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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】浅野 弘幸
【住所又は居所】名古屋市千種区今池3丁目9番21号 株式会社三洋物産内

【要約】 【課題】所定条件に基づいて変動方向を変化させて遊技状態を変化可能とすることができる遊技機を提供すること。

【解決手段】右端の表示領域3a3,3b3,3c3において、第2変動の開始前(移動方向の変更前)にLCD3に表示されてる図柄は、下から順に「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」であり、最も多い4本の大当たりライン71,73,75,77が交錯する中央中段の表示領域3b2に表示されている「女の子」の図柄を含んでいる。よって、この場合の右端の表示領域3a3,3b3,3c3における第2変動では、これら「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」の図柄のみで上から下方向に繰り返し縦スクロールする。即ち、右端の表示領域3a3,3b3,3c3における上から下への縦スクロールは「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」、「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」、・・・の順に繰り返し行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 図柄等の識別情報を表示する表示装置と、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示装置に識別情報の変動表示を行わせる表示用制御手段とを備え、前記識別情報の変動表示が予め定められた表示結果で終了した場合に、所定条件下で所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記識別情報の変動表示は、その変動方向を2以上の方向に変更可能にされており、変動方向の変更後における少なくとも1の変動表示は変動方向の変更前に前記表示装置に表示されていた識別情報で行われることを特徴とする遊技機。
【請求項2】 変動方向変更後の変動表示によって変動される識別情報には、その変動方向変更後の変動表示が行われる表示領域以外の表示領域に表示されている識別情報が含まれていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】 変動表示の変動方向の変更は、前記表示装置に同一の識別情報が2以上表示されている場合であって大当たり又はリーチ状態の現出を期待できない場合に行われるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】 変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前の変動表示が少なくとも1以上継続されている場合に行われるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 近年、パチンコ機等の遊技機においては、遊技の興趣を向上させるために液晶表示装置を用いたものが主流になっている。この液晶表示装置へ表示される画像をどのように変化させて遊技者を満足させるかが各社の競争になっており、その為、液晶表示装置に表示させる画像に様々なバリエーションを持たせる等の工夫がされている。一般的には、この液晶表示装置では変動表示ゲームが行われ、遊技の興趣が高められている。変動表示ゲームは、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、あるいは3×3の升目に9個の図柄を表示し、所定の遊技条件に基づいて、表示される図柄をスクロールして変動表示させるものである。そして、図柄のスクロールが停止した際に(所定の停止位置において)、停止図柄が予め定められた組み合わせとなっている場合を大当たりとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、液晶表示装置上で行われる図柄のスクロールは、上から下方向若しくは下から上方向への縦スクロールまたは右から左方向若しくは左から右方向への横スクロールのいずれかであり、いずれも同方向に行われるので、変動表示が単調な演出になりがちであるという問題点があった。
【0004】本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、変動表示の演出を豊富にして、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、図柄等の識別情報を表示する表示装置と、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示装置に識別情報の変動表示を行わせる表示用制御手段とを備え、前記識別情報の変動表示が予め定められた表示結果で終了した場合に、所定条件下で所定の遊技価値を付与するものであり、前記識別情報の変動表示は、その変動方向を2以上の方向に変更可能にされており、変動方向の変更後における少なくとも1の変動表示は変動方向の変更前に前記表示装置に表示されていた識別情報で行われるものである。
【0006】請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、変動方向変更後の変動表示によって変動される識別情報には、その変動方向変更後の変動表示が行われる表示領域以外の表示領域に表示されている識別情報が含まれている。
【0007】請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、変動表示の変動方向の変更は、前記表示装置に同一の識別情報が2以上表示されている場合であって大当たり又はリーチ状態の現出を期待できない場合に行われるものである。
【0008】請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前の変動表示が少なくとも1以上継続されている場合に行われるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0010】図1は、本実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCD3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0011】LCD3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、球がこの図柄作動口4を通過することにより、前記したLCD3の変動表示が開始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0012】この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
【0013】図2は、かかるパチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機Pの主制御基板Cには、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM12と、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM13とが搭載されている。図8から図11に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。
【0014】RAM13は、送信バッファ13aと、コマンドカウンタ13bとを備えていると共に、バックアップ用の充電池13xが接続されてバックアップ可能に構成されている。よって、RAM13の各値は、パチンコ機Pの電源が切断された場合にも保持(バックアップ)される。
【0015】送信バッファ13aは、LCD3の変動表示の制御のために、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドを記憶するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、この送信バッファ13aも2バイトで構成される。送信バッファ13aへセット(書き込み)された制御用コマンドは、タイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
【0016】図3は、LCD3の表示画面を9つの表示領域に分割した様子を示した図である。前記した通り、本実施例の変動表示は、横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cにおいて、それぞれ矢印A方向へ横方向にスクロールしながら行われる。この横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cを、縦方向に更に3分割して9つの表示領域3a1,・・・,3c3とし、その9つの表示領域3a1,・・・,3c3に対して、図3に示すように、それぞれ表示される「図柄1〜図柄9」の9つの図柄番号32aが付されている。
【0017】図2に示すコマンドカウンタ13bは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32(図5参照)が指定するLCD3の表示領域3a1〜3c3を示すためのカウンタであり、「1〜10」の範囲で「1」ずつ更新される。コマンドカウンタ13bの値が「1〜9」の範囲内にある場合には、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する図柄番号32a(図5参照)の表示領域3a1〜3c3が指定される。また、コマンドカウンタ13bの値が「10」である場合には、いずれの表示領域も指定されない。
【0018】バックアップエリア13cは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機Pの状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア13cへの書き込みは、NMI割込処理(図8参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア13cに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)の初期化処理(S12(図10参照))において実行される。
【0019】MPU11のNMI(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、停電監視回路50から出力される停電信号51が入力されるように構成されており、停電の発生により、図8の停電時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。
【0020】停電監視回路50は、停電等の発生による電源断時に、主制御基板CのMPU11のNMI端子へ停電信号51を出力するための回路である。停電監視回路50は、電源ユニット(図示せず)に搭載されており、その電源ユニットから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号51を出力するように構成されている。この停電信号51の出力によって、主制御基板Cは、停電の発生を認識し、停電時処理(図8のNMI割込処理)を実行する。なお、電源ユニットは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板Cは、停電時処理を正常に実行することができるのである。
【0021】これらMPU11、ROM12、RAM13は、バスライン14を介して互いに接続されており、バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。この入出力ポート15は、クリアスイッチ18や表示用制御基板D、他の入出力装置16と接続されている。
【0022】クリアスイッチ18は、主制御基板CのRAM13にバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ18が押下された状態でパチンコ機Pの電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御基板Cによって、RAM13のデータがクリアされる(図10のS42:Yes,S45)。
【0023】主制御基板Cは、入出力ポート15を介して、表示用制御基板Dや他の入出力装置16へ各種コマンドを送り、それら各装置を制御する。なお、主制御基板Cと表示用制御基板Dとの接続は、入力および出力が固定的な2つのバッファ(インバータゲート)17,28を介して行われているので、主制御基板Cと表示用制御基板Dとの間における制御用コマンドの送受信は、主制御基板Cから表示用制御基板Dへの一方向にのみ行われ、表示用制御基板Dから主制御基板Cへ制御用コマンド等を送信することはできない。
【0024】表示用制御基板Dは、MPU21と、プログラムROM22と、ワークRAM23と、ビデオRAM24と、キャラクタROM25と、画像コントローラ26と、入力ポート29と、出力ポート27とを備えている。入力ポート29の入力にはインバータゲート28の出力が接続され、その入力ポート29の出力は、MPU21、プログラムROM22、ワークRAM23を接続するバスラインと接続されている。また、出力ポート27の入力には画像コントローラ26が接続され、その出力ポート27の出力にはLCD3が接続されている。
【0025】表示用制御基板DのMPU21は、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCD3の(変動)表示を制御するためのものであり、プログラムROM22には、このMPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。図12から図15に示すフローチャートのプログラムは制御プログラムの一部としてプログラムROM22に記憶されている。
【0026】ワークRAM23は、MPU21による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリであり、受信バッファ23aと、コマンド受信フラグ23bと、9つの停止図柄1〜9メモリ23c〜23kとを備えている。
【0027】受信バッファ23aは、主制御基板Cから送信される制御用コマンドを受信するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、受信バッファ23aも同様に2バイトで構成される。コマンド受信フラグ23bは、新たな制御用コマンドが受信バッファ23aへ記憶された場合にオンされるフラグである。コマンド受信フラグ23bがオンされていると、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドが読み出され、その読み出された制御用コマンドに基づいて、LCD3の変動表示の制御が行われる。一旦オンされたコマンド受信フラグ23bは、受信バッファ23aから制御用コマンドを読み出す際にオフされる。
【0028】停止図柄1〜9メモリ23c〜23kは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32によって送信される停止図柄の図柄コード32b(図5参照)を記憶するためのメモリであり、LCD3の9つの表示領域3a1〜3c3(図3参照)に対応してそれぞれ1つ、合計9つの停止図柄1〜9メモリ23c〜23kが設けられている。なお、停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの詳細については後述する。
【0029】ビデオRAM24は、LCD3に表示される表示データが記憶されるメモリであり、このビデオRAM24の内容を書き換えることにより、LCD3の表示内容が変更される。即ち、各表示領域3a1〜3c3における図柄の変動表示は、ビデオRAM24の内容が書き換えられることにより行われる。キャラクタROM25は、LCD3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ26は、MPU21、ビデオRAM24、出力ポート27のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM24に記憶される表示データをキャラクタROM25を参照して所定のタイミングでLCD3に表示させるものである。
【0030】次に、図4から図7を参照して、変動表示の制御のために主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドについて説明する。制御用コマンドは、主に、変動パターン指定コマンド31と、停止図柄指定コマンド32と、図柄停止コマンド33とによって構成されている。なお、制御用コマンドは2バイトで構成されるので、その1バイト目と2バイト目のコマンドコードを区別するために、1バイト目のコマンドコードは最上位ビットがセットされ、2バイト目のコマンドコードは最上位ビットがリセットされている。
【0031】図4は、変動パターン指定コマンド31のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。変動パターン指定コマンド31は、変動表示を開始させると共に、変動表示の開始から終了までの一連の変動パターンを指定するためのコマンドである。1バイト目のコマンドコードは、変動表示の通常モードを示す「C0H」または、短縮モードを示す「C1H」とされており、各モードでそれぞれ28種類ずつ、合計56種類の変動パターンが用意されている。
【0032】なお、変動パターン指定コマンド31によって指定される変動表示の制御は、その変動パターン指定コマンド31を受信した表示用制御基板Dによって行われるので、表示用制御基板Dの制御プログラムの内容を変更することにより、同一コードの変動パターン指定コマンド31に対する変動表示の内容を変更することができる。即ち、主制御基板Cの制御プログラムを変更することなく、表示用制御基板Dの制御プログラムを変更するだけで、変動表示の内容を変更することができるのである。
【0033】図5(a)は、停止図柄指定コマンド32のコマンドコードと、そのコマンドコードによって指定される図柄番号32aとの対応関係を示した図である。前記した通り、各図柄番号32aには、図3に示す各表示領域3a1〜3c3がそれぞれ対応付けされている。また、図5(b)は、18種類の図柄コード32bと図柄名32cとの対応関係を示した図である。
【0034】停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンの変動表示の終了時に、LCD3の各表示領域3a1〜3c3にそれぞれ停止表示される図柄を指定するためのコマンドである。停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31が送信され変動表示が開始された後に、LCD3の9つの表示領域3a1〜3c3のそれぞれに対して、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される。
【0035】この停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31と同様に2バイトで構成されている。停止図柄指定コマンド32の1バイト目には、図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3を指定するコマンドコードがセットされる。図5(a)に示すように、停止図柄指定コマンド32の1バイト目のコマンドコードが「90H」であれば図柄1の表示領域3a1が、「A0H」であれば図柄2の表示領域3b1が、・・・、「B2H」であれば図柄9の表示領域3c3が、それぞれ指定される。停止図柄指定コマンド32の2バイト目には、1バイト目のコマンドコードで指定した図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3に停止表示される図柄の図柄コード32bがセットされる。即ち、図5(b)に示すように、停止表示される図柄が「3」である場合には「10H」が、「MOUSE」である場合には「11H」が、・・・、「キャンディ(5)」である場合には「21H」が、それぞれ停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコードとしてセットされる。
【0036】表示用制御基板Dは、停止図柄指定コマンド32を受信すると、実行中の変動パターンを考慮した上で、停止図柄指定コマンド32で指定された図柄コード32bの図柄で変動表示が終了するように、変動中の図柄を差し替える。この図柄の差し替えは、変動表示が高速変動されている場合に限って行われるので、遊技者に図柄の差し替えが行われたことを気づかれることがない。
【0037】なお、変動表示が大当たりとなるか否かは、この停止図柄指定コマンド32で指定される図柄による。即ち、大当たりが発生した場合には、主制御基板Cから大当たりを構成する組み合わせの停止図柄指定コマンド32が送信されるのである。よって、表示用制御基板Dでは、大当たりかはずれであるかを全く考慮することなく、変動パターン指定コマンド31で指定されたパターンの変動表示を、停止図柄指定コマンド32で指定された停止図柄で終了するように、変動表示の演出を行うのである。
【0038】図5(b)に示すように、各図柄にはすべて異なった図柄コード32bが付与されている。特に、図柄名32c「CAT(1)」と「CAT(2)」とは、LCD3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、両図柄には「13H」と「20H」との異なった図柄コード32bが付与されている。図柄名32c「キャンディ(1)」〜「キャンディ(5)」は、LCD3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、「18H」〜「21H」の異なった図柄コード32bが付与されている。同様に、図柄名32c「宝石(1)」〜「宝石(4)」は、LCD3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、「19H」〜「1FH」の異なった図柄コード32bが付与されている。
【0039】図6は、かかる上段・中段・下段の各段の仮想図柄リール41〜43の構成を模式的に示した図である。図6(a)には、LCD3の上段の表示領域3aで変動表示される上段の仮想図柄リール41の構成が模式的に図示されている。図6(a)に示すように、上段の仮想図柄リール41には、16種類の図柄が「宝石(4)」,「CAKE」,「キャンディ(4)」,・・・,「3」の順に配列されており、最終の「3」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「宝石(4)」,「CAKE」,「キャンディ(4)」,・・・の各図柄が配列される。上段の仮想図柄リール41は、かかる図柄の配列順に、LCD3の上段の表示領域3aで変動表示される。
【0040】同様に、図6(c)には、LCD3の下段の表示領域3cで変動表示される下段の仮想図柄リール43の構成が模式的に図示されている。図6(c)に示すように、下段の仮想図柄リール43には、上段の仮想図柄リール41の配列と全く逆の配列で、16種類の図柄が「3」,「キャンディ(1)」,「MOUSE」,・・・,「宝石(4)」の順に配列されている。最終の「宝石(4)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「3」,「キャンディ(1)」,「MOUSE」,・・・の各図柄が配列される。下段の仮想図柄リール43は、かかる図柄の配列順に、LCD3の下段の表示領域3cで変動表示される。
【0041】図6(b)には、LCD3の中段の表示領域3bで変動表示される中段の仮想図柄リール42の構成が模式的に図示されている。図6(b)に示すように、中段の仮想図柄リール42には、下段の仮想図柄リール43の配列の最後尾に「CAT(2)」,「キャンディ(5)」の2種類の図柄を加えた合計18種類の図柄が順に配列されている。上段および下段の仮想図柄リール41,43の場合と同様に、最終の「キャンディ(5)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「3」,「キャンディ(1)」,「MOUSE」,・・・の各図柄が配列される。中段の仮想図柄リール42は、かかる図柄の配列順に、LCD3の中段の表示領域3bで変動表示される。
【0042】図7は、図柄停止コマンド33のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。図柄停止コマンド33は、指定した図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3で変動表示されている図柄を停止表示(確定)させるためのコマンドである。表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信すると、その図柄停止コマンド33によって指定される表示領域3a1〜3c3に停止図柄指定コマンド32によって既に指定されている停止図柄が停止表示され、その表示領域3a1〜3c3の図柄が確定する。即ち、図柄停止コマンド33で指定された表示領域3a1〜3c3の変動表示が終了する。図柄停止コマンド33によって、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄が確定すると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動パターンの変動表示が終了する。
【0043】表示用制御基板Dは、変動パターン指定コマンド31と停止図柄指定コマンド32との内容を考慮しつつ、変動表示終了のタイミングで停止図柄指定コマンド32によって指定された図柄が該当する表示領域3a1〜3c3に表示されるように、変動表示の高速変動中に予め図柄の差し替えを行っている。しかも、主制御基板Cは、変動パターン指定コマンド31で指定した変動表示の変動パターンが終了するタイミングを見計らって、図柄停止コマンド33を表示用制御基板Dへ送信するように制御している。よって、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)は、遊技者に違和感を与えることなく、スムースに行われる。
【0044】なお、主制御基板Cからの図柄停止コマンド33の送信タイミングが速まった結果、変動パターン指定コマンド31で指定した変動パターンの終了前であるにも拘わらず、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信した場合には、表示用制御基板Dは、変動パターンの終了前であっても、既に停止図柄指定コマンド32で指定されている停止図柄を該当する表示領域3a1〜3c3の中央に停止表示し、その表示領域3a1〜3c3の図柄を確定する。
【0045】図柄停止コマンド33には、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄を個別に確定させる9種類のコマンドと、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄をすべて一度に確定させる1種類のコマンドと、上段・中段・下段の3段に分かれた3つの表示領域3a,3b,3cの図柄を各段毎に個別に確定させる3種類のコマンドとがあり、合計13種類のコマンドが用意されている。このうち、スクロールの単位となる上段・中段・下段の各段毎に、3つずつの図柄を一度に確定させる図柄停止コマンド33(■「80H,0BH」,■「80H,0CH」,■「80H,0DH」)を用いれば、制御によってLCD3の表示上に表される仮想図柄リール41〜43のスクロールを、実際の図柄リールのスクロールと同じように行わせるができ、遊技者の興趣を一層向上させることができる。
【0046】次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図8から図13のフローチャートを参照して説明する。図8は、停電の発生等によるパチンコ機Pの電源断時に、主制御基板Cで実行されるNMI割込処理のフローチャートである。このNMI割込処理により、停電の発生等による電源断時の主制御基板Cの状態がバックアップエリア13cに記憶される。
【0047】停電の発生等によりパチンコ機Pの電源が断されると、停電監視回路50から停電信号51が主制御基板CのMPU11のNMI(Non Maskable Interrupt)端子へ出力される。すると、MPU11は、実行中の制御を中断して、図10のNMI割込処理を開始する。停電信号51が出力された後所定時間は、主制御基板Cの処理が実行可能なように電源回路(図示せず)から電力供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
【0048】NMI割込処理では、まず、スタックポインタの値をバックアップエリア13cへ書き込み(S1)、更に、各レジスタおよびI/O等の値をバックアップエリア13cへ書き込んで(S2)、停電の発生等による電源断時の状態を記憶する。その後、その他停電処理を実行した後(S3)、電源が完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をループする。
【0049】図9は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。パチンコ機Pの主な制御は、このメイン処理によって実行される。メイン処理では、まず、割込を禁止した後(S11)、図10に示す初期化処理を実行する(S12)。
【0050】図10は、パチンコ機Pの電源入時に主制御基板Cのメイン処理の中で実行される初期化処理(S12)のフローチャートである。この処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア13cに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、或いは、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ18が押下された場合には、RAMクリア及び初期化処理を実行する。なお、この初期化処理(S12)は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに、S11の処理後に順に実行される。
【0051】まず、本来のスタック領域にスタックされているデータを壊さないために、仮のスタックポインタを設定する(S41)。クリアスイッチ18がオンされているか否かを確認し(S42)、オンされていれば(S42:Yes)、処理をS44へ移行する。一方、クリアスイッチ18がオンされていなければ(S42:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S43)。この確認は、RAM13の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効であれば(S43:Yes)、処理をS46へ移行して、主制御基板Cの各状態を電源断前の状態に復帰させる。一方、バックアップが有効でなければ(S43:No)、処理をS44へ移行する。
【0052】S44からの処理では、正規のスタックポインタを設定し、スタックの内容を整えた後(S44)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S45)、RAM13及びI/O等の各値を初期化し、この初期化処理を終了する。このS45の処理の終了後は、図9のS13の処理が実行される。
【0053】S46からの復帰処理では、バックアップエリア13cへ退避した各レジスタやI/O等のデータをそのバックアップエリア13cから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S46)。更に、バックアップエリア13cからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S47)。同様に、割込についても停電断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻し(S48)、NMI割込リターンを実行して、処理を電源断前に実行していたところへ戻し、制御を電源断前の状態から続行する。
【0054】図9のS13の処理ではタイマ割込の設定を行う(S13)。ここで設定されるタイマ割込としては、LCD3の変動表示を制御する制御用コマンドを表示用制御基板Dへ送信するためのストローブ信号を発生させるタイマ割込などがある。タイマ割込の設定後は、各割込を許可状態とする(S14)。割込の許可後は、特別図柄変動処理(S25)や、表示データ作成処理(S27)、ランプ・情報処理(S28)などにより、前回の処理で更新された出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力処理を実行する(S15)。
【0055】更に、大当たりを決定するための乱数カウンタの値を「+1」更新する乱数更新処理(S16)を実行し、記憶タイマ減算処理を実行する(S17)。記憶タイマ減算処理は、大当たり判定の保留球が所定数以上あり、且つ、LCD3において図柄の変動表示中である場合に、図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。
【0056】スイッチ読込処理(S18)は、各スイッチの値を読み込んで、遊技領域1へ打ち込まれた球の入賞口2や大入賞口5(Vゾーン5aを含む)への入賞、図柄作動口4の通過、更には賞球や貸球を検出するための処理である。カウント異常監視処理(S19)は、S18のスイッチ読込処理によって読み込まれたスイッチデータに異常があるか否かを監視するための処理である。例えば、大入賞口5が開放され、球のVゾーン5aの通過を検出するVカウントスイッチで球が検出されたにも拘わらず、Vゾーン5a以外の大入賞口5への入賞を検出する10カウントスイッチで1球の球も検出できない場合には、10カウントスイッチが抜き取られるなどして、10カウントスイッチに何らかの異常が発生している。また、賞球を払い出すための払出モータを駆動したにも拘わらず、1球の賞球も払い出されない場合には、賞球の払出装置に何らかの異常が発生している。このようにカウント異常監視処理(S19)では、スイッチ読込処理(S18)によって読み込まれたスイッチデータに基づいて、上記のような異常の有無を監視している。
【0057】図柄カウンタ更新処理(S20)では、LCD3で行われる変動表示の結果、停止表示される図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われる。また、図柄チェック処理(S21)では、図柄カウンタ更新処理(S20)で更新されたカウンタの値に基づいて、特別図柄変動処理(S25)で使用される大当たり図柄や、はずれ図柄、更にはリーチ図柄などが決定される。
【0058】S16からS21までの処理において、エラーが発生していなければ(S22:正常)、普通図柄変動処理(S23)によって、7セグメントLED(図示せず)の変動表示を行うと共に、その変動表示の結果、大当たりが発生した場合には普通電動役物(図示せず)を所定時間開放する大当たり処理を実行する。その後、状態フラグをチェックし(S24)、LCD3において図柄の変動開始または変動表示中であれば(S24:図柄変動中)、特別図柄変動処理(S25)によって、球が図柄作動口4を通過するタイミングで読み取った乱数カウンタの値に基づいて、大当たりか否かの判定が行われると共に、LCD3において図柄の変動処理を実行する。一方、状態フラグをチェックした結果、大当たり中であれば(S24:大当り中)、大入賞口5を開放するなどの大当たり処理(S26)を実行する。更に、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動中でも大当たり中でもなければ(S24:その他)、S25及びS26の処理をスキップして、S27の表示データ作成処理へ移行する。なお、S22の処理において、エラーが確認された場合には(S22:エラー)、S23〜S26の各処理をスキップして、S27の表示データ作成処理へ移行する。
【0059】表示データ作成処理(S27)では、図柄の変動表示以外にLCD3に表示されるデモデータや、7セグメントLEDの表示データなどが作成され、ランプ・情報処理(S28)では、保留球のランプデータをはじめ、各種のランプデータが作成される。効果音処理(S29)では、遊技の状況に応じた効果音データが作成される。なお、これらの表示データ及び効果音データは、前記したポート出力処理(S15)やタイマ割込処理によって各装置へ出力される。
【0060】効果音処理(S29)の終了後は、次のS15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、S20と同一の処理である図柄カウンタ更新処理(S30)を繰り返し実行する。S15〜S29の各処理は定期的に実行する必要があるので、S31の処理において、前回のS15の処理の実行からの経過時間をチェックする(S31)。チェックの結果、前回のS15の処理の実行から所定時間経過していれば(S31:Yes)、処理をS15へ移行し、一方、所定時間経過していなければ(S31:No)、処理をS30へ移行して、図柄カウンタ更新処理(S30)の実行を繰り返す。ここで、S15〜S29の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して図柄カウンタ更新処理(S30)を繰り返し実行することにより、停止図柄をランダムに変更することができる。
【0061】図11は、図9におけるメイン処理の特別図柄変動処理(S25)内で実行されるコマンド設定処理を示したフローチャートである。このコマンド設定処理は、LCD3の変動表示を制御する制御用コマンドである変動パターン指定コマンド31と、停止図柄指定コマンド32と、図柄停止コマンド33とを、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信するために、各コマンド31〜33を送信バッファ13aへ書き込む(セットする)ための処理である。
【0062】コマンド設定処理では、まず、変動表示の状態を状態フラグによってチェックする(S51)。チェックの結果、変動表示の開始であれば(S51:変動開始)、変動パターン指定コマンド31を送信バッファ13aへ書き込み(S52)、コマンドカウンタ13bの値を「1」として(S53)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた変動パターン指定コマンド31は、S13の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
【0063】S51の処理において、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動表示中であれば(S51:変動表示中)、コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であるか否かを調べる(S54)。コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であれば(S54:Yes)、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄指定コマンド32の1バイト目を送信バッファ13aの上位バイトへ書き込む(S55)。図5(a)に示す対応関係に基づいて、例えば、コマンドカウンタ13bの値が「1」であれば「90H」が、コマンドカウンタ13bの値が「2」であれば「A0H」が、・・・、コマンドカウンタ13bの値が「9」であれば「B2H」が、それぞれ送信バッファ13aの上位バイトへ書き込まれる。
【0064】更に、コマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄の図柄コード32bを送信バッファ13aの下位バイトへ書き込む(S56)。例えば、コマンドカウンタ13bの値が「1」であれば図柄1(3a1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、コマンドカウンタ13bの値が「2」であれば図柄2(3b1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、・・・、コマンドカウンタ13bの値が「9」であれば図柄9(3c3)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、それぞれ図5(b)に示す対応関係に基づいて、送信バッファ13aの下位バイトへ書き込まれる。ここで、停止図柄として「3」の図柄が指定される場合には「10H」の図柄コード32bが、「MOUSE」の図柄が指定される場合には「11H」の図柄コード32bが、・・・、「キャンディ(5)」の図柄が指定される場合には「21H」の図柄コード32bが、それぞれ指定される。
【0065】S55およびS56の処理によって、2バイトの停止図柄指定コマンド32を送信バッファ13aへ書き込んだ後は、コマンドカウンタ13bの値を「1」加算して(S57)、この処理を終了する。なお、送信バッファ13aへ書き込まれた停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S13の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
【0066】一方、コマンドカウンタ13bの値が「10」以上であれば(S54:No)、9つ全ての表示領域3a1〜3c3について停止図柄指定コマンド32を送信したということである。よって、かかる場合には、S55からS57の各処理をスキップして、この処理を終了する。
【0067】S51の処理において、状態フラグをチェックした結果、変動表示の終了のタイミングであれば(S51:変動表示終了)、9つの表示領域3a1〜3c3の全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH)を送信バッファ13aへ書き込み(S58)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた図柄停止コマンド33は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S13の処理で設定されるタイマ割込処理により、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dへ送信されることにより、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
【0068】なお、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)は、必ずしも、9つすべての図柄を一度に確定させる必要はなく、例えば、9つの図柄をそれぞれ別々に確定させたり、或いは、スクロールが行われる単位、即ち、上段の図柄、中段の図柄、下段の図柄の各単位毎に図柄を確定させるようにしても良い。前者の場合には、図7に示すように「80H,01H」〜「80H,09H」の図柄停止コマンド33が使用され、後者の場合には「80H,0BH」〜「80H,0DH」の図柄停止コマンド33が使用される。
【0069】図12は、表示用制御基板Dの受信割込処理で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ制御用コマンドが送信されると実行される。まず、主制御基板Cから送信され表示用制御基板Dで受信した制御用コマンドを受信バッファ23aへ書き込み(S61)、更に、コマンド受信フラグ23bをオンして(S62)、新たな制御用コマンドが受信バッファ23aに記憶されていることを示して、この処理を終了する。
【0070】図13は、表示用制御基板Dのメイン処理の中で実行される変動表示処理のフローチャートである。変動表示処理では、主制御基板Cから受信した制御用コマンドに基づいて、変動表示の制御が行われる。
【0071】まず、コマンド受信フラグ23bがオンされているか否かを確認する(S71)。コマンド受信フラグ23bがオンされていれば(S71:Yes)、何らかの制御用コマンドを受信しているので、そのコマンド受信フラグ23bをオフした後に(S72)、受信バッファ23aの上位バイトに記憶されているデータにより制御用コマンドの種類を確認する(S73)。
【0072】受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「C0H」または「C1H」であれば、その制御用コマンドは変動パターン指定コマンド31である。よって、かかる場合には(S73:変動パターン指定コマンド)、全ての停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの内容を0クリアした後(S74)変動パターン指定コマンド31で指定された変動表示をLCD3上で開始する(S75)。
【0073】S73の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「90H〜92H」,「A0H〜A2H」または「B0H〜B2H」のいずれかであれば、その制御用コマンドは停止図柄指定コマンド32である。よって、かかる場合には(S73:停止図柄指定コマンド)、その停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコマンドである図柄コード32bを対応する停止図柄1〜9メモリ23c〜23kへ書き込む(S76)。図5(a)(b)に示すように、例えば、受信バッファ23aに記憶される停止図柄指定コマンド32が「90H,14H」であれば、「90H」に対応する停止図柄1メモリ23cに、「14H(7の図柄)」の図柄コード32bが書き込まれる。また、受信バッファ23aに記憶される停止図柄指定コマンド32が「B2H,21H」であれば、「B2H」に対応する停止図柄9メモリ23kに、「21H(キャンディの図柄)」の図柄コード32bが書き込まれる。
【0074】その後は、LCD3上で高速に変動されている変動中の図柄を、変動パターン指定コマンド31により指定された変動パターンとその変動パターンの進行状況とを考慮して、停止図柄1〜9メモリ23c〜23kに記憶される図柄コード32bの図柄で変動表示が終了するように、変動中の図柄の差し替えを行う(S77)。例えば、停止図柄1メモリ23cに「14H」が記憶されている場合には、図柄1の表示領域3a1の変動表示が「14H」の図柄コード32bである「7」の図柄で終了するように、図柄の差し替えが行われる。また、停止図柄9メモリ23kに「21H」が記憶されている場合には、図柄9の表示領域3c3の変動表示が「21H」の図柄コード32bである「キャンディ(5)」の図柄で終了するように、図柄の差し替えが行われる。
【0075】S73の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「80H」であれば、その制御用コマンドは図柄停止コマンド33である。よって、かかる場合には(S73:図柄停止コマンド)、その図柄停止コマンド33で指定された図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3の図柄を確定し(S78)、その表示領域3a1〜3c3へ該当する図柄を停止表示する。
【0076】例えば、「80H,0AH」の図柄停止コマンド33が受信バッファ23aに記憶されていれば、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄を一度に確定し、停止表示する。また、「80H,0CH」の図柄停止コマンド33が受信バッファ23aに記憶されていれば、中段の表示領域3bに表示される3つの図柄2,5,8を一度に確定し、停止表示する。
【0077】なお、変動表示の終了タイミングの到来前であっても、図柄停止コマンド33を受信した場合には、その図柄停止コマンド33により指示された表示領域3a1〜3c3の変動表示を即座に停止(確定)する。よって、図柄停止コマンド33を受信するタイミングで、変動表示を実際に終了させることができる。
【0078】S71の処理においてコマンド受信フラグ23bがオフされている場合や(S71:No)、S75,S77,S78の各処理の実行後は、変動表示の状況に応じて各処理を実行し(S79)、この変動表示処理を終了する。
【0079】次に、図14及び図15のタイミングチャートを参照して、上述の説明に基づく変動表示のタイミングについて説明する。まず、図14を参照して、9つ全ての図柄を一度に停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。主制御基板Cから表示用制御基板Dへ変動パターン指定コマンド31が送信されると、図柄1(3a1)〜図柄9(3c3)の全ての図柄について、先の変動開始処理(S75)で決定されたパターンの変動表示が開始される。この変動パターン指定コマンド31に続いて、高速変動の最中に、停止図柄指定コマンド32が9つの表示領域3a1〜3c3に対して順に送信される。停止図柄指定コマンド32が表示用制御基板Dによって受信されると、その停止図柄指定コマンド32により指定される停止図柄に合わせて、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
【0080】その後、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンで、表示用制御基板Dによって変動表示が継続され、変動表示の終了タイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、9つの全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH(図7参照))が送信される。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。変動表示の終了後は、所定時間の経過により、各表示領域3a1〜3c3に停止表示されている停止図柄指定コマンド32で指定した停止図柄の表示が別の表示に切り替えられる。
【0081】なお、変動表示の終了タイミングが到来する前に、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信した場合には、変動パターン指定コマンド31で指定された変動表示の終了タイミングが到来していなくても、停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄を、指定された表示領域3a1〜3c3へ、即座に、停止表示する。かかる制御により、図柄停止コマンド33の送信(受信)タイミングに合わせて、変動表示を終了させることができるのである。
【0082】次に、図15のタイミングチャートを参照して、上段、下段、中段の順に、9つの図柄を3図柄ずつ停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。停止図柄指定コマンド32の送信までは、図14のタイミングと同様に行われ、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
【0083】変動表示終了のタイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、まず、上段の表示領域3aに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信される(80H,0BH(図7参照))。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、上段の図柄1,4,7が停止表示(確定)する(図3参照)。次に、下段の表示領域3cに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0DH(図7参照))、下段の図柄3,6,9が停止表示(確定)する(図3参照)。更に、中段の表示領域3bに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0CH(図7参照))、中段の図柄2,5,8が確定する(図3参照)。以上3つの図柄停止コマンド33により、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
【0084】このように図柄のスクロール方向に合わせて、上段、下段、中段の順に図柄を停止表示(確定)させることにより、制御によって表示上に表される仮想図柄リール41〜43を、実際の図柄リールのように表現することができる。なお、図柄のスクロール方向が縦方向の場合には、図柄の停止表示(確定)は、例えば、左、右、中の順に行われる。
【0085】次に、図16から図21を参照して、図13の各処理(S79)の中で実行される図柄の変動制御のうち、代表的な6パターンについて説明する。このうち図16から図18に示す変動制御は、横スクロールの第1変動後に縦スクロールの第2変動が行われるものであり、図19から図21に示す変動制御は、横スクロールの第1変動後に、回転スクロールの第2変動が行われ、更に、縦スクロールの第3変動が行われるものである。
【0086】まず、図16から図18を参照して、横スクロールの第1変動後に縦スクロールの第2変動が行われる変動制御を説明する。図16は、かかる変動制御の第1パターンを示した図である。上記したように、LCD3の表示画面は9つの表示領域3a1,・・・,3c3に分割されており、各表示領域には1図柄ずつ合計9つの図柄が表示されている。本実施例の図柄の変動表示では、隣り合う3の表示領域を直線上に繋ぐラインを大当たりラインとしており、縦、横及び斜めの合計8ライン(複数ライン)が大当たりライン71〜78となっている。尚、本実施例では8ラインで大当たりを期待できるパチンコ機Pを用いているが、これ以外にも5ラインや3ライン等、2以上の複数のラインで大当たりを期待できるパチンコ機に本実施例を用いるようにしても良い。また、大当たりライン71〜78は、必ずしも直線状に繋がれていなくても良く、例えば、「く」の字形や「へ」の字形に屈曲されたラインを大当たりラインとしても良い。
【0087】なお、図16から図18において、第1変動とは、上段の表示領域3a1〜3a3、中段の表示領域3b1〜3b3または下段の表示領域3c1〜3c3の各表示領域のグループで、それぞれ横方向にスクロールする図柄の変動をいい、また、第2変動とは、左端の表示領域3a1,3b1,3c1、中央の表示領域3a2,3b2,3c2または右端の表示領域3a3,3b3,3c3の各グループで、それぞれ縦方向にスクロールする図柄の変動をいう。また、第1変動と第2変動とは、いずれも1回の変動表示の中で行われる。
【0088】図16(a)は、上段及び下段の横スクロールが既に停止し、中段の横スクロールが停止する直前(第1変動停止前)の画面を示している。9つの各表示領域において、上段の表示領域3a1〜3a3には左から順に「MOUSE」、「キャンディ(1)」、「3」の図柄が、下段の表示領域3c1〜3c3には左から順に「FRUIT」、「宝石(3)」、「女の子」の図柄が、それぞれ停止表示されている。中段の表示領域3b1〜3b3の図柄は未だ停止されていないが、停止する直前なのでスクロールの動きが遅くなっており、遊技者は図柄を十分に視覚可能な状態になっている。よって、遊技者は、中段の表示領域3b1〜3b3に「宝石(3)」、「女の子」、「キャンディ(4)」の図柄がそれぞれ左から順に停止することを予測することができる。通常の変動表示はここで終了となるが、この変動表示では第1変動に続いて第2変動が開始され、大当たりを期待できる遊技状態へと遷移する。即ち、横スクロールの第1変動でリーチ状態とならない場合であっても、そこで変動表示が終了せずに縦スクロールの第2変動へ移行してリーチ状態を現出し、遊技者に大当たりを期待させ遊技意欲を向上させるのである。
【0089】なお、本実施例では、第1変動に続いて第2変動が行われるか否かは、第1種始動口4へ入賞した球がその第1種始動口4内に設けられたスイッチを通過するタイミングによって決定される。しかし、他の条件によって第2変動を実行するか否かを決定するようにしても良いのである。
【0090】図16(b)は、中段の表示領域3b1〜3b3の横スクロールの停止と共に第1変動が終了して、第2変動のスクロールが開始した直後の画面を示している。上中下段の3段に横方向にまとめられたグループが一旦解除され、新たに左端の3つの表示領域3a1,3b1,3c1と、右端の3つの表示領域3a3,3b3,3c3とが、それぞれ縦方向にグループ化される。そして、左端の表示領域3a1,3b1,3c1では下から上方向に、右端の表示領域3a3,3b3,3c3では上から下方向にそれぞれスクロールが開始される。
【0091】ここで、右端の表示領域3a3,3b3,3c3において、第2変動の開始前(移動方向の変更前)にLCD3に表示されてる図柄は、下から順に「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」であり、最も多い4本の大当たりライン71,73,75,77が交錯する中央中段の表示領域3b2に表示されている「女の子」の図柄を含んでいる。よって、この場合の右端の表示領域3a3,3b3,3c3における第2変動では、これら「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」の図柄のみで上から下方向に繰り返し縦スクロールする。即ち、右端の表示領域3a3,3b3,3c3における上から下への縦スクロールは「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」、「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」、・・・の順に繰り返し行われる。
【0092】一方、左端の表示領域3a1,3b1,3c1において、第2変動の開始前(移動方向の変更前)にLCD3に表示されてる図柄は、上から順に「MOUSE」、「宝石(3)」、「FRUIT」である。この場合、この3図柄には中段中央の表示領域3b2に表示されている「女の子」の図柄は含まれていないので、これらの図柄のみでスクロールを行ってもリーチへ発展しない(リーチへ発展する確率は低い)。左端の表示領域3a1,3b1,3c1は、第2変動において下から上方向に縦スクロールするので、新たに現れる表示図柄は左下の表示領域3c1の「FRUIT」を基準に決定される。そこで、「MOUSE」、「宝石(3)」、「FRUIT」の表示後は、「FRUIT」を基準に、3図柄以内に「女の子」のある図柄パターンとして下段の仮想図柄リール43を使用し、「宝石(3)」、「女の子」、「FRUIT」、「宝石(3)」、「女の子」、「FRUIT」、・・・の順に、下から上への縦スクロールが繰り返し行われる。即ち、下段の仮想図柄リール43の横スクロールと同じ配列順に順次スクロール表示されるのである。
【0093】尚、スクロールが横スクロール(第1変動)から縦スクロール(第2変動)に変更される場合、変更されたスクロールの図柄の配列順は、上中下段の各仮想図柄リール41,42,43の配列のいずれを選択するようにしても良い。即ち、上述した通り、図16(b)では、左端の表示領域3a1,3b1,3c1のスクロールは、下段の仮想図柄リール43の配列に基づいて行われたが、これを例えば、上段または中段の仮想図柄リール41,42の配列に基づいて行うようにしても良いのである。但し、上段の仮想図柄リール41を「FRUIT」を基準にして用いる場合には、3図柄以内に「女の子」の図柄が含まれないので、リーチへの発展確率が低い変動表示となり、その仮想図柄リール41の選択は好ましくない。よって、上段または中段の仮想図柄リール41,42の配列に基づいて縦スクロールの第2変動を行う場合には、特定の3図柄のみでスクロールを行うのではなく、上段または中段の仮想図柄リール41,42の全図柄を用いて縦スクロールを行うのである。
【0094】図16(c)は、左端の表示領域3a1,3b1,3c1のスクロールが停止する直前であって右端の表示領域3a3,3b3,3c3のスクロールが継続されている画面を示している。左端の表示領域3a1,3b1,3c1ではスクロールの動きが遅くなっているので、遊技者は、左端の表示領域3a1,3b1,3c1に上から順に「FRUIT」、「宝石(3)」、「女の子」の各図柄が停止することを予測できる。これにより、左下の表示領域3c1に表示されている「女の子」の図柄と、中段中央の表示領域3b2に表示されている「女の子」の図柄とを繋ぐ大当たりライン75によってリーチ状態が発生する。
【0095】図16(d)は、かかるリーチ状態において、右端の表示領域3a3,3b3,3c3のスクロールが停止する直前の画面を示している。右端の表示領域3a3,3b3,3c3ではスクロールの動きが遅くなっており、遊技者は図柄を十分に視覚可能な状態になっている。かかる右端の表示領域3a3,3b3,3c3のスクロールは、「女の子」、「キャンディ(4)」、「3」の3図柄で行われているので、大当たりの発生確率が1/3となり、遊技者の大当たり発生の期待感を高め、遊技の興趣を向上することができるのである。
【0096】縦スクロールの第2変動終了後は、停止図柄の配列は、横スクロールの第1変動の仮想図柄リール41,42,43の配列とは異なっているので、次の第1変動を開始する前に表示図柄を仮想図柄リール41,42,43の配列に戻す必要がある。即ち、図柄の戻し演出が必要になる。本実施例における戻し演出は、LCD3に表示されている図柄を、一旦、遊技者が視覚困難となるような表示状態とし、その視覚困難な表示状態の間に、表示されている図柄の配列を仮想図柄リール41,42,43の配列に戻すものである。これより、遊技者に違和感を与えることなく、図柄の配列を戻すことができる。なお、視覚困難な表示としては、例えば、画面全体を一瞬真っ白或いは真っ暗にしたり、画面全体をフラッシュライトで点滅させる等の表示がある。画面全体をフラッシュライトで点滅させる戻し演出においては、かかる点滅の間に、図柄の配列を一度に或いは徐々に正常な横スクロールの配列に戻すのである。
【0097】また、かかる戻し演出に代えて、縦スクロールの第2変動終了後の停止図柄を単に表示されている順に横スクロールし、新たに表示される図柄については仮想図柄リール41〜43の配列で表示していくようにしても良い。この場合、第2変動終了時の図柄が横スクロールにより画面から消えた時点で、図柄の配列が仮想図柄リール41〜43の配列に戻される。よって、横スクロールの開始時における図柄のみが仮想図柄リール41〜43の配列と異なったものとなるのである。なお、横スクロールが右から左に行われる場合には右端の表示領域3a3,3b3,3c3に停止表示されている図柄を基準にして、逆に横スクロールが左から右に行われる場合には左端の表示領域3a1,3b1,3c1に停止表示されている図柄を基準にして、その基準にした図柄から仮想図柄リール41〜43の配列に従って図柄の横スクロールが開始される。
【0098】図17は、図柄の変動制御の第2パターンを示した図であり、図16に示す第1パターンの場合と同様に、横スクロールの第1変動の停止直後に、図柄が再変動して縦スクロールの第2変動が開始される様子が図示されている。
【0099】図17(a)は、上段及び下段の横スクロールが既に停止し、中段の横スクロールが停止する直前(第1変動停止前)の画面を示している。上段の表示領域3a1〜3a3には左から順に「CAKE」、「キャンディ(4)」、「女の子」の図柄が、下段の表示領域3c1〜3c3には左から順に「宝石(3)」、「女の子」、「キャンディ(4)」の図柄が、それぞれ停止表示されている。また、中段の表示領域3b1〜3b3の図柄は未だ停止されていないが、停止する直前なのでスクロールの動きが遅くなっており、遊技者は、それぞれ左から順に「女の子」、「キャンディ(4)」、「CAKE」の図柄が停止表示されることを予測できる。通常の変動表示はここで終了となるが、この変動表示では横スクロールの第1変動に続いて、縦スクロールの第2変動が開始され、大当たりを期待できる遊技状態へと遷移する。
【0100】図17(b)は、中段の表示領域3b1〜3b3の横スクロールの停止と共に第1変動が終了して、縦スクロールの第2変動が開始した直後の画面を図示している。上中下段の3段に横方向にまとめられたグループが一旦解除され、新たに左端の3つの表示領域3a1,3b1,3c1と、中央の3つの表示領域3a2,3b2,3c2とが、それぞれ縦方向にグループ化される。そして、左端の表示領域3a1,3b1,3c1では下から上方向に、中央の表示領域3a2,3b2,3c2では上から下方向にそれぞれスクロールが開始される。なお、縦スクロールの第2変動が行われない右端の表示領域3a3,3b3,3c3には「女の子」、「CAKE」、「キャンディ(4)」の図柄がそれぞれ上から順に表示されている。
【0101】ここで、左端の表示領域3a1,3b1,3c1には、第1変動の終了により上から順に「CAKE」、「女の子」、「宝石(3)」の図柄が停止表示されている。この中には、縦スクロールの第2変動が行われない右端の表示領域3a3,3b3,3c3に停止表示されている「CAKE」と「女の子」の2つの図柄が含まれているので、左端の表示領域3a1,3b1,3c1の縦スクロールをかかる第1変動終了時の3図柄だけで行うことにより、リーチへ発展する確率の高い変動表示とすることができる。
【0102】また、中央の表示領域3a2,3b2,3c2は、第2変動において上から下方向へ縦スクロールされるので、新たに現れる表示図柄は、第1変動終了時に中央上段の表示領域3a2に表示されている「キャンディ(4)」を基準にして決定される。即ち、第1変動終了時に中央の表示領域3a2,3b2,3c2に停止表示されている「女の子」、「キャンディ(4)」、「キャンディ(4)」の次からは、中央上段の表示領域3a2の「キャンディ(4)」を基準に、中段の仮想図柄リール42の配列を使用して、「キャンディ(4)」、「CAKE」、「宝石(4)」、「CAT(2)」、「キャンディ(5)」、「3」、・・・の順に、上から下への縦スクロールが行われる。
【0103】図17(c)は、左端の表示領域3a1,3b1,3c1の縦スクロールが停止する直前であって、中央の表示領域3a2,3b2,3c2の縦スクロールが継続されている画面を示している。この状態で、左端の表示領域3a1,3b1,3c1の縦スクロールが停止すると、中段の右端と左端の表示領域3b1,3b3で「CAKE」の図柄が揃い、大当たりライン77でリーチが発生する。また、左端下段の表示領域3c1と右端上段の表示領域3a3で「女の子」の図柄が揃い、大当たりライン75でリーチが発生する。即ち、「CAKE」と「女の子」の図柄によりダブルリーチが発生する。これは、仮想図柄リール41〜43を一方向に変動しただけでは到底発生し得ないリーチ状態である。なお、このとき、中央の表示領域3a2,3b2,3c2では縦スクロールが高速に行われており、遊技者による図柄の視覚は不可能な状態になっている。
【0104】図17(d)は、中央の表示領域3a2,3b2,3c2の縦スクロールが停止する直前の、即ち第2変動が停止する直前の画面を示している。中央中段の表示領域3b2に「女の子」又は「CAKE」の図柄が停止表示されると、大当たりとなる。このように、縦スクロールの第2変動を、左端の表示領域3a1,3b1,3c1において横スクロールの第1変動停止時の図柄のみを使用して行うことにより、仮想図柄リール41〜43の配列に無い図柄の配列で縦スクロールを行わせることができ、その結果、2本の大当たりライン75,77でリーチとなるダブルリーチ状態を現出させて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0105】図18は、図柄の変動制御の第3パターンを示した図であり、図16に示す第1パターンの場合と同様に、横スクロールの第1変動の停止直後に、図柄が再変動して縦スクロールの第2変動が開始される様子が図示されている。
【0106】図18(a)は、図16に示す第1パターンの場合と同様に、上段及び下段の横スクロールが既に停止し、中段の横スクロールが停止する直前(第1変動停止前)の画面を示している。上段の表示領域3a1〜3a3には左から順に「キャンディ(4)」、「女の子」、「宝石(3)」の図柄が、下段の表示領域3c1〜3c3には左から順に「女の子」、「キャンディ(4)」、「FRUIT」の図柄が、それぞれ停止表示されている。また、中段の表示領域3b1〜3b3の図柄は未だ停止されていないが、停止する直前なのでスクロールの動きが遅くなっており、遊技者は、それぞれ左から順に「宝石(3)」、「女の子」、「キャンディ(4)」の図柄が停止表示されることを予測できる。通常の変動表示はここで終了となるが、この変動表示では横スクロールの第1変動に続いて、縦スクロールの第2変動が開始され、大当たりを期待できる遊技状態へと遷移する。
【0107】図18(b)は、中段の表示領域3b1〜3b3の横スクロールの停止と共に第1変動が終了して、第2変動の縦スクロールが開始した直後の画面を示している。上中下段の3段に横方向にまとめられたグループが一旦解除され、新たに左端の3つの表示領域3a1,3b1,3c1と、右端の3つの表示領域3a3,3b3,3c3とが、それぞれ縦方向にグループ化される。そして、左端の表示領域3a1,3b1,3c1では下から上方向に、右端の表示領域3a3,3b3,3c3では上から下方向にそれぞれスクロールが開始される。
【0108】ここで、縦スクロールの第2変動が行われない中央の表示領域3a2,3b2,3c2には2つの「女の子」の図柄と1つの「キャンディ(4)」の図柄とが停止表示されている。「キャンディ(4)」の図柄はハズレ図柄であるので、「女の子」の図柄について注目する。
【0109】まず、左端の表示領域3a1,3b1,3c1には、第2変動の開始前に表示されてる図柄は、上から順に「キャンディ(4)」、「宝石(3)」、「女の子」であり、中央の表示領域3a2,3b2,3c2に停止表示されている当たり図柄の「女の子」を含んでいるので、この場合の左端の表示領域3a1,3b1,3c1における第2変動では、横スクロールの第1変動終了時に停止表示されている「女の子」、「キャンディ(4)」、「宝石(3)」の3図柄のみで下から上方向に繰り返し縦スクロールする。即ち、左端の表示領域3a1,3b1,3c1における下から上への縦スクロールは「キャンディ(4)」、「宝石(3)」、「女の子」、「キャンディ(4)」、「宝石(3)」、「女の子」、・・・の順に繰り返し行われる。この左端の表示領域3a1,3b1,3c1における縦スクロールの終了により、「女の子」の図柄が左端上段の表示領域3a1に停止した場合には大当たりライン71,76によりリーチ状態となり、左端中段の表示領域3b1に停止した場合には大当たりライン77によりリーチ状態となり、更に左端下段の表示領域3c1に停止した場合には大当たりライン75によりリーチ状態となる。よって、この左端の表示領域3a1,3b1,3c1における縦スクロールにより、必ずリーチ状態へと発展させることができる。
【0110】また、右端の表示領域3a3,3b3,3c3は、第2変動において上から下方向へ縦スクロールされるので、新たに現れる表示図柄は、第1変動終了時に右端上段の表示領域3a3に表示されている「宝石(3)」を基準にして決定される。即ち、第1変動終了時に右端の表示領域3a3,3b3,3c3に停止表示されている「FRUIT」、「キャンディ(4)」、「宝石(3)」の後は、右端上段の表示領域3a3の「宝石(3)」を基準に、上段の仮想図柄リール41の配列を使用して、「宝石(3)」、「FRUIT」、「キャンディ(3)」、「7」、「宝石(2)」、「CAT(1)」、・・・の順に、上から下への縦スクロールが行われる。
【0111】図18(c)は、左端の表示領域3a1,3b1,3c1の縦スクロールが停止する直前であって、右端の表示領域3a3,3b3,3c3の縦スクロールが継続されている画面を示している。この状態で、左端の表示領域3a1,3b1,3c1の縦スクロールが停止すると、上段の左端と中央の表示領域3a1,3a2で「女の子」の図柄が揃い、大当たりライン76でリーチが発生する。また、左端上段の表示領域3a1と中央中段の表示領域3b2で「女の子」の図柄が揃い、大当たりライン71でリーチが発生する。即ち、左端上段の「女の子」の図柄によってダブルリーチが発生する。これは、仮想図柄リール41〜43を一方向に変動しただけでは到底発生し得ないリーチ状態である。なお、このとき、右端の表示領域3a3,3b3,3c3では縦スクロールが高速に行われており、遊技者による図柄の視覚は不可能な状態になっている。
【0112】図18(d)は、右端の表示領域3a3,3b3,3c3の縦スクロールが停止する直前の、即ち第2変動が停止する直前の画面を示している。右端の上段または下段の表示領域3a3,3c3に「女の子」の図柄が停止表示されると、大当たりライン71,76上に「女の子」の図柄が揃い大当たりとなるので、表示上の大当たりの発生確率が高くなって、遊技者の期待感を向上させることができる。
【0113】なお、第3パターンにおける縦スクロールの第2変動は、左右の表示領域3a1,3b1,3c1,3a3,3b3,3c3で同時に開始されたが、今回のように横スクロールの第1変動の終了時に、左端下段の表示領域3c1と中央中段の表示領域3b2とでリーチ状態となっている場合には、そのリーチ状態を維持したまま、第2変動を開始するようにしても良い。具体的には、まず、リーチ状態に関係のない右端の表示領域3a3,3b3,3c3だけで縦スクロールの第2変動を開始し、その第2変動が「女の子」の図柄を右端下段の表示領域3c3に停止表示して終了した場合には、更に、左端の表示領域3a1,3b1,3c1で縦スクロールの第2変動を開始するのである。このように縦スクロールの第2変動を順に行えば、横スクロールの第1変動終了時に大当たりライン75で1回目のリーチ状態を現出でき、右端の表示領域3a3,3b3,3c3における縦スクロールの第2変動で大当たりの発生を期待でき、更にその右端の表示領域3a3,3b3,3c3における縦スクロールの終了時に大当たりライン71で2回目のリーチ状態を現出でき、左端の表示領域3a1,3b1,3c1における縦スクロールの第2変動で大当たりの発生を期待できるのである。即ち、横スクロールの第1変動以外に縦スクロールの第2変動によって、大当たりの発生を2回以上期待させることができるのである。
【0114】次に、図19から図21を参照して、横スクロールの第1変動後に、回転スクロールの第2変動が行われ、更に、縦スクロールの第3変動が行われる変動制御を説明する。図19は、かかる変動制御の第4パターンを示した図である。
【0115】なお、図19から図21において、第1変動とは、上段の表示領域3a1〜3a3、中段の表示領域3b1〜3b3または下段の表示領域3c1〜3c3の各表示領域のグループで、それぞれ横方向にスクロールする図柄の変動をいい、また、第2変動とは、中央中段の表示領域3b2以外の表示領域3a1〜3a3,3b1,3b3,3c1〜3c3のグループで、中央中段の表示領域3b2を中心に回転スクロールする図柄の変動をいい、更に、第3変動とは、回転スクロールの第2変動終了後に、上段、中段、下段の各表示領域のグループで横方向にスクロール或いは左端、中央、右端の各表示領域のグループで縦方向にスクロールする図柄の変動をいう。第1〜第3変動は、いずれも1回の変動表示の中で行われる。
【0116】図19(a)は、上段及び下段の横スクロールが既に停止し、中段の横スクロールが停止する直前(第1変動停止前)の画面を示している。上段の表示領域3a1〜3a3には左から順に「女の子」、「宝石(3)」、「FRUIT」の図柄が、下段の表示領域3c1〜3c3には左から順に「女の子」、「キャンディ(4)」、「CAKE」の図柄が、それぞれ停止表示されている。即ち、左端の表示領域3a1,3b1,3c1において、「女の子」の図柄により大当たりライン72でリーチ状態となっており、遊技者は中段の表示領域3b1〜3b3における横スクロールの結果に大当たりを期待する。しかし、中段の表示領域3b1〜3b3の横スクロールが、図19(a)に示すように「宝石(3)」、「女の子」、「キャンディ(4)」の図柄で左から順に停止すると、左端の表示領域3a1,3b1,3c1で折角リーチ状態へ発展したにも拘わらず大当たりとならず、遊技者は落胆する。
【0117】通常の変動表示はここで終了となるが、第4パターンの変動表示では、この横スクロールの第1変動に続いて、回転スクロールの第2変動が開始され、大当たりを期待できる遊技状態へと遷移し、遊技者の遊技意欲を向上させる。
【0118】図19(b)は、横スクロールの第1変動終了後、回転スクロールの第2変動が開始した直後の画面を示している。上中下段の3段に横方向にまとめられたグループが一旦解除され、新たに中央中段の表示領域3b2以外の表示領域3a1〜3a3,3b1,3b3,3c1〜3c3でグループ化され、中央中段の図柄を中心に左回りに回転する回転スクロールが開始される。かかる回転スクロールは、横スクロールの第1変動終了時の停止図柄で行われるが、かかる第1変動終了時の停止図柄には、回転スクロールの中心となる中央中段の表示領域3b2に表示されている「女の子」の図柄が1の図柄間隔を空けて2図柄含まれている。なお、第2変動の回転スクロールは、必ずしも左回りでなくとも良く、右回りに行うようにしても良い。
【0119】図19(c)は、図19(b)で開始された回転スクロールが高速変動している状態を示しており、中央中段の表示領域3b2の「女の子」の図柄は停止表示されている。また、図19(d)は、回転スクロールの第2変動が停止する直前の画面を示しており、上段の表示領域3a1〜3a3には「FRUIT」、「キャンディ(4)」、「CAKE」が、中段の左右の表示領域3b1〜3b3には「宝石(3)」、「女の子」、「キャンディ(4)」が、下段の表示領域3c1〜3c3には「女の子」、「宝石(3)」、「女の子」の各図柄が、それぞれ停止することが予測できる。ここで、下段の左右の表示領域3c1,3c3に「女の子」の図柄が並び、下段の大当たりライン78により再びリーチ状態を現出させることができる。
【0120】ここで、図19(e)に示すように、中央の表示領域3a2,3b2,3c2において縦スクロールの第3変動が開始される。即ち、回転スクロールのグループが解除され、新たに中央の表示領域3a2,3b2,3c2でグループ化され、上から下方向に縦スクロールが開始されるのである。かかる縦スクロールは、中央上段の表示領域3a2に表示されている「キャンディ(4)」を基準に行われる。即ち、第2変動終了時に中央の表示領域3a2,3b2,3c2に停止表示されている「宝石(3)」、「女の子」、「キャンディ(4)」の次からは、中央上段の表示領域3a2の「キャンディ(4)」を基準に、中段の仮想図柄リール42の配列を使用して、「キャンディ(4)」、「CAKE」、「宝石(4)」、「CAT(2)」、「キャンディ(5)」、「3」、・・・の順に、上から下への縦スクロールが行われる。かかる縦スクロールの第3変動により、中央下段の表示領域3c2に「女の子」の図柄が停止表示されると、大当たりライン78上に「女の子」の図柄が揃い大当たりが発生する。
【0121】このように、横スクロールの第1変動において一旦はずれたリーチ状態を、回転スクロールの第2変動により再びリーチ状態とし、更に、縦スクロールの第3変動によって、そのリーチ状態において大当たりを期待させることができる。よって、遊技者は、1回の変動表示においてリーチに対する興趣を2度味わうことができ、興趣性を向上することができる。また、第1、第2、第3変動と、いずれも異なった方向に変動表示が行われるので、遊技者は次の変動表示がどのように展開されるか予想が困難となり、この点でも興趣性を向上することができる。
【0122】なお、縦スクロールの第3変動を、第2変動終了時に中央の表示領域3a2,3b2,3c2に停止表示されている3図柄(「キャンディ(4)」、「女の子」、「宝石(3)」)で繰り返し行うようにしても良い。この場合、かかる3図柄にはリーチ図柄である「女の子」の図柄が含まれているので、表示上における大当たりの発生確率を1/3にすることができ、大当たりの期待感を一層向上させることができる。
【0123】また、変動表示の終了後であって次の変動表示の開始時、或いは、変動表示がはずれた場合の変動表示の終了時には、図16を参照して説明した前述の「戻し演出」が行われ、図柄の配列が横スクロール時における仮想図柄リール41〜43の配列に戻される。
【0124】図20は、図柄の変動制御の第5パターンを示した図である。この第5パターンの変動制御では、横スクロールの第1変動の後に、回転スクロールの第2変動が行われ、更に、横スクロールの第3変動が行われる。即ち、図19に示す第4パターンの変動制御では第3変動が縦スクロールされたのに対し、この第5パターンの変動制御では第3変動が横スクロールとされている。なお、第2変動における回転スクロールの回転方向は、第4パターンの変動制御では左回りであったが、第5パターンの変動制御では右回りとされている。
【0125】図20(a)に示すように、横スクロールの第1変動により大当たりライン74において「女の子」の図柄でリーチ状態となり、そのリーチ図柄の「女の子」の図柄が中央中段の表示領域3b2に停止表示されている場合、図20(b)に示すように、その中央中段の表示領域3b2の「女の子」の図柄を中心に右回りに回転する回転スクロールの第2変動を行う。図20(c)は、かかる回転スクロールが高速変動している状態を示しており、図20(d)は、回転スクロールの第2変動が停止する直前の画面を示している。なお、横スクロールの第1変動に続いて回転スクロールの第2変動が行われるか否かは、第1パターンの変動制御の場合と同様に、第1種始動口4へ入賞した球がその第1種始動口4内に設けられたスイッチを通過するタイミングによって決定される。
【0126】図20(d)において、上段の表示領域3a1〜3a3には「女の子」、「宝石(3)」、「FRUIT」が、中段の左右の表示領域3b1〜3b3には「キャンディ(4)」、「女の子」、「宝石(3)」が、下段の表示領域3c1〜3c3には「女の子」、「キャンディ(4)」、「CAKE」の各図柄が、それぞれ左から順に停止することが予測でき、左端の上段及び下段の表示領域3a1,3c1に「女の子」の図柄が並び、左端の大当たりライン72により再びリーチ状態を現出させることができる。
【0127】ここで、図20(e)に示すように、回転スクロールのグループが解除され、新たに中段の表示領域3b1〜3b3でグループ化され、右から左方向に横スクロールの第3変動が開始される。かかる中段の表示領域3b1〜3b3における横スクロールは、右端中段の表示領域3b3に表示されている「宝石(3)」を基準に、中段の仮想図柄リール42の配列に基づいて行われる。
【0128】このように、横スクロールの第1変動において一旦はずれたリーチ状態を、回転スクロールの第2変動により再びリーチ状態とし、更に、横スクロールの第3変動によって、そのリーチ状態において大当たりを期待させることができるので、遊技者は、1回の変動表示においてリーチに対する興趣を2度味わうことができ、興趣性を向上することができる。
【0129】図21は、図柄の変動制御の第6パターンを示した図である。この第6パターンの変動制御では、図19に示す第4パターンの変動制御と同様に、横スクロールの第1変動の後に、回転スクロールの第2変動が行われ、更に、縦スクロールの第3変動が行われる。なお、第2変動における回転スクロールの回転方向は、第4パターンの変動制御では左回りであったが、第6パターンの変動制御では右回りとされている。
【0130】図21(a)〜図21(d)までは、図20(a)〜図20(d)までと同様であるので、その説明は省略する。図21(d)において、右端上段及び中央中段の表示領域3a1,3b2、並びに、右端下段及び中央中段の表示領域3c1,3b2に「女の子」の図柄が並び、大当たりライン71,75により、図21(a)のリーチ状態に続いて再びリーチ状態を現出させることができる。しかも、図21(d)では2本の大当たりライン71,75によるダブルリーチ状態である。
【0131】ここで、図21(e)に示すように、右端の表示領域3a3,3b3,3c3において縦スクロールの第3変動が開始される。即ち、回転スクロールのグループが解除され、新たに右端の表示領域3a3,3b3,3c3でグループ化され、上から下方向に縦スクロールが開始されるのである。かかる縦スクロールは、右端上段の表示領域3a3に表示されている「FRUIT」を基準に行われる。即ち、第2変動終了時に右端の表示領域3a3,3b3,3c3に停止表示されている「CAKE」、「宝石(3)」、「FRUIT」の次からは、右端上段の表示領域3a3の「FRUIT」を基準に、下段の仮想図柄リール43の配列を使用して、「FRUIT」、「宝石(3)」、「女の子」、「キャンディ(4)」、「CAKE」、・・・の順に、上から下への縦スクロールが行われる。かかる縦スクロールの第3変動により、右端の上段又は下段の表示領域3a3,3c3に「女の子」の図柄が停止表示されると、大当たりライン71,75上に「女の子」の図柄が揃い大当たりが発生する。
【0132】なお、下段の仮想図柄リール43では、「FRUIT」を基準に、3図柄以内にリーチ図柄である「女の子」の図柄があるので、「CAKE」、「宝石(3)」、「FRUIT」の次からは、かかる「FRUIT」以降の3図柄を用いて、「宝石(3)」、「女の子」、「FRUIT」、「宝石(3)」、「女の子」、「FRUIT」・・・の順に、上から下への縦スクロールを繰り返し行うようにしても良い。かかる3図柄のスクロールによれば、2本の大当たりライン71,75を構成する「女の子」の図柄が繰り返し変動表示されるので、表示上の大当たりの発生確率を2/3にすることができる。よって、遊技者の大当たり発生への期待感を一層高めて、遊技意欲を向上することができるのである。
【0133】以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0134】例えば、上記各実施例では、図柄のスクロールは仮想図柄リール41〜43で定められる図柄の配列に従って行われたが、仮想図柄リール41〜43で定められる図柄の配列以外にも、仮想図柄リール41〜43の配列に基づいた或いは仮想図柄リール41〜43の配列とは全く異なった配列で図柄のスクロールを行うようにしても良い。即ち、図柄同士を互いにリンクさせて変動表示を行ったり、図柄同士の連続性を用いて変動表示を行ったり、或いは、図柄同士を連動又は同期等させて変動表示を行うようにしても良い。具体的には、図柄同士を互いにリンクさせて変動表示を行うものとしては、数字でないキャラクターの図柄だけで関連性を持たせて変動表示を行うものや、ハズレ図柄を除いた当たり図柄だけで変動表示を行うもの等が例示される。また、図柄同士に連続性を持たせて変動表示を行うものとしては、「ねずみ」、「猫」、「犬」、「女性」、「ねずみ」、・・・という順に、「ねずみ」を「猫」が追いかけ、その「猫」を「犬」が追いかけ、その「犬」を「女性」が追いかけ、更に、その「女性」を「ねずみ」が追いかけるといったストーリー性のある連続性や変動される図柄自体に連続性のある変動表示が例示される。更に、図柄同士を連動又は同期等させて変動表示を行うものとしては、1の図柄を他の図柄の変動表示に伴って連動又は同期させて変動させるものが例示される。
【0135】また、上記各実施例における変動表示の方向を変更するようにしても良い。例えば、縦スクロールにおいて上から下方向へスクロールされているものを下から上方向へスクロールさせたり、逆に、下から上方向へスクロールされているものを上から下方向へスクロールさせるように変更しても良い。同様に、横スクロールや回転スクロールのスクロール方向を変更するようにしても良い。
【0136】更に、上記各実施例における縦スクロール、横スクロール及び回転スクロールに加え或いは代えて、斜めスクロールを行うようにしても良い。かかる斜めスクロールとしては3つの表示領域(3a1,3b2,3c3),(3a3,3b2,3c1)を上から下方向或いはその逆方向に斜めスクロールするものに限られず、2つの表示領域(3b1,3c2),(3a2,3b3),(3a2,3b1),(3b3,3c2)や、1の表示領域(3a1),(3a3),(3c1),(3c3)で、上から下方向或いはその逆方向に斜めスクロールするものが含まれる。
【0137】更に、上記各実施例では、変動制御はいずれも表示用制御基板Dで行われたが、かかる変動制御を表示用制御基板D以外の他の制御基板で行うようにしても良い。例えば、主制御基板Cと表示用制御基板Dとの間に、制御基板を設け、その制御基板でかかる制御を行うように構成しても良い。或いは、主制御基板C自体で、かかる制御を行うように構成しても良い。
【0138】本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0139】なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0140】また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0141】以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、(変動方向変更前に前記表示装置に表示されていた識別情報で行われる)変動方向変更後の変動表示(動的表示。以下同様)によって変動される識別情報には、その変動方向変更後の変動表示が行われる表示領域以外の表示領域に表示されている識別情報が含まれていることを特徴とする遊技機1。変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前に表示装置に表示されていた識別情報で行われるが、その識別情報の中には、変動方向変更後の変動表示が行われる表示領域以外の表示領域に表示されている識別情報が含まれているので、その識別情報と変動方向変更後の変動表示によって停止し得る識別情報とにより、所定の遊技価値を付与する状態(例えば「大当たり状態」。以下「大当たり状態」という)を期待できる状態(例えば「リーチ状態」。以下「リーチ状態」という)となり得る。よって、変動方向変更前にはリーチ状態にならない場合であっても、変動表示の変動方向を変更することによりリーチ状態を現出し得るので、遊技の興趣を高めて、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。また、かかる場合、変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前に表示装置に表示されていた識別情報で行われるので、表示上のリーチ状態の現出確率を高くすることができ、遊技者の大当たりへの期待感を大いに高めることができる。例えば、変動方向変更後の変動表示が3つの識別情報で繰り返し行われる場合には、表示上のリーチ状態の現出確率は少なくとも1/3となる。
【0142】請求項1記載の遊技機又は遊技機1において、変動表示の変動方向の変更は、前記表示装置に同一の識別情報が2以上表示されている場合であって大当たり又はリーチ状態の現出を期待できない場合に行われるものであることを特徴とする遊技機2。大当たり又はリーチ状態の現出を期待できない表示状態から、変動方向を変更して変動表示を行わせることにより、大当たり又はリーチ状態の現出を期待し得るものとなる。よって、一度は喪失した遊技者の大当たり発生の期待感を再び高めて、遊技意欲を増大させることができる。
【0143】請求項1記載の遊技機又は遊技機1において、変動表示の変動方向の変更は、大当たりライン上に同一の識別情報が複数表示されて大当たりを期待できる表示状態に遷移したにも拘わらずその大当たりライン上に異なった識別情報が停止して大当たりを期待できない状態になった場合に行われるものであることを特徴とする遊技機3。一度は喪失した遊技者の大当たり発生の期待感を再び高めて、遊技意欲を増大させることができる。
【0144】請求項1記載の遊技機または遊技機1から3のいずれかにおいて、変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前の変動表示が一旦停止した後に行われるものであることを特徴とする遊技機4。変動表示が一旦停止した後に、変動方向が変更された変動表示が再開されるので、遊技者は、1回の変動表示の中で大当たり発生の期待感を2回以上体験することができる。
【0145】請求項1記載の遊技機または遊技機1から3のいずれかにおいて、変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前の変動表示が少なくとも1以上継続されている場合に行われるものであることを特徴とする遊技機5。かかる場合には、変動方向変更前の変動表示と変動方向変更後の変動表示とが同時に交錯して行われる期間が生じるので、遊技者に意外性を与えて、遊技者の遊技意欲をリフレッシュさせることができる。
【0146】請求項1記載の遊技機または遊技機1から5のいずれかにおいて、変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前の変動表示より、リーチ状態となり得る表示上の確率が大きくされていることを特徴とする遊技機6。変動表示の変動方向変更により、変動方向変更前に比べて、リーチ状態となり得る表示上の確率が大きくなるので、変動方向の変更自体が遊技者の大当たりへの期待感を自然と高め、遊技意欲を増すことができる。なお、ここで言うリーチ状態としては、例えば、通常のリーチや、そのリーチが発展したスーパーリーチ、或いは、大当たり等を含むものである。
【0147】請求項1記載の遊技機または遊技機1から6のいずれかにおいて、変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前の変動表示より、表示される識別情報の種類が少なくされていることを特徴とする遊技機7。変動方向変更後の変動表示では、表示される識別情報の種類が少なくされているので、表示上のリーチ状態(大当たり状態を含む)の現出確率を大きくすることができる。よって、遊技者の大当たり発生の期待感を募らせて、遊技の興趣を高めることができる。
【0148】請求項1記載の遊技機または遊技機1から7のいずれかにおいて、変動方向変更後の変動表示は、変動方向の変更直前に前記表示装置に表示されていた識別情報のみで行われることを特徴とする遊技機8。変動方向変更前に表示されていた識別情報のみで変動表示を行うことにより、表示上のリーチ状態(大当たり状態を含む)の現出確率を大きくすることができる。
【0149】請求項1記載の遊技機または遊技機1から8のいずれかにおいて、前記変動表示は、前記表示装置の複数の表示領域を予め定められた所定のグループでまとめ、そのまとめられたグループの表示領域で識別情報を変動することにより行われるものであり、前記変動方向を変更する場合には、前記グループを一旦解除し、再び新たな表示領域のグループでまとめ、その新たにまとめられたグループの表示領域にて識別情報を変動させて変動表示を行うものであることを特徴とする遊技機9。
【0150】遊技機9において、前記新たな表示領域のグループは、非直線状にまとめられていることを特徴とする遊技機10。ここで、非直線状とは、2以上の直線を組み合わせたものや曲線等をいい、例えば、環状または無端状等のグループが例示される。
【0151】請求項1記載の遊技機において、前記表示用制御手段は、複数の識別情報を含む前記変動表示の為のグループを規定するとともに、前記制御用コマンドに基づいて新たなグループを再規定することを特徴とする遊技機11。ここでグループとは、表示装置上において、本来関連性のない複数の表示部をあたかも関連性のある表示部であるかのように使用するために擬似的、仮想的又は制御的に設けられる一連のまとまりのことである。グループを規定することによってグループ内の識別情報を、表示装置の1乃至複数の表示部上に連続的に表示することも可能になり、表示装置を有効に使用することができる。尚、当該「グループ」は、「リンク」、「同期列」、「仮想リール」及び「仮想配列」等を含む概念であり、これらに置き換えた場合にも同様の効果を奏する。また、「規定」とは、複数の中から選択して導出するものや、予め記憶又は設定されたものを導出することも含むものである。
【0152】遊技機11において、前記再規定以前のグループ及び前記再規定後のグループには、少なくとも1の共通する識別情報を有することを特徴とする遊技機12。グループの再規定後に表示される識別情報には、グループの再規定以前に表示装置に表示されていた識別情報の少なくとも1の識別情報を有しているので、その少なくとも1の識別情報によってグループの再規定後の変動表示をスムースに行わせることができる。
【0153】遊技機11又は12において、前記表示用制御手段は、前記グループによって設定される方向へ識別情報を移動表示して変動表示を行わせると共に、前記グループの再規定がなされた場合には、その再規定されたグループによって設定される方向へ識別情報を移動表示して変動表示を行わせることを特徴とする遊技機13。グループの再規定に伴って、変動表示の方向が設定されるので、変化に富んだ演出を提供して遊技の興趣を向上させることができる。
【0154】遊技機11から13のいずれかにおいて、前記再規定以前のグループ及び前記再規定後のグループでは、少なくとも2以上の同一の識別情報が前記表示装置に表示されていることを特徴とする遊技機14。少なくとも2以上の同一の識別情報が表示されているので、リーチ状態又は大当たり状態の現出を期待し得るものとなる。よって、遊技者の大当たり発生の期待感を高めて、遊技意欲を増大させることができる。
【0155】遊技機11から14のいずれかにおいて、前記再規定後のグループの変動表示に現出される識別情報は、グループの再規定時に、その新たに規定されるグループに表示されていた識別情報を含むものであることを特徴とする遊技機15。例えば、グループの再規定以前にリーチ状態が発生してそのリーチ状態が終了し、所望の停止位置で所望の識別情報が停止しなかった場合、グループを再規定して、その再規定時に表示装置に表示されている識別情報で変動表示を行うことにより、再びリーチ状態を現出させることができるので、大当たり状態又はリーチ状態の現出を期待し得るものとなる。よって、一旦喪失した遊技者の大当たり発生の期待感を再び高めることができ、遊技意欲を増大させることができる。
【0156】遊技機12から15のいずれかにおいて、前記再規定後に新たに規定されるグループで変動表示を行う場合の識別情報の表示順序は、他のグループと共通する識別情報を基準とした所定の順序とされていることを特徴とする遊技機16。
【0157】遊技機16において、前記所定の順序は、前記再規定以前の所定のグループにおいて識別情報が表示される表示順序であることを特徴とする遊技機17。グループ再規定後の変動表示を再規定以前の識別情報の表示順序で行うことにより、グループの再規定の前後において識別情報の表示順序が統一されるので、遊技者に違和感を与えることなく変動表示を行うことができる。
【0158】遊技機16において、前記所定の順序は、識別情報によって発生する連続性(発展性)を有する表示順序であることを特徴とする遊技機18。例えば、識別情報に連続性を持たせて変動表示を行うものとしては、「ねずみ」、「猫」、「犬」、「女性」、「ねずみ」、・・・という識別情報の順において、「ねずみ」を「猫」が追いかけ、その「猫」を「犬」が追いかけ、その「犬」を「女性」が追いかけ、更に、その「女性」を「ねずみ」が追いかけるといったストーリー性のある連続性や変動される識別情報自体に連続性のある変動表示が例示される。
【0159】遊技機11から18のいずれかのにおいて、前記再規定後に新たに規定されるグループは、非直線状に規定されることを特徴とする遊技機19。ここで、非直線状とは、2以上の直線を組み合わせたものや曲線等をいい、例えば、環状または無端状等のグループが例示される。
【0160】請求項1記載の遊技機または遊技機1から19のいずれかにおいて、前記所定の遊技価値を付与する大当たり状態を現出させる大当たりラインは、変動表示の変動方向に応じて変更されるものであることを特徴とする遊技機20。
【0161】遊技機20において、前記大当たりラインが変動表示の変動方向に応じて変更された場合には、その変更された大当たりラインを遊技者が認識できるように前記表示装置上に表示するものであることを特徴とする遊技機21。変更された大当たりラインは、遊技者が視覚できるように表示されるので、大当たりラインが変更されても、遊技者は混乱することなく、遊技を堪能することができる。
【0162】請求項1記載の遊技機または遊技機1から21のいずれかにおいて、変動表示の変動方向変更後に変更前の変動方向で変動表示を開始する場合には、その変動表示の開始以前に、前記表示装置に表示されている識別情報の配列を変動方向変更前の変動表示に適した配列に整える戻し演出が行われるものであることを特徴とする遊技機22。変動方向の変更により識別情報の配列は本来の配列とは異なったものとなっている。この状態では次の変動表示を開始できないので、次の変動表示の開始時に識別情報の配列を一度に切り替えて戻すことが考えられる。しかし、かかる手法で識別情報の切り替えを行うと、識別情報が故意に操作されて並べ替えられた印象を遊技者に与え、遊技意欲を減退させ兼ねないので、好ましくない。これに対し遊技機22によれば、変更前の変動方向で変動表示が開始される場合には、その変動表示の開始以前に、表示装置に表示されている識別情報の配列を変動方向変更前の変動表示に適した配列に整える戻し演出が行われるので、遊技者に違和感を与えることなく、次の変動表示をスムースに開始することができる。なお、かかる戻し演出は、変動方向変更後の変動表示の終了後に行うようにしても良いし、変更前の変動方向で行われる変動表示の開始前に行うようにしても良い。
【0163】遊技機22において、前記戻し演出は、前記表示装置に表示されている識別情報を一旦視覚困難な状態にしている間に行われることを特徴とする遊技機23。なお、視覚困難な状態としては、例えば、表示画面全体を一瞬真っ白或いは真っ暗にしたり、画面全体をフラッシュライトで点滅させる等がある。表示画面全体をフラッシュライトで点滅させる戻し演出においては、かかる点滅の間に、識別情報の配列を一度に或いは徐々に適切な配列に戻すのである。
【0164】遊技機22において、前記戻し演出は、変更前の変動方向で変動表示が開始される場合に、前記表示装置に表示されている識別情報を、そのままの配列で変更前の変動方向に変動させて表示から消失せしめることにより行われることを特徴とする遊技機24。
【0165】請求項1記載の遊技機または遊技機1から24のいずれかにおいて、前記主制御手段から送信されるコマンドであって、前記表示用制御手段により識別情報の変動表示を行わせる制御用コマンドは、その変動表示の一連のパターンを指定するパターン指定コマンドが含まれていることを特徴とする遊技機25。主制御手段から表示用制御手段へ、変動表示の一連のパターンが一度に指示されるので、表示用制御手段では、その変動表示のパターンの変更処理を一度に行うことができ、スムーズな制御を実現することができる。
【0166】請求項1記載の遊技機または遊技機1から25のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機26。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0167】請求項1記載の遊技機または遊技機1から25のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機27。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0168】請求項1記載の遊技機または遊技機1から25のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機28。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0169】
【発明の効果】 請求項1記載の遊技機によれば、識別情報の変動表示はその変動方向を2以上の方向に変更可能にされており、変動方向の変更後における少なくとも1の変動表示は、変動方向の変更前に前記表示装置に表示されていた識別情報で行われるので、変動表示の演出を豊富にして、遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
【0170】請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前に表示装置に表示されていた識別情報で行われるが、その識別情報の中には、変動方向変更後の変動表示が行われる表示領域以外の表示領域に表示されている識別情報が含まれているので、その識別情報と変動方向変更後の変動表示によって停止し得る識別情報とにより、所定の遊技価値を付与する状態(例えば「大当たり状態」。以下「大当たり状態」という)を期待できる状態(例えば「リーチ状態」。以下「リーチ状態」という)となり得る。よって、変動方向変更前にはリーチ状態にならない場合であっても、変動表示の変動方向を変更することによりリーチ状態を現出し得るので、遊技の興趣を高めて、遊技者の遊技意欲を向上させることができるという効果がある。また、かかる場合、変動方向変更後の変動表示は、変動方向変更前に表示装置に表示されていた識別情報で行われるので、表示上のリーチ状態の現出確率を高くすることができ、遊技者の大当たりへの期待感を大いに高めることができるという効果がある。例えば、変動方向変更後の変動表示が3つの識別情報で繰り返し行われる場合には、表示上のリーチ状態の現出確率は少なくとも1/3となる。
【0171】請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、大当たり又はリーチ状態の現出を期待できない表示状態から、変動方向を変更して変動表示を行わせることにより、大当たり又はリーチ状態の現出を期待し得るものとなる。よって、一度は喪失した遊技者の大当たり発生の期待感を再び高めて、遊技意欲を増大させることができるという効果がある。
【0172】請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、変動表示の変動方向変更により、変動方向変更前に比べて、リーチ状態となり得る表示上の確率が大きくなるので、変動方向の変更自体が遊技者の大当たりへの期待感を自然と高め、遊技意欲を増すことができるという効果がある。なお、ここで言うリーチ状態としては、例えば、通常のリーチや、そのリーチが発展したスーパーリーチ、或いは、大当たり等を含むものである。
【出願人】 【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
【住所又は居所】愛知県名古屋市千種区今池3丁目9番21号
【出願日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【代理人】 【識別番号】100103045
【弁理士】
【氏名又は名称】兼子 直久
【公開番号】 特開2003−205127(P2003−205127A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−375518(P2002−375518)