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【発明の名称】 弾球遊技機
【発明者】 【氏名】内ヶ島 敏博
【住所又は居所】名古屋市中川区太平通1丁目3番地 株式会社高尾内

【氏名】内ヶ島 隆寛
【住所又は居所】名古屋市中川区太平通1丁目3番地 株式会社高尾内

【氏名】大野 広美
【住所又は居所】名古屋市中川区太平通1丁目3番地 株式会社高尾内

【要約】 【課題】遊技球の衝撃による入球装置の破損等を防止すると共に、入球装置内等の球通路に検出装置を設けた場合には遊技球の跳ね返りによるチャタリングまでも防止することが可能な弾球遊技機を提供する。

【解決手段】普通電動役物40は、特に遊技球が衝突する頻度の高い箇所等、少なくとも一部を低反発性の熱可塑性エラストマー又は粘弾性ゴム等の緩衝部材49で構成することにより、衝突又は入球する遊技球の衝撃による破損を好適に防止することができる。また、内部に検出装置45を設けた場合、特に球通路40aの検出センサ45aよりも下流側を緩衝部材49で構成することにより、球通路40a内で遊技球の跳ね返りを好適に防止し、チャタリングまでも好適に防止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】遊技盤面上に発射された遊技球が入球可能な入球装置と、該入球装置に入球した遊技球が通過する球通路と、該球通路の途中に前記入球装置に入球した遊技球を検出する検出装置と、を備えた弾球遊技機において、前記検出装置の下流側にあたる前記球通路の少なくとも一部を緩衝部材で構成することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】前記入球装置に入球する遊技球の速度を減速させる減速部を設け、該減速部の少なくとも一部を緩衝部材で構成することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
【請求項3】前記緩衝部材として、低反発性の熱可塑性エラストマー又は粘弾性ゴムを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾球遊技機に係わり、詳しくは、入球装置の少なくとも一部を緩衝部材を用いて構成することにより、遊技球の衝撃による入球装置の破損或いは遊技球の跳ね返りによるチャタリングを防止することが可能な弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】弾球遊技機の中には、例えば、遊技球が特別図柄作動口に入賞又は通過したタイミングに起因して選択される当否判定乱数の値により、画面上で変動中の特別図柄が特定の図柄で揃い確定表示されることによって、遊技内容を遊技者に有利な状態、所謂「大当たり」と称して大入賞口等を所定時間開放し、大入賞口に入賞した遊技球の数に対応して遊技者に大量の賞球を払い出している「フィーバー機」と呼ばれる機種がある。その他にも、遊技球が図柄作動口に入賞又は通過したタイミングに起因して選択される当否判定乱数の値により、画面上で変動中の図柄が特定の図柄で揃い確定表示されることによって、権利獲得入賞口が開放され、権利獲得入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると権利獲得状態となり、右打ちをして遊技球を回転体に入球させることによって所謂「大当たり」状態となり、大入賞口等が所定時間開放され、大入賞口に入賞した遊技球の数に対応して賞球を獲得する「権利物」と呼ばれる機種もある。通常、これらの弾球遊技機では、特別図柄作動口、図柄作動口、権利獲得入賞口、大入賞口又は回転体等の入球装置(入賞装置又は通過装置等も含む)に入球又は通過した遊技球を、入球装置内等の球通路に設けられたスイッチ又はセンサ等の検出装置で検出することにより、大当たりを発生させたり、賞球を払い出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、入球装置には遊技球が頻繁に衝突するため、この遊技球の衝突に起因する衝撃による破損等が生じることもある。また、入球装置内等の球通路に検出装置を設けた場合、入球装置に入球した遊技球をこの検出装置で検出するわけであるが、遊技球が入球装置内等で跳ね返ることによって、1度検出された遊技球が再び検出装置で検出されてしまうというチャタリングが生じる場合がある。従来、このチャタリングの防止はノイズ対策の一環として、検出スイッチオン状態が所定時間継続すると検出スイッチが確かにオンになったとみなされ、逆に所定時間継続しないとノイズによって誤ってオンになったと判定されるものや、波形整形回路を用いて歪を除去するもの等が出願されている。しかし、これらの方法はあくまでノイズに対する対処でしかなく、遊技球の跳ね返りによるチャタリングには対処できないという問題があった。また、特開平8−155080には、遊技球が球通路を流下する勢いを利用して検出する検出装置である圧力センサが入球装置内に設置されており、その圧力センサの破損を防ぐために、遊技球が直接衝突する箇所に緩衝部材が設けられている発明が開示されている。しかし、これも圧力センサを保護するために入球装置内に緩衝部材が設けられているというだけであり、緩衝部材と前述したチャタリングを防止することについての関連性は全くない。そこで、上記2つの課題を好適に解決するため、遊技球の衝突に起因する衝撃による入球装置の破損等を防止し、さらに入球装置内等の球通路に検出装置を設けた場合にはチャタリングまでも防止することが期待できる弾球遊技機を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、遊技盤面上に発射された遊技球が入球可能な入球装置と、該入球装置に入球した遊技球が通過する球通路と、該球通路の途中に前記入球装置に入球した遊技球を検出する検出装置と、を備えた弾球遊技機において、前記検出装置の下流側にあたる前記球通路の少なくとも一部を緩衝部材で構成することを特徴とする弾球遊技機である。これにより、球通路内において、緩衝部材により遊技球の衝突による衝撃を和らげるため、球通路を形成する部材の破損を好適に防止すると共に、球通路内での遊技球の跳ね返りを好適に抑え、遊技球の流下を円滑にすることができる。さらに、破損を防止するための緩衝部材を用いたことによって通常期待される上記効果以外にも、検出装置の下流で遊技球が球通路に衝突したときに、検出装置を通過した遊技球が既に通過してきた領域(検出装置の方向)への跳ね返りを抑え、再度検出装置に接近させないようにするため、1度検出された遊技球が再び検出されるというチャタリングまでも防止し、遊技機の信頼性を向上させることができる。また、製造面からみても、入球装置内部の構造上で遊技球の跳ね返りを抑える場合に比べ、緩衝部材を用いた方が入球装置内の設計(例えば、球通路の傾斜の角度や曲がりの設計等)が容易である。
【0005】「入球」とは、入球装置に遊技球が入球することであり、広義には入賞又は通過等を含むものである。従って、「入球装置」とは、賞球の有無や入球後の遊技球の状況を問わず遊技球が入球可能な装置であれば良い。例えば、普通電動役物や大入賞口等の入賞装置、又は図柄作動口等の通過装置もここに含まれる。「球通路」とは、入球装置内で遊技球が通過する領域の他、入球した遊技球を遊技盤裏面へと誘導するときに遊技球が通過する領域、及び、賞球数が同一の複数の入賞口からの遊技球を同一の検出装置で検出するため等に、遊技球を遊技盤裏面で集合させて誘導するときに遊技球が通過する領域等も含むものである。この球通路の一態様としては、遊技球の進路を途中で変更する構造であることが挙げられる。例えば、下方に流下する遊技球を横方向に変更する場合等である。「検出装置」とは、入球装置に入球した遊技球を検出するための装置であり、入球装置内の球通路、遊技球が遊技盤裏面へと誘導されるときに通過する球通路、又は遊技盤裏面の球通路等に設置されることが好ましい。従って、入球装置はそれ自体に検出装置を備えたもの、又は備えていないものいずれも含むものである。検出装置を備えていない入球装置においては、入球した遊技球は、遊技盤裏面へと誘導されるとき、又は遊技盤裏面を通過するときに球通路内に設置された検出装置により検出される構成となる。例えば、検出装置としてはスイッチ又はセンサ等が好ましく、検出方法は光学式、接触式等、何れでも良い。「少なくとも一部」とは、具体的には、球通路のいずれか一部、複数箇所、又は球通路全体を緩衝部材で構成することを意味する。ここでは、特に検出装置よりも下流側の遊技球が衝突する頻度の高い領域の少なくとも一部を緩衝部材で構成することが好ましい。「緩衝部材」とは、弾性体又は衝撃吸収材等の跳ね返りの小さいものを用いる。具体的には、低反発性の熱可塑性エラストマー又は粘弾性ゴム等が好ましい。「構成」とは、何らかの形で球通路に緩衝部材を設けるものであれば良く、単に球通路の一部に緩衝部材を貼付したものでも良いし、球通路の一部を緩衝部材で成形したものであっても構わない。
【0006】請求項2記載の発明は、前記入球装置に入球する遊技球の速度を減速させる減速部を設け、該減速部の少なくとも一部を緩衝部材で構成することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機である。これにより、入球装置に対し外部から加わる衝撃を和らげることは勿論、特に入球装置内への入球前に遊技球の勢いを和らげることができるため、結果的に入球装置内での遊技球の衝突による衝撃を緩和できる。従って、入球装置の破損を好適に防止することができると共に、入球装置内での遊技球の跳ね返りを好適に防止することができる。このため、従来、遊技球の衝突による衝撃から入球装置の破損を防ぐために入球装置の直上部に設けていた遊技釘も不要にできる。
【0007】「減速部」とは、形状はどのようなものでも良く、ゲート状、ピン状又は板状等、遊技盤面上を落下する遊技球の速度を減速させるものであれば良く、入球装置の入口の直上部に設けることが好ましい。例えば、ゲート状とは、遊技球が通過可能なリング等が好ましい。また、ピン状とは、遊技板上に垂直又は所定角度で延び出す複数の棒状材(ピン)により構成されるものが好ましい。また、入球装置の入口を拡大又は縮小可能な可変翼を備えている場合には、可変翼の遊技球が衝突する部分を緩衝部材で構成することにより、減速部とすることもできる。具体的には、拡大(開放)時には側方からの、縮小(閉鎖)時には上方からの遊技球の速度の減速が可能である。なお、ゲート状等の減速部と可変翼とを共に備える場合には、ゲート状の減速部は可変翼の上限よりも高い位置に設けることが好ましい。また、緩衝部材により構成する箇所は、減速部の一部でも良いし、減速部全体でも良い。ここでは、特に減速部の遊技球が衝突する頻度の高い領域の少なくとも一部を緩衝部材で構成することが好ましい。
【0008】請求項3記載の発明は、前記緩衝部材として、低反発性の熱可塑性エラストマー又は粘弾性ゴムを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の弾球遊技機である。「低反発性」とは、遊技球が衝突した場合においても、ほとんど反発がないか、或いは反発が少ないものをいう。「熱可塑性エラストマー」とは、略称TPE(Thermo Plastics Elastomer)と呼ばれ、ゴム弾性を有する熱可塑性プラスチックであり、プラスチックとゴムの中間材的役割を果たしている。一般にエラストマーとは常温でゴム弾性を示す高分子物質であり、低温では分子運動が抑制されてゴム弾性を失う構造である。狭義において、エラストマーとはこの熱可塑性エラストマーを指す場合が多いが、広義においては、加硫ゴム、熱可塑性エラストマー、弾性繊維、弾性発泡体等を含むものである。熱可塑性エラストマーのベースはプラスチック系であり、スチレン系、塩化ビニール系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ウレタン系の6種類等が存在する。混合されるゴム成分は約30%程度までとされ、主にスチレンとブタジエンの共重合体(SBR)、アクリロニトリロとブタジエンの共重合体(NBR)、エチレンとプロピレンとジエンの共重合体(EPDM)等が使用される。熱可塑性エラストマーは、加硫ゴム等と異なり、成形後のランナー等を再利用することも可能であり、リサイクル性が高い。また、熱可塑性のため高温下で軟化し、通常の熱可塑性樹脂と同様に成形が可能である。成形方法はプラスチック方式であり、射出成形が主流となっているが、押出成形、ブロー成形も可能である。「粘弾性ゴム」とは、外力を受けてもほとんど反発せずにエネルギーを吸収できる低反発性のゴム(緩衝ゴム)が好ましい。ここでは、衝撃や振動の大半を熱に変化させ消失させることができる。このように、熱可塑性エラストマー、粘弾性ゴム共に衝撃吸収性に優れており、跳ね返りが小さいため緩衝部材として好適である。また、射出成形等が可能であるため、入球装置を形成する部品自体を熱可塑性エラストマー又は粘弾性ゴムで成形することもできる。さらに、廃品となる遊技機やその他種々の廃棄物に含まれる使用済みの熱可塑性エラストマー又は粘弾性ゴム等は回収して再度成形することが可能であるため、何度でもリサイクルを行うことが容易であり、コストダウンが図れると共に、地球環境保護にも貢献することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0010】図1はパチンコ機10の斜視図である。図1に示すように、パチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット13が設けられている。前面枠12は、ヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15の前面に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より球が排出される。前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重に嵌め込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取付けられている。この発射ハンドル24の外周には、回動リング24aが擁され、これを時計方向に回動すれば球を遊技盤22上に発射することができる。上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が球で満杯状態になれば下皿23に球を誘導するよう構成されている。
【0011】図2はパチンコ機10の裏面図である。図2に示すように、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の入賞口に球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。機構盤26には主制御装置30、賞球制御装置31及び特別図柄表示装置32が脱着可能に、また、発射制御装置25及び外部接続端子装置33等が、各々取り付けられている。なお、機構盤26を中心とした球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なので、その詳細な説明は割愛する。
【0012】次に、図3を参照して、遊技盤22について説明する。図3に示すように、遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置32を構成するLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)32a、LCD32a上部の特別図柄保留記憶用LED32bと普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられるLCD32aの左右の普通図柄作動ゲート38,39、普通図柄作動ゲート38,39の下方の入賞口34及び35、LCD32aの下方にはLCD32aに表示される特別図柄の変動開始に用いられる特別図柄作動口としての普通電動役物40、普通電動役物40の下方には大入賞口50、さらに盤面最下部のアウト口36、その他にも各種風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。
【0013】上記構成により、前述した発射ハンドル24の回転リング24aを回動すれば発射制御装置25により駆動される発射モータ(図示略)が駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口36を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれる。
【0014】なお、前述したパチンコ機10の電気的構成及び主制御装置30等の8ビットワンチップマイコンが実行する処理は、従来の構成と概ね同様なのでその詳細な説明は割愛する。
【0015】ここで、図4〜図7を参照して普通電動役物40について説明する。図4は普通電動役物40の斜視図であり、図5は普通電動役物40内部構造を示す分解斜視図である。普通電動役物40は、本体41、本体41の前面に羽根42a,42bを介して取付けられる正面カバー43、本体41の側面には連結棒44により取り付けられる補強部材44a,44b、本体の内部に取付けられる検出装置45、モータ46、回転軸47、コイル48及び図示しないボルト等の固定具により構成される。図6(a)又は図6(b)の正面図に示すように、遊技盤22に取付時には、正面カバー43、羽根42a,42b及び本体の前面が盤面に露出する構成である。普通電動役物40の入口を形成する羽根42a,42bはモータ46により左右に可動し、普通電動役物40の入口を開放(拡大)又は閉鎖(縮小)させる。図7(a)又は図7(b)の断面図に示すように、正面カバー43及び本体41により球通路40aが形成される。球通路40a内は正面カバー43の裏面により傾斜面が設けられており、落下して入球してきた遊技球の運動方向を縦方向から横方向に変化させる。球通路40aには、検出装置45が設置されており、検出装置45は、落下してくる遊技球が通過可能なリング状の検出センサ45aを備えている。普通電動役物40に入球した遊技球は必ず検出センサ45aを通過することが好ましい。
【0016】本実施形態では、普通電動役物40の特に遊技球が衝突する頻度の高い箇所を緩衝部材49により構成している。これにより、衝突又は入球する遊技球の衝撃によって普通電動役物40が破損する可能性が極めて低い構成である。具体的には、正面カバー43裏面の傾斜面を緩衝部材49により構成している(図7(a)参照)。緩衝部材49は該傾斜面の形状に合致する形状に適宜成形される。ここでは、緩衝部材49は正面カバー43に貼付される構成であり、球通路40a内において、遊技球の円滑な流下を妨げない程度の大きさが好ましい。また、他の具体例として、正面カバー143自体を緩衝部材149により成形する構成でも良い(図7(b)参照)。このとき、正面カバー143全部を緩衝部材149により成形しても良いし、一部でも良い。正面カバー143の外装を緩衝部材149で構成しても良い。なお、他の構成部品は先述した具体例と概ね同様であるので、各々100番台として説明を援用する。いずれにしても、緩衝部材49を設ける場所は普通電動役物40の少なくともどこか一部であれば良いし、普通電動役物40を全て緩衝部材49により構成しても良い。また、例えば、羽根42a,42bの遊技球が衝突する頻度の高い部分又は羽根42a,42b全体を緩衝部材49で構成しても良い(図示略)。この場合、開放(拡大)時には側方からの、閉鎖(縮小)時には上方からの遊技球の速度の減速が可能である。
【0017】ここで用いる緩衝部材49としては、衝撃吸収性の優れた跳ね返りの小さい材質が好適である。例えば、低反発性の熱可塑性エラストマー又は粘弾性ゴム(以下、緩衝ゴムという)等が好ましい。
【0018】熱可塑性エラストマーとは、ゴム弾性を有する熱可塑性プラスチックであり、プラスチックとゴムの中間材的役割を果たしている。熱可塑性エラストマーのベースはプラスチック系であり、混合されるゴム成分は約30%程度までが好ましい。ここで用いる緩衝部材49としては、特に、エステル系ポリマー、ハロゲン系ポリマーを始めとする複数のポリマーからなるポリマーアロイ型の材料であって、極めてゴムに近い性質を示し、エネルギー吸収性に優れるものが好ましい。反発弾性は10%未満が好ましく、特に好ましくは3%未満である。また、低硬度素材(例えばデュロメーターA硬さ13〜70、特に好ましくはデュロメーターA硬さ40〜60程度)であることが好ましく、湿度等の環境依存度が低く、特に衝撃吸収性に優れているものが好ましい。さらには、振動吸収性、柔軟性、回復特性、低移行性、耐摩耗性、耐油性、耐候性及び耐オゾン性等に優れているものであればなお好ましい。
【0019】本実施形態で用いられる熱可塑性エラストマーは押出し成形又は射出成形により成形される。このため、正面カバー43の形状又は各種部品の形状等、適宜形状に成形することが可能である。成形時には、予備乾燥をすることにより気泡等を防ぎ、成形表面をきれいに仕上げることができる。押出し成形の場合には、成形機としては、L/D22以上、圧縮比2〜4の一般軟質塩ビタイプのスクリューを使用することが好ましい。また、ダイスは、樹脂の滞留が起きないように設計することが必要である。射出成形の場合には、軟質塩ビ樹脂で実績のある成形機を使用することが好ましい。なお、熱可塑性エラストマーは高温で長時間放置すると熱分解することがあるので、成形時には注意が必要である。また、シリンダー内の滞留時間にも極力注意が必要である。
【0020】緩衝ゴムとは、外力を受けてもほとんど反発せずにエネルギーを吸収できる特異なゴムであり、物性及び耐久性は一般のゴムと同等である。特に、常温域(5℃〜35℃)では一般のゴムに比べ損失係数が大きく(例えば最大値1.3tanδ以上、好ましくは2.1tanδ以上)、優れた衝撃吸収性を有する。反発弾性は10%未満(特に好ましくは3%未満)が好ましい。硬さはデュロメーターA硬さ32〜57程度が好ましい。また、熱可塑性エラストマーと同様、押出し成形又は射出成形が可能であるため、加工性に優れており、幅広い形状に成形可能である。スポンジ形状とすることにより軽量化も可能である。金属との強力な接着も可能である。また、リサイクルを行うことも容易である。
【0021】少なくとも一部を上記のような緩衝部材49により構成された普通電動役物40は、通常は羽根42a、42bが閉鎖された状態であり(図6(a)参照)、普通図柄表示装置37に所定の普通図柄(例えば「7」)が表示されると羽根42a,42bが所定時間又は所定回数開放され、遊技球の入球確率が向上する構成である(図6(b)参照)。本実施例においては、普通図柄表示装置37に表示される普通図柄(例えば「0」〜「9」)は、普通図柄作動ゲート38,39のいずれかに遊技球が入球することに起因して変動を開始する構成であるが、他の条件を設定しても構わない。また、普通電動役物40は、普通図柄表示装置37により表示される表示形態等に従って開閉させる以外にも、大当たり回数や経過時間により定期的に開閉させる等、種々の設定としても良い。なお、普通電動役物40は、閉鎖状態であっても遊技球を入球可能とすることが好ましい。
【0022】普通電動役物40に遊技球が入球すると、遊技球は検出装置45の検出センサ45aを通過時に検出され、そのタイミング等により当否乱数が抽出され、その当否乱数が予め定められた当否判定値と一致するか否かによって当否が判定される。その当否判定結果に従って、LCD32aでは特別図柄が変動を開始する。大当たりであれば、所定の特別図柄で揃い確定表示され(例えば「555」、「777」等の3桁同一の図柄)、大入賞口50が所定時間又は所定回数開放される。大当たり以外であれば、外れ図柄で確定表示される。このとき、特別図柄保留記憶用LED32bに保留があれば、次の変動に移行し、特別図柄保留記憶用LED32bに保留がなければ、通常の遊技状態に戻る。なお、本実施形態のパチンコ機10は確率変動機として構成されており、特定の特別図柄で確定表示したときは、大当たり確率が向上する構成である。例えば、通常確率時では1つである当否判定値が高確率時には5つとなり、通常確率時には1/250であった大当たり発生確率が高確率時には1/50(=5/250)となる。詳細は割愛する。
【0023】このように、普通電動役物40に入球した遊技球を検出センサ45aにより検出して当否判定を実行しているため、球通路40a内で跳ね返った遊技球が再び検出センサ45aを通過すると、1個の遊技球につき、複数回(例えば2度)検出され、公正な遊技が妨げられるという不都合が発生する虞がある。この場合は、特に球通路40aの検出センサ45aよりも下流側を緩衝部材49で構成することにより、球通路40a内で入球した遊技球の跳ね返りを好適に防止し、普通電動役物40の破損を防止するだけでなく、チャタリングまでも好適に防止することができる。
【0024】また、別例として、図8〜図9を参照して他の実施形態の普通電動役物240について説明する。図8は普通電動役物240の斜視図であり、図9は普通電動役物240の内部構造を示す分解斜視図である。ここでは、普通電動役物240の入球口の直上部に緩衝部材249等で構成されたゲート241aが本体241に設置されている。ゲート241aは全て緩衝部材249で構成されていても良いし、一部が緩衝部材249で構成されるものであっても良い。ゲート241aにより、遊技球の衝突による衝撃を和らげるため、普通電動役物240を形成する各部品の破損を好適に防止できる。また、遊技球はこのゲート241aに衝突又は接触することにより、普通電動役物240内の球通路240aに入球する前に勢いが和らげられるため、球通路240a内での跳ね返りも好適に防止することとなり、結果的にチャタリングも好適に防止することができる。このように、普通電動役物240自体を緩衝部材249で構成する以外にも、普通電動役物240の近傍に緩衝部材249等で構成された他の部品(例えばゲート241a)を設けることも好ましい。また、ここでも同様に、羽根242a,242bの遊技球が衝突する頻度の高い部分又は羽根242a,242b全体を緩衝部材249で構成しても良い(図示略)。本実施形態のように、ゲート241aと羽根242a,242bとを共に備える場合には、ゲート241aは羽根242a,242bの上限(例えば閉鎖時)よりも高い位置に設けることが好ましい。なお、他の構成については、前述した実施形態と概ね同様の構成であるので、各々200番台として説明を援用する。
【0025】次に、図10〜図14を参照して大入賞口50について説明する。図10は大入賞口50の斜視図であり、図11は大入賞口50の内部構造を示す分解斜視図である。大入賞口50は、開き扉52を備えた正面カバー53、誘導板51、内部振分部材54、裏板55、正面カバー53の裏面に配置されたモータ56と裏板55の裏面に配置されたモータ57、内部振分部材54に設置された2つの検出装置58,59及びその他図示しないボルト等の固定具により構成される。大入賞口50内では、内部振分部材54により、カウント領域54aと特定領域54bに区分されており、カウント領域54aには遊技球が通過可能なリング状の検出センサ58aを備えた検出装置58が、特定領域54bには遊技球が通過可能なリング状の検出センサ59aを備えた検出装置59がそれぞれ設置されている。大入賞口50に入賞した遊技球は必ず検出センサ58a又は検出センサ59aを通過する構成とすることが好ましい。
【0026】モータ56はアクチュエーター56aが図中矢印のように可動することによって開き扉52を開閉させる。モータ57はアクチュエーター57aが図中矢印のように可動することによって誘導板51を可動させる。誘導板51の可動態様は中心軸51aを軸として角度を変えることにより左右に傾動する構成とすることが好ましい。誘導板51は周期的に一定のリズムで可動させることが好ましいが、所定条件(例えばLCD32aで確定表示された特別図柄の種類等)に従って可動させても構わない。
【0027】大入賞口50は開放時に開き扉52を受口とする構造であり、開き扉52の裏面52aは開放時に遊技球が最も頻繁に直撃する箇所である。本実施形態では、この開き扉52の裏面52aを上述した熱可塑性エラストマーや緩衝ゴム等の緩衝部材60により構成している。緩衝部材60により構成する箇所は図中に例示した開き扉52の裏面52aに限らず、大入賞口50の少なくともどこか一部であれば良い。例えば、大入賞口50内部の球通路50aの特に遊技球が衝突する頻度の高い箇所を緩衝部材60により構成することも好ましい。また、誘導板51の少なくとも一部を緩衝部材60により構成しても良い。これにより、衝突又は入球する遊技球の衝撃によって大入賞口50が破損する可能性が極めて低い構成である。
【0028】大入賞口50は、上述したように、LCD32aで変動中の図柄が所定の特別図柄で揃い確定表示され大当たり状態となることによって開放される構成である。開き扉52に跳ね返り等して大入賞口50に遊技球が入賞すると、誘導板51によりカウント領域54a又は特定領域54bに振分けられる。カウント領域54aに進入した遊技球は検出装置58の検出センサ58aを通過時に検出され、検出センサ58aで検出した遊技球の数に対応して所定数の遊技球を賞球として払い出す構成である(例えば遊技球1個につき15個の賞球)。また、特定領域54bに進入した遊技球は検出装置59の検出センサ59aを通過時に検出され、この遊技球の記憶が大入賞口50の継続して開放する起因となる構成である。
【0029】一般に、大当たり状態は所定時間又は所定回数継続されるが、本実施形態のパチンコ機10では10個の遊技球がカウント領域54aに進入して検出センサ58aにより検出されるか、又は大入賞口50の開放時間が30秒経過すると1ラウンド終了する。その間に遊技球が特定領域54bに進入して検出センサ59aにより検出されることにより、一旦閉じられた大入賞口50が再び開放され、次のラウンドに移行する。これが最大16ラウンドまで継続されるため、1回の大当たりにつき最大2400個の賞球を払い出すことが可能な構成である。なお、ラウンド終了条件及びラウンド回数等はこれに限定されるものではない。
【0030】大入賞口50内では、誘導板51が傾動することにより、カウント領域54a又は特定領域54bへの入賞率を変化させる構成である。図12(a)の正面図に示すように、誘導板51が未作動時には、遊技球の勢い又は大入賞口50内への入賞角度等によりカウント領域54a又は特定領域54bに振り分けられる。カウント領域54aに進入した遊技球は図13(a)の断面図に示すように検出センサ58aによって検出される。特定領域54bに進入した遊技球は図13(b)の断面図に示すように検出センサ59aによって検出される。また、図12(b)の正面図に示すように、誘導板51が作動時には、遊技球の勢い又は大入賞口50内への入賞角度等に加え、誘導板51の傾動によりカウント領域54a又は特定領域54bに振り分けられる。カウント領域54aに進入した遊技球は図14(a)の断面図に示すように検出センサ58aによって検出される。特定領域54bに進入した遊技球は図14(b)の断面図に示すように検出センサ59aによって検出される。なお、ここでは大入賞口50内部の誘導板51を目視可能とするため、図12(a)及び図12(b)において、便宜上、開き扉52を図示していない。
【0031】このように、大入賞口50に入賞した遊技球を検出センサ58a,59aにより検出して賞球を払い出したり、それに関連する制御を実行している。そのため、球通路50a内で跳ね返った遊技球が再び検出センサ58a,59aを通過すると、必要以上の賞球が払い出されたりする等の不都合が生じることがあり、ここでもチャタリングが発生する虞がある。しかしながら、本実施例におけるパチンコ機10では、開き扉52の裏面52aを緩衝部材60で構成しているため、大入賞口50に入賞する遊技球の勢いを事前に弱めることができ、大入賞口50内部での遊技球の跳ね返り等を好適に防止できる。さらに、大入賞口50内部の球通路50aの一部を緩衝部材60で構成すれば、より一層効果的である。これにより、大入賞口50の破損を防止するだけでなく、チャタリングまでも好適に防止することができる。
【0032】また、他の入球装置にも上記熱可塑性エラストマー又は緩衝ゴム等を用いた構成が応用可能である。例えば、入賞口34,35及び普通図柄作動ゲート38,39においても、普通電動役物40及び大入賞口50と同じ入球装置の一種であり、緩衝部材49を用いて構成することが好ましい。入賞口34,35内にセンサを備えていない場合であっても構わない。また、アウト口36等の入球装置に緩衝部材49を用いても、破損等を防止することができ、効果的である。
【0033】なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。例えば、本実施例においては、大入賞口50は開放時には開き扉52を受口とする構成であるが、これに限定されるものではない。また、上記実施例で用いた緩衝部材49の材質は熱可塑性エラストマー又は緩衝ゴム等に限らず、より好ましい材質が開発されれば、それを用いることも可能である。
【0034】また、例えば、本実施例で説明した一般に「フィーバー機」と呼ばれる機種以外にも、遊技球が図柄作動口に入賞又は通過したタイミングに起因して選択される当否判定乱数の値により、画面上で変動中の図柄が特定の図柄で揃い確定表示されることによって、権利獲得入賞口が開放され、権利獲得入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると権利獲得状態となり、右打ちをして遊技球を回転体に入球させることによって所謂「大当たり」状態となり、大入賞口等が所定時間開放して遊技者に賞球を払い出す「権利物」と呼ばれる機種であっても良い。この場合は、図柄作動口、権利獲得入賞口、回転体又は大入賞口等に緩衝部材を設けることが好ましい。また、遊技球が特定の作動口に入球することに起因して羽根部材を備えた電動役物が羽根部分を開き遊技者に有利な遊技状態とし且つ球が電動役物内に設けた特定領域を通過すると大当たりとする俗称「ヒコーキ」と呼ばれる機種であっても良い。この場合は、電動役物の内外、特定領域又は羽部部材等に緩衝部材を設けることが好ましい。さらに、上記機種を適宜に組み合わせた機種でも構わない。
【0035】
【発明の効果】請求項1〜3記載の発明によれば、入球装置の少なくとも一部を低反発性の熱可塑性エラストマー又は粘弾性ゴム等の緩衝部材を用いて構成することにより、遊技球の衝突による衝撃を和らげ、入球装置の破損等を好適に防止することができる。また、遊技球の跳ね返りを好適に抑えるため、入球装置内での遊技球の流下をスムーズにすることができる。さらに、入賞装置の内部に検出装置が設置されている場合には、遊技球の跳ね返りを好適に抑えているため、チャタリングまでも防止できるという相乗的な効果が期待できる。
【出願人】 【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
【住所又は居所】愛知県名古屋市中川区太平通1丁目3番地
【出願日】 平成14年1月11日(2002.1.11)
【代理人】 【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
【公開番号】 特開2003−205103(P2003−205103A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−4016(P2002−4016)