| 【発明の名称】 |
ライン誘導型競走ゲーム装置における走行制御システム |
| 【発明者】 |
【氏名】厚地 悟 【住所又は居所】東京都港区虎ノ門四丁目3番1号コナミ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】乗り換え走行の不安定化、目標誘導線への到達の遅延を可及的に抑制できるようにする。
【解決手段】誘導線追跡用の3つの受光素子10a,10b,10cのうちの左右の受光素子10b,10cの検出幅の中心を誘導線の左右の縁線eとそれぞれ一致させ、中央の受光素子の検出幅を誘導線1の幅と等しくし、3つの受光素子の受光量の変化量に基づいて、自走体の誘導線の中心線sからのずれ量を演算して検出し、誘導線1,1の中心線s,s間の多数の仮想誘導線を、自走体の走行制御手段(MPU3)において規定し、乗り換え方向に向かって走行する乗り換え走行中は上記走行制御手段によって目標仮想誘導線を順次指定して、目標仮想誘導線の乗り継ぎを順次繰り返しながら乗り換え走行させるようにし、上記3つの受光素子のうちの左右のものの受光量の差の変化に基づいて、自走体の誘導線1の中心線sからの上記ずれの方向を判別する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】自走体下面の3つの受光素子によって誘導線を検知しながら光学的に追跡走行し、目標進度、目標誘導線を走行指令として与えられ、これらの指令に基づき、自走体の走行制御手段(MPU3)によってライン追跡走行及び誘導線の乗り換え走行を制御する、自走体によるライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システムにおいて、誘導線追跡用の3つの受光素子10a,10b,10cのうちの左右の受光素子10b,10cの検出幅の中心を誘導線の左右の縁線eとそれぞれ一致させ、中央の受光素子の検出幅を誘導線1の幅と等しくし、3つの受光素子の受光量の変化量に基づいて、自走体の誘導線の中心線sからのずれ量を演算して検出し、誘導線1,1の中心線s,s間の多数の仮想誘導線を、自走体の走行制御手段(MPU3)において規定し、乗り換え方向に向かって走行する乗り換え走行中は、上記走行制御手段によって目標仮想誘導線を順次指定して、目標仮想誘導線の乗り継ぎを順次繰り返しながら乗り換え走行させるようにし、上記3つの受光素子のうちの左右のものの受光量の差の変化に基づいて、自走体の誘導線1の中心線sからの上記ずれの方向を判別するようにしたライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システム。 【請求項2】上段走行面を模型体が走行し、下段走行面を走行する自走体によって磁力を介して上記模型体を牽引するものであって、自走体下面の3つの受光素子によって誘導線を検知しながら光学的に追跡走行し、目標進度、目標誘導線を走行指令として与えられ、これらの指令に基づき、自走体の走行制御手段(MPU3)によってライン追跡走行及び誘導線の乗り換え走行を制御する、ライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システムにおいて、誘導線追跡用の3つの受光素子10a,10b,10cのうちの左右の受光素子10b,10cの検出幅の中心を誘導線の左右の縁線eとそれぞれ一致させ、中央の受光素子の検出幅を誘導線1の幅と等しくし、3つの受光素子の受光量の変化量に基づいて、自走体の誘導線の中心線sからのずれ量を演算して検出し、誘導線1,1の中心線s,s間の多数の仮想誘導線を、自走体の走行制御手段(MPU3)において規定し、乗り換え方向に向かって走行する乗り換え走行中は上記走行制御手段によって目標仮想誘導線を順次指定して、目標仮想誘導線の乗り継ぎを順次繰り返しながら乗り換え走行させるようにし、上記3つの受光素子のうちの左右のものの受光量の差の変化に基づいて、自走体の誘導線1の中心線sからの上記ずれの方向を判別するようにしたライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システム。 【請求項3】請求項1又は請求項2のライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システムにおいて、自走体の走行制御手段(MPU3)への走行指令に目標進度、目標誘導線、目標進度への目標到達時間を含め、進度、誘導線、目標進度、目標誘導線、上記目標到達時間に基づいて、走行制御手段(MPU3)が所要の走行速度を演算して決定し、上記走行制御手段による目標仮想誘導線の指定を所定時間間隔で行い、乗り換え走行速度と乗り換え方向とに基づいて上記目標仮想誘導線を演算して求めて指定する、ライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システム。 【請求項4】請求項1又は請求項2のライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システムにおいて、上記の左右の受光素子10b,10cによる検出幅の中心を、中央の受光素子が検知している誘導線1の左右の縁線eに一致させたライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システム。 【請求項5】請求項1又は請求項2のライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システムにおいて、上記誘導線1の間の非誘導線1bの幅を誘導線の幅と等しくし、かつ、左右の受光素子10b,10cによる検出幅を中央の受光素子10aの検出幅と等しくしたライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システム。 【請求項6】請求項3のライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システムにおいて、乗り換え走行中に目標仮想誘導線を指定する度毎に、残りの乗り換え走行距離と残りの目標到達時間とに基づいて走行速度を繰り返し演算し、決定するようにした、ライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、上段走行面を走行する模型体を下段走行面を走行する自走体で磁石を介して牽引して、模型体によるレースを環状トラックで展開するものであって、自走体を誘導ライン(誘導線)によって誘導し、中央制御装置からの指令によって、誘導線を乗り換えながら自走体が走行する競走ゲーム装置等のライン誘導型競走ゲーム装置の誘導線の乗り換え走行制御システムに関するものであり、中央制御装置からの走行指令に応じて誘導線を逐次乗り換えさせるについて、自走体の相互干渉、スリップなどの外乱による乗り換え走行の不安定さを可及的に低減して、乗り換え走行の不安定化によるレースの乱れを回避することができるものである。 【0002】 【従来の技術】上段の走行面上で模型体を走行させ、下段走行面を走行する自走体で上記模型体を磁石を介して牽引する競走ゲーム装置として、個々の自走体を下段走行面に付設したレールで誘導するタイプのものがあり、また、2次元座標上の自走体の位置を逐次検出し、2次元座標上の目標位置と位置検出手段で検出した位置とによってフィードバック制御しながら目標位置を順次追跡走行させるようにして、自走体を無軌道走行させるものもある(特許第2645851号公報)。また、走行面に密に設けた誘導線を、自走体が備えているライン検知手段で検知し、自走体の走行制御手段で自己完結的にフィードバック制御して、これを追跡走行させるものもある(特開平10−232712号公報)。2次元座標上の目標位置と、逐次検出した位置(2次元座標位置)とで中央制御装置によってフィードバック制御して、目標位置を順次経由しながら所定の走行経路を走行させる上記従来技術は、2次元座標上の位置を細かく表示する位置表示装置が必要であるとともに、これに対応する自走体の位置を直接検出する位置検出装置が必要である。また、2次元座標上の目標位置を逐次経由して走行させるために、自走体の向きを検出して、自走体の向きと次の目標位置との関係で、走行速度を勘案しながら操向角度を演算して操向制御することが必要であるので、走行制御のための情報処理が単純でなく、その制御は複雑なものとなる。また2次元座標上の目標位置を順次経由するように、プログラム上、微小間隔で目標位置を定め、これを中央制御装置によってフィードバック制御するものであるから、走行の円滑性、安定性に問題がある。さらに、中央制御装置は複雑な情報処理を行いながら自走体の走行を位置情報に基づいてフィードバック制御するものであるから制御システムが複雑であり、それだけコスト高になることが避けられない。 【0003】他方、誘導線を追跡走行させるものは、基本的には走行を誘導線で誘導するからその走行の円滑性、安定性が優れていると一応いえる。しかし、走行経路の単純さ、競走の不自然さがあることは否めず、これを解消するために誘導線の乗り換えを適宜行わせることが必要である。また、誘導線を追跡走行する自走体の走行制御は、基本的には速度制御と乗り換え制御であるからその走行制御及びその制御システムは単純であるが、他方、レースの進行状況からして乗り換えのタイミングがずれると、レースのリアルさが著しく損なわれることになる。したがって、レースの進行状況からして違和感のない適切なタイミングでの乗り換え制御を行い、速度制御等を行って、レースのリアルさを如何に実現するかが残された問題である。 【0004】上記の特開平10−232712号公報に記載されたものは、レースのスタート段階で、乗り換え位置と乗り換え方向、及び途中の走行速度を、自走体の制御メモリに一括して記憶させ、個々の自走体はこの一括記憶された走行制御指令どおりに、所定の速度で、予定どおりに誘導線を順次乗り換えながらゴールまで走行するものである。しかし、実際には、自走体は、スリップ等の外乱のために、スタート時に一括記憶させた走行制御指令どおりの速度では走行せず、このためにレースの進行状況からして乗り換えタイミングがずれ、不自然な状態で乗り換えが行われ、その結果、レース進行が極めて不自然なものになる。これは、実際に進行するレース状況に関わり無く、レーススタート時点で一括して入力された走行制御指令によってゴールまで走行制御されるために生じる問題である。 【0005】ところで、多数の自走体をまとまりのとれた一群のものとして一括して走行制御するには、全ての自走体の散らばりがある範囲内にあることが必要である。特定の自走体が予定速度よりも速く走行することはないが、予定よりも大きく遅れ、そのためにレースが壊されることが少なくない。自走体のメモリに予め一括して記憶させた制御データを基準にして速度制御するもの、あるいは、予め用意した制御データを中央制御装置から一方的に順次送信し、この制御データを基準にして速度制御するものにおいては、少数の自走体の走行遅延によるレースの乱れを修正することはできない。予め用意した制御データを中央制御装置から機械的に順次送信するものについては、自走体からの走行指令をフィードバックして補正をかけることもできないではないが、走行制御のための中央制御装置と自走体の走行制御手段との間の情報交換の単純さが失われ、ライン誘導型の走行制御の利点が失われることになる。 【0006】 【この発明の前提となる先行技術】以上の公知技術の存在を前提として、自走体が誘導線を追跡しながら、磁力を介して模型体を牽引する競走ゲーム装置について、自走体の走行制御手段による自走体の走行制御を可及的に単純にするとともに、レース状況に応じた乗り換え制御、速度制御などの走行制御データを適宜送信できるように工夫したものがある(特願2001−221752号。以下これを「先行技術」という)。先行技術は、上段走行面を模型体が走行し、下段走行面を自走体が走行し、磁力を介して自走体で模型体を牽引して走行させる、いわば二階建構造の競走ゲーム装置であって、自走体が下段走行面に設けた多数の誘導線を乗り換えながら、指定された誘導線を追跡走行する競走ゲーム装置を基本とするものである。そして、レース進行管理部(MPU1)のレース作成部(MPU1)で模擬レースを実行し、この模擬レースの進行に基づいて走行制御データを作成し、この走行制御データを中継制御装置(MPU2)を介して自走体の走行制御手段(MPU3)に送信し、走行制御手段(MPU3)の自己完結的なフィードバック制御によって指定された誘導線を追跡走行し、また、誘導線の乗り換えを行うものである。なお、上記の走行制御データは、目標誘導線、目標進度、走行速度などの極めて単純なものである。そして、このものの自走体は走行している誘導線、進度を認識し、これらのデータと中央制御装置からの走行指令(目標進度、目標誘導線、走行速度)とに基づいて、誘導線を引き続き追跡し、あるいは誘導線を逐次乗り換えながら、指令された速度でゴールまで走行する。 【0007】次いで、上記「先行技術」を図1乃至図7を参照して具体的に説明する。下段走行面に多数の環状の誘導線1が密に設けられている。また、下段走行面には誘導線1に対して直角方向の進度線2が所定間隔で多数設けられている。なお、進度線2は磁気ラインである。 【0008】また図1に示すように、競走トラックTの一周に、誘導線1に直角方向の位置表示線3が計6個配置されている。この位置表示線3は、光信号(赤外線信号)発信器であって、誘導線番号と正確な進度とを、当該位置表示線3を横切る自走体に送信するものである。 【0009】自走体10の下面前方の中央に3つの受光素子10a,10b,10cを互いに近接して設けており、中央の受光素子10aが誘導線1の中心に位置し、左右の受光素子10b,10cで誘導線1を左右から挟む位置関係にある。受光素子は反射光を検知するものであり、自走体が誘導線1の中心線からずれると、受光素子10aと、左右の受光素子10bまたは10cのいずれかとの2つが誘導線1を検知するようになるので、自走体の走行制御手段(MPU3)によって、受光素子10aだけで誘導線1が検知されるように、自走体の走行が制御される。自走体の下面に磁気センサ11があって、進度線である磁気ライン2を横切る度に一つのパルス信号が発生する。このパルス信号を上記走行制御手段で加算することで、磁気線2を横切る度に進度(スタート位置からの進度)が一つ加算されて、その時点での進度が検出されることになる。 【0010】さらに、自走体の下面に赤外線受信器12が設けられており、誘導線2を追跡しながら走行して上記位置表示線3(赤外線発信器)を横切るときに、そのときの誘導線と進度を位置表示線3から受信する。そして、自走体の走行制御手段(MPU3)のメモリに記録されている誘導線、進度が位置表示線3から受信した真値に書き換えられる。したがって、走行制御装置のメモリに記録された誘導線、進度が位置表示線3から受信した真値と一致しないときはこれで修正されるから、走行中の誘導線、進度に狂いを生じることがあっても、自走体は中央制御装置の中継制御装置(MPU2)20からの指令に従って走行して、レースはほぼ指令どおりに実行されることが期待される。 【0011】ゲーム機本体の中継制御装置(MPU2)20と自走体の走行制御手段(MPU3)30との間の信号のやり取りは図6に示すとおりである。中継制御装置(MPU2)20からの走行指令(目標誘導線、目標進度、走行速度)がコマンド送信部から自走体の走行制御手段(MPU3)30に送信される。中継制御装置(MPU2)20の送信部は走行指令(コマンド)を送信したことを契機として受信モードに切り替わり、他方、走行制御手段(MPU3)30の受信部は走行指令の受信を契機として送信モードに切り替わる。そして、メモリに記録されている進度が走行指令中の目標進度と一致しないときは、NG信号を中継制御装置(MPU2)20に返信する。自走体の進度が目標進度に到達するまで同じ走行指令が0.2秒間隔(自走体の数が10個の場合)で繰り返し送信され、進度計測値が走行指令中の目標進度に一致すると、走行制御手段(MPU3)30からOK信号が中継制御装置20に返信される。この走行指令は、走行トラックTを走行方向において多数の区分に区画した1区画毎に、模型体の走行に2〜5区画(段階)ほど先行して、レース進行管理部(MPU1)40のレース作成部で作成され、作成された2〜5区画のそれぞれの走行制御データのうちの最先の区画の走行制御データが中継制御装置(MPU2)20のメモリに順次設定されるが、上記区画は時間にして0.6〜1.0秒(通常走行時の走行距離にして90〜150mm)である。 【0012】自走体の走行は、走行制御手段(MPU3)30によって自己完結的に走行制御されるが、基本的には誘導線1を受光素子で検知しながら、中継制御装置(MPU2)20からの走行指令の走行速度で、指令された誘導線1を追跡しなから上記目標進度まで走行する。目標進度に達すると走行制御手段(MPU3)30からOK信号が送信されるから、このOK信号を受信したことを契機として、中継制御装置(MPU2)20のメモリに設定されている走行指令が次の区画の走行指令に更新され、この走行指令が自走体の走行制御手段(MPU3)30に送信されることになる。受信した走行指令の目標誘導線が、自走体の走行制御手段(MPU3)30のメモリに記録されている誘導線とが一致しない場合は、当該誘導線と目標誘導線間の差がゼロになるように、必要な誘導線の乗り換えを行い、一致したところでその誘導線を追跡走行するようになる。誘導線を一つ乗り換えるとき、中央の受光素子10aの出力が変化するので、この変化をカウントすることで自走体が誘導線を乗り換えた数を検知することができる。また、自走体は誘導線1に対して所定の乗り換え方向の角度(図7参照)で乗り換え走行する。 【0013】レース進行管理部(MPU1)40のレース作成部は、模擬レースにおける制御条件(出走馬、出走馬それぞれの特性、着順など)等を基礎データとして、個々の出走馬の脚足などの特性による走行を基本としつつ、追突、干渉を避けるために必要な所定の計算条件に従って演算を繰り返して、馬群の纏まりを保ちつつ整然とした模擬レースをコンピュータ内で進行させる。そして、この模擬レースにおける走行制御データから、ライン誘導型競走ゲーム装置における目標誘導線、目標進度、走行速度等の走行制御データを作成して、これを順次バッファメモリに蓄積する。なお、模擬レースの演算は、自走体走行面の誘導線と進度線とによるxy座標と符合するXY座標(上記レース作成部のCPU内の座標)の下でなされるから、模擬レースが展開されるXY座標上の位置は、自走体走行面の誘導線番号と進度とによる位置との相関関係から、誘導線と進度とによる走行面上の位置に単純に変換される。また、模擬レースのための演算はこの例では、上記走行区画にして4区画(レース進行の観点からすれば4段階)だけ模型体によるレースよりも先行して行われ、模擬レースの制御データがレース進行管理部(MPU1)40のレース作成部のバッファメモリに蓄積され、一区画(レース進行の一段階)分レースが進行する毎に、メモリに蓄積されている制御データが順次更新される。また、中継制御装置(MPU2)20からのOK信号の返信に応答して、上記レース作成部のメモリ内の制御データを順に中継制御装置(MPU2)20に送信して、そのメモリに記録されている指令を更新させる。 【0014】なお、上記レース作成部による模擬レースは、スタート時点において制御条件の一つとして与えられた着順になるようにする。レース進行管理部(MPU1)40のレース作成部は各模型体に与えられた馬脚などの特性(模型体の馬脚、年齢、性別などによる特性)によって模擬レースを行うことを基本とし、中継制御装置(MPU2)20が管理するレース進行タイマー50が、模擬レースの制御タイマーを兼ねている。何等かの障害によって、特定の自走体が目標進度に著しく遅れて到達した場合は、その遅れに合わせるように、レース進行タイマー50の計時速度が遅らされ、これによってレース作成部で実行される模擬レースの進行速度が遅らされる。他方、中継制御装置(MPU2)20が目標進度への到達が遅れていない他の自走体に対する走行速度を、レース進行タイマー50の計時速度の遅延に応じた割合で減速処理して、当該自走体の走行速度を遅延させ、これによって模型体のレース進行を遅らせる。 【0015】上記のように中継制御装置(MPU2)20が管理するレース進行タイマー50が上記レース作成部による模擬レースの制御タイマーを兼ねており、かつ、上記中継制御装置(MPU2)が模型体のレースを遅延させることによって、模擬レースの進行速度と自走体によるレースの進行速度を同期させるようにしている。自走体のレースの進行状況に合わせてレース進行管理部(MPU1)40のレース作成部による模擬レースが進行される。 【0016】 【先行技術の問題点】ライン誘導型の競走ゲーム装置では、相互干渉、スリップなどの外乱があっても、誘導線に沿って走行している限り、走行基準が誘導線によって拘束されているので、フィードバック制御によってその走行は安定的に制御されることが期待されるが、しかし、自走体の誘導線に対するずれが検知されない程度のずれの範囲では、フィードバックがかからないので、このずれ量範囲で左右に振れながら誘導線を追跡することになる。このため、必ずしも直進性が高くない。そして、この傾向はコーナー走行時において一層顕著である。また、乗り換え走行では、目標誘導線に到達するまでその走行の基準となるものがなく、無拘束状態で走行することになるので、相互干渉、スリップ等の外乱によって自走体の走行の方向性が失われ、走行遅延などの走行乱れを生じ、目標誘導線への到達が遅延し、あるいは円滑な乗り換え走行がなされず、レースが乱れてしまうことが少なくない。 【0017】 【解決しようとする課題】そこで、この発明は、誘導線の乗り換え走行においても自走体の走行に方向性を与えることによって、自走体の走行を常に拘束することにより、外乱を受けても乗り換え走行を安定させ、目標誘導線への到達遅延を可及的に低減できるように、ライン誘導型競走ゲーム装置における自走体の行制御システムを工夫することをその課題とするものである。 【0018】 【課題解決のために講じた手段】 【解決手段1】(請求項2に対応)上記課題解決のための手段1は、上段走行面を模型体が走行し、下段走行面を走行する自走体によって磁力を介して上記模型体を牽引するものであって、自走体下面の3つの受光素子によって誘導線を検知しながら光学的に追跡走行し、目標進度、目標誘導線を走行指令として与えられ、これらの指令に基づき、自走体の走行制御手段(MPU3)によってライン追跡走行及び誘導線の乗り換え走行を制御するライン誘導型競走ゲーム装置の走行制御システムにおける誘導線の乗り換え走行制御を次のようにしたことである。 (イ)誘導線追跡用の3つの受光素子10a,10b,10cのうちの左右の受光素子10b,10cの検出幅の中心を誘導線の左右の縁線eとそれぞれ一致させたこと、(ロ)中央の受光素子の検出幅を誘導線1の幅と等しくしたこと、(ハ)3つの受光素子の受光量の変化量に基づいて、自走体の誘導線の中心線sからのずれ量を演算して検出すること、(ニ)誘導線1,1の中心線s,s間の多数の仮想誘導線を、自走体の走行制御手段(MPU3)において規定し、乗り換え方向に向かって走行する乗り換え走行中は上記走行制御手段によって目標仮想誘導線を順次指定して、目標仮想誘導線の乗り継ぎを順次繰り返しながら乗り換え走行させるようにしたこと、(ホ)上記3つの受光素子のうちの左右のものの受光量の差の変化に基づいて、自走体の誘導線1の中心線sからの上記ずれの方向を判別すること。 【0019】 【作用】図8、図9を参照して作用を説明する。自走体裏面の中央の受光素子10aの検出範囲の中心が誘導線1の中心線sに一致している状態から、例えば進行方向右方(図9におけるx方向)に移動すると、受光素子10aによる誘導線1の検知幅が減少し、その分だけ受光素子10aの受光量が変化する。他方、右方の受光素子10cによる誘導線1の検知幅が減少し、その分だけ右方の受光素子10cの受光量が変化し、他方、左方の受光素子10bによる誘導線1の検知幅が増大し、その分だけ左方の受光素子10bの受光量が変化する。上記の右方向への移動量(誘導線1の中心sからのずれ量)が誘導線1の1ピッチに達したとき、3つの受光素子の受光量は元に戻る。この間の受光量を電気量(電圧)に変換することによって、上記ずれ量を電気量の変化量として検出することができる。左右の受光素子による受光量の上記変化は互いに反対方向であるから、この変化量の差の変化によって、自走体の誘導線の中心線sからのずれの方向が検知される。 【0020】他方、誘導線1,1の中心線間の仮想誘導線を自走体の走行制御手段において規定し、この規定値と受光素子の受光量に比例する電気量とを比較することで、上記走行制御手段は、自走体の誘導線の中心線sからのずれ量を認識することができる。走行制御手段(MPU3)は、走行制御データを受信したときその目標誘導線番号と目標進度とから、乗り換えが必要な場合は、目標位置(目標誘導線と目標進度とによる目標位置)に向かって乗り換え走行を開始する。この乗り換え走行方向は図9における矢印方向であるが、この間の乗り換え走行は次のようにして制御される。 【0021】例えば、誘導線間の仮想誘導線をp1,p2,p3,・・・pnとするとき、走行制御手段(MPU3)に制御されて、自走体は誘導線1の中心から仮想誘導線p1の方向へ向かって斜め(例えば、図9における矢印方向)に走行することになる。3つの受光素子の受光量の変化から自走体のx方向位置(仮想誘導線p1,p2,・・・pn)を検知しながら、走行制御手段は目標仮想誘導線の指定を順次変更し、指定された目標仮想誘導線を指向してさらに矢印右方へ自走体を走行させる。このように3つの受光素子の受光量の変化から仮想誘導線によってそのx方向位置を検知し、目標仮想誘導線を順次指定して、これを乗り継ぎながら目標誘導線まで走行させる。目標仮想誘導線を指定されたときは、これが走行基準となって自走体の走行が制御される。すなわち、自走体は順次指定される目標仮想誘導線を順次乗り継ぎながら、目標誘導線に向かって走行する。そして、目標仮想誘導線に乗り継いだ後は、次の目標仮想誘導線が指定されるまではその仮想誘導線を基準にしてフィードバック制御されて走行することになる。したがって、自走体は所定の誘導線への乗り換えを完了するまでは、常に、走行制御手段(MPU3)が指定する目標仮想誘導線を順次指向し、また目標仮想誘導線を追跡し、常に目標仮想誘導線に拘束されながら走行することになる。また、乗り換え走行中に相互干渉、スリップ等の外乱を受けて自走体の向きが変えられ、走行位置がずれても、上記のようにして走行制御手段(MPU3)は自走体の仮想位置(仮想誘導線p1,p2,p3,・・・pnのうちのどの線上にあるかの現在位置)を認識しており、指定された目標仮想誘導線を基準として走行制御されるから、外乱に対する抵抗力が強く、仮に外乱によって走行が乱れても、フィードバック制御されて目標仮想誘導線へ速やかに移動する。したがって、乗り換え走行中に外乱を受けても、自走体は、方向性を失うことなしに、常に目標仮想誘導線を指向し、また当該目標仮想誘導線に拘束されて走行するので、目標誘導線への乗り換えが円滑かつ安定的になされる。 【0022】要するに、この解決手段1の要点は、自走体が誘導線1から走行方向に対して横方向にずれるとき、その横方向へのずれ量を3つの受光素子の受光量の変化量から検出して、これによって自走体の誘導線間における位置を常に認識し、これと、走行制御手段によって指定された目標仮想誘導線の位置との関係に基づいて、自走体の走行位置を当該目標仮想誘導線の位置へ移動させ、この仮想誘導線の指定を目標誘導線の方へ向けて順次変更することによって自走体を目標誘導線に指向させることであり、かつ、少なくとも目標誘導線に乗り継ぐまでの間、自走体の走行を指定された仮想誘導線を基準にしてフィードバック制御(自走体の走行制御手段による自己完結的なフィードバック制御)することである。なお、自走体が下段走行面を走行し、上段走行面の模型体を磁力を介して牽引する、いわゆる二階建てのライン誘導型競走ゲーム装置における自走体の走行制御システムに限らず、上記作用効果は、自走体それ自体が模型体であるライン誘導型競走ゲーム装置の自走体の走行制御システムにおいても当てはまるから、上記解決手段1は、ライン誘導型競走ゲーム装置一般の自走体の走行制御システムに適用されるものである。 【0023】 【解決手段2】(請求項3に対応)解決手段2は、解決手段1における仮想誘導線の指定方法、走行速度の選定方法に特徴を有するものであって、その特徴事項は次の(ヘ)(ト)である。 (ヘ)自走体の走行制御手段(MPU3)への走行指令に目標進度、目標誘導線とともに目標進度への目標到達時間を含め、誘導線、進度、目標進度、目標誘導線、上記目標到達時間に基づいて、走行制御手段(MPU3)が所要の走行速度を演算して決定すること、(ト)上記走行制御手段による目標仮想誘導線の指定を所定時間間隔で行い、乗り換え走行速度と乗り換え方向とに基づいて上記目標仮想誘導線を演算して求めて指定すること。 【0024】 【作用】次いで、図13を参照して解決手段2の作用を説明する。誘導線と進度による現在位置(y0,x0)、目標進度y6と目標誘導線x1による目標位置、及び目標到達時間tから、自走体の走行制御手段(MPU3)によって、上記目標進度までの走行速度が演算され、決定される。図13を参照して具体的にいえば、乗り換え開始点(y0,x0)と目標誘導線への乗り継ぎ点(y6,x1)とを結ぶ線、いわば乗り換え線L1の角度、すなわち乗り換え方向の角度Θを求め、この乗り換え角度Θに基づいて、乗り換え走行距離(乗り換え線L1の長さ)を幾何学的演算によって求め、目標到達時間tと乗り換え走行距離とに基づいて乗り換え走行速度V(L1/t)を演算して決定する。そして、目標仮想誘導線が所定時間間隔△tを基にして次のように指定される。すなわち、上記乗り換え走行速度Vと上記乗り換え角度Θに基づいてx方向速度成分Vx(図9参照)を求め、当該速度成分Vxから、上記所定時間△tでx方向に移動すべき距離△x(Vx×△t)が演算され、当該距離△xと現在位置とに基づいて、x方向へ移動すべき距離に相当する仮想誘導線ps(図13)が目標仮想誘導線として指定される。したがって、乗り換え速度Vで走行するとき、上記のように目標仮想誘導線psが指定されて、上記所定時間△tで指定された目標仮想誘導線psへ移動し、結局、自走体は上記の乗り換え方向(上記乗り換え角度の方向)に上記速度Vで走行することになる。そして、指令された目標到達時間中は、上記のようにして所定時間間隔△tで目標仮想誘導線が順次指定されて、上記の制御が繰り返されるから、常に、指定された目標仮想誘導線を目標にして走行することになる。したがって、この間は外乱に対する抵抗力が強くて外乱の影響を受けにくく、仮に外乱によって走行が乱れても、指定された目標仮想誘導線を指向しながら走行するからその走行の乱れは速やかに解消される。 【0025】 【実施態様1】(請求項4に対応)実施態様1は、解決手段1における左右の受光素子10b,10cによる検出幅の中心を、中央の受光素子が検知している誘導線1の左右の縁線eに一致させたことである。 【0026】 【実施態様2】実施態様2は、解決手段1における左右の受光素子10b,10cによる検出幅の中心を、中央の受光素子が検知する誘導線に隣接する他の誘導線の左右の縁線eにそれぞれ一致させたことである。 【0027】 【実施態様3】実施態様3は、解決手段1について、左方又は右方の受光素子10b,10cの検出幅の中心を誘導線1の中心sと一致させ、中央の受光素子10aと右方の受光素子10c、または中央の受光素子10aと左方の受光素子10bの検出幅の中心を、左方又は右方の受光素子10b,10cが検知する誘導線1に隣接する誘導線の左右の縁線eとそれぞれ一致させたことである。 【0028】 【実施態様4】(請求項5に対応)実施態様4は、誘導線1の間の非誘導線1bの幅を誘導線の幅と等しくし、かつ、左右の受光素子10b,10cによる検出幅を中央の受光素子10aの検出幅と等しくしたことである。 【作用】自走体の誘導線中心sからのずれ量に対する3つの受光素子の受光量が、誘導線1の1ピッチの間で連続的に変化するので、上記ずれの全域において、上記ずれ量変化を電気量の変化として連続的に高精度に検出することができる。 【0029】 【実施態様5】実施態様5は、解決手段1における誘導線1を黒色線、誘導線1の間の非誘導線1bを白色線としたことである。 【0030】 【作用】自走体の誘導線1の中心からのずれ量の変化に対する3つの受光素子の受光量の変化が顕著になるので、自走体のずれ量の高い検出精度を確保しながら上記仮想誘導線(p1,p2,・・・p3)の間隔を微細にすることができ、したがって、仮想誘導線を順次乗り継ぎながら滑らかな経路に沿って乗り換え走行させることができる。 【0031】 【実施態様6】(請求項6に対応)実施態様6は、上記解決手段2において、乗り換え走行中に目標仮想誘導線を指定する度毎に、残りの乗り換え走行距離と残りの目標到達時間とに基づいて、走行速度を繰り返し演算し、決定することである。 【0032】 【作用】解決手段1の作用によって光学的に検出される仮想誘導線と、検出した進度とによって、走行制御手段が自走体の現在位置を常に認識しているから、この現在位置と目標誘導線への乗り継ぎ点との間の距離、すなわち、残りの乗り換え走行距離を容易に算定することができ、また、目標到達時間tから乗り換え走行を開始して後の経過時間を減算することによって、残りの目標到達時間を容易に算定することができる。そして、仮想誘導線を指定する所定時間間隔△t毎に、上記残りの乗り換え走行距離と残りの目標到達時間とによって走行速度を繰り返し演算し決定することによって、乗り換え走行中の外乱による走行遅延があっても、この走行遅延分を上記速度演算の繰り返しによって補償しつつ、目標到達時間で確実に目標誘導線に到達する。したがって、自走体は、レース進行管理部(MPU1)のレース作成部で実行される模擬レースにほぼ正確に倣って進路を変更することができる。 【0033】 【実施の形態】 【実施例1】次いで、この発明の実施例1について説明する。実施例1は、中継制御装置(MPU2)から目標進度、目標誘導線とともに走行速度が指令されるものについて、本発明を適用した例である。この実施例の誘導線1は幅6mmの黒色線であり、この誘導線1,1間の非誘導線1bは幅6mmの白色線である。3つの受光素子10a,10b,10cの検知幅は、誘導線1の幅と等しく、中央の受光素子10aは自走体10の裏面の幅方向中心線上にあり、左右の受光素子10b,10cの検知範囲の中心は、受光素子10aが検知する誘導線1の左右の縁線e,eにそれぞれ一致している。したがって、中央の受光素子10aは誘導線の全幅をカバーし、左右の受光素子は、誘導線1の半分と隣接する非誘導線1bの幅の半分とをカバーしている。誘導線1の中心線s,s間の仮想誘導線p(図9)は、自走体に搭載した走行制御手段(MPU3)によるコンピュータ上の仮想線であって、走行面に設けられた現実の誘導線ではない。誘導線1の中心線s,s間の仮想誘導線pの数は、この例では10本である。そして、走行トラックの最内側誘導線から、最も外側の誘導線まで、通して番号が付されているので、通しの仮想誘導線番号の10番目毎のものが誘導線1と一致することになる。だだし、これは実施例の説明を単純化するためのものであり、実際のゲーム装置における仮想線の密度はこれよりも相当に高い。 【0034】受光素子10aが誘導線1を追跡しているときの受光量は小さいので、その出力を反転させて電気量に変換している。受光素子10a,10b,10cの照射光の強さは等しいので、受光素子10aが誘導線1を追跡しているとき、中央の受光素子10aの受光量は、左右受光素子10b,10cの受光量のほぼ1/2倍であり、これを反転させて電気量に変換するので検知電気量v1は左右受光素子10b,10cの検知電気量v2,v3の2倍となる。これを模式的に示せば図10のようである。乗り換え走行のために自走体の誘導線1からx方向へのずれ量が増大すると、これに伴って上記検知電気量vの変化は図10に示すとおりに変化する。ただし、図10におけるxは誘導線1の中心線sからのずれ量の大きさを表す。受光素子10a,10b,10cの検知電気量v1,v2,v3をA/D変換し、これを入力データとして演算手段61で演算し、その演算結果を仮想誘導線テーブルと照合してその時々のずれ量を判定する。なお、上記演算値に対応するずれ量に相当する仮想誘導線pの番号が比較判断手段62の仮想誘導線テーブル(図11参照)に格納されている。 【0035】上記の比較判断は比較判断手段62によってなされ、x方向の位置(現在位置)がpnであると判定されると、その後、指令された走行速度、乗り換え角度Θによって定まる次の目標仮想誘導線pn+α(α:1以上の整数)を仮想誘導線指定手段63が指定し、目標誘導線に到達するまでこれを順次繰り返す。なお、目標仮想誘導線pnに到達して後、次の仮想誘導線pn+αが指定されるまでの走行は目標仮想誘導線pnに拘束されることになる。このようにして、走行制御手段M(MPU3)は、目標誘導線に到達するまで、指定される仮想誘導線を順次乗り継ぎながら所定の乗り換え角度(図7参照)の方向に自走体10を走行させる。つまり、追跡走行している誘導線と目標誘導線とが異なるとき、走行制御手段(MPU3)は、その時点の進度と誘導線と、指令された目標進度と目標誘導線とから、乗り換え走行角度Θを算定し、左右の駆動輪の回転速度を制御して、上記乗り換え走行方向に所定の速度で自走体を走行させる。そして、横切った誘導線の数をカウントし、目標誘導線に達したとき当該誘導線に乗り入れさせる。以上が、誘導線の乗り換え走行制御の基本であるが、乗り換えのために自走体の中心が誘導線の中心線s(図9参照)から外れて後は、上記のとおり、誘導線間の仮想誘導線pを順次認識(検知)しながら、指定される目標仮想誘導線を常に指向し、これを順次乗り継ぎながら目標誘導線まで走行することになる。なお、乗り換え走行距離を考慮した乗り継ぎ走行速度が指令される場合は問題ないが、目標進度までの直進走行速度で与えられる場合は、上記乗り換え方向の角度によって幾何学的に乗り換え走行距離を求め、当該乗り換え走行距離と目標進度までの直進距離との比で、所要の乗り換え走行速度を走行制御手段(MPU3)で演算して求める等の適宜の方法で所要の乗り換え走行速度を演算することになる。 【0036】乗り換え走行中も微小時間間隔で順次指定される仮想誘導線に拘束されて走行するから、外乱に対する抵抗力が強く、したがって、スリップ等の比較的弱い外乱によって走行方向が大きく狂うことはない。仮に、外乱によって自走体の走行が乱れても、この間の3つの受光素子の検出電気量の変化から、自走体の位置を仮想誘導線によって常に認識しているので、認識した仮想誘導線と目標仮想誘導線とのずれ量及び当該ずれの方向を判別し、これに基づいて、目標仮想誘導線へ指向させるように左右の駆動輪の回転速度が制御される。なお、誘導線に変更があるとき(追跡中の誘導線と目標誘導線とが異なるとき)乗り換え走行となり、誘導線に変更がなければ引き続き同じ誘導線を追跡して直進走行が行われる。この実施例1では直進走行中も走行速度が指令されるので、その指令速度で目標進度まで走行することになる。 【0037】 【実施例2】次いで、実施例2について説明する。実施例2は、目標進度、目標誘導線とともに目標到達時間(目標進度への到達時間)tが走行制御手段へ指令され、仮想目標誘導線の指定が所定時間間隔△tで繰り返されるものに本発明を適用した例である。レース進行管理部(MPU1)40のレース作成部で実行される模擬レースの結果から、特定の自走体10に対する走行制御データとして、目標進度及び目標誘導線(y0,x0)、(y3,x0)、(y6,x1)、(y9,x1)が作成され、これが自走体10からのOK信号に応答して、中継制御装置(MPU2)から自走体10の走行制御手段(MPU3)に指令される。 【0038】この実施例2の場合も簡略のために、誘導線1,1間を10分割するように10本の仮想誘導線p1,p2・・・・P10が走行制御手段(MPU3)に規定されている。すなわち、仮想誘導線p1,p2・・p10の間隔は、誘導線1,1間に置換すれば12mm/10、つまり1.2mmである。なお、この例では乗り換え開始点をy3,x0としている(図12参照)。誘導線x0に沿って走行して進度y3に達したとき、進度y3、誘導線x0の交点(y3,x0)から、進度y6、誘導線x1の交点(y6,x1)に向けて乗り換え走行を開始する。このときの乗り換え走行方向は、進度3ピッチ(30mm)/1誘導線ピッチ(12mm)であり、また、乗り換え走行線L1の長さ、すなわち、乗り換え走行距離は、進度y6−y3の距離と、誘導線x0、x1間の距離とから幾何学的に算定され、さらに、乗り換え走行線L1の誘導線x0に対する角度(90度−Θ)も幾何学的に算定される。そして、走行指令中の目標到達時間が0.3秒であるとすれば、上記乗り換え方向線L1の長さ(約32mm)を上記目標到達時間で走行しなければならないので、乗り換え走行初期の走行速度Vは、106mm/秒(L1/目標到達時間が0.3秒)となる。そして、この速度で乗り換え走行線L1方向に走行するときの速度Vのx方向速度成分Vxは40mm/秒である(なお、このVxは上記傾斜角度Θから幾何学的に単純に算定される)。そして、この例では、目標仮想誘導線が指定される所定時間間隔△tが0.03秒であるから、上記乗り換え走行方向線L1の方向に走行するには、所要走行速度(図13における速度V)で上記所定時間間隔△t(0.03秒)間にx方向へ1.2mm移動する必要がある。このことから、指定されるべき目標仮想誘導線は1.2mm/1.2mm、つまり、誘導線x0から1本目の仮想誘導線psとなる。したがって、第1回目の指定では目標仮想誘導線psが指定される。 【0039】所定時間間隔△t後の第2回目の指定では、その時点での自走体のx,y位置(進度yと仮想誘導線pによって特定される位置)と誘導線x1への乗り継ぎ位置(y6,x1)とに基づいて上記の演算を繰り返し、次のVxを求めてその分の指定間隔αを上記仮想誘導線psに加算して、目標仮想誘導線ps+αが指定される。外乱によって自走体の走行遅延があれば、残りの乗り換え走行距離が走行遅延がない場合の残り距離よりも長くなるから、第2回目の目標仮想誘導線指定時の所要走行速度Vはより速くなる。そして、乗り換え走行速度が速くなる分だけ上記Vxが大きくなるからその目標仮想誘導線の指定間隔αは広くなる。このようにして指定すべき仮想目標誘導線及び走行速度の演算を繰り返しながら、自走体は走行遅延分を補償して、一時的に走行遅延があってもそれに関わらず、予定の乗り換え方向(角度Θの方向)に、目標到達時間で誘導線x1まで走行して、これに乗り継ぐことになる。以上のようにして、目標誘導線に到達するまで0.03秒間隔で目標仮想誘導線が繰り返し指定されるから、乗り換え走行中は常時、上記指定された目標仮想誘導線、すなわち走行制御手段(MPU3)内に設定された基準線に拘束されて走行することになる。したがって、スリップ、相互接触などの外乱に対して強く、仮に走行乱れがあっても、目標仮想誘導線に速やかに復帰して走行するから、ほぼ予定どおりの走行経路を辿って、目標到達時間tで目標位置(目標誘導線と目標進度とによる位置)に到達することができる。 【0040】なお、この実施例2では誘導線を追跡して直進走行する場合(誘導線に変更がない場合)も目標到達時間tが指令される(走行速度は指令されない)から、現在位置から目標進度までの直進距離と目標到達時間とに基づいて、走行制御手段(MPU3)が走行速度を演算して決定し、また、所定時間間隔△t(0.03秒)毎に上記走行速度の演算が繰り返され、決定されるから、直進走行中においてもスリップ等の外乱による走行遅延があっても、それに関わらず、上記の乗り換え走行の場合と同様に、目標到達時間で目標進度に到達する。 【0041】 【発明の効果】上記の先行技術による場合は、自走体の相互干渉、スリップなどの外乱が無い場合は、目標進度と目標誘導線を順次指令するだけで、自走体に搭載した走行制御手段によって所定時間内に目標進度まで走行し、かつ目標誘導線への乗り換えを完了させることが可能であるが、乗り換え途中において外乱を受けてその走行が乱れると、この走行乱れによって目標進度への到達、目標誘導線への乗り継ぎが遅延することになる。これに対して、走行制御手段(MPU3)において多数の仮想誘導線を誘導線間に想定し、3つの受光素子の出力の変化に基づいて自走体の位置(乗り換え走行開始後の誘導線からの自走体の横方向へのずれ量)を常に認識し、この現在位置と指定された目標仮想誘導線との関係から、目標仮想誘導線を指向するように走行制御手段(MPU3)で制御することによって、外乱に対して自走体の走行を安定させることができ、外乱を受けた場合でも、指定された目標仮想誘導線に速やかに復帰させることができる。したがって、乗り換え走行中に外乱を受けても、それによる走行乱れは抑制され、仮に走行乱れが生じても常に目標誘導線の方向に指向するので、目標誘導線への乗り換え、すなわち進路変更は安定的になされる。 【0042】また、走行指令に目標進度、目標誘導線とともに目標進度への到達時間、すなわち目標到達時間を含め、当該目標到達時間等に基づいて自走体の走行制御手段が、所要の走行速度を演算して決定し、またこれを乗り換え走行中に繰り返し演算することによって、目標到達時間を基準として乗り換え走行を制御することができ、レース進行管理部(MPU1)のレース作成部で実行される模擬レースにおける模型体の進路変更にほぼ倣って自走体の進路変更がなされる。それゆえ、外乱による自走体の乗り換え走行乱れによりレース進行が大きく乱れることは回避される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000105637 【氏名又は名称】コナミ株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区丸の内2丁目4番1号
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| 【出願日】 |
平成13年11月30日(2001.11.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100110386 【弁理士】 【氏名又は名称】園田 敏雄
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| 【公開番号】 |
特開2003−164661(P2003−164661A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月10日(2003.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2001−367670(P2001−367670) |
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