転動面の奥側かつその延在方向の少なくとも一区間において、当該転動面に沿って延在する特定側壁部とを備え、前記遊技球が前記特定転動面に沿って転動できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0014】上記手段3によれば、特定転動面の側部に特定傾斜部と特定側壁部とを設けることによって、遊技球の動きを規制しつつ、当該遊技球を横方向へ転動させることができる。従って、遊技者は、特定転動面に沿って横方向へ転動する遊技球の動きを特定傾斜部が設けられた手前側から見ることができる。結果として、遊技球に所定動作を行わせるとともに、その動きの視認性を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0015】手段4.手段3において、前記特定傾斜部及び特定側壁部によって挟まれる前記特定転動面の前後方向の幅は、前記遊技球の直径より狭くなるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【0016】上記手段4によれば、特定転動面の前後方向の幅を遊技球の直径より狭くすることにより、例えば前記幅が遊技球の直径より広くなっている場合に比べて、前記幅方向に対する遊技球の動きの幅が小さくなる。結果として、遊技球の所定方向への進行性が高まり、より確実に遊技球を所定方向へ転動させることができる。
【0017】手段5.手段3又は手段4において、前記特定転動面の延在方向の少なくとも一区間において、前記遊技球が前記特定転動面、前記特定傾斜部及び特定側壁部のいずれか2つ以上に当接するよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0018】上記手段5によれば、遊技球が特定転動面、特定側壁部及び特定傾斜部のいずれか2つ以上に当接するように構成されている。従って、前記特定転動面の前後幅方向における遊技球の動きがより確実に規制される。その結果、遊技球の所定方向への進行性がより高まる。
【0019】手段6.手段3乃至手段5のいずれかにおいて、前記特定傾斜部は、前記特定転動面に向けて、その傾斜角度が徐々に緩やかとなる断面略円弧状に構成されていることを特徴とする遊技機。
【0020】上記手段6によれば、特定傾斜部は、特定転動面に向けて、その傾斜角度が徐々に緩やかになっていくよう断面略円弧状に形成されている。つまり、特定転動面から離れるにつれ、その傾斜角度が徐々に急になっている。これにより、遊技球が特定転動面を外れて特定傾斜部上へ乗り上げていっても、当該傾斜部から外部へ飛び出してしまうようなことは少なくなる。結果として、より確実に遊技球を特定転動面に沿って転動させることができる。なお、前記特定転動面及び特定傾斜部は、その間に境界部ができないよう面一で連続するように構成されていてもよい。
【0021】手段7.手段3乃至手段6のいずれかにおいて、前記特定転動面は、その延在方向の略中央部がその両端部より低位置となる略円弧状に構成されていることを特徴とする遊技機。
【0022】上記手段7によれば、特定転動面が略円弧状に構成されることによって、高低差が形成されている。これにより、遊技球が単に高低差のない平面上を転動する場合に比べて、遊技球の動きに上下方向の変化が加わり、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0023】手段8.手段3乃至手段7のいずれかにおいて、前記遊技球が前記特定転動面の延在方向の少なくとも一端部近傍へ案内されるよう構成するとともに、当該遊技球が前記特定転動面の他端部へ向けて転動するよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0024】上記手段8によれば、特定転動面の一端部近傍に案内される遊技球が、他端部に向かって該転動面のほぼ全域をその延在方向へ転動する。従って、より広範囲を動く遊技球が遊技者に視認される。結果として、転動遊技領域を有効活用し、より躍動感のある遊技球の動きを遊技者に視認させ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0025】手段9.手段8において、前記遊技球が前記特定転動面の両端部に案内されるよう構成し、前記特定転動面は、前記案内される遊技球がそれぞれ他端部へ向かって転動できるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【0026】上記手段9によれば、特定転動面は、相反する両方向へ遊技球を転動させることができるよう構成されている。従って、遊技球の動きが多様化され、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0027】手段10.手段8又は手段9において、前記転動遊技領域は、前記特定転動面の少なくとも一部より高位置となる上段特定遊技領域を備え、前記上段特定転動領域は、前後方向に対して前記特定側壁部の奥側に、かつ、上下方向に対して前記特定側壁部の上端部側に設けられ、前記特定転動面へ前記案内される遊技球が自身の転動に基づいて、前記上段特定転動領域へ移動するように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0028】上記手段10によれば、特定転動面上に案内される遊技球が、当該特定転動面から上段特定遊技領域へと移動する。このような遊技球の動きは、従来のように高位置から低位置へ移動するような遊技球の動きを予想している遊技者にとって、意外性のあるものとなる。結果として、遊技者に意外性のある遊技球の挙動を視認させ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0029】手段11.手段3乃至手段10のいずれかにおいて、前記特定転動面へ前記遊技球を案内する少なくとも1つの案内手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0030】上記手段11によれば、案内手段を設けることによって、遊技球が所定動作を行うためのより良い位置に遊技球を案内することができる。なお、前記案内手段には、前記遊技領域に配設される案内部材や、前記遊技部材に設けられる案内部例えばワープ流路等が含まれる。
【0031】手段12.手段1又は手段2において、前記遊技球が前記特定傾斜部の延在方向の少なくとも一端部近傍へ案内されるよう構成するとともに、当該遊技球が前記特定傾斜部の他端部へ向けて転動するよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0032】上記手段12によれば、特定傾斜部の一端部近傍に案内される遊技球が、他端部に向かってそのほぼ全域を転動する。従って、より広範囲を動く遊技球が遊技者に視認される。結果として、転動遊技領域を有効活用し、より躍動感のある遊技球の動きを遊技者に視認させ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0033】手段13.手段12において、前記遊技球が前記特定傾斜部の両端部に案内されるよう構成し、前記案内される遊技球がそれぞれ前記特定傾斜部の他端部へ向かって転動できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0034】手段13によれば、相反する両方向へ遊技球を転動させることができるよう構成されている。従って、遊技球の動きが多様化され、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0035】手段14.手段12又は手段13において、前記転動遊技領域は、少なくとも前記特定傾斜部の下端部位置より高位置となる上段特定遊技領域を備え、前記上段特定転動領域は、前後方向に対して前記特定球受部の奥側に、かつ、上下方向に対して前記特定球受部の上端部側に設けられ、前記特定転動面へ前記案内される遊技球が自身の転動に基づいて、前記上段特定転動領域へ移動するように構成されていることを特徴とする遊技機。
【0036】上記手段14によれば、特定転動面上に案内される遊技球が、当該特定転動面から上段特定遊技領域へと移動する。このような遊技球の動きは、従来のように高位置から低位置へ移動するような遊技球の動きを予想している遊技者にとって、意外性のあるものとなる。結果として、遊技者に意外性のある遊技球の挙動を視認させ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0037】手段15.手段1、手段2、手段12乃至手段14のいずれかにおいて、前記特定傾斜部へ前記遊技球を案内する少なくとも1つの案内手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0038】上記手段15によれば、案内手段を設けることによって、遊技球が所定動作を行うためのより良い位置に遊技球を案内することができる。なお、前記案内手段には、前記遊技領域に配設される案内部材や、前記遊技部材に設けられる案内部例えばワープ流路等が含まれる。
【0039】手段16.遊技球が流下可能な遊技領域に、前記遊技球が転動可能な転動遊技領域を有する遊技部材を備えた遊技機であって、前記転動遊技領域上に案内される遊技球が、前記遊技機の正面から見て前記転動遊技領域の手前側に設けられた特定傾斜部によって、前方向への動きが規制されつつ横方向へ転動し、当該遊技球の転動経路の少なくとも一部より高位置にある上段特定転動領域へ、自身の転動に基づいて移動できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0040】上記手段16によれば、転動遊技領域上に案内される遊技球が、少なくとも自身の転動に基づいて低位置から高位置へと移動する。このような遊技球の動きは、従来のように高位置から低位置へ移動するような遊技球の動きを予想している遊技者にとって、意外性のあるものとなる。また、特定傾斜面によって遊技球の動きを規制しているため、遊技者にとって遊技球の動きが手前側から見やすくなる。結果として、遊技球に意外性のある動きを行わせるとともに、その動きの視認性を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0041】手段17.遊技球が流下可能な遊技領域に、前記遊技球が転動可能な転動遊技領域を有する遊技部材を備えた遊技機であって、前記転動遊技領域に、前記遊技機の正面から見て、横方向へ延在しかつ凹状に湾曲した前記特定転動面と、前記特定転動面の奥側において、当該転動面の少なくとも一部より高位置となる上段特定転動領域とを設けるとともに、前記特定転動面の手前側の少なくとも一部において特定傾斜部を設けることによって、当該転動面の少なくとも一端部近傍へ案内される遊技球が、前方向への動きが規制されつつ前記特定転動面に沿って当該転動面の他端部に向かって転動し、当該他端部から所定の連通路を介して前記上段特定遊技領域へ転動できるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0042】上記手段17によれば、転動遊技領域上に案内される遊技球が、少なくとも自身の転動に基づいて低位置から高位置へと移動する。このような遊技球の動きは、従来のように高位置から低位置へ移動するような遊技球の動きを予想している遊技者にとって、意外性のあるものとなる。また、特定傾斜面によって遊技球の動きを規制しているため、遊技者にとって遊技球の動きが手前側から見やすくなる。結果として、遊技球に意外性のある動きを行わせるとともに、その動きの視認性を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0043】手段18.手段17において、前記遊技球を前記特定転動面の一端部へ案内する少なくとも1つの案内手段を設けたことを特徴とする遊技機。
【0044】上記手段18によれば、案内手段を設けることによって、遊技球が所定動作を行うためのより良い位置に遊技球を案内することができる。なお、前記案内手段には、前記遊技領域に配設される案内部材や、前記遊技部材に設けられる案内部例えばワープ流路等が含まれる。
【0045】手段19.手段11、手段15、手段18のいずれかにおいて、前記案内手段は、前記遊技部材に設けられ、当該遊技部材の少なくとも一部を介して、前記遊技領域を流下する遊技球を前記誘導路上へと案内する案内部であることを特徴とする遊技機。なお、前記「案内部」には、遊技球が遊技部材の上部、左右側部や前面部等から当該遊技部材の内部や表面上等を通って案内されるものが含まれる。また、その中には、「前記遊技部材に設けられ、当該遊技部材の上部から、前記遊技領域を流下する遊技球を導入し、該遊技球を流下させ、前記特定転動面上へと導出する球案内流路」いわゆるワープ流路等が含まれる。
【0046】手段20.手段1乃至手段19のいずれかにおいて、前記遊技部材は、識別情報を変動表示可能な可変表示装置の周囲を囲むセンターフレームによって構成されていることを特徴とする遊技機。
【0047】手段21.手段1乃至手段20のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であること。中でも、パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備えておりそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することに基づいて、所定条件が成立した場合には特別遊技価値が付与される。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0049】図1に示すように、パチンコ機1は、外枠2と、該外枠2の前部に設けられ外枠2の一側部にて開閉可能に支持された前面枠3とを備えている。
【0050】前面枠3の前面側には、ガラス扉枠4が開閉自在に設けられている。前面枠3の後側(ガラス扉枠4の奥、外枠2の内側)には、遊技盤5(図2参照)が着脱可能に装着されている。
【0051】ガラス扉枠4の下部フレーム部分には、遊技球B(図2参照)を貯留するための球受皿としての上皿6が一体的に設けられている。また、前面枠3の前面下部には、ほぼ中央部において球受皿としての下皿7が設けられている。下皿7の側方には、遊技球発射用ハンドル8が設けられている。ハンドル8は図示しない遊技球発射装置に連結されており、遊技者がハンドル8を回転させることにより、遊技球Bが遊技球発射装置から発射される。
【0052】図2に示すように、遊技盤5には、ルータ加工が施されることによって複数の開口部が形成されており、各開口部には、普通入賞チャッカー11、可変入賞装置12、作動口としての作動チャッカー13、可変表示装置14、スルーチャッカー15等が配設されている。
【0053】遊技盤5の一側部には、遊技球発射装置によって発射される遊技球Bを遊技盤5の上部に案内する内レール16a及び外レール16bが設けられている。内レール16aの下端部付近において、遊技盤5には遊技球Bを導出するアウト口17が形成されている。そして、遊技盤5の下部に流下した遊技球Bの多くは、このアウト口17を通って図示しない球排出路へと案内される。本実施の形態では、遊技盤5のうち内レール16a及び外レール16bによって囲まれ、可変表示装置14等が配設された部分が、遊技球Bが流下可能な遊技領域となっている。
【0054】さて、可変表示装置14は、液晶表示部20と、該液晶表示部20を囲むように設けられた遊技部材としてのセンターフレーム21とを備えている。
【0055】液晶表示部20には、例えば左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの表示列が表示される。各図柄列は識別情報としての複数の図柄によって構成されており、これら図柄が各図柄列毎にスクロールするように可変表示される。
【0056】より詳しくは、可変表示装置14の直下方に設けられた作動チャッカー13に遊技球Bが入賞することに基づいて、可変表示装置14の液晶表示部20の図柄が可変表示される。そして、停止された図柄の組合せが予め設定した特定の組合せとなった場合には特別遊技価値が付与される。すなわち、大当たり状態が発生し、可変入賞装置12の大入賞口が所定の開放状態となり(具体的には所定時間、所定回数だけ開く)、遊技球Bが入賞しやすい状態になる。なお、可変入賞装置12は、通常、遊技球Bが入賞できない状態又は入賞し難い状態になっている。
【0057】また、周知のとおり、前記普通入賞チャッカー11、可変入賞装置12、作動チャッカー13に遊技球Bが入賞することに基づいて、上皿6又は下皿7に対し所定数の景品球が払い出される。また、遊技盤5には、遊技球Bの流下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
【0058】次に、上述した可変表示装置14のセンターフレーム21について説明する。図3に示すように、センターフレーム21は、遊技盤5の前面側に配設される装飾枠22と、その背面側において液晶表示部20を取着可能なベース部23とを備えている。装飾枠22及びベース部23は、それぞれ中央部が開口した枠体形状をなし、それら開口部が前後方向に連通するように組付けられている。従って、センターフレーム21は全体として枠体形状となっている。装飾枠22の周縁には、該装飾枠22を遊技盤5に固定するためのネジ止め用孔90が形成されている。
【0059】ベース部23の左右方向(長手方向)の長さは、装飾枠22の左右方向の長さよりやや短くなるよう構成されており、センターフレーム21の左右両側部には、ベース部材23の側部外側及び装飾枠22の側部背面側を覆う側部カバー24が取着されている。
【0060】ベース部材23の背面側には、液晶表示部20の大きさに合わせた略矩形状の窓部25が形成されている。その窓部25周辺となるセンターフレーム21の背面側(装飾枠22及びベース部23の背面側)には、図示しないLED等の電飾部材が各種基板とともに取着されている。
【0061】また、装飾枠22の上部周縁は、略円弧状に形成され、その中央部が左右両端部より高くなっている。当該上部周縁の前面側には外天井部26Aが設けられている。外天井部26Aの下方には、内天井部26Bが外天井部26Aに並行するように形成されている。外天井部26Aと内天井部26Bとの間隔は少なくとも遊技球Bが通過可能な大きさに構成されている。
【0062】外天井部26Aの頂部付近には、開口部27が形成されるとともに、該開口部27を左右に仕切る仕切板28が設けられている。このように、装飾枠22の上部には、遊技盤5上を流下してくる遊技球Bを開口部27から導入し、左右両側方へ案内することのできる上部流路29が形成されている(図3の点線部参照)。
【0063】外天井部26A及び内天井部26Bの先端部(センターフレーム21の前面側)には、その略中央部において、上部流路29を覆う中央装飾レンズ31が取着されている。また、センターフレーム21の左右両側部には、当該左右両側部の内側を覆うとともに、上部流路29の左右両端部の前面側を覆う側部装飾レンズ32がそれぞれ取着されている。
【0064】また、上部流路29の左右端部近傍には、遊技球Bを装飾枠22の背面側へ排出可能な図示しない排出口がそれぞれ形成されている。これに合わせて、前記側部カバー24の内側には、前記排出口と連通する側部流路30が形成されている(図3の点線部参照)。従って、前記排出口から排出される遊技球Bが側部流路30に沿って流下するよう構成されている。
【0065】側部カバー24の下端部側壁は、側部流路30がセンターフレーム21の下部に向けて傾斜するように、略円弧状に形成されている。また、側部流路30によって案内される遊技球Bをセンターフレーム21下部の上面(内側面)へ導出するため、側部カバー24下部及びその位置に対応するベース部23の左右両側部は、センターフレーム21下部の上面に対して開口している。なお、上部流路29及び側部流路30によって構成される一連の流路は、本実施の形態における案内手段としての球案内流路に相当し、いわゆるワープ流路と言われるものである。すなわち、前記一連の流路は、センターフレーム21に設けられる案内部にも相当する。
【0066】さて、センターフレーム21下部の上面には、ステージ部材40が取着されている。このステージ部材40上に遊技球Bが転動可能な転動遊技領域が形成されている。なお、前記転動遊技領域には、実際に遊技球Bが転動可能な面のみならずステージ部材40の表面全体、例えば後述する境界段差部57の壁面やガイド部75の壁面等が含まれる。
【0067】ここで、ステージ部材40について図4乃至図6を参照しつつ詳しく説明する。ステージ部材40は、高低差のある上段ステージ41と下段ステージ42とが一体形成されることで構成されている。
【0068】上段ステージ41は、本実施の形態における上段特定遊技領域に相当し、ステージ部材40の奥側において、ステージ部材40の長手方向(横方向)に沿って延在している。
【0069】下段ステージ42は、本実施の形態における下段特定遊技領域に相当し、上段ステージ41の手前下側において、該上段ステージ41に並行するよう形成されている。
【0070】上段ステージ41の遊技球転動面には、その長手方向に沿って起伏が形成されている。詳しくは、長手方向の略中央部には凸部43が形成されており、その左右両側には凹部44がそれぞれ形成されている。さらに、各凹部44の長手方向の外側には、各凹部44へ向けて遊技球Bが転動するような上部傾斜面45がそれぞれ形成されている。但し、凸部43、凹部44及び上部傾斜面45は、各境界部にほとんど段差がなく、ほぼ連続した起伏となっている。
【0071】凸部43の頂部(上段ステージ41の中央)には、上方に向け開口し、遊技球Bが落下可能な導出溝46が形成されている。本実施の形態における導出溝46の幅は、遊技球Bの直径よりやや広くなっている。導出溝46の底部は手前側ほど低くなるよう傾斜している。また、導出溝46の手前側端部は、下段ステージ42側に開口している。従って、導出溝46に落下した遊技球Bは下段ステージ42側に導出される。なお、センターフレーム21が遊技盤5に配設された状態では、図2に示すように、導出溝46は前記作動チャッカー13の上方に位置する。
【0072】一方、下段ステージ42は、側部流路30から導出される遊技球Bを転動させる特定転動面としての転動路50を有する。転動路50は、下段ステージ42の奥側において、上段ステージ41に沿って延在している。
【0073】転動路50は、パチンコ機1の正面から見て、全体としてその長手方向の中央部が左右両端部より低くなった略円弧状に形成されている。すなわち、凹状に湾曲している。また、転動路50は、その中央部、すなわち上記導出溝46の開口部に対応する位置に、手前側がほんの少しだけ低い極めて緩やかな中央傾斜面51を有する。中央傾斜面51の左右方向の長さは、導出溝46の左右方向の幅よりも長くなっている。
【0074】転動路50は、中央傾斜面51の左右両側において、それぞれ中央傾斜面51に向かって略円弧状に下方傾斜する滑走面52を有する。滑走面52は、側部流路30の導出口付近の傾斜の略延長線上にくるように構成されている(図9参照)。すなわち、側部流路30の導出口は、それぞれ転動路50の端部近傍に対応するように設けられており、側部流路30から導出される遊技球Bは転動路50の端部近傍へと案内される。
【0075】また、下段ステージ42には、中央傾斜面51の手前側において、遊技盤5へ向けて遊技球Bを排出可能な排出凹部55が設けられている。さらに、排出凹部55の両側方には、それぞれ左右両滑走面52の手前側に対応するように、転動路50へ向けて下方傾斜した特定傾斜部としての傾斜部56が設けられている。
【0076】さて、上段ステージ41と転動路50との境界部分には、長手方向の大部分において境界段差部57が形成されている。境界段差部57は、その壁面が転動路50の奥側端部より略鉛直方向へ延びるように構成されている。境界段差部57は本実施の形態における特定側壁部に相当し、上段ステージ41は境界段差部57の上端部側に位置する高位置の領域(境界段差部57より高位置の領域)を含み、下段ステージ42は境界段差部57の下端部側に位置する低位置の領域(境界段差部57より低位置の領域)を含む。これにより、上段ステージ41と下段ステージ42との高低差が遊技者に対して明示されることとなる。
【0077】ここで転動路50、傾斜部56及び境界段差部57との関係について図7を参照して説明する。転動路50の幅は遊技球Bの直径より狭くなっている。転動路50の幅と傾斜部56の傾斜角度との関係は、境界段差部57の長手方向の少なくともその高さが遊技球Bの半径より高くなっている区間において、遊技球Bが転動路50上を転動する際、当該遊技球Bが転動路50、傾斜部56及び境界段差部57に略当接した状態となるように構成されている。これにより、遊技球Bはその進行方向に対して横ぶれしにくくなり、遊技球Bの前記進行方向への進行性が高まる。なお、これに限定されず、転動路50の幅は少なくとも遊技球Bの直径より狭くなっていればよい。このようにすれば、転動路の幅が遊技球Bの直径より広くなっている場合に比べて、遊技球Bの横ぶれが少なくなり、遊技球Bの進行性が高まる。
【0078】また、上段ステージ41において、凸部43及び上部傾斜面45が形成されている部位に対応するように、遊技球Bが手前側に落下してしまうのを防止する各種リブが境界段差部57から上方に向かって突設されている。各リブの前壁面は、境界段差部57の壁面と面一に構成されている。
【0079】詳しくは、凸部43の手前側に対応するように、前記導出溝46を挟んで両側において内リブ60がそれぞれ設けられている。各内リブ60は、パチンコ機1の正面から見て略三角形状に形成されている。その突出した一辺は、各内リブ60の左右方向における導出溝46側の端部(内側端部)として、当該導出溝46の前面側の開口部周縁から略鉛直方向に延びるように形成されている。もう一辺は、前記内側端部の上端部から、凸部43と凹部44との各境界部近傍へ向けて傾斜している。この一辺は、略円弧状に形成され、その背面側にはテーパ面60aが形成されている(図8参照)。
【0080】また、両上部傾斜面45の手前側に対応するように、外リブ61がそれぞれ設けられている。各外リブ61は、パチンコ機1の正面から見て略三角形状に形成されている。その突出した一辺は、各外リブ61の左右方向における外側端部として、転動路50の左右両端部とほぼ同位置において、略鉛直方向に切り立つように形成されている。もう一辺は、前記外側端部の上端部から、上部傾斜面45と凹部44の各境界部近傍へ向けて略円弧状に傾斜している。各外リブ61の周縁には、その前面側において、テーパ面61aが形成されている。
【0081】凹部44は、手前側がほんの少しだけ低い傾斜面となっている。当該部分の手前側には遊技球Bの落下防止のリブが設けられていないため、ここからも下段ステージ42側へ遊技球Bを導出可能となっている。
【0082】なお、上段ステージ41と転動路50の長手方向の両端部近傍においては、両者の高さ関係が逆転している。すなわち、両端部近傍においては、上段ステージ41より転動路50の方が高くなっている。従って、この部分では、前記境界段差部57が形成されておらず、転動路50が各外リブ61の前面側にまで達している。これに基づき、転動路50の両端部近傍においては、当該転動路50の幅が各端部に向かうにつれ、各外リブ61のテーパ面61aに沿って、上段ステージ41側へ広がっていくように構成されている(図9参照)。
【0083】さらに、転動路50及び上段ステージ41の両端部には、該転動路50と上段ステージ41とを連通させ、遊技球Bを上段ステージ41へと誘導する誘導手段としての連通路70がそれぞれ形成されている。各連通路70は、転動路50に隣接する上流部71と、上段ステージ41に隣接する下流部72とから構成されている。各上流部71は、遊技球Bを下流部72へ誘導可能なように、下流部72側に向けて下方へ傾斜している。また、各下流部72は、遊技球Bを上段ステージ41へ誘導可能なように、上段ステージ41側に向けて下方へ傾斜している。
【0084】転動路50の両端部には、それぞれ遊技球Bが各上流部71から転動路50側へ移動しないように段差部73が形成されている。また、上流部71と下流部72との境界部には、下流部72へ転動した遊技球Bが再び上流部71へ逆戻りしないように、図示しない段差部が設けられている。
【0085】各上流部71の上流側(パチンコ機1の正面から見て手前側)には、転動路50を転動してくる遊技球Bを下流部72へ誘導するガイド部75がそれぞれ設けられている。
【0086】図9に示すように、各ガイド部75は、連通路70の上流側コーナー部分の側壁として設けられ、略平面状に構成されている。各ガイド部75は、上流部71が転動路50側ほど広く、ステージ部材40の端部へ向かうにつれ狭くなるように、転動路50の長手方向に対して傾斜している。すなわち、各ガイド部75は、転動路50を転動してくる遊技球Bが直進不能なように、その転動方向の領域を狭めていくよう構成されている。従って、各ガイド部75は、本実施の形態における、転動路50を転動してくる遊技球Bが連通路70に沿って転動可能なように自身の転動に基づいてその転動方向を変化させる方向変化手段に相当する。
【0087】詳しくは、各上流部71は、転動路50側の間口が遊技球Bの直径より広くなっており、ステージ部材40端部側における上流部71の側面が遊技球Bの直径より狭くなっている。これにより、遊技球Bが前記側面に近づくにつれ、遊技球Bの一部が下流部72側へ突き出していくよう構成されている。なお、転動路50側の間口が遊技球Bの直径より広く、ステージ部材40端部側の側面が遊技球Bの直径より狭くなるように構成されていれば、ガイド部75は略平面状ではなく、例えば緩やかな略円弧状であってもよい。但し、略円弧状のガイド部が設けられた場合には、ガイド部75が設けられている場合と比較して、上流部の面積が大きくなる。つまり、遊技球Bと前記ガイド部との間にできる隙間が多くなり、前記ガイド部の円弧形状の曲がり度合いによっては、転動路50を転動してくる遊技球Bがガイド部の曲面に当たって、転動路50側へ跳ね返ってしまうおそれがある。このため、ガイド部としてはより平面に近いものが好ましい。
【0088】各下流部72の下流側コーナー部分の側壁は、遊技球Bを円滑に上段ステージ41へ誘導できるように、略円弧状に形成されている。
【0089】また、各連通路70には、該連通路70の底面部とステージ部材40の端部側の側壁部とが合わさる部分において、当該部分が面取りされたような誘導傾斜面77が設けられている。誘導傾斜面77は、上流側から下流側へ向かうにつれ、ステージ部材40内側方向に緩やかに傾くように形成されている。
【0090】次に、上記のように構成されてなる本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0091】本実施の形態によれば、遊技者の操作により、遊技盤5上部に打ち込まれた遊技球Bは、センターフレーム21上部の開口部27へと案内される場合がある。この開口部27から上部流路29へ案内された遊技球Bは、該上部流路29及び側部流路30を通って、センターフレーム21下部へと案内される。
【0092】側部流路30から導出される遊技球Bは、転動路50(滑走面52)の一端部近傍に案内される。遊技球Bは、導出された勢いを保ちつつ、滑走面52を滑走する。ここで、遊技球Bが側部流路30からまっすぐ導出されず、滑走面52の手前側へ外れそうになる場合には、傾斜部56によって遊技球Bは滑走面52へ誘導される。転動路50の奥側では、遊技球Bが奥側へ外れてしまうのを境界段差部57が規制している。従って、遊技球Bは、上述したように傾斜部56と境界段差部57とにガイドされるように、転動路50を転動する(図7参照)。
【0093】滑走面52を下りきった遊技球Bは中央傾斜面51を通過する。ここで、当該遊技球Bは、側部流路30及び滑走面52によって十分に加速されているため、中央傾斜面51において、その極めて緩やか傾斜に沿って手前側に転動することがほとんどなく、中央傾斜面51を通過することができる。
【0094】中央傾斜面51を通過した遊技球Bは、導出された側とは異なる転動路50端部へ向かって、滑走面52を上っていく。そして、遊技球Bは徐々に減速していき、転動路50から連通路70(上流部71)へ案内される。
【0095】遊技球Bが連通路70(上流部71)へ案内されると、該遊技球Bはガイド部75の傾斜によって下流部72側へ押しやられるように、その進行方向を下流部72方向へと変化させる。ここで、上述したように外リブ61にテーパ面61aが形成され、転動路50の端部が下流部72側により開けた状態となっているため、遊技球Bが下流部72側へより案内されやすくなっている。
【0096】そして、遊技球Bは、上流部71の傾斜に沿って下流部72へ転動する。なお、本実施の形態では、誘導傾斜面77が設けられていることにより、遊技球Bの転動速度を落とさずに、遊技球Bを比較的スムーズに下流部72へ誘導することができる。
【0097】このとき、比較的速い速度で転動してくる遊技球Bは、誘導傾斜面77に乗り上がるように、その転動方向を変化させていく。ここで、それ以上の速度で遊技球Bが転動してきた場合には、遊技球Bがステージ部材40端部側における上流部71の側面にぶつかり、転動路50側へ跳ね返ってしまうおそれがある。しかし、遊技球Bが前記側面にぶつかる際には、上述したように遊技球Bの一部が下流部72側へ突き出した状態となっている。つまり、遊技球Bの中心が転動路50の中心軸線の延長線上から外れ、下流部72側へ移動している。このため、遊技球Bが跳ね返ってしまった場合でも、跳ね返った遊技球Bが、直接、転動路50に向かって跳ね返ることはほとんどなく、少なくとも上記外リブ61の外側端部にぶつかるように跳ね返る。結果として、外リブ61によって、転動路50へ逆戻りしてしまうような遊技球Bの動作が規制される。
【0098】さて、遊技球Bは下流部72へ移動すると、その傾斜面に沿って上段ステージ41に向けて転動する。なお、本実施の形態では、下流部72の下流側コーナー部分の円弧形状によって、遊技球Bの転動方向を変化させ、遊技球Bを比較的スムーズに上段ステージ41へ誘導することができる。
【0099】遊技球Bは、上段ステージ41へ案内されると、上部傾斜面45に沿って、上段ステージ41の長手方向中央部に向かって転動する。すなわち、遊技球Bが連通路70を通過することにより、その転動方向が反転する。
【0100】凹部44を通過し、凸部43を上りきった遊技球Bは、導出溝46に落下する。そして、導出溝46から排出される遊技球Bは、中央傾斜面51、排出凹部55を通って、遊技盤5上へ排出される。ここで、上記内リブ60のテーパ面60aが設けらていることにより、凹部44を通過した遊技球Bが内リブ60にぶつかってしまった場合でも、該遊技球Bは凸部43側へ跳ね返りやすくなっている。すなわち、遊技球Bがより導出溝46方向へ案内されやすくなっている。
【0101】また、凸部43を上りきらない遊技球Bは、凹部44の傾斜に沿って、その手前側から下段ステージ42へ排出される。そして、中央傾斜面51、排出凹部55を通って、遊技盤5上へ排出される。
【0102】上述したように、導出溝46が作動チャッカー13の直上方に設けられているため、該導出溝46から導出される遊技球Bは比較的高い確率で作動チャッカー13に入賞しやすい。
【0103】また、遊技盤5上に植設されている釘によって、一部の遊技球Bは、上部流路29及び側部流路30を通らずとも、ジャンプしてステージ部材40上へと案内される場合もある。そのうち勢いのある遊技球B等は、転動路50に沿って転動し、上段ステージ41へ誘導されることもある。
【0104】以上詳述したように、転動路50の側部に傾斜部56と特定側壁部とを設けることによって、遊技球Bの動きを規制しつつ、当該遊技球Bを横方向へ転動させることができる。従って、遊技者は、転動路50に沿って横方向へ転動する遊技球Bの動きを傾斜部56が設けられた手前側から見ることができる。結果として、遊技球Bに所定動作を行わせるとともに、その動きの視認性を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0105】また、転動路50の両端部に案内される遊技球Bが、それぞれ異なる方向へ向かって、当該転動路50のほぼ全域を転動できるよう構成されていることから、より広範囲を動き、より躍動感のある遊技球Bの動きを遊技者に視認させるとともに、ステージ部材40の転動遊技領域を有効活用し、遊技球Bの動きを多様化することができる。
【0106】また、側部流路30から導出される遊技球Bが、自身の転動に基づいて、低位置(下段ステージ42)から高位置(上段ステージ41)へと所定の高低差を移動する。このような遊技球Bの動きは、従来のように高位置から低位置へ移動するような遊技球Bの動きを予想している遊技者にとって、意外性のあるものとなる。また、従来のように奥側が高く手前側が低い転動遊技領域を奥側から手前側へ転動するような遊技球Bの動きを見慣れている遊技者にとって、本実施の形態のように手前側から奥側へ移動するような遊技球の動きは新鮮なものとなる。結果として、遊技者に意外性のある遊技球Bの挙動を視認させ、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
【0107】このように遊技球B自身の転動に基づいて高低差を移動させれば、磁石やばね仕掛け等を利用する比較的大がかりな機構を備えなくとも、遊技球Bをより高位置に移動させることができる。結果として、上述したような機構を備える必要がなく、装置の大型化、生産コストの増大、組付け工程の複雑化、部品点数の増大や故障しやすくなる等といった不具合の発生を防止することができる。また、遊技球B自身の転動に基づいて高低差を移動させているため、ばね仕掛け等を利用して遊技球Bを移動させる場合に比べて、より確実に遊技球Bを移動させることができる。
【0108】また、上部流路29及び側部流路30によって構成される一連の流路(球案内流路)によって、遊技球Bがステージ部材40へ案内されるように構成されている。このため、遊技球Bをよりスムーズにステージ部材40へ案内することができる。従って、遊技球Bの運動エネルギーの減少を極力少なくし、より運動エネルギーをもった遊技球Bをステージ部材40へ案内できるため、より確実に遊技球Bが高位置へ移動できるようになる。また、遊技球Bをより高位置へと移動させることが可能となるとともに、より躍動感のある遊技球Bの動きを遊技者に視認させ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
【0109】尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0110】(a)上記転動路50を設けない構成としてもよい。例えば下段ステージ42の手前側のほぼ全域に渡って特定傾斜部を設け、当該傾斜部の傾斜に基づく遊技球Bの流下を特定球受部としての境界段差部57によって規制しつつ、遊技球Bを境界段差部57に沿って転動させるようにしてもよい。このとき、下段ステージ42に排出凹部55を設けず、上記導出溝46の手前側を下段ステージ42側に開口させずに、ステージ部材40の下方へ遊技球Bを落下させ、作動チャッカー13へ誘導するようにしてもよい。
【0111】(b)上記実施の形態又は上記(a)において、境界段差部57の壁面が略鉛直方向に沿ったものではなく、略鉛直方向より手前側に傾くように形成されていてもよいし、略鉛直方向より奥側へ傾くように形成されていてもよい。但し、境界段差部57が略鉛直方向に沿って、又は、略鉛直方向より手前側に傾くように形成されている方が、境界段差部57が略鉛直方向より奥側へ傾くように構成されているよりも、より確実に遊技球Bの前後方向へのぶれを防止することができる。
【0112】(c)上記実施の形態では、転動路50の少なくとも一区間において、遊技球Bが転動路50、傾斜部56及び境界段差部57に略当接した状態となるように構成されている。これに限らず、遊技球Bが転動路50、傾斜部56及び境界段差部57のいずれか2つに当接する構成としてもよい。
【0113】(d)傾斜部56は、転動路50に向けて、その傾斜角度が徐々に緩やかとなる断面略円弧状に構成されていてもよい。このようにすれば、遊技球Bが転動路50を外れて傾斜部56へ乗り上げていっても、当該傾斜部56から外部へ飛び出してしまうような不具合を低減することができる。結果として、より確実に遊技球Bを転動路50に沿って転動させることができる。ここで、転動路50及び傾斜部56は、その間に境界部ができないよう面一で連続するように構成されていてもよい。
【0114】(e)上記実施の形態では、センターフレーム21に設けられた球案内流路いわゆるワープ流路(上部流路29及び側部流路30)に沿って遊技球Bを流下させ、ステージ部材40へと導出している。これに限らず、例えば、案内手段として、センターフレーム21にその左右側部や前面部等からその内部へ遊技球Bを導入しステージ部材40へと導出する球案内流路を設けてもよい。また、センターフレーム21内部ではなく、例えばその前面部に、当該前面部の表面上を通過させ、ステージ部材40へと案内する案内部を設けてもよい。また、センターフレーム21に球案内流路を設けず、例えば特定の案内手段(案内部材)を遊技盤5上に設けてもよい。
【0115】(f)上記実施の形態では、センターフレーム21の左右両側に球案内流路が設けられている。これに限らず、センターフレーム21の片側だけに球案内流路を設ける構成としてもよい。
【0116】(g)上記実施の形態では、下段ステージ42に高低差が設けられ、遊技球Bの動作に上下方向の変化が加わるよう構成されているが、これに限らず、遊技球Bが下段ステージのほば全域を略水平に転動するように下段ステージを構成してもよい。
【0117】(h)上記実施の形態では、液晶表示部20の周囲を囲むセンターフレーム21を遊技部材としたが、他の役物を囲むものを遊技部材としてもよい。また、遊技部材としてステージ部材だけが設けられる構成としてもよい。
【0118】(i)上記実施の形態では、可変表示装置14の表示部として液晶表示部20を採用している。しかし、これに限らず、他にも、CRT、ドットマトリックス、LED(エレクトロルミネッセンス)、蛍光表示管等を可変表示装置14の表示部として用いてもよい。
【0119】(j)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機にも適用できる。従って、可変表示装置14のないパチンコ機にも応用できる。また、本発明は、パチンコ機以外にも雀球、アレンジボール等の遊技機にも応用可能である。
【出願人】 【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
【住所又は居所】愛知県名古屋市千種区今池3丁目9番21号
【出願日】 平成13年12月20日(2001.12.20)
【代理人】 【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
【公開番号】 特開2003−220202(P2003−220202A)
【公開日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願番号】 特願2003−5254(P2003−5254)