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【発明の名称】 弾球遊技機の球抜き装置
【発明者】 【氏名】河村 耕三
【住所又は居所】東京都豊島区東池袋2丁目23番2号 サミー株式会社内

【要約】 【課題】簡明かつローコストな構成でタンク部材等に貯留する遊技球を遊技機の外部に排出させる球抜き装置を得る。

【解決手段】遊技盤がセット保持される前枠2に対して、窓口31が形成された裏セット盤が開閉可能に支持される。窓口31の上部にはタンク部材が設けられ、窓口31の裏面側左方には賞球払出装置が取り付けられる。タンク部材と賞球払出装置との間を繋ぐ球通路には、この通路を通る遊技球を賞球払出装置に向かう通路と球抜き路77とのいずれかに切り替えて流下させる流路切り替え機構が設けられている。球抜き路77は裏セット盤の前面側に形成されて遊技盤から排出される遊技済み球を集合させる集合通路71に繋がっており、球抜き操作によって球抜き路77を流下する遊技球は集合通路71を通ってパチンコ機の外部に排出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 枠部材と、前記枠部材に取り付けられた遊技盤と、前記枠部材の裏面側に開閉自在に取り付けられるとともに前記遊技盤の裏面側を覆う閉止位置に保持されて用いられる裏セット盤と、前記裏セット盤の上部に取り付けられて遊技球を貯留するタンク部材と、前記タンク部材の下方に位置して配設され、前記遊技盤における所定の入賞状態に基づいて前記タンク部材に貯留された遊技球を払い出す賞球払出装置と、前記タンク部材と前記賞球払出装置との間を繋ぐ球通路に配設されて、この球通路を通る遊技球の流れを前記賞球払出装置に向かう通常の球通路と、球抜き通路とに選択的に切り替える流路切り替え手段とを備え、前記球抜き通路が、前記裏セット盤に形成され前記遊技盤から排出される遊技済み球を集合させて前記裏セット盤の外部に導く遊技済み球集合通路に接続されていることを特徴とする弾球遊技機の球抜き装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機に代表される弾球遊技機に関し、さらに詳しくは、遊技盤の裏側に常には閉鎖状態に保持される裏セット盤に設けられ、遊技球を貯留するタンク部材に貯留された遊技球やタンク部材と賞球払出装置との間の球通路に残留する遊技球を強制的に排出させる球抜き装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パチンコ機に代表される弾球遊技機は、遊技盤を着脱自在に装着し打球発射装置等が取り付けられた開閉搭載枠たる前枠に、賞球払出装置や各種制御基板が装備された裏セット盤が横開き開閉自在に取り付けられて構成される。裏セット盤の上部には遊技施設側から供給される遊技球(「予備賞球」という)を貯留するタンク部材が取り付けられ、タンク部材の下部にはタンク部材から供給される予備賞球を傾斜下方に向けて整列させ流下させる整列樋部材が取り付けられている。整列樋部材の傾斜端部すなわち予備賞球通路の終端部は略直角に折り曲げられて下方に開く偏向出口が形成され、この偏向出口の下部に予備賞球の欠乏を検出する球切れ検出スイッチ、および所定数の予備賞球を待機させる賞球待機通路を介して賞球払出装置が取り付けられている。賞球払出装置下部の裏セット盤には払い出された遊技球(「賞球」という)を前枠前方の上球皿または下球皿に導く賞球経路が形成されており、遊技盤における所定の入賞条件に基づいて賞球払出装置から払い出される賞球が上球皿、または上球皿が充満しているときには下球皿に払い出されるように構成される。
【0003】このようなパチンコ機において、遊技に使用する遊技球の清掃作業や裏セット盤各部の遊技球の通路(球通路)の清掃作業、球切れ検出スイッチや賞球装置の保守点検作業および交換作業、パチンコ機の交換作業等を行うときには、パチンコ機に残留する予備賞球を排出させる球抜き作業が必要になる。このため、パチンコ機には機内に残留する予備賞球を遊技施設側の回収バケットに強制的に排出させる球抜き装置が設けられている。
【0004】球抜き装置は、一般に予備賞球通路の終端である偏向出口領域に設けられており、予備賞球の流れ方向を樋に沿った方向から下方に偏向させる予備賞球通路の外周壁面を揺動開閉可能に構成するとともに、この壁面の背後の裏セット盤に賞球待機通路と並んで下方に延びパチンコ機の下部中央まで導く専用の球抜き通路を設け、流れ出た予備賞球を球抜き通路を通して遊技施設側の回収バケットに排出させるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、裏セット盤に形成される遊技球の球通路は、上記予備賞球通路や賞球待機通路、球抜き通路のみならず、いわゆるアウト球やセーフ球等の遊技済み球を排出させる遊技済み球排出通路や、賞球払出装置から払い出された賞球を上球皿に払い出す上球皿払出通路、上球皿が充満しているときに賞球払出装置から払い出された賞球を下球皿に払い出す下球皿払出通路なども形成する必要があり、裏セット盤の構成が立体化・複雑化するという問題があった。
【0006】また、裏セット盤には遊技機の作動制御等のために複数の回路基板が取り付けられるが、上記立体的な通路配置により裏セット盤の裏面が凹凸化して平坦な取付スペースが少なく、回路基板を取り付けるためにボスを設けて回路基板を浮かせたり、複数の基板を重ねて配置する必要が生じるなど、構造の複雑化に加えて組み立て工数の増加やメンテナンス性が低下するなどの問題も生じていた。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みて成されたものであり、遊技機の通路構成を簡明化して遊技機全体の生産コストを低減させるとともに、裏セット盤の裏面を平坦化して基板取付スペースを確保し、組み立て性やメンテナンス性に優れた弾球遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本発明に係る弾球遊技機の球抜き装置は、枠部材と、この枠部材に取り付けられた遊技盤と、枠部材の裏面側に開閉自在に取り付けられて常には遊技盤の裏面側を覆う閉止位置に保持されて用いられる裏セット盤と、裏セット盤の上部に取り付けられて遊技球を貯留するタンク部材と、タンク部材の下方に位置して配設され遊技盤における所定の入賞状態に基づいてタンク部材に貯留された遊技球を払い出す賞球払出装置と、タンク部材と賞球払出装置との間を繋ぐ球通路に配設されてこの球通路を通る遊技球の流れを賞球払出装置に向かう通常の球通路と球抜き通路とに選択的に切り替える流路切り替え手段とを備え、この球抜き通路が、裏セット盤に形成されて遊技盤から排出される遊技済み球を集合させて裏セット盤の外部に導く遊技済み球集合通路に接続されて球抜き装置が構成される。
【0009】上記構成の球抜き装置では、タンク部材と賞球払出装置との間を繋ぐ球通路に、この球通路を通る遊技球の流れを賞球払出装置に向かう通常の球通路と球抜き通路とに選択的に切り替える流路切り替え手段が設けられ、球抜き通路が遊技盤から排出される遊技済み球(アウト球およびセーフ球)を集合させて裏セット盤の外部に導く遊技済み球集合通路に接続されている。このような構成によれば、流路切り替え手段により流路が切り替えられ、球抜き通路に流れ出た予備賞球はアウト球やセーフ球を集合させる遊技済み球集合通路を介して遊技施設側の回収バケットに排出される。このため、球抜き通路は独立した専用の球通路としてパチンコ機の下部中央まで導く必要がなくなり、裏セット盤の構成を簡明化することができる。
【0010】また、上記のように裏セット盤の球通路を簡明化することにより、球通路の立体交差状態を解消して裏セット盤の裏面を平坦に形成することができ、裏セット盤の裏面に平坦な基板取付スペースを確保することが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。実施例では本発明に係る弾球遊技機の代表例としてパチンコ機を採り上げ、このパチンコ機の裏セット盤に本発明を適用した場合を主として説明する。まず、本発明が適用されるパチンコ機PMについてその概要構成を図1から図5を参照して要約説明する。ここで、図1はパチンコ機PMを正面から見た正面図、図2はパチンコ機PMを裏面から見た背面図(遊技盤の裏面構成を記載省略している)、図3は裏セット盤BSPから各種回路基盤やカバー類を取り外した状態で示す背面図、図4はさらに裏セット盤を取り外した状態で遊技盤20の裏面構成を示す背面図、図5はパチンコ機PMから遊技盤20を取り外した状態で裏セット盤の表面側を示す斜視図である。
【0012】パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠を成す外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ部材3a,3bにより横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して外枠1と係合された閉鎖状態で遊技に供される。
【0013】前枠2の正面側には、前枠2の前側面域に合わせた方形状のガラス扉5および上球皿6がともに横開き開閉及び着脱が可能に組付けられており、施錠装置4および図示しないロック機構を利用して前枠2の前面を覆う閉止状態で保持される。上球皿6には払い出された遊技球を貯留して整列させる球皿部6aが設けられるとともに、球皿部に貯留する遊技球を下球皿7に排出させる球抜きレバー6bが設けられている。前枠2の下部には球皿部7aおよび球出口7eを有する下球皿7が設けられ、この下球皿7と並んで遊技球の発射操作を行う操作ハンドル8が取り付けられている。
【0014】前枠2の裏側には、この前枠2と一体に方形枠状の収容枠2aが成形されており、この収容枠2aに所定のゲージ設定で構成された遊技盤20が複数の係合レバー17,17…により着脱交換可能にセット保持される。収容枠2aは遊技盤20をセット保持したときに、遊技盤20の前面が閉鎖状態にあるガラス扉5のガラス板と所定間隔をおいて対向するように構成されており、遊技盤面とガラス板内面との間に遊技球が落下移動する遊技領域空間が形成される。
【0015】また、前枠2の裏側下部には打球発射装置9が取り付けられ、前枠2における収容枠2aの下部に前枠2と一体に遊技補助盤10が形成されている。なお、遊技補助盤10の表側には打球発射装置9のハンマーと位置整合して遊技球を遊技盤の外レールに向けて発射する発射レールや、効果音を発生するスピーカ等が取り付けられている。遊技補助盤10は上球皿6の裏側に位置し、常には閉鎖状態に保持される上球皿6によりその表面側が覆われている。
【0016】収容枠2aの裏側に球貯留供給機構40や賞球払出機構50等を有する裏セット盤BSPが上下のヒンジ18,18で横開き開閉及び着脱が可能に装備され、常には閉鎖レバー19,19…を用いて遊技盤20の裏面を覆うように閉鎖保持される。裏セット盤BSPの各部には、このパチンコ機の作動を統括的に制御する主制御基板91や、賞球の払出制御を行う賞球制御基板92、効果照明や効果音の作動制御を行うランプ・音声制御基板93、各制御基板や電子部品に所定の電力を供給する電源基板94、複数のコネクタが取り付けられて制御信号や電力の中継を行う中継基板95、遊技機の作動状態を遊技施設側に出力するためのターミナル基板96等の各種基板や賞球カセット53などの電子部品が取り付けられ、各機器が図示しないワイヤーハーネスで接続される。パチンコ機PMは、全体が所要の後傾角度(例えば、1度以内の後傾角)で遊技施設の遊技島に縦向きに保持される。
【0017】パチンコ機PMは、上球皿6およびガラス扉5が閉止施錠された状態(図1に示す状態)で遊技に供され、球皿部6aに遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8の操作レバーが回動操作されると、球皿部6aに貯留する遊技球が図示省略する球送り装置によって1球ずつ発射レール上に送り出され、打球発射装置9のハンマーに打ち出されて遊技盤20の外レール22aに沿って遊技領域PAに導かれ、以降パチンコゲームが展開される。
【0018】このように概要構成されるパチンコ機PMについて、以降では各部の構成をもう少し詳しく説明する。遊技盤20は所定板厚の積層合板の表面にセルが貼り付けられた化粧板21の前面側に、ステンレス鋼板等を利用した帯状の外レール22aおよび内レール22b(これらを合わせて案内レール22と称する)が固設され、この案内レール22に囲まれた内側に遊技領域PAが区画される。遊技領域PA内には多数本の遊技釘とともに、複数の風車23、一般入賞具24や始動入賞具25並びにアタッカー装置26などの入賞具、周囲に飾り部を有した図柄表示装置28などが設けられている。
【0019】一般入賞具24は、遊技球が落入可能な入賞孔を有し、ここに入賞した遊技球を検出する入賞球検出センサ(具体的には、遊技球の通過を磁気的、光学的または電気的手段等により検出するセンサ)が取り付けられている。一般入賞具24の後側には化粧板21を貫通するセーフ球通路孔24hが設けられており、一般入賞具24に入賞したセーフ球はセーフ球通路孔24hを通って遊技盤20の裏面側に排出される。
【0020】始動入賞具25は、いわゆる電動チューリップ構成の入賞具からなり、左右のチューリップ羽根を開閉させることができる。この始動入賞具25にも入賞した遊技球を検出する入賞球検出センサが取り付けられるとともに、その後側に化粧板21を貫通するセーフ球通路孔(不図示)が設けられており、始動入賞具25に入賞したセーフ球はセーフ球通路孔を通って遊技盤20の裏面側に排出される。
【0021】アタッカー装置26は、中央に横長方形状の開口からなる大入賞口を有し、この大入賞口を開閉自在に覆って開閉扉が取り付けられている。開閉扉は通常閉止されており、遊技中において所定の遊技条件の下で特別遊技状態が成立したときに、開閉扉が前方にほぼ90度倒されて大入賞口が開放される。大入賞口内には左右二つの入賞口が設けられ、それぞれに入賞球検出センサが取り付けられるとともに、このアタッカー装置26の後側に上記二つの入賞口に繋がって化粧板21を貫通する二つのセーフ球通路孔26h,26hが設けられている。大入賞口から入ったセーフ球はセーフ球通路孔26h,26hを通って遊技盤20の裏面側に排出される。
【0022】各入賞具24,25,26に遊技球が入賞すると、各入賞具に取り付けられた入賞球検出センサによって入賞したセーフ球が検出され、その入賞具の種類や遊技状況に応じた所定数の賞球が後述する賞球払出機構50から上球皿6もしくは下球皿7に払い出される。また、図柄表示装置28は遊技盤の前面側に液晶表示パネルを有しており、遊技盤20の裏面側に取り付けられた画像制御基板97により制御されて遊技状況に応じた種々の表示がなされる。
【0023】遊技領域PAの最下部には、入賞具24,25,26に入賞せずに落下したアウト球を集合して排出させるアウト口27が設けられている。アウト口27の後側には化粧板21を貫通してアウト球通路孔27hが形成されており、アウト口27に集められたアウト球がアウト球通路孔27hを通って遊技盤20の裏面側に排出される。化粧板21の裏側にはセーフ球通路孔24h,26hおよびアウト球通路孔27hの裏側を覆い所定間隔をおいて不正防止用の裏カバー29が固定され化粧盤裏面との間に排出空間を形成している。裏カバー29の下端は開放されており、セーフ球通路孔およびアウト球通路孔を通って遊技盤20の裏面に排出された遊技済み球が上記排出空間を化粧板21の裏面に沿って下方に落下する。
【0024】遊技盤20の背後に位置し、上下のヒンジ18を利用して横開き開閉自在に取り付けられる裏セット盤BSPは、常には閉鎖レバー19を用いて遊技盤20の裏面を覆うように閉鎖保持される。裏セット盤BSPは、全体として収容枠2aの背面外郭サイズよりも幾分大きめの縦長方形形状を成し、中央に遊技盤20から突出する画像制御基板97を受容する窓口31を有して一体成形された基枠体30をベースとして構成される。なお、以降では裏セット盤BSPの構成を主として説明するため、説明の便宜上、図3に示す背面図における左右方向を左方または右方と称し、紙面直交方向の向こう側(パチンコ機前面側)を前方、手前側(同裏面側)を後方と称して説明する。
【0025】裏セット盤を構成する基枠体30には、窓口31の上部に装備されて予備賞球の貯留・供給処理を行う球貯留供給機構40や、窓口31の右側方に装備されて賞球の払い出し処理を行う賞球払出機構50などの機構構成部品が取り付けられるとともに、賞球払出機構50の下方に位置して同機構50から払い出された賞球を上下の球皿6,7に排出するための賞球払出経路60、窓口31の下方に位置して遊技盤20から排出されるアウト球およびセーフ球(これらをまとめて「遊技済み球」という)を遊技施設側の回収バケットに排出させる遊技済み球排出経路70などが形成されている。
【0026】また、基枠体30の裏面各部には、前述した各回路基盤が取り付けられる平坦な基板取り付け部81,82,83,85等が一体成形されており、基板ケースや基板ベースに固定された各回路基盤91,92,93,95等が、それぞれの基板ケースまたは基板ベースにおけるベース部材の背面に形成されたケース側係合部と、基枠体側の基板取り付け部に形成された基枠側係合部とを利用して着脱交換自在に装備される。
【0027】基枠体30の上部に取り付けられる球貯留供給機構40は、予備賞球用のタンク部材41、タンク部材41内に貯留された予備賞球を整列して流下させる整列樋部材42を有して構成される。タンク部材41は、取付姿勢において上面が開放されるとともに底面が緩く左傾および前傾された箱状体をなし、底面の左前方に形成された開口部で整列樋部材42の予備賞球通路と連通している。
【0028】整列樋部材42は、基枠体30にねじ止めされた取付姿勢において、前後の壁面に囲まれた樋状体をなし、底面に左右方向に延びて立設されたリブ状の仕切壁42wにより、この樋内に前後二列の予備賞球通路42a,42bを形成する。(図17および図18を参照)。整列樋部材42はタンク部材41側から賞球払出機構50側に向けて緩く下傾して取り付けられ、タンク部材41から供給された予備賞球を上記二列の予備賞球通路に整列させて流下させる。整列樋部材42の傾斜端部すなわち予備賞球通路42a,42bの終端部は下方に略直角に折り曲げられ、その下端に下方に向けて開口する偏向出口43が形成されている。予備賞球通路42a,42bの終端近傍には、この通路を流下する予備賞球の流れを停止可能な球止め機構420が設けられており、必要に応じて予備賞球通路42a,42bを閉鎖して偏向出口43から賞球払出装置50への予備賞球の供給を停止させることができるようになっている。なお、球止め機構420の構成については遊技球の経路説明の後に詳述する。
【0029】賞球払出機構50は、基枠体30に支持され、偏向出口43から送り出された予備賞球を受けて所定数量の予備賞球を前後二列の賞球待機通路52a,52bに待機保持させる待機通路部材52(図13および図22を参照)と、この待機通路部材52下部の基枠体30に取り付けられ、賞球待機通路に待機保持された予備賞球を所定の払出条件に基づいて払い出す賞球カセット53、および基枠体30に支持された待機通路部材52をその取付面との間に挟持して上記二列の賞球待機通路を形成させる蓋部材55(図13参照)を主体として構成される。また、偏向出口43と待機通路部材52との間には、賞球として払い出すに充分な予備賞球が賞球待機通路52a,52bに保持されているか否かを検出するための球切れ検出スイッチ51が着脱可能に取り付けられ、賞球カセット53の払出口と賞球払出経路60との間には、払い出された賞球を検出する賞球検出センサ54が係脱可能に設けられている。
【0030】賞球カセット53は、上部中央に賞球待機通路52a,52bと繋がって予備賞球を受容する受容口、下部の左右に賞球を払い出す払出口が設けられるとともに、カセットのケース内部に前後二段のインペラとこのインペラを回転させるモータおよび賞球を受容口から払出口に導くカセット内通路を有し、所定条件のもと賞球制御基盤92から出力される払出指令信号に応じてモータを作動させ、インペラを時計回りまたは反時計回りに回転させて、指令信号に応じた数量の遊技球を右または左の払出口から賞球払出経路60に払い出す。具体的には、入賞具24,25,26等への遊技球の入賞状態や、いわゆるCR機における球貸し操作等に基づいて賞球制御基板92から出力される払出指令信号に応じてインペラを例えば反時計回りに回転作動させ、指令信号に応じた数量の遊技球を賞球として左側の払出口から賞球払出経路60に払い出す。
【0031】なお、球切れ検出スイッチ51の上部には疑似球有り状態創出機構510が、予備賞球通路42a,42bと賞球待機通路52a,52bとの間には球抜き機構520が、賞球カセット53の取り付け部には賞球カセット取り付け機構530が、賞球検出センサ54の取り付け部には払出賞球検出機構540が、蓋部材55にはアース装置550がそれぞれ設けられているが、これらの各機構の構成および作用については、遊技球が流下する各経路の説明の後に詳述する。
【0032】賞球払出機構50の下方に位置して賞球払出経路60が形成され、この賞球払出経路60と並んで遊技済み球排出経路70が形成される。図3における窓口31よりも下部の詳細図を図6に示し、図6中の矢印VII−VIIに沿った断面図を図7に、矢印VIII−VIIIに沿った断面図を図8に、矢印IX−IXに沿った断面図を図9に、矢印X−Xに沿った断面図を図10に示す。
【0033】賞球払出経路60は、上球皿6の球皿部6aに通じる上球皿払出通路61と、下球皿7の球皿部7aに通じる下球皿払出通路65とからなり、両通路は仕切壁62で仕切られつつこの壁面62の上部で連通し、一体となって賞球払出機構50の出口(すなわち、賞球検出センサ54の出口開口)に繋がっている。上球皿払出通路61には、賞球カセット53の下方に位置して賞球出口61eが設けられており、賞球カセット53から払い出された賞球は、上球皿払出通路61を落下して賞球出口61eから遊技補助盤10の上部の通出口10e内に流れ、さらに上球皿6形成された通出樋6eを通って球皿部6aに送り出される。賞球出口61eの通路面、通出樋6eの通路面にはアース金具61gおよび6gが取り付けられており、それぞれ図示しないアース線でパチンコ機PMのアース端子に接続されている。
【0034】一方、下球皿払出通路65には、基枠体30と蓋部材32とのそれぞれに、仕切壁62の上端を通り背面視左方に下傾する迂回路63a,63bが形成されている。すなわち、基枠体30には、仕切壁62を越えて溢れ出ようとする賞球をスムーズに下球皿払出通路65に導くべく、前方に突出して左方に傾斜した溝状の第1迂回路63aが形成され、蓋部材32には、同様に賞球を下球皿払出通路65に導くべく後方に突出して左方に傾斜した第2迂回路63bが形成されている。
【0035】このため、上球皿6に貯留する賞球が一杯になって賞球出口6eから賞球を排出できなくなり、さらに仕切壁62の上端まで賞球が充満した状態で賞球払い出し機構50からさらに賞球が払い出されたときに、新たに払い出された賞球は仕切壁62に堰き止められた賞球を乗り越えて下球皿払出通路65に溢れ出るとともに、仕切壁62の前後に設けられた第1迂回路63aおよび第2迂回路63bを通って下球皿払出通路65に至り、この下球皿払出通路65を流下してその下端の排出開口65eから排出される。
【0036】排出開口65eの下方には、この排出開口65eと対向する後方開口68aを有した賞球バケット68が設けられている。賞球バケット68は、全体として箱状を成し、その上部に突出形成された返し壁68wを挟んで後方上面に後方開口68a、前方上面に前方開口68bを有し、左右並びに後部の壁面および前方下方に向けて傾斜する底面に囲まれたバケット空間68sを形成する。賞球バケット68は、前枠2の裏面下部に取り付けられており、バケット空間68sの前方が前枠2に形成された球出口7eと連通して下球皿7の球皿部7aに繋がっている。上方に開く後方開口68aは、裏セット盤BSPを前枠2に閉鎖した閉鎖姿勢において排出開口65eの直下に位置するように形成されている。このため、排出開口65eから排出された賞球は、賞球バケット68の後方開口68a、バケット空間68sおよび球出口7eを通って下球皿7の球皿部7aに送り出される。
【0037】下球皿払出通路65の下部には、球詰まり検知レバー66aが捻りバネを利用して下球皿払出通路65の内方に向けて付勢支持され、この検知レバー66aの角度位置を検出する球詰まり検知スイッチ66bが図示のように配設されている。このため、下球皿7の球皿部7aに賞球が一杯となり、球出口7eおよびバケット空間68sに充満して、下球皿払出通路65の下部にまで賞球が充満すると、球詰まり検知レバー66aが充満する賞球により通路外方に押圧されて揺動し、球詰まり検知スイッチ66bの接点がオンまたはオフ作動されて賞球の充満状態を検出できるようになっている。
【0038】なお、基枠体30には、賞球出口61eの上方および左側方に、この出口の周囲を覆うように前方に突出するガード壁33が設けられており、裏セット盤BSPを前枠2に閉鎖させた閉鎖姿勢において、ガード壁33が遊技補助盤10と遊技盤20(化粧板21)との間に形成されたガード壁受容空間に進入し、裏セット盤側の賞球出口61eと遊技補助盤側の通出口10eとの連絡部に隙間が生じないように配設される。このため、上球皿の通出樋6e側から通出口10eを通して裏セット盤BSPと遊技盤20との間に針金や薄肉金属片等を侵入させ、入賞具の賞球検出センサ等に悪戯を行うような不正行為を未然に且つ有効に防止し、公正な遊技に供することができる。
【0039】また、賞球バケット68における前方開口68bと後方開口68aとの間には、上方に突出する返し壁68wが立設されており、前方開口68bの後壁となって基枠体30の前端部を覆うようにオーバーラップして配設される。このため、下球皿の球出口7eから針金や薄肉金属片等を侵入させ、前方開口68bから裏セット盤BSPと遊技補助盤10との間に侵入させようとしても、この返し壁68の存在によってこれらの間に侵入させることができず、従って、遊技盤裏面の賞球検出センサに悪戯を行う等の不正行為を未然に防止することができる。
【0040】なお、賞球バケット68の前方開口68bは遊技補助盤10の前後を連通する集合回収口16と繋がっている。集合回収口16は遊技補助盤10の前面側に形成されたファール球回収路や、通出樋6eに遊技球が充満している状態で上球皿6を開放したときに通出樋6eや通出口10eからこぼれる賞球を受容して回収するこぼれ球回収路(ともに不図示)と繋がっており、これらの回収路を通って回収された遊技球が集合回収口16および前方開口68bを通ってバケット空間68sに落下し、球出口7eから球皿部7aに回収される。
【0041】また、集合回収口16の前方には閉鎖姿勢にある上球皿6の球抜き口6cが位置している。上球皿6には球皿部6aに貯留する遊技球を球抜き口6cに導く球抜き通路が形成されており、上球皿6に設けられた球抜きレバー6bが操作されたときに、球皿部6aに貯留する遊技球が球抜き通路を通って球抜き口6cから集合回収口16に排出され、前方開口68b、バケット空間68sおよび球出口7eを通って球皿部7aに回収される。賞球バケットの底面をなす排出通路面にはアース金具68gが取り付けられており、図示しないアース線でパチンコ機PMのアース端子に接続されている。
【0042】遊技済み球排出経路70は、基枠体30の表面側に形成されて遊技盤20の裏面側に排出されるアウト球およびセーフ球を集合させる遊技済み球集合通路71と、基枠体30の裏面側に形成されて遊技済み球集合通路71で集められた遊技済み球を裏セット盤BSPの下部に導く遊技済み球排出通路75とからなり、遊技済み球排出通路75の下方には、前枠2の裏面に取り付けられて遊技済み球排出通路75から排出される遊技済み球を遊技施設側の回収バケット(不図示)に導くダクト76が設けられている。
【0043】基枠体30の表面側に形成される遊技済み球集合通路71は、それぞれ左右端部から中央に向けて下傾された第1集合樋71a、第2集合樋71bおよび第3集合樋71cを有し、裏セット盤BSPが前枠2に閉鎖された状態で、これらの集合樋がセーフ球通路孔24h,26h等およびアウト球通路孔27hの出口下方に位置するように配設される。集合樋の後方には、各通路孔の裏側を覆うように壁面部72が立設されるとともに、その上部が裏セット盤BSPの閉鎖姿勢において遊技盤の裏カバー29とほぼ当接するように折り曲げられて天井壁部73が形成され、図4中に二点鎖線で示ように遊技盤20の裏面下部を覆う蓋状に構成されている。このため、外部から遊技済み球集合通路71に遊技球が流入することが防止されるとともに、入賞具に取り付けられたセーフ球検出器への不正操作を防止している。
【0044】第1集合樋71aと第2集合樋71bとの間に、基枠体30を前後に貫通する導出口74が設けられ、基枠体30の裏面側に形成された遊技済み球排出通路75と繋がっている。遊技済み球排出通路75は各図に示すように多段に屈曲して形成されており、導出口74から落下する遊技済み球を緩衝部75a,75b,75cで受け止めて落下速度を緩和させ下端の排出口75eから排出させる。排出開口75eの下方にはダクト76が配設される。ダクト76は、上下に開口76a,76bを有して上下に延びる中空角筒状に形成されており、前枠2の裏面から後方に突出する支持脚69にねじ止めされて、裏セット盤BSPが前枠2に閉止された閉鎖姿勢において、上部の開口76aが遊技済み球排出通路75の排出口75eと対向するように配設される。
【0045】このため、セーフ球通路孔24h,26h等およびアウト球通路孔27hを通って遊技盤20の裏面側に排出された遊技済み球は、この遊技済み球集合通路の第1〜第3集合樋71a,71b,71cに受け止められてこの樋上を転がり、傾斜下端の導出口74から基枠体30の裏面側の遊技済み球排出通路75に導かれる。遊技済み球排出通路75では、導出口74から落下する遊技済み球が各緩衝部75a,75b,75cで受け止められ落下速度が緩和され、ダクト76内を通って遊技施設側の回収バケットに排出される。このため、遊技済み球の落下速度が緩和されるとともに、落下方向が一定範囲内に制限され、遊技施設側の回収バケットで遊技済み球が散乱するようなことがない。なお、図7中に二点鎖線で示すように、ダクト76の開口を下端側で縮小させることにより上記効果をさらに高めることも可能である。
【0046】賞球払出経路60および遊技済み球排出経路70は、これらの経路の後方を塞ぐ一体の蓋部材32で覆われており、蓋部材32の表面が主制御基板91の取付部81や賞球制御基板92の取付部82と同一面に位置して、この蓋部材32の上面に電源基板94の基板取り付け部84が形成される。
【0047】さて、以上のように遊技球の流下経路が構成されるパチンコ機PMにあって、球貯留供給機構40および賞球払出機構50に、予備賞球を排出させるための各種の機構、すなわち球止め機構420、疑似球有り状態創出機構510、球抜き機構520がそれぞれ装備されるとともに、組立性や保守性を向上させた賞球カセット取り付け機構530および払出賞球検出機構540が形成され、さらに確実な作動を担保するためのアース装置550が設けられている。
【0048】これらの機構および装置の全体構成を図11に示し、賞球カセット53よりも上部の各機構の構成を蓋部材55を取り外した状態で示す斜視図を図12に、各機構が取り付けられる基枠体30の全体の斜視図を図13に、基枠体30に形成された各機構の取り付け部を拡大して示す斜視図を図14に、各機構の作用を説明するために蓋部材55を取り外した状態で示す背面図を図15および図16にそれぞれ示ししている。以下、これ等の図面をベースとし、さらに各機構の詳細図を加えて参照しながら各機構・装置の構成および作用について説明する。
【0049】球止め機構420は、予備賞球通路42a,42bの終端近傍に設けられ、タンク部材41に貯留する予備賞球まで含めて全遊技球を抜く必要がない保守作業等を行う際に利用される。具体的には、賞球払出機構50の各構成部品、例えば、球切れスイッチ51や賞球カセット53などの保守、点検作業、あるいは交換作業を行うときには、タンク部材41に貯留する予備賞球を全量抜く必要がなく、球止め機構420を利用して予備賞球通路内の球の流れを停止させ、この機構より下流の予備賞球のみを球抜き機構520で排出させて上記各作業を迅速に行えるように設けられている。
【0050】この球止め機構部420の詳細な斜視図を図17に示し、この機構部の平面図を図18に、図11中の矢印XIX−XIXに沿った部分断面図を図19に示す。
【0051】球止め機構420は、整列樋部材42に形成された予備賞球通路42a,42bの終端近くに、この通路の上方を跨ぐように取り付けられた球止め部材422と、基枠体30の球止め機構取り付け部34に設けられて球止め部材422を球止め位置と開放位置とに保持させる球止め係合片34bとを主体として構成される。球止め係合部材422は予備賞球通路42a,42bの終端上部を覆う樋出口カバー部材421を利用して揺動可能に取り付けられる。
【0052】基枠体30の上部の球止め機構取り付け部34には、後方に突出成形された円筒状のボス34a、上下および右辺が切り離されたアーム状の球止め係合片34b、後方に突出する断面視凸状の球止め支軸34c、基枠体30を前後に貫通する基枠体側ダボ孔34d、整列樋部材42および樋出口カバー部材421の取り付けねじを受容するネジ穴34eなどが一体成形で形成されている。球止め係合片34bは、上下および右辺が基枠体30からスリット状に切り離されたアーム部と、このアーム部の先端側に後方に向けて突出成形された平面視台形状の係合部とを有して構成され、アーム部が弾性変形することで係合部が前後に変位可能に形成されている。
【0053】樋出口カバー部材421は、全体として下方に凸の円弧状に形成され、その下面側に整列樋部材42の仕切壁42wと位置整合して下方に突出する仕切リブ421wを有し、ポリカーボネートやメタクリル樹脂等の透明な樹脂材料を用いて射出成形により一体成形されている。このカバー部材の上面中央には仕切リブ421wを挟む前後に、この面を貫通する矩形形状のガイド孔421a,421bが形成され、その右方の後端部に球止め部材422を支持する軸支部421cが形成されている。また、樋出口カバー部材421の右方端部には前後に突出する係合突起421d,421dが形成され、左方端部には取り付けねじを挿通させる円筒部421eおよび球止め機構取り付け部34のボス34aと係合する支持孔部421fが形成されている。
【0054】球止め部材422は、取付姿勢において後方に突出する支軸422cおよびこの支軸422cと同軸上の前端側に形成された軸受け孔(不図示)、この支軸および軸受け孔で形成される揺動軸と直交方向に延びるアーム422d、アーム422dの先端部から屈曲してフック状に突出する二つの球止め片422a,422b、アーム422dの先端部から後方に突出する操作片422lなどを有し、樋出口カバー部材と同様の樹脂材料を用いて一体に成形されている。二つの球止め片422a,422bの前後方向位置、および揺動軸から球止め片までのアーム長さ(すなわち球止め片の揺動半径)は、この球止め部材422が取り付けられた取付姿勢において前述したガイド孔421a,421bと位置整合するように形成されている。
【0055】樋出口カバー部材421と球止め部材422とは、整列樋部材42を基枠体30に取り付ける際に、球止め機構取り付け部34に一括して取り付けられる。樋出口カバー部材421は、支持孔部421fが球止め機構取り付け部34のボス34aに挿通されるとともに、前方の係合突起421dが基枠体側ダボ孔34dと係合し、後方の係合突起421dが整列樋部材に形成された整列樋部材側ダボ孔42dと係合して上下左右位置が規定され、円筒部421eを挿通するねじ等を利用して整列樋部材42と一体に固定される。
【0056】球止め部材422は、この樋出口カバー部材421の取り付けに際し、支軸422cと同軸上に前端側に形成された軸受け孔が球止め機構取り付け部34の球止め支軸34cに軸支され、後端側の支軸422cが樋出口カバー部材の軸支部421cに軸支されて、樋出口カバー部材421と球止め機構取り付け部34の取付面との間に挟持されるようにして揺動可能に取り付けられる。
【0057】このようにして組み立てられた球止め機構420は、その作用を図16に実線(開放位置)および二点鎖線(球止め位置)とで示すように、球止め部材422を左方に揺動変位させることで、二つの球止め片422a,422bをそれぞれガイド孔421a,421bを通して前後の予備賞球通路42a,42bに突出させることができ、このように球止め片を突出させた球止め位置で、両通路を流下する予備賞球の流れを止めることができる。
【0058】ここで、球止め機構取り付け部34に形成された球止め係合片34bは、上下および右辺でスリット状に切り離されたアーム部を有して前後に弾性変形可能に構成されるとともに、アーム部の右側に後方に突出して形成された係合部の突出端面が、非係合時における球止め部材422の前方端面よりも後方に突出して位置し(図19を参照)、球止め部材422と係合可能に構成されている。また、係合部は平面視台形状に形成されて左右に斜めの導入部が形成されている。
【0059】このため、球止め機構の開閉操作を行う作業者が、球止め部材のレバー部422lに指をかけて球止め部材を揺動させ、球止め部材422と係合片34bとの係合抵抗(アーム部の弾性による摺動抵抗)に抗して球止め部材422を回動させることで、予備賞球通路の開閉操作を軽快に行うことができる。一方、このような人為的な揺動操作が行われない状態では、球止め部材422の前端面が係合片34bの突出部と当接して自由な揺動変位が規制されるため、球止め部材422は図16中に実線で示す開放位置または二点鎖線で示す球止め位置に保持される。
【0060】従って、例えば、球止め位置に位置させていた球止め部材422が予備賞球通路42a,42b内に貯留する予備賞球の押圧力によって勝手に揺動変位して遊技球が流下したり、パチンコ機PMの着脱交換や運搬時に傾動や振動等によって球止め部材422が揺動変位し予期せぬ位置に変化しているなどの問題を生じることがない。また、基枠体30に球止め部材422と係合可能な球止め係合片34bを基枠体30に一体成形して設けるという簡便な手段で、上記問題を解決して球止め部材422を開放位置と球止め位置とに保持させる球止め機構を得ることができる。さらに、本実施例では樋出口カバー部材421を透明な樹脂材料を用いて一体成型しているため、予備賞球通路42a,42b内に位置する予備賞球の状態を直視的に確認することができる。
【0061】なお、上記実施例では、樋出口カバー部材421に円筒部421eを設け、この円筒部を挿通するねじで整列樋部材42と樋出口カバー部材421とを固定する例を示したが、このような円筒部を設けずに樋出口カバー部材441の位置を規定するボス34aを利用してこのボス34aの後端部に整列樋部材42をねじ固定することにより樋出口カバー部材421を挟持させて一括固定することもできる。
【0062】また、実施例では、球止め部材422の揺動軸を樋出口カバー部材421側の軸支部421cと基枠体30側の軸支部34cとに分けて構成した例を示したが、樋出口カバー部材421の前後に軸支部421cを二カ所設けて球止め部材を揺動可能に支持させるように構成することができ、さらにこの樋出口カバー部材421に球止め部材422を球止め位置に係止する係止手段を設けてもよい。このような構成によれば、球止め機構をサブアッセンブリ化することができるとともに、この機構の組み付けが容易となり作業性を向上させることができる。また基枠体側取り付け部の構成を簡単化して歩留まりを向上させることが可能である。
【0063】さらに、本実施例では球止め部材422を揺動させて球止め部材422を開放位置と球止め位置とに保持させる構成を例示したが、球止め部材および保持手段は球止め部材を開放位置と球止め位置とに保持可能であればよい。例えば、球止め部材が上下または前後方向にスライド移動して球止め係合片が予備賞球通路42a,42bに出没可能な形態であってもよく、保持手段はこのようにスライド移動する球止め部材と係合して球止め部材を開放位置と球止め位置とに保持するものであっても良い。
【0064】次に、球抜き機構520について説明する。この機構は球抜き機構が配設された球通路よりも上流側に位置する予備賞球をパチンコ機PMの機外に排出させるための機構であり、具体的には、球切れ検出スイッチ51をはじめとする賞球払出機構50の各構成部品の保守、点検作業、交換作業などの際に利用されるほか、遊技球の清掃作業や、パチンコ機における遊技球の通路の清掃作業などのようにタンク部材に貯留する遊技球を全量排出させる際にも利用される。
【0065】球抜き機構520の分解斜視図を図20に示し、図11中の矢印XXI−XXIに沿った球抜き機構520の主要断面図を図21に、矢印XXII−XXIIに沿った断面図を図22に、矢印XXIII−XXIIIに沿った断面図を図23に示す。
【0066】球抜き機構520は、大別して、待機通路部材52と隣接して基枠体30の裏面側に揺動可能に枢支される流路切り替え部材521と、基枠体30の表面側に取り付けられて流路切り替え部材521の作動操作を行う操作部とから構成され、操作部は基枠体30に着脱自在に固定される固定部材522とこの固定部材522に揺動自在に枢結されるレバー部材523とから構成される。
【0067】この球抜き機構が取り付けられる基枠体30の球抜き機構取り付け部36には、待機通路部材52を支持するボス36a,36a、流路切り替え部材521を揺動可能に枢支する枢支軸36bなどが突出成形されるとともに、基枠体30の前後を貫通して係合突起挿通孔36c、固定部材522を掛止固定する固定部材掛支片36dおよび固定部材係合孔36e、基枠体前面側の遊技済み球集合通路71に繋がる球抜き通路77などが基枠体30と一体に形成されている。
【0068】また、待機通路部材52は、その前後面に屈曲した立設壁面で囲まれた各一列の賞球待機通路52a,52bが形成され、球切れ検出スイッチ51直下の通路外壁面の一部が切り欠かれた構成となっている。待機通路部材52は賞球待機通路52a,52bの清掃作業容易化等のため基枠体30と別体に構成されており、球抜き機構取り付け部36に着脱自在に取り付けられる。すなわち、待機通路部材52には球抜き機構取り付け部36の二カ所のボス36a,36aと係脱自在な円筒支持部52c,52cが形成されており、この二カ所の円筒支持部52c,52cで前後に挿脱自在にボス36a,36aに支持され、待機通路部材52の裏面側を覆う蓋部材55をねじ固定することにより球抜き機構取り付け部36に固定される。
【0069】流路切り替え部材521は、上記待機通路部材52における切り欠き部の壁面に相当する壁面形状を有した通路壁部521a、枢支軸36bに枢支され流路切り替え部材521を揺動可能に支持する支軸孔部521b、通路壁部521aを下方に揺動させて賞球待機通路を閉止させた待機揺動角度位置でレバー部材523の係合突起部523cと係合する閉止保持係合孔521c、通路壁部521aを上方に揺動させて賞球待機通路52a,52bの上部を開放させた球抜き揺動角度位置でレバー部材523の係合突起部523cと係合する開放保持係合辺521dなどを有し、ABS樹脂等の樹脂材料を用いて射出成形により一体成形されている。流路切り替え部材521は、支軸孔部521bを枢支軸36bに挿通させて支持させた状態で蓋部材55をねじ固定することにより、待機通路部材52とともに球抜き機構取り付け部36に揺動可能に取り付けられる。
【0070】操作部を構成する固定部材522には、レバー部材523に形成された枢結軸523aを揺動可能に支持する枢結孔522a、取付姿勢において枢結孔522aの後方下部に位置し球抜き機構取り付け部36の固定部材掛支片36dと係合可能な掛支部522b、掛支部522bの上方に突出成形されて固定部材係合孔36eと係合可能な嵌合部522c、固定部材522の上端部に上方に向けて立設された抜け止めリブ522dなどが設けられ、ポリアセタール樹脂やポリエチレン等の樹脂材料を用いて射出成形により一体成形される。嵌合部522cには、突出端部から左右側方に弾性的に開く楔状の係合爪が形成されるとともに、嵌合部522cの背面側にはレバー部材523の弾性片部523dと当接して受容する受容面が形成されている。
【0071】レバー部材523には、固定部材522に形成された枢結孔522aに揺動可能に支持される枢結軸523a、取付姿勢において、この枢結軸523aから上下に延びるアーム部の上部から右側方に突出するレバー部523b、アーム部の下部から前方に突出する係合突起部523cが形成され、枢結軸523aの下部から後方に延びる薄片状の弾性片部523dなどが形成されている。係合突起部523cは円筒状を成すとともにその先端部が半球状に形成されている。レバー部材523は固定部材522と同様の樹脂材料を用い、同様の成形手段により一体に成型される。
【0072】固定部材522とレバー部材523とは、固定部材522に形成された枢結孔522aとレバー部材523に形成された枢結軸523aとで相互に係合し、この枢結孔522aと枢結軸523aとで形成される係合軸を中心として相対揺動可能に連結される。連結された固定部材522とレバー部材523との間には、レバー部材523から突出する弾性片部523dが挟持され、この弾性片部523dの反発弾性力によりレバー部523bが固定部材522から離れる方向に付勢される。
【0073】このように連結された固定部材522とレバー部材523とからなる操作部は、固定部材522に形成された掛支部522bを球抜き部材取り付け部36における固定部材掛支片36dに掛止させ、この掛支部を中心に固定部材522を後方に傾動させるようにして嵌合部522cを固定部材係合孔36eに挿通させることで、嵌合部522cの突出端部に形成された楔状の係合爪が固定部材係合孔36eの左右に開いてロックされ、操作部が球抜き部材取り付け部36に固定される。また抜け止めリブ522dが球抜き部材取り付け部36における下向き面と対峙し、連結された操作部が上動して脱落することを防止する。このようにして操作部が取り付けられると、レバー部材の係合突起部523が弾性片部523dの反発弾性力により係合突起挿通孔36cを通って基枠体30の裏面側に突出し、常には、図11,図12,図15の各図に示すように、流路切り替え部材521の閉止保持係合孔521cと係合した状態に保持される。
【0074】このようにレバー部材の係合突起部523cが流路切り替え部材521の閉止保持係合孔521cと係合した状態では、通路壁部521aが賞球待機通路52a,52bの側壁を形成し、この通路を通る予備賞球は賞球カセット53に向かう通常の賞球待機通路52a,52bに導かれる。また、流路切り替え部材521は、係合突起部523cと閉止保持係合孔521cとの係合により自由な揺動が規制され、上記通常の賞球待機通路を形成する揺動角度位置(待機揺動角度位置)に保持される。
【0075】一方、レバー部523bが前方から押圧操作(または裏セット盤BSPの裏面側から引込み操作)されると、レバー部材523は図21中に二点鎖線で示すように揺動変位して係合突起部523cと閉止保持係合孔521cとの係合が解除され、それまで規制されていた流路切り替え部材521の揺動規制が解除される。賞球待機通路52a,52bの上部に予備賞球が貯留された状態では、流路切り替え部材521の通路壁部521aは、この通路壁部によって賞球待機通路52a,52b内に保持される予備賞球の押圧力を受けており、揺動規制が解除されると予備賞球の押圧力によって枢支軸36bまわりに揺動し、図16に示すように賞球待機通路52a,52bの上部が開放されて、この通路に位置する予備賞球を球抜き通路77に導く球抜き揺動角度位置に変位する。そして、このように一旦流路切り替え部材521が球抜き揺動角度位置に変位すると、通過する予備賞球がなくなるまで、次々に通過する予備賞球に押圧されて揺動変位した状態が継続される。
【0076】ここで、流路切り替え部材521が球抜き揺動角度位置に変位した状態では、閉止保持係合孔521cが係合突起挿通孔36cの左方に待避し、かわりに開放保持係合辺521dが係合突起挿通孔36cの前方左側に位置するように構成されている。このため、流路切り替え部材521が球抜き揺動角度位置に変位した状態でレバー部523bの押圧力を解除すると、弾性片部523dの弾性力によってレバー部材523が押圧前の揺動角度位置に変位し、係合突起部523cが係合突起挿通孔36cを通って開放保持係合辺521dの右側方に突出し、流路切り替え部材521を球抜き揺動角度位置に係止保持する(図16を参照)。このため、レバー部523bを常時押圧していなくとも、流路切り替え部材521を球抜き揺動角度位置に切り替えた状態で保持させることができる。
【0077】なお、裏セット盤BSPを前枠2に閉鎖保持させた状態でレバー部523bの前方に位置する前枠2およびガラス扉5には、レバー部523bと対峙する位置に操作ピンOPを挿通させる球抜き操作孔2h,5hが形成されており(図1、図4および図11参照)、パチンコ機PMの前面側から球抜き操作孔5h,2hを通して操作ピンOPを挿入し、パチンコ機外部からレバー部523bを押圧操作可能に構成されている。
【0078】このため、例えば、前述した球止め機構420で予備賞球通路42a,42bを閉鎖せず、タンク部材41に貯留する予備賞球を全量球抜きするような場合には、前枠2を開放して直にレバー部523bを操作することなく、前枠2を閉鎖させた状態のまま操作ピンOPを用いてパチンコ機前面側からレバー部523bを揺動操作することができ、前方からワンプッシュするのみの簡単な操作で流路切り替え部材521を待機揺動角度位置から球抜き揺動角度位置に切り替えて、この通路を通る予備賞球を球抜き通路77に導き、継続して球抜きを行わせることができる。
【0079】また、球抜きが完了し、賞球待機通路の上部に予備賞球がなくなったときには、球抜き操作と同様にレバー部523bを前方からワンプッシュして係合突起部523cと開放保持係合辺521dとの係合を解除し、係合突起部523cによる揺動規制を解除する。すると、すでに予備賞球からの押圧力が解除された流路切り替え部材521は、その自重によって枢支軸36bまわりに揺動し通路壁部521aを閉鎖させた待機揺動角度位置に変位する。そして、レバー部523bへの押圧力が解除され係合突起部523cが係合突起挿通孔36cから突出したときに、再び閉止保持係合孔523cと係合突起523bとが係合し、流路切り替え部材523が待機揺動角度位置に保持される。
【0080】このように構成される球抜き機構520では、予備賞球が球切れ検出スイッチ51の下部に位置する賞球待機通路52a,52bから抜き出す構成のため、機内に残る予備賞球の残留球数を減少させるとともに、球切れ検出スイッチ51の検出通路内に予備賞球が残留することがなく、このスイッチの着脱交換等を容易且つ確実に行うことができる。また、流路切り替え部材251の取り付け部や操作部の取付部を基枠体30側に一体成形で設けるとともに、操作部の固定部材522をねじ等を用いずに係脱可能に取り付けているため、部品点数や組立工数等を削減することができる。
【0081】なお、本実施例では弾性片部523dをレバー部材523に一体に形成した例を示したが、この弾性片部は固定部材522側に設けてもよく、またこれらの部材と別の部材(例えば板状のバネ部材や捻りバネ等)を用いて組み立てるものであっても良い。
【0082】さて、以上のように構成される球抜き機構520に対して、待機揺動角度位置にある球抜き部材521の右側方から下方に向けて球抜き通路77が形成されている。球抜き通路77は、基枠体30における裏面側の待機通路部材52の右側方に形成された予備通路77aと、この予備通路77aの下方に基枠体30を前後に貫通して形成された連絡開口77b、および基枠体30の前面側に形成されて連絡開口77bから下方に向かい前述した集合通路71(第3集合樋71c)に繋がる下降通路77cから構成される。
【0083】基枠体30の裏面側には予備通路77aの後面壁を成す蓋部材55がねじ止め固定されるとともに、基枠体30の表面側には下降通路77cの前面壁をなす通路カバー524がねじ等の締結手段で取り付けられている(図5を参照)。通路カバー524は、この下降通路77cの前面壁を構成するとともに、前述した球抜き機構520の操作部の前面を覆う保護カバーとして機能し、さらに操作部の下部に下降通路と並んで形成され、上下に延びるケーブルダクトのハーネス押さえとしても機能する。
【0084】予備通路77aは、流路切り替え部材521が揺動して通路壁部521aが開放されたときに、賞球待機通路52a,52bと連通し、この通路から流れ出る予備賞球(「抜き球」という)を受容して流下させる。予備通路77aと下降通路77cとの間を繋ぐ連絡開口77bの通路面77rは、図19に部分断面図を示すように曲面状に形成されるとともに、蓋部材55には通路面77rとの接合部に曲面との間を斜めに繋ぐ斜面55sが形成されており、予備通路77aを落下する予備賞球が曲面端部に滞留することなく速やかに連絡開口77bを通って下降通路77cに至るように構成されている(図30を併せて参照)。
【0085】また、連絡開口77bの前面を覆う通路カバー524にも上記通路面77rと同様に曲面部524rが形成されている。このため流路切り替え部材521が球抜き揺動角度位置に係止保持されて賞球待機通路52a,52bから予備通路77aに流れ出た抜き球は、連絡開口77bを通ってスムーズに下降通路77cに導かれる。
【0086】連絡開口77bを通って基枠体30の前面側に導かれた抜き球は、左右の壁面とカバー部材524とに囲まれた下降通路77cを流下する。下降通路77cの下端部は遊技済み球集合通路71に繋がって開放されており、下降通路77cを流下する抜き球は第3集合樋71c上に落下して受け止められ、第3集合樋71cおよび第2集合樋71bに沿って流下した後、前述した遊技済み球集合通路の導出口74および遊技済み球排出通路75を介してパチンコ機PMから排出され、遊技施設側の回収バケットに回収される。
【0087】このため、裏セット盤BSPに抜き球専用の排出経路を設けることなく、基枠体30の構成を簡明化してパチンコ機の生産コストを低減化することができる。また、このように球通路を簡明化することにより、上球皿払出通路61や下球皿払出通路65などの遊技球の通路との立体交差状態を解消することができ、これにより基枠体30の裏面を平坦化して、主制御基盤取り付け部81や賞球制御基板取り付け部82、ランプ・音声制御基板取り付け部83、中継基盤取り付け部85等の回路基盤取り付け部を形成し、これらの各回路基盤を略同一面上に取り付け保持させることができる。
【0088】次に、疑似球有り状態創出機構510について説明する。この機構は上述した球抜き機構520により球抜き操作が行われた後に、賞球待機通路52a,52bの下部に残留する予備賞球を排出させるための機構であり、具体的には、待機通路部材52や賞球カセット53等の保守、点検作業、交換作業などの際に利用されるほか、遊技球の清掃作業のようにパチンコ機内の全遊技球を排出させるとき、パチンコ機の製造過程における動作チェック後にパチンコ機内の全遊技球を排出させるときなどに利用される。
【0089】一般には、通常の遊技状態において二つの賞球待機通路52a,52bに待機する予備賞球のいずれかが球切れ状態になり球切れ検出スイッチ51でこの球切れ状態が検出されると、賞球カセット53の作動が規制されるように構成されており、球抜き機構520を利用して予備賞球を排出しても流路切り替え部材521よりも下流に位置する予備賞球が機内に残留することになる。
【0090】疑似球有り状態創出機構510は、このような場合に賞球待機通路52a,52bに残留する予備賞球を排出させるために用いられる機構であり、あたかも賞球待機通路52a,52bの上部まで予備賞球が存在するように擬似的に球有り状態を創出して球切れ検出状態を解消させ、遊技盤20の入賞具(24,25,26等)に遊技球を投入して賞球カセット53を作動させることでパチンコ機内に残留する予備賞球を全量排出させるための球抜き装置である。
【0091】疑似球有り状態創出機構510の分解斜視図を図24に示し、図11中の矢印XXV−XXVに沿った断面図を図26に示す。また、既に参照した図15にこの機構部の予備賞球の通路に沿った部分断面図を示し、図19には図11中の矢印XIX−XIXに沿った断面図を示している。以下これらの各図を併せて参照しつつ本機構について説明する。
【0092】球切れ検出スイッチ51は、前後に二つの筒状の検出通路51a,51bを有し、この検出通路の上方に揺動支点を有して通路内に付勢され突出する検知レバー51c,51dを有している。検出通路51a,51b内に予備賞球が供給されると検知レバー51c,51dが通路外方に押圧されて揺動変位し、スイッチ内の接点を閉鎖するように作用する。前後のスイッチ接点は直列に接続されており、一般に、前後両方の検出通路に予備賞球が存在するときにスイッチ回路がクローズ(閉)となり、前後いずれかの検出通路に予備賞球が存在しないときにスイッチ回路がオープン(開)となるように構成されている。なお、通常の遊技状態で予備賞球が流下する際に生じ得る短時間の開閉作動に対しては、この検出信号をフィルタリング処理して平滑化することにより誤検出を防止している。
【0093】球切れ検出スイッチ51は、基枠体30における球有り機構取り付け部35のスイッチガイド35aに沿って基枠体後方から挿入され、スイッチロック爪35bにより固定される。なお、図16では球切れ検出スイッチ51の着脱状態を示すため、便宜上、窓口31の内方に二点鎖線で取り外し時の球切れ検出スイッチ51を付記している。
【0094】疑似球有り状態創出機構510は、球切れ検出スイッチ51の検知レバー51c,51dを押圧するための押圧子511a,511bを有した押圧部材511を基本部材とし、さらに、押圧部材511を基枠体30側の球有り機構取り付け部35に保持させるホルダ部材512と、押圧部材511を裏面側で回動可能に支持するカバー体513とを有し、球切れ検出スイッチ51の上部に取り付けられる。
【0095】押圧部材511は、それぞれ扇状に形成された押圧子511a,511bと、この前後の押圧子を繋いで前後に延びる回転軸511cと、後方の押圧子511bから後方に突出成形された操作レバー511lとを有して構成されている。ホルダ部材512は図24に示すように概要箱状の形態をなし、その右半分が上下に開いた壁面構成を有するとともに、左右両側の壁面部に前方に突出する楔状の爪部512eが形成されている。カバー体513は、押圧部材の回転軸511dを回動自在に支持するカバー側軸受け部513aが形成され、その周辺に操作レバー部を挿通させる扇状のレバー窓513bが形成されている。またカバー体513には上部二カ所にねじ固定用の貫通孔が形成されるとともに、その背面側に基枠体側から突出するボスを受容する円筒部が形成されている。これらの各部材は、ABS樹脂等の樹脂材料を用いて射出成形によりそれぞれ図示する形状に一体成形される。
【0096】一方、これらの構成部材が取り付けられる球有り機構取り付け部35には、押圧部材の回転軸511cを回転自在に支持する基枠体側軸受部35c、左右および下辺がスリット状に切り離されたアーム部を有し、その下端部が軸受部35cの外周を囲むように半円弧のリブ形状に後方に突出する付勢係合辺35d、ホルダ部材の左右の爪部512eを受容してホルダ部材を係止する二カ所のホルダ係止孔35e、カバー体513をねじ固定するための円筒状のボス35fなどが形成されている。
【0097】この機構の組立においては、まずホルダ部材512が押圧部材511の二つの押圧子511a,511bの間を跨ぐように位置させさせるとともに、回転軸511cの前端部を球有り機構取り付け部35の基枠体側軸受部35cに嵌挿し、ホルダ部材の左右の爪部512eをホルダ係止孔35eと位置合わせしてホルダ部材512を前方に押圧することにより、左右の爪部512eをホルダ係止孔35eに係合ロックさせる。次いで、押圧部材511の操作レバー511lをレバー窓513bから挿通させるようにカバー体513をかぶせて、カバー側軸受部513aを片持ち支持された回転軸511cの後端部に嵌挿させ、二カ所のボス35f,35fにカバー体背面の円筒部をはめ込んでカバー体513を基枠体にねじ固定する。
【0098】このようにして組み付けられた疑似球有り状態創出機構510では、球有り機構取り付け部35の取付面とホルダ部材512とにより、偏向出口43における前方の予備賞球通路42aと球切れ検出器51における前方の検出通路51aとの間を繋ぐ前方通路が形成され、ホルダ部材512の後面側とカバー体513とにより、偏向出口43における後方の予備賞球通路42bと球切れ検出器51における後方の検出通路51bとの間を繋ぐ後方通路が形成される。
【0099】そして、押圧部材の操作レバー511lをカバー窓513bの左縁まで回転させた待避角度位置では、図15および図25に示すように、前後の押圧子511a,511bが前方通路および後方通路からともに待避し、偏向出口43から流下する予備賞球はこれら前後の通路を自由に通過することができる。一方、球抜き機構520を利用して球抜きを行った後に、押圧部材の操作レバー511lをカバー窓513bの右縁まで回転させた押圧角度位置では、前後の押圧子511a,511bが前方通路および後方通路内に突出するとともに、各押圧子の右端部が球切れ検出スイッチ51の前後の検知レバー51c,51dを押圧し、この検出スイッチ51のスイッチ回路をクローズ状態に反転させる。
【0100】ここで、前方の押圧子511aにおける前面側の左側縁部には、この縁部に沿って前方に突出する枠状の突起部が形成されており、付勢係合辺35dの突出部と係合可能に構成されている。付勢係合辺35dの突出部は、操作レバー511lがカバー窓513bの左右中間領域にあるときに押圧子511aの突起部と前後方向に当接し、操作レバー511lがカバー窓513bの開口左方向に回転されて押圧子511a,511bが通路外に待避した待避角度位置まで回転されたときに、突起部の前面との係合が外れて押圧子511aの前方面を付勢するとともに枠状の突起部の側面と係合する。
【0101】また、操作レバー511lがカバー窓513bの開口右方向に回転されて押圧子511a,511bが検出スイッチ51のスイッチ回路をクローズ状態に反転せた押圧角度位置まで回転されたときに、突起部を含む押圧子511aとの係合が外れて押圧子511aの左側縁の左側に後方に向けて突出し、それぞれの側面同士が相互に係合する。
【0102】このため、押圧部材511は操作レバー511lがカバー窓513bの中間領域にあるときに付勢係合辺35dの弾性力によって常時後方に付勢されるとともに、押圧子511a,511bが通路外に待避した待避角度位置、および押圧子511a,511bが球切れ検出スイッチの検知レバー511c,511dを押圧してスイッチ回路をクローズ状態にした押圧角度位置の二カ所の角度位置で係止保持される。
【0103】従って、押圧部材511は、通常の遊技時には遊技球の通過に伴う振動等に拘わらず常に待避角度位置に係止保持され、一方、人為的に押圧角度位置まで回動されて係止保持されたときには検知レバー51c,51dの付勢力に抗してスイッチ回路をクローズ状態に維持させる。これにより、押圧部材511を押圧角度位置に係止保持させることで賞球カセット53を作動させることができ、この状態において作業者が遊技盤20のいずれかの入賞具24,25,26に遊技球を投入することで賞球カセット53を作動させて賞球待機通路の下部に残留する予備賞球を全量排出させることができる。
【0104】また、このような構成によれば、賞球カセット53の払出作動が入賞具に対する遊技球の入賞状態に基づいて行われるため、専用の球抜きスイッチを設ける場合のようにスイッチに対する不正操作によって賞球が払い出されるようなおそれがなく、不正行為を未然に防止して公正な遊技に供するパチンコ機を提供することができる。さらに、実施例に開示した構成では、押圧部材511が押圧角度位置にある時に押圧子511a,511bが検出通路51a,51b内に位置し、これらの通路を塞ぐ機能も兼ね備える。このため、予備賞球の排出中に新たに賞球待機通路に予備賞球が流入することを完全に防止することができるとともに、前述した球抜き機構510と連動操作を行うことにより球止め機構420を設けずにパチンコ機を構成することも可能である。
【0105】なお、本実施例では押圧部材511を回動させることで球切れ検出スイッチ51のスイッチ回路を開閉させる例を開示したが、本機構は球切れ検出スイッチが検出する通路位置に遊技球があるような状態(擬似的な球有り状態)を創出するものであればよい。従って、例えば上記のようなレバー式の検出スイッチ51を用いる場合には、検知レバー51c,51dを押圧可能な構成であればよく、押圧部材は上下または左右方向にスライド移動して検知レバーを押圧するものであっても良い。また他の検出形態、例えば光学的や磁気的に遊技球を検出する検出スイッチを用いる場合には、これらの検出形態に相応して擬似的な球有り状態を創出可能な手段(例えば光学的な遮蔽部材や金属部材等)を用いて構成することができる。
【0106】次に、図26〜図31を参照して賞球カセット取り付け機構530および払出賞球検出機構540について説明する。これらの機構は、所定の払出条件に基づいて賞球を払い出す賞球カセット53の取り付け機構、および賞球カセット53から払い出された賞球の実数を計数する賞球検出センサの支持機構に関するものであり、賞球カセット53および賞球検出センサ54の着脱作業や保守点検作業を容易化して作業性を向上させた技術に関するものである。
【0107】ここで、図26は、払出賞球検出機構540とその取り付け部37を中心として示す払出賞球検出機構の分解斜視図、図27は賞球検出センサ54を係止保持するホルダ部材の取り付け状態を説明する側断面図、図28は賞球カセット53および払出賞球検出機構の取り付けおよび作用状態を示す側断面図、図29は賞球カセット53の着脱状態を説明する背面図、図30は図29に対応する賞球カセット取付時の側面図、図31は賞球カセット53を取り外した状態で払出賞球検出機構540の組み付け状態を示す平断面図を示している。
【0108】まず、賞球カセット53の取り付け機構530および賞球カセット53の作動について説明する。賞球カセット53は、前後二分割のカセットケース531,532に納められて全体として方形箱状のモジュールをなし、その上部中央に賞球待機通路52a,52bの下端部と繋がって予備賞球を受容する受容口53a,53b、下部の左右に賞球を払い出す払出口53c,53dが設けられている。ケース内部には前後二段のインペラ534,534とこのインペラを回転させるモータ533、および受容口53a,53bから受け入れた予備賞球を払出口53c,53dに導くためのテーパ状のカセット内通路を有している。
【0109】前後のインペラ534,534にはそれぞれ120度間隔で予備賞球を受容する受容部が三カ所形成されるとともに(図3を参照)、前後のインペラはそれぞれの受容部の位置が60度オフセットするように回転軸に取り付けられている。このため、受容口53a,53bから供給された予備賞球は、交互に前後のインペラの受容部に受け入れられ、インペラ534,534の回転に伴って右または左のカセット内通路を通り、テーパ面に案内されて前後方向の中央に寄せられ、左右いずれかの払出口から払い出される。
【0110】賞球の払出は、所定条件のもと賞球制御基板92から出力される払出指令信号に基づいて行われる。賞球カセット53は賞球制御基板92からの払出指令信号に応じてモータ533を作動させ、インペラ534,534を時計回りまたは反時計回りに回転させて、左払出口53cまたは右払出口53dから賞球を払い出す。具体的には、入賞具24,25,26等への遊技球の入賞状態に基づいて賞球制御基板92から出力される払出指令信号に応じてインペラ534,534を例えば反時計回りに回転作動させ、指令信号に応じた数量の遊技球を賞球として左側の払出口53cから賞球払出経路60に払い出す。また、いわゆるCR機において球貸し操作が行われたときには、賞球制御基板92から出力される払出指令信号に応じてインペラ534,534を逆方向、例えば時計回りに回転作動させ、指令信号に応じた数量の遊技球を貸し球として右側の払出口53dから賞球払出経路60に払い出す。
【0111】賞球カセット53が取り付けられる賞球カセット取り付け部37は、その取付面がカセットケース531の厚さに合わせて前方にオフセット成形されており、予備賞球通路52a,52bと、これに対応する受容口53a,53b内の通路とが段差なく繋がるように構成されている。賞球カセット取り付け部37には、基枠体30の後方に突出する脚部とこの脚部の後端部から水平に突出する係合片とからなり平断面視L字状をなすカセット係合部37aが三カ所形成されるとともに、上部二カ所のカセット係合部37a,37aの間には、左右および下辺がスリット状に切り離されたアームの下端部に後方に突出する係合突起が形成されたロック片部37bが、ともに一体成形により形成されている。
【0112】一方、カセットケース531の背面には、上記カセット係合部37aの係合片を受容可能な受容孔と、この受容孔から下方に延びカセット係合部における脚部を受容して係合片と係合可能な支持溝が形成されたケース側係合部531aが三カ所形成されるとともに、上記ロック片部37bの係合突起を受容可能な溝部531bが、ともに一体成形で形成されている。また、ケース531の下端面には左右の払出口53c,53dの開口が設けられるとともに、後述するセンサホルダ541の固定係合ピン541fと係合可能なアーチ状の固定係合片531fが形成されている。
【0113】このように形成された賞球カセットの取り付け機構530では、図29および図30に示すように、払出賞球検出機構540を開放させた状態で、賞球カセット53を把持してカセットケース531の背面に形成された三カ所のケース側係合部531aと賞球カセット取り付け部37に形成された三カ所のカセット係合部37aとを位置合わせして受容孔内に係合片を受容させ、賞球カセット53を前方に押圧してカセットケース531の背面と賞球カセット取り付け部37の取付面とを密着させた状態のまま賞球カセット53を上方にスライド移動させる。すると、それぞれ三カ所のケース側の係合片と取り付け部側の支持溝とが係合してケース側係合部531aとカセット係合部37aとが連結されるとともに、ロック片部37bの係合突起がケース側の溝部531bに突出して係合し、賞球カセット53が賞球カセット取り付け部37にロック保持される。
【0114】このようにロック保持される賞球カセット53の下部に、賞球カセット53から払い出された賞球を検出する払出賞球検出機構540が設けられる。払出賞球検出機構540は、遊技球を検出する賞球検出センサ(具体的には、前述した入賞検出センサと同様に遊技球の通過を磁気的、光学的または電気的手段等により検出するセンサ)54,54と、この賞球検出センサを係止保持するセンサホルダ541とを主体として構成され、センサホルダ541が基枠体30の払出賞球機構取り付け部38に係脱自在に取り付けられ、センサホルダ541が賞球カセット53と賞球払出経路60との間に係止された状態で賞球カセット53から払い出された賞球を検出するように構成されている。
【0115】センサホルダ541は、大別すると、賞球検出センサ54を係止保持するホルダ部とアーム部とからなり、ポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段で一体に成形されている。ホルダ部の左右には、賞球検出センサ54,54を後方から受容して保持し、賞球検出センサの検出孔部54c,54dを露出させるセンサ保持部541a,541aが形成されるとともに、後方に突出して賞球検出センサ54,54をロック保持するロックアーム541b,541bが形成されている。また、ホルダ部の前方中央部には賞球カセット53の下端面に突出する固定係合片531fと係合可能な固定係合ピン541fが前方に向けて突出成形されている。
【0116】ホルダ部の側部には、このホルダ部から側方に突出する上下二枚の板状の支持アーム541c,541cが形成され、両支持アームの先端部に互いに外向きに上下に突出する円柱状の嵌合突起541d,541dが形成されている。上下の嵌合突起541d,541dは支持アームの延びる先端側の円柱角部がテーパ状に面取りされて形成されている。
【0117】一方、センサホルダ541が取り付けられる基枠体30の払出賞球検出機構取り付け部38には、側面視凹状の嵌合支持部が形成され、その凹部の上下の内面に嵌合突起541d,541dを受容してセンサホルダ541を旋回可能(水平揺動可能)に支持する溝状の嵌合支持溝38a,38aが形成されている。また、この嵌合支持溝を挟む左右には、この支持部の強度を向上させるとともに、センサホルダ541が過度に旋回しないように規制するリブ38cが立設されている。
【0118】また、賞球カセット53の取り付け部37の下部に位置して、ロック保持部38bが突出成形されている。ロック保持部38bは水平な板状の支持面を有し、その左右端部が下方に折り曲げられて縦リブとして機能するように形成されており、下向きに作用する力に対する抗力、すなわち支持力を高める構成となっている。ロック保持部の中央部は左右がスリット状に切り離されてアーム部を形成するとともにその後端側に楔状に上方に突出するロック部が形成されている。ロック保持部38bは、センサホルダ541が閉止されたときにその上面でホルダ部の下面を支持し、ロック部がホルダ部の後端縁部と係合してセンサホルダを閉止位置にロック保持する。
【0119】さて、このように構成される払出賞球検出機構540において、賞球検出センサ54,54は、センサ保持部541aに後方から挿入され賞球検出センサの検出孔部54c,54dが所定位置に到達したときにセンサの後端縁部がロックアーム541b,541bによりロックされてセンサホルダ541に係止保持される。そして、センサホルダ541は嵌合突起541d,541dを嵌合支持部の嵌合支持溝38a,38aに嵌合させることで、払出賞球検出機構取り付け部38に旋回可能に取り付けられる。
【0120】前述したように、上下の嵌合突起541d,541dはそれぞれ板状の支持アーム541c,541cの先端部に突出形成されるとともに、支持アームの延びる先端方向の円柱角部がテーパ状に面取りされて形成されている。このため、センサホルダ541を取り付ける際には、図27に示すように、嵌合突起541d,541dのテーパ面を凹状の嵌合支持部の角部にあてがい、この凹部に向けて押圧する。このとき、上下の支持アーム541c,541cはテーパ面の作用により弾性変形して嵌合突起部が嵌合支持部の上下面間に進入し、嵌合支持溝38a,38a部に到達したときに支持アームの弾性力によりもとの状態に復帰して、嵌合突起部541d,541dと嵌合支持溝38a,38aとが相互に係合する。このように係合した状態では、センサホルダ541が基枠体30に対して水平に旋回可能に支持される。
【0121】次いで、上記のように旋回開閉可能に支持されたセンサホルダ541を賞球カセット53の下部に旋回させ、ロック保持部38bに係止保持させる。賞球カセット53が係合保持された状態では、賞球カセット53の下部にセンサホルダ541を受容する受容空間が形成されており、センサホルダ541を上下の嵌合突起および嵌合支持溝で形成される旋回軸まわりに水平旋回させて、ホルダ部を賞球カセット53の下面とロック保持部38bの上面との間に挿入させる。このとき、ホルダ部の下面がロック保持部の楔状のロック部斜辺と当接するが、さらにホルダ部を押圧することでロック保持部のアーム部が弾性変形してセンサホルダ541を受容し、センサホルダ541を閉止位置まで旋回させさせたときにロック部がホルダ部の後端縁部と係合してセンサホルダ541を閉止位置にロック保持する。これにより、センサホルダ541はロック保持部38bの上面に支持されるとともにロック部により閉止位置にロック保持される。
【0122】このようにしてセンサホルダ541が閉止位置にロック保持されると、左右の賞球検出センサの検出孔部54c,54dが賞球カセット53の左右の払出口53c,53dの直下に位置整合して配設され、賞球カセット53から払い出される賞球または貸し球が検出孔部54c,54dを通過するときにそれぞれの賞球検出センサにより検出される。
【0123】また、センサホルダ541が閉止位置にロック保持されると、ホルダ部全体が賞球カセット53が振動等で下動して脱落することを防止するとともに、ホルダ部の前方中央部に突出成形された固定係合ピン541fが賞球カセット53の固定係合片531fと係合してセンサホルダ541と賞球カセット53との相対位置関係を堅持させ、賞球カセット53が取付面内で傾いて払出口と検出孔部の心ずれが生じる等の障害を確実に防止する。
【0124】なお、賞球センサ54は、センサホルダ541の組み付け前はもとより、センサホルダ541が嵌合支持部に支持された後においても着脱交換することができる。すなわち、センサホルダ541を図29や図30に示すように開放させた状態では、ロックアーム541bを上方に弾性変形させることができ、センサ保持部541aに賞球検出センサ54を挿入してロックアーム541bにロックさせることにより賞球センサ54を装着することができ、あるいはロックアーム541bを上動させてロックを解除させ賞球センサ54を引き抜くことで賞球センサを取り出すことができる。
【0125】一方、通常の遊技状態すなわち、センサホルダ541の閉止位置ではホルダ支持部のロックアーム541bが賞球カセット53の下端面に近接して位置し、賞球検出センサ54のロックを解除できないようになっている。このため、例えば前枠と外枠との隙間から金属片等を挿入してロックアーム541によるロックを解除させ、賞球検出センサ54に悪戯を行うような不正行為を有効に防止することができる。また、センサホルダ541は透明な樹脂材料で形成されているため、センサホルダ541を閉止させた状態で賞球カセット53から払い出される賞球を裏セット盤BSPの裏面側から目視確認することができ、例えば、賞球検出センサ54の動作確認等を容易に行うことができるように構成されている。
【0126】そして、以上のように構成される賞球カセット取り付け機構530および払出賞球検出機構540によれば、センサホルダ541を用いて賞球検出センサ54を賞球カセット53と賞球払出経路60との間に係脱自在に配設することにより、賞球検出センサ54の着脱作業や保守点検作業を容易化するとともに、賞球カセット53の着脱作業や保守点検作業等をも容易化して作業性を向上させたパチンコ機を構成することができる。
【0127】次に、アース装置550について説明する。このアース装置は、パチンコ機における遊技球の通路に配設された導電部材と、一端が導電部材に接続され他端がアース電位に地落されるアース線とからなり、通路を通る遊技球が導電部材と接触することで帯電した電荷を放出させる装置である。以下では、アース装置を賞球待機通路に適用した例について、主に図11,図22,図23および図32を参照して説明する。
【0128】まず、このアース装置550が装備される賞球待機通路について、再び図16を参照して概要説明すると、前後に屈曲した立設壁面で囲まれた賞球待機通路52a,52bを有する待機通路部材52は、基枠体30と別体に形成されており、待機通路部材52に形成された円筒支持部52c,52cを球抜き機構取り付け部36に形成された二カ所のボス36a,36aに係合させて支持させたうえで、待機通路部材52の裏面側を覆う蓋部材55をねじ固定することにより球抜き機構取り付け部36に固定される。
【0129】ここで、前後の賞球待機通路52a,52bを前後に仕切る仕切壁面には賞球待機通路の立設壁面に沿って前後に貫通するスリット部52s,52sが形成されて前後の賞球待機通路52a,52bが連通されており、また、待機通路部材52の裏面側を覆う蓋部材55にもこれらのスリット部52s,52sと位置整合して蓋部材55の前後を貫通するスリット孔55b,55cが形成されている。また、蓋部材55の下方には、前枠全体の着脱交換時やパチンコ機を運搬等する際に遊技機の電源コードが邪魔にならないようにコンセントプラグを係止するプラグ係止部55nが形成されている。
【0130】本実施例において導電部材として用いるアース金具551は、この蓋部材55に取り付けられて賞球待機通路52a,52bに突出し、この通路を通る予備賞球に接触して予備賞球の電荷を放出させる装置である。
【0131】すなわち、アース金具551は、例えば、板厚0.5〜0.8mm程度の所定板厚のステンレス鋼板を打ち抜きおよび曲げ成型して形成され、蓋部材55に固定される基盤部551aと、待機通路部材52の二つのスリット部52s,52s(および蓋部材55の二つのスリット孔55b,55c)に合わせて屈曲成型された第1接触板551bおよび第2接触板551c、蓋部材55に形成された掛支斜辺55dに掛支される掛支片部551d、および基盤部551aから後方に切り起こされた後、基盤部551aと平行に延びるタブ状の接続端子部551tなどから構成される。
【0132】アース金具551は、第1接触板551bおよび第2接触板551cを蓋部材55の二つのスリット孔55b,55cに挿通させ、さらに待機通路部材52の二つのスリット部52s,52sを挿通させることで賞球待機通路52a,52bに位置決めされ、固定ねじ553をアース金具と蓋部材の取り付け孔551h,55hを通してボス36に締め付けることで、蓋部材55とともに球抜き機構取り付け部36に一括固定される。
【0133】アース金具551における接続端子部551tは、アース線552の端部に圧着接続されたメス側の差込端子552cとコネクタ接続可能なオス側の端子形状(接触子形状)に形成されており、アース線552の差込端子552cが嵌脱自在に接続される。アース線552におけるケーブル552aの他端側は、例えばターミナル基盤96に設けられたアース端子を介して地落されており、これによりアース金具551がアース電位に地落される。
【0134】従って、このようにして接続されたアース金具551はアース電位に落とされており、賞球待機通路52a,52bを通る予備賞球は、この通路を流下する過程で第1接触板551bまたは第2接触板551cと接触し、ここに至る球通路で蓄積した電荷を放出して安定状態て賞球カセット53に供給される。従って、賞球カセット53の内部基盤や賞球検出センサ54等に放電してこれらを損傷させる等のおそれがない。
【0135】また、アース金具551におけるアース線552との接続部を差込端子の端子形状に形成しているため、アース線552を着脱する際に逐一ねじを用いる必要がなく、簡便且つ安価な構成でありながら着脱容易なアース装置を構成することができる。さらに、本実施例ではアース金具551の接続端子部に複数の接続端子を形成しているため、この接続端子部を他のアース線の中継端子として利用することも可能であり、配線の省力化をも図ることができる。
【0136】なお、上記実施例ではアース装置の一例として賞球待機通路にアース金具551を設け、このアース金具551におけるアース線552との接続部をアース線の差込端子と嵌脱可能な端子形状に形成した例を示したが、アース金具を設ける通路は賞球待機通路に限るものではなく、遊技球が通る他の通路、例えば予備賞球通路42や賞球払出経路60(例えば、既述した上球皿払出通路61におけるアース金具61gやアース金具6g、下球皿払出通路65におけるアース金具68g等)、遊技済み球排出経路70等であってもよい。また、実施例では導電部材の一例としてアース金具を別途製作して用いた例を示したが、遊技球の通路が導電性の部材で形成されている場合にはその導電部材の一部を端子形状に構成することでアース装置を構成することができる。例えば、パチンコ機PMにおける外レール22aや内レール22bの一端に上記同様の接続端子部を形成することで、同様の効果を有した内・外レールのアース装置を構成することができる。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、遊技盤がセット保持される枠部材の裏側に開閉自在に取り付けられ常には遊技盤の裏面側を覆う閉止位置に保持されて用いられる裏セット盤と、この裏セット盤の上部に取り付けられたタンク部材と、タンク部材の下方に位置して配設され所定の入賞状態に基づいてタンク部材に貯留された遊技球を払い出す賞球払出装置と、タンク部材と賞球払出装置との間を繋ぐ球通路に配設されてこの球通路を通る遊技球の流れを賞球払出装置に向かう通常の球通路と球抜き通路とに選択的に切り替える流路切り替え手段とを備える弾球遊技機にあって、球抜き通路が、遊技盤から排出される遊技済み球を集合させて裏セット盤の外部に導く遊技済み球集合通路に接続されて弾球遊技機の球抜き装置が構成される。
【0138】このような構成によれば、流路切り替え手段により流路が切り替えられ、球抜き通路に流れ出た予備賞球は、アウト球やセーフ球を集合させる遊技済み球集合通路を介して遊技施設側の回収バケットに排出される。このため、球抜き通路は独立した専用の球通路としてパチンコ機の下部中央まで導く必要がなく、裏セット盤の構成を簡明化して生産コストを低減させることができる。また、球通路を簡明化することにより、球通路の立体交差状態を解消して裏セット盤の裏面を平坦に形成することができ、組み立て性やメンテナンス性に優れた弾球遊技機を提供することすることができる。
【出願人】 【識別番号】390031783
【氏名又は名称】サミー株式会社
【住所又は居所】東京都豊島区東池袋2丁目23番2号
【出願日】 平成13年11月30日(2001.11.30)
【代理人】 【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
【公開番号】 特開2003−164629(P2003−164629A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−365783(P2001−365783)