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【発明の名称】 遊技機
【発明者】 【氏名】市原 高明
【住所又は居所】愛知県西春日井群西春町大字沖村字西ノ川1番地 株式会社大一商会内

【氏名】矢入 哲也
【住所又は居所】愛知県西春日井群西春町大字沖村字西ノ川1番地 株式会社大一商会内

【要約】 【課題】図柄表示装置自体の構造を変化させることによって、従来にない斬新な表示演出を可能とした遊技機を提供する。

【解決手段】遊技盤10の略中央部には、図柄を表示するための図柄表示装置1が装着されている。図柄表示装置1は3つの表示部で構成され、それぞれの表示部では、遊技者に大当りを報知するための所定の表示態様で図柄を表示することができる。図柄表示装置は、3つの表示部が前後に重なることで最前面に位置する第1の表示部2aのみが遊技者に視認可能とされる縮小配置状態と、第1の表示部2a以外の表示部が上方に移動することで遊技者に視認可能な状態とされる拡張配置状態と、をとることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技球が所定領域を通過又は入賞すると抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段による抽選結果を遊技者に報知するための図柄表示装置と、を備え、前記抽選手段による抽選結果が大当りである場合には、前記図柄表示装置に所定の表示態様で図柄を表示することによって遊技者に大当りであることを報知する遊技機において、前記図柄表示装置は複数の表示部で構成され、それぞれの表示部において前記所定の表示態様で図柄を表示することが可能であり、前記図柄表示装置は、前記複数の表示部が前後に重なることで最前面に位置する表示部のみが遊技者に視認可能な状態とされる縮小配置状態と、最前面に位置する表示部以外の表示部が前記縮小配置状態から移動することで遊技者に視認可能な状態とされる拡張配置状態と、をとることが可能な構成とされている遊技機。
【請求項2】 請求項1に記載の遊技機であって、図柄表示装置は、遊技状態に対応して縮小配置状態と拡張配置状態とに切り換わる遊技機。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の遊技機であって、図柄表示装置が拡張配置状態をとることで複数の表示部が遊技者に視認可能な状態とされ、その複数の表示部に表示された図柄の組み合わせによって所定の表示態様が構成される遊技機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、パチンコ機(雀球機、アレンジボール機等も含む)のような遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技機の一つであるパチンコ機では、パチンコ球が始動口に入球した(入賞した)場合に、図柄表示装置(例えば、特別図柄表示器)に図柄を変動表示させる。そして、変動表示後に停止させた図柄の態様によって、その入賞に対して行われた抽選結果が大当りであるか否かを遊技者に報知している。例えば、抽選結果が大当りである場合には、同じ種類の図柄が3つ揃った大当り図柄配列(例えば「7,7,7」等)を表示して遊技者に大当りを報知している。大当りが報知されると、遊技者にはその後に大当り遊技(大入賞口を一定時間開く等)が付与される。
【0003】このような遊技機では、図柄表示装置に図柄を変動させてから停止させるまでの間において、図柄の変動表示の態様や、背景となるアニメーションの動き等を多様に変化させることによっても、遊技の演出効果を高めることが行われる。しかし、係る従来の遊技機では、図柄の変動表示の態様や、背景となるアニメーション等は変化するものの、図柄表示装置の構造自体は変化しないので、演出効果を高めるためのバリエーションにも限界があり問題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような問題点に鑑みて創案されたものであり、図柄を表示するための図柄表示装置自体の構造を変化させることによって、従来にない斬新な表示演出を可能とした遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決するために各請求項に記載した発明が構成される。請求項1に記載の遊技機によれば、所定領域(例えば入球口や役物装置等)に遊技球が入賞又は通過すると、抽選手段による抽選が行われる。ここでいう「抽選手段」とは、例えば、ROM等に記憶されたプログラムを読み込むことにより、予め定められた手順で各種の演算を行うCPU等により構成される。この抽選手段が例えば乱数を発生させ、この乱数が所定の数であるか否かを判別することによって抽選を行う。抽選手段による抽選結果が「大当り」である場合には、図柄表示装置によって図柄が所定の表示態様で表示される。
【0006】そして、請求項1に記載の遊技機によれば、図柄を表示するための図柄表示装置が複数の表示部で構成される。それぞれの表示部では、遊技者に大当りを報知するための所定の表示態様(例えば「7,7,7」等のゾロ目の図柄配列)で図柄を表示することが可能であり、言い換えれば、いずれか一つの表示部にのみで遊技者に「大当り」であることを報知することが可能となっている。さらに、図柄表示装置は、複数の表示部が前後に重なることで最前面に位置する表示部のみが遊技者に視認可能とされる縮小配置状態と、最前面に位置にする表示部以外の表示部が、縮小配置状態から移動することで遊技者に視認可能な状態とされる拡張配置状態とをとることが可能に構成されている。
【0007】以上に示した構成により、請求項1に記載の遊技機によれば、遊技者に視認可能な表示部の数を場合に応じて増減させることができる。増減させたそれぞれの表示部では、図柄を「所定の表示態様」で表示して、遊技者に「大当り」を報知することができる。これにより、図柄の表示演出のバリエーションが広がるだけでなく、遊技者にとっては、視認可能な表示部の数が増えるにつれて、あたかも「大当り」となる確率が上昇し、「大当り」への期待感が強められるように感じられることになる。
【0008】請求項2に記載の遊技機によれば、図柄表示装置が、遊技状態に対応して縮小配置状態と拡張配置状態とに切り換えられる。ここでいう「遊技状態」とは、例えば、大当りとなるための所定の表示態様(例えば「7,7,7」等の大当り図柄配列)が表示される一歩手前の状態である「リーチ」の状態(例えば「7、7」等)、通常の「リーチ」よりも大当りとなる可能性が高い特別なリーチである「スーパーリーチ」の状態、あるいは、ある「大当り」の遊技が終了した後に、さらに「大当り」となる可能性が通常よりも高くなることが遊技者に報知される「高確率遊技」の状態等が挙げられる。つまり、通常の遊技中とは異なる表示演出等が行われるこれらの遊技状態への移行をきっかけとして、図柄表示装置が縮小配置状態あるいは拡張配置状態に切換えられるので、遊技者にとっては、図柄の表示演出の態様がより分かり易くかつ斬新に感じられることになる。
【0009】請求項3に記載の遊技機によれば、図柄表示装置が拡張配置状態となることで複数の表示部が遊技者に視認可能な状態とされる。そして、その複数の表示部に表示された図柄の組み合わせによっても、大当りを報知するための「所定の表示態様」が構成される。つまり、図柄表示装置を構成する複数の表示部のうち、一つの表示部のみで「大当り」を報知するだけでなく、複数の表示部の組み合わせによって所定の表示態様(例えば「7,7,7」)を構成し、それによっても遊技者に「大当り」を報知することができる。これにより、「大当り」を報知するための表示態様のバリエーションが広がるだけでなく、遊技者にとっては、視認可能な表示部が増加するにつれて、あたかも「大当り」となる確率が上昇するように感じられ、「大当り」への期待感が一層強められることになる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は遊技機の一つであるパチンコ機に対し本発明を適用したものである。
【0011】遊技機としてのパチンコ機、例えば、権利ものとも呼ばれている第3種パチンコ機の遊技盤を正面(前面)で表した図1において、遊技盤10の前面の周縁部には、外レール12と内レール13とを備えた案内レール11が装着されている。この案内レール11の内側には、遊技領域15が区画形成されるとともに、外レール12と内レール13との間には、図示しない球発射装置から発射された球(パチンコ球)を遊技領域15の上部に案内する球発射通路14が形成されている。遊技盤10の遊技領域15には、その略中央部に位置して図柄表示装置1が装着され、図柄表示装置1の左側には電動式普通役物装置21と権利発生装置30(特別入賞装置と呼ばれることもある。)とが上下に隣接してそれぞれ装着されている。さらに、遊技盤10の遊技領域15には、図柄表示装置1の直下及びその右側に位置して普通入賞口20が配設され、図柄表示装置1の左側下部には特定入賞口26が配設されている。
【0012】図1に示すように、電動式普通役物装置21には、可変入球口22aを大小に変化させる一対の開閉部材22が組み付けられている。これら一対の開閉部材22は、モータ、ソレノイド等の電動アクチュエータを駆動源とし開閉動作されるようになっている。また、電動式普通役物装置21の下方に隣接して設けられた権利発生装置30には、所望とする装飾が施された前装飾部材が前面に装着されている。その前装飾部材を取り外した権利発生装置30の内部は、図2に示すように構成されている。
【0013】図2に示すように、前装飾部材を取り外した権利発生装置30の内部には、球通路137を構成するための球通路構成部材139が立設されている。球通路137の上流側には、可変入球口22aに入球し、球通路137を通過する球を検出して主制御装置に球検出信号を出力する球検出器138が設けられており、球通路137の下流側には、モーター等の駆動源により回転し、球通路137を通過してきた球Bを特定領域147と非特定領域148とに振り分けるための回転体である可動振分体145が配設されている。可動振分体145は、その外周面の球受け部146が下向きに開口して待機するとともに、球通路137の下流部には、可動振分体145の外周面上に保留された球Bを検出する球検出器138が設けられている。そして、図2の(A)に示すように、球通路137を流れる球Bは可動振分体145の外周面上に保留される。これと略同時に球検出器138によって球Bが検出される。すると、球Bの検出信号が主制御装置に伝達され、その主制御装置から出力される信号に基づいて図柄表示装置1の表示部2に抽選図柄が変動表示されるようになっている。ここで、図柄表示装置1の表示部2に表示された抽選図柄が、例えば、「大当り図柄配列」を表示した状態で停止すると、可動振分体145が、図2の(A)に向かって時計回り方向に回転する。すると、まず、図2の(B)に示すように、可動振分体145の外周面上に保留された球Bが球受け部146に受けられる。引き続く可動振分体145の回転動作によって、図2の(C)に示すように、球受け部146の球Bが特定領域147に放出され、その下流側に配設された球検出器(図示しない)に球Bが検出されて、大当りの権利が発生するようになっている。
【0014】前述したように、遊技盤10の遊技領域15には、図柄表示装置1の左側下部(図1に向かって左側下部)に位置して特定入賞口26が装着されている。この特定入賞口26には、その入球口に流入した球を検出する球検出器26aが設けられている。この球検出器26aの検出信号に基づいて、電動式普通役物装置21の一対の開閉部材22が所定時間(例えば、0.5秒)開放された後、元の状態に閉じられるようになっている。また、遊技盤10の遊技領域15には、図柄表示装置1の右側(図1に向かって右側)に位置して第3種始動口70が装着されている。
【0015】図3は、第3種始動口70の正面図であり、図4は、図3における第3種始動口70のA−A線断面図である。図3及び図4に示すように、第3種始動口70は、その本体部71において遊技盤10の前面にビス等によって装着されている。本体部71は、前構成部材72と後構成部材78との2部品を主体として構成されている。前構成部材72は、遊技盤10の前面にビス等によって取り付けされる取付部と、その取付部から前方に突出しかつ遊技領域15を流れる球Bが流入可能な開口部76を有する入球室73の内周壁を構成する周壁部74と、その周壁部74の前面及び周縁部を覆うようにして設けられた装飾性を有する覆い部75と、を一体に備えている。また、この実施の形態において、入球室73の開口部76を横向(図3に向かって右向き)に開口するために、周壁部74が略C字状に形成されている。また、入球室73の下部には後述する回転体90の外周面と協働して球Bを保留する球保留部77が形成されている。
【0016】前構成部材72の後側には、後構成部材78が一体化されて設けらている。この後構成部材78には、入球室73の奥側に位置しかつ球Bが流入可能な入球口80を有する球通路81が形成されている。この球通路81の排出口84は、遊技盤10の後側に設けられた裏集合樋に連通するようになっている。また、球通路81の排出口84には、その排出口84を通過する球Bを検出する球検出器85が設けられている。また、球通路81の所定位置には、次に述べる回転体90の吸着部92に吸着された球Bを回転体90から分離し、その球Bを球通路81の排出口84に向けて放出する球分離部83が形成されている。この実施の形態において、図4に示すように、球通路81の周壁部のうち、底壁部を構成する傾斜状の底板部82の先端部が回転体90の外周面に接近して臨んでおり、当該底板部82の先端部を球分離部83としている。
【0017】図4に示すように、後構成部材78の前部には、入球室73と球通路81とに跨った状態で回転体90が横方向の軸を中心として回転可能に組み付けられている。言い換えると、回転体90の外周面によって、入球室73の奥側壁部と球通路81の入球口80の下側壁部とが構成されている。また、回転体90は、入球室73の球保留部77の球Bを入球口80を通して球通路81に沿って移送するためのもので、モータ等の電動アクチュエータを駆動源として一方向(図4に向かって時計回り方向)に所定速度で連続回転されるようになっている。そして、回転体90の外周面の一部には、球Bを磁力によって吸着する吸着部92が同回転体90の外周面よりも凹んだ位置に設けられている。
【0018】この実施の形態において、図4に示すように、回転体90の外周面の一箇所に、磁石91(永久磁石)が埋め込み状に設けられ、その磁石91の一側面を吸着部92としている。そして、図5に示すように、回転体90の吸着部92が入球口80に位置するときには、その入球口80に対し1球のみ球Bの流入を許容し、回転体90の吸着部92以外の外周面が入球口80に位置するときには、球Bの流入を阻止するように、入球口80の大きさ並びに回転体90の外周面に対する吸着部92の凹み形状がそれぞれ設定されている。例えば、球Bの直径寸法をD、回転体90の吸着部92が入球口80に位置したときの吸着部92から入球口80の上端部間での開口寸法をW1、回転体90の吸着部92以外の外周面が入球口80に位置したときの回転体90の外周面から入球口80の上端部間での開口寸法をW2とした場合、W1>D>W2の関係となるように、球Bの直径寸法D、開口寸法W1及び開口寸法W2が適宜に設定されている。ちなみに、この実施の形態において、球Bの直径寸法Dが11mmである場合、開口寸法W1は12mm、開口寸法W2は10mmに設定されている。
【0019】図1に示すように、遊技盤10の遊技領域15には、第3種始動口70の直下に位置して大入賞口62とその大入賞口62を開閉する開閉扉61を備えた大入賞口装置60が装着されている。また、遊技盤10の遊技領域15には、球Bを所定方向に誘導したり、あるいは球Bの流れを変化させる多数の釘や風車器25が適宜に配設されている。また、遊技盤10の遊技領域15には、その遊技領域15の図1に向かって右側上部に打ち出された球Bのうち、多くの球Bを大入賞口装置60の大入賞口62に導くとともに、その球Bのうち、一部の球Bを第3種始動口70の入球室73の開口部76に導くように複数の誘導釘100が適宜に配設され、これら複数の誘導釘100によって誘導手段が構成されている。また、遊技盤10の遊技領域15には、普通入賞口20の下方でその遊技領域15の最下端に位置してアウト口65が形成されている。
【0020】前述したように、遊技盤15には、複数の抽選図柄(特別図柄ともいう)を表示可能な図柄表示装置1が略中央部に装着されている。図柄表示装置1は3つの表示部を主体として構成されており、図1に向かって最前面に位置する第1の表示部2aと、第1の表示部2aよりも後部側に位置する第2の表示部2bと、最後部に位置する第3の表示部2cとを備えている。この図柄表示装置1は、遊技盤10の正面に着座した遊技者等から見て、第1の表示部2aのみが視認可能な状態とされる縮小配置状態と、第1の表示部2a及び第3の表示部2cのみが視認可能な状態とされる第1の拡張配置状態と、第1〜第3の表示部2a、2b、2cすべてが視認可能な状態とされる第2の拡張配置状態とをとることができる。なお、図1に示す図柄表示装置1は、第1〜第3の表示部2a、2b、2cが遊技者に視認可能な状態とされた第2の拡張配置状態をとっている。
【0021】図6は、縮小配置状態をとった図柄表示装置1の正面図であり、図7は、縮小配置状態をとった図柄表示装置1の側面図である。図6及び図7に示すように、縮小配置状態をとった図柄表示装置1では、第1〜第3の表示部2a、2b、2cが前後に重なって順番に配置され、最前面に位置する第1の表示部2aの図柄のみが遊技者に視認されるようになっている。ここで、本実施の形態においては、第1〜第3の表示部2a、2b、2cとして、7セグメントLEDにより「0」から「9」までの数字を表示できる表示器が用いられる。第1〜第3の表示部2a、2b、2cでは、「0」から「9」までの数字がそれぞれ3桁で表示され、「大当り」である場合には3桁の数字がゾロ目で表示されるようになっている(例えば、「7,7,7」、「3,3,3」等)。
【0022】図6及び図7に示すように、第1〜第3の表示部2a、2b、2cは、遊技盤10の表面を構成するパネル6を貫通して内部に埋め込まれたケース部材7の内部に配設されており、第1〜第3の表示部2a、2b、2cを左右から囲うケース部材7の側壁部7aには、2本のガイド溝4a、4bが上下方向に設けられている。また、図6及び図7に示すように、第2の表示部2b、及び、第3の表示部2cの左右の側面には、それぞれにガイドピン3a、3bが突き出し状に2本ずつ設けられている。第2の表示部2bの左右の側面に設けられたガイドピン3aは、ガイド溝4aを貫通しており、第3の表示部2cの左右の側面に設けられたガイドピン3bは、ガイド溝4bを貫通している。そして、ガイドピン3aがガイド溝4aにガイドされることによって、第2の表示部2bがガイド溝4aに沿って上下方向にスライドするようになっている。同じように、ガイドピン3bがガイド溝4bにガイドされることによって、第3の表示部2cがガイド溝4bに沿って上下方向にスライドするようになっている。
【0023】図7に示すように、第1の表示部2aの上端部の裏面側(図6を正面から見たときの裏面側)には、係合部5aが一体状に設けられて突出している。同じように、第2の表示部2bの上端部の裏面側には、係合部5bが一体状に設けられて突出している。また、第2の表示部2bの表面側には、下端部から全長の約1/4だけ上方に位置して、係合部5aを受けるための係合受部8aが一体状に設けられて突出している。同じように、第3の表示部2cの表面側には、下端部から全長の約1/4だけ上方に位置して、係合部5bを受けるための係合受部8bが一体状に設けられて突出している。係合部5a、5b、及び、係合受部8a、8bは、それぞれが表示部2の横方向に沿って平行に延設されており、まず、第3の表示部2cが上方向にスライドすると、係合部5bと係合受部8bとがほぼ接触した状態となり、図柄表示装置1は図8及び図9に示すような第1の拡張配置状態をとるようになっている。
【0024】図8は、第1の拡張配置状態をとった図柄表示装置1の正面図であり、図9は、第1の拡張配置状態をとった図柄表示装置1の側面図である。図8及び図9に示すように、第1の拡張配置状態における図柄表示装置1では、第1の表示部2a、及び、第2の表示部2bが重なって配置され、最前面に位置する第1の表示部2aに表示される図柄のみが遊技者に視認可能とされる。ただし、最も後面側に位置する第3の表示部2cは上方向に移動しており、その第3の表示部2cに表示される図柄も遊技者に視認可能とされている。第2の表示部2bの裏面側に設けられた係合部5bと、第3の表示部2cの表面側に設けられた係合受部8bとがほぼ接触した第1の拡張配置状態において、第3の表示部2cがさらに上方向へスライドを続けると、係合部5bが係合受部8bに持ち上げられ、第2の表示部2bが上方向へスライドを開始するようになっている。すると、第1の表示部2aの裏面側に設けられた係合部5aと、第2の表示部2bの表面側に設けられた係合受部8aとがほぼ接触した状態となり、図柄表示装置1は図10及び図11に示すような第2拡張配置状態をとるようになっている。
【0025】図10は、第2の拡張配置状態をとった図柄表示装置1の正面図であり、図11は、第2の拡張配置状態をとった図柄表示装置1の側面図である。図10及び図11に示すように、第2の拡張配置状態における図柄表示装置1では、第1〜第3の表示部2a、2b、2cが階段状に配置され、それぞれの表示部に表示された図柄が遊技者に視認可能な状態とされる。つまり、第2の拡張配置状態における図柄表示装置1では、数字(図柄)が3桁の状態で第1〜第3の表示部2a、2b、2cにそれぞれ表示され、合計9つの数字が表示されるようになっている。
【0026】図12は、縮小配置状態をとった図柄表示装置1の背面図である。図12に示すように、第3の表示部2cの裏面側には、2本の支持シャフト9が遊技盤10の背面側に向かって略垂直に設けられており、この支持シャフト9の先端部は支持体200に連結されている。支持体200は横長楕円状に形成された板状部材であり、略水平に配設され、水平方向略中央部からは下向きにラック201が延設されている。ラック201にはピニオン202が噛み合っており、ピニオン202はギアードモータ203の駆動軸に対して同軸に設けられている。ケース部材7の後壁部7bには、上下方向に2本の支持シャフト用ガイド溝204が 形成されており、第3の表示部2cの裏面側に設けられた2本のシャフト9はこの支持シャフト用ガイド溝204を貫通して支持体200に連結され、この2本の支持シャフト用ガイド溝204にガイドされて上下に移動するようになっている。ギアードモータ203はビス止めによってケース部材7の後壁部7bに固定されている。ギアードモータ203の駆動軸が駆動されると、ピニオン202がいずれか一方向に回転し、ピニオン202に噛み合っているラック201が上下いずれかの方向に作動されるようになっている。これにより、ラック201と一体状に構成された支持体200が上下方向に作動され、第3の表示部2cが2本の支持シャフト9によって略水平に支持されながら上下に移動するようになっている。前述したように、第3の表示部2cが上方向に移動すると、係合受部8bによって係合部5bが上方に持ち上げられ、第2の表示部2bが上方向に移動するようになっている。第3の表示部2cがさらに上方向に移動すると、係合受部8aによって係合部5aが上方に持ち上げられ、第1の表示部2aが上方向に移動するようになっている。つまり、第3の表示部2cのみを上下に作動させることによって、第2の表示部2bも上下に作動させることができるので、本実施の形態では、これらを作動させるための駆動源を1つしか必要としていない(本実施の形態では1つのギアードモータ203しか必要としていない)。
【0027】通常の遊技状態では、第1〜第3の表示部2a、2b、2cは前後に重なって配置されており、図柄表示装置1は図6及び図7に示すような縮小配置状態をとっている。縮小配置状態をとった図柄表示装置1では、最前面に位置する第1の表示部2aのみが遊技者に視認可能とされており、第1の表示部2aには3桁の数字が表示されてラインL1が構成されている。つまり、このラインL1上に「7,7,7」等の「大当り図柄配列」が表示されれば、遊技者に「大当り」であることを報知したことになる。
【0028】本実施の形態に係るパチンコ機では、図柄表示装置1が縮小配置状態から第1の拡張配置状態あるいは第2の拡張配置状態をとることにより、「7,7,7」等の「大当り図柄配列」が表示されるラインの数が増減するように構成されている。例えば、第1の拡張配置状態をとった図柄表示装置1では、図8に示すように、第1の表示部2aに横向きのラインL1が構成され、第3の表示部2cにも横向きのラインL3が構成される。つまり、この2つのラインであるラインL1もしくはラインL3上に「7,7,7」等の大当り図柄配列が表示されれば、遊技者に「大当り」であることを報知したことになる。例えば、第2の拡張配置状態をとった図柄表示装置1では、図10に示すように、第1の表示部2aにラインL1が構成され、第2の表示部2bにラインL2が構成され、第3の表示部2cにラインL3が構成される。つまり、この3つのラインであるラインL1、ラインL2、もしくはラインL3上に「7,7,7」等の大当り図柄配列が表示されれば、遊技者に「大当り」であることを報知したことになる。さらに、本実施の形態では、第1〜第3の表示部2a、2b、2cに跨って斜め方向にラインが構成され、その斜め方向のライン上に「大当り図柄配列」を表示することが可能に構成されている。例えば、第2の拡張配置状態をとった図柄表示装置1では、図10に示すように、第1〜第3の表示部2a、2b、2cに跨って、3桁の数字を表示可能なラインL4及びラインL5が斜め方向に構成されている。つまり、第2の拡張配置状態における図柄表示装置1の表示部2には、ラインL1〜ラインL5までの5つのラインが構成されており、いずれかのライン上に「7,7,7」等の大当り図柄配列が表示されれば、遊技者に対して「大当り」を報知したことになる。
【0029】また、図柄表示装置1は、遊技状態の変化をきっかけとして、縮小配置状態から第1の拡張配置状態あるいは第2の拡張配置状態へ変化するように構成されている。ここでいう「遊技状態」とは、例えば、 「7,7,7」等の大当り図柄配列が表示される一歩手前の状態である「リーチ」の状態(例えば「7、7」等)、通常の「リーチ」よりも大当りとなる可能性が高い特別なリーチである「スーパーリーチ」の状態、「スーパーリーチ」よりもさらに大当りとなる可能性が高い特別なリーチである「プレミアムリーチ」の状態、あるいは、ある「大当り」の遊技が終了した後に、さらに「大当り」となる可能性が通常よりも高くなることが遊技者に報知される「高確率遊技」の状態等が挙げられる。つまり、通常の遊技状態とは大当り確率等が異なるこれらの特別な遊技状態への移行をきっかけとして、図柄表示装置1が縮小配置状態から第1の拡張配置状態あるいは第2の拡張配置状態に切換えられるので、遊技者にとっては、遊技状態の変化を、図柄表示装置1の構造的な変化によって視覚的に分かり易く把握することが可能となっている。
【0030】そして、本実施の形態に係るパチンコ機によれば、図柄表示装置1の配置状態の変化により、ラインの数が、ラインL1〜ラインL5までの間で変化する。これにより、遊技者に対して「大当り」となる確率が変化しているように感じさせることができる。例えば、図柄表示装置1が図6に示すような縮小配置状態をとっているときには、ラインL1上にしか3桁の数字を表示することができない。つまり、「7,7,7」等の大当り図柄配列をラインL1上にしか表示することができないので、遊技者に対して「大当り」となる確率があまり高くないと感じさせることができる。例えば、図柄表示装置1が図8に示すような第1の拡張配置状態をとっているときには、ラインL1及びラインL3に、3桁の数字を表示することができる。つまり、「7,7,7」等の大当り図柄配列を2つのライン上に表示することができるので、遊技者に対して、縮小配置状態よりも「大当り」となる確率が高いと感じさせることができる。例えば、図柄表示装置1が図10に示すような第2の拡張配置状態をとっているときには、ラインL1〜ラインL5に3桁の数字を表示することができる。つまり、「7,7,7」等の大当り図柄配列を5つのライン上に表示することができるので、遊技者に対して、縮小配置状態あるいは第1の拡張配置状態よりも「大当り」となる確率が高いと感じさせることができる。
【0031】図14は、本実施の形態に係るパチンコ機の主制御装置101の概略構成を示すブロック図である。図14に示すように、前述した各種の球検出器138、26a、85は、パチンコ機の主制御装置101に電気的に接続されている。主制御装置101は主制御基板とも呼ばれるものであり、CPU、RAM、ROM等の制御処理に必要な部品を基板上に一体に備えて構成されている。そして、各種の球検出器138、26a、85によって球Bがそれぞれ検出されると、その検出信号は、主制御装置101にそれぞれ伝達される。そして、これらに対応して主制御装置101から出力される信号によって、各種のモータ、ソレノイド等が作動され、電動式普通役物装置21の一対の開閉部材22の開閉動作が行われたり、あるいは、可動振分体145の回転動作が行われたり、あるいは、大入賞口装置60の開閉扉61の開閉動作が行われたりするようになっている。また、主制御装置101は図柄表示装置1にも接続されており、図柄表示装置1に対して所定の表示制御信号を伝達できるように構成されている。
【0032】次に、上述のように構成されたパチンコ機によるパチンコ遊技について説明する。まず、図示しない球発射装置から球発射通路14に発射された球B(パチンコ球)は、遊技領域15の上部に打ち出され、多数の釘や風車器25等に当たって遊技領域15の下部に向けて流れる。遊技領域15に打ち出された球Bのうち、一部の球Bは普通入賞口20、特定入賞口26、電動式普通役物装置21等の入球口に流入する。また、これら入球口に流入しなかった球Bは遊技領域15の下部のアウト口65に流入し、機外に排出される。
【0033】特定入賞口26の入球口に球Bが流入すると、その球Bが球検出器26aによって検出される。すると、球検出器26aの検出信号が主制御装置101に伝達される。これに基づいて主制御装置101から出力される信号が電動式普通役物装置21に伝達され、これによって、一対の開閉部材22が所定時間(例えば、0.5秒)開放された後、元の状態に閉じられる。電動式普通役物装置21の一対の開閉部材22が開放している間は、その可変入球口22aに球Bが流入し易くなる。電動式普通役物装置21の可変入球口22aに球Bが流入すると、その球Bは、権利発生装置30内部の球通路137に流れる。この際、球検出器138によって球Bの通過が検出され、球検出器138による検出信号が主制御装置101に伝達される。このとき、球通路137を通過した球Bは、可動振分体145の上部に保留される(図2(A)参照)。
【0034】球Bが電動式普通役物装置21の可変入球口22aに入球し、球検出器138による検出信号が主制御装置101に伝達されると、主制御装置101による抽選が行われる。具体的には、まず、主制御装置101に備えられたCPUによって乱数発生のためのプログラムが実行され、発生した乱数がRAMに一時的に記憶される。この乱数は、可変入球口22aへの入球に対する抽選結果が「大当り」であるか否かを判定するための大当り判定用乱数であって、この大当り判定用乱数が所定の数であるか否かによって「大当り」であるか否かの判定が行われる。乱数を発生したり、発生した乱数によって「大当り」を判定するためのプログラムは、予め主制御装置101に備えられたROMに記憶されており、このROMに記憶されたプログラムがCPUによって読み込まれた後に必要に応じて実行されるようになっている。
【0035】また、球Bが電動式普通役物装置21の可変入球口22aに入球し、球検出器138による検出信号が主制御装置101に伝達されると、主制御装置101による抽選が行われるのと略同時に、図柄表示装置1に抽選図柄が変動表示される。そして、主制御装置101による抽選結果が「大当り」である場合には、図柄表示装置1に「大当り図柄配列」が停止表示され、遊技者に「大当り」であることが報知される。「大当り図柄配列」とは、遊技者に「大当り」を認識させるための表示態様であって、例えば、3桁の数字が「7,7,7」や「3,3,3」等のゾロ目となる表示態様のことである。この「大当り図柄配列」が、本発明における「所定の表示態様」に対応している。本実施の形態では、次の(1)及び(2)に示す2通りの態様で、抽選結果に応じた図柄の変動表示が図柄表示装置1によって行われる。
【0036】(1)まず、図6に示すように、第1の表示部2aの左図柄及び右図柄が停止表示され、ラインL1上に「7,↓,7」(「↓」は変動表示中を意味する)の「リーチ図柄配列」が表示される。このとき、第1の表示部2aの中図柄は変動表示中であり、いずれの数字であるか識別できない態様で、高速で点滅表示されている。このように、「7」のゾロ目でリーチになった場合には、通常よりも大当りとなる確率が高い「スーパーリーチ」に移行する可能性がある。「スーパーリーチ」では、図柄表示装置1は図6に示す縮小配置状態から、図8に示す第1の拡張配置状態へ切換えられる。第1の拡張配置状態に切り換えられた図柄表示装置1において、図8に示すように、ラインL1上 には「7,↓,7」のリーチ図柄配列がそのまま表示される。また、第3の表示部2cの左図柄及び右図柄が停止表示され、ラインL3上にも「7,↓,7」の「リーチ図柄配列」が表示される。このとき、第3の表示部2cの中図柄は変動表示中であり、いずれの数字であるか識別できない態様で、高速で点滅表示されている。つまり、ラインL1及びラインL3上に「7」のリーチライン(リーチ図柄配列「7,↓,7」が表示されたライン)が1つずつ形成されているので、第1の表示部2aもしくは第3の表示部2cの中図柄に「7」が停止表示されれば、「7,7,7」の大当り図柄配列が表示されることになる。このような状態をダブルリーチ状態といい、大当り図柄配列を表示可能なラインが複数形成されることで、遊技者に対してより一層の期待感を抱かせることができる。そして、第1の表示部2a及び第3の表示部2cに「7,↓,7」のリーチ図柄配列が表示されると、両表示部の中図柄が、視認できる程度にゆっくりと、1,2,3…の順に上から下に向かってあたかも移動するように表示されるようになる。つまり、例えば、第3の表示部2cの中図柄に「7」が表示されると、次の瞬間には同表示部の中図柄に「8」が表示され、同時に、第1の表示部2aの中図柄に「7」が表示される。さらに次の瞬間には、第3の表示部2cの中図柄に「9」が表示され、第1の表示部2aの中図柄には「8」が表示される。このようにして図柄がゆっくりと上から下に向かって移動するように表示された後、第1の表示部2a及び第3の表示部2cのいずれかの表示部の中図柄に「7」が停止表示されれば、「7,7,7」の大当り図柄配列が表示されて遊技者に「大当り」を報知したことになる。反対に、第1の表示部2a及び第3の表示部2cのいずれの表示部の中図柄にも「7」が停止表示されなければ、遊技者に「はずれ」を報知したことになる。なお、上述の説明では、第1の表示部2aと第3の表示部2cの中図柄が互いに協調して、1,2,3…の順に上から下に移動するように表示される例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、第1の表示部2aと第3の表示部2cの中図柄が関連性を持たない態様で変動表示され、その後、別々のタイミングで停止表示されるようにしてもよい。
【0037】(2)また、図柄表示装置1による別の変動表示の態様として、まず、図6に示すように、第1の表示部2aの左図柄及び右図柄が停止表示され、ラインL1上に「7,↓,7」(「↓」は変動表示中を意味する)の「リーチ図柄配列」が表示される。このとき、第1の表示部2aの中図柄は変動表示中であり、いずれの数字であるか識別できない態様で、高速で点滅表示されている。このように、「7」のゾロ目でリーチになった場合には、前記した「スーパーリーチ」の他に、「スーパーリーチ」よりもさらに大当りとなる確率が高い「プレミアムリーチ」に移行する可能性がある。「プレミアムリーチ」では、図柄表示装置1は図6に示す縮小配置状態から、図10に示す第2の拡張配置状態へ切換えられる。第2の拡張配置状態に切り換えられた図柄表示装置1において、図10に示すように、ラインL1〜ラインL3上に「7,↓,7」のリーチ図柄配列が表示される。このとき、図柄表示装置1の表示部2には、ラインL1〜ラインL3上に3つの「リーチ図柄配列」が表示される。このような状態をトリプルリーチ状態といい、大当り図柄配列を表示可能なラインが第1の拡張配置状態よりも更に増えることで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせることができる。そして、第1〜第3の表示部2a、2b、2cに「7,↓,7」のリーチ図柄配列が表示されると、それらの表示部の中図柄が、視認できる程度にゆっくりと、1,2,3…の順に上から下に向かってあたかも移動するように表示される。つまり、例えば、第3の表示部2cの中図柄に「7」が表示されると、次の瞬間には同表示部の中図柄に「8」が表示され、同時に、第2の表示部2bの中図柄に「7」が表示され、第1の表示部2aの中図柄に「6」が表示される。さらに次の瞬間には、第3の表示部2cの中図柄に「9」が表示され、第2の表示部2bの中図柄に「8」が表示され、第1の表示部2aの中図柄に「7」が表示される。このようにして、図柄がゆっくりと上から下に向かって移動するように表示された後、第1〜第3の表示部2a、2b、2cのうち、いずれかの表示部の中図柄に「7」が停止表示されれば、ラインL1〜ラインL3のうち少なくとも1つのライン上に「7,7,7」の大当り図柄配列が形成されて、遊技者に「大当り」を報知したことになる。反対に、第1〜第3の表示部2a、2b、2cのいずれの表示部の中図柄にも「7」が停止表示されなければ、大当り図柄配列は形成されないので、遊技者に「はずれ」を報知したことになる。なお、上述の説明では、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの中図柄が互いに協調して、1,2,3…の順に上から下へ移動するように表示される例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの中図柄が関連性を持たない態様で変動表示されて、その後、互いに異なるタイミングで別個に停止表示されるようにしてもよい。
【0038】主制御装置101による抽選結果が「大当り」である場合には、ラインL1〜ラインL5のうち少なくとも一つのライン上に大当り図柄配列が停止表示され、遊技者に「大当り」であることが報知される。そして、権利発生装置30の可動振分体145が時計回り(図2に向かって時計回り)に回転し、球受け部146に球Bが受けられる。可動振分体145のさらなる回転により球Bは特定領域147に流れ、その特定領域147の下流側に配設された球検出器によって球Bが検出されることで「大当り」が確定する。また、主制御装置101による抽選結果が「大当り」以外の「はずれ」である場合には、ラインL1〜ラインL5には「大当り図柄配列」が停止表示されず、遊技者に「はずれ」であることが報知される。そして、権利発生装置30の可動振分体145が反時計回り(図2に向かって反時計回り)に回転し、球受部146に球Bが受けられる。可動振分体145のさらなる回転により球Bは非特定領域148に流れ、球Bはそのまま権利発生装置30から排出される。
【0039】前記大当りが確定した後、遊技領域15を流れる球Bが第3種始動口70の開口部76を通して入球室73に流入すると、図4に示すように、球Bは、一旦、球保留部77に保持される。第3種始動口70の回転体90は、パチンコ機の電源スイッチがONされると同時に、一方向(図4に向かって時計回り方向)に所定速度、例えば、10秒間に1回転の速さで連続回転する。回転体90の吸着部92が球保留部77に達すると、その球保留部77の球Bが回転体90の吸着部92に吸着される。引き続く回転体90の回転動作によって、その吸着部92に吸着された球Bが入球口80を通して球通路81に沿って移送される。回転体90の吸着部92に吸着された球Bが球分離部83に達すると、その後の回転体90の回転動作によって回転体90の吸着部92から球Bが分離する。その後、球Bは球通路81の底板部82の傾斜面を流下し、排出口84を通して遊技盤10の後側に設けられた裏集合樋に流れる。
【0040】球通路81の排出口84を通過する球Bが球検出器85によって検出されると、その検出信号が主制御装置101(主制御基板)に伝達される。これに基づいて主制御装置101から出力される信号が大入賞口装置60に伝達され、その開閉扉61によって大入賞口62が開かれる。開かれた大入賞口62へ球Bが流入すると、所定数の賞球の払出しが行われる。大入賞口62に球Bが最大で10個流入するか、あるいは、30秒経過すると、開閉扉61によって大入賞口62が閉じられ、ここで大当り遊技の1ラウンドが終了する。1ラウンド中に大入賞口62に流入した球Bの数は、大入賞口装置60の下部に設けられた入賞球カウンタ64によって表示される。開閉扉61によって大入賞口62が一旦閉じられた後、再び、球通路81の排出口84を通過する球Bが球検出器85によって検出されると、開閉扉61によって大入賞口62が開かれて、次のラウンドが開始される。大当り遊技中における現在のラウンド数は、大入賞口装置60の下部に設けられたラウンド数表示器63に表示される。このように大当り遊技が最大で16ラウンド行われて、大当り遊技処理が終了する。
【0041】大当り遊技処理が終了した後、「大当り図柄配列」を形成した「7,7,7」の図柄が確率変動図柄であった場合には、その後の遊技は、通常よりも「大当り」となる確率の高い「高確率遊技」となる。本実施の形態では、この高確率遊技の状態への移行をきっかけとして、図柄表示装置1が、通常の縮小配置状態から、第2の拡張配置状態に切換えられる。図柄表示装置1が第2の拡張配置状態に切換えられた場合において、電動式普通役物装置21の可変入球口22aに球Bが流入すると、球検出器138によって球Bの通過が検出され、第1〜第3の表示部2a、2b、2cに図柄が視認できない程度の高速で点滅表示される。
【0042】しばらくすると、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの左図柄が、視認できる程度の速度でゆっくりと、1,2,3…の順で下方向に移動するように表示される。つまり、第1の表示部2aの左図柄に「5」、第2の表示部2bの左図柄に「6」、第3の表示部2cの左図柄に「7」が表示されると、次に瞬間には、第1の表示部2aの左図柄に「6」、第2の表示部2bの左図柄に「7」、第3の表示部2cの左図柄に「8」が表示され、さらに次の瞬間には、第1の表示部2aの左図柄に「7」、第2の表示部2bの左図柄に「8」、第3の表示部2cの左図柄に「9」が表示される。そして、所定時間の変動表示が継続された後、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの左図柄が同時に停止表示される。また、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの左図柄が停止してから所定時間経過後、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの右図柄が、同様に図柄が視認できる程度の速度でゆっくりと下方向に移動する表示に切り替わる。ただし、右図柄は左図柄と逆順の9,8,7…の順で表示される。そして、所定時間の変動表示が継続された後、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの各右図柄が同時に停止表示される。
【0043】ここで、上述のように第2の拡張配置状態に切り換えられた「高確率遊技」においては、図13に示すように、ラインL1〜ラインL5の5ラインが設定される。すなわち、横向きのラインであるラインL1、ラインL2、ラインL3と、斜めのラインであるラインL4、ラインL5とに設定され、ラインL1〜ラインL5のいずれかのライン上に大当り図柄配列が表示されれば大当りとなる。ラインが通常遊技状態の1ラインから5ラインに増加するため、「高確率遊技」においては通常よりも「大当り」になる確率が高まったことを遊技者に分かり易く認識させることができる。さらに、本実施の形態では、最終停止図柄(中図柄)に関し異なる図柄によるトリプルリーチを表示することができ、遊技者にさらに大当りになる確率が高まったと認識させることができる。例えば、図13に示すように、第1の表示部2aの左図柄に「6」、第2の表示部2bの左図柄に「7」、第3の表示部2cの左図柄に「8」を表示して停止し、かつ、第1の表示部2aの右図柄に「8」、第2の表示部2bの右図柄に「7」、第3の表示部2cの右図柄に「6」を表示して停止すると、ラインL2上に「7,↓,7」、ラインL4上に「6,↓,6」、ラインL5上に「8,↓,8」のリーチ図柄配列がそれぞれ表示される。ついで、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの中図柄が視認できる程度の速度でゆっくりと、1,2,3…の順で下方向に移動する表示に切り換わり、所定時間経過した後に停止する。もし、第2の表示部2bの中図柄に「6」、「7」、または、「8」のいずれかが表示されれば、ラインL2、ラインL4、または、ラインL5上に大当り図柄配列が表示されて、上述したような大当り遊技処理が再び繰り返されることになる。
【0044】なお、上述の説明では、第1〜第3の表示部2a、2b、2cの左図柄、中図柄、及び右図柄がそれぞれ互いに協調して、1,2,3…の順もしくは逆順に下方向へ移動するように表示される例を示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、第1〜第3の表示部2a、2b、2cのそれぞれの図柄が関連性を持たない態様で変動表示されて、その後、互いに異なるタイミングで別個に停止表示されるようにしてもよい。
【0045】この発明は前記実施の形態に限定するものではない。例えば、上記実施の形態においては、権利発生装置30を備えた第3種パチンコ機である場合を例示したが、第1種パチンコ機や、第2種パチンコ機へ本発明を適用することもできる。また、パチンコ機に限らず、図柄表示装置を有し、遊技球の通過により抽選を行う遊技機であれば、その他の遊技機(例えばスロットマシン,アレンジボール機,雀球遊技機,テレビゲーム機等)に対しても本発明を適用できる。
【0046】上記実施の形態では、図柄表示装置1が第1〜第3の表示部2a、2b、2cで構成される場合を例示したが、例えば、図柄表示装置1が、前後に重なって配置される2つの表示部や、4つ以上の表示部で構成される場合であっても本発明を適用できる。
【0047】また、上記実施の形態では、第1〜第3の表示部2a、2b、2cが7セグメントLEDで構成される場合を例示したが、その他の表示器、例えば、液晶表示器や、プラズマ表示器等で構成される場合であっても本発明を適用できる。
【0048】また、上記実施の形態では、第1〜第3の表示部2a、2b、2cが前後に重なって配置され、最前面に位置する第1の表示部2a以外の表示部が上方向に移動することにより、第1の拡張配置状態、あるいは、第2の拡張配置状態に切換えられる場合を例示したが、このような態様に限定するものではない。例えば、第1〜第3の表示部2a、2b、2cが前後に重なって配置され、最前面に位置する第1の表示部2a以外の表示部が左右いずれかの方向に移動することによって、遊技者に視認可能とされるようにしてもよい。
【0049】また、上記実施の形態では、抽選図柄として「0」から「9」の数字が用いられる場合を例示したが、抽選図柄としてキャラクターの図柄等が用いられる場合であっても本発明を適用できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、図柄表示装置の構造自体を変化させることによって、従来にない斬新な表示演出が可能となる。これにより、遊技者の抱く大当りに対する期待感等を効果的に高めることのできる遊技機を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000148922
【氏名又は名称】株式会社大一商会
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区鴨付町1丁目22番地
【出願日】 平成13年9月13日(2001.9.13)
【代理人】 【識別番号】100064344
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外3名)
【公開番号】 特開2003−79875(P2003−79875A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−278410(P2001−278410)