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【発明の名称】 球移送管の保持部材
【発明者】 【氏名】榎本 宏
【住所又は居所】愛知県名古屋市中川区尾頭橋三丁目20番8号 京楽産業株式会社内

【要約】 【課題】球移送管の径が若干異なる場合にも使用することができ、安価で締め付けを堅固に行うことができる球移送管の保持部材を提供すること。

【解決手段】略コの字形に形成された第1部材1と第2部材2の上側片11、21と下側片12、22に複数の球移送管の挿通孔14、24又は切込み凹部を設け、側面13、23には複数のねじ部品の締結孔15、25を設けて、第1部材1と第2部材2とを嵌合させて挿通孔14、24又は切込み凹部に複数本の球移送管を挿通したうえ、締結孔15、25にねじ部品3を螺入させて第1部材と第2部材を締結することによって、第1部材1と第2部材2の側面13、23をスライド接近させて球移送管を対向する2方向から締め付けて保持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 略コの字形に形成されて相互に嵌合可能な第1部材と第2部材とからなる球移送管の保持部材であって、第1部材と第2部材との上側片と下側片には複数の球移送管の挿通部が設けられ、それらの側面には、嵌合された第1部材と第2部材の側面をスライド接近させて挿通部に挿通された球移送管を締め付けるためのねじ部品の締結孔が複数設けられていることを特徴とする球移送管の保持部材。
【請求項2】 球移送管の挿通部が、列状に配置された挿通孔である請求項1に記載の球移送管の保持部材。
【請求項3】 球移送管の挿通部が、列状に配置された切込み凹部であって、略コの字形に形成された第1部材と第2部材とがその開口部を対向させて嵌合される請求項1に記載の球移送管の保持部材。
【請求項4】 球移送管を複数の当接点でもって締め付けるために、少なくとも球移送管を締め付ける側の挿通部の形状を多角形に形成した請求項1〜3の何れかに記載の球移送管の保持部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球揚送装置と接続されて遊技球を揚送したり、パチンコ島間で球の受け渡しを行う多数本の球移送管を締め付けて保持するための球移送管の保持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にパチンコ店には複数台のパチンコ機が列設されたパチンコ島が幾つか配置されているが、各パチンコ島には、通常、遊技者が遊技を行うに必要な球を各パチンコ機に補給するための球補給装置が備えられている。球補給装置においては、各パチンコ機から排出されたアウト球はパチンコ島下部のアウト球プールタンクに一旦回収され、回収されたアウト球は研磨機で研磨されたのち、球揚送装置によりパチンコ島上部に揚送されて分配通路を介して各パチンコ機に補給される。また、パチンコ島間ではそれぞれのパチンコ島の球数を調整するために球の受け渡しが行われる。
【0003】以上のような球揚送装置により球を揚送したり、パチンコ島間の球の受け渡しを行うに当たっては、球揚送装置と接続されて球を揚送するための球揚送パイプや、パチンコ島間で球の受け渡しを行うための通常の球搬送樋に代わる球搬送パイプなどの球移送管を、多数本並列させた状態で保持部材を用いて固定して揚送や受け渡しを行っていた。従来使用されてきた球移送管の保持部材は、例えば図8に示すように半円形の凹部6を備えた厚さ10mm程度の2つの部材を対向させビス7で締め付けることによって球移送管を挟み込んで固定する構造となっていた。しかしながら、このような構造の保持部材では球移送管の径が凹部6の径より若干でも大きい場合には球移送管を挿着することができず、半円形の凹部6の径を変更して保持部材を作り直さねばならないという問題があった。また、凹部6の寸法が定まったものであるので、径がやや小さい場合には強固に締め付けを行うことができず、従って、締め付け力が弱く球移送管が保持部材内でがたついて、球移送中に振動や騒音を発生させるという問題があった。また、図8に示したような従来の保持部材は鋳造などによって製造されてきたために、製造工程が極めて複雑であるうえに製造に時間を要し、この結果非常にコスト高なものとなっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来の問題点を解決し、球移送管の径が若干異なる場合にも球移送管を堅固に締め付けることができて、しかも製造が容易で安価な球移送管の保持部材を提供するためになされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するためになされた本発明の球移送管の保持部材は、略コの字形に形成されて相互に嵌合可能な第1部材と第2部材とからなる球移送管の保持部材であって、第1部材と第2部材との上側片と下側片には複数の球移送管の挿通部が設けられ、それらの側面には、嵌合された第1部材と第2部材の側面をスライド接近させて挿通部に挿通された球移送管を締め付けるためのねじ部品の締結孔が複数設けられていることを特徴とするものである。なお、球移送管の挿通部を、列状に配置された挿通孔とすることができ、また、球移送管の挿通部を、列状に配置された切込み凹部として、略コの字形に形成され第1部材と第2部材とをその開口部を対向させて嵌合させることができる。さらに、球移送管を複数の当接点でもって締め付けるために、球移送管を締め付ける側の挿通部の形状を多角形に形成することができる。
【0006】本発明の球移送管の保持部材は、略コの字形に形成された第1部材と第2部材の上側片と下側片に複数の球移送管の挿通部を設け、側面には複数のねじ部品の締結孔を設けて、嵌合された第1部材と第2部材との挿通部に複数本の球移送管を挿通したうえ、締結孔にねじ部品を螺入させて第1部材と第2部材を締結することによって、第1部材と第2部材の側面同士がスライド接近するので挿通部が球移送管を対向する2方向から締め付けて堅固に固定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照しつつ本発明の好ましい実施形態を示す。図1は本発明の第1の実施形態の球移送管の保持部材を示す図であって、1は板材が略コの字形に形成された第1部材、2は同じく板材が略コの字形に形成されて、第1部材の内側に嵌合可能な第2部材であり、3は第1部材と第2部材を締結するためのビスなどのねじ部品である。そして、各々の部材の上側片11、21と下側片12、22には球移送管の挿通部としての挿通孔14、24が複数個横一列に設けられており、また、側面13、23にはねじ部品3が螺入される締結孔15、25が複数個設けられている。このような第1部材1及び第2部材2は鋼板などの金属板をコの字形に折り曲げたうえ、挿通孔14、24を切削や型を用いて打ち抜いたりすることによって簡単に製造することができるし、成形型に樹脂などを流しこむことによっても簡単に製造することができる。なお、第1部材1の挿通孔14の側面13側の形状は多角形に形成され、また、第2部材2の挿通孔24の側面23と反対側の形状も多角形に形成されていて、締め付け応力が一点に集中することなく分散されて、締め付け過多による球移送管の変形が起こり難い形状に形成してある。
【0008】このような保持部材を用いて多数本の球移送管4を固定保持するには、図2に示すように、先ず二つの部材の開口部10、20を同一方向に向けて第1部材1の内側に第2部材2を嵌合して、各々の挿通孔14、24の位置がほぼ同一位置になるように組み合わせる。次いで、所要本数の球移送管4を挿通孔14、24に挿通したうえ、ねじ部品3によって第1部材1と第2部材2を締結することによって球移送管4を締付けて保持することができる。
【0009】ねじ部品3を用いて球移送管4を保持する状態を図3〜5により詳細に説明する。図3は第1部材1に第2部材2を嵌合して球移送管4を挿通孔14、24に挿通したうえ、ねじ部品3を締結孔15、25にセットした状態を示す図である。なお、締結孔15は雌ねじの形成されていない単なる貫通孔であるが、締結孔25は雌ねじが形成されたねじ孔である。図3において、ねじ部品3は十分締め付け回転されておらず第1部材1の側面13に第2部材の側面23を十分引きつけた状態とはなっていない。従って、この状態では球移送管4の左右両側には若干の挿通孔14及び24の隙間が残存している。この状態でさらにねじ部品3の締結を進めていくと、図4に示す如く第2部材の側面23が第1部材1の側面13にスライド接近して第2部材2の挿通孔24の一方の側面(図では左側の側面)が球移送管4に当接する。次いで、さらにねじ部品3の締結を進めると、図5に示す如く第2部材の側面23が第1部材1の側面13に一層引き付けられる結果第1部材1の挿通孔14の一方の側面(図では右側の側面)が球移送管4に当接することとなる。従って、球移送管4はその左側面が第2部材の挿通孔24の側面によって締め付けられ、右側面が第1部材の挿通孔14の側面によって締め付けられることとなって、球移送管4を堅固に固定することができる。図5の締結完了状態において、平面図から分かるように球移送管4の左側は多角形が形成された第2部材の挿通孔24により3点締め付けされ、球移送管4の右側は多角形が形成された第1部材の挿通孔14により3点締め付けされるので、球移送管4にかかる応力が分散されて、球移送管4を対向する2方向から変形させることなく堅固に保持することができる。なお、挿通孔14、24は球移送管4の径より若干大きめに設けてあるので、球移送管4が若干大きい場合にも挿通可能である。また、図5に示す締結完了状態において、側面13、23の間には若干の隙間が残存しているので、球移送管4の径が若干小さい場合にも十分な締付けを行うことができる。
【0010】図6はこのような保持部材を2組使用して7本の球移送管を保持した例を示す図であって、球移送管4の下部と中央付近を二組の保持部材によって締め付けたうえ、これを第1部材1に設けた取付孔5にビスなどを装着して球揚送装置などの所要位置に固定することによって、球移送管4をがたつきや振動を生ずることなく保持することができる。
【0011】また、本発明の球移送管の保持部材は、図7に示すように、挿通孔14、24に代えて、開口部10、20側より切込んで形成した切込み凹部16、26を設け、これによって球移送管4を挟み込んでも保持することができる。即ち、第1部材1の上側片11と下側片12に先端形状を角形とした切込み凹部16を設け、一方の第2部材2の上側片21と下側片22にも先端形状を角形とした切込み凹部26を設け、この第1部材1と第2部材の開口部10、20を向き合わせて第2部材2を第1部材1に嵌合したうえ、球移送管4を挿通してねじ部品3により第1部材1の側面13と第2部材の側面23とをスライド接近させることによって、挿通された球移送管4を対向する2方向から締め付けることができる。なお、ねじ部品3の締結孔15、25は隣り合う切込み凹部16、26の中間位置に設けてあるので、ねじ部品3は球移送管4に邪魔されることなく対向する側面13と側面23を締結することができる。なお、既記した第1の実施形態においても第1部材1と第2部材2の開口部10、20を向き合わせて嵌合させても球移送管4を締め付けることができるのは勿論のことである。
【0012】上記した実施形態においては第1部材1、第2部材2に挿通孔14、24、又は切込み凹部16、26の何れかを設けたものであるが、第1部材1、第2部材2の何れかに挿通孔14、24を設け、他方の部材に切込み凹部16、26を設けて、開口部10、20を同一方向に向けて、又は対向させて嵌合することによっても球移送管4を締め付けて固定することができる。また、第1部材1、第2部材2に挿通孔14、24及び切込み凹部16、26を適宜混在させて形成しても同様な効果を得ることができる。
【0013】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の球移送管の保持部材は、略コの字形に形成された第1部材と第2部材の上側片と下側片に複数の球移送管の挿通孔又は切込み凹部を設け、側面には複数のねじ部品の締結孔を設けたので、締結孔にねじ部品を螺入させて第1部材と第2部材を締結することにより、第1部材と第2部材の側面同士をスライド接近させて、挿通孔又は切込み凹部に挿通された球移送管を対向する2方向から締め付けて堅固に保持することができる。また、保持部材の挿通孔又は切込み凹部の形状を多角形として、球移送管を複数の当接点でもって締め付けるようにしたので、締結応力を複数の個所に分散させることができて、球移送管を変形させることなく堅固に保持することができる。また、球移送管の締め付けを対向する2方向から行うようにしたので、球移送管の径が若干大きい場合にも柔軟に対応することができ、新たな保持部材を用意する必要がない。また、径が若干小さい場合にも、第1部材と第2部材をより接近させることにより球移送管を十分締め付けることができ、がたつきや振動を発生させることがない。さらに、保持部材は鋼板などを用いて簡単に製造することができるので、従来よりも軽量化できて、且つコストを大幅に低減できる利点がある。
【出願人】 【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中川区尾頭橋3丁目20番8号
【出願日】 平成13年9月10日(2001.9.10)
【代理人】 【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−79912(P2003−79912A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−273324(P2001−273324)