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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】近藤 裕一
【住所又は居所】名古屋市千種区春岡通7丁目49番地 株式会社ジェイ・ティ内

【要約】 【課題】大当たりのランダム性と公正性とを保持することができる遊技機を提供すること。

【解決手段】カウンタIC14は、7.15909MHzのカウントクロック14aから出力されるクロックパルスの立ち下がり毎に、カウントアップを行う16ビットカウンタであり、「0」〜「65535」の範囲で更新される。カウンタIC14の値は、乱数カウンタ13bの値がバックアップ不良等により適正に保持されなかった場合やクリアスイッチ30cの押下によりクリアされた場合にMPU11により読み出され、この読み出されたカウンタIC14の値に基づいて乱数カウンタ13bの更新の初期値がランダムに生成される。よって、乱数カウンタ13bの更新の初期値が固定値となることを防止して、大当たりのランダム性と公平性とを保持することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定のタイミングで更新される乱数カウンタを備えた遊技機において、発振手段と、その発振手段が発振するパルスに基づいて更新されるカウント手段と、そのカウント手段の値に基づいて前記乱数カウンタの更新の初期値を生成する初期値生成手段とを備えていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、例えばパチンコ機等は、複数種類の図柄を変動表示可能な表示装置を備えており、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入賞することに基づいて変動表示を開始するように構成されている。そして、ある種のパチンコ機では、この変動表示が予め定められた図柄の組み合わせと一致すると、大当たりとなって、遊技者に所定の遊技価値が付与される。
【0003】ところで、例えば、変動装置で行われる変動表示、具体的には、例えば図柄停止前のリーチ演出内容や大当たり図柄を含めた停止図柄の種類等は、球が図柄作動口へ入賞するタイミングによって決定される。即ち、1カウントずつ更新される所謂乱数カウンタを備え、球が図柄作動口へ入賞したタイミングで、その乱数カウンタの値を読み出して、読み出された乱数カウンタの値に基づいて演出内容等を決定するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来の遊技機では、例えば「0」から1カウントずつ乱数カウンタを更新し、その更新が一定値(例えば「630」)に達すると、乱数カウンタの更新は、再度「0」に戻って再開するように構成されていた。そのため、この乱数カウンタは、いわば疑似乱数の域を超えるものではなく、かかる乱数カウンタの値に基づいて決定される演出内容等に偏りが生じる可能性があるという問題点があった。
【0005】本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、カウンタ(乱数カウンタ)の値に基づいて演出内容等を決定する遊技機において、その演出内容等のランダム性を確保することができる遊技機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、所定のタイミングで更新される乱数カウンタを備えるものであり、発振手段と、その発振手段が発振するパルスに基づいて更新されるカウント手段と、そのカウント手段の値に基づいて前記乱数カウンタの更新の初期値を生成する初期値生成手段とを備えている。
【0007】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0008】図1は、本発明の第1実施例におけるパチンコ機Pの遊技盤1の正面図である。遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と称す)3が設けられている。このLCD3の表示画面は縦方向に3分割されており、3分割された各表示領域3a,3b,3cにおいて、それぞれ上から下へ縦方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0009】LCD3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられており、球がこの図柄作動口4に入賞することにより、前記したLCD3の変動表示が開始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
【0010】この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
【0011】なお、第3種パチンコ機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0012】図2は、パチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機Pの主制御基板Cは、8.192MHzの動作クロック11aに基づいて動作するMPU11と、7.15909MHzのカウントクロック14aから出力されるクロックパルスの立ち下がり毎にカウントアップを行うカウンタIC14とを備えている。MPU11は、演算装置である1チップマイコンとして構成されており、MPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM12と、そのROM12内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM13と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。図3から図8に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。
【0013】RAM13は、バックアップエリア13aと、乱数カウンタ13bと、現初期値メモリ13cと、次初期値メモリ13dと、更新回数メモリ13eとを備えている。また、RAM13には、パチンコ機Pの電源のオフ後においても、電源基板30からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。
【0014】バックアップエリア13aは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機Pの状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア13aへの書き込みは、NMI割込処理(図3参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア13aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下、同様)の初期化処理(図5参照)において実行される。なお、MPU11のNMI(Non Maskable Interrupt)端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路30bから出力される停電信号31が入力されるように構成されており、停電の発生により、図3の停電時処理(NMI割込処理)が即座に実行される。
【0015】乱数カウンタ13bは、大当たりの発生を決定するためのカウンタであり、後述する乱数更新処理(図7参照)によって、「0」〜「630」の範囲で2ms毎に1カウントずつ更新される。この乱数カウンタ13bの値は、遊技盤1に打ち込まれた球が図柄作動口4へ入賞して後述する第1種始動口スイッチ20で検出されたとき(始動入賞時)に取得され、このとき取得された乱数カウンタ13bの値が例えば「7」または「315」であった場合には、大当たりが発生する。大当たりが発生すると、大当たりコマンドが主制御基板Cから後述する表示用制御基板Dへ送信され、表示用制御基板Dは、その大当たりコマンドに基づいたLCD3の変動表示を行う。
【0016】なお、乱数カウンタ13bの値は、上述したように、電源基板30から供給されるバックアップ電圧により、電源のオフ後においても保持(バックアップ)されている。よって、電源投入時には、そのバックアップされた値から乱数カウンタ13bの更新を再開することができるので、乱数カウンタ13bの更新の初期値が固定値となることを回避して、乱数カウンタ13bのランダム性を保持することができる。
【0017】一方、バックアップ不良等により乱数カウンタ13bの値が適正に保持されなかった場合や、クリアスイッチ30cの押下により乱数カウンタ13bの値がクリアされた場合には、図6に示す乱数カウンタ初期値生成処理において、後述するカウンタIC14のカウント値に基づいてランダムな値(初期値)が生成され、乱数カウンタ13bは、このランダムな値から更新が開始される。よって、この場合(乱数カウンタ13bの値がクリア等された場合)においても、乱数カウンタ13bの更新の初期値が固定値となることを回避して、乱数カウンタ13bのランダム性を保持することができる。なお、カウンタIC14のカウント値に基づいて生成されるランダムな値(初期値)は、乱数カウンタ13bの値がクリア等された後の1周期目(最初)の更新の初期値にのみ使用され、2周期目以降の更新の初期値には、後述する次初期値メモリ13dに記憶される値が使用される。
【0018】現初期値メモリ13cは、乱数カウンタ13bの更新中の初期値を記憶するためのメモリであり、次初期値メモリ13dは、乱数カウンタ13bの次回の更新の初期値を記憶するためのメモリである。現初期値メモリ13c及び次初期値メモリ13dは、いずれも乱数カウンタ13bの更新範囲と同じ「0」〜「630」の範囲内で更新される。
【0019】なお、次初期値メモリ13dの値の更新は、図4に示すメイン処理のS31の処理において、所定時間が経過するまでの残余時間の間、繰り返し実行される。この残余時間は、遊技の状態に応じて変化する不定な時間であるため、次初期値メモリ13dの値は、ランダムに更新される。よって、かかる次初期値メモリ13dの値を乱数カウンタ13bの更新の初期値として使用することにより、乱数カウンタ13bの更新の初期値をランダムに変更することができる。
【0020】更新回数メモリ13eは、カウンタIC14から読み出された(取得された)値を記憶するためのメモリであり、カウンタIC14のカウント範囲と同じ「0」〜「65535」の範囲内の値が記憶される。この値は、後述する乱数カウンタ初期値生成処理(図6参照)において、乱数カウンタ13bの初期値を生成する際に使用される。
【0021】カウンタIC14は、7.15909MHzのカウントクロック14aから出力されるクロックパルスの立ち下がり毎に、カウントアップを行う16ビットカウンタである。従って、「0」〜「65535」の範囲で更新される。このカウンタIC14の値(カウント値)は、乱数カウンタ13bの値が、バックアップ不良等により適正に保持されなかった場合やクリアスイッチ30cの押下によりクリアされた場合に読み出され(取得され)、上述した更新回数メモリ13eに書き込まれる。更新回数メモリ13eに書き込まれたカウンタIC14のカウント値は、上述したように、乱数カウンタ13bの更新の初期値を生成する際に使用される。なお、カウンタIC14では、このカウント値の読み出し及び更新回数メモリ13eへの書き込みの最中にも、カウントクロック14aのクロックパルスに基づいてカウント値の更新が行われている。
【0022】ここで、カウンタIC14は、カウントアップを行うために複数の回路から構成されているが、これら各回路の電源投入時における応答性は、例えば雰囲気温度等の影響受けて、ばらつきが生じる。そのため、カウンタIC14は、電源投入後、カウントを開始するまでの過渡特性がばらつくこととなる。よって、このカウンタIC14によりカウントアップされるカウント値は、電源投入後、一定時間が経過したタイミングで取得する場合においても、取得する毎に異なるランダムな値を示すこととなる。従って、このカウンタIC14のランダムなカウント値を利用して乱数カウンタ13bの更新の初期値を生成することにより、乱数カウンタ13bのランダム性を保持することができ、その結果、大当たりのランダム性と公平性とを保持することができるのである。
【0023】なお、カウンタIC14には、後述する電源基板30によるバックアップ電圧が供給されておらず、パチンコ機Pの電源の切断と共にオフされる。よって、カウンタIC14のカウント値は、パチンコ機Pの電源が投入される毎に「0」からカウントアップされることとなり、この場合には、上述したように、電源投入からカウントを開始するまでの過渡特性にばらつきが生じる。従って、カウンタIC14は、電源投入後、一定のタイミングで取得しても、取得する毎に変化するランダムなカウント値を生成することができる。
【0024】カウンタIC14は、図2に示すように、MPU11とバッファ15を介して接続されており、MPU11からカウンタIC14へのデータ入力が不可能に構成されている。従って、カウンタIC14のカウント値が不正の目的等により書き換えられることを防止することができる。また、MPU11とカウンタIC14とは、入出力ポート16と接続されており、入出力ポート16は、払出モータ17によって賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、前記した図柄の変動表示の制御を行う表示用制御基板Dと、スピーカ18から効果音の出力制御を行う効果音制御基板Sと、LEDや各種ランプ19の点灯制御を行うランプ制御基板Lと、第1種始動口スイッチ20と、そのほか、他の入出力装置21とにそれぞれ接続されている。
【0025】第1種始動口スイッチ20は、図柄作動口(第1種始動口)4(図1参照)に入賞した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ20によって球が検出されると、図示しない払出装置によって5個の賞球が払い出される。また、第1種始動口スイッチ20によって球が検出された場合には、乱数カウンタ13bの値が取得され、その取得された値がRAM13の所定の領域に書き込まれて記憶される。
【0026】電源基板30は、パチンコ機Pの各部に電力を供給するための電源部30aと、停電監視回路30bと、クリアスイッチ30cとを備えている。停電監視回路30bは、停電等の発生による電源断時に、主制御基板CのMPU11のNMI端子へ停電信号31を出力するための回路である。停電監視回路30bは、電源部30aから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号31を主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力するように構成されている。この停電信号31の出力によって、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電時処理(主制御基板Cの場合は図3のNMI割込処理)を実行する。なお、電源部30aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができるのである。
【0027】クリアスイッチ30cは、主制御基板CのRAM13および払出制御基板HのRAM(図示せず)にバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ30cが押下された状態でパチンコ機Pの電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによって、それぞれのRAM13のデータがクリアされる。なお、この場合には、カウンタIC14のカウント値が取得され、乱数カウンタ13bの更新の初期値が乱数カウンタ初期値生成処理(図6参照)によってランダムに生成される。よって、かかる乱数カウンタ13bの更新の初期値が固定値となり、そのランダム性が低下することを防止することができる。
【0028】次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図3から図8の各フローチャートを参照して説明する。図3は、停電の発生等によるパチンコ機Pの電源断時に、主制御基板Cで実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。このNMI割込処理により、停電の発生等による電源断時の主制御基板Cの状態がバックアップエリア13aに記憶される。
【0029】停電の発生等によりパチンコ機Pの電源が断されると、停電監視回路30bから停電信号31が主制御基板CのMPU11のNMI(Non Maskable Interrupt)端子へ出力される。すると、MPU11は、実行中の制御を中断して、図3のNMI割込処理を開始する。停電信号31が出力された後所定時間は、主制御基板Cの処理が実行可能なように電源基板30の電源部30aから電力供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行される。
【0030】NMI割込処理では、まず、各レジスタおよびI/O等の値をスタックエリアへ書き込み(S1)、次に、スタックポインタの値をバックアップエリア13aへ書き込んで退避する(S2)。更に、停電発生情報をバックアップエリア13aへ書き込んで(S3)、停電の発生等による電源断時の状態を記憶する。その後、その他停電処理を実行した後(S4)、電源が完全に断して処理が実行できなくなるまで、処理をループする。
【0031】図4は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ機Pの主な制御は、このメイン処理によって実行される。メイン処理では、まず、割込を禁止した後(S11)、図5に示す初期化処理を実行する(S12)。ここで、図5のフローチャートを参照して、初期化処理について説明する。
【0032】図5は、パチンコ機Pの電源入時に主制御基板Cのメイン処理の中で実行される初期化処理(S12)を示すフローチャートである。この処理では、バックアップが有効であれば、バックアップエリア13aに記憶された各データを元の状態に戻し、遊技の制御を電源が断される前の状態から続行する。一方、バックアップが有効でなかったり、或いは、バックアップが有効であっても電源入時にクリアスイッチ30cが押下された場合には、RAMクリア及び初期化処理(S48)を実行する。なお、この初期化処理(S12)は、サブルーチンの形式で記載されているが、スタックポインタの設定前に実行される処理なので、実際には、サブルーチンコールされずに、S11の処理後に順に実行される。
【0033】まず、スタックポインタを設定し(S41)、クリアスイッチ30cがオンされているか否かを確認する(S42)。クリアスイッチ30cがオンされていなければ(S42:No)、バックアップが有効であるか否かを確認する(S43)。この確認は、RAM13の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、そのバックアップは有効ではない。バックアップが有効でなかったり(S43:No)、或いはクリアスイッチ30cがオンされていれば(S42:Yes)、RAMクリア及び初期化処理を実行して(S47)、RAM13及びI/O等の各値を初期化する。一方、バックアップが有効であれば(S43:Yes)、処理をS44へ移行して、主制御基板Cの各状態を電源断前の状態に復帰させる。
【0034】S44からの処理では、まず、バックアップエリア13aからスタックポインタの値を読み出して、これをスタックポインタへ書き込み、電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻す(S44)。次に、バックアップエリア13aへ退避した各レジスタやI/O等のデータをそのバックアップエリア13aから読み出して、これら各データを元のレジスタやI/O等へ書き込む(S45)。その後、割込状態を停電発生時に実行される図3の処理で記憶しておいた電源断前(停電前)の状態、即ちNMI割込発生前の状態に戻し(S46)、NMI割込リターンを実行して処理を電源断前に実行していたところへ戻して、制御を電源断前の状態から続行する。
【0035】なお、S47のRAMクリア及び初期化処理の終了後は、図4のS13の処理が実行される。また、このS47のRAMクリア及び初期化処理では、RAM13に設けられた乱数カウンタ13bの値の初期化処理(乱数カウンタ初期値生成処理、図6参照)も行われる。ここで、図6のフローチャートを参照して、乱数カウンタ初期値生成処理について説明する。
【0036】図6は、主制御基板CのRAMクリア及び初期化処理(S48)の中で実行される乱数カウンタ初期値生成処理を示すフローチャートである。この処理は、カウンタIC14からカウント値を取得して、そのカウント値に基づく回数分だけ乱数カウンタ13bを更新することにより、かかる乱数カウンタの13bの更新の初期値をランダムに生成する為の処理である。
【0037】この乱数カウンタ初期値生成処理では、まず、乱数カウンタ13bの値を「0」クリアする(S51)。ここで、従来のパチンコ機では、この「0」クリアされた値を初期値として乱数カウンタの更新を開始していたため、その更新の初期値が固定値(ここでは、「0」)となり、その乱数カウンタのランダム性の低下を招いていた。そこで、本発明のパチンコ機Pでは、以下に説明する処理によって乱数カウンタ13bの更新の初期値をランダムに生成し、かかる乱数カウンタ13bのランダム性の低下を防止している。
【0038】即ち、S51の処理後は、まず、カウンタIC14のカウント値をリードして(S52)、そのリードしたカウント値をRAM13の更新回数メモリ13eへ書き込む(S53)。なお、カウンタIC14のカウント値は、上述したように、電源投入時の過渡特性のばらつきにより、電源を投入してから一定時間が経過したタイミングで取得した場合でも、取得する毎に変化するランダムな値となる。よって、S52では、「0」〜「65535」の範囲内で更新(カウントアップ)されるカウンタIC14のカウント値がランダムに取得され、S53では、そのランダムに取得された値(「0」〜「65535」のいずれか)が更新回数メモリ13eへ書き込まれる。
【0039】次いで、S54からS58の処理によって、乱数カウンタ13bの値をその更新範囲内で、更新回数メモリ13eに書き込まれた値(回数)分だけ、即ち、ランダムな回数分だけ更新(加算処理)する。具体的には、まず、乱数カウンタ13bの値を「1」加算して(S54)、加算後の乱数カウンタ13bの値が「631」以上であるか否か、即ち、乱数カウンタ13bの更新範囲の値を超えているか否かを確認する(S55)。乱数カウンタ13bの値が「631」以上であれば(S55:Yes)、更新範囲の値を超えているので、乱数カウンタ13bの値を「0」クリアする(S56)。一方、加算後の乱数カウンタ13bの値が「630」以下であれば(S55:No)、更新範囲内の値であるので、加算後の値を維持すべくS56の処理をスキップして、S57の処理へ移行する。
【0040】S57及びS58の処理では、乱数カウンタ13bの加算処理(S54)が、所定回数(更新回数メモリ13eの値)分だけ行われたか否かを判断する。即ち、更新回数メモリ13eの値を「1」減算し(S57)、減算後の更新回数メモリ13eの値が「0」であるか否かを確認する(S58)。更新回数メモリ13eの値が「0」でなければ(S58:No)、乱数カウンタ13bの加算処理(S54)が未だ所定回数に達していないので、S54の処理へ移行して、乱数カウンタ13bの加算処理(S54)を繰り返す。一方、減算後の更新回数メモリ13eの値が「0」であれば(S58:Yes)、所定回数分の乱数カウンタ13bの加算処理(S54)が終了しているので、S59の処理へ移行する。なお、乱数カウンタ13bは、このS54からS58の処理によって所定回数分だけ更新された後の値を初期値として、後述する乱数更新処理(S16、図4及び図7参照)によって1周期目の更新が開始される。
【0041】S59の処理では、乱数更新処理(S16、図4及び図7参照)において、乱数カウンタ13bの1周期目の更新の終了を判別するために、所定回数分の更新が終了した後の乱数カウンタ13bの値を現初期値メモリ13cへ書き込み(S59)、この処理を終了する。
【0042】このように、乱数カウンタ13bの更新の初期値は、カウンタIC14のカウント値(即ち、更新回数メモリ13eに書き込まれたランダムな値)に基づく回数分だけかかる乱数カウンタ13bが繰り返し更新されることにより、ランダムに生成される。バックアップ不良等により乱数カウンタ13bの値が適正に保持されなかった場合や、クリアスイッチ30cの押下により乱数カウンタ13bの値がクリアされた場合には、このランダムに生成された初期値から乱数カウンタ13bの更新が開始されるので、かかる乱数カウンタ13bの更新が「0」等の固定値から開始されることを回避して、乱数カウンタ13bのランダム性の低下を抑制することができるのである。
【0043】ここで、例えば、主制御基板Cと他の基板(例えば、電源基板30)等との間に、不正な基板(例えば、いわゆる「ぶら下がり基板」等)を取り付けて、その基板から不正に生成した信号(例えば、停電信号31)を主制御基板Cへ出力する不正行為が考えられる。例えば、不正に生成した停電信号を連続的に主制御基板Cへ出力して、停電時処理を頻発させると、主制御基板C(MPU11)は、停電時処理を正常に実行することができなくなり、遊技状態が初期化(RAM13が初期化)されてしまう。このようにすることで、乱数カウンタ13bの更新を「0」等の固定値から開始させ、乱数カウンタ13bのランダム性を不当に低下させるのである。しかしながら、本発明の遊技機Pによれば、乱数カウンタ13bの更新の初期値は、電源投入時の過渡特性のばらつきによって取得する毎に変化する値(カウンタIC14のカウント値)に基づいてランダムに生成される。よって、不正行為を行う者(不正な基板)は、第1種始動口スイッチ20の検出信号を不正に生成し、その不正に生成した検出信号を大当たりのタイミングで出力しようとしても、乱数カウンタ13bの値を把握することができないので、大当たりを不正に発生させることができない。従って、いわゆる「ぶら下げ基板」等によって大当たりを不当に発生させる等の不正行為をも防止することができるのである。
【0044】更に、大当たりの判定は、非同期に更新されるカウンタ(乱数カウンタ13b,カウンタIC14)に基づいて決定される。即ち、大当たりの判定値は、2ms(MPU11の動作クロック11aは周波数8.192MHzであるので、16,384クロックで生成可能)毎に更新される乱数カウンタ13bの値に基づいて決定され、この乱数カウンタ13bの更新の初期値は、7.15909MHzのカウントクロック14a(2msの間隔を生成不可能)でカウントアップされるカウンタIC14の値に基づいて算出(生成)される。よって、不正行為を行うもの(不正な基板)が乱数カウンタ13bの更新周期に同期して動作する場合には、カウンタIC14のカウント値を把握することができず、逆に、カウンタIC14の更新周期に同期して動作する場合には、乱数カウンタ13bの値を把握することができない。従って、不正な基板は、両カウント値13b,14を同時に把握することができないので、大当たりを不当に発生させる等の不正行為をより一層抑制することができるのである。
【0045】なお、不正な基板が、ソフト的に命令を実行するソフト制御により、大当たり判定値を把握しようとする場合には、そのソフト制御では到底追従することができないほど高速なパルスでカウンタIC14の更新が行われているので、不正な基板は、大当たり判定値(カウンタIC14のカウント値)を把握することができない。従って、この場合には、カウンタIC14のカウントクロック14aをMPU11の動作クロック11aに同期する周波数(例えば、動作クロック11aの周波数8.192MHzに対して、カウントクロック14aを周波数8.192MHzや8.000MHz)で構成しても、かかる不正基板による不正行為を有効に防止することができる。
【0046】図4のフローチャートに戻って説明する。S13の処理ではタイマ割込の設定を行う(S13)。ここで設定されるタイマ割込としては、LCD3の変動表示を制御する制御用コマンドを表示用制御基板Dへ送信するためのストローブ信号を発生させるタイマ割込などがある。タイマ割込の設定後は、各割込を許可状態とする(S14)。割込の許可後は、特別図柄変動処理(S25)や、表示データ作成処理(S27)、ランプ・情報処理(S28)などにより、前回の処理で更新された出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力処理を実行する(S15)。
【0047】S15の処理の実行後は、各種カウンタの値を更新する乱数更新処理(S16)を実行する。ここで、図7のフローチャートを参照して、乱数更新処理について説明する。図7は、主制御基板Cのメイン処理の中で実行される乱数更新処理(S16)を示すフローチャートである。この処理では、乱数カウンタ13bの値を「0」〜「630」の範囲内で「+1」ずつ更新している。
【0048】まず、乱数カウンタ13bの値を1加算し(S61)、乱数カウンタ13bの値が「631」以上であるか否か、即ち、乱数カウンタ13bの更新範囲の値を超えているか否かを調べる(S62)。加算後の乱数カウンタ13bの値が「631」以上であれば(S62:Yes)、更新範囲の値を超えているので、乱数カウンタ13bの値を「0」クリアする(S63)。一方、加算後の乱数カウンタ13bの値が「630」以下であれば(S62:No)、更新範囲内の値であるので、加算後の値を維持すべくS63の処理をスキップして、S64の処理へ移行する。
【0049】S64の処理では、更新後の乱数カウンタ13bの値と現初期値メモリ13cの値とが比較される。現初期値メモリ13cには現在更新中の乱数カウンタ13bの更新の初期値が記憶されているので、両値が等しい場合には(S64:Yes)、乱数カウンタ13bの更新は一回り終了したということである。よって、かかる場合には、乱数カウンタ13bの次回の更新の初期値を記憶する次初期値メモリ13dの値を乱数カウンタ13b及び現初期値メモリ13cへ書き込み(S65,S66)、乱数カウンタ13bの更新の初期値を変更する。
【0050】このように、乱数カウンタ13bは、一回りの更新が終了する毎にその更新の初期値を変更するため、乱数の一様性(連続で取得した場合に同じ値をとることがなく、しかも、すべての値が同じ確率で取り出せること)のある乱数値を得ることができる。更に、その更新の初期値である次初期値メモリ13dの値は、後述するように、遊技の状態に応じて変化する不定な時間を使用して更新される為、乱数カウンタ13bの更新の初期値をランダムに変更することができる。
【0051】一方、更新後の乱数カウンタ13bの値と現初期値メモリ13cの値とが等しくない場合には(S64:No)、乱数カウンタ13bの更新は未だ一回り終了していないので、S65及びS66の処理をスキップすることにより乱数カウンタ13b及び現初期値メモリ13cの値を維持する。
【0052】S64〜S66の処理を実行した後は、図柄の変動パターンなどを決定するためのカウンタの値などを「+1」更新する他の乱数の更新処理(S67)を実行して、この乱数カウンタ更新処理を終了する。
【0053】図4のフローチャートに戻って説明する。乱数更新処理(S16)の実行後は、記憶タイマ減算処理(S17)が実行される。この記憶タイマ減算処理は、大当たり判定の保留球が所定数以上あり、且つ、LCD3において図柄の変動表示中である場合に、図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。
【0054】スイッチ監視処理(S18)は、INT割込で読み込まれた各スイッチの状態に応じて、遊技領域へ打ち込まれた球の入賞口2や大入賞口5、図柄作動口4への入賞、更には賞球の払い出し等に関する処理を行うものである。図柄カウンタ更新処理(S20)では、LCD3で行われる変動表示の結果、停止表示される図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われる。また、図柄チェック処理(S21)では、図柄カウンタ更新処理(S20)で更新されたカウンタの値に基づいて、特別図柄変動処理(S25)で使用される大当たり図柄や、はずれ図柄、更にはリーチ図柄などが決定される。
【0055】次いで、普通図柄変動処理(S23)によって、7セグメントLED(図示せず)の変動表示を行うと共に、その変動表示の結果、当たりが発生した場合には普通電動役物(図示せず)を所定時間開放する当たり処理を実行する。その後、状態フラグをチェックし(S24)、LCD3において図柄の変動開始または変動表示中であれば(S24:図柄変動中)、特別図柄変動処理(S25)によって、球が図柄作動口4に入賞するタイミングで読み取った乱数カウンタ13bの値に基づいて、大当たりか否かの判定が行われると共に、LCD3において図柄の変動処理を実行する。一方、状態フラグをチェックした結果、大当たり中であれば(S24:大当り中)、大入賞口5を開放するなどの大当たり処理(S26)を実行する。更に、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動中でも大当たり中でもなければ(S24:その他)、S25及びS26の処理をスキップして、S27の表示データ作成処理へ移行する。
【0056】表示データ作成処理(S27)では、図柄の変動表示以外にLCD3に表示されるデモデータや、7セグメントLEDの表示データなどが作成され、ランプ・情報処理(S28)では、保留球のランプデータをはじめ、各種のランプデータが作成される。効果音処理(S29)では、遊技の状況に応じた効果音データが作成される。なお、これらの表示データ及び効果音データは、前記したポート出力処理(S15)やタイマ割込処理によって各制御基板H,D,S,Lへ出力される。
【0057】効果音処理(S29)の終了後は、次のS15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、次初期値メモリ13dの値を更新する次初期値メモリ更新処理(S31)を繰り返し実行する。S15〜S29の各処理は定期的に実行する必要があるので、S32の処理において、前回のS15の処理の実行からの経過時間をチェックする(S32)。チェックの結果、前回のS15の処理の実行から2ms経過していれば(S32:Yes)、処理をS15へ移行し、一方、2ms経過していなければ(S32:No)、処理をS31へ移行して、次初期値メモリ更新処理(S31)の実行を繰り返す。
【0058】ここで、S15〜S29の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS15の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して次初期値メモリ更新処理(S31)を繰り返し実行することにより、次初期値メモリ13dの値をランダムに変更することができるのである。なお、次初期値メモリ更新処理(S31)については、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0059】図8は、主制御基板Cのメイン処理の中で実行される次初期値メモリ更新処理(S31)を示すフローチャートである。この次初期値メモリ更新処理(S31)は、図4に示したメイン処理において残余時間を使用して繰り返し実行される処理であり、乱数カウンタ13bの更新の初期値を記憶する次初期値メモリ13dの値を、乱数カウンタ13bの更新範囲の「0」〜「630」の範囲内で「+1」ずつ更新する。
【0060】まず、次初期値メモリ13dの値を「1」加算し(S71)、加算後の次初期値メモリ13dの値が「631」以上であるか否か、即ち、乱数カウンタ13bの更新範囲の値を超えているか否かを調べる(S72)。加算後の次初期値メモリ13dの値が「631」以上であれば(S72:Yes)、更新範囲の値を超えているので、次初期値メモリ13dの値を「0」クリアする(S73)。一方、加算後の次初期値メモリ13dの値が「630」以下であれば(S72:No)、更新範囲内の値であるので、加算後の値を維持すべくS73の処理をスキップして、この次初期値メモリ更新処理を終了する。
【0061】次に、図9を参照して第2実施例について説明する。第1実施例では、電源基板30からのバックアップ電圧がカウンタIC14へ供給されず、電源断後には、カウンタIC14の更新が停止するように構成されていたのに対して、第2実施例のカウンタIC104には、ユニット電源部105からバックアップ電圧が供給され、電源断後においても、カウンタIC104の更新が継続して行われるように構成されている。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0062】図9は、第2実施例におけるパチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。主制御基板Cは、第1実施例と同様に、8.192MHzの動作クロック11aに基づいて動作するMPU11を備え、更に、そのMPU11とバッファ15を介して接続されるカウンタユニット103を備えている。このカウンタユニット103は、MPU11の動作とは独立しつつパチンコ機Pの電源断後においてもカウントアップを継続するカウントアップユニットとして構成されており、クロックパルスの立ち下がり毎にカウントアップを行うカウンタIC104と、そのカウンタIC104へ7.15909MHzのクロックパルスを出力するカウントクロック104aと、これらカウンタIC104及びカウントクロック104aにバックアップ電圧を供給するユニット電源部とを備えている。
【0063】カウンタIC104は、第1実施例と同様に、7.15909MHzのカウントクロック104aから出力されるクロックパルスの立ち下がり毎に、カウントアップを行い、「0」〜「65535」の範囲で更新される16ビットカウンタである。乱数カウンタ13bの値がバックアップ不良等により適正に保持されなかった場合やクリアスイッチ30cの押下によりクリアされた場合には、第1実施例と同様に、このカウンタIC104の値(カウント値)がMPU11によって読み出され(取得され)、乱数カウンタ初期値生成処理(図6参照)によって乱数カウンタ13bの更新の初期値がランダムに生成される。
【0064】このカウンタIC104による更新は、上述したように、雰囲気温度等の影響によって、電源投入からカウント開始までの過渡特性にばらつきが生じ、そのカウント値は、電源投入後一定のタイミングで取得しても取得する毎に変化するランダムな値になる。ここで、第2実施例におけるカウンタIC104は、後述するユニット電源部105から供給されるバックアップ電圧により、パチンコ機Pの電源断後においても更新(カウントアップ)を継続することができるように構成されている。よって、カウンタIC104の更新は、一旦開始されると、最初の電源投入時におけるランダム性を維持しつつ、その後の停電の発生やホールの閉店時においても継続して行われることとなる。
【0065】ところで、カウンタIC14の値がMPU11により取得されるタイミングは、上述したように、乱数カウンタ13bの値がバックアップ不良等により適正に保持されなかった場合(S43:No)やクリアスイッチ30cの押下によりクリアされた場合(S42:Yes)である(図5参照)。即ち、このカウント値の取得タイミングは、停電の発生やホールの閉店後、ホールの店員がパチンコ機Pの電源を再投入するタイミングで決定されるので、カウンタIC104からは、ホールの店員がパチンコ機Pの電源を投入する毎に、ランダムな値が取得されることとなる。よって、カウンタIC104をバックアップ可能に構成した場合でも、第1実施例と同様に、このカウンタIC104の値(カウント値)がMPU11によって読み出され(取得され)、乱数カウンタ初期値生成処理(図6参照)によって乱数カウンタ13bの更新の初期値をランダムに生成することができるのである。
【0066】また、上述したように、主制御基板Cと他の基板(例えば、電源基板30)等との間に取り付けられた不正な基板(例えば、いわゆる「ぶら下がり基板」等)によって、遊技状態が初期化(RAM13が初期化)されると、乱数カウンタ13bの更新が「0」等の固定値から開始して、乱数カウンタ13bのランダム性が不当に低下してしまう恐れがある。しかしながら、第2実施例における遊技機Pによれば、カウンタIC104は、かかる不正な行為によりRAM13が初期化された場合でも、ユニット電源部105から供給される電力によりその更新を継続して実行することができる。よって、不正行為を行う者(不正な基板)は、カウンタIC104のカウント値を把握することができず、その結果、第1実施例の場合と同様に、乱数カウンタ13bの値を把握することができないので、大当たりを不正に発生させることができないないのである。従って、いわゆる「ぶら下げ基板」等によって大当たりを不当に発生させる等の不正行為をも防止することができる。
【0067】ここで、カウンタIC104のクリア端子の入力は、+5Vに固定され、かかるカウンタIC104の初期化が不可能に構成されている。よって、カウンタIC104のカウントアップは、エラーが発生した場合においても、初期化されることなく継続して行われる。例えば、「+1」ずつ連続してカウントアップされるべきカウント値が、適正に実行されず、その連続性が崩れた場合(例えば、「2763」から「2764」にカウントアップされるべき所を、例えば、ノイズの影響等により、「2763」から「5029」にカウントアップされた場合等)でも、カウンタIC104は、その連続性が崩れたまま(即ち、「5029」から)カウントアップを続行する。その結果、カウンタIC104のカウント値は、エラーの発生という不定要素が付加されることにより、予測不可能に変化することとなり、そのランダム性が一層向上するのである。従って、不正行為を行う者(不正な基板)は、カウンタIC104のカウント値を把握することが不可能となり、大当たりを不正に発生させることができず、更に、カウンタIC104のカウント値を初期化することもできないので、不正行為をより一層抑制することができるのである。
【0068】ユニット電源部105は、カウンタユニット103の各部(カウンタIC104,カウントクロック104a)へ電力を供給するための電源である。このユニット電源部105は、電源基板30に設けられた電源部30aに接続されており、その電源部30aからの出力電圧により充電可能に構成されている。よって、ユニット電源部105は、カウンタユニット103へ電力を供給しつつ、その消費分が電源部30aから供給される電力によって充電されるので、常に適正な電圧値を保つことができる。従って、ユニット電源部105は、何らかの理由により電源基板30の電源部30aから電力が供給されなくなった場合でも、カウンタユニット103へ電力を供給することができ、カウンタユニット103(カウンタIC104)は、その更新を継続して実行することができる。
【0069】例えば、電源基板30の電源部30aからの出力電圧が、故障等により、或いは、不正の目的で故意に遮断されRAM13へ供給することができなくなる場合が想定される。この場合には、RAM13の内容を適正にバックアップすることができなくなり、乱数カウンタ13bのランダム性が低下する恐れがある。しかし、本発明の遊技機Pによれば、カウンタIC104には、この場合においても、ユニット電源部105から電力を供給することができるので、カウンタIC104のカウントアップを継続して実行することができる。よって、RAM13の内容が適正にバックアップされなかった場合でも、かかる乱数カウンタ13bの更新の初期値をカウンタIC104のカウント値を利用して乱数カウンタ初期値設定処理(図6参照)によってランダムに生成することができる。その結果、乱数カウンタ13bの更新が固定値から開始することを防止して、乱数カウンタ13bのランダム性を保持することができるのである。
【0070】なお、ユニット電源部105は、リチウム電池等により構成される。このリチウム電池(ユニット電源部105)は、主制御基板Cと共に基板ボックス(図示せず)内に封印されつつ被包された状態で収容されている。そのため、かかるリチウム電池は、基板ボックスの封印を解除(或いは、基板ボックスを破壊)し基板ボックスを開封した場合に限り交換等が可能となる。よって、このリチウム電池に不正な行為が施されることを防止して、カウンタIC104のカウント値が不正に初期化されることを防止することができるのである。
【0071】なお、上記各実施例において、請求項1記載の乱数カウンタとしては、RAM13に設けられる乱数カウンタ13bが該当する。また、発振手段としては、カウントクロック14a、104aが該当し、カウント手段としては、そのカウントクロック14a,104aから出力されるクロックパルスの立ち下がり毎にカウントアップを行うカウンタIC14,104が該当し、そのカウント手段の値に基づいて乱数カウンタの更新の初期値を生成する初期値生成手段としては、S54からS59の処理が該当する。
【0072】ここで、発振手段の周波数は任意であるが、好ましくは、パルスを高速で発振するものが適する。かかる「高速」とは、発振手段(カウントクロック14a,104a)の周波数が、MPU11へ動作パルスを出力する動作クロック11aの周波数と少なくとも同程度であるという趣旨である。よって、カウントクロック14a,104aは、動作クロック11aよりも高周波に構成されることが好ましいが、カウントクロック14a,104aが動作クロック11aよりも低周波に構成される場合には、周波数比が1/100以内であることが好ましく、1/10以内であることがより好ましい。
【0073】以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0074】例えば、上記各実施例では、カウンタIC14,104のカウント値に基づいて乱数カウンタ13bの更新の初期値を生成したが、必ずしもこれに限られるわけではなく、他の種々のカウンタの更新の初期値を同様に生成することができる。一例としては、例えば、変動表示において停止表示される図柄(例えば、大当たり図柄、はずれ図柄、リーチ図柄など)を決定するためのカウンタや、図柄の変動パターンを決定するためのカウンタなどが例示される。
【0075】本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0076】なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0077】また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0078】以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記乱数カウンタの値は、所定の範囲内で繰り返し更新されるものであり、前記初期値生成手段は、前記カウント手段の値を取得するカウント値取得手段と、そのカウント値取得手段により取得されたカウント手段の値に基づく回数分だけ前記乱数カウンタの更新範囲内で繰り返し更新される所定回数更新手段とを備え、前記乱数カウンタの更新の初期値は、その所定回数更新手段の値に基づいて生成されるものであることを特徴とする遊技機1。
【0079】乱数カウンタの値は、例えば、電源投入時、クリアされ初期値が設定されるため、その乱数カウンタの更新の初期値が固定値となる。即ち、乱数カウンタの更新の初期値は、例えば「0」等の固定値から開始されることとなり、乱数カウンタのランダム性が低下する。しかし、遊技機1によれば、カウント値取得手段によって取得されたカウント手段の値は、その取得タイミングに応じて変化するランダムな値である。そのため、このカウント手段の値に基づく回数分だけ乱数カウンタの更新範囲内で繰り返し更新された所定回数更新手段の値も、更新回数が不定となり、ランダムな値となる。よって、この所定回数更新手段の値に基づいて乱数カウンタの更新の初期値を生成することにより、乱数カウンタの値のランダム性を確保することができる。
【0080】なお、カウント手段としては、クロックから出力されるクロックパルスの立ち下がり(上がり)毎にカウントアップ(ダウン)を行う高速カウンタICが例示される。この高速カウンタICは、クロックからの入力レベルのばらつきにより、カウント開始までの立ち上がり時間にばらつきが生じる(例えば、電源投入時、ノイズや雰囲気温度等の影響によりカウント開始までの過渡特性がばらつくことによる。)。そのため、電源投入後、一定時間経過後のタイミングで取得される高速カウンタICのカウント値は、取得する毎に異なるランダムな値となる。よって、この高速カウンタICのカウント値を利用して乱数カウンタの更新の初期値を生成することにより、乱数カウンタの値のランダム性を確保することができるのである。
【0081】ここで、上記した「カウント手段の値に基づく回数」とは、カウント手段の値に基づいて算出された回数を意味する趣旨である。従って、この回数は、必ずしもカウント手段の値と同一の値(回数)である必要はなく、例えば、カウント手段の値に所定値を加算、減算等した後の値(回数)であっても良い。同様に、「所定回数更新手段の値に基づいて生成」される乱数カウンタの初期値は、その所定回数更新手段の値と同一の値であっても良く、或いは、所定回数更新手段の値に所定値を加算、減算等した後の値であっても良い。なお、所定回数更新手段の更新は、加算、或いは、減算のいずれにより行われても良い。
【0082】請求項1記載の遊技機または遊技機1において、前記乱数カウンタの値は、所定の範囲内で繰り返し更新されると共に所定周期毎に更新の初期値が変更されるものであり、その所定周期毎に変更される更新の初期値の内、少なくとも最初の周期における更新の初期値は、前記初期値生成手段により生成されることを特徴とする遊技機2。なお、所定周期の所定とは自然数を意味しているので、所定周期とは、例えば、1周期、2周期、3周期、・・・である。よって、最初の周期は、1周期目を意味する。また、更新の途中において、乱数カウンタの値がクリアされた場合には、そのクリア後の更新が1周期目の更新に該当する。
【0083】従来の遊技機では、例えば「0」から1カウントずつ乱数カウンタを更新し、その更新が一定値(例えば「630」)に達すると、乱数カウンタの更新は、再度「0」に戻って再開するように構成されていた。そのため、この乱数カウンタは、いわば疑似乱数の域を超えるものではなく、かかる乱数カウンタの値に基づいて決定される演出内容等に偏りが生じる可能性があるという問題点があった。また、乱数カウンタの更新の初期値を例えば1周期毎に変更するものもあるが、その変更はソフト的に行われるものであり、この場合にも同様の問題点があった。しかし、遊技機2によれば、乱数カウンタの更新の初期値は、少なくとも最初の周期における更新の初期値が、初期値生成手段により生成される。よって、例えば、電源投入時、乱数カウンタの値がクリアされた場合においても、乱数カウンタの更新は、初期値生成手段により生成されたランダムな値(初期値)から開始されるので、乱数カウンタの更新の初期値が固定値となることを回避することができる。従って、乱数カウンタの値のランダム性を確保することができる。
【0084】遊技機2において、前記乱数カウンタの更新範囲内の値を記憶する初期値メモリと、その初期値メモリの値を他の処理が実行されるまでの残余時間の間に繰り返し更新する初期値更新手段とを備え、前記乱数カウンタの値は、前記初期値生成手段により生成された初期値から更新が開始される周期を除き、前記初期値更新手段により更新された初期値メモリの値を初期値として各周期の更新が開始されることを特徴とする遊技機3。
【0085】遊技機3によれば、残余時間は遊技の状態に応じて変化する不定な時間であるので、初期値メモリの値は初期値更新手段によりランダムに更新される。よって、かかる初期値メモリの値を乱数カウンタの更新の初期値として使用することにより、乱数カウンタの更新の初期値がランダムに変更され、乱数カウンタの値のランダム性を確保することができる。
【0086】ここで、乱数カウンタの更新の各周期において、最初の周期(1周期目)では、残余時間を利用して初期値メモリの値をランダムに更新することができない。そのため、その初期値メモリの値を乱数カウンタの最初の周期(1周期目)における更新の初期値に使用すると、更新の初期値が固定値となり、乱数カウンタのランダム性が低下する。しかし、遊技機3によれば、「初期値生成手段により生成された初期値から更新が開始される周期」、即ち、最初の周期(1周期目)においては、初期値メモリの値からは更新が開始されない。その結果、最初の周期(1周期目)における乱数カウンタの更新の初期値が固定値となることを回避することができ、乱数カウンタの値のランダム性を確保することができる。
【0087】請求項1記載の遊技機または遊技機1から3のいずれかにおいて、前記乱数カウンタの値を電源の切断後においても保持するバックアップ手段と、前記乱数カウンタの値をクリアするクリア手段とを備えており、そのクリア手段により乱数カウンタの値がクリアされた場合、或いは、前記バックアップ手段により乱数カウンタの値が適正に保持されなかった場合には、前記乱数カウンタの更新は、前記初期値生成手段により生成される初期値から開始されることを特徴とする遊技機4。
【0088】遊技機4によれば、乱数カウンタの値は、電源の切断後においてもバックアップ手段により保持されている。よって、電源投入時には、かかるバックアップ(保持)された乱数カウンタの値から更新を再開することにより、乱数カウンタの更新の初期値が固定値となることを回避することができ、乱数カウンタのランダム性を確保することができる。一方、例えばバックアップ不良等により乱数カウンタの値を適正に保持することができなかった場合、或いは、何らかの理由により乱数カウンタの値をクリアする必要が生じた場合には、乱数カウンタの更新は、初期値生成手段により生成されたランダムな値(初期値)から開始される。その結果、乱数カウンタの更新の初期値が固定値となることを回避することができ、乱数カウンタの値のランダム性を確保することができる。
【0089】請求項1記載の遊技機または遊技機1から4のいずれかにおいて、電源の切断後においても前記カウント手段による更新を継続させるために、そのカウント手段へバックアップ電圧を供給するバックアップ手段を備えていることを特徴とする遊技機5。遊技機5によれば、カウント手段の更新は、電源手段から供給されるバックアップ電圧によって電源の切断後においても継続して行われている。よって、カウント手段は、電源投入時において初期化されず、電源投入時における不定な値から更新を開始するので、乱数カウンタのランダム性を確保することができる。
【0090】遊技機5において、前記カウント手段へ電源の切断後においてもバックアップ電圧を供給するバックアップ手段と、前記乱数カウンタの値を電源の切断後においても保持する遊技機4に記載のバックアップ手段とは、それぞれ別々に構成されていることを特徴とする遊技機6。
【0091】遊技機6によれば、カウント手段の更新の継続(バックアップ)と乱数カウンタの値の保持(バックアップ)とをそれぞれ独立した状態で行うことができるので、電源の切断後において両者のバックアップが同時に失われることを抑制することができる。よって、例えば、バックアップ不良等により、乱数カウンタの値を適正に保持することができなかった場合でも、カウント手段の更新が適正に継続(バックアップ)されていれば、電源投入時には、かかるバックアップされたカウント手段の値を利用して乱数カウンタの更新の初期値をランダムに生成することができるので、乱数カウンタは、かかるランダムな値(初期値)から更新を開始することができる。一方、カウント手段の更新を適正に継続(バックアップ)することができなかった場合でも、乱数カウンタの値が適正に保持(バックアップ)されていれば、電源投入時には、かかるバックされた乱数カウンタの値から更新を再開することができる。よって、いずれの場合においても、乱数カウンタの更新の初期値が固定値となることを回避することができるので、乱数カウンタのランダム性を保持することができる。
【0092】遊技機6において、前記カウント手段へ電源の切断後においてもバックアップ電圧を供給するバックアップ手段は、前記乱数カウンタの値を電源の切断後においても保持するバックアップ手段の出力電力によって充電可能に構成されていることを特徴とする遊技機7。なお、バックアップ手段としては、例えばリチウム電池などの充電池、大容量の電解コンデンサやスパーキャパシタなどが例示される。
【0093】遊技機7によれば、乱数カウンタの値を電源の切断後においても保持するバックアップ手段の出力電力は、かかる乱数カウンタの値の保持に消費されると共に、カウント手段へ電源の切断後においてもバックアップ電圧を供給するバックアップ手段への充電にも消費される。言い替えると、乱数カウンタの値を電源の切断後においても保持するバックアップ手段のバックアップ電力が消費され尽くされ、乱数カウンタの値を保持できなくなった後においても、カウント手段へ電源の切断後においてもバックアップ電圧を供給するバックアップ手段は、そのバックアップ電力を確保することができ、カウント手段の更新を継続させることができる。その結果、バックアップ不良等により、乱数カウンタの値を適正に保持(バックアップ)することができなくなった場合でも、その更新が継続(バックアップ)されたカウント手段の値を利用して乱数カウンタの更新の初期値をランダムに生成することができるので、乱数カウンタの更新をランダムな値(初期値)から開始させることができる。よって、乱数カウンタの更新の初期値が固定値となることを回避し、乱数カウンタのランダム性を確保することができる。
【0094】遊技機4から7のいずれかにおいて、前記カウント手段は、前記クリア手段の影響から離隔された範囲に設けられており、そのカウント手段の更新は、前記乱数カウンタの値が前記クリア手段によりクリアされる場合にも、継続して行われることを特徴とする遊技機8。なお、「クリア手段の影響から離隔された範囲」とは、クリア手段からのクリア信号が入力されない範囲を意味する。
【0095】上述したように、乱数カウンタの少なくとも最初の周期における更新の初期値は、カウント値取得手段により取得されるカウント手段の値に基づいて生成される。ここで、クリア手段が実行されてからカウント値取得手段によりカウント手段の値が取得されるまでのタイミングは、毎回一定である。そのため、乱数カウンタの値と同時にカウント手段の値もクリア手段によりクリアされると、カウント値取得手段により取得されるカウント値が固定値となる恐れがあり、この場合には、乱数カウンタのランダム性を保持することができなくなる。しかし、遊技機8によれば、カウント手段は、クリア手段の影響から離隔された範囲に設けられている。よって、乱数カウンタの値がクリア手段によりクリアされた場合においても、カウント手段の更新は継続して行われているので、カウント手段からランダムな値を取得することができる。よって、乱数カウンタの更新の初期値が固定値となることを回避することができ、乱数カウンタの値のランダム性を確保することができる。
【0096】請求項1記載の遊技機または遊技機1から8のいずれかにおいて、前記カウント手段は、初期化不可能に構成されていることを特徴とする遊技機9。ここで、例えば、カウント手段を高速カウンタICにより構成した場合、かかる高速カウンタICは、上述したように、電源投入時における過渡特性のばらつきにより、カウント開始までの立ち上がり時間にばらつきが生じる。そのため、電源投入後、一定時間経過後のタイミングで取得される高速カウンタICのカウント値は、取得する毎に異なるランダムな値となる。そこで、遊技機9に示すように、カウント手段(高速カウンタIC)を初期化不可能に構成する。これにより、カウント手段のカウント値は、電源投入後、一旦更新が開始されると、初期化されることなく更新を継続することができる。よって、カウント手段は、不定なカウント値を維持することができ、その結果、乱数カウンタのランダム性を確保することができる。
【0097】なお、例えば、カウント手段を高速カウンタICにより構成する場合には、クリア端子の入力を開放したり、或いは、クリア端子の入力をLow状態(0V)又はhigh状態(+5V)に固定することにより、かかる高速カウンタICを初期化不可能に構成することができる。また、ノイズによる誤動作を防止するために、コンデンサや抵抗を付加しても良い。但し、かかるノイズによる誤動作を積極的に利用するように構成しても良い。即ち、高速カウンタICは、ノイズにより誤動作しても、カウント値がその更新範囲(例えば、0〜FFFFh)から外れることはない。よって、ノイズによりランダムに変化するカウント値を利用して乱数カウンタの初期値を生成することにより、かかる乱数カウンタのランダム性を確保することができる。
【0098】請求項1記載の遊技機または遊技機1から9のいずれかにおいて、前記発振手段が発振するパルスは、ソフト制御ではその更新が追従できない高速パルスであり、前記カウント手段による更新は、その高速パルスに基づいて行われることを特徴とする遊技機10。遊技機10によれば、ソフト制御では、カウント手段の更新に追従することができない。よって、例えば、カウント手段の更新周期に同期して、乱数カウンタの値を把握しようとする不正な手段(例えば、いわゆる「ぶら下がり基板」等によるソフト制御)では、カウント手段の更新に追従することができず、乱数カウンタの値を把握することが困難となる。よって、かかる不正行為を抑制することができる。
【0099】請求項1記載の遊技機または遊技機1から10のいずれかにおいて、前記発振手段の発振周波数は、遊技の制御を行うMPUの動作クロックと非同期に構成され、前記カウント手段による更新は、その発振手段が発振するパルスに基づいて行われることを特徴とする遊技機11。遊技機11によれば、カウント手段の更新と乱数カウンタの更新とは、非同期に行われることになる。よって、例えば、カウント手段の値に同期して動作し、乱数カウンタの値を把握しようとする不正な手段(例えば、いわゆる「ぶら下がり基板」等によるソフト制御)では、一方(カウント手段)の更新周期に同期して動作すると、他方(乱数カウンタ)の値を把握することが困難となる。よって、かかる不正行為を抑制することができる。加えて、発振手段の発振周波数が、ソフト制御ではその更新を追従できないほどの高速なものであれば、例えば、いわゆる「ぶら下がり基板」等によるソフト制御による乱数カウンタの値の把握を一層困難なものとすることができる。
【0100】請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機12。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0101】請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機13。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0102】請求項1記載の遊技機または遊技機1から11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機14。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0103】
【発明の効果】 本発明の遊技機によれば、カウント手段は、発振手段が発振するパルスに基づいて更新され、初期値生成手段は、そのカウント手段の値に基づいて乱数カウンタの更新の初期値を生成する。よって、乱数カウンタの値のランダム性を確保することができるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
【住所又は居所】愛知県名古屋市千種区今池3丁目9番21号
【出願日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【代理人】 【識別番号】100103045
【弁理士】
【氏名又は名称】兼子 直久
【公開番号】 特開2003−205097(P2003−205097A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−6756(P2002−6756)