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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】岡戸 文宏
【住所又は居所】愛知県名古屋市千種区今池三丁目9番21号 株式会社三洋物産内

【要約】 【課題】キャラクタ図柄及び数字図柄を含む図柄を変動表示するようにした遊技機において、キャラクタ図柄の配列を知らない遊技者であっても、図柄変動停止に先立ち停止図柄を容易に推測できるようにする。

【解決手段】遊技機としてのパチンコ機は表示装置4、始動口用スイッチ17及び制御装置20を備える。表示装置4は、キャラクタ図柄及び数字図柄を含む複数の図柄10を表示し、スイッチ17は遊技球6の始動口入賞を検出する。制御装置20はスイッチ17による入賞検出にともない、図柄10を表示装置4で変動表示及び停止する。制御装置20は図柄の変動停止に先立ち、図柄10の変動速度を第1の速度(高速)から第2の速度(低速)に切替える。さらに、制御装置20は第2の速度で変動する、少なくとも1つの図柄10の数字図柄を拡大表示する。この拡大により、第2の速度で変動する数字図柄が見やすくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 キャラクタ図柄及び数字図柄を含む図柄を表示する表示装置と、 遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検出手段の検出結果に応じ前記図柄を前記表示装置で変動表示及び停止する表示制御手段と、 前記表示制御手段による前記図柄の変動停止に先立ち、図柄の変動速度を、同図柄の識別困難な第1の速度から識別容易な第2の速度に切替える変動速度変更手段とを備える遊技機において、前記表示制御手段は、前記変動速度変更手段による第2の速度で変動する、少なくとも1つの図柄の数字図柄を拡大表示する拡大表示手段を含むことを特徴とする遊技機。
【請求項2】 請求項1の遊技機において、前記表示制御手段は、リーチ遊技状態発生後に、キャラクタ図柄を用いたリーチ動作を前記表示装置で表示するリーチ動作表示手段と、リーチ動作表示の際に前記拡大表示手段による数字図柄の拡大表示を禁止する拡大表示禁止手段とを含むことを特徴とする遊技機。
【請求項3】 請求項2の遊技機において、前記リーチ動作表示手段は複数種類のリーチ動作を表示するものであり、前記拡大表示禁止手段は、予め定めた種類のリーチ動作表示の際に対してのみ拡大表示を禁止するものであることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表示装置を有するパチンコ機等の遊技機に関し、より詳しくは、キャラクタ図柄及び数字図柄を含む図柄を表示装置で変動表示及び停止して抽選を行うようにした遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の図柄列を表示装置で表示するようにしたパチンコ機が知られている。このパチンコ機では、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況が所定の条件を満たすと、全ての図柄列において、複数の図柄が識別困難な第1の速度(高速)で一斉に変動表示される。各図柄列での変動速度は、変動開始から所定の時間が経過した後に、図柄の識別容易な第2の速度(低速)に切替えられる。切替え後、所定数(例えば3つ)の図柄が表示されると、変動が停止される。
【0003】例えば、左・中・右の3つの図柄列が設定されていて、左図柄列、右図柄列、中図柄列の順で図柄変動が停止されるパチンコ機の場合、全図柄列で図柄変動が第1の速度で一斉に開始される。変動開始から7,8秒が経過すると、まず左図柄列での図柄変動速度のみが第2の速度に切替えられる。所定数の図柄が変動表示された後に左図柄列での図柄変動が停止する。この停止から数秒が経過すると、右図柄列での図柄変動速度が第2の速度に切替えられる。所定数の図柄が変動表示された後に右図柄列での図柄変動が停止する。この停止から数秒が経過すると、中図柄列での図柄変動速度が第2の速度に切替えられる。所定数の図柄が変動表示された後に中図柄列での図柄変動が停止する。そして、全ての図柄列での図柄変動が停止したときに表示装置に表示される図柄の組合せが、予め定められた大当りの組合せであると、そのことに基づいて遊技者に有利な大当り遊技状態が発生する。
【0004】表示装置で表示される図柄としては、従来からの慣習や、装置の構造からくる表示限界等があって数字図柄が多い。例えば、「0」から「9」の各数字図柄が図柄とされた場合には、図柄変動が停止したときに、同一の数字図柄が大当りラインに沿って並んだ状態(例えば777)が大当りの組合せとなる。また、多くのパチンコ機では、各図柄列において、数字図柄がある規則性をもって(例えば昇順又は降順に)変動表示されるように設定されている。従って、所定の図柄列において、変動速度が切替わったときに表示される図柄を見れば、その図柄に基づき停止図柄を推測することが可能である。切替え時の図柄の数字図柄に所定数(例えば3つ)を加えた(引いた)数字図柄が停止図柄となる。このように、停止図柄を推測できれば、リーチ遊技状態発生の有無や大当り遊技状態発生の有無を、図柄の変動停止を待たず、それより前の変動速度の切替え時に把握できる。早い段階から、リーチ遊技状態や大当り遊技状態の発生に対する遊技者の期待感が高まる。
【0005】これに対し、最近では、液晶ディスプレイ等の採用にともない表示装置での多種多様な表示が可能となったことや、ゲーム性(例えばリーチ遊技状態の演出)を高めたいとする要望があること等から、キャラクタ図柄が図柄として採用される場合がある。反面、キャラクタ図柄のみからなる図柄では、数字図柄のみからなる図柄とは異なり、キャラクタ図柄の配列(変動表示される順)を覚えていないと、前述したように停止図柄を推測することができない。そこで、数字図柄をキャラクタ図柄に加えて図柄とすることが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述したキャラクタ図柄と数字図柄とからなる図柄を用いたパチンコ機においては、数字図柄はあくまでも補助的なものであり、キャラクタ図柄によるリーチ遊技状態の演出等の妨げとならないように、一律に小さく表示される。このため、数字図柄のみからなる図柄に比べ、遊技者にとって数字図柄が見えにくい。停止図柄の推測のためにせっかく付した数字図柄が、意図するように機能しないという問題がある。その結果、キャラクタ図柄の配列を把握していない遊技者は、第2の速度での図柄変動時、特に第1の速度から第2の速度への切替え時、に数字図柄を見落すと、停止図柄を推測できない。こうなると、第2の速度での図柄変動中において、本来ならば抱くことができる、リーチ遊技状態発生等に対する期待感が得られず、遊技の興趣が損なわれるおそれがある。
【0007】そこで、本発明は、キャラクタ図柄及び数字図柄を含む図柄を変動表示するようにした遊技機において、停止図柄を容易に推測することのできる遊技機の提供を課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、キャラクタ図柄及び数字図柄を含む図柄を表示する表示装置と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出する遊技状況検出手段と、前記遊技状況検出手段の検出結果に応じ前記図柄を前記表示装置で変動表示及び停止する表示制御手段と、前記表示制御手段による前記図柄の変動停止に先立ち、図柄の変動速度を、同図柄の識別困難な第1の速度から識別容易な第2の速度に切替える変動速度変更手段とを備える遊技機において、前記表示制御手段は、前記変動速度変更手段による第2の速度で変動する、少なくとも1つの図柄の数字図柄を拡大表示する拡大表示手段を含んでいる。
【0009】ここで、キャラクタ図柄とは、数字図柄以外の画像を意味し、代表的なものとして物語の登場人物が挙げられる。また、第1の速度と第2の速度との違いは、前者が、肉眼では個々の図柄を識別することが困難(識別不能を含む)なほどに速く図柄が変動する速度をいうのに対し、後者が、格別に注視しなくても個々の図柄を識別することが容易なほどにゆっくり図柄が変動する速度をいう。
【0010】上記発明によると、遊技者の操作に応じて変化する遊技機の遊技状況は遊技状況検出手段によって検出される。表示装置では、表示制御手段により、遊技状況検出手段の検出結果に応じ、キャラクタ図柄及び数字図柄を含む複数の図柄が変動表示される。この図柄の変動速度は、変動が停止される前に、変動速度変更手段により、第1の速度から第2の速度に切替えられる。第2の速度で変動する、少なくとも1つの図柄の数字図柄は拡大表示手段により拡大表示される。この拡大により数字図柄が見やすくなり、遊技者による見落としが少なくなる。数字図柄が把握されれば、その数字図柄をもとに変動停止時の図柄(停止図柄)を予測することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の遊技機をパチンコ機に具体化した一実施形態を、図面に従って説明する。図1に示すように、パチンコ機には、遊技領域1を有する遊技盤2が組込まれている。遊技領域1には始動口3、特別図柄表示装置(以下単に「表示装置」という)4及び大入賞口5がそれぞれ設けられている。始動口3は遊技球6の通路(図示略)と、その通路の入口を狭めたり拡げたりするための羽根3aとを備えている。
【0012】表示装置4は始動口3の上方に位置し、液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面4aを備えている。画面4aとしては、LCDに代えて、CRT、ドットマトリックス、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等が用いられてもよい。画面4aには多種類の画像が表示されるが、その一部として背景及び複数の図柄列がある。背景としては遠近感のある風景、例えば海辺の景色が挙げられるが、これに限られない。
【0013】複数の図柄列としては、左図柄列7、中図柄列8及び右図柄列9が表示されるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。各図柄列7乃至9は複数種類の図柄からなる。図3に示すように各図柄はキャラクタ図柄Fcと、丸い枠で囲まれた数字図柄Fnとを含んでいる。キャラクタ図柄Fcには、背景に対する関連性の高いものと低いものとがある。例えば、風景が海辺の景色である場合、関連性の高いものとしては海の生物が挙げられ、低いものとしては海の生物以外のものが挙げられる。図2には、本実施形態における複数種類の図柄10a乃至10mを示す。図柄10aはタイ焼きをキャラクタ図柄Fcとし、アラビア数字の「0」を数字図柄Fnとしている。図柄10bはシーラカンスをキャラクタ図柄Fcとし、アラビア数字の「1」を数字図柄Fnとしている。図柄10cは地球をキャラクタ図柄Fcとし、アラビア数字の「2」を数字図柄Fnとしている。同様に、図柄10d,10e,10f,10g,10h,10i,10j,10k,10mは、アンモナイト、ルアー、トビウオ、たこつぼ、イカ、長靴、カジキ、缶詰、タイをそれぞれキャラクタ図柄Fcとし、アラビア数字の「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」,「10」,「11」をそれぞれ数字図柄Fnとしている。なお、前述した図柄10a乃至10mを特に区別する必要のない場合には、これらを単に「図柄10」と記載する(図1及び図3参照)。
【0014】いずれの図柄10においても、数字図柄Fnは基本的にはキャラクタ図柄Fcに比べて小さく、しかもキャラクタ図柄Fcの右下端に表示される。しかし、数字図柄Fnは、一時的に、キャラクタ図柄Fcの前側で拡大表示される(図3参照)。これについては後で詳述する。なお、以後の記載においては、数字図柄Fnが小さく表示されるときと、拡大表示されるときとを区別する必要がある場合には、前者を「通常表示時」といい、後者を「拡大表示時」という。
【0015】各図柄列7乃至9において同時に表示される図柄10の数は1つであっても複数であってもよい。1つの図柄列につき1つの図柄10が有効表示される場合は、大当りラインの数が1つであり、通常、1ラインと呼ばれている。
【0016】表示装置4では、各図柄列7乃至9の図柄変動が、遊技球6の始動口3への入賞に基づき一斉に開始される。各図柄列7乃至9では数字図柄Fnが1つずつ昇順に、すなわち、0,1,2,3,…,10,11の順に変動表示される。これに代えて、数字図柄Fnは1つずつ降順に変動表示されてもよいし、それ以外の順(ただし規則性を有する)に変動表示されてもよい。変動速度としては、図柄10を識別することが困難(識別不能を含む)なほどに速い速度(以下「第1の速度」という)と、個々の図柄10を識別することが容易なほどに遅い速度(以下「第2の速度」という)の2種類が設定されている。
【0017】各図柄列7乃至9では、図柄変動開始から変動停止の直前までは、図柄が第1の速度で変動表示される。変動速度は変動停止の直前に第2の速度に切替えられる。この切替えから変動停止までに変動する図柄の数は予め定められている。この数は通常、2,3,4のいずれかであり、本実施形態では「3」である。この数は原則としてどの図柄列7乃至9でも同じである。ただし、中図柄列8において、後述するリーチ動作が行われる場合にはこの限りでなく、「4」より多いこともある。第1の速度から第2の速度に切替わるタイミングは、図柄列7乃至9毎に異なっている。左図柄列7での切替えタイミングは、図柄変動開始から所定時間(例えば5乃至8秒程度)が経過した時点である。右図柄列9での切替えタイミングは、左図柄列7での図柄変動停止から数秒(例えば1乃至2秒程度)が経過した時点である。中図柄列8での切替えタイミングは、右図柄列9での図柄変動停止から数秒(例えば1乃至2秒程度)が経過した時点である。
【0018】図柄変動は左図柄列7、右図柄列9、中図柄列8の順に停止する。全ての図柄列7乃至9の変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた大当りの組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の停止図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同停止図柄の組合せ(例えば、イカ「7」,イカ「7」,イカ「7」)、となる場合がある。大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態の到来、すなわち、より多くの賞球を獲得することが可能となる。なお、上記のように、表示装置4における図柄10の変動停止態様を必須要件として「大当り遊技状態の発生」の有無を決定することを、「抽選」ともいう。
【0019】さらに、パチンコ機は大当り遊技状態に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、右図柄列9の図柄変動が、大当りライン上において左図柄列7での停止図柄と同一種類の図柄10で停止し、かつ、その後に中図柄列8の図柄変動が左・右図柄列7,9での停止図柄と同一種類の図柄10で停止すれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止されると、大当りの組合せとなる態様で一体的に変動し、その図柄10で停止すれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
【0020】リーチ遊技状態では、前述した各図柄列7乃至9での図柄変動に加え、複数種類のリーチ動作(リーチアクション)が画面4aに表示される。この種類はリーチ種別(リーチパターン)とも呼ばれる。本実施形態では、リーチパターンとしてキャラクタ毎に「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」及び「スペシャルリーチ」が設定されている。「スーパーリーチ」及び「スペシャルリーチ」においては、図柄10中のキャラクタ図柄Fcが予め定められたリーチ動作を行うのに対し、「ノーマルリーチ」ではキャラクタ図柄Fcはリーチ動作を行わない。「スーパーリーチ」と「スペシャルリーチ」とではリーチ動作が異なっている。大当り遊技状態発生に対する期待値は、前述した3種類のリーチパターンにおいて、後ろ側ほど高い値に設定されている。さらに、前述した「全回転リーチ」もリーチパターンに含まれる。
【0021】遊技球6の始動口3への入賞に基づき、各図柄列7乃至9での図柄変動が開始されて抽選が行われることは既に説明したが、この抽選中や大当り遊技状態の発生中に、さらに遊技球6が始動口3に入賞した場合には、その分の抽選は、そのときに行われている変動表示の終了後に、より正確には、大当り遊技状態が発生すればその終了後に、大当り遊技状態が発生しなければ変動表示の終了後に、行われる。すなわち、抽選が保留(待機)される。この保留の最大回数はパチンコ機の機種毎に決められている。本実施形態では保留最大回数が4回に設定されているが、これに限られない。図1に示すように、表示装置4において画面4aの上方には、LED、電球等からなる保留ランプ11が組込まれている。保留ランプ11の数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)である。保留ランプ11は、抽選が保留される毎に点灯し、その保留に対応した抽選が行われる毎に消灯する。
【0022】大入賞口5は始動口3の下方に位置しており、入賞領域12、シャッタ13及び大入賞口用ソレノイド(以下単に「ソレノイド」という)14を備えている。入賞領域12の中央部にはVゾーン15が開口し、左右両側には通路16が開口している。ソレノイド14はシャッタ13に駆動連結されており、励磁によりシャッタ13を倒して入賞領域12を開放し、消磁によりシャッタ13を起立させて入賞領域12を閉鎖する。遊技球6がVゾーン15を通過することは、入賞領域12を再度開放するための条件である。従って、入賞領域12の開放中に入賞した遊技球6がVゾーン15を通過すれば、入賞領域12は閉鎖された後、再度開放される。入賞領域12が繰返し開放されることになる。ただし、この繰返し回数には制限が設けられており、予め定められた回数(例えば16回)だけ繰返された後には、原則として入賞領域12が開放されず、大当り遊技状態が終了する。
【0023】遊技者の操作に応じて変化する遊技状況を検出するために、遊技盤2には始動口用スイッチ17、Vゾーン用スイッチ18及びカウントスイッチ19がそれぞれ取付けられている。始動口用スイッチ17は遊技状況検出手段に相当するものであり、遊技球6の始動口3への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ18は遊技球6のVゾーン通過を検出し、カウントスイッチ19は遊技球6の入賞領域12への入賞(Vゾーン15及び通路16での通過)を検出する。
【0024】パチンコ機には、各スイッチ17乃至19の検出結果に基づき表示装置4及びソレノイド14をそれぞれ駆動制御するための制御装置20が搭載されている。制御装置20は読出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。
【0025】次に、前記のように構成された本実施形態のパチンコ機の作用及び効果について説明する。図4のフローチャートは、制御装置20によって実行される各処理のうち、遊技球6が始動口3に入賞する毎に各種カウンタの値をメモリに格納するためのルーチンを示している。図5及び図6のフローチャートは、前記格納処理ルーチンでの演算結果に基づき、特別電動役物の作動を制御するためのルーチンを示している。また、図7及び図8のフローチャートは、特別電動役物制御ルーチンにおいて実行されるサブルーチンを示している。これらのルーチンの処理は、カウンタ群及び通過判定フラグFtに基づいて実行される。カウンタ群には、保留カウンタCh、ラウンドカウンタCr、入賞カウンタCe、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタ、左・中・右の各図柄カウンタ及びリーチ種別カウンタが含まれている。
【0026】保留カウンタChは抽選の保留回数をカウントするためのものであり、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」の値を順に採る。Ch=0は、保留されていない状態又は抽選中を意味する。ラウンドカウンタCrはラウンド数をカウントするためのものであり、入賞カウンタCeはカウントスイッチ19の検出結果に基づき、入賞領域12への遊技球6の入賞個数をカウントするためのものである。内部乱数カウンタは大当り遊技状態の発生を決定するためのものであり、外れリーチ乱数カウンタは外れリーチ等を決定するためのものである。左・中・右の各図柄カウンタは、各図柄列7乃至9での停止図柄等を決定するためのものであり、リーチ種別カウンタはリーチ動作の種類を決定するためのものである。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態を経た後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。なお、カウンタCr、Ceの初期値(パチンコ機への電源投入時の値)はいずれも「0」である。通過判定フラグFtは、遊技球6のVゾーン通過の有無を判定するために用いられるものであり、Vゾーン用スイッチ18によって通過が検出されない場合に「0」に設定され、通過が検出されると「1」に設定される。通過判定フラグFtの初期値は「0」である。
【0027】さて、図4の格納処理ルーチンでは、制御装置20はまずステップS10において、始動口用スイッチ17の検出結果に基づき、遊技球6が始動口3に入賞したか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと格納処理ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、保留カウンタChの値が保留最大回数(この場合「4」)より小さいか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(Ch≧4)と格納処理ルーチンを終了し、満たされている(Ch<4)と、ステップS30において保留カウンタChに「1」を加算する。このように、遊技球6が始動口3に入賞する毎に、保留カウンタChの値が保留最大回数を限度として「1」ずつ加算されてゆく。保留最大回数以上の入賞があっても、保留は記憶されない。
【0028】続いて、ステップS40において、保留カウンタChの値に対応する保留ランプ11を点灯させる。ステップS50において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列7乃至9毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理をいう。ステップS50の処理を実行した後、格納処理ルーチンを終了する。
【0029】図5の特別電動役物制御ルーチンでは、まずステップP10において、前記格納処理ルーチンでの保留カウンタChの値が「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(Ch=0)と、すなわち抽選が保留されていないと、特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされている(Ch=1,2,3,4)とステップP20において、保留ランプ11のうち前記保留カウンタChの値に対応するものを消灯させ、ステップP30において保留カウンタChから「1」を減算する。
【0030】次に、ステップP40で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは図7のステップP41において、前記ステップS50での内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP42において、大当り値に対応する図柄(以下「大当り図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップP46へ移行する。一方、ステップP41の判定条件が満たされていないと、ステップP43において、前記ステップS50での外れリーチ乱数カウンタの値が、予め定められた外れリーチ値と同一であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP44において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)10を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップP46へ移行する。
【0031】ステップP42又はP44から移行したステップP46では、リーチ種別カウンタの値を読取り、その値に基づきリーチパターンを決定する。なお、前記ステップP43の判定条件が満たされていないと、ステップP45において前記ステップS50での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、ステップP45又はP46の処理を実行した後、ステップP47において、全図柄列7乃至9での数字図柄Fnを、各図柄10の中央部分であって、キャラクタ図柄Fcの前側で拡大表示する。この拡大された数字図柄Fnを含む図柄10を第1の速度で一斉に変動させ始める。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールが縦方向にあたかも高速回転しているように見える。変動開始から所定時間(5乃至8秒)が経過すると、左図柄列7での図柄変動速度のみを第2の速度に切替える。ステップP47の処理を実行した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了し、図5のステップP50へ移行する。
【0032】ステップP50では、第2の速度で所定数(3つ)の図柄10を変動させた後、左図柄列7での図柄変動を停止する。また、数字図柄Fnの拡大表示を終了し、同図柄Fnを元の状態(大きさ、位置)に戻す。中・右図柄列8,9に関しては、引き続き図柄10を第1の速度で変動表示する。さらに、左図柄列7での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)が経過すると、右図柄列9での図柄変動速度を第2の速度に切替える。第2の速度で所定数(3つ)の図柄10が変動した後、右図柄列9での図柄変動を停止する。数字図柄Fnの拡大表示を終了し、元の状態に戻す。中図柄列8では、引き続き図柄10を第1の速度で変動表示する。
【0033】続いて、ステップP60でリーチ動作処理を実行する。詳しくは図8のステップP61において、前記図柄変動開始処理ルーチンのステップP46で取得したリーチパターンがスーパーリーチであるか否かを判定する。この判定条件が満たされているとステップP62,P63の処理を順に実行し、満たされていないとステップP65へ移行する。ステップP62では、右図柄列9での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)経過後、中図柄列8での図柄変動速度を第2の速度に切替える。この切替えから所定数の図柄10が変動した後、又は所定時間が経過した後、中図柄列8での数字図柄Fnの拡大表示を終了し、同図柄Fnを元の状態に戻す。この拡大表示終了と略同時に、ステップP63において、キャラクタ図柄Fcを用いたスーパーリーチ動作処理を行い、ステップP64へ移行する。
【0034】一方、ステップP65では、前記リーチパターンがスペシャルリーチであるか否かを判定する。スペシャルリーチは、前述したように、大当り遊技状態発生に対する期待値がスーパーリーチよりも高いリーチである。この判定条件が満たされていると、ステップP66,P67において前記ステップP62,P63と略同様の処理を行う。すなわち、ステップP66では、右図柄列9での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)経過後、中図柄列8での図柄変動速度を第2の速度に切替え、所定数の図柄10が変動した後、又は所定時間が経過した後に、数字図柄Fnの拡大表示を終了する。この拡大表示終了と略同時に、ステップP67において、キャラクタ図柄Fcを用いたスペシャルリーチ動作処理を行い、ステップP64へ移行する。前記ステップP63又はP67から移行したステップP64では、中図柄列8での図柄変動を停止し、リーチ動作処理ルーチンを終え、図5のステップP80へ移行する。
【0035】前記ステップP65の判定条件が満たされていないと、ステップP68において、前記リーチパターンがノーマルリーチであるか否かを判定する。ノーマルリーチは、前述したように大当り遊技状態発生に対する期待値がスーパーリーチよりも低いリーチである。この判定条件が満たされていると、ステップP69において、右図柄列9での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)経過後、中図柄列8での図柄変動速度を第2の速度に切替える。所定数の図柄10が変動した後、又は所定時間が経過した後に、ノーマルリーチ動作処理を行い、ステップP70へ移行する。このノーマルリーチ動作処理時には、前記スーパーリーチ及びスペシャルリーチとは異なり、キャラクタ図柄Fcがリーチ動作を行わない。これに対し、ステップP68の判定条件が満たされていないと、前述したステップP69の処理を行うことなくステップP70へ移行する。なお、図示はされていないが、ステップP70への移行に先立ち、右図柄列9での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)経過後に、中図柄列8での図柄変動速度を第2の速度に切替える。ステップP70では、中図柄列8での図柄変動を停止するとともに、数字図柄Fnの拡大表示を終了して、同図柄Fnを元の状態に戻す。なお、ステップP69を経ることなくステップP68からP70へ直接移行した場合には、同ステップP70での図柄変動停止のタイミングは、変動速度切替えから所定数(3つ)の図柄10が変動した時点である。その後、リーチ動作処理ルーチンを終え、図5のステップP80へ移行する。
【0036】ステップP80では、左・中・右の図柄列7乃至9での停止図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップP90においてラウンドカウンタCrをリセットする。ステップP100において入賞カウンタCeをリセットするとともに、通過判定フラグFtを「0」に設定する。続いて、図6のステップP110においてソレノイド14を励磁する。すると、シャッタ13が倒れて大入賞口5の入賞領域12が開放される。この開放により、遊技球6がVゾーン15又は通路16へ入ることが可能となる。ステップP120でラウンドカウンタCrに「1」を加算する。
【0037】次に、ステップP130において、入賞カウンタCeの値が所定値Cemax以下であるか否かを判定し、満たされているとステップP140において大入賞口5の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP130へ戻る。その結果、入賞領域12の開放開始後にCemax個よりも多くの遊技球6が入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、入賞領域12が開放され続ける。これに対し、ステップP130,P140の条件のいずれか一方が満たされなくなると、ステップP150においてソレノイド14を消磁する。すると、シャッタ13が起こされて入賞領域12が閉鎖され、入賞領域12への遊技球6の入賞が不可能となる。ステップP160において、ラウンドカウンタCrの値が所定値Crmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップP170において通過判定フラグFtが「1」であるか否かを判定し、満たされている(Ft=1)と、図5のステップP100へ戻る。
【0038】従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球6がVゾーン15に最大でCrmax回入るまで、入賞領域12が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Cemaxが「10」に設定され、入賞領域12の開放時間が「約29.5秒」に設定され、所定値Crmaxが「16」に設定されている場合には、入賞領域12の開放後、(1)遊技球6が入賞領域12へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で入賞領域12が閉鎖される。この入賞領域12の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球6のVゾーン通過を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップP160,P170の判定条件のいずれか一方が満たされなくなると、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
【0039】なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、1つの乱数カウンタを用い、その値に基づき大当り遊技状態の発生を決定したり、外れリーチを決定したりしてもよい。図柄変動開始処理ルーチンにおける図柄変動開始処理(ステップP47)を停止図柄の決定・記憶処理(ステップP41乃至P45)よりも前に行ってもよい。
【0040】本実施形態では、特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP10,P40,P50,P60の処理が表示制御手段に相当する。図柄変動開始処理ルーチンのステップP47において左図柄列7での図柄変動速度を第2の速度に切替える処理と、前記ステップP50において右図柄列9での図柄変動速度を第2の速度に切替える処理と、リーチ動作処理ルーチンのステップP62,P66,P69等において、中図柄列8での図柄変動速度を第2の速度に切替える処理とが変動速度変更手段に相当する。さらに、前記ステップP47の処理は拡大表示手段にも相当する。
【0041】上述したように本実施形態では、遊技球6が始動口3へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得され、それらの値に基づいて停止図柄が記憶される。拡大された数字図柄Fnを有する図柄10が、全ての図柄列7乃至9において第1の速度で一斉に変動表示される。このときの変動速度は高速であり、遊技者は個々の図柄10を識別することが困難(又は不能)である。
【0042】変動開始から所定時間(5乃至8秒程度)が経過すると、左図柄列7での図柄変動速度のみが第2の速度に切替えられる。この速度では図柄10がゆっくり変動するため、遊技者は図柄10を識別することができる。しかも、数字図柄Fnは拡大されていて見やすくなっている。遊技者は、変動速度切替え時に表示された図柄10に基づき、停止図柄を推測することができる。第2の速度で所定数(3つ)の図柄10が変動した後、左図柄列7での図柄変動が停止する。このとき表示された図柄(例えば、図3の場合、イカ「7」の図柄10h)が、リーチ遊技状態や大当り遊技状態の発生に係わる図柄となる。変動停止にともない、それまで拡大されていた数字図柄Fnが元の状態(大きさ、位置)に戻される。なお、中・右図柄列8,9での数字図柄Fnは拡大されているものの、依然として第1の速度で変動されているため、遊技者による識別は困難(又は不能)である。
【0043】左図柄列7での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)が経過すると、右図柄列9での図柄変動速度が第2の速度に切替えられる。この速度では前述した左図柄列7の場合と同様にして図柄10がゆっくり変動するため、遊技者は図柄10を識別することができる。しかも、数字図柄Fnは拡大されていて見やすくなっている。遊技者は、変動速度切替え時に表示された図柄10に基づき停止図柄を推測することができる。例えば、図3に示すように、右図柄列9での第2の速度への切替え時に表示された図柄が、ルアー「4」の図柄10eであれば、これよりも所定数(3つ)後に表示される図柄10、すなわち、イカ「7」の図柄10hが停止図柄であることがわかる。
【0044】さらに、この推測した図柄と、左図柄列7での停止図柄とが一致しているか否かを判断することによって、リーチ遊技状態の発生の有無を知ることができる。すなわち、リーチ遊技状態発生の予告をすることとなる。図3に示すように、左図柄列7での停止図柄がイカ「7」の図柄10hであれば、右図柄列9での図柄変動停止よりも前であるにもかかわらず、リーチ遊技状態が発生することを予測できる。キャラクタ図柄Fcの配列を覚えていない遊技者であっても、早い段階からリーチ遊技状態の発生に対する期待感が高まる。
【0045】右図柄列9での図柄変動は、前記第2の速度で所定数(3つ)の図柄10が変動した後に停止する。変動停止にともない、それまで拡大されていた数字図柄Fnが元の状態に戻される。なお、中図柄列8での数字図柄Fnは拡大されているものの、依然として第1の速度で変動されているため、遊技者による識別は困難(又は不能)である。
【0046】中図柄列8での図柄変動は、前述した左・右図柄列7,9での図柄10の停止態様に応じて異なってくる。右図柄列9での図柄変動が左図柄列7での停止図柄とは異なる図柄10で停止した場合、すなわち、リーチ遊技状態が発生しなかった場合、その図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)が経過すると、中図柄列8では、図柄変動速度が第2の速度に切替えられ、所定数(3つ)の図柄10が変動した後に図柄変動が停止する。この停止にともない数字図柄Fnが元の状態に戻される。このような状況下では、通常、遊技者は中図柄列8での停止図柄に関心を持つことがない。また、キャラクタ図柄Fcを用いた演出も行われない。このため、図柄変動中に数字図柄Fnが大きく表示されても、小さく表示されても問題とならない。
【0047】一方、右図柄列9での図柄変動が左図柄列7での停止図柄と同じ図柄で停止した場合、ノーマルリーチ動作処理、スーパーリーチ動作処理、スペシャルリーチ動作処理のいずれかが行われる。例えば、ノーマルリーチ動作処理の場合、右図柄列9での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)が経過すると、中図柄列8では、図柄変動速度が第2の速度に切替えられ、所定数の図柄10が変動した後、又は所定時間が経過した後に、ノーマルリーチ動作が行われる。第2の速度では図柄10がゆっくり変動するため、遊技者は図柄10を識別することができる。しかも、数字図柄Fnは拡大されていて見やすくなっている。遊技者は、変動速度切替え時に表示された図柄10に基づき停止図柄を推測することができる。さらに、推測した図柄10と、左・右図柄列7,9での停止図柄とが一致しているか否かを判断することによって、大当り遊技状態の発生の有無を知ることができる。早い段階から大当り遊技状態の発生に対する遊技者の期待感が高まる。ノーマルリーチ動作が終ると、図柄変動が停止し、それまで拡大されていた数字図柄Fnが元の状態に戻される。
【0048】なお、図柄変動が停止するまで図柄10の数字図柄Fnを拡大表示し続けるようにしたのは、リーチ動作よりも数字図柄Fnの見やすさを優先したためである。このようにしても、ノーマルリーチではキャラクタ図柄Fcがリーチ動作をしないことから、数字図柄Fnの拡大表示がノーマルリーチの表示に及ぼす影響はほとんどない。
【0049】これに対し、スーパーリーチ動作処理又はスペシャルリーチ動作処理の場合、中図柄列8の図柄変動速度は、右図柄列9での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)経過後に第2の速度に切替えられる。所定数の図柄10が変動した後、又は所定時間が経過した後に、中図柄列8での数字図柄Fnが元の状態に戻され、これと略同時にキャラクタ図柄Fcを用いたスーパーリーチ動作処理又はスペシャルリーチ動作処理が行われる。このときには、キャラクタ図柄Fcがリーチ動作を行うが、数字図柄Fnが小さく表示されているので、この数字図柄Fnがリーチ動作の表示に及ぼす影響は非常に少ない。すなわち、数字図柄Fnがリーチ動作の表示の妨げとなりにくい。このため、リーチ動作を見た遊技者の大当り遊技状態発生に対する期待感を効果的に高めることができる。スーパーリーチ動作又はスペシャルリーチ動作が終ると、図柄変動が停止される。
【0050】そして、全ての図柄列7乃至9での停止図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球6がVゾーン15に最大Crmax回入賞するまで、大入賞口5の開閉のサイクルが繰返される。
【0051】本実施形態は前述した事項以外にも次の特徴を有する。
【0052】(a)本実施形態では、全図柄列7乃至9において図柄変動を一斉に開始するが、この図柄変動開始と同時に数字図柄Fnの拡大表示も一斉に開始している。このため、図柄列7乃至9毎に数字図柄Fnの拡大表示のタイミングを種々異ならせる場合に比べ、表示装置4の制御内容を簡素化できる。この効果は、全図柄列7乃至9において図柄変動を順次開始し、この開始に応じて数字図柄Fnの拡大表示を順次開始した場合であっても同様に得られる。
【0053】(b)本実施形態では、左・右図柄列7,9に関しては図柄変動停止と同時に数字図柄Fnの拡大表示を終了している。中図柄列8に関しては、ノーマルリーチ動作処理を行う場合、及びリーチ遊技状態を経ることなく外れる場合には、図柄変動停止と同時に数字図柄Fnの拡大表示を終了している。スーパーリーチ動作処理及びスペシャルリーチ動作処理を行う場合には、それらの動作処理前に数字図柄Fnの拡大表示を終了している。いずれの場合にも、遅くても図柄変動停止時には拡大表示が終る。従って、数字図柄Fnを確実に元の状態に戻し、次回の図柄変動に備えることができる。
【0054】(c)リーチ動作処理ルーチンにおいては、どのようなリーチパターンであっても、右図柄列9での図柄変動停止から数秒(1乃至2秒程度)経過後に中図柄列8での図柄変動を第2の速度に切替え、所定数の図柄変動後、又は所定時間経過後にリーチ動作を行うようにしている。このため、スーパーリーチ及びスペシャルリーチと、ノーマルリーチとでは数字図柄Fnを元の状態に戻すタイミングが異なるにもかかわらず、すなわち前者ではリーチ動作開始と略同時であり、後者ではリーチ動作終了と略同時であるにもかかわらず、各リーチ動作が開始されるまで遊技者にはどのリーチパターンが行われるかわからない。遊技者はリーチパターン、ひいては大当り遊技状態の発生に対する期待を遅くまで持続することができる。
【0055】なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
【0056】(1)数字図柄Fnとして、アラビア数字に代えて、漢数字、ローマ数字等を用いてもよい。これらの数字の種類は、通常表示時と拡大表示時とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0057】(2)通常表示時(又は拡大表示時)において、数字図柄Fnを前記実施形態とは異なる位置で表示してもよい。
【0058】(3)拡大表示時において、数字図柄Fnを通常表示時とは異なる色彩に変更してもよい。例えば、通常表示時には数字図柄Fnを地味な色彩で表示し、拡大表示時には目立つ色彩に変更してもよい。また、拡大された数字図柄Fnを点滅表示してもよい。このように強調表示することにより数字図柄Fnを遊技者に強く印象付けることができ、停止図柄の推測がより容易となる。
【0059】(4)数字図柄Fnを瞬間的に拡大表示してもよいし、図柄10の動き(変動)に合わせて連続的に又は段階的に拡大表示してもよい。また、第2の速度で変動する図柄10の数が多ければ、表示される図柄10が変わる毎に数字図柄Fnを大きくしていってもよい。
【0060】(5)拡大表示の際に数字図柄Fnの動きに変化を持たせてもよい。例えば、数字図柄Fnが丸い枠を破りながら拡大する様子を表示したり、数字図柄Fnが回転しながら拡大する様子を表示したりしてもよい。
【0061】(6)前記実施形態では、キャラクタ図柄Fcの大きさや位置を変えずに、そのキャラクタ図柄Fcの前側で数字図柄Fnを拡大表示したが、この数字図柄Fnの拡大表示にともないキャラクタ図柄Fcの大きさや表示位置を変更してもよい。例えば、キャラクタ図柄Fcを縮小表示してもよく、さらには、その小さくなったキャラクタ図柄Fcを、拡大された数字図柄Fnの端に表示してもよい。
【0062】(7)前記実施形態では全ての図柄列7乃至9に関して数字図柄Fnを拡大表示するようにしたが、一部の図柄列に関しては拡大表示を省略してもよい。例えば、図柄変動中に各種のリーチ動作処理が行われる中図柄列8に関しては、どのリーチパターンにおいても数字図柄Fnの見やすさよりもリーチ動作を優先させるという観点から、拡大表示を省略してもよい。
【0063】(8)前記実施形態では、スーパーリーチ動作処理及びスペシャルリーチ動作処理が行われる前に拡大表示を終了させていることから、第2の速度での図柄変動時には拡大表示が行われない。しかし、これらのリーチ動作処理が行われる場合にも、数字図柄Fnを拡大表示するようにしてもよい。別の表現をすると、中図柄列8に関し、リーチパターンと拡大表示の有無との組合せを、前記実施形態とは異なる組合せに変更してもよい。
【0064】(9)各図柄列7乃至9において、数字図柄Fnの拡大表示を開始する条件(拡大表示の開始条件)として、前記実施形態とは異なる条件、すなわち「遊技球6の始動口入賞に基づき図柄変動が開始されること」以外の条件を設定してもよい。この開始条件は全図柄列7乃至9に関して同じであってもよいし、図柄列7乃至9毎に異なっていてもよい。例えば、開始条件として、「図柄変動開始から所定時間が経過すること」を設定したり、「図柄10の変動速度が第1の速度から第2の速度に切替わること」を設定したりしてもよい。また、「変動速度が切替わり、第2の速度で図柄10が所定数(例えば、1とか2)変動すること」を開始条件としてもよい。この場合、変動速度切替えから変動停止までに変動する図柄10の数が予めわかっているという前提のもとで、変動速度切替え時から拡大表示までに変動した図柄10の数を数えれば、両者の差から、図柄10の変動停止に先立ち停止図柄を推測することができる。
【0065】(10)拡大された数字図柄Fnを元の状態(大きさ及び位置)に戻す条件(拡大表示の終了条件)として、前記実施形態とは異なる条件を設定してもよい。この終了条件は、全図柄列7乃至9に関して同じであってもよいし、図柄列7乃至9毎に異なっていてもよい。例えば、終了条件として、「拡大表示の開始条件が成立した後、予め定めた数の図柄10が第2の速度で変動表示すること」を設定したり、「拡大表示の開始条件が成立した後、所定時間が経過すること」を設定したりしてもよい。また、「図柄変動停止後、所定時間が経過すること」を終了条件としてもよい。
【0066】(11)上記(9)での開始条件と、上記(10)での終了条件との組合せにより、拡大表示の対象となる図柄10の数を適宜変更してもよい。少なくとも1つの図柄10において数字図柄Fnが拡大表示されればよい。ただし、この対象となる図柄10の数が多くなるほど、遊技者による数字図柄Fnの見落としが少なくなる。
【0067】(12)上記(9)での開始条件や、上記(10)での終了条件を切替えるための切替え手段を設けてもよい。例えば、幾種類かの開始条件(又は終了条件)を制御装置20のメモリに予め記憶させておく。そして、パチンコホール側の人間によって選択スイッチが操作されたり、キーボードが操作されたりして1つの開始条件(又は終了条件)が選択されると、制御装置がその選択された条件を開始(又は終了)の条件として設定するようにする。このようにすれば、同一種類のパチンコ機であっても、拡大表示の開始(又は終了)の条件をパチンコホール側の要求するものに適宜合わせることができる。
【0068】(13)図8のリーチ動作処理ルーチンにおいて、ステップP68の判定条件が満たされない場合、すなわち、いずれのリーチパターンでもない(リーチ遊技状態を経ることなく外れる)場合には、中図柄列8での図柄変動中、例えば、第1の速度での図柄変動中、に拡大表示を終了させてもよい。
【0069】(14)図2の図柄群に、大当りラインに沿って並んだとしても大当りの組合せとならない図柄(外れ図柄)を加えてもよい。この外れ図柄を、順に表示される図柄10の間に組み入れて表示してもよい。例えば、たこつぼ「6」の図柄10g、外れ図柄、イカ「7」の図柄10h、外れ図柄、長靴「8」の図柄10i、……といった順に図柄10を配列する。
【0070】(15)左図柄列7での図柄10の変動時間、左図柄列7での図柄変動停止から右図柄列9での変動速度切替えまでの時間、右図柄列9での図柄変動停止から中図柄列8での変動速度切替えまでの時間の少なくとも1つを、抽選の保留回数が多くなるほど短くしてもよい。
【0071】(16)本発明は、所定の条件を満たすと、大当り遊技状態の終了後にも、それまでよりも短い時間で抽選を引き続き行い、結果的に玉持ちをよくするようにした、いわゆる時短モードを有するタイプの遊技機にも適用できるが、このモードに切替わった場合、例えば、左図柄列7の変動時間を短くする等、図柄列7乃至9の変動時間を前記実施形態とは異ならせてもよい。
【0072】(17)本発明は、大当り遊技状態の発生する確率が所定の条件成立により高確率となる遊技機(いわゆる高確率変動機)にも適用できるが、高確率時には図柄列7乃至9の変動時間を短くするようにしてもよい。
【0073】(18)本発明を、図柄変動停止の直前に加え、他のタイミングにも第2の速度で図柄10が変動するタイプの遊技機に適用してもよい。また、本発明を、3種類以上の変動速度(例えば、超高速、高速、中速、低速)が設定されていて、図柄変動中に変動速度が2回以上切替えられるタイプの遊技機に適用してもよい。本発明は、図柄変動停止の直前に第1の速度から第2の速度に切替えられる遊技機であれば適用可能である。
【0074】(19)本発明は、表示装置を備えたものであれば、前記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機、例えば第3種(権利もの)パチンコ遊技機に適用されたり、抽選を複数回行った後に大当り遊技状態を発生させるようにしたパチンコ機に適用されたりしてもよい。また、本発明は、表示装置を備えたものであれば、パチンコ機以外の遊技機、例えばアレパチ、アレンジボール等に適用されてもよい。
【0075】(20)図柄10には、キャラクタ図柄Fc、数字図柄Fn以外の画像が含まれていてもよい。
【0076】(21)拡大表示時の数字図柄Fnにおいて、少なくともキャラクタ図柄Fcと重なる部分を透明(無色透明、着色透明、半透明等)にしてもよい。このようにすれば、数字図柄Fnが拡大されたときに、キャラクタ図柄Fcにおいて数字図柄Fnによって隠される部分が少なくなり、キャラクタ図柄Fcを識別しやすくなる。
【0077】(22)図8のリーチ動作処理ルーチンのステップP62,P66において、数字図柄Fnの拡大表示終了後の表示位置を変更してもよい。この位置としては、例えばリーチ動作を行うキャラクタ図柄Fcの端や、図柄10の端が挙げられる。前者の場合、数字図柄Fnはキャラクタ図柄Fcと一体となって動く。後者の場合、数字図柄Fnはキャラクタ図柄Fcの動きとは無関係に同じ位置(図柄10の端)で表示される。いずれの場合にも、数字図柄Fnは小さく表示されているため、キャラクタ図柄Fcのリーチ動作の妨げになりにくい。さらには、ステップP62,P66での拡大表示終了処理として、数字図柄Fnの表示を省略してもよい。このようにすれば、キャラクタ図柄Fcのリーチ動作がより一層見やすくなる。
【0078】以上、本発明の実施形態について説明したが、各実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、それらの効果とともに記載する。
【0079】(イ)請求項1の遊技機において、前記表示制御手段は、リーチ遊技状態発生後に、キャラクタ図柄を用いたリーチ動作を前記表示装置で表示するリーチ動作表示手段と、リーチ動作表示の際に前記拡大表示手段による数字図柄の拡大表示を禁止する拡大表示禁止手段とを含むことを特徴とする遊技機。ここで、図8のリーチ動作処理ルーチンにおけるステップP63,P67,P69の処理がリーチ動作表示手段に相当し、ステップP61,P62,P65,P66の処理が拡大表示禁止手段に相当する。このような構成とすることにより、数字図柄Fnがキャラクタ図柄を用いたリーチ動作の表示の妨げとなるのを防止できる。
【0080】(ロ)上記(イ)の遊技機において、前記リーチ動作表示手段は複数種類のリーチ動作を表示するものであり、前記拡大表示禁止手段は、予め定めた種類のリーチ動作表示の際に対してのみ拡大表示を禁止するものであることを特徴とする遊技機。このような構成とすることにより、ある種類のリーチ動作表示の際には数字図柄が拡大表示され、また異なる種類のリーチ動作表示の際には数字図柄が小さく表示されることとなる。従って、キャラクタ図柄を用いたリーチ動作、及び数字図柄の拡大表示による停止図柄の推測のいずれを優先するかを、リーチ動作の種類に応じて適切に設定することができる。
【0081】(ハ)請求項1の遊技機において、前記表示制御手段は前記拡大表示手段による数字図柄の拡大表示を、図柄変動停止にともない、又は図柄変動停止に先立ち終了させる拡大表示終了手段を含むことを特徴とする遊技機。ここで、図5の特別電動役物制御ルーチンにおけるステップP50の処理と、図8のリーチ動作処理ルーチンにおけるステップP62,P66,P70の処理とが拡大表示終了手段に相当する。このような構成とすることにより、数字図柄を確実に元の状態に戻し、次回の図柄変動に備えることができる。
【0082】(ニ)請求項1の遊技機において、前記表示制御手段は、複数の図柄列において前記図柄の変動表示を一斉に開始又は順次開始する図柄変動開始手段を含み、前記拡大表示手段は前記図柄変動開始手段による図柄変動開始に応じて各図柄列での数字図柄の拡大表示を一斉に開始又は順次開始する拡大表示開始手段を含むことを特徴とする遊技機。ここで、図7の図柄変動開始処理ルーチンにおけるステップP47の処理が図柄変動開始手段及び拡大表示開始手段に相当する。このような構成とすることにより、図柄列毎に数字図柄の拡大表示のタイミングを種々に異ならせる場合に比べ、表示装置の制御内容を簡素化できる。
【0083】(ホ)請求項1の遊技機において、前記表示制御手段は、前記第1の速度では個々の図柄を識別困難なほどに高速で変動表示し、第2の速度では個々の図柄を識別容易なほどに低速で変動表示するものであり、前記拡大表示手段は前記変動速度変更手段による低速での図柄変動中に数字図柄を拡大表示するものであることを特徴とする遊技機。このような構成とすることにより、拡大された数字図柄が低速で変動するので、数字図柄が見やすくなり、見落すことがより少なくなる。
【0084】(ヘ)請求項1の遊技機において、前記表示制御手段は、前記変動速度変更手段による変動速度切替えから図柄変動停止までに、予め定められた数の図柄を変動表示するものであり、前記拡大表示手段は、前記所定数の図柄の少なくとも1つを拡大表示するものであることを特徴とする遊技機。このような構成とすることにより、所定数がいくつであるか、すなわち、変動速度切替えから変動停止までにいくつの図柄が表示されるのかを予め知り、拡大表示された図柄が変動速度切替えから何番目に表示されたものであるかを把握することにより、停止図柄を容易に推測することができる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、キャラクタ図柄及び数字図柄を含む図柄を変動表示するようにした遊技機において、キャラクタ図柄の配列を知らなくても、図柄変動停止に先立ち、拡大された数字図柄に基づき停止図柄を容易に推測することができる。
【出願人】 【識別番号】000144522
【氏名又は名称】株式会社三洋物産
【住所又は居所】愛知県名古屋市千種区今池3丁目9番21号
【出願日】 平成11年1月29日(1999.1.29)
【代理人】 【識別番号】100098224
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 勘次
【公開番号】 特開2003−205089(P2003−205089A)
【公開日】 平成15年7月22日(2003.7.22)
【出願番号】 特願2002−370146(P2002−370146)