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【発明の名称】 パチンコ玉の揚送研磨機
【発明者】 【氏名】小林 富士夫
【住所又は居所】群馬県桐生市広沢町2丁目3014番8号 株式会社平和内

【要約】 【課題】つる巻ばねによりパチンコ玉と粒状研磨材を揚送しながらパチンコ玉を研磨する揚送研磨機の故障を少なくするとともに、揚送効率を向上させる。

【解決手段】本発明におけるパチンコ玉の揚送研磨機は、横送パイプ1から横送つる巻ばね3を介して供給された被研磨パチンコ玉及び粒状研磨材を、揚送パイプ5内に設けてある揚送つる巻ばね7の回転により揚送しながらパチンコ玉を研磨するものである。本発明は、上記の揚送つる巻ばね7の下端部に回転アッセンブリーFを設け、これを下部支持手段Dによって揚送パイプ5内に安定した状態に支持可能に構成してあるところに特徴がある。この下部支持手段の採用により、下端部の振れ、伸縮等がなくなり、ベース面に対する掘削、横送つる巻ばねとの絡み合い等を防止可能とするとともに、ばねに対する負荷の変動が少なくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 横送パイプから供給された被研磨パチンコ玉及び粒状研磨材を、揚送パイプ内に設けてある揚送つる巻ばねの回転により揚送しながら上記パチンコ玉を研磨する揚送研磨機において、上記揚送つる巻ばねは、下端部が下部支持手段によって安定した状態に支持されていることを特徴とするパチンコ玉の揚送研磨機。
【請求項2】 請求項1において、上記下部支持手段は、上記揚送つる巻ばねの下端部から上方に向かう所定範囲に当該ばねの内周部に当接して固着してあるコアスパイラルと、このコアスパイラルの支軸部に装着される回転アッセンブリ−と、この回転アッセンブリ−を上記揚送パイプ内に支持する受け部材とにより構成されていることを特徴とするパチンコ玉の揚送研磨機。
【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかにおいて、上記回転アッセンブリ−は、少なくとも1個の軸受と、当該軸受に支持された上記支軸部を保持するとともに上記受け部材に支持される下部ハウジングとを備えていることを特徴とするパチンコ玉の揚送研磨機。
【請求項4】 請求項3において、上記下部ハウジングの下部には頂部を鋭角の逆円錐形に形成してなる下端部ガイドが設けてあることを特徴とするパチンコ玉の揚送研磨機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばパチンコ玉を粒状研磨材を用いて研磨しながら揚送する揚送研磨機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコ遊技場の島に設置されるパチンコ玉の揚送研磨機の一例として、揚送パイプ内に回転螺旋体を設け、下方から供給されたパチンコ玉及び粒状研磨材の混合体(以下「パチンコ玉等」)を押し上げ、パチンコ玉を研磨しながら高所へ移動(揚送)させるようにした装置がある。この揚送研磨機におけるパチンコ玉等の供給及び揚送機構は、図5(a)に示すような構成となっている。まず、パチンコ玉等は、床面上に水平に設けられた横送パイプ81に接続されている主流入口83から横送パイプ内への供給が行なわれる。横送パイプ81内には、横送モータ85で回転する横送螺旋体87が設けてあり、この横送螺旋体87の回転により横送パイプ81内に供給されたパチンコ玉等が揚送パイプ89へ向けて送り出されるようになっている。
【0003】横送パイプ81の先端部には、垂直に設けられた揚送パイプ89の下端部が接続されており、横送パイプ81から送り出されたパチンコ玉等をこの揚送パイプへ供給可能となっている。揚送パイプ81内にも図示していないモータにより回転する揚送螺旋体91が設けてあり、この螺旋体の回転によりパチンコ玉等を揚送可能となっている。揚送螺旋体91の回転により揚送されたパチンコ玉等は、揚送パイプ89の上端部で図示していない排出口から分離装置へ排出され、ここで分離されたパチンコ玉は、パチンコ遊技機や貸玉機等の装置へ供給可能となっている。これに対し、分離装置で分離された研磨材は、循環パイプ93を経て研磨材収納庫95へ回収されて再利用に供されている。
【0004】上記の螺旋体としては、回転軸の周囲に所定径のスパイラルを形成してなるスクリューシャフトを採用したもの(例えば実願昭58−25452号公報、特開平11−128516号公報)や、断面が薄板状のばね材をつる巻状に形成してなり、可撓性を有するつる巻ばねを用いたものなどがある(例えば特開平7−185117号公報,特開平11−239664号公報)。ところで、パチンコ玉等を送り出すための螺旋体として上記のスクリューシャフトを採用すると、剛性が高いために大きなトルクが得られるとともに安定した揚送量が得られる反面、このシャフトは長い上に剛性が高いために、揚送パイプへの装着が困難となっている問題がある。これに対し可撓性を有するつる巻ばねを採用すると、揚送パイプへの挿着が容易であり、製造コストも抑えられる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、つる巻ばねを採用する場合には、上記のつる巻ばね同士の干渉を防ぐために、図5(a)に示してあるように、横送用螺旋体87の先端部と、揚送用螺旋体91の下端部との間に後述するように大きな安全空間sを設けることが行なわれている。この安全空間sは大きければ大きい程、パチンコ玉を移動させる上で大きな抵抗となり、揚送効率の低下及び揚送量の変動を起こす原因となっている。さらに、上記の揚送量の変動は、螺旋体の駆動機構に変動荷重を与え、つる巻きばねの伸び、破断などの故障原因となっている問題がある。
【0006】これに対し、つる巻きばねの先端部同士を接近状態に設けて上記安全空間sを小さくすると、同図(b)に示すように、運転中に両者が接触して、互いに絡み合ってしまうことから故障の原因となることがある。また、同図(c)に示すように、揚送ばね91の下端部を横送ばね83の先端部よりも下方に位置するように設けると、横送ばねの下端部が使用中に伸びてしまい、研磨機のベース板97の近傍に位置すると、これが負荷により延びて徐々にベース板を削り取ってしまうことがあるなどの問題がある。
【0007】そこで本発明の目的は、螺旋体としてつる巻ばねを採用した場合、運転中の故障が少なく安定した揚送量を確保可能なパチンコ玉の揚送研磨機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】(請求項1に記載した発明の構成)上記の目的を達成するために、本発明は、横送パイプから供給された被研磨パチンコ玉及び粒状研磨材を、揚送パイプ内に設けてある揚送つる巻ばねの回転により同時に揚送しながらパチンコ玉を研磨する揚送研磨機において、上記の揚送つる巻ばねを、その下端部が下部支持手段によって安定した状態に支持されるように構成してあるところに特徴がある。
【0009】(請求項1に記載した発明の作用効果)揚送用の螺旋体としてつる巻ばねを採用すると、可撓性を有するため揚送パイプへの着脱が容易となる半面、上記したような諸問題も生じている。しかし、これらの諸問題に対しては、揚送つる巻ばねの下端部に下部支持手段を設けることによりばねの下端部を安定的に支持し、下端部の振れ、伸縮、ベース面に対する掘削、横送つる巻ばねとの絡み合い等を防止可能となる。
【0010】(請求項2に記載した発明の特徴)請求項2に記載した発明における下部支持手段は、揚送つる巻ばねの下端部から上方に向かう所定範囲に当該ばねの内周部に当接して固着してあるコアスパイラルと、このコアスパイラルの支軸部に装着される回転アッセンブリ−と、この回転アッセンブリ−を揚送パイプ内に支持する受け部材とにより構成してあるところに特徴がある。上記のコアスパイラルは、揚送ばねの下部に剛性を付与する他、揚送ばねの下端部を回転自在に支持するための支持軸の役割を果すものである。すなわち、このコアスパイラルの下部は、回転アッセンブリ−を介して揚送パイプ内に回転自在に支持されるため、従来まで不安定であった揚送つる巻ばねの下部が安定状態で支持可能となる。したがって、揚送つる巻ばねの先端部の変形による揚送量の変動や先端部同士の絡み合い等の上記した諸問題の解決が可能となる。
【0011】(請求項3に記載した発明の特徴)請求項3に記載した発明は、上記の回転アッセンブリーを、少なくとも1個の軸受と、この軸受に支持されたコアスパイラルの支軸部を保持するとともに、揚送パイプ内に設けてある受け部材に支持される下部ハウジングとを備えたものにより構成してあるところに特徴がある。支持軸の回転を円滑に行なわせる手段として軸受は不可欠であるが、この軸受はラジアル荷重とスラスト荷重との両者に対応するものを採用して揚送つる巻ばねに作用する複雑な荷重に対応可能としてある。また、下部ハウジングは軸受等を保持して上記の支軸部を円滑に回転可能とするとともに、それ自身が受け部材に支持されることにより、揚送つる巻ばねの先端部を間接的に揚送パイプ内に回転自在に支持可能とする働きをする。
【0012】(請求項4に記載した発明の特徴)請求項4に記載した発明は、上記の下部ハウジングの下部には、頂部を鋭角の逆円錐形に形成してなる下端部ガイドが設けてあるところに特徴がある。この下端部ガイドは、揚送ばねを揚送パイプに挿着する際のガイドの役割を果すものであるが、特に下部ハウジングを受け部材に挿着する際には、受け部材の穴部内に進入容易となっているため、狭い揚送パイプ内における組立作業を容易にする働きをする。
【0013】
【発明の実施の形態】(揚送研磨機の全体の構成)初めに本発明を適用した揚送研磨機の全体の構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、この揚送研磨機は、横送パイプ1に供給されたパチンコ玉と粒状研磨材との混合体(以下「パチンコ玉等」)を横送つる巻ばね(以下「横送ばね」)3の回転により揚送パイプ5の下部に送り込み、この揚送パイプ内に設けてある揚送つる巻ばね(以下「揚送ばね」)7の回転により、パチンコ玉を研磨しながら揚送可能となっている。揚送パイプ5の上部まで揚送された上記のパチンコ玉等は、排出口9から排出されて分離装置11に入る。分離装置11内では、揚送されたパチンコ玉等からパチンコ玉と粒状研磨材とが分離され、パチンコ玉はパチンコ遊技機や玉貸機等への補給樋13へ送り出され、粒状研磨材は循環パイプ15を経て研磨材収納室17内に収納可能となっている。なお、分離装置11には、集塵ホース21が接続してあり、内部の塵埃などをこの集塵ホースからダスト吸引装置23へ送り出し可能となっている。
【0014】上記の横送ばね1の他端部は、横送モータ25に接続されており、水平状態のまま回転することにより、主流入口27から供給されたパチンコ玉等を揚送パイプ5へ送り出し可能となっている。また、揚送ばね7の上端部7aは、揚送モータ29により垂直状態のまま回転可能としてあり、パチンコ玉等を揚送可能となっている。なお、つる巻きばねはいずれも断面が長方形のばね鋼材を用いてばね定数を比較的大きくしたものを採用してある。横送ばね3の先端部は、横送パイプ1の端末近くまで伸びているが、この先端部と、揚送ばね7の外周部との間には所定の間隔cが設けてある(図3参照)。この間隔cは既述の通り、小さ過ぎれば横送ばね3と揚送ばね7と絡み合うおそれがあり、大き過ぎれば揚送効率を低下させるおそれがあるため、これら両者の調整に留意して設定することが望ましい。揚送ばね7の下端部は、後述の下端部支持手段Dにより安定的に支持されているため、パチンコ玉等の揚送が効率的に行なわれるようになっている。
【0015】(下部支持手段の構成)次に下端部支持手段Dについて図2,3を参照して説明する。この下端部支持手段Dの第1構成要素としてコアスパイラル31がある。図2(a)に示すように、このコアスパイラル31は、軸部31aに沿って揚送ばね7のリードと同じリード及び外周部の厚さが一致するスパイラル部31bを形成してあるとともに、下部に支軸部31cを備えたものからなる。スパイラル部31bの外径は、揚送ばね7の内径と同一にしてある。同図(b)に示すように、両者の結合は、スパイラル部31bを揚送ばね7の下方から両者の下端部同士が一致するまで挿し込み、数か所で溶着することにより一体化してある。このように、揚送ばね7の下端部から上方に向う所定範囲(図面では4巻分)にコアスパイラル31を挿入固着してあるため、この範囲ではばねが圧縮等の変形を起こすおそれを生じないものとなっている。
【0016】下部支持手段Dの第2の構成要素として、回転アッセンブリーFがある。この回転アッセンブリーFの構成要素としては、まず、図2(b)に示すように、いずれもコアスパイラル31の支軸部31cに挿着されるカラー33、軸受35及びスペーサ37の3要素がある。これらの3要素は、同図(c)に示すように、コアスパイラルのスパイラル部31bの下端部に続いて順次密着状態に配置されている。さらにその下方には、回転アッセンブリーFの次の構成要素として、上記の3要素を覆い隠すように嵌め込まれるハウジング39、第2軸受41及びこれらの要素の支軸部31cからの脱落を防止するための止め輪43がある。なお、第1軸受35及び第2軸受41は、いずれもラジアル荷重とともにスラスト荷重も負担可能な深溝タイプのボールベアリングを採用することが望ましい。これらの各要素は、図2(d)に示すように、上記の要素に続いて密着配置してあるが、第2軸受41は、下部ハウジング39の下端部に設けてある凹部39aに収納された状態となっている。また、コアスパイラルの支軸部31cの下端部及び止め輪43(同図c参照)もこの凹部39a内に収納された状態となっている。
【0017】下部ハウジング39の下部には、下部支持手段の第3の構成要素としての下端部ガイド45が取り付け可能となっている。図2(d)に示すように、下端部ガイド45は、キャップ状の頂部が鋭角の逆円錐形状に形成した容器体からなり、開口端部の内周にメネジ部45aを刻設したものからなる。このメネジ部45aは、下部ハウジング39の下端部外周に刻設してあるオネジ部39bと螺合することにより、下部ハウジングの下部に取り付け可能となっている(同図(e)参照)。この下端部ガイド45は、揚送パイプ5(図1参照)への挿着の際のガイドとなるとともに、後述の受け部材47にハウジング39を挿着容易とする機能を有している。
【0018】図4に示すように、揚送パイプ5の下端部近傍には、揚送ばね7の下端部を揚送パイプ5内に安定的に支持するための受け部材47が設けてある。この受け部材47は、ハウジング39が嵌合する筒部47aと、この筒部の上端につば状に形成してなるフランジ部47bとからなる。筒部47aには、上記のハウジング39が嵌合する穴部47cが設けてある。受け部材47は、このフランジ部47bの外周部を揚送パイプ5内の下端部近傍に固着することにより、ハウジング39を嵌合し、穴部47cでこれを支持可能としてある。筒部47aには、透孔47dが設けてあり、これには揚送パイプ5に取り付けられた止めネジ49の先端が挿通可能となっている。なお、この止めネジ49にはロックナット49aが介在している。受け部材47の下方には、揚送パイプ5の下端部を半円形に切欠してなる掃除口5cが設けてある。
【0019】上述の下部支持手段Dの各構成要素が揃ったところで、これらの各構成要素を揚送パイプ5にセットすると、図3に示すような構造となる。図3に示してあるように、揚送ばね7の下端部は、下部支持手段Dにより安定的に支持されているため、第1に横振れによる横送ばね3との接触が起こらず、第2に圧縮不能となっているため、先端部がベース部6を掘削するような事態も生じないものとなっている。また回転による荷重のラジアル負担及びパチンコ玉等の揚送によるスラスト荷重の負担は、上下のベアリングにより負担し、かつ円滑に回転可能としてあるため、パチンコ玉等の揚送効率を高いものとしている。
【0020】なお、上記の説明は、パチンコ玉の揚送研磨機として構成してあるが、本発明は、パチンコ玉の揚送研磨機に限定される趣旨ではなく、その他の粒状体の研磨機全般に適用可能である。また、下部支持手段も上記以外の構成を採用可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明は、可撓性を有する揚送ばねを用いたパチンコ玉と粒状研磨材とを混合状態で揚送する揚送研磨機において、この揚送ばねを下部支持手段により安定した状態に支持してあるため、運転中に横送ばねとの絡み合いや先端部によるベース面の掘削などを起こさなくなる。また、揚送ばねの下部にコアスパイラルを固着してあることにより、揚送ばねの下部に剛性が付与されるため、揚送ばねの安定的な支持が得られるとともに揚送量の変動が生じにくくなる。このため、揚送ばねの回転が円滑化し、揚送効率を向上させることが可能となる。さらにまた、揚送ばねを揚送パイプに支持する下部支持手段は、揚送ばねの回転を円滑化する他、回転アッセンブリーの採用により組み立て分解が容易な構造となっているため、メンテナンスが容易化する。さらに、回転アッセンブリーのハウジングに下端部ガイドを設ければ、揚送パイプへの揚送ばねの挿着が容易となるため、揚送研磨機の組み立て作業が容易となる。
【出願人】 【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
【住所又は居所】群馬県桐生市広沢町2丁目3014番地の8
【出願日】 平成13年9月10日(2001.9.10)
【代理人】 【識別番号】100104396
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 信昭 (外1名)
【公開番号】 特開2003−79913(P2003−79913A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−273188(P2001−273188)