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【発明の名称】 クラブヘッドおよびこれを備えたゴルフクラブ
【発明者】 【氏名】喜多 和生
【住所又は居所】茨城県稲敷郡江戸崎町蒲ヶ山21−33 株式会社ジョイメニィー内

【要約】 【課題】インパクト時のぶれを極力抑制することができ、しかも設計の自由度を高めることができるクラブヘッドおよびこれを備えたゴルフクラブを提供することを目的とする。

【解決手段】内部に中空部10を有して外殻を構成すると共に、中空部10に連通する取付開口25をヒール側に有するヘッド本体5と、取付開口25に挿入され、基部側がシャフト3に連結され且つ先端側がシャフト3の軸線28からトウ側に外れて延在するホーゼル部材6とを備え、ヘッド本体5に対しホーゼル部材6は、基部側を取付開口25廻りに溶接されていると共に、先端側を軸線28からトウ側に外れた中空部10内面に溶接されていることを特徴とするクラブヘッド1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に中空部を有して外殻を構成すると共に、当該中空部に連通する取付開口をヒール側に有するヘッド本体と、前記取付開口に挿入され、基部側がシャフトに連結され且つ先端側が当該シャフトの軸線からトウ側に外れて延在するホーゼル部材とを備え、前記ヘッド本体に対し前記ホーゼル部材は、前記基部側を前記取付開口廻りに固着されていると共に、前記先端側を前記軸線から前記トウ側に外れた前記中空部内面に固着されていることを特徴とするクラブヘッド。
【請求項2】 前記ホーゼル部材の前記先端側の固着中心と前記基部側の固着中心とを結ぶ線が、打球方向に略直交することを特徴とする請求項1に記載のクラブヘッド。
【請求項3】 前記ホーゼル部材の先端側は、前記中空部内面において、前記軸線から最も離れた位置に固着されていることを特徴とする請求項1に記載のクラブヘッド。
【請求項4】 前記ヘッド本体の外殻は、トウ部、バック部、ヒール部、ソール部、フェース部およびクラウン部から構成されており、前記ホーゼル部材の先端側は、前記トウ部、前記バック部および前記ソール部のうちの少なくとも2つの内面の部位に亘って固着されていることを特徴とする請求項1に記載のクラブヘッド。
【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のクラブヘッドを備えたことを特徴とするゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空構造を有する金属製ウッドのクラブヘッドおよびこれを備えたゴルフクラブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のクラブヘッドは、チタン合金等の金属材料により外殻を形成した中空状のヘッド本体に、シャフトを取り付けるための筒状のホーゼル部材を一体に溶接して構成されている。ヘッド本体は、ソール部材とフェース部材とクラウン部材とで、ヒール側に取付開口を有して成形され、一般的に、ソール部材は、ソール部、トウ部、バック部、およびヒール部から成る構成になっている。ホーゼル部材は、シャフトの軸線上に延在し、取付開口からヘッド本体内に突出する先端側をヒール部の下端部およびフェース部材に溶接されると共に、取付開口廻りの基部側をヒール部の上端部、クラウン部材およびフェース部材に一体に溶接されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従来のクラブヘッドでは、ホーゼル部材がその軸線廻りでしか溶接されていないため、インパクト時に、ホーゼル部材(シャフト)を中心としてヘッド本体がバック部側に微小回動し易く、飛球がスライスするなどの飛球方向に影響を及ぼしかねない問題がある。もっとも、シャフトの軸線とヒール部との関係についてクラブデザインの規約があるため、上記の微小回動の影響を極力回避するべく、ホーゼル部材をヘッド本体のインパクト位置に近づけて配設することはできない。このため、結局のところ、上記影響を加味したヘッド本体の各部材の設計となっている。
【0004】本発明は、インパクト時のぶれを極力抑制することができ、しかも設計の自由度を高めることができるクラブヘッドおよびこれを備えたゴルフクラブを提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のクラブヘッドは、内部に中空部を有して外殻を構成すると共に、中空部に連通する取付開口をヒール側に有するヘッド本体と、取付開口に挿入され、基部側がシャフトに連結され且つ先端側がシャフトの軸線からトウ側に外れて延在するホーゼル部材とを備え、ヘッド本体に対しホーゼル部材は、基部側を取付開口廻りに固着されていると共に、先端側を軸線からトウ側に外れた中空部内面に固着されていることを特徴とする。
【0006】この構成によれば、ヘッド本体とホーゼル部材とは、シャフトの軸線廻りの固着に加え、シャフトの軸線からトウ側にそれた位置で固着されている。これにより、ホーゼル部材がシャフト軸廻り以外で且つインパクト位置よりの部位でヘッド本体を両端支持することができるため、インパクト時にフェース部分を略左右(トウ側およびヒール側)対称に変形させることができ、ホーゼル部材でもって、インパクト時のヘッド本体のぶれを好適に抑制することができる。また、ヘッド本体の中空部に内在するホーゼル部材を調整(例えば、重量や上下位置などを調整)することにより、ヘッド本体の重心位置の調整や、ヘッド本体の外殻を構成する各部材の重量配分の調整を行うことができるなど、ヘッド本体の設計の自由度を高めることができる。また、中空部内面の固着部位が、ヘッド本体のリブとしても機能させることができる。なお、固着方法としては、電子ビーム溶接などの各種溶接法を用いるとよい。なおまた、ホーゼル部材の先端側がシャフトの軸線からトウ側に外れた中空部内面に固着されているとは、この固着中心が、シャフトの軸線とこれに平行なプレーの線との間の距離をK(クラブデザインの規約上、最大限15.88mm)とした時に、プレーの線からの距離がKを超えるトウ側の位置にあることをいう。この場合、ホーゼル部材は1部材から構成されており、基部側から先端側にかけて屈曲して延在することが好ましい。これにより、ホーゼル部材の部材要素点数を減らすことができる。同様にこの場合、ヘッド本体は、取付開口を構成するように外殻をフェース部、クラウン部およびソール部の3部材を溶接して成り、ホーゼル部材の基部側の固着部位は、これら3部材に一体に溶接されていることが好ましい。これにより、ヘッド本体の外殻を為すフェース部等の3部材を合致して溶接する位置を活用して、ホーゼル部材をこれらに一体に強固に溶接することができる。
【0007】この場合、ホーゼル部材の先端側の固着中心と基部側の固着中心とを結ぶ線が、打球方向に略直交することが、好ましい。
【0008】この構成によれば、打球方向に略直交するフェース面に対し、2つの固着中心を結ぶ線が平行に位置している。これにより、インパクトにおけるヘッド本体のトウ側のぶれをいっそう好適に抑制することができる。なお、先端側の固着中心と基部側の固着中心とを結ぶ線の略中間点には、インパクト位置があることが好ましい。
【0009】同様に、ホーゼル部材の先端側は、中空部内面において、軸線から最も離れた位置に固着されていることが、好ましい。
【0010】この構成によれば、ヘッド本体に対するホーゼル部材の2つの固着部位(支持部位)を最大限離すことができ、インパクトにおけるヘッド本体のトウ側のぶれをいっそう好適に抑制することができる。
【0011】同様に、ヘッド本体の外殻は、トウ部、バック部、ヒール部、ソール部、フェース部およびクラウン部から構成されており、ホーゼル部材の先端側は、トウ部、バック部およびソール部のうちの少なくとも2つの内面の部位に亘って固着されていることが、好ましい。
【0012】この構成によれば、ホーゼル部材がヘッド本体を少なくとも3点支持するように固着している。これにより、ヘッド本体に対しホーゼル部材をより強固に溶接することができると共に、フェース部を除く各部の剛性を高めることができ、また同時にフェース部の反発力を高めることができる。なお、少なくとも2つの部位のうちの1つは、トウ部内面であることが好ましい。
【0013】本発明のゴルフクラブは、請求項1ないし4のいずれかに記載のクラブヘッドを備えたことを特徴とする。
【0014】これにより、インパクト時のクラブヘッドのぶれを極力抑制したゴルフクラブを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態に係るクラブヘッドおよびこれを備えたゴルフクラブについて説明する。このゴルフクラブ1は、通称ドライバーやフェアウェーウッドと呼ばれる金属製のウッドクラブであり、図1の斜視図に表すように、クラブヘッド2と、クラブヘッド2に下部を連結したシャフト3と、シャフト3の上部に装着したグリップ4とで構成されている。
【0016】図2は、クラブヘッド2の分解斜視図であり、図3は、クラブヘッド2の断面図である。両図に表すように、クラブヘッド2は、外殻を形成し内部中空構造のヘッド本体5と、シャフト3を連結するホーゼル部材6とから成り、ヘッド本体5とホーゼル部材6とを一体に溶接することで構成されている。ヘッド本体5は、主要部を為す下側のソール部材7と、上面側のクラウン部8と、打球面となる表面側のフェース部9との独立した薄肉の3部材から成り、この3部材をそれぞれの周縁を突合せ溶接することで外殻が構成されていると共に、内部に中空部10を構成している。
【0017】ソール部材7は、先端側のトウ部13と、背面側のバック部14と、基部側のヒール部15と、下面側のソール部16とを一体に連ねてなり、ソール部16を除くトウ部13、バック部14およびヒール部15により、サイド周面部12が構成されている。ソール部材7、クラウン部8およびフェース部9は、純チタン、チタン合金(例えばTi−6Al−4V)、ステンレスなどの金属材料を鍛造やプレスにより、所定の湾曲形状に成形されている。なお、本実施形態のようにヘッド本体5を3部材で構成するのでなく、4部材等で構成することは当然に可能であり、トウ部13、バック部14、ヒール部15、ソール部16、クラウン部8およびフェース部9から成る複数の各外殻構成部を、独立に或いは任意の部分同士を一体化して成形し、これらを相互に任意位置で溶接してもよい。
【0018】フェース部9は、打球面となる外面にスコアライン18を有している。クラウン部8は、先端側から基部側にかけて、フェース部9の上端に沿って略水平な表面側周縁20と、サイド周面部12の上端に沿って大きく湾曲した背面側周縁21とを有している。また、クラウン部8は、表面側周縁20と背面側周縁21とが交差する基部側の部位が、内側に円弧状に窪入形成され、ホーゼル部材6を取り付け挿入するための取付開口25の一部を形成している。
【0019】サイド周面部12の各部は、外側に湾出した形状を有し、ソール部16から所定の高さを有している。ソール部16の表面側の端面23aとトウ部13およびヒール部15の表面側の端面23b、23cとが、正面視略「U」字状に連続している。そして、ソール部材7のこの「U」字状端面23にフェース部9が表面側から覆うように、微小な隙間を存して(埋めて)突合せ溶接され、またフェース部9およびサイド周面部12の上端周縁に沿ってクラウン部8が上側から閉蓋するように、微小な隙間を存して突合せ溶接されて、ヘッド本体5の中空部10が構成されている。
【0020】ヘッド本体5の中空部10に連通して、ヘッド本体5の基部側上部には、上記の取付開口25が構成されている。取付開口25は、フェース部9、クラウン部8およびヒール部15が一体としてヘッド本体5の基部側に略円形の開口を構成するように突合せ溶接されることで構成されるようになっている。そして、取付開口25廻りにおけるこれらフェース部9、クラウン部8およびヒール部15で、取付開口25に挿入されたホーゼル部材6を一体に溶接している。なお、図3示中、符号26は、ヘッド本体5とホーゼル部材6との接合部である溶着金属を表しており、ヘッド本体5の外殻の溶着金属は省略している。
【0021】ホーゼル部材6は、シャフト3が連結される基部側のホーゼル本体30と、ホーゼル本体30からなだらかに屈曲して延びる先端側のホーゼル延在部31とから成り、チタン製などの円筒材を曲げ加工して一体に形成されている。ホーゼル本体30は、シャフト3の軸線28方向に沿って延在し、ヘッド本体5外に露出する上部本体33と、ヘッド本体5内に隠蔽される下部本体34とで構成されている。
【0022】上部本体33は太径に形成され、下部本体34は上部本体33よりも幾分細径に形成され、これらの間には、取付開口25への挿入深さを規制する環状段部35が構成されている。環状段部35がヘッド本体5の取付開口25廻りに溶接されて、ヘッド本体5におけるヒール側の溶接部位を構成している。また、上部本体33と下部本体34とは、軸心に同一の内径から成るシャフト連結穴36を有し、シャフト連結穴36に挿入されるシャフト3の下端部は、上部本体33および下部本体34の両者に亘って嵌合し、接着剤等により固定される。
【0023】ホーゼル延在部31は、ホーゼル本体30の下部本体34に連続すると共に、シャフト3の軸線28から外れて延在し、その先端部がヘッド本体5のトウ部13にまで延びている。すなわち、ホーゼル延在部31は、ヘッド本体5の中空部10内を基部側(ヒール側)から先端側(トウ側)へと延在し、下部本体34に連続する湾曲部40と、トウ部13の内面に溶接される溶接部41と、湾曲部40および溶接部41間でこれらに一体に水平に渡した連結部42とで構成されている。溶接部41は、トウ部13の内面に略合致する形状にカットされていて、トウ部13の所定の部位に微小な隙間を存して溶接(突合せ溶接)されている。
【0024】具体的には、溶接部41は、ヘッド本体5に対するホーゼル部材6の2箇所の溶接部位を最大限離すべく、トウ部13内面において、シャフト3の軸線28から最も遠く離れた位置に溶接されている。そして、この状態でホーゼル延在部31は、ヘッド本体5の中空部10内をトウ側からヒール側にかけて、正面視直線状に延在している。なお、溶接部41の溶接位置は、ヘッド本体5の重心、ヘッド本体5の各外殻構成部の重量配分などを加味した上で、トウ部13内面の所定の上下位置を決定される。
【0025】ここで、クラブヘッド2を構成する各部材の溶接手順について簡単に説明する。フェース部9とソール部材7とを溶接するのに前後して、トウ部13の所定の位置に、ホーゼル延在部31を介してホーゼル部材6を溶接する。このとき、ホーゼル本体30の環状段部35が取付開口25廻りに位置するように、ホーゼル部材6をヘッド本体5に対し治具などで適切に位置決めして行う。なお、溶接法としては、電子ビーム溶接など各種の溶接法をとることができる。次に、フェース部9およびソール部材7に対しクラウン部8を溶接すると共に、取付開口25廻りにおいてホーゼル本体30を、これらクラウン部8、フェース部9およびソール部材7に一体に溶接する。そして、クラブヘッド2の仕上げ処理として、外側に位置する各接合部位に対し研削・研磨を行ってバフ仕上げを行い、最終的に塗装仕上げを行う。
【0026】このように、本実施形態のゴルフクラブ1によれば、シャフト3を連結するホーゼル部材6がヘッド本体5のトウ側とヒール側とに溶接されているため、ホーゼル部材6でもって、インパクト時のヘッド本体5のぶれを好適に抑制することができる。図4は、従来との比較においてこの原理を模式的に示している。同図(a)に示す従来のクラブヘッド2では、既述のように、インパクト時の大きな衝撃力により、シャフト軸28廻りでの片端支持に起因して、ここを中心にヘッド本体5が背面側に微小回動すると共に、フェース部9が背面側に僅かに撓む(変形する)(図示、仮想線参照)。
【0027】一方、同図(b)に示す本実施形態のクラブヘッド2では、インパクト位置を略真中に挟んでホーゼル部材6がヘッド本体5を両端支持しているため、ヘッド本体5の重心から左右方向(トウ側およびヒール側方向)に若干離れた位置でボールをインパクトしても、ヘッド本体5の微小回動が好適に抑制される。特に、トウ側よりの位置でインパクトした場合であっても、飛球がスライスすることを抑制することができる。また、インパクトにより、フェース部9が左右対称に変形し、フェース部9の片寄った変形を抑制することができる(図示仮想線参照)。したがって、インパクト時に、ヘッド本体5に回転作用を起こすことなく、且つフェース部9を打球方向に直交させたまま変形させることができ、ボールの飛球方向を安定させることができる。
【0028】また、本実施形態のゴルフクラブ1によれば、ホーゼル部材6(ホーゼル延在部31)の溶接位置の上下の調整や、その重量の調整を行うことが適宜可能である。このため、ヘッド本体5の各外殻構成部の重量配分を広い範囲で調整可能となり、またヘッド本体5の重心位置を適宜設定することができるようになり、その結果、クラブヘッド2の設計自由度を向上することができる。
【0029】なお、円筒材のホーゼル延在部31の重量の調整は、その形状内において適宜変更することで可能である。例えば、延在方向において外径を適宜調節したり、或いは一部を刳り貫くなどしてもよい。なおまた、ホーゼル部材6を1部材で構成したが、ホーゼル本体30とホーゼル延在部31とを別部材で構成してもよい。この場合には、ホーゼル本体30の下部本体34と、ホーゼル延在部31の湾曲部40とを突合せ溶接して、ホーゼル本体30とホーゼル延在部31とを連続させる。またこの場合、ホーゼル延在部31の形状を円筒材に代え、板材のものなど各種の形状をとることができる。
【0030】また、ホーゼル延在部31をトウ部13の内面で溶接することとしたが、この溶接部位は、シャフト3の軸線28からトウ部13方向に外れた他の外殻構成部の中空部10内面でもよい。すなわち、図5に表すように、シャフト3の軸線28廻り以外の他の溶接部位の中心を、シャフト3の軸線28とソール部16の内面との交点50よりも、ヘッド本体5の先端側へと外れて位置する中空部10内面の部位としてもよい。
【0031】より厳密には、図2を参照して説明するに、シャフト3の軸線28と、これに平行なプレーの線29との間の距離をKとすると、ホーゼル延在部31の溶接部41の溶接中心は、プレーの線29からの距離がKを超えるトウ側の位置であればよい。なお、クラブデザインの規約上、Kは最大限15.88mmと決められている。したがって、かかる溶接可能領域Sをトウ部13を含めて表すと、同図にて点線領域(マスクされた領域)で広く示すように、ソール部16、バック部14、フェース部9またはクラウン部8(図示省略)の各部位であってもよい。もっとも、ボールの反発性を考慮して、フェース部9を除くことが好ましい。
【0032】次に、図6を参照して、第2実施形態に係るクラブヘッド2について説明する。本実施形態では、ホーゼル部材6は、先端側の溶接中心と基部側の溶接中心とを結ぶ線が、打球方向に略直交している。すなわち、ホーゼル延在部31の溶接部41が、シャフト3の軸線28から外れて打球方向に直交する方向に延在し、ヘッド本体5に対するこのホーゼル延在部31の溶接部位の中心とホーゼル本体30の溶接部位の中心とを結ぶ直線が、打球方向に略直交している。
【0033】同図に示す2本の1点鎖線は、打球方向を示すフェースセンターライン52と、これに直交し上記二つの溶接部位の中心を結ぶ溶接ライン53とを示している。したがって、ホーゼル延在部31の溶接部41が溶接される中空部10内面の部位は、溶接ライン53上であると共に、図5に示す溶接可能領域S内に含まれる部位となる。なお、この溶接部位は、クラウン部8の内面或いはソール部16の内面であってもよいが、中空部10内面において、シャフト3の軸線28から遠く離れているトウ部13の内面であることが好ましい(図6にて仮想線で示す)。
【0034】本実施形態のクラブヘッド2によれば、ヘッド本体5の設計自由度等を高め得ることに加え、フェース部9の打球面に直交する方向からのインパクトにおいて、クラブヘッド2のぶれを好適に抑制し得る。なお、ホーゼル部材6の形状、より具体的にはホーゼル延在部31の形状は、既述のように任意の形状をとることができ、ヘッド本体5の重心位置の調整等を柔軟に幅広く行うことができる。
【0035】次に、図7を参照して、第3実施形態に係るクラブヘッド2について説明する。本実施形態では、ホーゼル部材6が、ヘッド本体5の中空部10内面の部位のうち、複数の部位(少なくとも二つの部位)に亘って溶接されている。この複数の溶接部位はいずれも、図5で表したように、シャフト3の軸線28からヘッド本体5の先端側に外れた溶接可能領域S内にある。したがって、外殻構成部のうちヒール部15は除かれ、ボールの反発性を考慮して、フェース部9も除かれている。
【0036】例えば図7(a)では、ホーゼル延在部31は、バック部14側(背面側)に略「L」字状に屈曲して形成され、溶接部41がトウ部13内面の所定位置に溶接されていると共に、連結部42の屈曲部分55がバック部14内面の所定位置に溶接されている。また、図7(b)では、ホーゼル延在部31は、ソール側(下面側)に略「L」字状に屈曲して形成され、溶接部41がトウ部13内面の所定位置に溶接されていると共に、連結部42の屈曲部分56がソール部16内面の所定位置に溶接されている。なお、これらの溶接位置は、中空部10内面のうち例えば上下位置などの点において任意であり、各外殻構成部の設計を加味した上で決定することができる。
【0037】本実施形態によれば、ホーゼル部材6がヘッド本体5を少なくとも3点支持するように溶接されているため、ヘッド本体5に対しホーゼル部材6をより強固に溶接することができる。また、フェース部9を除く各外殻構成部の剛性を高めることができ、同時にフェース部9の反発力を高めることができる。
【0038】つづいて、図8を参照して、第3実施形態に係るクラブヘッド2の変形例について説明する。本実施形態では、ホーゼル部材6は、ホーゼル本体30とホーゼル延在部31とが別体に構成され、ホーゼル延在部31が、二股形状に形成されると共に、中空部10内面の二つの部位に亘って溶接されている。すなわち、ホーゼル延在部31は、ホーゼル本体30に溶接される湾曲部40から延びる連結部42が途中位置から分岐して、全体として略「Y」字状に形成され、二つの溶接部41,41で中空部10内面の部位に溶接されている。
【0039】この場合、二つの中空部10内面の部位は、トウ部13、バック部14、ソール部16、クラウン部8およびフェース部9から任意の二つを選択することができる。なお、ヘッド本体5のぶれをより好適に抑制し、且つフェース部9の反発特性を考慮すると、同図に表すように、ホーゼル延在部31は、トウ部13とバック部14との各内面に亘って溶接されることが好ましい。
【0040】
【発明の効果】本発明のクラブヘッドおよびこれを備えたゴルフクラブによれば、ホーゼル部材がシャフト軸廻り以外で且つインパクト位置よりの部位でヘッド本体を支持することができるため、ホーゼル部材でもって、インパクト時のヘッド本体のぶれを好適に抑制することができる。また、ヘッド本体内のホーゼル部材を調整することで、ヘッド本体の重心位置の調整など、ヘッド本体の設計の自由度を高めることができる。
【出願人】 【識別番号】593223341
【氏名又は名称】株式会社ジョイメニィー
【住所又は居所】茨城県稲敷郡江戸崎町蒲ケ山21−33
【出願日】 平成13年9月14日(2001.9.14)
【代理人】 【識別番号】100093964
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 稔
【公開番号】 特開2003−79767(P2003−79767A)
【公開日】 平成15年3月18日(2003.3.18)
【出願番号】 特願2001−279709(P2001−279709)