| 【発明の名称】 |
歩行補助用ポール |
| 【発明者】 |
【氏名】木崎 満男 【住所又は居所】長野県小諸市大字加増字上の平561の2 株式会社キザキ内
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| 【要約】 |
【課題】繊維強化樹脂製のパイプシャフトを用いてもジョイントプラグが空回りせずに十分な接合力が得られる伸縮調節可能な歩行補助用ポールを提供する。
【解決手段】大径側パイプシャフト4,6内に小径側パイプシャフト6,8を挿抜自在に遊嵌し、小径側パイプシャフトの一端にテーパ面20aを有して大径側パイプシャフト内に延びるネジ部材20を設け、ネジ部材には大径側パイプシャフトの内周面に軽圧入嵌合されて摺接するジョイントプラグ18を螺合させ、ジョイントプラグにはその一端部側を拡縮可能とする複数の割溝18cを形成し、大径側パイプシャフトと小径側パイプシャフトとを相対回転させることでネジ部材のテーパ面をジョイントプラグの一端部に圧入嵌合ないし離脱させて大径側パイプシャフトと小径側パイプシャフトとを一体的に固定乃至解除する歩行補助用ポールにおいて、各パイプシャフトを繊維強化合成樹脂で構成し、その内周面はショットブラスト等による離型剤の剥離加工を施して粗面に形成し、この粗面はジョイントプラグの摩耗を防止するために塗料層28で被覆する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大径側パイプシャフト内に小径側パイプシャフトが順次挿抜自在に複数本遊嵌挿通され、小径側パイプシャフトの一端にはテーパ面を有して大径側パイプシャフト内に延びるネジ部材が同軸上に一体的に設けられ、このネジ部材には大径側パイプシャフトの内周面に軽圧入嵌合されて摺接する円筒状のジョイントプラグが螺合されており、かつ該ジョイントプラグにはその一端部側を拡縮可能とするための複数の割溝が形成されていて、大径側パイプシャフトと小径側パイプシャフトとを相対回転させることによりネジ部材のテーパ面をジョイントプラグの一端部側に圧入嵌合ないし離脱させて該一端部を拡縮し、大径側パイプシャフトと小径側パイプシャフトとを圧着固定ないし固定解除する伸縮調節が可能な歩行補助用ポールにおいて、該各パイプシャフトを繊維補強合成樹脂で形成し、該小径側パイプシャフトが挿通される該大径側パイプシャフトの内周面は、該パイプシャフト成型時に付着残存する離型剤を剥離するための剥離加工を施して粗面に形成するとともに、該粗面は塗料層を塗布して平滑化したことを特徴とする歩行補助用ポール。 【請求項2】 前記粗面がショット・ブラストによる離型剤剥離加工によって形成されることを特徴とする請求項1記載の歩行補助用ポール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、トレッキングやハイキング等で使用する長さが伸縮調整可能な歩行補助用ポールに関する。 【0002】 【従来の技術】図1と図2はトレッキングやハイキング等で従来から使用されている長さが伸縮調整可能な歩行補助用ポールを示す。図示するように、歩行補助用ポール2は径の大小異なる複数のパイプシャフトが順次その径の大きさ順に挿抜自在に遊嵌状態で挿通されて、その全長を任意の長さで固定係止可能に構成されている。一般的には、大径、中径、小径の3本のアルミ製のパイプシャフト4,6,8よりなり、大径パイプシャフト4内に挿通された中径パイプシャフト6の一端部と、中径パイプシャフト6内に挿通された小径パイプシャフト8の一端部とに、それぞれ大径パイプシャフト4の内周面及び中径パイプシャフト6の内周面に各々係合して、大径パイプシャフト4と中径パイプシャフト6とを、また中径パイプシャフト6と小径パイプシャフト8とを相互に一体的に固定して係止する固定係止機構16が設けられている。 【0003】この固定係止機構16は、図2に示すように上記中径パイプシャフト6と小径パイプシャフト8との一端部にそれぞれ圧入嵌合されて一体化される金属製のネジ部材20と、このネジ部材20に螺合される樹脂製のジョイントプラグ18、及びこのジョイントプラグ18の抜け落ちを防止するためにネジ部材20の先端に設けられるスナップリングや回り止めが施されたナット22等の止め金具とからなる。 【0004】ネジ部材20はパイプシャフト6,8内に圧入嵌合される基端部20dにカシメ止め用の溝部20eが形成され、この溝部20eでパイプシャフト6,8がカシメられて一体化されている。また、ネジ部材20にはパイプシャフト6,8の端面に当接するフランジ20cがそのパイプシャフトの肉厚分だけ拡径形成されていて、圧入嵌合時の位置合わせが容易に行えるようになっている。そして、このフランジ20cからは円錐状に漸次縮径されるテーパ面20aが軸方向に沿って突出形成され、このテーパ面20aに続いてネジ部20aが延出し、このネジ部20aに上記ジョイントプラグ18が螺合されている。 【0005】ジョイントプラグ18は内周面に雌ねじが形成されているボス部18aと、このボス部18aからネジ部材20のテーパ面側に向けて一体的に筒状に延出形成されている圧着係合部18bとからなる。そして、この圧着係合部18bには複数条の割溝18cが軸方向に沿って形成されていて、径方向外方に容易に弾性変形し得るようになっている。また、圧着係合部18bはボス部18aよりも径が大きく形成されていて、かつこれが挿入される大径側のパイプシャフト4,6の内径よりも若干大きな寸法とされて、大径側パイプシャフト4,6内に軽圧入されて内周面に摺接するようになっている。 【0006】すなわち、組立状態で固定係止機構16のネジ部材20は、これが取り付けられた小径側のパイプシャフト6,8の一端部から大径側のパイプシャフト4,6内に延び、そのネジ部20bに螺合されたジョイントプラグ18の圧着係合部18bはパイプシャフト4,6の内周面に摺接している。 【0007】従って、大径側のパイプシャフト4,6と小径側のパイプシャフト6,8とを手で捻って相対回転させると大径側のパイプシャフト4,6の内周面に摺接したジョイントプラグ18は摩擦力により回転が規制されて、ネジ部20b上を軸方向に相対移動することになる。そして、ネジ部材20の基端部20d側に向かって相対移動してゆき、圧着接合部18bがテーパ面20aに当接するとこのテーパ面20aにより径方向外方に拡大されて拡径し、その外周面がパイプシャフト4,6の内周面に強く圧接されていく。これにより当該ジョイントプラグ18とネジ部材20とを介して大径側のパイプシャフト4,6と小径側のパイプシャフト6,8とがそれぞれ一体的に固定係止されることになる。また、ジョイントプラグ18の圧着接合部18bがネジ部材20のテーパ面20aに当接していない状態では、ジョイントプラグ18をパイプシャフト4,6の内周面に対して軽い力で摺動させることができ、よって大径側のパイプシャフト4,6と小径側のパイプシャフト6,8とを軽い力で押し引きして挿抜作動させることで、その全長を任意の長さに設定し得るようになっている。 【0008】なお、図1及び図2中において、10は大径側のパイプシャフト4,6の端部に取り付けられてエッヂ部を覆う保護用のカバースリーブであり、12は大径パイプシャフト4に取り付けられたグリップ、図2中の26は小径パイプシャフト8の先端に取り付けられた石突き、26aはこの石突きに着脱自在に取り付けられる図外のバスケットリングを螺合させるためのネジ部、24はそのストッパであり、当該石突き26部分には通常時には図1に示すように保護カバー14が着脱自在に被せられている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の歩行補助用ポール2にあっては、各パイプシャフト4,6,8にはアルミ管が使用されていたが、より一層の軽量化と高強度化とを図るために、当該パイプシャフト4,6,8に繊維強化樹脂管を採用することが考えられる。 【0010】しかしながら、このような繊維強化樹脂管では、その成型時に使用するシリコン等の離型剤が内周面に付着残存しているために滑りやすくなっている。このため、大径側のパイプシャフト4,6と小径側のパイプシャフト6,8とを手で捻って相対回転させ、大径側のパイプシャフト4,6の内周面に摺接したジョイントプラグ18を摩擦力によってその回転を規制しつつ、ネジ部20b上を軸方向に相対移動させようとしても、ジョイントプラグ18とパイプシャフト4,6の内周面との摩擦力が不足して滑り、ジョイントプラグ18が空回りをしてしまって十分に固定係止させることができないという問題があった。 【0011】そこで本発明者は、この問題を解消してパイプシャフト4,6の繊維強化樹脂化を図るべく開発を進めて行く過程で、内周面に付着したシリコンを除去するためにショットブラスト加工などの剥離加工を当該パイプシャフト4,6の内周面に施して粗面に形成することを試み、これによりジョイントプラグ18の空回りが防止できるようになることを確認し得た。 【0012】しかしながら、パイプシャフト4,6の内周面を粗面に形成したままであると、これに摺接するジョイントプラグ18の摩耗が激しくて耐久性を確保することができず、実用化に至らなかった。 【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パイプシャフトに繊維強化樹脂管を用いても、ジョイントプラグに空回りが生じることが無く、もって十分な圧接接合力が得られ、しかもジョイントプラグの摩耗を防止できて耐久性に優れる、全長を任意に伸縮調節可能なトレッキング及びハイキング用の歩行補助用ポールを提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するためにこの発明では、大径側パイプシャフト内に小径側パイプシャフトが順次挿抜自在に複数本遊嵌挿通され、小径側パイプシャフトの一端にはテーパ面を有して大径側パイプシャフト内に延びるネジ部材が同軸上に一体的に設けられ、このネジ部材には大径側パイプシャフトの内周面に軽圧入嵌合されて摺接する円筒状のジョイントプラグが螺合されており、かつ該ジョイントプラグにはその一端部側を拡縮可能とするための複数の割溝が形成されていて、大径側パイプシャフトと小径側パイプシャフトとを相対回転させることによりネジ部材のテーパ面をジョイントプラグの一端部側に圧入嵌合ないし離脱させて該一端部を拡縮し、大径側パイプシャフトと小径側パイプシャフトとを圧着固定ないし固定解除する伸縮調節が可能な歩行補助用ポールにおいて、該各パイプシャフトを繊維補強合成樹脂で形成し、該小径側パイプシャフトが挿通される該大径側パイプシャフトの内周面は、該パイプシャフト成型時に付着残存する離型剤を剥離するための剥離加工を施して粗面に形成するとともに、該粗面は塗料層を塗布して平滑化したことを特徴とする。 【0015】ここで、前記粗面はショット・ブラストによる離型剤剥離加工によって形成すると良い。 【0016】上記構成でなる歩行補助用ポールによれば、ジョイントプラグが挿入される繊維補強合成樹脂製のパイプシャフトの内周面は、ショットブラスト等による剥離加工によって粗面に形成されることにより、その表面に残存するシリコンなどの離型剤が剥離除去され、かつ当該粗面は塗布された塗料によって平滑化されるので、ジョイントプラグとパイプシャフトの内周面との摩擦力を適度に確保してジョイントプラグの空回りを防止でき、もって十分な固定係止力を得ることができるようになり、かつジョイントプラグは繊維補強合成樹脂の粗面に直接触れずに平滑化された塗装層に摺接するため、摩耗の防止化が図られて十分な耐久性を確保できるようになる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る歩行補助用ポールの好適な実施の形態例について、添付図面に基づき詳述する。なお、本発明に係る歩行補助用ポールの主たる構成は、前述の図2及び図3に示される従来のものとほぼ同一であり、よって従来の構成と共通する点については同一の符号を付してその説明は省略し、相違する点について説明する。 【0018】すなわち、図1に示すように、本発明の歩行補助用ポールが従来例と異なる点は、大径、中径、小径の各パイプシャフト4,6,8は炭素繊維やガラス繊維,ケブラー繊維,アラミド繊維,PBO(ポリパラフェニン・ベンズ・オキサゾール)繊維等によって補強された繊維補強合成樹脂の管体でなる。ここで、ネジ部材20はパイプシャフト6,8内に圧入嵌合されて一体化され、必要があれば接着剤を併用して接着接合しても良い。 【0019】ところで、この繊維補強合成樹脂製のパイプシャフト4,6,8のうち、内部に小径側パイプシャフト6,8のジョイントプラグ18が挿入されることになる大径パイプシャフト4と中径シャフト6との内周面は、ショットブラスト等による離型剤剥離加工によって表面が削り落とされて残存するシリコンなどの離型剤が剥離除去されて一旦粗面に形成される。そして、この粗面に形成されたパイプシャフト4,6の内周面には塗料が塗布されて、当該粗面が塗料層28で被覆され、その表面が平滑化される。また、塗料は離型剤がそぎ落とされた粗面に塗布されるので、塗料層28はパイプシャフト4,6の内周面に強固に付着されることになる。 【0020】従って、パイプシャフト4,6の内部に挿入されて摺接されることになる小径側パイプシャフト6,8の各ジョイントプラグ18は表面が平滑化された塗料層28の表面を摺動することになる。すなわち、繊維強化合成樹脂製のパイプシャフト4,6の内周面に離型剤剥離加工を施して一旦粗面に形成しても、ジョイントプラグ18は硬質な繊維強化合成樹脂の粗面には接触せずに、当該粗面を被覆した塗料層28に摺接するから、塗料層28との間で適度な摩擦力が得られて空回りが防止され、大径側パイプシャフト4,6と小径側パイプシャフト6,8との間で十分な固定係止力が得られるようになる。 【0021】また、ジョイントプラグ18は繊維強化樹脂製のパイプシャフト4,6の内周面に塗布されて被覆する、当該ジョイントプラグ18よりも軟質な表面が平滑化された塗料層28によって保護されるから、摩耗させられることが無く、長期に亘る耐久性を確保できるようになる。 【0022】なお、離型剤剥離加工を施さずに、シリコンなどの離型剤が残存したままの繊維補強樹脂製パイプシャフトの内周面に塗装をした場合には、上記離型剤により塗料の付着力は弱く、塗料層は直ぐに剥離してしまってジョイントプラグの空回りの防止はなし得ない。 【0023】 【発明の効果】以上のように、本発明に係わる歩行補助用ポールによれば、ジョイントプラグが挿入される繊維補強合成樹脂製のパイプシャフトの内周面は、ショットブラスト等による剥離加工によって粗面に形成されることにより、その表面に残存するシリコンなどの離型剤が剥離除去され、かつ当該粗面は塗布された塗料によって被覆平滑化されるので、ジョイントプラグとパイプシャフトの内周面との摩擦力を適度に確保してジョイントプラグの空回りを防止でき、もって十分な固定係止力を得ることができるようになり、かつジョイントプラグは繊維補強合成樹脂の粗面に直接触れずに平滑化された塗料層に摺接するため、摩耗の防止化が図られて十分な耐久性を確保できるようになる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000129297 【氏名又は名称】株式会社キザキ 【住所又は居所】長野県小諸市大字加増字上の平561−2
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| 【出願日】 |
平成14年3月4日(2002.3.4) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100071283 【弁理士】 【氏名又は名称】一色 健輔 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−250930(P2003−250930A) |
| 【公開日】 |
平成15年9月9日(2003.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2002−57662(P2002−57662) |
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