| 【発明の名称】 |
ゴルフクラブヘッドの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】安部 詠司 【住所又は居所】静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】製造工程を簡略化し、焼結密度が高く機械的強度優れ、外観が良好で低重心のゴルフクラブヘッドを、歩留まり良く製造する方法の提供。
【解決手段】包み込み部材2の収納用凹部2aに中芯部(第1部材)1を嵌め込んで合わせた組み合わせ物4を、予めその内部にゴルフクラブヘッドの外形をくり抜いたキャビティ6が形成されている所定の金型5内に配置し、ゲート9よりより低比重の成型組成物10をキャビティ6内に射出して、中芯部1、包み込み以外のホーゼル部20,フェイス部22等の第2部材15でなる中実グリーン体Gを成形し、これを脱水後焼結せしめてゴルフクラブヘッドを得る方法で、前記中実グリーン体Gを、金型5の温度を40乃至55℃として前記成形用組成物10をキャビティ6内に5乃至15秒で射出充填し、次いで金型5の温度を15乃至30℃に徐冷することによって形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高比重の材料からなる第1部材と、該第1部材をなす材料より低比重の材料からなる第2部材とを有する中実のゴルフクラブヘッドの製造方法であって、金属、セラミック及びこれらの混合物から選ばれた一種の高比重の材料からなる第1部材と、該第1部材をなす材料より低比重の金属、セラミック、又はこれらの混合物から選ばれた一種の材料からなり、前記第1部材を包み込む包み込み部材とを、別に予め成形し、次いで、金型のキャビティ内に前記第1部材と包み込み部材を合わせた状態で配置した後、寒天と水とからなる成形用バインダーと前記第1部材の高比重の材料より低比重の金属粉末、セラミック粉末及びこれらの混合粉末から選ばれた一種の粉末とを含有する成形用組成物を前記金型のキャビティ内に射出成形して中実のグリーン体とし、該グリーン体から少なくとも水を除去した後、前記金型で成形された成形物を焼結するゴルフクラブヘッドの製造方法であり、前記金型の温度を40℃以上、55℃以下の温度範囲とした状態で前記成形用組成物を金型キャビティ内に5秒以上、15秒以下の時間で射出充填し、次いで金型の温度を15℃以上、30℃以下の温度に冷却することによって 前記中実のグリーン体を形成することを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方法。 【請求項2】 金型の15℃以上、30℃以下の温度への冷却を、5秒以上、70秒以下の時間で行うことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。 【請求項3】 金型を型開きして金型のキャビティに前記第1部材と包み込み部材を配置する間に金型の加熱を開始し、型締めした後に成形組成物の射出を行って前記第1部材と包み込み部材の周囲に成形組成物を充填し、成形組成物の充填後に冷却し、冷却後に再度金型を型開きしてグリーン体を取り出し、キャビティの清掃後に再度第1部材と包み込み部材を配置する間に金型の加熱を開始するという工程を繰り返し行ってグリーン体を製造することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、金属粉末射出成形方法を用いた、ゴルフクラブの低重心の中実メタルヘッドの製造方法に関するもので、外観が良好に形成され、生産性を向上せしめる製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、ゴルフクラブの改良はめざましく、その中で、低重心のヘッドを有するアイアンのゴルフクラブは、ヘッドの重心を低くすることにより、使用者がボールをヒットする際にフェイスの下端をボールの下部に潜り込ませ易くなり、ボールが上がり易く、打ち易くなることで、その流行は顕著である。このような低重心のゴルフクラブヘッドは、ほとんどが中実メタルヘッドであり、中芯部とこの中芯部を取り囲む周辺部とから概略構成されているものである。そして、上記中芯部は低重心とするためにタングステン銅合金、タングステン等の高比重の金属から構成されている。又、上記周辺部は前記中芯部をなす金属材料より低比重のチタンやステンレス鋼等から構成されている。 【0003】ところで、重心がより低いゴルフクラブヘッドを得るには、上記周辺部をステンレス鋼より比重が低いチタン材料のみで構成することが望ましいが、チタンは加工が難しいためフェイス部にはチタン板を埋め込んで、残りの部分を加工が容易なステンレス鋼を使用するようにしている。 【0004】しかるに、上記した如き低重心の中実メタルヘッドを製造するに当たって、周辺部に中芯部を埋め込む方法としては、従来、(i)図8に図示するように、周辺部30を、バックフェイス部の一部分とフェイス部とでなる第1周辺部材31と、バックフェイス部の残部分でなる第2周辺部材32とに分割しておき、これら第1,第2の周辺部材31、32の間に中芯部33を配置して、第1、第2の周辺部材31、32を溶接で接合する溶接法や、(ii)図9に図示する如き、周辺部30に設けた打ち込み孔に、中芯部33を打ち込む打込み法や、(iii)図10に図示する如き、周辺部30に中芯部33を挿入するために広めの挿入口36を形成しておき、該挿入口36から中芯部33を挿入して所定位置に配置した後に、周辺部30をかしめて挿入口36を狭めるかしめ法や、(iv)鋳込みでヘッドを鋳込む鋳込み法、等が用いられていた。 【0005】しかしながら、上記した従来の中実のゴルフクラブヘッドの製造方法のうち溶接法は、第1と第2の周辺部材31、32を溶接しているため、接合部の表面仕上がりが良くなく、研削により仕上げ加工をする必要があり、製造の工程を増加せしめることとなり、生産性の点で劣るという問題があった。又、打込み法、かしめ法、及び鋳込み法のいずれもが、得られるメタルヘッドは中芯部が露出したものとなり、外観上見苦しくなっていた。更に、従来のゴルフクラブヘッドの製造方法は、ヘッド形状が大型なものとなってしまい特異なクラブとなり、汎用性を失するものもあった。 【0006】そこで、出願人はこれらの不都合を解消するため特開2000−334073号に開示されている発明技術を特許出願した。この製造方法は図11に図示する如き方法で、高比重の材料からなる中芯部(第1部材)41と、該中芯部41をなす材料より低比重の材料でなる包み込み部材42とを、個別に予め成形し、これら中芯部41と包み込み部材42との組み合わせ物44を所望するクラブヘッドの形状をなす金型45のキャビティ46内に配置し、寒天と水とからなる成形用バインダーと、中芯部41で用いる高比重の材料より低比重の金属粉末、セラミック粉末、又はこれらの混合粉末から選ばれた1種の粉末とを含有する成形用組成物50を、前記金型45のキャビティ46内に、ゲート49より隙間47を介して射出して射出成形して中実のグリーン体とし、そして該グリーン体として水を除去した後、これら中芯部41と包み込み部材42との組み合わせ物44及び中実のグリーン体の射出成形体を一体化した一体成形体を焼成してゴルフクラブヘッドを得るものである。 【0007】そして、上記特開2000−334073号に開示されている製造方法におけるグリーン体の射出成形方法として、前記成形用組成物50の金型45のキャビティ46への噴射を、成形用組成物50がゾル状態を保つよう金型45を35〜50℃程度の温度に加熱して行い、次いで金型45を30℃以下の温度にまで冷却して成形組成物50のバインダーをゲル状にすることによって、射出成形することの開示がなされている。然るに、良質の焼結物を得るには、前記グリーン体の金属粉末の均一な分布と亀裂が無い良好な射出成形物を得ることが必要である。そして、かかる良質のグリーン体を形成するに当たっては、前記金型の温度を適正に制御することは勿論のこと、これらの金型温度制御下での成形組成物の射出時間、及び射出成形物45の冷却温度までの温度降下時間を適切に選択することが必要であることが判明し、本願発明に至った。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した事情に鑑みなされたもので、ゴルフクラブヘッドの構成部材の一体化接合部の研削工程を無くして、製造工程を少なくし得るばかりでなく、焼結密度が高く機械的強度の優れた焼結金属部を有し、外観が良好で、形状や寸法が通常使用されているゴルフクラブヘッドと同等に近く、クラブヘッドの一部を構成する焼結構成部を優れた焼結状態に歩留まり良く形成せしめ得る、低重心のゴルフクラブヘッドの製造方法を提供することを、本発明の解決すべき課題とするものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するため以下の如き手段を講ずるものである。請求項1に係わる発明として、高比重の材料からなる第1部材と、該第1部材をなす材料より低比重の材料からなる第2部材とを有する中実のゴルフクラブヘッドの製造方法であって、金属、セラミック及びこれらの混合物から選ばれた一種の高比重の材料からなる第1部材と、該第1部材をなす材料より低比重の金属、セラミック、又はこれらの混合物から選ばれた一種の材料からなり、前記第1部材を包み込む包み込み部材とを、別に予め成形し、次いで、金型のキャビティ内に前記第1部材と包み込み部材を合わせた状態で配置した後、寒天と水とからなる成形用バインダーと前記第1部材の高比重の材料より低比重の金属粉末、セラミック粉末及びこれらの混合粉末から選ばれた一種の粉末とを含有する成形用組成物を前記金型のキャビティ内に射出成形して中実のグリーン体とし、該グリーン体から少なくとも水を除去した後、前記金型で成形された成形物を焼結するゴルフクラブヘッドの製造方法であり、前記金型の温度を40℃以上、55℃以下の温度範囲とした状態で前記成形用組成物を金型キャビティ内に5秒以上、15秒以下の時間で射出充填し、次いで金型の温度を15℃以上、30℃以下の温度に冷却することによって 前記中実のグリーン体を形成するものとしたものである。金型の温度を前記の温度範囲として成形用組成物を充填し冷却することで、冷却に要する時間を短縮しながら、成形用組成物を完全なゾル状態で金型内に充填することができ、第1部材と包み込み部材に対する成形用組成物の十分な接合性も確保できる。また、金型の温度を40℃以上、55℃以下の温度範囲とすることで、金型の冷却に要する時間を短縮できる。 【0010】請求項2に係わる発明として、金型の15℃以上、30℃以下の温度への冷却を、5秒以上、70秒以下の時間で行うことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッドの製造方法としたものである。冷却時間が5秒未満で早すぎると十分にゲル化していないので、形状変形するおそれが高く、冷却時間を長くし過ぎると製造時間が長くなる。 【0011】本発明は、先の方法において、金型を型開きして金型のキャビティに前記第1部材と包み込み部材を配置する間に金型の加熱を開始し、型締めした後に成形組成物の射出を行って前記第1部材と包み込み部材の周囲に成形組成物を充填し、成形組成物の充填後に冷却し、冷却後に再度金型を型開きしてグリーン体を取り出し、キャビティの清掃後に再度第1部材と包み込み部材を配置する間に金型の加熱を開始するという工程を繰り返し行ってグリーン体を製造することを特徴とする。以上の工程を実施することにより、短かい時間で繰り返し効率よくグリーン体の製造が可能となる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法についての実施の形態を図1〜図6を参照して説明する。本発明のゴルフクラブヘッドを構成する焼結金属部の成形用組成物の一例としては、寒天と水とからなる成形用バインダー(以下、「バインダー」という)と、金属粉末、セラミック粉末又はこれらの混合粉末から選ばれる1種の粉末とからなるものである。そして、前記寒天としては平均分子量が30000〜150000で、4%の寒天濃度でのゲル強度が200〜480g/cm2の範囲のものを用いることが好ましい。 【0013】このような原料を使用して、本発明のゴルフクラブヘッドの成形は以下のような態様で行う。先ず、金属粉末、セラミック粉末、及びこれらの混合粉末から選ばれた1種の粉末を上記バインダーを加え混連して、成形用組成物を得る。この成形用組成物を用いて、金属粉末射出成形法(「MIM法」という)によりクラブヘッドのフェイス部とホーゼル部を成形するが、前記成形用組成物を金型のキャビティに射出する前に、予め上記粉末にバインダーを加えて混練後ペレット状に造粒しておく。又、中芯部や該中芯部を包み込む包み込み部材もMIM法によって成形できるが、この場合には、中芯部の成形用組成物や包み込み部材の成形用組成物を、これらの金型に射出する前に、上記粉末にバインダーを加えて混練後ペレット状に造粒しておいて、これを金型に射出して成形する。 【0014】上記の混練は、温度100〜120℃で、100〜200KPaに加圧した状態で行うことにより、混練性を向上せしめることが出来る。なお、混連の温度を100℃未満にすると、混練性を向上せしめる効果が得られず、一方、混練温度を120℃を超える温度にすると、バインダーの寒天が徐々に分解してゲル化能力を失ってしまうので好ましくない。又、混練時の圧力を100KPaよりも小さくすると、混練性を向上せしめる効果が得られず、一方、混練時の圧力を200KPaよりも高くすると、バインダーの寒天が徐々に分解してゲル化能力を失ってしまうので好ましくない。このように、金属や、セラミックの粉末とバインダーとの混練を、上記した温度範囲、圧力範囲の状態で行うことにより、混練性を向上せしめることが出来、バインダーに対する金属粉末、セラミック粉末の配合割合を増加させることが出来るので、これによって焼結されるゴルフクラブヘッドの焼結密度が高められ、機械的強度が増強されることとなる。 【0015】次に、金属粉末やセラミック粉末とバインダーとの配合割合は、成形用組成物における金属粉末やセラミック粉末の割合が35〜70容量%、好ましくは40〜60容量%、より好ましくは55容量%である。なお、これらの混練に当たっては、金属粉末、セラミック粉末を数回に分けて加えるようにして混練することが好ましい。金属粉末、セラミック粉末の割合が35容量%より少ないと、焼結した焼結物の焼結密度が低くなり、好ましくない。ゴルフクラブヘッドの良好な焼結密度及び機械的強度を得るには、40容量%以上であることが好ましい。一方、金属粉末、セラミック粉末の割合が70容量%以上になると、均一に混練することが困難となるので、良好な混練状態を得るには65容量%以下にすることがより好ましい。 【0016】以上のように成形用組成物が用意し得たら、図1に図示するように中実メタルヘッドの高比重の材料からなる中芯部(第1部材)1と、この中芯部1より低比重の材料でなり、前記中芯部1を包み込む包み込み部材2とを、それぞれ個別に予め成形する。この包み込み部材2の形状は、概略、ゴルフクラブヘッドのフェイス部とホーゼル部を除いた部分の形状からなり、又、フェイス部となる側の面には中芯部1を収納するための収納用凹部2aが形成されており、そしてバックフェイス部となる側の面には「キャビティ」と称する凹部(図示省略)が形成されている。この包み込み部材2は、収納用凹部2aの開口部から中芯部1を嵌め入れた時、中芯部1が開口部に露出して配されるものである。 【0017】ここで、中芯部1の成形方法としては、上記した中芯部の成形用組成物を中芯部金型(図示略)のキャビティ内に射出して成形する。ここでの射出温度は、バインダーがゾル状態を保つ80℃以上とされる。次いで、金型内の中芯部1を常温まで冷却し、バインダーがゲル状態となり、その形状が保持されるようになったならば離型して中芯部1の成形品を得る。一方、包み込み部材2の成形方法としては、上記包み込み部材2の成形用組成物を包み込み部材成形用金型(図示略)のキャビティ内に射出して成形する。その射出温度は、バインダーがゾル状態を保つ30℃〜100℃、例えば80℃程度とされる。次いで、金型内の包み込み部材2を常温まで冷却し、バインダーがゲル状態となり、その形状が保持されるようになったら、離型して包み込み部材2の成形品を得る。なお、かかる中芯部1や包み込み部2の成形は、上記した金属粉末射出成形法以外の成形法で成形したものであっても良い。 【0018】次いで、図2、図3に示すように、包み込み部材2の収納用凹部2aに中芯部1を嵌め込んで合わせた組み合わせ物4を、所定の金型5内に配置する。ここで用いる金型5には、予めその内部ゴルフクラブヘッドの外形をくり抜いたキャビティ6が形成されていて、このキャビティ6内に前記組み合わせ物4が嵌め込まれて配置される。なお、組み合わせ物4とキャビティ6との間には隙間7が設けられていて、キャビティ6内に配置された組み合わせ物4の周囲に隙間7があいた状態となっている。そして、中芯部1,包み込み部材、キャビティ6、隙間7の大きさは、出来上がりクラブヘッドの大きさ、第1部材の部分の大きさ、厚さ等を考慮して適宜良好な状態に保持するよう定められる。 【0019】引き続き、中芯部1と包み込み部材2以外の構成部であるフェイス部、ホーゼル部を形成する第3の成形用組成物10を、キャビティ6内の隙間7にインジェクション装置を用いて射出して成形し、この第3の成形用組成物10で包み込み部2内に配置した中芯部1が露出されている開口部を覆うと共に、フェイス部とホーゼル部となる部分を形成して中実のグリーン体Gを得る。 【0020】このグリーン体Gの成形は、図4に例示する金型温度と射出成形操作の工程図に従って行われる。まず、例えば40秒程度の時間をかけて金型5を加熱して40℃〜55℃に近い温度とし、その後に先の温度を維持するように金型5を保温する。ここでの金型5の温度は、予め40〜55℃の温度に加熱しておき、金型5内に射出された第3の成形用組成物10のバインダーがゾル状態を保持できるようにする。なお、金型温度を高くし過ぎると、後に行う冷却工程において冷却に時間がかかり過ぎることとなる。ここで、第3の成形用組成物10をキャビティ6内に射出する際は、ゴルフクラブヘッドのソール(底面)部となる部分側に形成したゲート9から射出することが好ましい。更に好ましくは、ソール部となる部分側で、且つフェイス部となる部分側に近い位置から射出することが好ましい。又、この第3の成形用組成物10をキャビティ6内に射出する際は、射出開始から5秒〜15秒間で射出が完了するようにすることが好ましく、5秒未満の時間で射出すると、成形用組成物10がキャビティ6内に充分緊密に充填されない不都合が生じ、一方、射出時間を15秒よりも長い時間にすると、キャビティ6内で成形組成物10のバインダーが金属粉末・セラミック粉末間から分離し金属粉末・セラミック粉末の分散が不均一となる不都合が生じる。 【0021】次いで、金型5を30℃〜15℃の温度範囲に迄冷却する。冷却速度は上記射出終了時の温度40℃〜55℃から30℃〜15℃の温度まで5秒〜70秒の時間をかけて冷却することが好ましい。5秒未満の短い時間での冷却ではバインダーのゲル化が不十分であったり、亀裂が生じたりして好ましくない。一方、70秒を超える時間をかけての冷却では、バインダーのゾル状態の保持状態が長くなり過ぎ、バインダーの金属粉末・セラミック粉末より分離して分散が不均一となる不都合が生じる。また、製造時間が長くなる傾向となる。このようにして冷却することにより第3の成形組成物10がゲル状となって、金属粉末・セラミック粉末が均一に分散されたグリーン体Gの形状が保持されて成形される。また、成形組成物10を好ましい時間で冷却するので、ゾル状態となっていた成形組成物10が包み込み部2と中芯部1に対して良好な接合性を保ったままでゲル化する結果、包み込み部2と中芯部1に対して良好な接合性のグリーン体Gを得ることが可能となる。図5に、ゴルフクラブヘッドのホーゼル部とフェイス部を成形する時の、第3の成形用組成物の射出流線10aの軌跡の一例をグリーン体Gに対応させて示す。なお、この射出流線10aの位置は射出成形の条件によって異なるものであるので一例として記載した。 【0022】この後、図5に示すグリーン体Gを金型5から取り出して、このグリーン体Gより脱バインダーし、バインダーを形成する水、アルコール類及び寒天、水溶性高分子の一部を除去する。なお、この除去では、水のみ除去して焼結へ移行しても良い。そして、この脱バインダーの方法には、(i)グリーン体Gを加熱し、100〜150℃の温度で水を除去し、更に200〜400℃に加熱して寒天、水溶性高分子の一部を熱分解して除去する方法、(ii)グリーン体Gを凍結乾燥又は真空乾燥し、バインダーがゲル状態を保ったまま大部分の水、アルコール類を除去し、ついで加熱して寒天、水溶性高分子の一部を除去する方法、等の方法がある。これらの方法のうち、特に後者の方法によれば、グリーン体Gの割れ、クラックの発生を防止し得る点で望ましい。又、この脱バインダーを真空又は不活性ガスの雰囲気下で行い、金属粉末の酸化を防止するようにすると、より好ましい。この脱バインダーによって、グリーン体Gの含水率が0.01〜0.1重量%となる。そして、グリーン体Gを脱バインダーして得られるブラウン体には、バリ等を取り除くための研削等の加工処理を容易にすることが出来る。 【0023】続いて、上記脱バインダーした後のブラウン体を加熱炉にて加熱して焼結し、所望する形状の中実のゴルフクラブヘッドとして得る。加熱は、真空又は不活性ガス雰囲気下で温度1100〜1500℃程度の温度で行う。次いで、ゴルフクラブヘッドを徐冷し、離型すると、図6に図示するように金属、セラミック、及びこれらの混合物から選ばれた1種の高比重の材料からなる中芯部1と、該中芯部1をなす材料より低比重の金属、セラミック、及びこれらの混合物から選ばれた1種の材料からなる第2部材15とを有する中実のゴルフクラブヘッドが得られる。前記第2部材15は上記中芯部1以外の部分であり、上記包み込み部材2と上記第3の成形用組成物10を用いて成形されたホーゼル部20とフェイス部22とからなる部分である。なお、図6において符号21はバックフェイス部、23はソール部、24はバックフェイス部21に形成したキャビティと称せられる凹部である。 【0024】以上のようにして得られたゴルフクラブヘッドは、包み込み部材2の開口部が前記第3の成形用組成物10に含まれていた低比重の金属、セラミック、及びこれらの混合物から選ばれた1種の材料で覆われていて、中芯部1は露出していない。又、得られたゴルフクラブヘッドのホーゼル部20とフェイス部22は、図7に図示するように、包み込み部材2の開口部を閉じるための射出による第3の成形用組成物10の流れ方向に沿った射出流線10aの軌跡が残っている。ホーゼル部20の射出流線10aの軌跡は、渦巻き状に筋状を形成したものであり、フェイス部22のコーナ部の射出流線10aの軌跡は、短い筋状のものである。なお、これらホーゼル部20とフェイス部22が有する射出流線10aの軌跡は一例を示すものであって、射出成形条件によって射出流線の軌跡が残される位置はそれぞれ異なるものである。 【0025】上記のバインダーとして使用する寒天は温水に可溶であり、その水溶液は40℃以上の温度でゾル状態になり、90〜96℃の温度で粘性液体となる。他方、40℃以下の温度に冷却するとゲル化して体積を収縮しながら弾性のある固定化物質となる。このゾル化点及びゲル化点は寒天の濃度によってあまり影響されない。又、上記バインダーとして含まれる寒天の含有平均分子量が30000より小さいと、射出成形して得られるグリーン体Gの強度が低く、保形性が悪くなり、その焼結体の寸法の安定性が悪くなる。一方、含有平均分子量が150000より大きいと分解性が悪くなり、これの焼結体の焼結密度が上がらず、機械的強度が低下する。更に寒天のゲル状態の強度が200g/cm2より小さいと、得られるグリーン体Gの強度が低く、保形性が悪くなり、焼結体の寸法の安定性が悪くなる。又、ゲル強度が480g/cm2より大きくすると、分解性が悪くなり、焼結体の焼結密度が上がらず、機械的強度が低下してしまうこととなる。 【0026】本発明に用いられるバインダーは、寒天を水に溶解せしめたもので、具体的には、水100部(重量部、以下同様)に対して寒天を15〜35部、好ましくは20〜30部を溶解せしめたものである。寒天の含有量が15部未満ではこれに混合する金属粉末を結合せしめるに到らず、又35部を超えるとゾル状態での粘度が高くなり過ぎて、混連することが困難となって好ましくない。かかる寒天を水に溶解せしめたバインダーに更にアルコール類を添加しても良い。このアルコール類を添加することにより、寒天をゲル状態に固化せしめる時にゲル強度を高める作用をする。このアルコール類の添加に当たっては、水100部に対してアルコール類5〜30部を用いることが好ましい。何故ならば、アルコール類が5部未満ではゲルの強度を高める効果が不十分であり、30部を超えるとゲルの強度が低下するからである。 【0027】又、バインダーとして、上記した寒天と水とからなるバインダー、あるいは寒天と水とアルコール類とからなるバインダーに、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子を添加しても良い。特にポリエチレングリコールの添加が好適である。この水溶性高分子の添加は、バインダーのゾルに粘性を付与し、射出成形時の射出原料の成形組成物45の流動性を向上させ、成形組成物のバインダーと金属粉末の分離を改善する。このようなバインダーとして水溶性高分子を添加する場合には、水100部に対して水溶性高分子5〜10部添加することが好ましく、水溶性高分子5部未満では上記した添加効果が得られず、10部を超えるとゾルの粘度が高くなり、流動性を失することとなる。 【0028】更に、上記したバインダーに、必要に応じて防腐剤として安息香酸、安息香酸ナトリウム、ギ酸等を添加したり、又射出成形時の潤滑剤としてステアリン酸、エルカ酸、高脂肪酸の金属石けん分散剤、界面活性剤等も必要に応じて添加することが出来る。そして又、寒天水溶液におけるゾルの粘性やゲル化した時のゲル強度を大きくするためにホウ酸ナトリウムを添加しても良い。 【0029】このような組成でなるバインダーは、以下の態様で使用されることが好ましい。例えば90〜96℃に加温した温水に、寒天及び必要に応じてアルコール類、水溶性高分子、その他の上記添加物を加え、温度100〜120℃、蒸気圧100〜200KPaの加圧下で充分攪拌、混合して均一に溶解せしめて調整するものである。 【0030】次に、焼結金属構成部の原料として用いられる金属粉末は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、高圧水アトマイズ法などによって得られた鉄、ステンレス鋼、ニッケル、タングステン銅合金、タングステン等の平均粒径1〜120μm、好ましくは100μm、より好ましくは20μm以下の球状、真球状の微粉末で、バインダーとの稠密な結合を促進させるためカップリング剤によって表面処理されたものが好ましい。又、中芯部(第1部材)1を形成するための成形用組成物としての金属粉末は、タングステン銅合金、タングステン、ニッケル等の比重が14〜19の範囲の高比重の金属粉末が用いられ、特にタングステン粉末が好適に用いられる。 【0031】更に、上記中芯部1を包み込む包み込み部材2を成形するための成形用組成物や、上記中芯部1と包み込み部材2以外の部分(ホーゼル部とフェイス部)を成形するための成形用組成物(第3の成形用組成物)10を調整する場合は、金属粉末として、チタン、チタン合金、鉄、ステンレス鋼等や、アルミニウム合金のうちから選択され、且つ上記中芯部1に用いる鋼比重の金属粉末より低比重の金属粉末が用いられ、特に中芯部1にタングステンを用いた場合には、この包み込み部材2の金属粉末としてはチタンが好適である。そして粉末の粒径が1μmより小さいものは製造が困難であり、製造コストが高くなり好ましくない。一方、平均粒径200μmより大きいと、射出成形時にせん断力によってバインダーと金属粉末とが分離して、射出成形が出来なくなる恐れが生じる。なお、包み込み部材2の成形用組成物と包み込み部材以外の部分の第3の成形用組成物10として用いる低比重の粉末は、同種類のものであっても、異種類のものであっても良く、目的とするクラブヘッドの特性によって適宜選択して用いれば良い。 【0032】次に、上記したカップリング剤は加水分解して水酸基を生成し、上記した金属粉末と作用する基と、バインダー中の多糖類と作用する有機官能基との両方を有するもので、具体的には有機的官能基側の側鎖にアミノ基(−NH3)、スルホ基(−SO3H)、アミド基(−NHCO−)、及び水酸基(−OH)の少なくとも1種を有するチタネート系カップリング剤やシランカップリング剤が好適に用いられる。そして、チタネート系カップリング剤としては、イソプロピル−トリアントラニルチタネート、イソプロピル−トリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトライソプロピル−ジ(ジラウリルホスファイト)チタネート、4−アミノベンゼンスルホニル−オキシアセテートチタネート等が挙げられる。又、シランカップリング剤としては、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメキシシラン等が挙げられる。 【0033】上記の如きカップリング剤による金属粉末の表面処理に当たって、添加する添加量は、金属粉末の単位体積あたり0.5〜3%が好ましく、添加量がこれより少ないと添加効果が得られず、これより多くても添加効果は上がらないばかりか、多すぎると焼結された金属の特性に悪影響をもたらすこととなり、好ましくない。なお、金属粉末の処理方法には、湿式処理方法と乾式処理方法との2つの方法がある。湿式処理方法は、カップリング剤を大量の水に分散させて、これに未処理の金属粉末を添加して攪拌する。そして、常温で10〜30分程度放置した後に、105℃程度の温度で10時間以上加熱乾燥して、表面処理した金属粉末を得るものである。又、乾式処理方法は、未処理の金属粉末を高速ミキサーにより高速攪拌しながら、カップリング剤を徐々に添加し、そして、60〜80℃に加温した状態にして、更に1000〜1500rpm程度の高速で2〜10分間位攪拌して、表面処理した金属粉末を得る方法である。この方法は、特に原料の金属粉末の平均粒径が10〜200μm程度の比較的大きい場合に好ましく適用することが出来る。 【0034】金属粉末を上記のようなカップリング剤によって表面処理すると、カップリング剤を介して金属粉末とバインダーとの親和性が向上するので、金属粉末とバインダーとの濡れ性、接着性が著しく向上する。特に金属粉末の粒径が10μm以上と大きい場合には、その接着効果は大きく、200μm程度の大粒径の金属粉末を用いても、その金属射出成形を可能とすることが出来る。又、金属粉末とバインダーとの親和性が増すので、成形用組成物におけるバインダーの配合割合を減らし、金属粉末の配合量を増やすことが可能となる。それ故、これによって得られる成形体の焼結物の焼結密度を高くすることが出来、又焼結物の精度も向上せしめることが出来る。 【0035】本発明において、原料として用いられる前記金属粉末のほかセラミック粉末としては、各種の金属、非金属又はこれらの混合物等の各酸化物、ホウ化物、窒化物、ケイ化物、及び炭化物、そしてこれらの混合物が用いられる。又、中芯部(第1部材)1を成形するための成形用組成物をセラミックで調整する場合には、上記のセラミック粉末の中でも高比重のセラミック粉末が用いられ、一方、前記中芯部1を包み込むための包み込み部材2を成形するために用いられる包み込み部材2の成形用組成物や、前記中芯部1と包み込み部材2以外の部分を構成する部分を成形する第3の成形用組成物10のセラミック粉末は、上記した中芯部1の成形用組成物の高比重セラミック粉末より低比重のセラミック粉末が用いられる。 【0036】かくして、上記した本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法にあっては、個別に成形した中芯部1と包み込み部2の組み合わせ物4を金型5のキャビティ6内に配置し、そして第3の成形用組成物10を金型5のキャビティ6内に射出成形して中実のグリーン体Gとし、このグリーン体Gから少なくとも水を除去した後焼結するだけで、所望する最終外形に近いものが製造できる。又、組み合わせ物4が配置された金型5のキャビティ6内に第3の成形用組成物10を射出成形するだけで、この第3の成形用組成物10により形成するホーゼル部20とフェイス部22とが包み込み部2と一体となって、中芯部1の周囲の第2部材15を形成できるので、従来のゴルフクラブヘッドの製法で行っている中芯部の周囲の周辺部材を溶接加工したり、周辺部材の接合部を研削による仕上げ加工する等の加工工程が不要となる。更に、本発明の製造方法で得られるゴルフクラブヘッドは、中芯部1は第2部材15により取り囲まれているので、外側に露出しておらず、外観も良好となっている。 【0037】本発明の製造方法では、金型5で、包み込み部材2内に配置した中芯部1が露出されている開口部を覆うと共に、フェイス部とホーゼル部となる部分を、第3の成形用組成物10を金型5のキャビティ6内に射出して、中実のグリーン体Gを得るに当たって、金型5の温度を40〜55℃の温度を保持した状態にして、5〜15秒間で第3の成形用組成物10を金型5のキャビティ6内に射出し、そして射出終了後、金型5の温度40〜55℃を冷却して30〜15℃の温度迄50〜70秒の時間で徐冷するようにして成形するので、第3の成形組成物10の金属粉末やセラミック粉末を均一に分散され、且つ緊密に高い密度を保持した良好なグリーン体Gが得られ、焼結によって焼結密度が高く、焼結強度の強い焼結金属部が得られる。 【0038】又、成形用組成物に含まれるバインダーとして、低ゲル強度、低分子量の寒天と、水からなるものを用いているので、バインダーの熱分解性が良く、従って焼結後の残留炭素、残留酸素が従来より少なく、得られるゴルフクラブヘッドの機械的強度が向上する。又、バインダーの分解性が良いので、高い焼結密度を得ることが出来る。更に又、第3の成形用組成物10のキャビティ内に射出する際は、ゴルフクラブヘッドのソール部23となる部分側から射出することにより、機械的強度が優れたゴルフクラブヘッドを製造できる。従って、本発明の製造方法では、ゴルフクラブヘッドの構成部材の接合部の研削工程をなくして、製造工程を少なくすることが出来る上、外観が良好で、機械的強度が優れ、形状や寸法が通常使用されているゴルフクラブヘッドと同等の中実のゴルフクラブヘッドを製造することが出来る。 【0039】本発明の製造方法では、得られるゴルフクラブヘッドの中芯部として、タングステンを用いてなり、そしてこれを包み込む包み込み部材12としてチタンからなり、又それ以外の部材を第3の成形用組成物10として低比重のチタン粉末を用いることにより、タングステンでなる中芯部1と、チタンからなるホーゼル部20、バックフェイス21、フェイス部22を含む第2部材15とからなるゴルフクラブヘッドが得られる。このゴルフクラブヘッドは、重心が低くなっており、使用者がボールをヒットする際に、フェイスの下端をボールの下部に潜り込ませ易く、打ち易さをより一層助長せしめる利点がある。なお、上記実施の形態では、アイアンのクラブヘッドを製造する場合に説明したが、パターのヘッド等の重量部材が埋め込まれた低重心のゴルフクラブヘッドにも、本発明の製造方法を適用することが出来る。 【0040】(実施例)図4に示すように前工程で製造した完成品を備え、20℃であった金型を片開きしてキャビティ内部からグリーン体を取り出し、5秒後に取り出し完了と共に金型の加熱を開始し、金型内のキャビティの清掃を行い、25秒後に金型の型締めを行った。型締め開始後15秒で加熱を停止し、金型を保温した。この後、保温を続行し、20秒後に80℃の成形組成物の射出を行って10秒後に射出完了とした。なお、ここまで最初の金型の片開きから60秒を経過している。金型の温度は80℃の成形組成物を射出したたため若干上昇した。ここで用いたバインダーは、寒天と水からなる成形用バインダーと金属粉末とセラミック粉末からなるものである。射出完了後、直ちに冷却を開始し、60秒かけて20℃まで冷却し、その後に金型を片開きしてキャビティ内部からグリーン体を取り出した。以上の工程を繰り返し行うことで、1サイクル2分の所要時間でグリーン体の製造が可能となった。 【0041】なお、先の金型を55℃を超えてあまりに高い温度にしても、金型冷却に時間がかかり、生産に要する時間がかかり過ぎる問題があり、金型を素早く冷却して生産効率を上げるために、金型温度を40〜55℃の範囲に設定した。なお、金型温度をこの範囲よりも低くしておき、バインダーの温度をこれ以上、例えば85〜93℃に高めても、バインダーが金型のキャビティの先端部に達するまで充分に充填できずにバインダーが途中で冷え初め、ゲル状態でキャビティの先端部に充填された場合に接合不良を生じ易い。これに対して先の温度範囲に金型を加温しておき、ゾル状態でキャビティの先端部まで充填させ、この後に金型を15〜30℃まで冷却してからグリーン体を取り出すならば、金型の内部でバインダーが良好な状態でゾル状態からゲル状態に変るので、接合不足とホーゼル強度不足の生じていない良好な状態のグリーン体を得ることができる。これは、バインダーは37℃前後でゾル状態(粘性が高いネバネバの状態)、その温度以下ではゲル状態となることに起因する。 【0042】 【発明の効果】本発明のゴルフクラブヘッドの製造方法は上記した如き形態で実施され、以下の如き効果を奏する。個別に予め成形した第1部材と包み込み部材を組み合わせた状態で金型のキャビティ内に配置し、成形用のバインダーと、前記第1部材である高比重の材料より低比重の金属粉末、セラミック粉末及びこれらの混合粉末から選ばれた1種の粉末とよりなる成形用組成物を、上記金型のキャビティ内に射出成形して中実の具リン体とし、このグリーン体から少なくとも水を除去した後に焼結することによって、ゴルフクラブヘッドを製造するので、ゴルフクラブヘッドの構成部材の接合部の溶接加工や研削加工が無く、製造工程を簡略化できる上、外観が良好で機械的強度が優れ、形状や寸法が通常使用されているゴルフクラブヘッドと同等に近い中実のゴルフクラブヘッドが製造できる。 【0043】本発明の製造方法では、金型で、包み込み部材内に配置した中芯部が露出されている開口部を覆うと共に、フェイス部とホーゼル部となる部分を、第3の成形用組成物を金型のキャビティ内に射出して、中実のグリーン体Gを得るに当たって、金型の温度を40〜55℃の温度を保持した状態にして、5〜15秒間で第3の成形用組成物を金型のキャビティ内に射出し、そして射出終了後、金型の温度40〜55℃を冷却して30〜15℃の温度迄50〜70秒の時間で徐冷するようにして成形するので、第3の成形組成物の金属粉末やセラミック粉末を均一に分散され、且つ緊密に高い密度を保持した良好なグリーン体Gが得られ、焼結によって焼結密度が高く、焼結強度の強い焼結金属部が得られる。 【0044】更に、本発明の製造方法によって得られるゴルフクラブヘッドは、中芯部の第1部材が露出しておらず、外観が良好であり、しかも機械的強度が優れ、形状や寸法が通常使用されているゴルフクラブヘッドと同等に近い汎用性を有するものが得られる。又、上記第1部材(中芯部)として、タングステンからなる材料を用い、これを包む包み部材としてチタンからなる材料を用い、そしてこれらを除く部材を、前記第1部材と包み込み部材を金型のキャビティ内に配して、該キャビティ内に射出して成形する射出成形用組成物として、低比重のチタン粉末を用いることにより、タングステンからなる第1部材(中芯部)と、チタンからなるホーゼル部、バックフェイス、フェイス部等を含む第2部材とからなる、重心がより低い低重心ゴルフクラブヘッドが得られる。かかる、低重心のゴルフクラブは重心が低いことより、初心者でもボールをヒットする際にフェイスの下端をボールの下部に潜り易く、ボールを上方に上昇せしめ易く、打ち易さがより一層助長せしめられる利点がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004075 【氏名又は名称】ヤマハ株式会社 【住所又は居所】静岡県浜松市中沢町10番1号
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| 【出願日】 |
平成14年3月4日(2002.3.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−250939(P2003−250939A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−57619(P2002−57619) |
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