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【発明の名称】 ゴルフクラブシャフトの先端径調整具、ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブ
【発明者】 【氏名】中嶋 義文
【住所又は居所】東京都品川区南大井6−22−7 大森ベルポートE館ブリヂストンスポーツ株式会社内

【要約】 【課題】シャフト径の異なる多様なゴルフクラブヘッドに対応してゴルフクラブを組み立てることが容易であり、気に入ったゴルフクラブヘッドと気に入ったシャフトを好みに合わせて組み合わせることができるゴルフクラブシャフトの先端径調整具、ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブの提供。

【解決手段】ゴルフクラブシャフトの先端部に取り付け、該シャフト先端部の径を調整するためのゴルフクラブシャフトの先端径調整具であって、前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具が繊維強化樹脂により円筒状の管状体に形成されると共に、前記先端径調整具を長さ方向に切り離して一本の切れ目を設けたことを特徴とするゴルフクラブシャフトの先端径調整具である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ゴルフクラブシャフトの先端部に取り付け、該シャフト先端部の径を調整するためのゴルフクラブシャフトの先端径調整具であって、前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具が繊維強化樹脂により円筒状の管状体に形成されると共に、該先端径調整具を長さ方向に切り離して一本の切れ目を設けたことを特徴とするゴルフクラブシャフトの先端径調整具。
【請求項2】 前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具の内径がシャフトの先端部の外径よりも小さく形成されている請求項1に記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具。
【請求項3】 前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具に含まれる繊維が、長さ方向に沿って±10°の範囲で配向している請求項1又は2に記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具。
【請求項4】 前記繊維強化樹脂を構成する樹脂材料が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具。
【請求項5】 前記繊維強化樹脂を構成する繊維材料が、ガラス繊維及びカーボン繊維から選ばれる請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具。
【請求項6】 前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具が、長さ20mm〜80mm、厚み0.1mm〜0.5mm、内径7.5mm〜10.0mmである請求項1乃至5のいずれかに記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具。
【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかのゴルフクラブシャフトの先端径調整具をシャフト先端部に取り付けてなることを特徴とするゴルフクラブシャフト。
【請求項8】 請求項7に記載のゴルフクラブシャフトをゴルフクラブヘッドのシャフト挿入孔に挿着させてなるゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャフト径の異なる多様なゴルフクラブヘッドに対応してゴルフクラブを組み立てることが容易であり、プレーヤーの気に入ったゴルフクラブヘッドと気に入ったゴルフクラブシャフトを好みに合わせて組み合わせることができるゴルフクラブシャフトの先端径調整具、ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフクラブシャフトは、金属製シャフトと繊維強化樹脂(FRP)製シャフトとに大別される。一方、これらのシャフトに装着されるゴルフクラブヘッドは、木製(柿の木等)ヘッド、金属製ヘッド、FRP製ヘッド、又はこれらの複合品などが挙げられ、前記ゴルフクラブシャフトと前記ゴルフクラブヘッドは、一般に合成樹脂製接着剤により装着され、組み立てられている。
【0003】近年、ゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドの大型化、ゴルフクラブシャフトの軽量化、長尺化が求められており、特にシャフト先端部の耐衝撃性が必要とされる。また、プレーヤーの好みの多様化に合わせてゴルフクラブシャフトとゴルフクラブヘッドとを適宜組み合わせることが望まれており、シャフト径の異なる多様なゴルフクラブヘッドに対応してゴルフクラブを組み立てることが必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような状況下、従来における要望を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、シャフト径の異なる多様なゴルフクラブヘッドに対応してゴルフクラブを組み立てることが容易であり、プレーヤーの気に入ったゴルフクラブヘッドと気に入ったゴルフクラブシャフトを好みに合わせて組み合わせることができるゴルフクラブシャフトの先端径調整具、ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、下記のゴルフクラブシャフトの先端径調整具、ゴルフクラブシャフト及びゴルフクラブを提供する。
【0006】請求項1の発明は、ゴルフクラブシャフトの先端部に取り付け、該シャフト先端部の径を調整するためのゴルフクラブシャフトの先端径調整具であって、前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具が繊維強化樹脂により円筒状の管状体に形成されると共に、該先端径調整具を長さ方向に切り離して一本の切れ目を設けたことを特徴とするゴルフクラブシャフトの先端径調整具である。
【0007】請求項2の発明は、前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具の内径がシャフトの先端部の外径よりも小さく形成されている請求項1に記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具である。請求項3の発明は、前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具に含まれる繊維が、長さ方向に沿って±10°の範囲で配向している請求項1又は2に記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具である。請求項4の発明は、前記繊維強化樹脂を構成する樹脂材料が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる請求項1乃至3のいずれかに記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具である。請求項5の発明は、前記繊維強化樹脂を構成する繊維材料が、ガラス繊維及びカーボン繊維から選ばれる請求項1乃至4のいずれかに記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具である。請求項6の発明は、前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具が、長さ20mm〜80mm、厚み0.1mm〜0.5mm、内径7.5mm〜10.0mmである請求項1乃至5のいずれかに記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具である。請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかのゴルフクラブシャフトの先端径調整具をシャフト先端部に取り付けてなることを特徴とするゴルフクラブシャフトである。請求項8の発明は、請求項7に記載のゴルフクラブシャフトをゴルフクラブヘッドのシャフト挿入孔に挿着させてなるゴルフクラブである。
【0008】請求項1に記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具は、繊維強化樹脂により円筒状の管状体に形成され、長さ方向に切り離して一本の切れ目を設けている。これにより、ゴルフクラブシャフトの先端部に取り付けて任意に先端径を調整することができるので、プレーヤーの好みの多様化に合わせてゴルフクラブシャフトとゴルフクラブヘッドとを適宜組み合わせて、シャフト径の異なる多様なゴルフクラブヘッドに対応してゴルフクラブを組み立てることができる。また、先端径調整具をゴルフクラブシャフトに取り付けた際に切れ目が開いてその復元力により締め付け効果が生じ、前記先端径調整具が作業時等に動いてずれることを防止できる。更に、ゴルフクラブシャフトに取り付けた際に切れ目部分が多少開いていることにより、シャフト先端に前記先端径調整具が密着していることが確認できる。
【0009】請求項2に記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具は、請求項1において、ゴルフクラブシャフトの先端径調整具の内径がシャフトの先端部の外径よりも小さく形成されている。このため、先端径調整具をシャフトに取り付け時に切れ目が広がり、その復元力でシャフト先端部を締め付け、良好な接着性を示す。
【0010】請求項3に記載のゴルフクラブシャフトの先端径調整具は、請求項1又は2において、先端径調整具に含まれる繊維が、長さ方向に沿って±10°の範囲で配向しているので、円筒状に成形し易く、また、配向方向に沿って切れ目を作り易いものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のゴルフクラブシャフトの先端径調整具について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】図1(A)は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラフシャフトの先端径調整具を示す概略斜視図、図1(B)は、上方向から見た平面図である。このゴルフクラブシャフトの先端径調整具10は、例えば、図2に示したように、ゴルフクラブシャフト1の先端部に取り付け、図3に示したように、ドライバーヘッド7のシャフト挿入孔8に装着して用いられる。また、図5に示したように、アイアンヘッド20のシャフト挿入孔21に装着して用いられる。
【0013】前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具10は、図1(A)に示したように、先端径調整具を長さ方向に切り離して一本の切れ目5が設けられている。なお、先端径調整具の切れ目5は、先端径調整具をゴルフクラブシャフトに取り付ける前には、実質的に閉じられており、円筒状の管状体をなしている。
【0014】また、ゴルフクラブシャフトの先端径調整具の内径がシャフトの先端部の外径よりも小さく形成されていることが好ましい。具体的には、ゴルフクラブシャフトの先端径調整具の内径がシャフトの先端部の外径よりも0.05mm〜0.1mm小さく形成されることが好適である。これにより、先端径調整具をシャフトに取り付けた際に切れ目が開いてその復元力により締め付け効果が生じ、前記先端径調整具が作業時等に動いてずれることを防止できる。また、シャフトに取り付けた際に切れ目部分が多少開いていることにより、シャフト先端に前記先端径調整具が密着していることが確認できる。
【0015】前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具の大きさは、特に制限はなく目的に応じて適宜選定することができ、好ましくは長さ20mm〜80mm、厚み0.1mm〜0.5mm(より好ましくは0.2mm〜0.4mm)、内径7.5mm〜10.0mmである。アイアンクラブ用としては、長さ20mm〜40mm、内径9mm〜10mmのものが好適である。ドライバー等のウッドクラブ用としては、長さ40〜70mm、内径7.5mm〜9mmのものが好適である。
【0016】前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具の繊維強化樹脂を構成する樹脂材料としては、特に制限はないが、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。繊維強化樹脂(FRP)製シャフトに先端径調整具を取り付ける場合には、ゴルフクラブシャフトに使用される繊維強化樹脂と同じ樹脂を用いることが接着性を良くする点で好ましい。
【0017】前記繊維強化樹脂を構成する繊維材料としては、ガラス繊維、カーボン繊維、ガラス繊維とカーボン繊維の混合繊維を用いることが好ましい。なお、必要に応じて、チタン等の金属繊維、ボロン繊維、アモルファス繊維、有機繊維などを適宜配合することができる。前記カーボン繊維は弾性率があまり高くない方が好ましい。高弾性率になるとカーボン繊維自体が硬くなり作業性が低下する場合がある。カーボン繊維の弾性率は30トン以下が好ましい。
【0018】前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具に含まれる繊維は、長さ方向に沿って±10°の範囲で配向していることが好ましく、特に±0°の範囲で配向していることが好ましい。繊維の配向方向が長さ方向(縦)であることにより、円筒状に成形し易いと共に、配向方向に沿って切れ目を作り易くなる。
【0019】本発明のゴルフクラブシャフトの先端径調整具は、マンドレル(鉄芯)に1枚のUDプリプレグシートを巻回し、所定の大きさに切断し、その長さ方向に切れ目を入れることにより製造することができる。これにより、射出成形のように離型剤が先端径調整具に混入しないため、接着力の低下を防止できる。
【0020】前記ゴルフクラブシャフトの先端径調整具をクラブシャフトに取り付ける方法としては、図2に示したように、シャフト1の先端部に接着剤を塗布し、円筒状の先端径調整具10を挿入し、充分に硬化させることにより接着固定することができる。なお、接着剤としては普通に用いられているものを適宜選択して使用することができる。
【0021】本発明のゴルフクラブシャフトの先端径調整具が取り付けられるゴルフクラブシャフトについては特に制限はなく、金属製シャフト又は繊維強化樹脂(FRP)製シャフトのいずれであっても構わない。
【0022】また、本発明のゴルフクラブシャフトの先端径調整具が先端部に取り付けられたゴルフクラブシャフトは、プレーヤーの好みの多様化に合わせてシャフトとゴルフクラブヘッドとを適宜組み合わせることができ、シャフト径の異なる多様なゴルフクラブヘッドに対応してゴルフクラブを組み立てることができるものである。
【0023】更に、図4に示したように、本発明のゴルフクラブシャフトの先端径調整具10を取り付けることにより、金属製ヘッドの端面7aがシャフト1に直接当ることがなくなり、ゴルフクラブシャフトの破損を防止できる。
【0024】以上、本発明のゴルフクラブシャフトの先端径調整具について具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更しても差支えない。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し本発明について更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限されるものではない。
【0026】〔実施例1、比較例1〕1枚のUDプリプレグシート(商品名:TR350E125S(三菱レイヨン製)、弾性率24トンのカーボン繊維を使用品)をマンドレルに巻回し硬化した後、長さ65mm、内径8.5mm、厚み0.2mmの円筒状管状体に切断し、該円筒状管状体の長さ方向に1本の切れ目を入れて、図1に示したようなシャフト先端径調整具を作製した。なお、この先端径調整具は繊維が長さ方向(約0°)に配向している。
【0027】この先端径調整具を、カーボン繊維強化樹脂製のゴルフクラブシャフト(先端径8.6mm)の先端部に接着剤を塗布し、接着固定した。これによりシャフト先端径は9.0mmとなった(実施例1)。比較例1として、円筒状管状体を取り付けてない前記ゴルフクラブシャフトを用いた。
【0028】<アイゾット強度試験>実施例1及び比較例1のゴルフクラブシャフトから長さ50mm〜60mmのシャフトサンプルを作成した。図6に示したように、各シャフトサンプルを、金属製のシャフト保持具30のシャフト接着孔32(一般的な金属製ゴルフクラブヘッドと同じ孔構造をしている)に、シャフト保持具より30mmのところにアイゾットの刃が当たるように接着固定してアイゾット強度試験(JIS K6911−1962準拠)を行った。結果を表1に示す。なお、表1中の単位はkgfcmである。
【0029】
【表1】

表1の結果から、本発明の先端径調整具を取り付けることにより、比較例1に比べてアイゾット強度が約10%向上することが認められた。
【0030】<耐久試験>次に、実施例1のゴルフクラブシャフトに金属製ウッド型ゴルフクラブヘッドをエポキシ系接着剤を使用して装着し、ミヤマエスイングロボット(ヘッドスピード45m/s)にて耐久試験を行った。比較例2として、実施例1と同じ寸法の繊維を含まないポリアミド樹脂製の円筒状管状体を用意し、この管状体を同様にゴルフクラブヘッドに装着し、同様に耐久試験を行った。
【0031】実施例1は、ミヤマエスイングロボット耐久試験でゴルフクラブヘッドの打球面(フェース)の中心からトウ側及びヒール側(中心よりそれぞれ20mm離れた位置)についてそれぞれ500発打撃しても接着層が剥離してゴルフクラブヘッドが回ることなく、全く問題がなかった。これに対して、比較例2では、ミヤマエスイングロボット耐久試験で200発打撃したところで接着層が剥離してゴルフクラブヘッドが回ってしまった。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ゴルフクラブシャフトの先端部にゴルフクラブシャフトの先端径調整具を取り付けることで、プレーヤーの好みの多様化に合わせてゴルフクラブシャフトとゴルフクラブヘッドとを適宜組み合わせることができ、シャフト径の異なる多様なヘッドに対応してゴルフクラブを任意に組み立てることができる。
【0033】また、本発明によれば、ゴルフクラブシャフトの先端径調整具をゴルフクラブシャフトの先端部に取り付けることにより、シャフト先端部の強度を補強し得、衝撃強度が向上する。
【出願人】 【識別番号】592014104
【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社
【住所又は居所】東京都品川区南大井6丁目22番7号
【出願日】 平成14年2月28日(2002.2.28)
【代理人】 【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広 (外2名)
【公開番号】 特開2003−250932(P2003−250932A)
【公開日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【出願番号】 特願2002−52833(P2002−52833)