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【発明の名称】 アイアンゴルフクラブ
【発明者】 【氏名】木村 卓司
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号 美津濃株式会社内

【氏名】更家 衛
【住所又は居所】大阪府大阪市住之江区南港北1丁目12番35号 美津濃株式会社内

【要約】 【課題】ボールを打撃したときの打感をコントロールすることができるヘッド構造を備えたアイアンゴルフクラブを提供する。

【解決手段】本発明のアイアンゴルフクラブのヘッド部1におけるフェース部7の背面側に複数の凹部8を設ける。該凹部8は、フェース部7の背面に開口し、フェース面側に向かって延在する。この凹部8にたとえばタングステンビスよりなる錘部材9を取付ける。そして凹部8および錘部材9を覆うようにカバープレート10を取付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘッド部(1)を有するアイアンゴルフクラブであって、前記ヘッド部(1)は、フェース部(7)の背面に錘部材(9)を受け入れる複数の凹部(8)と、該凹部(8)を覆うカバープレート(10)とを備える、アイアンゴルフクラブ。
【請求項2】 前記凹部(8)は、前記ヘッド部(1)のトウ部(2)からヒール部(4)に向かう方向に並設され、フェース部(7)の背面に開口部を有し、フェース面に向かう方向に延在する、請求項1に記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項3】 前記錘部材(9)の外周におねじ部を形成し、前記凹部(8)の内周に前記おねじ部に対応するめねじ部を形成した、請求項1または請求項2に記載のアイアンゴルフクラブ。
【請求項4】 ヘッド部(1)を備えたアイアンゴルフクラブであって、前記ヘッド部(1)は、フェース部(7)にボールを打撃したときの打感を調整するための打感調整部を備えたことを特徴とする、アイアンゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、打感をコントロール可能な構造のヘッド部を備えたアイアンゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アイアンゴルフクラブのヘッド部におけるネック部の内部に鉛などのウェイトを設置したり、ヘッド部におけるソール部にバランサーを取付け、ヘッド部のウェイトコントロールを行ったアイアンゴルフクラブは存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のアイアンゴルフクラブでは、たとえば重心位置を変化させるためにヘッド部にウェイトやバランサーを取付けており、ボールを打撃した際のフィーリング(以下、「打感」という)を変化させることはできなかった。
【0004】打感は、各プレイヤーの好みも関与し、各プレイヤーに特有のものであるが、打感の良し悪しによってはスイングが乱れ、ミスショットにつながる可能性がある。したがって、プレイヤー、特に上級者にとっては、打感をコントロールすることが望まれている。
【0005】そこで、本発明の目的は、打感をコントロールすることができるヘッド部を備えたアイアンゴルフクラブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアイアンゴルフクラブは、ヘッド部を備え、1つの局面では、該ヘッド部におけるフェース部の背面に錘部材を受け入れる複数の凹部と、該凹部を覆うカバープレートとを備える。
【0007】このようにフェース部の背面に錘部材を受け入れる複数の凹部を設けることにより、該凹部に所望の数の錘部材を装着することができる。それにより、フェース部の実質的な厚みを調節することができ、打感をコントロールすることができる。
【0008】上記凹部は、好ましくは、ヘッド部のトウ部からヒール部に向かう方向に並設され、フェース部の背面に開口部を有し、フェース面に向かう方向に延在する。
【0009】このようにヘッド部のトウ部からヒール部に向かうトウ・ヒール方向に錘部材を受け入れる複数の凹部を並設することにより、トウ・ヒール方向における任意の位置の凹部に所望の数の錘部材を装着することができる。それにより、打感をコントロールするとともに、トウ・ヒール方向に重心位置をシフトさせることもできる。
【0010】錘部材の外周におねじ部を形成し、凹部の内周に該おねじ部に対応するめねじ部を形成することが好ましい。それにより、錘部材を凹部に螺着することが可能となり、錘部材の位置ずれや凹部から抜け出すことを抑制することができる。
【0011】本発明に係るアイアンゴルフクラブは、他の局面では、フェース部にボールを打撃したときの打感を調整するための打感調整部を備えたヘッド部を有する。かかる打感調整部を有することにより、打感をコントロールすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のアイアンゴルフクラブは、ヘッド部におけるフェース部にボールの打感を調整するための打感調整部を備えることを重要な特徴とする。
【0013】本発明の打感調整部の一例としては、たとえばフェース部の背面に設けられ錘部材を受け入れる複数の凹部を含む構造を挙げることができる。この凹部は、フェース部背面の任意の位置に設けてもよいが、フェース部における打球部(厚みが最大の部分あるいはその近傍)の背面側に設けられることが好ましい。該凹部に所望の数の錘部材を装着することにより、フェース部における打球部の実質的な厚みを調節することができ、打感をコントロールすることができる。
【0014】上記凹部を、ヘッド部のトウ部からヒール部に向かう方向に複数並設することが好ましい。たとえばフェース部におけるスイートスポット近傍に、該スイートスポットに関して対称となる位置に複数の凹部を設けることが考えられる。また、スイートスポットの両側に同数(単数でも複数でもよい)の凹部を設けることも考えられる。かかる凹部に装着する錘部材の位置や数を適切に調節することにより、トウ・ヒール方向に重心位置をシフトさせることもできる。
【0015】上記凹部の形状としては任意形状を採用することができるが、凹部の開口形状をたとえば円形とすることが好ましい。この凹部の開口部はフェース部の背面に設けられ、凹部は、フェース部の背面からフェース面に向かう方向、すなわちヘッド部の前後方向に延在することが好ましい。
【0016】また上記凹部は、ねじ穴であってもよく、それ以外の任意の内周面形状を有する穴であってもよい。この凹部の内周に、錘部材装着時に錘部材と係合する係合部を設けることが好ましい。それにより、錘部材装着後に錘部材を凹部に係止することができ、錘部材が凹部から抜け出すのを防止することができる。
【0017】たとえば錘部材の外周におねじ部を形成し、凹部の内周に該おねじ部に対応するめねじ部を形成することが考えられる。この場合には、錘部材を凹部に螺着することが可能となり、錘部材の位置ずれを抑制しながら凹部から抜け出すことをも効果的に抑制することができる。
【0018】また、上記凹部を覆うカバープレートを設けることも可能であり、この場合にはより確実に錘部材の抜け出しを抑制できるとともに外観を向上することもできる。カバープレートは、所定以上の剛性を有する部材で構成ればよく、典型的には金属で構成する。
【0019】錘部材としては、任意の材質および形状のものを採用可能であるが、ヘッド部本体よりも比重の高い材質を使用することが好ましい。たとえばヘッド部本体をステンレス鋼で構成した場合には、錘部材をタングステンのような高比重の材質で構成する。また錘部材の形状としては、たとえば丸棒形状、外周にねじを形成した円柱あるいは円筒形状、直方体形状、多角形断面の柱体形状など種々の形状が考えられる。
【0020】
【実施例】以下、図1〜図3を用いて、本発明の実施例について説明する。図1は、本発明の1つの実施例におけるアイアンゴルフクラブの部分斜視図である。図2は、図1に示すヘッド部1のA−A線断面図である。
【0021】図1に示すように、本実施例のアイアンゴルフクラブは、ヘッド部1と、シャフトと、グリップ(図示せず)とを備える。ヘッド部1は、トウ部2と、トップエッジ部3と、ヒール部4と、ソール部5と、バック部6と、フェース部と、カバープレート10とを備える。
【0022】図2に示すように、フェース部7の背面に開口しフェース面側に延在するように凹部8を設け、該凹部8に錘部材9を装着している。フェース部7はチタンあるいはチタン合金で構成され、フェース部7以外のヘッド部本体は、ステンレス鋼で構成する。図2に示す例では、凹部8は内周にねじが形成されたねじ穴であり、錘部材9としてフェース部7を含むヘッド部本体よりも比重の大きいタングステンよりなるビスを使用している。
【0023】凹部8の深さW1は、5mm〜15mm程度であり、幅W2は、3mm〜15mm程度である。
【0024】図3(a)に、本発明の打感調整部の構造例を示す。この図に示すように、トウ部2からヒール部4に向かうトウ・ヒール方向に並ぶように4つの凹部8を等間隔で設ける。この4つの凹部8に所望の数の錘部材9を螺着する。
【0025】このとき、トウ部2側の凹部8に錘部材9を螺着することによりヘッド部1の重心位置をトウ部2側にシフトさせることができ、ヒール部4側の凹部8に錘部材9を螺着することによりヘッド部1の重心位置をヒール部4側にシフトさせることができる。
【0026】図3に示す例では中央の2つの凹部(ねじ穴)8に、図3(b)に示す錘部材(タングステンビス)9を取り付けている。図3(b)に示すように本実施例における錘部材9は、円柱形状のビスであり、外周におねじ部を形成している。この錘部材9の質量は、たとえば2〜8g程度である。
【0027】錘部材9の長さは、凹部8の深さW1と同等のものでもよいが、深さW1よりも小さいものであってもよい。種々の長さの錘部材9を作製することにより、様々な組合せで錘部材9を装着することができ、ウェイトコントロールのバリエーションが増えるとともに、より微妙かつ繊細な打感調整を行える。
【0028】他方、凹部8の内周には、好ましくは、めねじ部を設ける。それにより、凹部8に錘部材9を螺着することができる。なお、めねじ部は、凹部8の内周の少なくとも一部に設ければよい。
【0029】図3(a)に示すように、凹部8の周囲に座ぐり部を設け、該座ぐり部に全ての凹部8を覆うようにカバープレート(被覆部材)10を取付ける。カバープレート10は略矩形形状を有し、金属製であり、表面に装飾が施される。
【0030】次に、本願発明者は、本発明のゴルフクラブで実際に打球した際の打感に関するテストを行ったのでその結果を表1に示す。なお表1に示すデータは、本発明のビスを取付けない(ビス0g)ヘッドを有するゴルフクラブと、2gのビスを図3(a)に示す4つの凹部8のうち、内側の2つに配置した(全ビス質量4g)のヘッドを有するゴルフクラブと、4gのビスを図3(a)に示す4つの凹部8のうち、外側の2つに配置した(全ビス質量8g)のヘッドを有するゴルフクラブを用いた場合の、上級者3名による試打結果である。
【0031】
【表1】

【0032】表1に示す結果より、ある程度の個人差はあるものの、本発明のビスを取付けることにより、打感が向上していると判断したゴルファーが多いことがわかる。
【0033】以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示した実施の形態および実施例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【0034】
【発明の効果】本発明のアイアンゴルフクラブによれば、打感をコントロールすることができるので、各プレイヤーの好む打感となるように調節することができる。それにより、打球時の違和感を軽減することができ、ミスショットを少なくすることができる。
【出願人】 【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目1番23号
【出願日】 平成13年12月6日(2001.12.6)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎 (外3名)
【公開番号】 特開2003−169870(P2003−169870A)
【公開日】 平成15年6月17日(2003.6.17)
【出願番号】 特願2001−372688(P2001−372688)