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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】伊藤 裕造
【住所又は居所】名古屋市中村区烏森町3丁目56番地 株式会社ニューギン内

【要約】 【課題】斬新な演出によって大当り状態を生起し、遊技により高い興趣を持たせることができる遊技機を提供することにある。

【解決手段】第1,第3図柄19,21によるリーチ状態が形成されていない条件下で、第2図柄20を滑り変動させる。そして、第2図柄20の滑り変動が発生したことにより、第1〜第3図柄19〜21(「6,6,4」の組み合わせ)を再び変動させる(図5(b))。また、可視表示部Hには、第2図柄20の滑り変動が発生したことにより大当り状態が生起されることを文字画像INによって報知する。そして、可視表示部Hには、第1〜第3図柄19〜21として「7」が表示されると共に、「7,7,7」の組み合わせが形成されたことにより大当り状態が生起される(図5(c))。従って、滑り変動を契機として大当り状態を生起させるという斬新な演出を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備え、前記可視表示部に識別可能に表示された図柄の組み合わせに関連して遊技が行われる遊技機において、前記図柄を通常の変動態様とは異なる滑り変動させるように前記図柄表示手段を制御する制御手段を備え、前記可視表示部でリーチ状態が形成されていない条件下で、前記図柄が滑り変動した場合に大当り状態を生起させるように構成した遊技機。
【請求項2】 前記制御手段は、前記図柄を滑り変動させた後、前記可視表示部に大当り状態となる図柄の組み合わせを表示させるように前記図柄表示手段を制御する請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】 前記図柄が滑り変動した場合に大当り状態が生起されることを報知する報知手段をさらに備えた請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、遊技機の一種であるパチンコ機は、複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備えている。その具体的なものとしては、例えば、数字図柄や文字図柄(又は絵(キャラクタ)図柄)を液晶画面上に3列表示可能な図柄表示手段が知られている。このような図柄表示手段を備えたパチンコ機では、3列の図柄による図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。そして、該ゲームの結果、可視表示部に3列の図柄が同一の図柄からなる組み合わせを形成して表示された場合(例えば、「7,7,7」の組み合わせ)には、大当り状態が生起されるようになっている。その後、遊技者には、多数の遊技球を獲得できるチャンスが付与されるようになっている。
【0003】また、一般的にパチンコ機では、大当り状態が生起される前段階として、可視表示部に特定の2列の図柄を同一の図柄で表示した、所謂、リーチ状態を形成するようになっている。そして、リーチ状態が形成された段階で、残り1列の図柄を、コマ送り、高速送り又はキャラクタを動作させて表示させるなど様々なリーチ演出が行われている。その後、リーチ演出の結果として、リーチ状態を形成する図柄と同一の図柄が表示されて全列の図柄が同一の図柄となって確定表示された場合には、前述のように大当り状態が生起されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のパチンコ機で行われている図柄組み合わせゲームでは、大当り状態が生起されるまでのプロセスとして、図柄の変動開始(ゲーム開始)→リーチ状態の形成(特定列の図柄が同一)→大当り状態の生起(全列の図柄が同一)という流れが一般的であった。また、大当り状態は、可視表示部に表示された全列の図柄が同一の図柄からなる組み合わせを形成することを前提として生起されるようになっている。
【0005】そのため、遊技者は、可視表示部でリーチ状態が形成されていない場合には、図柄の変動に何ら興味を持つことがなかった。また、リーチ状態が形成された場合には、大当り状態が生起される期待感を持って図柄の変動を見ることができるものの、前述のように、予め決められた前提の中でしか大当り状態が生起される期待感を得ることができなかった。
【0006】この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、斬新な演出によって大当り状態を生起し、遊技により高い興趣を持たせることができる遊技機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備え、前記可視表示部に識別可能に表示された図柄の組み合わせに関連して遊技が行われる遊技機において、前記図柄を通常の変動態様とは異なる滑り変動させるように前記図柄表示手段を制御する制御手段を備え、前記可視表示部でリーチ状態が形成されていない条件下で、前記図柄が滑り変動した場合に大当り状態を生起させるように構成したことを要旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記制御手段は、前記図柄を滑り変動させた後、前記可視表示部に大当り状態となる図柄の組み合わせを表示させるように前記図柄表示手段を制御することを要旨とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記図柄が滑り変動した場合に大当り状態が生起されることを報知する報知手段をさらに備えたことを要旨とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という。)に具体化した一実施形態を図1〜図5に基づき説明する。
【0011】図1に略示するように、パチンコ機10において機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。そして、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付け整合されている。さらに、中枠12の下部には下球皿16、打球発射装置17等が装着されている。また、遊技盤13の遊技領域の略中央には、図柄を可変させて図柄組み合わせゲームを行う図柄表示手段としての図柄表示装置18が配設されている。
【0012】また、遊技盤13の遊技領域の略中央には、図柄表示装置18の下方に図示しないソレノイドにより開閉動作を行う始動入賞口22が配置されている。さらに、始動入賞口22の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口23が配置されている。従って、打球発射装置17の操作により遊技盤13の遊技領域に打球された遊技球が始動入賞口22へ入賞するか、又は、始動保留球数の記憶値に基づき、図柄表示装置18では図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。
【0013】なお、「始動保留球数の記憶値」とは、図柄の変動中に始動入賞口22に入賞した遊技球の数を所定の上限値(一般的には4)の範囲内で記憶した値である。そして、前記記憶値が0(零)の場合には始動入賞口22への遊技球の入賞によって図柄組み合わせゲームが行われると共に、前記記憶値が0(零)以外の場合には当該記憶値に基づき図柄組み合わせゲームが行われる。なお、前記記憶値は、始動入賞口22への遊技球の入賞により+1され、図柄組み合わせゲームの開始により−1される。
【0014】次に、図柄表示装置18の具体的構成について図2に基づき説明する。前記図柄表示装置18には、液晶画面からなる可視表示部Hが設けられており、該可視表示部Hには、図2で示すように複数列(本実施形態では、3列)の第1図柄19、第2図柄20及び第3図柄21が各列毎に表示されるようになっている。なお、「表示」とは、可視表示部Hにおいて遊技者が図柄を識別できる状態で前記図柄が停止していることであり、「停止」には、所謂、ゆれ変動と言われる一旦停止状態と完全に停止した確定停止状態の何れの状態も含まれている。
【0015】また、本実施形態における第1〜第3図柄19〜21は、図2に示すように、配列をなした複数種類(10種類)の数字から構成されている。より具体的には、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9の10種類の数字となっている。そして、可視表示部Hには、第1〜第3図柄19〜21として各列毎に、同一、又は、異なる図柄が表示できるようになっている。従って、遊技者は、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄19〜21の組み合わせの態様から大当り状態、リーチ状態、又は、はずれ状態の何れかの状態を認識することができる。
【0016】例えば、図2に示すように、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄19〜21が同一の図柄(5)である場合には、その組み合わせの態様から大当り状態を認識することができる。また、特定の2列(例えば、第1図柄19と第3図柄21)が同一の図柄(5)である場合には、その組み合わせの態様からリーチ状態を認識することができる。さらに、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄19〜21が全て異なる場合又は1列の図柄がリーチ状態を構成する図柄とは異なった図柄で表示された場合(所謂、はずれリーチ)には、その組み合わせの態様からはずれ状態を認識することができる。
【0017】また、これらの複数種類の図柄(0〜9)は、可視表示部Hにおいて、各列毎に縦方向(図2で矢示する変動方向A)で、・・→0→1→2→・・・→8→9→0→1→・・というように、数字が昇順となる配列で変動表示(スクロール表示)されるようになっている。なお、「変動表示」とは、可視表示部Hにおいて、図柄が一旦停止状態、又は、確定停止状態となって表示されておらず、可視表示部Hに表示する図柄の種類を変化させながら変動していることを言う。そして、可視表示部Hには、各列毎に変動表示されている複数種類の図柄のうち、何れか一つの図柄(この図柄が各々第1〜第3図柄19〜21となる。)が表示されるようになっている。
【0018】一方、パチンコ機10の機裏側には、遊技内容を統括して制御する主制御基板(以下、「主基板」という。)24が装着されている(図1に破線で示す。)。そして、主基板24には、図柄表示装置18に対し図柄制御を実行する制御手段としての図柄制御基板(以下、「図柄基板」という。)25が接続されている(図1に破線で示す。)。この図柄基板25は、主基板24から出力された各種制御信号を入力し、当該制御信号を構成する各種制御コマンドに基づき図柄表示装置18の図柄制御を実行するようになっている。そして、可視表示部Hでは、前記制御コマンドに応じた図柄組み合わせゲームが行われることによって、各列毎に図柄が変動表示された後、第1〜第3図柄19〜21として表示されるようになっている。
【0019】次に、主基板24及び図柄基板25の具体的な構成について図3に基づき詳細に説明する。最初に、主基板24について説明すると、主基板24はパチンコ機10全体を制御するメインCPU26を備えており、該メインCPU26にはROM27及びRAM28が接続されている。そして、ROM27には、パチンコ機10を制御するための遊技制御プログラムが記憶保持されている。また、ROM27には、大当り判定用乱数(0〜630)、大当り図柄乱数(0〜9)、左はずれ図柄乱数(0〜9)、右はずれ図柄乱数(0〜9)、中はずれ図柄乱数(0〜9)が記憶保持されている。さらに、ROM27には、リーチ判定用乱数(0〜59)、変動パターン振分け乱数(0〜49)などの各種乱数や、前述した各種乱数の抽出値に対応する各種制御コマンドが記憶保持されている。
【0020】なお、「変動パターン」とは、第1〜第3図柄19〜21が変動表示を開始してから、前記各図柄19〜21が所定の図柄を確定停止させるまでの間において、変動パターン毎に予め定められた変動時間内における前記各図柄19〜21の動作パターンを示したものである。即ち、変動パターンは、図柄表示装置18で行われる演出に相当するものであって、例えば、リーチ状態となった時に特定の図柄をコマ送り、高速送り又は図柄以外のキャラクタを動作させるなど各図柄19〜21の動作パターンが示されている。
【0021】また、大当り判定用乱数は、始動入賞口22に遊技球が入賞した際に抽出され、その抽出された値によって大当り状態となるか否かを判定するものである。そして、ROM27には、大当り判定用乱数(0〜630)のうち、大当り状態と判定するための所定の大当り値(例えば、7と373)が記憶されており、メインCPU26は、抽出された値が前記大当り値と一致した場合に大当り状態と判定する。
【0022】また、大当り図柄乱数は、大当り判定用乱数から大当り値が抽出された場合に、最終的に確定停止させる図柄を決定するための乱数である。そして、大当り図柄乱数の数値である0(零)〜9は、前述した10種類の図柄に対応している。従って、大当り判定用乱数の抽出によって大当り状態が決定された場合、大当り図柄乱数から抽出された数値に対応する図柄が確定停止する図柄として決定される。
【0023】また、変動パターン振分け乱数は、ROM27に予め記憶された複数種類の変動パターンのうち、何れの変動パターンを用いて第1〜第3図柄19〜21を変動させるかを決定するための乱数である。そして、前記変動パターンは、大当り状態用、リーチ状態用(はずれリーチ用)、はずれ状態用など複数の状態毎に区分してテーブル化されており、該テーブル毎に変動パターン振分け乱数の数値が振分けられている。従って、メインCPU26は、例えば、大当り判定用乱数の抽出によって大当り状態が決定された場合、抽出した変動パターン振分け乱数の数値に対応する変動パターンを大当り状態用の変動パターン振分テーブルから選択する。
【0024】また、RAM28には、始動入賞口22に入賞した遊技球のうち、始動保留球数として記憶した前記記憶値やメインCPU26が演算処理した前記制御コマンドを記憶保持するようになっている。そして、メインCPU26は、図柄表示装置18に対し図柄制御を指示する際、前記制御コマンドなどを制御信号(8ビットの信号MD0〜MD7)として出力ポート29及び出力バッファ30を介して図柄基板25に出力するようになっている。また、メインCPU26は、前記制御信号の出力タイミングに併せて、図柄基板25に対し前記制御信号を構成する制御コマンドの読込みを指示するための読込信号(INT信号、又は、ストローブ信号)を出力ポート29及び出力バッファ30を介して出力するようになっている。
【0025】次に、前記制御コマンドを入力し、該コマンドに基づき図柄表示装置18の図柄制御を実行する図柄基板25の具体的な構成について図3に基づき説明する。前記図柄基板25は、図柄表示装置18に対し図柄制御を実行するためのサブCPU31を備えており、当該サブCPU31には主基板24が出力した制御信号及び読込信号を入力する入力バッファ32が接続されている。さらに、入力バッファ32には入力ポート33が接続されており、前記制御信号は入力ポート33を介してサブCPU31に入力されるようになっている。
【0026】また、サブCPU31には、ROM34及びRAM35が接続されている。そして、ROM34には、図柄表示装置18の図柄制御を行うための制御プログラムや、メインCPU26が選択した変動パターンに対応する具体的な制御内容(第1〜第3図柄19〜21の動作パターン)が記憶保持されている。一方、RAM35には、主基板24から出力された前記制御コマンドなどが記憶保持されるようになっている。
【0027】そして、サブCPU31には、第1〜第3図柄19〜21の動作パターンに応じて、図柄表示装置18(可視表示部H)の表示内容を制御するためのVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)36が接続されている。また、VDP36には、キャラクタROM37及びビデオRAM38が接続されている。そして、キャラクタROM37には、図柄として可視表示部Hに表示される0〜9の画像情報やメインCPU26によって選択された変動パターンに対応する可視表示部Hの表示内容にかかる画像情報などが記憶保持されている。例えば、可視表示部Hの表示内容にかかる画像情報としては、背景画像、文字画像、キャラクタ画像(各種動作画像も含む)などである。
【0028】また、ビデオRAM38には、前記制御コマンドなどに基づきVDP36がキャラクタROM37に記憶されている各種画像情報を用いて生成した可視表示部Hの表示内容を制御するための表示制御情報が記憶保持されるようになっている。そして、VDP36は、前記表示制御情報を画像信号に変換し、図柄表示装置18に対し出力するようになっている。
【0029】従って、図柄基板25(サブCPU31)は、制御コマンドを入力すると、該コマンドに対応する制御内容に基づき、第1〜第3図柄19〜21の変動開始から確定停止までの動作パターンを制御する。一方、VDP36は、前記制御内容に対応する表示制御情報を生成し、該表示制御情報に基づき図柄表示装置18(可視表示部H)の表示内容を制御する。これにより可視表示部Hには、第1〜第3図柄19〜21が表示されると共に、前記各図柄19〜21の動作パターンに応じて可視表示部Hにおける表示内容が制御される。
【0030】次に、このように構成されたパチンコ機10において、変動パターン中に示された本実施形態の特徴的な第1〜第3図柄19〜21の動作パターンについて説明する。なお、以下に説明する変動パターン(第1〜第3図柄19〜21の動作パターン)は、大当り判定用乱数の抽出によって大当り状態と判定された場合に、メインCPU26が大当り状態用の変動パターン振分テーブルから選択した変動パターンである。また、以下の説明では、変動表示されている3列の図柄を左図柄、中図柄、右図柄とし、左図柄の変動表示後に第1図柄19が、中図柄の変動表示後に第2図柄20が、右図柄の変動表示後に第3図柄21が夫々表示されるものとする。
【0031】そして、本実施形態の変動パターンでは、可視表示部Hにおいて変動表示される左図柄、中図柄、右図柄のうち、第2図柄20を表示する中図柄を通常の変動態様とは異なる変動態様で変動させるようになっている。また、本実施形態における「通常の変動態様」とは、図2に示すように、変動方向Aに沿って左図柄及び右図柄を通常の変動速度で変動表示し、該速度よりも低速な変動速度に移行させた後に所定の図柄(第1,第3図柄19,21)を表示する変動態様である。この通常の変動態様によれば、遊技者は、低速な変動速度に移行した段階で第1,第3図柄19,21として表示される可能性のある図柄の種類を予想(認識)することができる。
【0032】一方、本実施形態では、「通常の変動態様とは異なる変動態様」として滑り変動が採用されている。この「滑り変動」は、通常の変動態様と同様に中図柄を通常の変動速度で変動表示し、該速度よりも低速な変動速度に移行させた後、遊技者に恰もその図柄が表示されるかのように見せ掛けた上で中図柄を再び高速な変動速度で変動表示し、所定の図柄(第2図柄20)を表示させる変動態様である。なお、滑り変動においては、滑り変動前に表示される可能性があるとして予想された図柄と滑り変動後に表示された図柄が同一又は異なる場合の何れであっても構わない。
【0033】そして、本実施形態では、可視表示部Hにおいてリーチ状態が形成されていない条件下で、前述した「滑り変動」の発生を契機として大当り状態を生起させるパターンとなっている。より具体的には、第1,第3図柄19,21として表示された図柄によりリーチ状態が形成されていない場合(即ち、第1,第3図柄19,21が異なる図柄の種類である場合)に、第2図柄20の滑り変動を契機として大当り状態を生起させるようになっている。
【0034】そのため、この変動パターンでは、図柄組み合わせゲームにおいて大当り状態が生起されるまでのプロセスが従来のプロセスとは異なり、各図柄(左/中/右)の変動開始→滑り変動の発生→大当り状態の生起という流れとなる。従って、従来とは異なる新たなプロセスによる斬新な演出によって大当り状態を生起させることができる。また、第1〜第3図柄19〜21(全列)が同一の図柄となって確定表示された場合に初めて大当り状態を認識できるという従来の概念自体を打破し、「滑り変動」の発生によって大当り状態が生起されるという新たな概念を作り出している。従って、遊技者は、可視表示部Hにおいてリーチ状態が形成されていない場合でも、滑り変動が発生するか否かという各図柄(左/中/右)の変動自体に興味を持つことができ、パチンコ遊技により高い興趣を持たせることができる。また、従来の一般的なパチンコ機におけるリーチ状態→大当り状態の生起という遊技(プロセス)に慣れ親しんでいる遊技者に対し、驚きを隠せない演出であって、遊技者に強い感動を与える演出を行うことができる。
【0035】以下、滑り変動の発生によって大当り状態が生起されるまでの過程を図4及び図5に基づき詳細に説明する。前記打球発射装置17の操作により遊技盤13の遊技領域に打球された遊技球が始動入賞口22へ入賞するか、又は、始動保留球数の記憶値に基づき、主基板24は、図柄基板25に対し前記制御コマンドを制御信号として出力する。また、図柄基板25は、主基板24が出力した前記制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて3列の各図柄(左/中/右)を変動表示させる(図4(a))。その結果、可視表示部Hでは、各列毎に複数種類の図柄が図2に示した所定の配列順で、変動方向Aに沿って変動表示を行う。また、このとき各列の図柄は、前述した通常の変動速度で変動表示を行っている。
【0036】次に、可視表示部Hでは、各列の図柄の変動表示開始後、所定の時間が経過すると、最初に、第1図柄19を表示する左図柄の変動態様が通常の変動速度から低速な変動速度に移行する。従って、遊技者は、左図柄が低速な変動速度に移行したことにより、第1図柄19として表示される可能性のある図柄の種類を予測することができる。なお、第2,第3図柄20,21を表示する中図柄及び右図柄は通常の変動速度で変動表示を継続している。そして、左図柄が低速な変動速度に移行した後、可視表示部Hには、第1図柄19として「6」が表示される(図4(b))。このとき表示された第1図柄19(「6」)は、一旦停止状態、所謂、ゆれ変動状態となっている。
【0037】次に、可視表示部Hでは、第3図柄21を表示する右図柄の変動態様が通常の変動速度から低速な変動速度に移行する。従って、遊技者は、右図柄が低速な変動速度に移行したことにより、第3図柄21として表示される可能性のある図柄の種類を予測することができる。なお、第2図柄20を表示する中図柄は通常の変動速度で変動表示を継続している。そして、右図柄が低速な変動速度に移行した後、可視表示部Hには、第3図柄21として第1図柄19(「6」)とは異なる「4」が表示される(図4(c))。このとき表示された第3図柄21(「4」)は、ゆれ変動状態となっている。
【0038】この状態において、可視表示部Hには、第1,第3図柄19,21として異なる図柄(「6」と「4」)が表示されたことにより、遊技者は、リーチ状態が形成されなかったことを認識する。従って、遊技者は、リーチ状態が形成されなかったことにより、一旦落胆する。
【0039】次に、可視表示部Hでは、第2図柄20を表示する中図柄の変動態様が通常の変動速度から低速な変動速度に移行する。従って、遊技者は、低速な変動速度に移行したことにより、第2図柄20として表示される可能性のある図柄の種類を予測することができる。このとき、遊技者は、図4(d)の状態において、第2図柄20として「5」が表示され、全列の図柄が全て異なるはずれ状態(「6,5,4」の組み合わせ)が形成されることを予想している。
【0040】そして、図4(d)の状態において、可視表示部Hでは、第2図柄20として「5」が表示される直前(中図柄の変動表示が停止する直前)に、中図柄の滑り変動が発生し、該中図柄が再び変動方向B(=変動方向A)に沿って高速な変動速度で変動表示を開始する。その後、可視表示部Hには、中図柄の滑り変動によって、第2図柄20として、図4(d)の状態で予想できる「5」とは異なる「6」が表示される(図5(a))。
【0041】次に、可視表示部Hでは、中図柄の滑り変動を契機として大当り状態を生起させるために、第1〜第3図柄19〜21(「6,6,4」の組み合わせを形成している。)が再び変動を開始する。そして、その変動開始後、可視表示部Hには、図柄基板25(VDP36)が生成した表示制御情報に基づき、「図柄が滑ったので大当り」という文字画像INが表示される(図5(b))。即ち、可視表示部Hでは、遊技者に遊技内容を理解させるために、図柄が滑り変動を行った場合に大当り状態が生起されることを文字画像INによって報知する。なお、本実施形態において可視表示部Hは、文字画像INを表示するための報知手段に相当する。従って、遊技者は、文字画像INの表示により遊技内容を即座に理解することができると共に、遊技者が感じる今後の展開に対する不安や戸惑いを抑制することができる。
【0042】そして、図5(b)の状態で、各列の図柄(左/中/右)の変動表示開始後、所定の時間が経過すると、可視表示部Hには、第1,第3図柄19,21によるリーチ状態が形成されることなく、第1〜第3図柄19〜21として「7」が表示される。そのため、可視表示部Hでは、「7,7,7」による組み合わせが形成され、該組み合わせによって大当り状態へ発展したことを認識できる。従って、遊技者は、中図柄の滑り変動の発生後、図5(a)の状態で表示されている「6,6,4」の組み合わせが「7,7,7」の組み合わせに移行したことにより、大当り状態へ発展したことをより明確に把握することができる。
【0043】その後、可視表示部Hでは、主基板24が出力した制御コマンドにより、大当り図柄乱数の抽出値に対応する図柄が第1〜第3図柄19〜21として確定表示されると、大当り状態が確定する。そして、遊技者には、大入賞口23の開閉により多数の遊技球を獲得できるチャンスが付与される。
【0044】従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)可視表示部Hにおいてリーチ状態が形成されていない条件下で、第2図柄20を表示する中図柄が滑り変動した場合に、大当り状態が生起されるように構成されている。従って、大当り状態が生起されるまでのプロセスが従来のプロセスとは異なる斬新な演出によって大当り状態を生起させることができる。また、従来における大当り状態が生起されるための概念自体を打破し、新たな概念を作り出している。そのため、遊技者は、可視表示部Hにおいてリーチ状態が形成されていない場合でも、図柄の変動自体に興味を持つことができ、パチンコ遊技により高い興趣を持たせることができる。さらに、従来の一般的なパチンコ機におけるリーチ状態→大当り状態の生起という遊技(プロセス)に慣れ親しんでいる遊技者に対し、驚きを隠せない演出であって、遊技者に強い感動を与える演出を行うことができる。
【0045】(2)また、第1,第3図柄19,21として異なる図柄が表示され、リーチ状態が形成されていない場合でも、中図柄(第2図柄20)の滑り変動の発生によって大当り状態が生起されるようになっている。そのため、遊技者は、リーチ状態が形成されずに落胆した気分から大当り状態へ発展したことにより、一変して強い喜びを得ることができると共に、復活的な印象を得ることができる。さらに、遊技者が思いがけない(予想していない)状況から大当り状態へ発展するため、遊技者が驚きを隠せない演出を行うことができる。
【0046】(3)また、通常の変動態様とは異なる変動態様として滑り変動が採用されている。そのため、遊技者は、通常の変動態様と滑り変動との違いを明確にすることができ、遊技者に分かり易い演出を行うことができる。また、遊技者は、滑り変動の発生によって、自身に有利な状態へ移行するのでないかという強い期待感を持って演出を見ることができる。
【0047】(4)滑り変動の発生後、可視表示部Hには、第1〜第3図柄19〜21として同一の図柄が表示され、同一の図柄による組み合わせが形成されるようになっている。従って、遊技者は、滑り変動の発生によって、大当り状態へ発展したことをより明確に把握することができる。また、同一の図柄による組み合わせが形成されることにより、滑り変動の発生を契機として大当り状態が生起された場合でも、何ら違和感を感じることなく、その演出を楽しむことができる。
【0048】(5)滑り変動の発生後、可視表示部Hにおいて、大当り状態が生起されることを報知している。従って、遊技者は、可視表示部Hの表示内容(文字画像IN)により遊技内容(滑り変動を契機として大当り状態が生起されること)を即座に理解することができる。また、第1〜第3図柄19〜21として表示された図柄が再び変動を開始した場合でも、遊技者が感じる今後の展開に対する不安や戸惑いを抑制することができる。また、遊技中に遊技者の視線が最も多く集中する可視表示部Hにおいて文字画像INを表示することにより遊技内容を報知している。そのため、遊技者は、遊技内容が報知されていることを認識しやすく、より正確に遊技内容を理解することができる。
【0049】なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態では、可視表示部Hに文字画像INを表示することにより遊技者に対し大当り状態が生起されることを報知しているが、その報知の態様は適宜変更することができる。例えば、可視表示部H(図柄表示装置18)とは別に設けた表示器を使って報知を行っても良いし、音声や発光装飾によって報知を行っても良い。
【0050】・前記実施形態では、文字画像INを滑り変動の発生後、第1〜第3図柄19〜21が再び変動を開始した直後に表示しているが、第1〜第3図柄19〜21が再び変動して所定の図柄を表示した後(図5(c)の後)に文字画像INを表示しても良い。また、図4(d)の状態において、第2図柄20を表示する中図柄が滑り変動を開始した直後に文字画像INを表示しても良い。
【0051】・前記実施形態では、第2図柄20を表示する中図柄の滑り変動を契機として大当り状態が生起されるように構成されているが、第1図柄19又は第3図柄21を表示する左図柄又は右図柄の滑り変動を契機として大当り状態が生起されるように構成しても良い。具体的には、第2,第3図柄20,21を表示する中図柄又は右図柄の変動表示中に、第1図柄19を表示する左図柄の滑り変動を契機として大当り状態を生起させるように構成しても良い。また、第1図柄19が表示された後、第2図柄20を表示する中図柄の変動表示中に第3図柄21を表示する右図柄の滑り変動を契機として大当り状態を生起させるように構成しても良い。そして、何れの場合も、可視表示部Hにおいてリーチ状態が形成されていない条件下で滑り変動が発生するようになっている。
【0052】・前記実施形態では、滑り変動として第2図柄20が表示される直前に中図柄を再び変動させているが、第2図柄20を可視表示部Hにおける所定の位置に表示した段階で再び変動させる場合も「滑り変動」に含まれる。なお、「可視表示部Hにおける所定の位置」とは、可視表示部Hに表示された図柄の組み合わせが有効となる図柄組み合わせ有効ライン上である。
【0053】・前記実施形態は、液晶画面からなる可視表示部Hを備えた図柄表示装置18以外の図柄表示装置を備えたパチンコ機10でも同様に適用することができる。例えば、7セグメントLED式、ドットマトリクス式、機械式(ドラム式又はベルト式)などの図柄表示装置を備えたパチンコ機10においても同様に適用することができる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、斬新な演出によって大当り状態を生起し、遊技により高い興趣を持たせることができる。
【出願人】 【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区烏森町3丁目56番地
【出願日】 平成13年9月12日(2001.9.12)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2003−79885(P2003−79885A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−276907(P2001−276907)