トップ :: A 生活必需品 :: A63 スポ−ツ;ゲ−ム;娯楽




【発明の名称】 ゴルフクラブヘッド
【発明者】 【氏名】長尾 裕史
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号 美津濃株式会社内

【氏名】寺西 幸弘
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号 美津濃株式会社内

【氏名】大田 泰之
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号 美津濃株式会社内

【氏名】辻 圭
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号 美津濃株式会社内

【要約】 【課題】本願発明はゴルフクラブヘッドに関し、特に、ゴルフ場やゴルフ練習場などでボールを打球する際の打球音に関するものである。

【解決手段】本願発明は、コンプレッションが100であるゴルフボール20を、ゴルフクラブ50を用いて45m/sのヘッドスピードで打球した際に、ゴルフボール20の設定位置からゴルファー10の正面前方方向に向かって長さLが1mで、且つ、高さHが1.5mの位置にマイクロホン30をゴルフボール20の設定位置に向けて配置し、この位置で採取した打球音の定常ラウドネスが80sone以上130sone以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッド1である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴルフクラブを用いてヘッドスピード45m/sでゴルフボールを打球した場合に、ゴルフボールの設定位置からゴルファーの正面前方方向に向かって長さLが1mで、且つ、高さHが1.5mの位置にマイクロホンをゴルフボールの設定位置に向けて配置し、この位置で採取した1秒間の打球音の定常ラウドネスが80sone以上130sone以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】 ゴルフクラブを用いてヘッドスピード45m/sでゴルフボールを打球した場合に、ゴルフボールの設定位置からゴルファーの正面前方方向に向かって長さLが1mで、且つ、高さHが1.5mの位置にマイクロホンをゴルフボールの設定位置に向けて配置し、この位置で採取した1秒間の打球音の定常ラウドネスが90sone以上110sone以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項3】 ゴルフクラブを用いてヘッドスピード45m/sでゴルフボールを打球した場合に、ゴルフボールの設定位置からゴルファーの正面前方方向に向かって長さLが1mで、且つ、高さHが1.5mの位置にマイクロホンをゴルフボールの設定位置に向けて配置し、この位置で採取した1秒間の打球音のZwickerによって定義された最大シャープネスが4.5 acum 以上6.0 acum 以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項4】 前記ゴルフクラブヘッドにおいて、該ゴルフクラブヘッドを構成する素材がβ型チタニウム合金製であることを特徴とする請求項1、2、又は3記載のゴルフクラブヘッド【請求項5】 前記ゴルフクラブヘッドにおいて、該ゴルフクラブヘッドの体積が330cm以上500cm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、又は4記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】 前記ゴルフクラブヘッドにおいて、該ゴルフクラブヘッドのソール部の表面積が投影面積の1.2倍以上3.0倍以下に設計されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】 前記ゴルフクラブヘッドにおいて、ソール部の高さTがソール部を構成する材料の平均肉厚の5.0倍以上15.0倍以下に設計されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明はゴルフクラブヘッドに関し、特に、ゴルフ場やゴルフ練習場などでボールを打球する際の打球音に関するものである。
【0002】
【従来の技術】打球音はゴルフクラブヘッドのフェース部、クラウン部、ソール部のそれぞれの部位から異なった音色を発している。
【0003】ゴルフクラブヘッドの打球音残響性に関連する発明の第1の従来例としては、特開平10−179819号公報に以下のような構成が開示されている。即ち、「チタン製ゴルフクラブヘッドの製造において、α+β型チタン合金に(β変態温度−100℃)以上β変態温度未満の間の温度で熱処理を施したものを少なくともフェース部に用いることにより、8〜10kHzの周波数帯域において打球音残響性を高め、且つ4〜6kHzの周波数帯域において打球音残響性を低めることを特徴とするチタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法。」が開示され公知となっている。
【0004】更に、第2の従来例としては、特公昭55−26870号公報に以下のような構成が開示されている。即ち、「相対する振動部と節部からなる音叉状ヘッドの打球面と反対側の振動部にシャフトを固着したことを特徴とする発音ヘッドゴルフクラブ。」が開示され公知となっている。
【0005】更に、第3の従来例としては、特開平6−254183号公報に以下のような構成が開示されている。即ち、「窪みが形成されたソール、前面、前面から後方に延びる頂壁、窪み内に配置された緩衝材料の挿入対を備えて成るウッド型ゴルフクラブヘッド。」の旨が開示されており、その作用効果として、「本願発明は、多材料の減衰緩衝する概念と関連した金属ウッドのための特異なソールプレートは、緩衝材料が設けられてカバーによって閉鎖される窪みが設けられる。緩衝材料とカバーは衝撃と衝撃の音を分散するように作用する衝撃緩衝体として作用し、これによってクラブの音と感触を改良する。」旨が開示されている。
【0006】更に、第4の従来例としては、特開2000−300700号公報に以下のような構成が開示されている。即ち、「インパクト加振法による測定法において、インパクト音のピーク周波数が4500〜8000Hzの範囲にあり、かつ、該インパクト音のピーク周波数のピーク音圧が78dB(A)以上を示すように、打撃主要部乃至全体を構成したことを特徴とするゴルフクラブ。」の旨が開示されている。その他、第5の従来例としては、特開2001−112894号公報に以下のような構成が開示されている。即ち、「打球音の周波数が1000Hz以上6000Hz未満で打球音の対数減衰率が0から0.02の間にある。」が開示され公知となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ゴルフクラブに要求される項目として飛距離や方向性があるが、最近になって打球音に対しても大きな関心が寄せられるようになっている。音には、大きさと音色の2つの大きな要素があり、音色はゴルフクラブの善し悪しを決めるほどの重要な感性的要素となっている。特に最近では、クラブヘッド肉厚が薄くなり音が大きく低くなる傾向にあり、それに伴い音色にも注目が集まっている。
【0008】そこで、打球音の成分に関するものや、心地よい音を発生させるもの、あるいは打球音の大きさを軽減させる方法が種々提案されている。
【0009】しかしながら、音の音色や大きさだけでなく、好ましい音色の組み合わせをどのようにするかについては、従来の発明には、ほとんど開示されていなかった。ゴルフクラブの打球音はいくつもの音が組み合わされて発生しており、ピーク周波数の音だけではその打球音を表現するのは困難である。それ以外に、打球音の大きさや減衰も含めて総合的に判断する必要がある。
【0010】前述の第1の従来例として引用した特開平10−179819号公報は、チタン製ゴルフクラブヘッドの製造において、α+β型チタン合金に(β変態温度−100℃)以上β変態温度未満の間の温度で熱処理を施したものを少なくともフェース部に用いることにより、8〜10kHzの周波数帯域において打球音残響性を高め、且つ4〜6kHzの周波数帯域において打球音残響性を低めることを特徴とするチタン製ゴルフクラブヘッドの製造方法に関する旨が開示されているが、複数の音色については何ら説明や開示がなされていない。
【0011】また、第2の従来例として引用した特公昭55−26870号公報には、相対する振動部と節部からなる音叉状ヘッドの打球面と反対側の振動部にシャフトを固着したことを特徴とする発音ヘッドゴルフクラブであり、ゴルフ打球時に大きく長く発音し、快感があるのみならず音の強さにより距離を、音質により当たった位置を判別でき、かつボールの飛距離が増すゴルフクラブが提案されているが、この発明のゴルフクラブヘッドは明細書の記載及び図面から判断してあくまでパター用ゴルフクラブヘッドであり飛距離を出す必要のあるウッドクラブヘッドに関しての記載は何らなされていないものである。
【0012】更に、第3の従来例として引用した特開平6−254183号公報では、上方に延びる窪みが設けられ、この窪み内に緩衝材料の挿入体が配置され、カバーが窪み内で挿入体が配置され、カバーが窪み内で挿入体の下に配置されることを特徴としているゴルフクラブヘッドが提案されているが、音色に関しては全く触れていない。
【0013】更に、第4の従来例として引用した特開2000−300700号公報では、インパクト音のピーク周波数が4500Hz〜8000Hzの範囲にあり、ピーク音圧が78dB(A)であるゴルフクラブが提案されているが、打球音を1つのピークのみで表現すると人間の感性と合致しなくなってくる恐れがあると言った問題を有していた。
【0014】更に、第5の従来例として引用した特開2001−11284号公報では、打球音の周波数が1000Hz以上6000Hz未満で打球音の対数減衰率が0から0.02の間にあるゴルフクラブが提案されているが減衰だけで打球音を表現すると人間の感性と合致しなくなってくる恐れがあると言った問題を有していた。
【0015】つまり、最近の傾向であるヘッド体積の増大化に伴い、大きな打球音に対する音色を良くすると言った課題の解決には、クラブヘッドの打球音に関して心理音響評価法を用いて評価する必要がある。最近の研究では,心理音響パラメータとして、「ラウドネス」と「シャープネス」の2つが重要な要素として挙げられている。「ラウドネス」は音の大きさが非線形である人の聴覚系に良く対応しており、ISO532Bに定常ラウドネスの算出法が決められている。即ち、「ラウドネス」は、感覚尺度の1つで音の大きさを意味する。音の大きさは、音の強さに関係する感覚量で、音の高さと音色に並ぶ音の知覚に関する最も基本的な性質の1つであり、sone(ソーン)を用い、音の大きさのレベル40dB(A)(40phon)を1soneとする比率尺度で表現される。例えばある音のラウドネスが1soneから2soneになった場合、人間にはその音の大きさが2倍になったように感じることが出来る。「シャープネス;(音の鋭さ)とは、周波数スペクトルにおいて高周波成分の量を測るもので、音の甲高さを表し、広域を強調したラウドネスと普通のラウドネスとの比として算出され,単位はacum(アキュム)である。中心周波数1KHz、60dB(A)の臨界帯域の帯域雑音を1acumとする。一般的にラウドネスは迫力感(大きい、迫力がある、力強いなど)と、シャープネスは金属製(かたい、耳障り、甲高い)との関係があるといわれている。この2つの値を用いることで、より人間の聴覚感覚に近い評価が可能になる。また、請求項4〜8に記載の方法で良い打球音が実現できることもわかった。
【0016】それ故に、本願発明の主たる目的は、ゴルフクラブヘッドに関し、特に、打球音の良いクラブヘッドを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、例えばコンプレッションが100であるゴルフボールを、ゴルフクラブを用いて45m/sのヘッドスピードで打球した際に、ゴルフボールの設定位置からゴルファーの正面前方方向に向かって長さが1mで、且つ、高さが1.5mの位置にマイクロホンをゴルフボールの設定位置に向けて配置し、この位置で採取した1秒間の打球音の定常ラウドネスが80sone以上130sone以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0018】請求項2に係る発明では、コンプレッションが100であるゴルフボールを、ゴルフクラブを用いて45m/sのヘッドスピードで打球した際に、ゴルフボールの設定位置からゴルファーの正面前方方向に向かって長さが1mで、且つ、高さが1.5mの位置にマイクロホンをゴルフボールの設定位置に向けて配置し、この位置で採取した1秒間の打球音の定常ラウドネスが90sone以上110sone以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。なお、本願発明のゴルフクラブの数値限定との差異として、80sone以下の定常ラウドネスのゴルフクラブヘッドでは、打球音がゴルファーにとって迫力感のない打球音になるため、たとえ飛距離が向上するとしてもゴルファー一般に好感を持たれないと言った問題点を有していた。一方、130sone以上の定常ラウドネスのゴルフクラブヘッドでは、打球音が大き過ぎてゴルファーにとって耳障りな不快感のある音になるほか、ゴルフの打撃練習場周辺の住民から、打球音騒音による環境破壊として苦情が噴出すると言った致命的な欠点を有していた。
【0019】請求項3に係る発明では、コンプレッションが100であるゴルフボールを、ゴルフクラブを用いて45m/sのヘッドスピードで打球した際に、ゴルフボールの設定位置からゴルファーの正面前方方向に向かって長さが1mで、且つ、高さが1.5mの位置にマイクロホンをゴルフボールの設定位置に向けて配置し、この位置で採取した1秒間の打球音のZwickerによって定義された最大シャープネスの値が4.5 acum 以上6.0 acum 以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。なお、最大シャープネスの値が4.5 acum 以下のゴルフクラブヘッドの場合には打球音が低すぎて、ゴルファーの好みにやはり合い難く、販売してもあまり買い手がつかないと言った問題点を有していた。一方、最大シャープネスの値が6.0 acum 以上になると打球音が甲高くなり過ぎ、ゴルファーにとって限りなく耳障りで、難聴の副作用を生じる可能性を有しており,且つゴルフ打撃練習場周辺の住民からは、騒音公害として苦情が生じる恐れを有していた。
【0020】請求項4に係る発明では、前記請求項1、2に記載のゴルフクラブヘッドにおいて、β型チタニウム合金製であることを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0021】本願発明においては、ゴルフクラブヘッド用の素材として、鍛造成形やプレス成形加工出来るものが好ましく、特にβ型チタニウム合金では、ゴルファーが好む大きな打球音で且つ高い音を発するゴルフクラブヘッドを提供できるものである。なお、β型チタニウム合金としては、Ti―15Mo―5Zr―3Al合金やTi―15V―3Cr―3Sn―3Al合金、Ti―22V―4Al合金、Ti―13V―11Cr―3Al合金、Ti―8Mo―8V―2Fe-3Al、Ti―3Al―8V―6Cr―4Mo―4Zr合金、Ti―11.5Mo―6Zr―4.5Sn合金、Ti―15Mo―5Zr合金等が使用可能である。
【0022】請求項5に係る発明では、前記請求項1、2、3に記載のゴルフクラブヘッドにおいて、体積が330cm以上500cm以下であることを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0023】なお、ゴルフクラブヘッドの体積が330cm以下のものでは、本願発明の打球音の定常ラウドネスが80sone以下になると共に最大シャープネスの値も4.5 acum 以下になり前述の問題点を有していた。更に、ゴルフクラブヘッドの体積が500cm以上のものでは、打球音の定常ラウドネスが130sone以上になると共に最大シャープネスの値が6.0 acum 以上になる前述の如く各々問題点を有していた。
【0024】請求項6に係る発明では、前記請求項1、2,3、4、5に記載のゴルフクラブヘッドにおいて、ソール部の面積が投影面積の1.2倍以上3.0倍以下に設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0025】なお、本願発明においては、下記に説明するように、ソール部の面積が投影面積の1.2倍以下では、本願発明と相違して、打球音の定常ラウドネスが80sone以下になると共に最大シャープネスの最大値も4.5 acum 以下になり前述の問題点を有していた。更に、ゴルフクラブヘッドのソール部の面積が投影面積の3.0倍以上のものでは、打球音の定常ラウドネスが130sone以上になると共にシャープネスの値が6.0 acum 以上になる前述の如く各々問題点を有していた。
【0026】請求項7に係る発明では、前記請求項1、2,3、4、5、6に記載のゴルフクラブヘッドにおいて、ソール部の高さTがソール部を構成する材料の平均肉厚の5.0倍以上に設計されていた場合、本願発明と相違して、打球音の定常ラウドネスが80sone以下になると共に最大シャープネスの値も4.5 acum 以下になり前述の問題点を有していた。一方、ソール部の高さTがソール部を構成する材料の平均肉厚の15.0倍以上に設計された場合、打球音の定常ラウドネスが130sone以上になると共に最大シャープネスの値が6.0 acum以上になる前述の如く各々問題点を有していた。
【0027】
【発明の実施の形態】打球音の測定は、図1に示すような方法を用いた。まず、コンプレッションが100(コンプレッションとは、ボールを一定量変形させたときの荷重の大きさを差すもので、例えば(株)鴨下精衡所の「商品名・;コンプレッション270」という測定器を用いて測ることが出来る。)のゴルフボールを使用し、ヘッドスピードの設定が45m/sのスピードで打球した際に、ゴルフボールの設定位置からゴルファーの正面前方方向に向かって長さLが1mで、且つ、高さHが1.5mの位置に、マイクロホン(ブリュエル・ケアー社の「商品名・タイプ4165型コンデンサマイクロホン」)を配置し、マイクロホンパワーサプライ(ブリュエル・ケアー社の「商品名・タイプ2804型マイクロホンパワーサプライ」)を経由してDATレコーダー40(TEAC社製「商品名・DA−P20」)に録音して分析する。同時にDATレコーダ40には1KHz、94dBの校正音を取り込んでおく。打球音の分析は、音質評価ソフトウェア(ブリュエル・ケアー社の「商品名・7698型音質評価ソフトウェア」)を用いた。この音質評価ソフトウェアに、校正用データと、打球前が0.2秒、打球後が0.8秒の合計1.0秒の打球音データを取り込んだ。このデータを用いて,前述の定常ラウドネスおよび最大シャープネスを求めた。プログラムの設定条件は、(1)X-axis scale : Bark Scale,「座標はバルク座標」 (2)Sound Field : Diffuse,「音場は拡散」 (3)Resolution : 1/16 Bark,「分解能は1/16バルク」 (4)Total meas. time : 1.00s,「トータル時間は1秒」 (5)Multispectrum Time Delay : 0.2s,「マルチスペクトルの時間遅れは0.2秒」 (6)Multispectrum Time between Spectra: 0.001s,「マルチスペクトルのタイムインターバル時間を0.001秒」 とした。最大シャープネスはZwicker(ツウィッカー)によって定義された時間関数である非定常シャープネスの最大値を用いた。この音質評価ソフトウェアにおいては、「時間対シャープネス」のグラフで確認することが出来る。従来のゴルフクラブで、定常ラウドネスおよび最大シャープネスの計測に加えて5段階評価の官能試験(1:悪い⇔5:良い)を実施すると表1のようになった。
【0028】
【表1】表1
【0029】この表からラウドネスとシャープネスの値が大きいほど良い評価を得ていることが分る。つまり、ゴルフクラブヘッドの設計において打球音の定常ラウドネスと最大シャープネスを大きく設計することにより良い評価が得られることが分る。
【0030】
【実施例】本願発明では、図1に示すように、コンプレッションが100であるゴルフボール20を、ゴルフクラブ50を用いて45m/sのヘッドスピードで打球した際に、ゴルフボール20の設定位置からゴルファー10の正面前方方向に向かって長さLが1mで、且つ、高さHが1.5mの位置にマイクロホン30をゴルフボール20の設定位置に向けて配置し、この位置で採取した打球音の定常ラウドネスが80sone以上130sone以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッド1である。
【0031】更に、コンプレッションが100であるゴルフボール20をゴルフクラブ50を用いて45m/sのヘッドスピードで打球した際に、ゴルフボール20の設定位置からゴルファーの正面前方方向に向かって長さLが1mで、且つ、高さHが1.5mの位置にマイクロホン30をゴルフボール20の設定位置に向けて配置し、この位置で採取した打球音の最大シャープネスの値が4.5 acum 以上5.0 acum 以下になるように設計されたことを特徴とするゴルフクラブヘッドである。
【0032】次に、本願発明の具体的な実施例1を図面に基づいて説明すると、即ち、図2に示すウッドタイプのような、ゴルフクラブヘッド1の構成としては、フェース部2、ソール部3、クラウン部4、ソール・バックフェース部5、ホーゼル部6等からなるヘッド本体5を構成する各部材を溶接接合したヘッド体積が360cm3のゴルフクラブヘッド1であってソール部3の形状がゴルフクラブヘッド1の中空部の方向に突出した凸出部3Aとソール部外側に開口凹部3Bが形成されたことによりソール部3の表面積がソール部3の投影面積の1.5倍以上2.0倍以下に設計されている。実際に打球音を40名の被験者に5段階評価(1:悪い⇔5:良い)を実施すると、従来のゴルフクラブの平均2.3に対して,平均3.9と高い数字を示した。
【0033】
【表2】表2 実施例1
【0034】ソール部の投影面積を1.5倍にすることで、ソール部3の剛性が上昇して音の高さを示す最大シャープネスが増加し,それに伴いクラウン部4の振動の振幅が上昇して定常ラウドネス値も大きくなったと考えられる。また、その影響により評価点も上昇した。又、本願発明の具体的な実施例2を図面に基づいて説明すると、即ち、図3に示すウッドタイプのような、ゴルフクラブヘッド1の構成としては、フェース部2、ソール部3、ソール・バックフェース部5、クラウン部4、ホーゼル部6等からなるヘッド本体1Aを構成する各部材を溶接接合したヘッド体積が330cm3の以上500cm3以下のゴルフクラブヘッド1であって、ソール部3の形状がヘッド1の中空部の方向に突出した複数の凸出部3Aとソール部外側に複数の開口凹部3Bが形成されたことによりソール部3の表面積がソール部3の投影面積の1.2倍以上3.0倍以下に設計されているゴルフクラブヘッド1である。
【0035】本願発明のその他実施例3を図面に基づいて説明すると、即ち、図4に示すウッドタイプのような、ゴルフクラブヘッド1の構成としては、フェース部2、ソール部3、クラウン部4、ソール・バックフェース部5、ホーゼル部6等からなるヘッド本体1Aを構成する各部材を溶接接合したヘッド体積が360cm3ゴルフクラブヘッド1であって、ソール部3の形状がヘッド1の中空部の方向に突出した凸出部3Cとソール部外側に開口凹部3Dが開口形成されたことによりソール部3の表面積がソール部3の投影面積の1.5倍以上2.0倍以下に設計されているゴルフクラブヘッド1である。これは、ソール部の面積比が上昇したことに起因すると考えられる。
【0036】次に、本願発明の具体的な実施例4を図面に基づいて説明すると、即ち、図5に示すウッドタイプのような、ゴルフクラブヘッド1の構成としては、フェース部2、ソール部3、クラウン部4、ソール・バックフェース部5、ホーゼル部6等からなるヘッド本体1Aを構成する各部材を溶接接合したヘッド体積が350cm3のゴルフクラブヘッドであって、該ゴルフクラブヘッドはTi−15Al−5V−3Cr合金のβ型Ti合金製であり、ソール部の肉厚の10倍の大きさのソール高さTを持つように設計した。実際に実施例2として、40名の被験者に打球音に対する5段階評価(1:悪い⇔5:良い)を実施すると、従来のゴルフクラブより大きいな値である平均4.6を示した。
【0037】
【表3】表3 実施例2
【0038】
【発明の効果】以上のように、本願発明のゴルフクラブヘッドにおいては、ゴルフ場やゴルフ練習場などでボールを打球する際に生じる打球音の良いクラブヘッドを提供することができると言った効果を奏するものである。
【0039】特に、ゴルフクラブヘッドの容積比率が大きくなって来ている今日この頃のゴルフクラブヘッドにおいては、打球音が一般のゴルファーに好まれる大きくて高い音のゴルフクラブヘッドを供給することが出来ると共に打球音が甲高くなり過ぎる事もなく、ゴルファーにとって限りなく耳障りではなく且つ、難聴になる恐れのないゴルフクラブヘッドを供給できるものである。更に従来のものと異なり、ゴルフ打撃練習場周辺の住民から騒音公害として苦情が寄せられる恐れも顕著に低減できるものである。
【出願人】 【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目1番23号
【出願日】 平成14年3月6日(2002.3.6)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−250934(P2003−250934A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−60417(P2002−60417)