| 【発明の名称】 |
ゴルフクラブヘッド |
| 【発明者】 |
【氏名】松永 英夫 【住所又は居所】埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストンスポーツ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ヘッドスピードが遅いゴルファーが使用しても、打ち出し角度が高くなり、飛距離を増大させることができるゴルフクラブヘッドを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッドは、チタン又はチタン合金製のフェース部2と、クラウン部3と、ソール部4と、サイド部5と、ホゼル部6とを有する。サイド部5は、トウ側からバック側及びヒール側8ですべて一体となっている。サイド部5とホゼル部6とは一体に鋳造されている。フェース部2、クラウン部3及びソール部4は、いずれも別々に成形されている。このフェース部2、クラウン部3、ソール部4及びサイド部5が溶接により一体化されることによりゴルフクラブヘッドとされる。クラウン部3の縦弾性率はフェース部2、ソール部4、サイド部5及びホゼル部6のいずれの縦弾性率よりも低いものとなっている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくともフェース部、ソール部、サイド部及びクラウン部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、該クラウン部を構成する金属材料が最も縦弾性率が低いことを特徴とするゴルフクラブヘッド。 【請求項2】 請求項1において、少なくとも前記クラウン部が他の部分と別体でプレス成形され、該他の部分に対し接合されていることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 【請求項3】 請求項1又は2において、前記クラウン部の厚みが、0.5〜1.2mmであることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項において、該ゴルフクラブヘッドを形成する金属がチタン又はチタン合金であり、クラウン部の縦弾性率が10500kgf/mm2以下であり、ソール部の縦弾性率が11000kgf/mm2以上であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。 【請求項5】 請求項4において、クラウン部の縦弾性率とソール部の縦弾性率との差が1000〜3000kgf/mm2であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、金属製中空ゴルフクラブヘッドに係り、特にウッド型又はそれに近似した形状のゴルフクラブヘッドに関するものである。 【0002】 【従来の技術】ドライバーやフェアウェーウッドなどのウッド型ゴルフクラブヘッドとして、中空の金属製のものが広く用いられている。一般に、図2に示されるように、中空のウッド型のゴルフクラブヘッド1は、ボールをヒットするためのフェース部2と、ゴルフクラブヘッドの上面部を構成するクラウン部3と、ゴルフクラブヘッドの底面部を構成するソール部4と、ゴルフクラブヘッドのトウ側、バック側及びヒール側の側面部を構成するサイド部5と、ホゼル部6とを有している。このゴルフクラブヘッド1のホゼル部6にシャフト7が挿入され、接着剤等によって固定される。なお、最近では、ユーティリティクラブと称されるゴルフクラブヘッドも多く市販されており、このユーティリティゴルフクラブヘッドの1種として、上記ウッド型ゴルフクラブヘッドに類似した(即ち、フェース部、ソール部、サイド部及びクラウン部を有した)ゴルフクラブヘッドも各種市販されている。 【0003】この中空ゴルフクラブヘッドを構成する金属としては、アルミニウム合金、ステンレスやチタン合金が用いられているが、近年は特にチタン合金が広く用いられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】中空の金属製ゴルフクラブヘッドの飛距離を大きくするために、フェース面の撓みを利用してボールの反発を上げることによって、ボールを遠くに飛ばす事に着目した開発が行われている。しかしながら、ヘッドスピードの遅いゴルファーにとっては、この種のゴルフクラブヘッドはフェース面の変形が少なく、ボール初速を上げる効果が少なく、また、ボールが上がらない為、飛距離が延びないことがある。 【0005】本発明は、ヘッドスピードが遅いゴルファーが使用しても、打ち出し角度が高くなり、その結果として飛距離を増大させることができるゴルフクラブヘッドを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明のゴルフクラブヘッドは、少なくともフェース部、ソール部、サイド部及びクラウン部を有する金属製の中空のゴルフクラブヘッドにおいて、該クラウン部を構成する金属材料が最も縦弾性率が低いことを特徴とするものである。 【0007】本発明のゴルフクラブヘッドにおいては、クラウン部の縦弾性率をソール部などの他の部材よりも小さくしており、これにより、インパクト時のボールの打ち出し角度を高くすることができる。この結果、ヘッドスピードの遅いゴルファーが使用しても打ち出し角が高くなり、飛距離を伸ばすことができる。 【0008】本発明のゴルフクラブヘッドは、少なくともクラウン部が他の部分と別体でプレス成形され、該他の部分に対し溶接等によって接合されていることが好ましい。特に、フェース部、ソール部、サイド部及びクラウン部がそれぞれ別体に成形され、接合されていることが好ましい。このようにすれば、各部を構成する金属材料としてそれぞれ各部に好適な縦弾性率を有した金属材料を選択することができる。 【0009】このサイド部は、トウ側、バック側、ヒール側が一連一体となっていてもよく、さらに2又は3個以上の部分に分けられて別体に成形されてもよい。 【0010】本発明のゴルフクラブヘッドでは、通常の場合、さらにホゼル部を有する。このホゼル部は、ソール部、サイド部又はクラウン部のいずれか1又は2以上の部分と一体に成形されてもよく、これらのいずれとも別体に成形されてもよい。 【0011】クラウン部を撓み易くするために、クラウン部の厚みを0.5〜1.2mmとすることが好ましい。 【0012】本発明では、ゴルフクラブヘッドを形成する金属がチタン又はチタン合金であり、クラウン部の縦弾性率が10500kgf/mm2(102.9×109Pa)以下であり、ソール部の縦弾性率が11000kgf/mm2(107.8×109Pa)以上であることが好ましい。また、クラウン部の縦弾性率とソール部の縦弾性率との差は1000〜3000kgf/mm2(9.8×109〜29.4×109Pa)であることが好ましい。 【0013】本発明は、特に250cc特に300ccとりわけ350ccを超える体積を有した大型のゴルフクラブヘッドに適用するのに好適である。このゴルフクラブヘッドとしてはドライバーが例示される。ただし、本発明は、フェアウェーウッドや、ウッド型に類似したユーティリティゴルフクラブヘッド等にも適用可能である。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態に係るゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。 【0015】このゴルフクラブヘッドは、フェース部2と、クラウン部3と、ソール部4と、サイド部5と、ホゼル部6とを有する。このサイド部5は、トウ側からバック側及びヒール側8ですべて一体となっている。また、この実施の形態では、サイド部5とホゼル部6とが一体に鋳造により成形されている。フェース部2、クラウン部3及びソール部4は、いずれも別々に成形されている。 【0016】このフェース部2、クラウン部3、ソール部4及びホゼル部付きサイド部5が溶接により一体化されることによりゴルフクラブヘッドとされる。ホゼル部6はソール部4にまで達するように設けられてもよく、サイド部4にまで達しないように設けられてもよい。溶接後は、必要に応じ各種の研磨、塗装等の仕上げ処理を施して製品ゴルフクラブヘッドとされる。 【0017】このゴルフクラブヘッドを構成する各部分はチタン又はチタン合金よりなる。クラウン部3の縦弾性率は他の部分即ちフェース部2、ソール部4、サイド部5及びホゼル部6のいずれの縦弾性率よりも低いものとなっている。 【0018】このようにクラウン部3の縦弾性率を低くしているため、インパクト時のボールの打ち出し角度が高い。そのため、ヘッドスピードが遅いゴルファーが使用しても、大きな飛距離を得ることが可能である。 【0019】なお、クラウン部とソール部との縦弾性率の差が1000kgf/mm2(9.8×109Pa)以上とりわけ1500kgf/mm2(14.7×109Pa)以上あると、クラウン部がより撓み易くなり、より大きな飛距離を得ることが可能となる。なお、クラウン部の縦弾性率とソール部の縦弾性率との差は、過大であると打出し角は高くなるが、打球時のボールの反発力が低下し、飛距離が減少するため、通常は3000kgf/mm2(29.4×109Pa)以下とりわけ2600kgf/mm2(24.5×109Pa)以下であることが好ましい。 【0020】この実施の形態では、サイド部5はトウ側からバック側及びヒール側まで一連一体となっているが、2個又は3個以上の小部分に分割されていてもよい。また、この実施の形態では、サイド部5とホゼル部6とが一体となっているが、別々に成形されてもよい。さらに、この実施の形態では、ソール部4がサイド部5と別体となっているが、ソール部4とサイド部5とを一体に成形してもよい。 【0021】フェース部2及びクラウン部3はそれぞれ他の部分と別々に成形されるのが好ましい。 【0022】この成形方法について次に説明する。フェース部2及びクラウン部3についてはチタン合金の板材をプレス成形するのが好ましい。 【0023】フェース部は、圧延加工(好ましい圧延率は10〜40%、特に15〜30%)したチタン合金であってもよい。 【0024】クラウン部を構成する圧延されたチタン合金は、その圧延方向がフェース面に対して90°±10°の向きとされることが好ましい。 【0025】この圧延加工とは、2個または複数個のロールよりなる圧延機を回転させ金属の可鍛性を利用して常温または高温でロールの間に金属を通過させる加工である。 【0026】圧延加工により、チタン合金材料の厚さを微妙に調整できる。更に、例えば引っ張り強度の向上等、機械的性質も改善できる。 【0027】縦弾性率の低いチタン合金を用いたクラウン部の肉厚をサイド部やソール部に比べ薄くすると、更に撓みやすくなりボールが高く上がり易くなる。また、クラウン部の肉厚がサイド部やソール部と同等の厚さとなるように圧延加工した場合にも、クラウン部は、縦弾性係数が低く撓みやすくなると共に、引っ張り強度等機械的性質が改善され、繰り返し変形にも強くなる。 【0028】また、一般に圧延材は圧延方向によって機械的性質が異なるため、クラウン部の撓みに最も強くなるように方向を合わせること、即ち、圧延方向がフェース面に対し略垂直に、具体的には90°±10°となるようにすることが好ましい。なお、圧延は複数回行われてもよく、この場合、各圧延方向を異ならせてもよい。 【0029】チタン合金の圧延率は、好ましくは10%〜40%、特に好ましくは15〜30%である。この圧延率であれば、チタン合金の機械的性質が向上し、引っ張り強度などが向上すると共に、β型チタニウム合金の場合は、縦弾性率が高くなる。なお、圧延率が10%よりも低いと圧延の効果が不十分となる。 【0030】サイド部5については、これを単独で成形するときにはプレス成形によって成形するか又は鋳造によって成形するのが好ましい。サイド部5とホゼル部6とを一体に成形する場合には、鋳造によるのが好ましい。ホゼル部6を単独で成形するときには、鋳造によってもよく、パイプ状の押出成形材に切削加工してもよく、棒状の押出成形材に穿孔等の切削加工を施してもよい。 【0031】ソール部4は、これを単独で成形するときには、鋳造又はプレス成形を採用することができるが、高縦弾性率とするためには鋳造によるのが好ましい。このソール部4は、サイド部5、あるいはサイド部5及びホゼル部6と共に一体に鋳造又は鍛造により成形されてもよい。ソール部4、サイド部5及びホゼル部6を一体に鋳造する場合には、複雑な形状の部分であっても容易に精密に成形することができる。 【0032】なお、鋳造若しくは鍛造でソール部及びサイド部を一体で成形する場合には、部分的に肉厚を異なる成形体を容易に製造することができる。例えばソール部を厚くしたり、ソール部にリブを設けたりした成形体を容易に製造することができる。 【0033】本発明では、少なくともソール部4及びサイド部5をプレス成形で製作してもよい。ソール部、サイド部等を金属製の板材のプレス成形により製作することにより、それぞれの部分の厚みを変えたり、異なる縦弾性率の材料を組み合わせることができる。 【0034】別体に成形されたそれぞれの部分を接合するには、溶接するのが好ましい。 【0035】このゴルフクラブヘッドを構成する金属材料について次に説明する。フェース部2、クラウン部3、ソール部4及びサイド部5はチタン合金製とされることが好ましく、ホゼル部6は純チタン又はチタン合金製とされることが好ましい。サイド部5とホゼル部6とを一体に鋳造するときには、当然ながら、両者は同一材料よりなる。 【0036】クラウン部3のチタン合金としては、縦弾性率が10500kgf/mm2(102.9×109Pa)以下のβ型チタン合金が好ましく、例えばTi−15V−3Cr−3Sn−3Al、Ti−13V−11Cr−3Al、Ti−15Mo−5Zr、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−3Al−8V−6Cr−4Mo−4Zr、Ti−22V−4Alが例示される。 【0037】フェース部2としては前述したβ型チタン合金や後述するα−β型チタン合金のどちらでも良い。 【0038】ソール部4としては、縦弾性率が11000kgf/mm2(107.8×109Pa)以上のα−β型チタン合金のTi−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、ほぼα型のチタン合金のTi−8Al−1Mo−1Vが例示されるが、縦弾性率がこの範囲であるように熱処理されたβ型チタン合金のTi−3Al−8V−6Cr−4Mo−4Zr、Ti−22V−4Alも用いることができる。 【0039】サイド部5としては、上記のクラウン部のチタン合金及びソール部のチタン合金が好適である。 【0040】ホゼル部の構成材料としては、純チタン又はα−β型チタン合金のTi−3Al−2Vや、これにさらにイオウ及び希土類元素を加えて切削性を改善したチタン合金が例示される。 【0041】一般に、β型チタン合金は熱処理形態の相違により縦弾性率が変化する。次の表1に各種のチタン合金及び純チタンの処理形態と縦弾性率並びに当該チタン又はチタン合金の縦弾性率を示す。 【0042】 【表1】
【0043】なお、β型チタン合金の熱処理において、クラウン部に使用する材料について時効硬化処理を行わない様にすると弾性率が低く抑えられるので好ましい。つまり、他のヘッド本体は、例えば同じβ型のチタン合金を使用して、先に時効硬化をしておき、その後クラウン部に時効硬化をしていないβ型のチタン合金を溶接する。このクラウン部に溶接するβ型チタン合金は焼き鈍し処理若しくは溶体化処理されていることが好ましい。クラウン部同様にサイド部もβ型チタン合金を使用して時効処理した状態で使用しても良い。 【0044】ゴルフクラブヘッドの各部の好ましい寸法について次に説明する。 【0045】クラウン部3の肉厚は、撓み易くするために、1.2mm以下特に1.0mm以下であることが好ましい。なお、強度を確保するために、クラウン部3の肉厚は0.5mm以上特に0.7mm以上であることが好ましい。このクラウン部3は、直接にボールが当る訳ではないので、フェース部2の半分以下の厚みで足りる。 【0046】また、圧延や鋳造によってクラウン部の肉厚を部分的に薄くした場合には、更にクラウン部の撓みを大きくすることができる。 【0047】ホゼル部については、必要な強度を確保できる範囲で肉厚が小さい方が好ましい。特に、ゴルフクラブヘッドの内部に配置されるホゼル部分の厚みを薄くすると、余分な重量を削減でき、フェース面の中心近くに重心点を位置させるように設計し易くなるので、好ましい。 【0048】本発明を適用するのに特に効果的なゴルフクラブヘッドは、クラウン部が撓み易い大型ゴルフクラブヘッドであり、具体的にはヘッド体積が250cc以上好ましくは、300cc以上、より好ましくは350cc以上のゴルフクラブヘッドである。ただし、一般にゴルフクラブヘッドは、体積が大きくなるとそれに伴ってゴルフクラブヘッドの重量が増加する。この重量が過度に大きくなると、ゴルフクラブをスムーズに振ることが難しくなる。そのため、この重量の制約の点から、ヘッド体積は600cc程度が限度と考えられる。本発明は、ロフト角が7°〜15°のドライバーヘッドに適用するのに好ましい。 【0049】このゴルフクラブヘッドのフェースの高さが高い方が、フェース面の上方にボールが当たったときにロフト角が大きくなるので好ましい。具体的には、フェース最大高さは45mm以上、特に50mm以上、とりわけ53mm以上が好ましい。ただし、フェースの高さが100mm以上もあると、スイング時のフェース面の風圧抵抗が大きくなり過ぎ、好ましくない。 【0050】ドライバーヘッドとして使用する場合、クラブ長さは通常43インチ〜50インチ程度であるので、スイングバランスを考えると、165〜205g程度のヘッド重量が好ましい。重すぎると、スイングバランスが重くなり、一般ゴルファーが振りきれなくなり、ヘッド重量が軽すぎると、ボールの反発が悪くなるおそれがある。 【0051】本発明においては、フェース部及びサイド部に比べ、クラウン部に縦弾性率の最も低い金属材料を用い、ソール部に最も縦弾性率の高い金属材料を用いてもよい。このように、縦弾性率の違う材料を組み合わせることにより、ソール部の打球時の変形を抑え、クラウン部をより撓ませることができる。 【0052】この態様の一例としては、フェース部、サイド部及びソール部等をTi−22V−4Alの溶接により成形した後、熱処理をし、その後に、熱処理をしていないTi−22V−4Alよりなるクラウン部を溶接して製作したゴルフクラブヘッドが挙げられる。 【0053】本発明においては、ソール部の肉厚をクラウン部及びサイド部に比べ厚くしてもよい。具体的には、フェース部に高強度なTi−15Mo−5Zr−3Snを用い、2.5mm板材をプレス成形して作成する。クラウン部にはTi−13V−11Cr−3Alを使用し、1.0mmの板材をプレス成形して作成する。サイド部及びソール部(ホゼル部を含む)は、Ti−6Al−4Vのチタニウム合金を用い鋳造にて成形し、ソール部の厚さを2.5mm、サイド部の厚みを1.6mmとする。これらを溶接により中空のゴルフクラブヘッドとする。 【0054】本発明においては、少なくともソール部を鋳造若しくは鍛造で製作し、且つフェース側からバック側に向かってリブを形成してもよい。この構成のゴルフクラブヘッドは、ソール部の変形が小さいものとなる。 【0055】本発明においては、少なくともソール部をプレス成形により製作し、且つフェース側からバック側に向かってリブを成形してもよい。この構成のゴルフクラブヘッドは、ソール部の変形が小さいものとなる。 【0056】本発明においては、少なくともソール部をプレス成形により製作し、且つフェース側からバック側に向かって屈曲部を連続して設けてもよい。このように構成した場合には、ソール部の変形を抑えることができる。 【0057】 【実施例】[実施例1]ホゼル部6がサイド部5から分離されたこと以外は図1に示す通りの形状の各部分を製造し、これらを溶接により接合して体積285ccのドライバー用ゴルフクラブヘッドを製造した。フェース部2、クラウン部3、ソール部4及びサイド部5はいずれもチタン合金板のプレス成形により製造し、ホゼル部6はチタン合金の棒状体を穿孔して製作した。 【0058】なお、各部分の肉厚は次の通りである。 フェース部:2.8 mm(均一) クラウン部:1.0 mm(均一) ソール部 :1.15mm(均一) サイド部 :1.15mm(均一) 【0059】各部分の材料とその縦弾性率を表2に示す。表2の通り、フェース部には、反発性能の良い冷間圧延加工を施したTi−15V−3Cr−3Sn−3Alを用い、他の部材について、それぞれ弾性率の異なるチタン合金を用いてゴルフクラブヘッドを作成した。最も弾性率の高い材料を、Ti−22V−4Alの熱処理材とし、中間の弾性率の材料をTi−15V−3Cr−3Sn−3Alとし、最も低弾性率のチタン合金として、Ti−22V−4Alの熱処理をしていない材料を使用した。クラウン部以外を溶接により接合した後、熱処理し、その後、Ti−22V−4Al(非熱処理材)よりなるクラウン部を溶接してゴルフクラブヘッドとした。 【0060】Ti−22V−4Alの非熱処理材は、プレス成形したままの状態のものであり、低弾性である。フェース面は、直接ボールが当たるので、熱処理を行い、溶体化、時効処理等が必要であるが、クラウン部はボールが直接当たらないので、熱処理を行う必要がない。なお、比較例のゴルフクラブヘッドについては、ヘッド成形後熱処理を行った。 【0061】このゴルフクラブヘッドに45インチ(114cm)のカーボンシャフトを装着してゴルフクラブを製作した。このゴルフクラブヘッドのスイングロボット(ヘッドスピード43m/sec)での試打評価結果を表3に示す。また、スイングロボット(ヘッドスピード39m/sec)での試打評価結果を表4に示し、人による試打評価結果を表5に示す。 【0062】[比較例1]クラウン部、ソール部及びサイド部をすべてフェース部を同じチタン合金としたこと以外は実施例1と同様にしてゴルフクラブを製作し、同様にして評価を行った。結果を表3に示す。 【0063】[比較例2]クラウン部、ソール部及びサイド部の構成材料を表2の通りとした他は実施例1と同様にしてゴルフクラブを製作し、同様にして評価を行った。結果を表3に示す。 【0064】 【表2】
【0065】 【表3】
【0066】 【表4】
【0067】 【表5】
【0068】表3〜5の通り、クラウン部、ソール部及びサイド部をすべて同一種類のチタン合金としたゴルフクラブヘッド(比較例1)に比べ、実施例1〜3は、0.4〜0.5°ほど打ち出し角が高い。また、クラウン部に弾性率の高い材料を用いたゴルフクラブヘッド(比較例2)に比べ、実施例1〜3は0.9〜1.0°打ち出し角が高い。クラウン部とソール部との縦弾性率の差が500kgf/mm2である比較例3についても同様の傾向が認められる。クラウン部とソール部との縦弾性率の差が3000kgf/mm2よりも大きい比較例4では、打出し角は高いが、飛距離が減少した。 【0069】人による試打では、実施例1,2は、バックスピン量が少なく、比較例1〜4と比べ、飛距離により大きな差異が生じた。 【0070】今回の評価では、クラウン部の肉厚を1.0mmとしたが、もっと薄肉にすることにより打ち出し角度はさらに高くなり、また、より低弾性のチタン合金例えば、Ti−15Mo−5ZrやTi−15Mo−5Zr−3Alを用いることによっても打ち出し角度が高くなることが認められた。 【0071】本試験終了後、クラウン部について入念に探傷したが、亀裂や永久変形は全く見られなかった。 【0072】 【発明の効果】以上の通り、本発明のゴルフクラブヘッドによると、ヘッドスピードが遅いゴルファーが使用しても、打ち出し角度が高くなり、その結果として飛距離を増大させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592014104 【氏名又は名称】ブリヂストンスポーツ株式会社 【住所又は居所】東京都品川区南大井6丁目22番7号
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| 【出願日】 |
平成14年5月14日(2002.5.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086911 【弁理士】 【氏名又は名称】重野 剛
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| 【公開番号】 |
特開2003−79768(P2003−79768A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−138792(P2002−138792) |
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