| 【発明の名称】 |
多層カバーを持つゴルフボール |
| 【発明者】 |
【氏名】ウィリアム イー モーガン
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、従来法の持つ諸欠点を解決することにあり、具体的には少なくとも中心部と、多層カバーとを含むゴルフボールを提供する。
【解決手段】コア12と、該コアの周りに設けられたカバー14とを含み、該カバーが、ポリイソプレンを含む材料から作られた内側カバー層22と、約1.27 mm (0.05 in)未満の厚みを有し、かつ少なくとも1種の反応性液体材料またはその反応生成物、あるいはポリウレタンを含む外側カバー層20とを含む。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コアと、該コアの周りに設けられたカバーとを含み、該カバーが、ポリイソプレンを含む材料から作られた内側カバー層と、約1.27 mm (0.05 in)未満の厚みを有し、かつ少なくとも1種の反応性液体材料またはその反応生成物、あるいはポリウレタンを含む外側カバー層とを含むことを特徴とする、ゴルフボール。 【請求項2】 更に、該コアと該カバーとの間に設けられた、少なくとも1種の張力が掛けられた糸材料を含有する糸巻き層をも含み、該糸各々が、少なくとも1本のストランドを含む、請求項1記載のボール。 【請求項3】 該ポリイソプレンが、シス-イソプレンまたはトランス-イソプレン材料、2つの異なる型のポリイソプレンのブレンド、またはポリイソプレンと少なくとも1種の付随的なポリマーとのブレンドまたはその混合物を含む、請求項1記載のボール。 【請求項4】 該少なくとも1種の付随的なポリマーが、スチレン-ブタジエンゴムを含む、請求項3記載のボール。 【請求項5】 該内側カバー層が、更に少なくとも1種の密度-調節フィラーをも含む、請求項4記載のボール。 【請求項6】 該内側カバー層が、加硫されている、請求項1記載のボール。 【請求項7】 該内側カバー層が、ハロゲン化、化学的表面処理、UV照射、電子ビーム暴露、マイクロ波照射、被覆、プラズマ処理、またはコロナ放電処理の1種以上によって処理されている外表面を有する、請求項1記載のボール。 【請求項8】 該外側カバー層が、少なくとも1種のポリウレタンを含む、請求項1記載のボール。 【請求項9】 該内側カバー層の外径が、少なくとも約4.06 cm (約1.6 in)であり、かつ該外側カバー層が約0.889 cm (約0.35 in)未満の厚みを有する、請求項1記載のボール。 【請求項10】 該内側カバー層が、該内側カバー層の表面上で測定した場合に、ショアD硬さ約45〜64を持つ、請求項1記載のボール。 【請求項11】 該外側カバー層が、該ボール上で測定した場合に、ショアD硬さ約45〜約60を有する、請求項1記載のボール。 【請求項12】 該内側カバーの厚みが、約0.508 mm (約0.02 in)〜約1.27mm (約0.05 in)なる範囲内にある、請求項1記載のボール。 【請求項13】 該内側カバー層が、更に約50%未満のスチレン-ブタジエンゴムをも含む、請求項1記載のボール。 【請求項14】 コアと、該コアの周りに設けられたカバーとを含み、該カバーが、ポリイソプレンおよび少なくとも1種の付随的なポリマーを含む材料から作られた内側カバー層と、少なくとも1種の注型性反応性液体材料またはその反応生成物、あるいはポリウレタンを含む外側カバー層とを含むことを特徴とする、ゴルフボール。 【請求項15】 該少なくとも1種の付随的なポリマーが、スチレン-ブタジエンゴムまたはスチレン強化樹脂を含む、請求項14記載のボール。 【請求項16】 該内側カバー層が、加硫されている、請求項15記載のボール。 【請求項17】 該内側カバー層の外径が、少なくとも約4.06 cm (約1.6 in)であり、かつ該外側カバー層が約0.889 cm (約0.35 in)未満の厚みを有する、請求項14記載のボール。 【請求項18】 該内側カバー層が、該内側カバー層の表面上で測定した場合に、ショアD硬さ約45〜64を持つ、請求項14記載のボール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、一般的には少なくとも中心部と、多層カバーとを含むゴルフボールに関する。その内側カバーは、ポリイソプレンを含むことができ、その外側カバーは、ポリウレタン組成物を含むポリマーブレンドから製造でき、かつそのコアは、ポリブタジエン組成物を含むことができる。 【0002】 【技術的背景】従来のゴルフボールは、2つの一般的な群、即ち中実ボールまたは糸巻きボールに分けることができる。これら異なる型の構成に起因する競技特性における差異は、極めて重大であり得る。中実構成を持つボールは、極めて耐久性の高いボールを与え、かつ最大の飛距離をもたらすことから、ゴルファーに評判が良い。中実ボールは、一般に通常架橋ゴムで作られ、カバー材料によって包囲された、中実コアで作られている。典型的に、該中実コアは、亜鉛ジアクリレートおよび同様な架橋剤で化学的に架橋されたポリブタジエンで作られる。ワンピース中実コアに加えて、中実コアは、また例えば二重コアゴルフボールにおけるように、何層かの外側層を含むことができる。該カバーは、一般にイオノマー材料、例えばDE、ウイルミントンのE.I. デュポンドゥネモアーズ社(E.I. DuPont de Nemours & Co.)によって製造されている一連のイオノマーに対する商品名である、サーリン(SURLYNTM)で作られている。カバーは、典型的には単一層であるが、例えば内側および外側カバー層を持つ二重カバーにおけるように、1層以上の層を含むことも可能である。 【0003】この中実コア(solid core)とイオノマーカバー材料との組み合わせは、極めて耐久性の優れた、しかも高い磨耗抵抗を持つボールを与える。更に、このような組み合わせは、該ボールに高い初期速度を付与する傾向があり、これが高い飛距離をもたらす。しかし、これら材料は極めて剛性に富むので、中実ボールは、ゴルフクラブでヒットした際に、硬い「感触」を持つ可能性がある。同様に、その構成のために、これらボールは、比較的低いスピン速度をもつ傾向があり、これは高い飛距離を与え、かつティーショットの精度を高める可能性がある。糸巻きボール(wound ball)は、典型的に球状の中実ゴムまたは液状中心を持ち、その回りに長い張力を掛けた弾性糸が巻きつけられている。この糸巻きコアを、次に耐久性のカバー材料、例えばサーリン(登録商標)または同様な材料、あるいはより柔軟なカバー材料、例えばポリウレタンで覆う。糸巻きボールは、一般により柔軟であり、かつより大きなスピンをもたらし、そのため熟練ゴルファーが、該ボールの飛びおよび着地点を制御することを可能とする。特に、グリーン上へのアプローチショットに関連して、柔軟な糸巻きボールのこの高いスピン速度は、該ゴルファーが、その着地点の極近傍に該ボールを停止させることを可能とする。 【0004】糸巻きゴルフボールを製造するために、製造業者は、該弾性糸が不必要に破断すること無しに、該糸巻き工程中、この糸を種々の伸び率にて延伸するための、糸巻き装置を使用している。一般に、この伸び率および巻き付け張力が増大するにつれて、該ボールの圧縮率および初期速度は増大する。従って、より弾性の高い糸巻きボールを製造することが望ましい。糸巻きゴルフボールに関連して、該糸は、典型的に押出し法よりも寧ろカレンダーおよびスリッティング法によって作られる。このカレンダード糸は、典型的に矩形断面を有し、一方押出し糸は一般に円形断面をもつ。 【0005】公知技術の糸巻きゴルフボールおよびコアは、典型的に500〜1000%なる範囲の伸び率にて、該コア上に巻き付けられる、ポリイソプレンゴム糸を使用する。1個のゴルフボールコアに必要とされる糸の量は、伸ばされた状態にある該糸の弾性率に依存する。延伸されたポリイソプレン糸は、一般に約68.9 MPa (10,000psi)〜約138 MPa (20,000 psi)なる範囲の弾性率を有する。更に、該糸巻きボールまたはコアの特性、特にレジリエンスは、糸の巻付け中に如何に良好に該糸を充填するかに、依存している。該糸の寸法および巻付けパターンが、この充填密度を調節する。現在の技術に関わるポリイソプレン糸は、典型的に少なくとも約1.59 mm (1/16 in)幅×約0.508 mm (0.02 in)厚であり、これは巻付け前に測定した値である。しかし、現在の技術に関わるポリイソプレン糸は、一般に約0.356 mm (0.014 in)〜約0.610 mm (0.024 in)なる範囲の厚みを持つように製造される。 【0006】米国特許第6,149,535号は、大きくても約0.254 mm (約0.01 in)なる径を持つ少なくとも約10本のストランドを含む、巻付け用の糸を開示している。好ましくは、この糸は約0.0508 mm (約0.002 in)未満の径を持つ、25本を越えるストランドを含む。より小さな糸の寸法は、該糸をより高密度で巻付けることを可能とする。好ましくは、この糸の弾性率は、中心の周りに巻付けた際に、20 ksiを越える。好ましくは、この糸の最大伸び率は、約8%を越えるものである。広範囲の競技特性、例えば圧縮率、速度、「感触」、およびスピンを得るために、様々なゴルフボールが、製造業者により設計されてきた。イオノマーに加えて、使用される最も一般的なポリマーの一つは、ポリブタジエンであり、またより具体的には高いシス-異性体濃度を持つポリブタジエンである。 【0007】高いシス-異性体濃度を持つポリブタジエンの使用は、極めて弾性の高いゴルフボールを与える。これら高度に弾性のゴルフボールは、ゴルフクラブでヒットした場合に、比較的硬い「感触」を持つ。高シス-ポリブタジエンにより構成された、ソフトな「感触」を持つゴルフボールも、製造できるが、これらは低いレジリエンスをもつ傾向がある。改良されたゴルフボールを提供しようとの努力において、種々の他のポリブタジエン処方物が、以下に論じるように製造されている。ゴルフボール層および/またはカバーの特性を改善するために、製造業者が最も一般的に使用しているポリマーは、イオノマー、例えばDE、ウイルミントンのE.I. デュポンドゥネモアーズ社(E.I. DuPont de Nemours & Co.)から市販品として入手できるサーリンであった。しかし、最近、製造業者は代替ポリマー、例えばポリウレタンの利用を検討している。例えば、米国特許第6,132,324号は、ポリウレタンカバーを有するゴルフボールの製法を目的としている。この特許を本発明の参考とする。 【0008】ほぼ1960年以来、ポリウレタンは、ゴルフボールカバー用の有用な材料として認識されてきた。ポリウレタン組成物は、硬化剤とポリウレタンプレポリマーとの反応生成物であり、該プレポリマー自体は、ポリオールとジイソシアネートとの反応により製造される生成物である。以前使用されていた硬化剤は、典型的にはジアミンまたはグリコールである。該硬化剤と該ポリウレタンプレポリマーとの反応を促進するために、しばしば触媒が使用される。1960年以来、様々な会社が、ゴルフボールカバー材料としての、ポリウレタンの有用性を検討してきた。米国特許第4,123,061号は、ポリエーテルのポリウレタンプレポリマーと硬化剤、例えば3官能性ポリオール、4官能性ポリオール、またはジアミンとから作成したゴルフボールを教示している。米国特許第5,334,673号は、ゴルフボールカバーを製造するために、市場で入手できる2つのカテゴリーに属するポリウレタン、即ち熱硬化性および熱可塑性ポリウレタンの使用、および特にポリウレタンプレポリマーと緩慢に反応するアミン硬化剤および/または2官能性グリコールを含む組成物から作成した、熱硬化性ポリウレタンで被覆したゴルフボールを開示している。最初に工業化に成功した、ポリウレタン被覆ゴルフボールは、1993年に初めて発売された、タイトリスト(TitleistTM)プロフェッショナル(ProfessionalTM)ボールであった。 【0009】サーリン(登録商標)または他のイオノマー被覆ゴルフボールとは違って、ポリウレタンゴルフボールカバーは、バラタ-被覆ゴルフボールの持つよりソフトな「感触」を持つように処方できる。しかし、ポリウレタンで作られた従来のゴルフボールカバーは、サーリンで被覆されたゴルフボールとは、ゴルフクラブでヒットした後の、ゴルフボールの初期速度に関して、部分的に1関数となる、レジリエンスまたは弾性反発力の点で、完全には一致しない。米国特許第3,989,568号は、1または2つのポリウレタンプレポリマーおよび1または2つのポリオールまたは迅速反応性のジアミン硬化剤を使用した、3-成分系を開示している。この系に対して選択された試薬は、2またはそれ以上の競合反応において、異なる反応速度を持つ必要がある。米国特許第4,123,061号は、ポリエーテルのポリウレタンプレポリマーと硬化剤、例えば3官能性ポリオール、4官能性ポリオール、または迅速反応性のジアミン硬化剤とから作成したゴルフボールを教示している。 【0010】米国特許第5,334,673号は、ポリウレタンプレポリマーと緩慢に反応するポリアミン硬化剤および/または2官能性のグリコールを含む組成物から作成した、ゴルフボールカバーを開示している。得られるゴルフボールは、バラタまたはサーリン(登録商標) から作成したカバーと比較して、改善された剪断抵抗および切断抵抗を持つことが分かった。米国特許第5,692,974号は、ゴルフボールカバー組成物において、カチオン性のイオノマーを利用する方法を開示している。更に、この特許は、ウレタンイオノマーを配合したカバーおよびコアを有するゴルフボールに関連している。改善されたレジリエンシーおよび初期速度が、該ポリウレタン内でイオン性相互作用を誘発して、カチオン型のイオノマーを生成する、t-ブチルクロリド等のアルキル化剤の添加によって達成される。 【0011】国際特許出願WO 98/37929は、ゴルフボールカバー用の組成物を開示しており、これはジイソシアネート/ポリオールプレポリマーおよび緩慢に反応するジアミンと迅速反応性のジアミンとのブレンドを含む、硬化剤のブレンドを含有する。このものは、改善された「感触」、競技性、および耐久性を示す。従って、より低い圧縮率を持つ糸巻きゴルフボール、即ちよりソフトで、従来の糸巻きボールと同等またはそれ以上のレジリエンスを持つボールを製造することが望まれている。あるいはまた、同一のまたはより低い圧縮率を得、かつより高いレジリエンスを達成することが望まれている。米国特許第5,885,172号は、反応性の液体材料から形成した、薄い熱硬化性材料を含む、剛性の熱可塑性内部カバーを開示している。該熱硬化性材料は、該剛性熱可塑性材料層の融点以下であって、かつ該内部カバーの該ボール表面への流動が全く起こらない温度にて形成され、かつ反応する。 【0012】米国特許第6,126,559号は、少なくとも約3.61 mm (0.142 in)なる厚み、好ましくは少なくとも約3.81 mm (0.150 in)なる厚みおよびより好ましくは少なくとも約3.99 mm (0.157 in)なる厚み、およびショアD硬さ少なくとも60を有する熱可塑性カバーを持つ、小さな、柔軟なコアを開示している。この厚いカバーは、1以上の層として成型でき、その各々は同一の硬さを持つことができる。米国特許第6,117,025号は、3層のゴルフボールを開示しており、ここで各層は、該ボール上で測定したショアD硬さにおいて、少なくとも3点の差を持つ。少なくとも一つの他の層よりも柔軟な、中間層が必要である。市販品として入手できるゴルフボールの一つは、同一の硬さを持つ2層を含み、かつその内側層は着色されていない。両者の層は、同一のイオノマーから製造され、その各々は、ショアD硬さ約70を有する。特許第6,210,283号は、イオノマー製の内側カバーと共に、ウレタン製外側カバーを開示している。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記従来法の持つ諸欠点を解決することにあり、具体的には少なくとも中心部と、多層カバーとを含むゴルフボールを提供することにある。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明は、コアと、該コアの周りに設けられたカバーとを含み、該カバーが、ゴムを含む材料から作られた内側カバー層と、約1.27 mm (0.05 in)未満の厚みを有し、かつ少なくとも1種の注型可能な反応性液体材料またはポリウレタンを含む外側カバー層とを含むことを特徴とする、ゴルフボールに関する。一態様において、該コアは、中実であり、また1以上の層で構成される。一態様において、該ゴルフボールは、更に該コアと該カバーとの間に設けられた、少なくとも1種の張力の掛けられた糸材料を含む糸巻き層を含有し、各糸は、少なくとも1本のストランドを含む。一態様において、該内側カバー材料は、該外側カバー材料よりも実質的に高い、硬さを持つ。もう一つの態様において、該ゴムは、天然または合成のポリイソプレン材料、2種の異なる型のポリイソプレンを含むブレンド、またはポリイソプレンと少なくとも1種の付随的なポリマーとのブレンド、またはその混合物を包含する。好ましくは、該少なくとも1種の付随的なポリマーは、スチレン-ブタジエンゴム、スチレン-強化樹脂を含みおよび/または少なくとも1種の密度-改良フィラーを含むことができる。 【0015】更なる態様において、該内側カバー層は、加硫されている。他の態様において、この内側カバー層は、ハロゲン化、化学的な表面処理、UV照射、電子ビーム暴露、マイクロ波照射、被覆、プラズマ処理またはコロナ放電処理の1以上によって、処理された外側表面を有する。更に別の態様において、該外側カバー層は、少なくとも1種の熱可塑性または熱硬化性ポリウレタンを含む。他の態様において、該内側カバー層の外径は、少なくとも約4.06 cm (約1.6 in)であり、また該外側カバー層は、約1.02 mm (約0.04 in)未満の厚みを持つ。 【0016】更に別の態様において、ゴルフボールは、更に該中心と該カバーとの間に設けられて、糸巻き層を形成する、張力の掛けられた弾性材料を含む。好ましくは、該ポリイソプレン層は、該外側カバーと該糸巻き層との間に設けられる。もう一つの態様において、コアは中実のポリブタジエンを主成分とするものであり、また中心と、該中心よりも高い剛性を持つ外側コアとから形成される。一態様において、該ゴム層は、約0.254 mm (約0.01 in)〜約0.762 mm (約0.03in)なる範囲の厚みを持つ。付随的な態様において、該カバー材料は、約20〜60なる範囲のショアD硬さを持ち、またゴム層は、50〜70なる範囲の硬さを持つ。好ましくは、この態様において、該ゴム層材料は、少なくとも約345 MPa (50,000 psi)なる曲げ弾性率を有する。 【0017】 【発明を実施するための最良の形態】本発明の更なる特徴並びに利点は、以下に記載される図面との関連で与えられる、以下の詳細な説明から確認することができる。 定義1以上の数値または数値範囲との関連で、本明細書において使用される用語「約」とは、ある範囲の数値全てを含む、このような数値全てを包含するものと理解すべきである。本明細書において使用する、置換および無置換の「アリール」基とは、共役二重結合系を含む、典型的には4n+2B 個の(ここで、nは整数である)環状電子を含む、炭化水素リングを意味する。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、アニシル、トリル、キシレニルを含むが、これらに制限されない。本発明によれば、アリール基は、またヘテロアリール基、例えばピリミジンまたはチオフェンをも含むことができる。これらアリール基は、また任意の数の様々な官能基で置換されていてもよい。炭素環式基との関連でここに記載された官能基に加えて、該アリール基上の官能基は、ヒドロキシまたはその金属塩;メルカプトまたはその金属塩;ハロゲン;アミノ、ニトロ、シアノ、およびアミド;エステルおよび酸を含むカルボキシおよびその金属塩;シリル;アクリレートおよびその金属塩;スルホニルまたはスルホンアミド;およびホスフェートおよびホスファイト;並びにこれらの組み合わせを含むことができる。 【0018】ここで使用する用語「アッチ圧縮率」および「圧縮率」とは、NJ、ユニオンシティーのアッチエンジニアリング社(Atti Engineering Corp.)から市販品として入手できる、アッチコンプレッションゲージ(Atti Compression Gauge)を用いて測定した、較正バネの反り(撓み)に対する対象または材料の反りとして定義される。アッチ圧縮率は、典型的に、ゴルフボールの圧縮率を測定するのに利用される。圧縮率値は、測定すべき物品の径に依存する。このアッチゲージを使用して、約4.27 cm (1.680 in)未満の径を持つコアを測定する場合、径約4.27 cm (1.680 in)をもつ、該測定対象を製造するのに、金属製または他の適当なシムが使用されることを理解すべきである。 【0019】ここで使用する、置換または無置換の「炭素環式基」とは、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル等を包含する(しかし、これらに制限されない)、環状の炭素-含有化合物を意味する。このような環式基は、また種々の置換基を含むことができ、そこでは1以上の水素原子が、官能基により置き換えられている。このような官能基は、上記のもの、および1〜28個の炭素原子を含む低級アルキル基を含む。本発明のこの環式基は、更にヘテロ原子を含むことができる。ここで使用する用語「シス-トランス触媒」とは、シス-ポリブタジエン異性体の少なくとも一部を、与えられた温度において、トランス-ポリブタジエン異性体に転化するであろう、任意の成分またはその組み合わせを意味する。任意の所定時点において測定された、該シス-異性体、該トランス-異性体、および任意のビニル-モノマーの組み合わせが、このポリブタジエンの100%を構成することを理解すべきである。ここで使用する用語、ゴルフボールに関する「復元係数」とは、ボールを剛性プレートに発射した際の、反発速度と帰還速度との比として定義される。該帰還速度は、約38.1 m/s (125 ft/s)であるものと理解されている。 【0020】ここで使用する用語「動的剛性」とは、荷重を、100μmなる振幅で、1 Hzにて振動する、1.4-mmの球半径を持つ侵入プローブに対する、撓みで割ったものとして定義される。このプローブは、力学的に、サンプル材料の表面に侵入する。球形のコアを持つサンプル材料は、該コアの赤道部分に沿って、厚み6-mmの層を切り開いて、1表面が該コアの幾何学的中心を含む、厚さ6-mmの円盤を生成することにより調製した。この円盤上の任意の選択された動径方向の位置に、該プローブを配置することにより、動的剛性の測定を行うことができる。正確な動的測定は、該材料サンプルを実質的に均一な温度に維持することによって行うことができる。該動的剛性は、DE、ニューカッスルのTAインスツルメンツ社(TA Instruments Corporation)から入手できるダイナミックメカニカルアナライザー(Dynamic Mechanical Analyzer)、モデルDMA 2980を使用して得た。この装置の、DMA 2980関する設定は、周波数1-Hz、振幅100-μm、静的負荷0.3-Nおよび自己歪105%であった。1.4-mmの球半径をもつプローブは、DMA 2980に対する付属侵入キットとして、TAインスツルメンツから入手できる。このDMA 2980は、温度-制御チャンバーを備えており、該チャンバーは、広範な周囲温度におけるテストを可能とする。 【0021】「動的剛性」を測定するのに使用するこれら方法および装置は、損失正接(losstangent)を測定するのに使用することもできる。損失正接は、損失弾性率対貯蔵弾性率の比である。損失弾性率は、変位と一致しない弾性率部分であり、貯蔵弾性率は変位と一致する弾性率部分である。このDMA 2980は、自動的に損失正接を計算し、かつ報告する。本明細書で使用する用語「流体」とは、液体、ペースト、ゲル、ガス、またはこれらの任意の組み合わせを含む。本明細書で使用する用語「第VIA族成分」または「第VIA族元素」とは、硫黄成分、セレン成分、またはテルル成分、もしくはこれらの組み合わせを包含する、成分を意味する。本明細書で使用する用語「硫黄成分」とは、元素硫黄、重合体硫黄、またはこれらの組み合わせとしての成分を意味する。更に、「元素硫黄」とは、S8なる環状構造を意味し、また「重合体硫黄」とは、該元素硫黄に対して、少なくとも一つの硫黄を含めた構造を意味するものと理解すべきである。 【0022】本明細書で使用する用語「分子量」とは、絶対質量平均分子量として定義される。分子量は、以下の方法で測定される:約20 mg のポリマーを、10 ml のテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。この溶解は、該ポリマーの分子量および分布に依存して、室温にて数日を要する可能性がある。1LのTHFをろ過し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)溜めに入れる前に、脱気処理した。HPLCの流量を、ビスコゲル(Viscogel)カラムに対して、1 mL/分に設定した。ID 7.8 mmおよび長さ300 mmの、この非-流動型、混合床カラムモデルGMHHR-Hは、TX、ヒューストンのビスコテック社(Viscotek Corp.)から入手できる。THFの流量をサンプルの分析開始前少なくとも1時間、または安定な検出器のベースラインが達成されるまで、1mL/分に設定した。該カラムおよび検出器のパージングの際、このビスコテックTDAモデル300三重検出器の内温を、40℃に設定すべきである。 【0023】この検出器も、ビスコテック社から入手できる。該3つの検出器(即ち、屈折率、差圧および光散乱)および該カラムは、熱的な平衡状態にすべきであり、またこれら検出器は、パージし、ゼロ調節して、この装置に与えられた指示に従って、較正用のシステムを調製すべきである。次いで、サンプル溶液のアリコート100-μLを、該装置に注入することができ、また各サンプルの分子量を、ビスコテック社の三重検出器ソフトウエアによって算出できる。該ポリブタジエン材料の分子量を測定したら、0.130なるdn/dcを常に使用すべきである。この装置およびこれら方法が、ここに記載され、かつ特許請求された分子量に関する数値を与えること、および他の装置または方法は、ここで使用する値と、必ずしも等価な値を与えないことを理解すべきである。 【0024】ここで使用する用語「多層」とは、少なくとも2層を意味し、流体または液体中心ボール、糸巻きボール、中空中心ボール、および少なくとも2層の中間層およびカバー層を含むボールを包含する。ここで使用する、「phr」としても知られる用語「百部当たりの部」とは、混合物中に存在する特定の成分の、全ポリマー成分100質量部当たりの、質量部数として定義される。数学的には、これは、該ポリマーの全質量で、ある成分の質量を割り、これにファクター100を乗じたものとして表される。ここで使用する用語「レジリエンス指数」とは、990(周波数スパン)で割り、(規格化および単位上の便宜のために) 100,000を乗じた、10 cpmおよび100 cpmにおいて測定した損失正接(tanδ)の差として定義される。この損失正接は、OH、アクロンのアルファテクノロジーズ(Alpha Technologies)によって製造されている、RPA 2000を使用して測定される。このRPA 2000は、0.5度の弧を用いて、100℃なる温度にて、2.5〜1000 cpmなる範囲を走査するように設定される。6回の損失正接測定の平均を、各周波数において得、得られる平均値を該レジリエンス指数の計算に利用する。該レジリエンス指数の計算は以下の通りである:【0025】レジリエンス指数=100,000・[(10 cpmにおける損失正接)-(1000 cpmにおける損失正接)]/990ここで使用する用語「実質的に含まない」とは、約5質量%未満、好ましくは約3質量%未満、より好ましくは約1質量%未満および最も好ましくは約0.01質量%未満を意味する。ここで使用する用語「曲げ弾性率」とは、ポリマーの製造後約2週間に、改良された、ASTM D6272-98の手順(Procedure) Bにより測定したものである。ここで使用する用語「剛性」とは、この曲げ弾性率を意味する。ここで使用する用語「硬さ」とは、ASTM D2240-00によって測定した、ここで論じられているボールの、特定の層を形成する材料の硬さを意味する。 【0026】好ましい態様の詳細な説明USGAのゴルフルールに従いつつ、ティーからの大きな飛距離を与える、高いレジリエンスを持つゴルフボールを目的とする。ゴルフボールのレジリエンスの測定法は、当業者には周知である。インパクト時点の、ボールのレジリエンシーを測定する1方法では、エアーキャノンまたはゴルフクラブヘッドの速度と等価な速度にて、ボールを推進させる他の手段を利用する。該ボールを、大きな剛性ブロックに向けて発射させ、そのインバウンド(inbound)およびアウトバウンド(outbound)速度を測定する。この速度は、光スクリーンを利用して測定でき、該スクリーンは該ボールが一定の距離を移動するのに必要な時間を測定する。この移動時間で割った該一定距離は、この一定の距離に渡る、該ボールの平均速度に等しい。該アウトバウンド速度対該インバウンド速度の比は、一般に復元係数(coefficient of restitution: COR)と呼ばれている。このCORは、特定のインバウンド速度における、ゴルフボールのレジリエンスに関する直接的な尺度である。ゴルフボールは線形-粘弾性形式で挙動するので、インバウンドボール速度は、機能的にクラブのスイングスピードと等価である。一態様において、本発明は、低スイングスピード競技者のために、このCORを最大にすることを試みている。これらの競技者は、該ボールに対して低スイングスピードで該クラブを振っており、従ってインパクト後の低いボール速度およびティーからの短い飛距離のみを得る傾向にある。 【0027】図1を参照すると、ゴルフボール10は、そのコア12を製造するのに、当分野において公知の、任意の適当な材料を含むことができる。一態様において、本発明によるゴルフボール10は、約200,000を越える分子量および少なくとも約40なるレジリエンス指数をもつ、ポリブタジエン材料またはその反応生成物から作られた材料を含有する、1以上の層16および18を含むコア12、ポリウレタン組成物またはその反応生成物を含む、カバー層20、および該コア12と該カバー20との間に設けられたポリイソプレン層22を含む。従って、改良されたゴルフボールは、本発明によれば、(a) ポリブタジエン反応生成物をその中心に含め、ここで該ポリブタジエン反応生成物約200,000を越える分子量および少なくとも約40なるレジリエンス指数を有し、(b) 該中心の回りにポリイソプレン層を設け、場合によりこれらの間に1以上の層を設け、また(c) ポリウレタン材料を含む、少なくとも1層を含有するカバーを設けることによって、製造できる。 【0028】図1に示すように、該ゴルフボールのコア12は中実であり得る。このコアは、熱硬化性中実ゴム球または熱可塑性中実球を含むことができる。該コア12は、熱可塑性および/または熱硬化性材料で形成された、中実中心16および中実層18から製造できる。場合により、該中心16は、糸巻き層18および本発明によるカバーで覆われる。所定の特性に依存して、本発明により製造されるボールは、従来の構成を持つボールと比較して、実質的に同一またはより高いレジリエンス、または復元係数(COR)を示すことができ、また低い圧縮率または弾性率を示す。更に、本発明により調製したボールは、また従来の構成を持つボールと比較して、圧縮率における増大を伴うこと無しに、実質的に高いレジリエンスまたはCORを示すことができる。このレジリエンスのもう一つの尺度は、上記の「損失正接」即ちtanδであり、これは対象の動的剛性を測定した際に得られる。 【0029】損失正接およびこのような動的特性に関連する学術用語は、典型的にはASTM D4092-90に記載されている。かくして、より低い損失正接は、より高いレジリエンシーを示し、結果としてより高い復元能力を示す。低い損失正接は、ゴルフクラブからゴルフボールに付与されたエネルギーの殆どが、動的エネルギー、即ち推進速度および得られるより長い飛距離に転化されたことを意味する。ゴルフボールの剛性または圧縮性剛性は、例えば上記の動的剛性により測定できる。より高い動的剛性は、より高い圧縮性の剛性を意味する。所定の圧縮性剛性を持つゴルフボールを製造するために、該架橋されたポリブタジエン反応生成物の動的剛性は、-50℃において約50,000 N/m 未満であるべきである。好ましくは、この動的剛性は、-50℃において約10,000〜40,000 N/m なる範囲、より好ましくは、該動的剛性は-50℃において約20,000〜30,000 N/m なる範囲とすべきである。 【0030】該動的剛性は、幾つかの点で動的弾性率と類似する。動的剛性は、ここに記載するようなプローブの幾何形状に依存し、一方で動的弾性率は、幾何形状とは無関係の固有の物質特性である。この動的剛性の測定は、サンプル物品の別々の点における、損失正接の測定および動的な弾性率の定量的測定を可能とする、固有の特性を持つ。本発明の場合において、該物品は、ゴルフボールコアの少なくとも一部である。該ポリブタジエン反応生成物は、好ましくは-50℃において約0.1以下の損失正接を有し、より好ましくは-50℃において約0.07以下である。該中心組成物は、好ましくは少なくとも約40なるレジリエンス指数を持つ、少なくとも1種のゴム材料を含む。好ましくは、該レジリエンス指数は、少なくとも約50である。多数のポリブタジエンポリマーに関する比較を、以下の表1に掲載する。弾性ゴルフボールを生成し、従って本発明によるゴルフボールの該中心部または他の部分において使用するのに適したポリマーは、CB23、CB22、BR60および1207Gを含むが、これらに限定されない。レジリエンス指数を計算する方法を説明するために、このレジリエンス指数を100℃にて測定する。CB23は、OH、アクロンのバイエル社(Bayer Corporation)から市販品として入手できる。CB23については、例えばそのレジリエンス指数は以下のように計算する:CB23のレジリエンス指数 = 100,000・[(0.954) - (0.407)]/990 = 55【0031】 【表1】表1:ポリブタジエンポリマー例のレジリエンス指数 【0032】ゴルフボール部分の成型方法および組成は、典型的に材料特性の勾配をもたらす。従来技術において利用された方法は、一般にこれら勾配を定量するために、硬さを利用した。硬さは、静的弾性率の定性的な尺度であり、また使用するゴルフボールに関連する変形率、即ちクラブによる衝撃の際の、該材料の弾性率を表さない。ポリマー科学の当業者には周知であるように、時間-温度の重ね合わせ原理を利用して、交互変形率を模倣することができる。ポリブタジエンを含むゴルフボール部分に対して、0〜-50℃なる範囲の温度における、1-Hzの振動は、ゴルフボールの衝撃率と、定量的に等価であると考えられる。従って、0〜-50℃なる範囲の温度における損失正接および動的剛性の測定は、好ましくは約-20〜-50℃の温度における、ゴルフボールの性能を、正確に予想するのに利用できる。 【0033】該ゴルフボールコアのポリブタジエン材料は、典型的に少なくとも約15のショアA硬さ、好ましくは約30ショアA〜80ショアD硬さ、より好ましくは約50ショアA〜60ショアD硬さを持つ。好ましい一態様においては、該コア12は、その幾何中心において、約20〜85ショアC、好ましくは約40〜80ショアCおよびより好ましくは約60〜70ショアC硬さをもつ。該ゴルフボールコアの表面は、典型的に該幾何中心におけるよりも硬い。例えば、中心において65ショアC硬さを持つ、ゴルフボールコア、即ち球は、その表面において約80〜85ショアC硬さを持つ。その比重は、該ゴルフボールポリブタジエン材料に対して、典型的に約0.7を越え、好ましくは約1を越える。更に、本発明により製造したゴルフボールにおける、加硫したゴム、例えばポリブタジエンは、典型的に約40〜約80、好ましくは約45〜約60、およびより好ましくは約45〜約55のムーニー粘度を持つ。ムーニー粘度は、典型的にASTM D-1646-99に従って測定する。 【0034】該コア中心または外側層の少なくとも一方は、シス-トランス触媒、ポリブタジエンを含む弾性ポリマー、フリーラジカル源、および場合により架橋剤、フィラーまたはその両者を含む、反応生成物を含有する。好ましくは、このポリブタジエン反応生成物は、該ゴルフボール中心の少なくとも一部を形成するのに使用され、また以下で更に論じるように、該中心を製造するための本態様と関連している。好ましくは、該反応生成物は、-50℃にて測定した第一の動的剛性を有し、これは0℃にて測定した第二の動的剛性の約130%未満である。より好ましくは、この第一動的剛性は、該第二の動的剛性の約125%未満である。最も好ましくは、この第一動的剛性は、該第二の動的剛性の約110%未満である。 【0035】このように、本発明は、また該ポリブタジエン弾性ポリマー成分のシス-異性体を、成型サイクル中に、そのトランス-異性体に転化し、かつゴルフボールを製造する方法をも含む。ポリマー、シス-トランス触媒、フィラー、架橋剤、およびフリーラジカル源の種々の組み合わせを使用できる。より高い弾性およびより低い圧縮率の中心または中間層を得るために、好ましくは約90%を越えるシス-異性体含有率を持つ、高分子量ポリブタジエンを転化して、該ゴルフボールまたはその部分における任意の点における、トランス-異性体含有率を高め、好ましくは該成型サイクル中の、該ゴルフボールまたはその部分の実質的全てに渡り、該トランス-異性体含有率を高める。より好ましくは、該シス-ポリブタジエン異性体は、全ポリブタジエン含量の約95%を越える量で存在する。如何なる特別な理論にも拘泥するつもりは無いが、該初期のポリブタジエンおよび該反応生成物両者において、1,2-ポリブタジエン異性体(ビニル-ポリブタジエン)の量が少ないことが望ましいと考えられている。典型的に、該ビニル-ポリブタジエン異性体含有率は、約7%未満である。 【0036】好ましくは、該ビニル-ポリブタジエン異性体含有率は、約4%未満である。より好ましくは、該ビニル-ポリブタジエン異性体含有率は、約2%未満である。如何なる特別な理論にも拘泥するつもりは無いが、該併合されたシス-およびトランス-ポリブタジエン骨格の結果的に見られる移動度は、該反応生成物およびこれを含有するゴルフボールの、低い弾性率および高いレジリエンスによるものであると考えられている。一態様において、クラブヘッドスピード48.8 m/秒(160 ft/秒)における、該ゴルフボールの復元係数は、少なくとも約0.76であり、あるインバウンド速度に対する復元係数の勾配の大きさは、少なくとも約0.00328 s/m (約0.001 s/ft)である。本発明は、また約300,000を越える分子量および少なくとも約40なるレジリエンス指数を有するポリブタジエンを含み、かつ少なくとも約3.84 cm (約1.51 in)なる外径を持つ一つの中心、該外側コア層を取巻く内側カバー層、および該内側カバー層の周りに設けられた外側カバー層を含む、ゴルフボールにも関連し、該外側カバー層は、7.5質量%未満の未反応イソシアネート基を含むプレポリマーから製造されたポリウレタン組成物を含有し、かつ該内側カバーは、ポリイソプレンを含む。 【0037】本発明は、また約300,000を越える分子量および少なくとも約40なるレジリエンス指数を有するポリブタジエンを含む中心にも関連し、この中心を取巻くフープ応力層は、少なくとも約3.84 cm (約1.51 in)なる外径を有し、かつ該中心と該カバーとの間に設けられ、ここで該フープ応力層は、引張り強さ少なくとも約1723 MPa (約250,000 psi)および少なくとも約68900 MPa (約10,000,000 psi)なる弾性率を持つ、ガラス、ポリアミド、芳香族ポリアミド、炭素または金属繊維を含み、またポリイソプレンで構成される内側カバーは、該糸巻きフープ応力層の周りに設けられ、かつ外側カバーはポリウレタン組成物を含む。 【0038】ゴルフボール競技特性にとって望ましく、かつ有利な、高いレジリエンスおよび低い弾性率(低圧縮率)特性を示す、ポリマー反応生成物を製造するために、好ましくは高分子量シス-1,4-ポリブタジエンを、その成型サイクル中に、そのトランス-異性体に転化することができる。「高分子量」とは、典型的に該ポリブタジエン材料が、約200,000を越える平均分子量を持つことを意味する。好ましくは、このポリブタジエンの分子量は、約250,000を越え、より好ましくは約300,000〜500,000なる範囲内にある。如何なる特別な理論にも拘泥するつもりは無いが、該フリーラジカル源との組み合わせによる、該シス-トランス触媒成分は、ある割合の該ポリブタジエンポリマー成分を、そのシス-構造からトランス-構造に転化するように機能するものと考えられる。このシス-トランス転化は、シス-トランス転化触媒、例えば有機硫黄または金属-含有有機硫黄化合物、硫黄または金属を含まない、置換または無置換の芳香族有機化合物、無機硫化化合物、芳香族有機金属化合物、またはこれらの混合物の存在を必要とする。このシス-トランス転化触媒成分は、1種以上のここに記載したシス-トランス触媒を含むことができる。例えば、該シス-トランス触媒は、有機硫黄化合物と無機硫化化合物とのブレンドであり得る。 【0039】一態様において、該少なくとも1種の有機硫黄成分は、実質的に金属を含まず、この実質的に含まないとは、典型的に約10質量%未満の金属、好ましくは約3質量%未満の金属、より好ましくは約1質量%未満の金属、および最も好ましくは痕跡量の金属のみを含む、例えば約0.01質量%未満の金属を含むことを意味する。もう一つの態様において、該有機硫黄成分は、全く金属を含まない。本発明において言及する際に本明細書で使用する用語「有機硫黄化合物」または「有機硫黄成分」とは、少なくとも1種の4,4'-ジフェニルジスルフィド;4,4'-ジトリルジスルフィド;2,2'-ベンズアミドジフェニルジスルフィド;ビス(2-アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(4-アミノフェニル)ジスルフィド;ビス(3-アミノフェニル)ジスルフィド;2,2'-ビス(4-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(4-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(3-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(4-アミノナフチル)ジスルフィド; 【0040】2,2'-ビス(5-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(6-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(7-アミノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(8-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(2-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(3-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(3-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(4-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(5-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(6-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(7-アミノナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(8-アミノナフチル)ジスルフィド;1,2'-ジアミノ-1,2'-ジチオジナフタレン;2,3'-ジアミノ-1,2'-ジチオジナフタレン;ビス(4-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(3-クロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(4-フルオロフェニル)ジスルフィド;ビス(4-ヨードフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド; 【0041】ビス(3,5-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,6-ジクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(3,5-ジブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2-クロロ-5-ブロモフェニル)ジスルフィド;ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(2,3,4,5,6-ペンタクロロフェニル)ジスルフィド;ビス(4-シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(2-シアノフェニル)ジスルフィド;ビス(4-ニトロフェニル)ジスルフィド;ビス(2-ニトロフェニル)ジスルフィド;2,2'-ジチオ安息香酸エチルエステル;ビス(4-アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(2-アセチルフェニル)ジスルフィド;ビス(4-ホルミルフェニル)ジスルフィド;ビス(4-カルバモイルフェニル)ジスルフィド;1,1'-ジナフチルジスルフィド;2,2'-ジナフチルジスルフィド;1,2'-ジナフチルジスルフィド;2,2'-ビス(1-クロロジナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(1-ブロモナフチル)ジスルフィド;1,1'-ビス(2-クロロナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(1-シアノナフチル)ジスルフィド;2,2'-ビス(1-アセチルナフチル)ジスルフィド等;またはこれらの混合物を意味する。 【0042】好ましい有機硫黄成分は、4,4'-ジフェニルジスルフィド、4,4'-ジトリルジスルフィド、または2,2'-ベンズアミドジフェニルジスルフィド、またはこれらの混合物を含む。より好ましくは、有機硫黄成分は、4,4'-ジトリルジスルフィドを含む。この有機硫黄シス-トランス触媒が存在する場合、このものは、好ましくは少なくとも約12%のトランス-ポリブタジエン異性体を含むように、該反応生成物を製造するのに十分な量で存在するが、典型的には全弾性ポリマー成分を基準として、約32%を越えるトランス-ポリブタジエン異性体を含むように製造される。もう一つの態様において、金属-含有有機硫黄成分を、本発明に従って使用できる。適当な金属-含有有機硫黄成分は、ジエチルジチオカルバメート、ジアミルジチオカルバメートおよびジメチルジチオカルバメートまたはこれらの混合物の、カドミウム、銅、鉛、およびルテニウム類似体を包含するが、これらに制限されない。 【0043】硫黄または金属を含まない、適当な置換または無置換の芳香族有機成分は、4,4'-ジフェニルアセチレン、アゾベンゼン、またはこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。該芳香族有機基は、好ましくはそのサイズにおいて、C6〜C20なる範囲にあり、またより好ましくはC6〜C10なる範囲にある。適当な無機硫化物成分は、硫化チタン、硫化マンガン、および鉄、カルシウム、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、セレン、イットリウム、亜鉛、錫、およびビスマスの類似の硫化物を包含するが、これらに限定されない。置換または無置換芳香族有機化合物も、上記シス-トランス触媒に含めることができる。適当な置換または無置換芳香族有機成分は、式:(R1)X-R3-M-R4-(R2)y (ここで、R1およびR2は、各々水素原子または置換または無置換のC1-20直鎖、分岐または環式アルキル、アルコキシ、またはアルキルチオ基、または単一の、複数のあるいは縮合リング状C6〜C24芳香族基であり、xおよびyは各々0〜5なる範囲の整数であり、R3およびR4は、各々単一の、複数のあるいは縮合リング状C6〜C24芳香族基から選択され、またMは、アゾ基または金属製分を含む)で表される成分を含むが、これらに限定されない。 【0044】R3およびR4は、各々好ましくはC6〜C10芳香族基から選択され、より好ましくはフェニル、ベンジル、ナフチル、ベンズアミド、およびベンゾチアジル基から選択される。R1およびR2は、各々好ましくは置換または無置換のC1-10直鎖、分岐または環式アルキル、アルコキシ、またはアルキルチオ基、あるいはC6〜C10芳香族基から選択される。R1、R2、R3またはR4が置換されている場合、その置換は、1種以上の以下の置換基を含むことができる:ヒドロキシおよびその金属塩;メルカプトおよびその金属塩;ハロゲン;アミノ、ニトロ、シアノ、およびアミド;エステル、酸を含むカルボキシおよびその金属塩;シリル;アクリレートおよびその金属塩;スルホニルまたはスルホンアミド;およびホスフェートおよびホスファイト。Mが金属成分である場合、これは、当業者が入手できる、任意の適当な金属元素であり得る。典型的には、この金属は、遷移金属であろうが、好ましくはテルルまたはセレンである。一態様において、該芳香族有機化合物は、実質的に金属を含まないものであり、一方別の態様では、該芳香族有機化合物は、全く金属を含まないものである。 【0045】該シス-トランス転化触媒は、また第VIA族成分を含むこともできる。元素硫黄および重合体硫黄は、例えばOH、シャルドンのエラストケム社(Elastochem, Inc.)から、市販品として入手できる。硫黄触媒化合物の例は、PB(RM-S)-80元素硫黄およびPB(CRST)-65重合体硫黄を含み、これら各々は、エラストケム社から入手できる。テロイ(TELLOY)なる商品名のテルル触媒の例およびバンデックス(VANDEX)なる商品名のセレン触媒の例は、各々RTバンダービルト(Vanderbilt)から市販品として入手できる。このシス-トランス触媒は、典型的に全弾性ポリマー成分100部当たり、約0.1〜10部なる量で存在する。好ましくは、このシス-トランス触媒は、全弾性ポリマー成分100部当たり、約0.1〜8部なる量で存在する。より好ましくは、このシス-トランス触媒は、全弾性ポリマー成分100部当たり、約0.1〜5部なる量で存在する。このシス-トランス触媒は、典型的に、該トランス-ポリブタジエン異性体含有率を高めて、全弾性ポリマー成分を基準として、約5%〜70%のトランス-ポリブタジエン異性体を含むように、該反応生成物を製造するのに十分な量で存在する。 【0046】本明細書で言及するポリブタジエンのトランス-異性体含有率の測定は、以下のように実施でき、また本発明ではそのように実施した。較正用の標準物質を、既知のトランス-異性体含有率(例えば、高い比率および低い比率のトランス-ポリブタジエン)を持つ少なくとも2種のポリブタジエンゴムサンプルを用いて調製する。これらサンプルは、少なくとも約1.5%〜50%なる範囲の段階的なトランス-ポリブタジエン含有率を生成し、あるいは該未知の量の限界を確定して、得られる検量線が、少なくとも約13点の等間隔で配置された点を含むように、単独で使用しまたは一緒に配合する。市販品として入手できる、光音響(Photoacoustic: PAS)セルを備えた、フーリエ変換赤外(FTIR)分光装置を使用して、各標準物質のPASスペクトルを、以下の装置パラメータを使用して得た:走査速度:2.5 KHz (0.16 cm/s 光学速度)、1.2 KHzのエレクトロニックフィルタを使用、アンダーサンプリング(undersampling)比を2に設定(サンプル採取前の、ゼロを横切るレーザーシグナル数)、感度設定1について、375〜4000 cm-1なる範囲に渡り、4 cm-1なる解像度にて、最低128回の走査を相互に加算する。 【0047】これらシス-、トランス-、およびビニル-ポリブタジエンピークは、典型的に該PASスペクトルにおいて、600〜1100 cm-1なる範囲内に見出される。該トランス-ポリブタジエンピーク各々の下部の面積は、積算できる。これら3種の異性体ピークの全面積に対する、各ピーク面積の割合を決定することにより、該トランス-ポリブタジエン面積割合対実際のトランス-ポリブタジエン含有率の、検量線を構築することが可能となる。得られた検量線の相関係数(R2)は、0.95なる最小値でなければならない。該PASセルを、離型剤等の異物を含まない、新たに切り出した汚染されていない表面を含むサンプルで満たすことによって、対象とする点 (例えば、該コアの表面または中心) において、未知コア材料につき、上記のパラメータを使用して、PASスペクトルが得られる。該未知材料のトランス-ポリブタジエン面積の割合を分析して、該検量線から、実際のトランス-異性体含有率を決定する。 【0048】硫酸バリウムを含む、既知の一状況において、トランス-含有率をテストするための上記方法は、精度が劣る可能性がある。従って、ポリブタジエンのトランス-含有率に関する付随的なまたは別のテストは、以下の通りである。較正用の標準物質を、既知のトランス-異性体含有率(例えば、高い比率および低い比率のトランス-ポリブタジエン)を持つ少なくとも2種のポリブタジエンを用いて調製する。これらサンプルは、少なくとも約1.5%〜50%なる範囲の段階的なトランス-ポリブタジエン含有率を生成し、あるいは該未知の量の限界を確定して、得られる検量線が、少なくとも約13点の等間隔で配置された点を含むように、単独で使用しまたは一緒に配合する。近赤外レーザーを備えた、フーリエ変換ラマン(FT-ラマン)分光装置を使用して、各標準物質のストークス-ラマンスペクトルを、以下の装置パラメータを使用して得た:過度の加熱または蛍光発光を起こさずに、良好なシグナル-ノイズ比(S/N)を得るのに十分なレーザー出力(典型的には、約400〜800 mWが適当である);解像度2 cm-1;ラマンシフトスペクトル範囲:約400〜4000 cm-1;少なくとも300回の走査について加算。 【0049】検量線は、上で得たデータから、ケモメトリック(chemometrics)法およびソフトウエア、例えばNHサレムのギャラクチックインダストリーズ社(Galactic Industries Corp.)から入手できるPLSplus/IQ等を使用して構築できる。許容される較正は、SNV(デトレンド(detrend))経路長補正を使用して得たPLS-1曲線、平均中心データ調製、およびスペクトル範囲約1600〜1700 cm-1に渡る5-点SG二次導関数を利用して、このソフトウエアによって得た。得られた検量線の補正係数(R2)は、0.95なる最小値でなければならない。該コア材料のラマンスペクトルを、該サンプル内の対象とする点(例えば、該ゴルフボールコアの表面または中心)において、この装置を使用して得る。このサンプルは、例えば離型剤等の異物を含まないものである必要がある。このPLS検量線を利用して、該サンプルのスペクトルを解析して、該サンプルのトランス-ポリブタジエン異性体含有率を決定する。 【0050】しばしばフリーラジカル開始剤とも呼ばれる、フリーラジカル源が、本発明の組成物および方法において必要とされる。このフリーラジカル源は、典型的にはパーオキシドであり、また好ましくは有機パーオキシドである。適当なフリーラジカル源は、ジ-t-アミルパーオキシド、ジ(2-t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンパーオキシド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、a-a ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーオキシド、2,5-ジ-(t-ブチルパーオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド、等およびこれらの混合物である。該パーオキシドは、典型的に全弾性ポリマー成分100部当たり約0.1部を越える量で、好ましくは全弾性ポリマー成分100部当たり約0.1〜15部、およびより好ましくは全弾性ポリマー成分100部当たり約0.2〜5部なる範囲の量で存在する。本発明による幾分かのシス-トランス触媒の存在は、従来の架橋反応と比較して、多量のフリーラジカル源、例えばここに記載の量を必要とする可能性がある。100%活性の開始剤は、好ましくはポリブタジエン100部につき、約0.05〜5 phr なる範囲の量で添加される。より好ましくは、添加すべき開始剤の量は、約0.15〜4 phr および最も好ましくは約0.25〜3 phrなる範囲にある。このフリーラジカル源は、その代わりにまたはこれに加えて、電子ビーム、UVまたはγ-線照射、X-線照射、あるいはフリーラジカルを発生し得る任意の他の高エネルギー輻射源であっても良い。更に、加熱がしばしばフリーラジカル発生開始を容易にすることを理解すべきである。 【0051】架橋剤を含めて、該反応生成物の硬さを高める。適当な架橋剤は、不飽和脂肪酸またはモノカルボン酸の1種以上の金属塩、例えば亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウム、ニッケル、カルシウム、またはマグネシウムアクリレート塩等、並びにその混合物を含む。好ましいアクリレートは、亜鉛アクリレート、亜鉛ジアクリレート、亜鉛メタクリレート、および亜鉛ジメタクリレート、およびこれらの混合物を含む。該架橋剤は、該弾性ポリマー成分におけるポリマー鎖の一部を架橋するのに十分な量で存在する必要がある。例えば、該所定の圧縮率は、架橋の程度を調節することにより達成できる。これは、例えば架橋剤の型および量を、当業者には周知の方法で変更することによって達成できる。該架橋剤は、典型的に該弾性ポリマー成分の約0.1%を越える量で、好ましくは該弾性ポリマー成分の約10〜40%なる範囲の量で、より好ましくは該弾性ポリマー成分の約10〜30%なる範囲の量で存在する。有機硫黄を、該シス-トランス添加触媒として選択した場合、亜鉛ジアクリレートを、架橋剤として選択することができ、また好ましくは約25 phr 未満の量で存在する。適当な市販品として入手できる亜鉛ジアクリレートは、ザルトマー社(Sartomer Corporation)から入手できるものを含む。 【0052】本発明の組成物は、またフィラーを含むことができ、これはポリブタジエン材料に添加されて、該コアの密度および/または比重を調節し、また該カバーに添加することも可能である。ここで使用する用語「フィラー」とは、対象とするゴルフボールコアの密度および/または他の特性を調節するために使用できる、任意の化合物または組成物を含む。本発明のゴルフボールコアにおいて有用なフィラーは、例えば酸化亜鉛、硫酸バリウム、フレーク、繊維、およびリグラインド(これは、粉砕された再生コア材料、例えば約30メッシュ粒径まで粉砕される)を含む。使用するフィラーの型および量は、該組成物における他の成分の量および質量に支配される。というのは、45.93 g (1.62 oz)というゴルフボール質量の最大値が、米国ゴルフ協会(USGA)によって設定されているからである。一般に使用される適当なフィラーは、約2〜20なる範囲の比重を持つ。好ましい一態様では、この比重は、約2〜6であり得る。一態様において、該中心材料は、約1〜5、好ましくは約1.1〜2なる範囲の比重を持つことができる。 【0053】フィラーは、典型的にポリマーまたは無機粒子である。その例は、沈降水和シリカ;クレー;タルク;アスベスト;ガラス繊維;アラミド繊維;マイカ;メタ珪酸カルシウム;硫酸バリウム;硫化亜鉛;リトポン;ケイ酸塩;炭化珪素;珪藻土;ポリ塩化ビニル;炭酸塩、例えば炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウム;金属、例えばチタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、鉛、銅、ホウ素、コバルト、ベリリウム、亜鉛、および錫;金属合金、例えばスチール、黄銅、青銅、炭化ホウ素ホイスカー、および炭化タングステンホイスカー;金属酸化物、例えば酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、および酸化ジルコニウム;粒状炭素質材料、例えばグラファイト、カーボンブラック、コットンフロック、天然ビチューメン、セルロースフロックおよびレザー繊維;マイクロバルーン、例えばガラスおよびセラミック;フライアッシュ;およびこれらの組み合わせを含む。 【0054】本発明に従って製造される、該中心における該ポリブタジエン材料に、場合により酸化防止剤を含めることができる。酸化防止剤は、該ポリブタジエンの酸化性の劣化を阻害または防止することのできる化合物である。本発明において有用な酸化防止剤は、ジヒドロキノリン酸化防止剤、アミン型の酸化防止剤およびフェノール型の酸化防止剤を含むが、これらに制限されない。他の随意の成分、例えばテトラメチルチウラム等の促進剤、加工助剤、加工油、可塑剤、染料および顔料、並びに当業者には周知の他の添加剤を、本発明において使用することができ、その量は、これらがその目的を達成するのに十分なものである。 【0055】本発明に従って、該ゴルフボール中心または該コアの任意の部分を製造するのに使用される、該ポリマー、フリーラジカル開始剤、フィラーおよび任意の他の材料を組み合わせて、当業者には公知のあらゆる型の混合手段によって、混合物を製造できる。適当な型の混合は、一回および多数回混合等を含む。該ゴルフボール中心または追加の層の特性を改善するために使用する、該架橋剤およびあらゆる他の随意の添加剤を、同様に任意の型の混合により併合することができる。成分が順次添加される、1回の混合工程が好ましい。というのは、この型の混合は、効率を高め、かつこの工程に要するコストを減じる傾向があるからである。好ましい混合サイクルは、一段階であり、そこに該ポリマー、シス-トランス触媒、フィラー、亜鉛ジアクリレート、およびパーオキシドが順次添加される。適当な混合装置は、当業者には周知であり、このような装置は、バンバリーミキサー、二本ロールミル、または二軸スクリュー押出機を含むことができる。典型的には、ポリマーを混合するための従来の混合速度が使用されるが、この速度は、これら構成成分に、実質的な均一分散性を付与するのに十分高いものである必要がある。 【0056】他方、この速度は、高すぎてはならない。というのは、高い混合速度は、混合すべき該ポリマーを破断する傾向があり、特に該弾性ポリマー成分の分子量を不当に減じる可能性があるからである。従って、この速度は、該ポリマー成分の望ましい高分子量部分の喪失をもたらす恐れのある、高い剪断を回避するのに十分に低いものとすべきである。また、混合速度が高すぎることは、不当に高い量の発熱をもたらし、該プレフォームが成型され、かつコアの回りに結合される前に、架橋を開始してしまう可能性がある。この混合温度は、ポリマー成分の型に、またより重要なことには、フリーラジカル開始剤の型に依存する。例えば、このフリーラジカル開始剤として、ジ(2-t-ブチルパーオキシプロピル)ベンゼンを使用した場合、これら成分を安全に混合するのに適した混合温度は、約80〜125℃、好ましくは約88〜110℃およびより好ましくは約90〜100℃である。更に、混合温度を、該パーオキシドの分解温度以下に維持することが重要である。例えば、該パーオキシドとしてジクミルパーオキシドを選択した場合、この温度は約92.8℃(200°F)を越えるべきではない。適当な混合速度および温度は、当業者にとって周知であり、あるいは不当な実験を行うこと無しに、容易に決定できる。 【0057】この混合物を、例えば圧縮成型または射出成型に掛けて、該中心用の中実球または中間層を形成するための、半球型のシェルを得ることができる。このポリマー混合物を、成型サイクルに付して、そこで熱および圧力を印加し、一方で該混合物を鋳型内に閉じ込める。そのキャビティーの形状は、成型すべきゴルフボールの部分に依存する。この圧縮および加熱が、1種以上のパーオキシドを分解することによって、フリーラジカルを遊離し、これは、該シス-トランス転化および架橋を同時に開始することを可能とする。この成型サイクルの温度および期間は、選択されたパーオキシドおよびシス-トランス触媒の型に基づいて、容易に選択できる。この成型サイクルは、単一の温度にて、固定された期間、該混合物を成型する単一の段階を含むことができる。ジクミルパーオキシドを含む混合物に対する、単一段階成型サイクルの一例は、約17.2 MPa (2,500 psi)にて、約168.3℃ (335°F)で11分間、該ポリマー混合物を維持することであろう。この成型サイクルは、また2段階の工程を含むこともでき、そこで該ポリマー混合物は、第一温度にて、第一の期間、該金型内に維持され、次いで第二の典型的にはより高い温度にて、第二の期間維持される。 【0058】二段階成型サイクルの一例は、約143.3℃ (290°F)にて40分間、該金型を維持し、次いで金型温度を約171.1℃(340°F)まで上げ、この温度にて金型を20分間維持することであろう。本発明の好ましい態様において、単一段階の硬化サイクルを利用する。単一段階法は、効果的かつ効率的であり、二段階法の時間およびコストを減じる。該弾性ポリマー成分、ポリブタジエン、シス-トランス転化触媒、付随的ポリマー、フリーラジカル開始剤、フィラーおよび本発明に従って該ゴルフボール中心または該コアの任意の部分を製造する際に使用される、任意の他の材料を混合して、射出成型法によりゴルフボールを製造する。該射出成型法も当業者には周知である。該硬化時間は、選択された種々の材料に依存するが、特に適した硬化時間は、約5〜18分、好ましくは約8〜15分およびより好ましくは約10〜12分である。当業者は、使用する特定の材料および本明細書における議論に基づいて、上下方向に、硬化時間を容易に調節できるであろう。 【0059】未硬化の弾性ポリマー成分よりも多量のトランス-ポリブタジエンを含む、この硬化された弾性ポリマー成分は、内部のある点において第一の硬さを持ち、また第二の硬さを持つ表面を有する物品に形成される。該第二の硬さは、該第一の硬さの10%を越える量だけ、該第一の硬さとは異なっている。好ましくは、この物品は、球であり、該点は、この物品の中央にある。もう一つの態様において、該第二の硬さは、該第一の硬さの20%を越える量だけ、該第一の硬さとは異なっている。この硬化された物品は、また内部位置に第一の量のトランス-ポリブタジエンを、また表面位置に第二の量のトランス-ポリブタジエンを含み、ここで該第一の量は、少なくとも約6%、該第二の量よりも少なく、好ましくは少なくとも約10%、該第二の量よりも少なく、またより好ましくは少なくとも約20%、該第二の量よりも少ない。該内部位置は、好ましくは中央にあり、また該物品は、好ましくは球である。 【0060】本発明に従って製造したゴルフボールのコアまたは該コアの一部分の圧縮率は、典型的には約15〜100である。一態様において、この圧縮率は、約50以下であり、より好ましくは約25以下である。好ましい一態様において、この圧縮率は、約60〜90、より好ましくは約70〜85である。圧縮率を測定するための種々の等価な方法が存在する。例えば、70アッチ圧縮率(以前は、「PGA圧縮率」と呼ばれた)は、100 kg の荷重および「バネ定数」36 Kgf/mmの下で、3.2 mmなる撓みの中心硬さと等価である。一態様において、該ゴルフボールコアは、130 kg 10 kg テストの下で、約3.3 mm〜7 mmなる範囲の撓みを有する。一態様において、該コアは、中心と外側層とで構成される。該中心は、少なくとも約1.27 cm (0.5 in)、好ましくは約1.91 cm (0.75 in)〜約3.81 cm (1.5 in)なる範囲の外径を有する。好ましい一態様においては、該中心は、約2.03 cm (約0.8 in)〜3.05 cm (1.2 in)なる範囲の外径を持つ。 【0061】もう一つの態様において、該中心は、第一の量のトランス-異性体を含む、ポリブタジエンの転化反応生成物、フリーラジカル源および少なくとも1種のシス-トランス転化触媒から作られた材料を含む。好ましい一態様において、この反応は、該第一の量のトランス-異性体よりも大きな、第二の量のトランス-異性体を含む、ポリブタジエン反応生成物を形成するのに十分な温度および時間にて起こる。一態様において、該シス-トランス転化触媒は、有機硫黄化合物、無機硫黄化合物、芳香族有機金属化合物、金属-有機硫黄化合物、テルル、セレン、元素硫黄、重合体硫黄、または芳香族有機化合物の内の少なくとも1種を含む。好ましくは、この触媒は、有機硫黄化合物を含み、また好ましい一態様では、この触媒は、少なくとも1種の4,4'-ジフェニルジスルフィド、または2,2'-ベンズアミドジフェニルジスルフィド、またはその組み合わせを含む。このシス-トランス転化触媒は、典型的に、ポリブタジエン100部当たり、約0.1〜10部なる範囲の量で存在する。 【0062】好ましくは、該コア12は、少なくとも約2.54 cm (1 in)、より好ましくは約3.30 cm (約1.3 in)〜約4.06 cm (1.6 in)なる範囲の、外径D1をもつ。一態様において、該コアの外径は、約3.56 cm (約1.4 in)〜約4.01 cm (1.58 in)なる範囲にある。上記のように、該外側層は、少なくとも1本の糸30を巻付けることにより製造できる。この場合、該中心の径は、好ましくは少なくとも約3.56 cm (1.4in)である。従って、使用する糸の量は、該コアのサイズに比して小さい傾向にある。該糸巻き層は、圧縮率を下げる可能性があり、またよりソフトな感触をもつボールを与える。また、該糸巻き層は、極めて剛性であり、また該ボールの硬さを増す。一態様において、該糸巻き層の厚みは、約0.762 cm (約0.3 in)未満である。好ましい一態様において、該糸巻き層の厚みは、約0.254 cm (約0.1 in)未満である。この好ましい態様において、該糸材料は、ポリエーテルウレアまたは極めて硬い、高引張り弾性率糸を含む。ここで、「硬い、高引張り弾性率」とは、少なくとも約68900 MPa (約10,000,000 psi)なる引張り弾性率を意味するものと理解すべきである。 【0063】ポリイソプレン、ポリエーテルウレア、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはこれらの組み合わせを含む、糸材料を、本発明において使用することができる。比較的高いおよび低い弾性率糸を、同時に中心の周りに巻付けることができる。更に、もう一つの態様において、後の被覆工程に関わる圧縮および/または射出成型工程中に、「軟化」して、中間層または融合層を生成する、ポリエーテルウレア等の糸を使用できる。また、成型中に軟化しない、ポリイソプレン等の糸を、本発明において使用することもできる。一態様において、該糸巻き層において、ポリエステルウレアを含む糸を使用することが好ましい。 【0064】本発明において使用する糸は、従来のカレンダリングおよびスリッティングを含む、様々な方法を利用して製造できる。更に、溶融紡糸、湿式紡糸、乾式紡糸または重合紡糸等の方法を使用して、糸を得ることもできる。溶融紡糸法は、著しく経済的な方法である。過熱した紡糸ポンプにより、紡糸口金からポリマーを押出す。得られる繊維は、1200 m/分までの速度で引き抜かれる。これら繊維は、延伸され、かつ空気中で固化され、かつ冷却される。必要とされる温度が高いために、溶融しかつ熱安定性のポリマーのみが、溶融紡糸可能である。これらポリマーは、ポリ(オレフィン)、脂肪族ポリアミド、および芳香族ポリエステルを含み、その全てが、適当な糸材料である。溶融した際に分解するポリマーについては、該湿式紡糸法が使用される。約5〜20%の溶液を、紡糸ポンプによって、該紡糸口金に通す。沈殿浴を使用して、該フィラメントを凝固させ、また延伸または伸張浴を使用して、該フィラメントを延伸する。この方法におけるフィラメントの生成速度は、溶融紡糸法よりも遅く、典型的には約50〜100 m/分である。溶媒回収コストのために、この方法は経済性に劣る。 【0065】乾式紡糸法においては、空気が凝固浴である。この方法は、溶融した際に分解するポリマーにとって有用であるが、該ポリマーにとって、容易に揮発する溶媒が知られている場合に限られる。約20〜55%の溶液を使用する。紡糸口金のオリフィスを通過した後、得られるフィラメントは、長さ約5〜8 m を有するチャンバーに入る。このチャンバーで、加温空気のジェットが、該フィラメントに吹き付けられる。これは該溶媒を蒸発させ、かつ該フィラメントを固化する。この方法は、該湿式紡糸法よりも高い紡糸速度を持つ。典型的に、フィラメントの生成速度は、約300〜500 m/分である。この装置の初期設備投資額は高いが、その操業コストは、湿式紡糸法よりも低い。更に、この方法は、容易に揮発する溶媒が知られているポリマーを紡糸するためにのみ有用である。 【0066】もう一つの紡糸法、重合紡糸法においては、モノマーを、開始剤、フィラー、顔料および難燃剤、または他の選択された添加剤と共に、重合する。この重合生成物を、直接約400 m/分なる速度にて、紡糸する。この重合生成物を単離することはない。この方法にとっては、迅速に重合するモノマーのみが適している。例えば、リクラ(LYCRATM)は、重合紡糸法により製造されている。一般に、単層のゴルフボール糸は、合成シス-ポリイソプレンゴム、天然ゴムおよび硬化剤系を一緒に混合し、カレンダリングによって、この混合物をシートに形成し、このシートを硬化し、該シートをスリッティングして、糸を得ることにより製造される。この糸は、一般に矩形であり、またその寸法は、好ましくは約1.59×0.508 cm (0.0625×0.02 in)である。この糸300の典型的な面積はa1であり、これは一般に約0.0084 cm2 (約0.0013 in2)である。この材料は、該中心上に極めて薄い層として適用できる。 【0067】本発明において使用可能な他の型の糸は、多数の別個のフィラメントまたはストランドで構成される。好ましくは、10本のストランドが、この糸を構成し、またより好ましくは50本を越えるストランドが、この糸を形成する。最も好ましくは、この糸は、100本を越えるストランドを含む。これらストランドは、小さな径、典型的には約0.051 mm (約0.002 in)未満の径、およびより好ましくは約0.0025 mm (約0.0001 in)未満の径を持つ。好ましくは、本発明のストランドは、約0.00065 cm2 (約0.0001 in2)未満の断面積a2を有し、また最も好ましくは約0.000065 cm2 (約0.00001 in2)未満の断面積を持つ。好ましくは、本態様に関わる糸は、約0.0065 cm2 (約0.001 in2)未満の断面積a3を有し、また最も好ましくは約0.0032 cm2 (約0.0005 in2)未満の断面積を持つ。多数のストランドから形成された糸は、米国特許第6,149,535号を参照することにより、本発明に従って調製できる。該特許の開示事項を、ここに参考文献として組み入れる。 【0068】好ましくは、この糸は、約8%を越える破断点伸びを有する。より好ましくは、この糸は、約25%を越える破断点伸びを有する。約8%という最小の、破断前の糸の伸びは、該ゴルフボールがインパクトを受けた際に変形することを可能とする。典型的なドライバーでのインパクトを受けた際に、該糸が有意に約8%未満変形する、ゴルフボールは、ヒットした場合に硬い感触を与え、また望ましからぬスピンおよび感触特性を示すであろう。一態様において、該糸は、約200%〜1000%の、破断点伸びを有する。好ましくは、巻き付けられた状態にあるこの糸の弾性率は、約68.9 MPa (約10,000 psi)を越える。好ましい一態様において、この弾性率は、約138 MPa (約20,000 psi)を越える。もう一つの好ましい態様では、この弾性率は、約172 MPa (約25,000 psi)を越える。この糸のストランドは、バインダにより一緒に維持でき、あるいはこれらは一緒に紡糸できる。溶融紡糸、湿式紡糸、乾式紡糸および重合紡糸を利用して、これら糸を製造できる。各方法を、本明細書において、既により詳細に論じた。 【0069】該糸は、好ましくはポリマー材料を含む。適当なポリマーは、ポリエーテルウレア、例えばリクラ(登録商標);ポリエステルウレア;ポリエステルブロックコポリマー、例えばハイトレル(HYTRELTM);アイソタクチック-ポリ(プロピレン);ポリエチレン;ポリアミド;ポリ(オキシエチレン);ポリケトン;ポリ(エチレンテレフタレート)、例えばダクロン(DACRONTM);ポリ(p-フェニレンテレフタルアミド)、例えばケブラー(KEVLARTM);ポリ(アクリロニトリル)、例えばオルロン(ORLONTM);トランス,トランス-ジアミノジシクロヘキシルメタンおよびドデカンジカルボン酸、例えばキナ(QUINATM)を包含する。リクラ、ハイトレル、ダクロン、ケブラー、オルロン、およびキナは、DE、ウイルミントンのE.I.デュポンドゥネモアーズ社から入手できる。ガラス繊維および例えばコーニング社(Corning Corporation)から入手できるS-グラス(GLASSTM)も使用できる。また、MA、フォールリバーのグローブマニュファクチャリング(Globe Manufacturing)によるD7グローブ(Globe)糸を使用することもできる。実際に、ここで論じた任意の糸材料の混合物も、本発明の糸層に含めることができる。 【0070】この糸は、また異なる物理特性を持つストランドで構成して、所定の伸張および伸び特性を達成することも可能である。例えば、該糸は、脆弱であるが弾性である第一の弾性型の材料でできたストランド、および強力であるが弾性に劣る第二の弾性型の材料でできたストランドを含むことができる。もう一つの例において、この糸は、約0.51 mm (約0.02 in)未満の径を持つポリイソプレンゴム糸の、少なくとも1本のストランドを含むことができる。このストランドを、各々約0.051 mm (約0.002 in)未満の径を持つ、約10〜50本のポリエーテルウレアストランドによって取巻くことができる。 【0071】もう一つの態様において、本発明のゴルフボールは、上記の糸巻き層の代わりに、またはこれに加えて、糸巻きフープ-応力層を含むことができる。この糸巻き層は、該内側コアの周りに、および好ましくは該内側コアと接触した状態で巻き付けられた、高張力繊維で作られる。様々な高引張り弾性率を持つ繊維が、最小の厚みの層内に、必要なフープ応力を与えることができる。このような繊維の例は、好ましくはガラス、ダクロン、ポリアミド、芳香族ポリアミド(例えば、デュポン社のケブラーアラミド繊維)、炭素、または金属繊維である。金属、例えばスチール(特に、ステンレススチール)、モネルメタル、またはチタンが好ましい。金属繊維から生成したフープ層は、高い慣性モーメントを持つことができ、またその結果として、ゴルフクラブでヒットされた際に、低速度で回転でき、しかも飛翔中に長期に渡りその回転速度を維持できる。 【0072】これら高引張り弾性率を持つ繊維の強度は高く、結果として、好ましくはゴルフクラブでヒットした際に、該ゴルフボールの糸巻き部分に配置される、極めて高い応力を収容する。しかし、これは変えることができ、その結果、良好な感触と耐久性を持つゴルフボールが得られる。しかし、少なくとも約1723 MPa (約250,000 psi)なる引張り強さが好ましく、少なくとも約3445 MPa (約500,000 psi)なる引張り強さが、より好ましい。ゲージおよび厚みと共に、高引張り弾性率を持つ繊維の引張り弾性率も、上記のようなより剛性の、よりソフトな、あるいはより耐久性のあるボールを得るために、変えることができる。少なくとも約68900 MPa (約10,000,000 psi)なる弾性率が好ましい。少なくとも約137800 MPa (約20,000,000 psi)なる弾性率が最も好ましい。該フープ層は、好ましくは約0.254mm (約0.01 in)〜約2.54 mm (約0.10 in)なる厚みまで巻回される。フープ層の一態様において、少なくとも100%の初期歪が、該張力の掛けられた材料に掛かっていることが好ましい。好ましくは、該フープ応力層は、少なくとも約3.81 cm (1.5 in)なる内径および好ましくは約4.01-4.11 cm (1.58-1.62 in)なる範囲の外径を持つ。 【0073】このフープ層の態様において、該糸巻き層を形成するのに使用する、該高引張り弾性率を持つ繊維は、該巻回工程中に該繊維に適用される初期張力、好ましくは約4%歪未満の張力を持つことができる。約10%未満の初期歪が、より好ましい。約25%未満の初期歪が、最も好ましい。この繊維自体は、好ましくは該コアの回りへの巻回を容易にするために、連続である。図1のゴルフボール10は、ゴルフボールの分野において利用されている、任意の公知法によって製造できる。例えば、このゴルフボールは、該中実中心16を、射出成型または圧縮成型することにより製造できる。該多層コアに関連して、次に他の層16を、該中心上に射出成型または圧縮成型することができる。糸巻きの態様においては、次に該糸を該中実中心の周りに巻きつけて、前に記載したように、該糸巻き層16を形成する。該カバー層14を、次に当分野において周知の方法により、該層16の回りに、射出成型、圧縮成型、反応射出成型または流し込み成型することができる。 【0074】本発明のゴルフボールは、またまず半球型のカップを圧縮成型することによりシェルを形成することによって製造でき、該カップは、該シェルを生成するように一緒に結合して、キャビティーを形成し、このキャビティーを流体または液体で満たして、流体で満たされた中心を形成する。一態様において、該シェルは、中実層により覆われている。他の態様においては、次いで糸を、該シェルの回りに直接巻きつけて、該中心と糸巻き層との間において望ましい追加の層が存在しない場合には、上記のようにして、糸巻き層を形成し、あるいは該張力を掛けた材料を、該中心層の周りに設ける前に、該シェルの周りに該中間層を形成する。次いで、該カバーを、該糸巻き層の周りに設ける。 【0075】該カバーにとって望ましい性質は、特に良好な成型適正、高い磨耗抵抗、高い引裂き強度、高いレジリエンス、および良好な離型性である。このカバーは、典型的に十分な強度、良好な性能特性および耐久性をもたらす厚みを有する。このカバーは、好ましくは約2.54 mm (0.1 in)未満の、より好ましくは約1.27 mm (約0.05 in)未満の、および最も好ましくは約0.254 mm〜約1.02 mm (約0.01〜約0.04 in)なる範囲の厚みを持つ。他の態様において、該外側カバー層は、約0.51mm (0.02 in)未満および好ましくは約0.254 mm (0.01 in)未満である。本発明は、特にコアと、内側カバー層と、外側カバー層とを含む、多層ゴルフボールを目的とする。この態様においては、好ましくは、該内側および外側カバー層両者は、約1.27 mm (約0.05 in)未満の、より好ましくは約0.51 mm〜約1.02 mm (約0.02〜約0.04 in)なる範囲の厚みを持つ。 【0076】内側および外側カバー層を持つ態様において、該内側カバー層は、以下のように調製できる。射出成型、圧縮成型または流し込み成型を利用できるが、好ましい一態様においては、この内側カバーは、圧縮成型を利用して該コア上に形成される。該コアの回りの金型を閉じるべく、圧力を高める適当な速度は、容易に決定することができる。従って、1〜30秒程度、好ましくは2〜20秒なる範囲の時間は、関与する他のプロセス条件および材料に応じた、適当なものであり得る。好ましい一態様において、約10-15秒なる時間が、この金型を閉じるのに最も適した時間である。この時間は、各金型部分がこれらの間の該ポリイソプレン材料と接触した時点から測定され、該金型および該中心に掛かる圧力を、該金型を完全に閉じるまで高めるのに要する時間に関連する。有利なことに、この方法は、射出成型法を利用した場合に起こる可能性のある、ウエルドラインの形成を阻害または防止するのを補助する。 【0077】該内側カバーは、任意の天然または合成バラタ材料、即ちトランス-ポリイソプレン、バラタと他の材料とのブレンド、またはコアの回りに成型できる同様な材料で作ることができる。一態様においては、圧縮成型法を利用して、該内側カバー層を形成する。一態様において、該内側カバー層は、またスチレン-ブタジエンゴム(SBR)、あるいはSBR-強化樹脂、例えばOH、アクロンのグッドイヤータイヤ&ゴム社(Goodyear Tire & Rubber Co.)から、プライオライト(PLIOLITETM)として入手できるものをスチフナーとして、および比重を調節するための1種以上のフィラーを含むこともできる。適当なフィラーは、本明細書に記載のものを含む。好ましいフィラーは、小さな粒径を持ち、かつ高い比重を持つもの、例えばタングステンである。慣性モーメントを高めるために、該内側カバーの質量を、できる限り高めることが必要である。この内側カバーは、該糸巻きコアに適用する際に、あるいは後成型工程において、加硫することができるが、必須ではない。 【0078】この内側カバー層の外側表面は、該外側カバーを適用する前に、ハロゲン化、化学的表面変性または処理、UV照射、電子ビームへの暴露、マイクロ波照射、被覆(噴霧、浸漬または静電塗布による)、プラズマ照射、またはコロナ放電処理の1種以上によって、継続中の米国特許出願No. 09/389,058(これを本発明の参考文献とする)に記載されているように、処理することができる。好ましくは、この処理は、該内側カバー層の、該外側カバー層に対する接着性を高めるであろう。この処理を利用して、該ベース材料中に配合された材料を活性化することができ、これは、該外側カバーと、同様な好ましい相互作用を行い、例えば接着を容易にするであろう。この処理は、更に該ベース材料の軟化点を高めるように、ある材料を活性かして、該最終製品の温度安定性を改善するのに利用できる。該内側カバー層は、該糸巻きコアに剛性を与える。 【0079】径約4.27 cm (1.68 in)をもつボールに関連して、該内側カバー層の外径は、好ましくは約3.94 cm〜約4.24 cm (約1.55〜1.67 in)なる範囲内にある。一態様において、この外径は、約4.06 cm〜約4.17 cm (約1.6〜1.64 in)なる範囲内にある。内側カバー層の外径の例は、約4.11 cm (1.62 in)である。別の態様において、この外径は、約4.22 cm〜約4.24 cm (約1.66〜1.67 in)なる範囲内にある。この内側カバー層は、好ましくは、約0.254 mm〜約2.54 mm (約0.01〜0.1 in)、好ましくは約0.508 mm〜約1.27 mm (約0.02〜0.05 in)なる範囲の厚みを持つ。好ましい一態様において、この内側カバー層の厚みは、約0.762 mm〜約1.02 mm (約0.03〜0.04 in)なる範囲内にある。別の態様において、該内側カバーは、約1.27 mm〜約2.29 mm (約0.05〜0.09 in)なる範囲内にある。好ましい一態様において、この内側カバー層は、該コア上で測定した場合に、約20〜80ショアD、好ましくは約50〜75ショアD、およびより好ましくは約52〜64ショアD硬さを持つ。該材料のスラブは、僅かに低い硬さを持つであろう。該コアおよび内側カバー層の圧縮率は、典型的に約20〜100、好ましくは約30〜75なる範囲にある。好ましい一態様において、該コアおよび内側カバー層の圧縮率は、約40〜70なる範囲にある。一態様において、該内側カバー層は、比重約0.8〜1.3、好ましくは約0.9〜1.2を有する。一態様において、内側カバー層を含む、部分的に成型したゴルフボールの質量は、約40 g 〜46 g、好ましくは約40 g 〜42 g である。該内側カバー層の損失正接は、一態様においては、約-30〜20℃なる温度にて、約0.03〜0.08であり得る。該内側カバー層の弾性および複素弾性率は、約-30〜20℃なる温度に渡り、約5,000〜12,000 Kgf/cm2であり得る。以下の表に、好ましい内側カバー材料およびその特性を掲載する。 【0080】 【表2】
1: 該ブレンド比は、バラタ/プライオライトによって行った。 2: SG変化を伴うブレンドは、90バラタ/10プライオライトブレンドを用いて作成。 3: この50/50柔軟性は全て、テスト中に破損した。 【0081】本発明の該ゴルフボール用のポリイソプレン材料は、好ましくは約3.45 MPa〜2067 MPa (約500〜300,000 psi)、好ましくは約345 MPa〜1034 MPa (約50,000〜150,000 psi)および最も好ましくは約413 MPa〜965 MPa (約60,000〜140,000 psi)なる範囲の曲げ弾性率を持つ。該カバー層または外側カバー層は、熱可塑性および熱硬化性材料を含む、当業者には公知の任意の材料を含むことができるが、好ましくは、このカバー層は、以下に例示する任意の適当な材料を含むことができる。 【0082】(1) ポリウレタン、例えばポリオールとジイソシアネートとから調製されるポリウレタン、またはポリイソシアネートおよび米国特許第5,334,673号に記載されているもの;および(2) ポリウレア、例えば米国特許第5,484,870号に記載されているポリウレア。該カバーは、好ましくはポリウレタン組成物を含み、該組成物は、少なくとも1種のポリイソシアネートおよび少なくとも1種の硬化剤を含む。この硬化剤は、例えば1種以上のジアミン、1種以上のポリオール、またはこれらの組み合わせを含むことができる。該少なくとも1種のポリイソシアネートを、1種以上のポリオールと結合させて、プレポリマーを製造でき、該プレポリマーは、次いで少なくとも1種の硬化剤と併合される。従って、ここにポリオールを記載する場合、これらは、該ポリウレタン材料の1または両成分、即ちプレポリマーの一部としておよび該硬化剤において使用するのに適したものであり得る。このポリウレタン組成物は、該内側カバー、外側カバーまたはこれら両者の製造において使用できる。好ましい一態様において、該外側カバーは、該ポリウレタン組成物を含む。 【0083】別の好ましい態様において、該硬化剤は、ポリオール硬化剤を含む。より好ましい態様において、該ポリオール硬化剤は、エチレングリコール;ジエチレングリコール;ポリエチレングリコール;プロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン;1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン;1,3-ビス{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン;1,4-ブタンジオール;1,5-ペンタンジオール;1,6-ヘキサンジオール;レゾルシノール-ジ-($-ヒドロキシエチル)エーテル;ヒドロキノン-ジ-($-ヒドロキシエチル)エーテル;トリメチロールプロパン;またはこれらの混合物を含む。 【0084】一態様において、該ポリウレタン組成物は、少なくとも1種のイソシアネートおよび少なくとも1種の硬化剤を含む。更に別の態様において、該ポリウレタン組成物は、少なくとも1種のイソシアネート、少なくとも1種のポリオールおよび少なくとも1種の硬化剤を含む。好ましい一態様において、該イソシアネートは、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマー状の4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド-変性液状4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p-メチルキシレンジイソシアネート、m-メチルキシレンジイソシアネート、o-メチルキシレンジイソシアネート、またはこれらの混合物を含む。好ましいもう一つの態様では、該少なくとも1種のポリオールは、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端を持つポリブタジエン、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、あるいはこれらの混合物を含む。 【0085】更に別の好ましい態様では、該硬化剤は、ポリアミン硬化剤、ポリオール硬化剤、またはこれらの混合物を含む。より好ましい態様では、該硬化剤は、ポリアミン硬化剤を含む。最も好ましい態様において、該ポリアミン硬化剤は、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミンまたはその異性体;3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミンまたはその異性体;4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン;1,4-ビス-(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン);4,4'-メチレン-ビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン);トリメチレングリコール-ジ-p-アミノベンゾエート;ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート;N,N'-ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p'-メチレンジアニリン;フェニレンジアミン;4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン);4,4'-メチレン-ビス(2,6-ジエチルアニリン);4,4'-ジアミノ-3,3'-ジエチル-5,5'-ジメチルジフェニルメタン;2,2',3,3'-テトラクロロジアミノジフェニルメタン;4,4'-メチレン-ビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン);またはこれらの混合物を含む。 【0086】当業者が入手できるあらゆるポリイソシアネートが、本発明で使用するのに適している。ポリイソシアネートの例は、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリマー状のMDI、カルボジイミド-変性液状MDI、4、4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、p-フェニレンジイソシアネート(PPDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、3,3'-ジメチル-4,4'-ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、p-テトラメチルキシレンジイソシアネート(p-TMXDI)、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI)、エチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、テトラメチレン-1,4-ジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカン-1,12-ジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン、メチルシクロへキシレンジイソシアネート、HDIのトリイソシアネート、【0087】2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジイソシアネート(TMDI)、テトラセンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、アンスラセンジイソシアネート、およびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。ポリイソシアネートは、2以上のイソシアネート基を持つもの、即ちジ-、トリ-およびテトラ-イソシアネートとして、当業者には公知である。好ましくは、このポリイソシアネートは、MDI、PPDI、TDIまたはこれらの混合物を含み、より好ましくは、該ポリイソシアネートはMDIを含む。本明細書で使用する用語「MDI」は、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリマー状のMDI、カルボジイミド-変性液状MDI、およびこれらの混合物を含み、更に使用する該ポリイソシアネートは、「低遊離モノマー含有率」のものであると理解すべきであり、従来のジイソシアネートよりも、低レベルの「遊離」モノマー状イソシアネート基を持つものと、当業者は理解すべきであり、即ち本発明の組成物は、典型的に約0.1%未満の遊離モノマー基を含む。「低遊離モノマー含有率」ジイソシアネートの例は、ローフリーモノマー(Low Free Monomer) MDI、ローフリーモノマーTDIおよびローフリーモノマーPPDIを含むが、これらに制限されない。 【0088】該少なくとも1種のポリイソシアネートは、約14%未満の未反応のNCO基を含むべきである。好ましくは、該少なくとも1種のポリイソシアネートは、約7.5%を越えないNCO基、より好ましくは約2.5%〜約7.5%なる範囲のNCO基および最も好ましくは約4%〜約6.5%なる範囲のNCO基を含む。当業者の入手できるあらゆるポリオールが、本発明において使用するのに適している。一態様において、該ポリオールの分子量は、約200〜約6000なる範囲内にある。ポリオールの例は、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ末端を持つポリブタジエン(部分的に/完全に水添された誘導体を含む)、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオールおよびポリカーボネートポリオールを含むが、これらに制限されない。例は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、ポリエチレンプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールおよびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。該炭化水素鎖は、飽和または不飽和結合および置換または無置換の芳香族および環式基を含むことができる。好ましくは、本発明の該ポリオールは、PTMEGを含む。 【0089】他の態様において、ポリエステルポリオールは、本発明の該ポリウレタン材料中に含まれる。適当なポリエステルポリオールは、ポリエチレンアジペートグリコール、ポリブチレンアジペートグリコール、ポリエチレンプロピレンアジペートグリコール、o-フタレート-1,6-ヘキサンジオールおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。該炭化水素鎖は、飽和または不飽和結合、または置換または無置換の芳香族および環式基を含むことができる。もう一つの態様において、ポリカプロラクトンポリオールは、本発明の材料に含まれる。適当なポリカプロラクトンポリオールは、1,6-ヘキサンジオール-開始ポリカプロラクトン、ジエチレングリコール開始ポリカプロラクトン、トリメチロールプロパン開始ポリカプロラクトン、ネオペンチルグリコール開始ポリカプロラクトン、1,4-ブタンジオール-開始ポリカプロラクトンおよびこれらの混合物を含むが、これらに制限されない。該炭化水素鎖は、飽和または不飽和結合、または置換または無置換の芳香族および環式基を含むことができる。 【0090】更に別の態様において、ポリカーボネートポリオールは、本発明のポリウレタン材料に含まれる。適当なポリカーボネートは、ポリフタレートカーボネートを含むが、これに限定されない。該炭化水素鎖は、飽和または不飽和結合、または置換または無置換の芳香族および環式基を含むことができる。ポリアミン硬化剤も、本発明のポリウレタン組成物における該硬化剤で使用するのに適している。また、これは、得られるボールの切断抵抗、剪断抵抗および耐衝撃性を改善することが分かっている。好ましいポリアミン硬化剤は、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミンおよびその異性体;3,5-ジエチルトルエン-2,4-ジアミンおよびその異性体、例えば3,5-ジエチルトルエン-2,6-ジアミン;4,4'-ビス(2-クロロアニリン); 4,4'-ビス(sec-ブチルアミノ)-ジフェニルメタン;1,4-ビス(sec-ブチルアミノ)-ベンゼン、【0091】4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン);4,4'-メチレン-ビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン);ポリテトラメチレンオキシド-ジ-p-アミノベンゾエート;N,N'-ジアルキルジアミノジフェニルメタン;p,p'-メチレンジアニリン(MDA);m-フェニレンジアミン(MPDA);4,4'-メチレン-ビス(2-クロロアニリン) (MOCA);4,4'-メチレン-ビス(2,6-ジエチルアニリン);4,4'-ジアミノ-3,3'-ジエチル-5,5'-ジメチルジフェニルメタン;2,2',3,3'-テトラクロロジアミノジフェニルメタン;4,4'-メチレン-ビス(3-クロロ-2,6-ジエチルアニリン);トリメチレングリコールジ-p-アミノベンゾエート;およびこれらの混合物を含むが,これらに限定されない。好ましくは、本発明の硬化剤は、3,5-ジメチルチオ-2,4-トルエンジアミンおよびその異性体、例えばエタキュア(ETHACURE) 300を含む。第一および第二アミン両者を含む、適当なポリアミン硬化剤は、好ましくは約64〜約2000なる範囲の重量平均分子量を持つ。 【0092】少なくとも1種のジオール、トリオール、テトラオールまたはヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、上記のポリウレタン組成物に添加できる。適当なジオール、トリオールおよびテトラオール基は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、低分子量ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3-ビス[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンゼン、1,3-ビス{2-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}ベンゼン、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、レゾルシノール-ジ-(4-ヒドロキシエチル)エーテル、ヒドロキノン-ジ-(4-ヒドロキシエチル)エーテルおよびこれらの混合物を含む。好ましいヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールプロパンおよびこれらの混合物を含む。 【0093】好ましくは、該ヒドロキシ末端を持つ硬化剤は、約48〜2000なる範囲の分子量を持つ。本明細書で使用する分子量とは、絶対質量平均分子量であるものと理解すべきであり、また当業者にはそのように理解されるであろう。該ヒドロキシ末端を持つおよびアミン型の硬化剤両者は、1種以上の飽和、不飽和、芳香族および環式基を含むことができる。また、該ヒドロキシ末端を持つおよびアミン型の硬化剤は、1以上のハロゲン原子を含むことができる。該ポリウレタン組成物は、硬化剤のブレンドまたは混合物から製造できる。しかし、所望により、該ポリウレタン組成物は、単一の硬化剤を使用して製造することができる。 【0094】当業者にとって公知の任意の方法を利用して、ポリイソシアネート、ポリオールおよび本発明の硬化剤を併合することができる。当分野においてワンショット法として知られる、一般的に利用されている方法の一つは、該ポリイソシアネート、ポリオールおよび硬化剤の併流式混合を含む。この方法は、不均質(よりランダムな)混合物を与え、製造業者に対して、得られる組成物の分子構造に対する低い制御性をもたらす。好ましい混合方法は、プレポリマー法として知られている。この方法において、該ポリイソシアネートおよび該ポリオールは、該硬化剤の添加前に、別途混合される。この方法は、より均質な混合物をもたらし、より一貫性のあるポリマー組成物を与える。 【0095】随意のフィラー成分は、前に説明した成分のブレンドに、付加的な密度を付与するように、選択することができる。該フィラー成分の選択は、意図するゴルフボールの特性に依存する。該ポリウレタンの該フィラー成分において使用する、フィラーの例は、該ポリブタジエン反応成分に関連して本明細書に記載したものを含む。類似のまたは同一の添加剤、例えばナノ粒子、繊維、ガラス球および/または種々の金属、例えばチタンおよびタングステンを、1以上のゴルフボール特性を改善するのに必要とされる量で、本発明の該ポリウレタン組成物にも添加することができる。該ポリウレタン組成物に添加することのできる追加の成分は、UV安定剤および他の染料、並びに蛍光増白剤および蛍光性顔料および染料を含む。このような付随的な成分は、その所定の目的を達成するであろう、任意の量で添加することができる。 【0096】極めて薄い性質のために、本発明により、流体形状で適用される、注型性反応性材料の使用が、ゴルフボール上に、極めて薄い外側カバー層の形成を可能とすることが分かった。具体的には、反応して、ウレタンエラストマー材料を形成する、注型性反応性液体が、所定の極めて薄い外側カバー層を与えることが分かった。該ウレタンエラストマー材料を形成するのに使用される、該注型性反応性液体は、様々な塗布技術、例えば当分野において周知の噴霧、浸漬、スピン塗布または流し塗り法を利用して、該内側コア上に適用できる。適当な塗布技術の一例は、1995年5月2日に出願された、「ゴルフボール上にポリウレタンカバーを形成するための、方法並びに装置(Method And Apparatus For Forming Polyurethane Cover On A Golf Ball)」と題する、米国特許第5,733,428号に記載されているものである。この特許の開示事項全体を、本発明の参考とする。 【0097】該カバーまたは該外側カバーは、内側並びに外側カバー層両者が存在する場合には、好ましくは混合し、かつ該金型部分内部に該材料を導入することにより、該コアの回りに形成される。その粘度を経時で測定し、後の各金型部分を満たす工程、一方の金型部分に該コアを導入する工程、該金型を閉じる工程の適当な時期を、半溶融状態のカバー材料内で該コアの芯出しを行い、かつ全体としての均一性を達成するように、決定することが重要である。該金型部分にコアを導入するための、該硬化中のウレタンミックスの適当な粘度範囲は、凡そ約2,000 cP〜約30,000 cPなる範囲にあるものと決定され、その好ましい範囲は、約8,000 cP〜約15,000 cPである。 【0098】該カバーの製造を開始するために、該プレポリマーと硬化剤との混合は、混合ヘッドを含む自動化されたミキサー内に、ラインを介して、秤量した硬化剤およびプレポリマーを供給することによって、達成できる。上部を予備加熱した金型部分を満たし、各金型部分内の孔に移動するピンを使用して、固定装置に配置する。この反応中の材料を、上部の金型部分で約10〜約80秒間滞留させた後、コアを、制御された速度で、該ゲル化し、かつ反応している混合物中に沈める。後の時点において、底部の金型部分または一連の底部金型部分は、該キャビティーに導入された、同様な混合物の量を含む。ボールカップは、ホース内の減圧(または部分的な真空)により、該ボールコアを維持することができる。ゲル化後に、約10〜約80秒間、該被覆コアを該金型部分に位置させ、該真空を解除して、該コアの取り出しを可能とする。上部にコアおよび固化されたカバー部分を有する該金型部分を、該芯出し固定装置から取り出し、反転させ、適当な時間早めに、選択された量の、該部分に導入された反応中のポリウレタンプレポリマーおよび硬化剤を含む、他の金型部分と噛み合わせて、ゲル化を開始させる。 【0099】同様に、ブラウン(Brown)等の米国特許第5,006,297号およびウー(Wu)の米国特許第5,334,673号両者も、適当な成型技術を開示しており、該技術は、本発明で使用する該注型性の反応性液体を適用するために利用できる。これら各特許の開示事項を、本発明の参考とする。しかし、本発明の方法は、これら技術の利用に限定されるものではない。一態様において、該カバーは、典型的に-30〜20℃なる範囲の温度において、0.16〜0.075なる範囲の損失正接を持つ。一態様において、該ボール上の該カバー層の複素弾性率は、-30〜20℃なる範囲の温度において、約1000〜2800 Kgf/cm2なる範囲にある。一態様において、該カバー材料の比重は、約1〜2、好ましくは約1.1〜1.4なる範囲内にある。好ましい一態様において、該カバー材料は、約1.15〜1.25なる範囲内の比重を持つ。 【0100】本発明に従ってゴルフボールを製造する場合、該ボールは、典型的に約60%を越える、好ましくは約65%を越える、およびより好ましくは約75%を越えるディンプル被覆率を持つであろう。このゴルフボール上の該カバーの曲げ弾性率は、典型的に約3.45 MPa (約500 psi)を越え、および好ましくは約3.45〜551 MPa (約500〜80,000 psi)なる範囲にある。本明細書で論じたように、該外側カバー層は、好ましくは比較的軟質のポリウレタン材料で作られる。特に、該外側カバー層の材料は、ASTM D2240-00により測定された材料硬さ、約20〜約60ショアD、好ましくは約30〜約50ショアDを持つべきである。一態様において、該外側カバー材料の材料硬さは、約45ショアDである。該外側カバー材料の硬さを、該ゴルフボール上で直接測定する場合、その値は、該材料の硬さよりも高くなる傾向がある。一態様において、該ゴルフボール上で測定した、該外側カバーの硬さは、約45〜約60ショアDなる範囲内にある。該内側カバー層は、好ましくは約50〜約70ショアD、より好ましくは約60〜約65ショアDなる範囲内の材料硬さを持つ。別の態様において、該内側カバー層は、該ゴルフボール上で測定した場合、約45〜約64ショアDなる範囲の硬さを持つ。 【0101】得られるゴルフボールは、典型的に約0.7を越える、好ましくは約0.75を越える、およびより好ましくは約0.78を越える復元係数を持つ。このゴルフボールは、また典型的に、少なくとも約40、好ましくは約50〜120、およびより好ましくは約60〜100なる範囲の、アッチ圧縮率(これは過去において、PGA圧縮率と呼ばれていた)をも有する。 【0102】 【実施例】本発明の上記および他の局面は、以下の実施例を参照することによって、更に十分に理解できる。以下の実施例は、ゴルフボールの構成に関わる、本発明の好ましい態様を単に例示するものである。これら実施例は、何等本発明を限定するものではない。 実施例1:スリーピース中実ボール用のコア様々な単一ピースコアを、本発明に従って調製し、また幾つかのコアを、従来の材料を用いて調製した。以下の表2に示す全てのコアは、径約4.01 cm (1.58in)となるように製造した。各コアに関する処方は、以下の表2に示した通りである。 【0103】 【表3】表2:様々なゴム処方物由来のゴルフボールコアの特性 【0104】首尾よくシス-ポリブタジエン異性体の一部を、そのトランス-異性体に添加する、様々な金属硫化物シス-トランス転化触媒を、表3に示す。カリフレックス(CARIFLEX) BR1220ポリブタジエン(100 phr)を、酸化亜鉛(5 phr)、軸ミルパーオキシド(3 phr、フリーラジカル開始剤)および亜鉛ジアクリレート(25 phr)と反応させ、本発明による反応生成物を製造した。 【0105】 【表4】
【0106】
【0107】トランス-異性体転化率は、1.7 phr以下から3.7 phr以上までの量で存在する、種々の触媒に対して、8%以下から、17%以上までの範囲内にある。この表の結果は、明らかに種々の濃度における、多数の異なるシス-トランス転化触媒が、該トランス-ポリブタジエン含有率を高める上で、有効であることを立証している。 実施例2:有機硫黄シス-トランス転化触媒を用いた、コア有機硫黄化合物を該シス-トランス転化触媒として用いて、本発明に従って、コアを製造した。得られたコアの特性は、明らかに、従来の技術によって構築したコアの例と比較して、本発明により製造したゴルフボールコアが有利であることを示している。その組成および物性を以下の表4に示した。 【0108】本発明により製造したコアの圧縮荷重は、米国特許第5,697,856号(A)、同第5,252,652号(B)および同第4,692,497号(C)に従って製造したコアの圧縮荷重の約半分であり、一方同時にほぼ同一のまたは幾つかの場合には、高いCOR(レジリエンス)を示した。本発明に従って製造したコアは、低い圧縮荷重(ソフト)を有し、かつ弾性(堅牢)である。その圧縮荷重は、米国特許第3,239,228号に従って構築したコアの値よりも大きく、かつ大幅に高いCORを持つ。米国特許第3,239,228号のコアは、極めてソフトで、極めて遅い(極めて低いCOR)。0〜-50℃における動的剛性の変動(%)を、該コアのエッジおよび中心部両者において測定した。本発明のコアの、エッジおよび中心部両者におけるこの動的剛性は、検討した温度範囲において、20%未満のほんの僅かな変動を示した。米国特許第3,239,228号に従って製造したコアは、230%もの変動を示し、一方他の公知技術に従って製造したコアは、同一の温度範囲に渡り、130%を越える、および典型的には150%程度に変動する動的剛性を示した。 【0109】本発明に従って製造したコアおよび上記と同一の4つの特許に記載のように製造したコアの、中心およびエッジ両者におけるトランス-異性体転化割合(%)を測定し、トランス-勾配を算出した。本発明によるコアは、エッジから中心にかけて、約32%のトランス-勾配を有していた。本発明に従って製造したコアに関連して、硬化前後のトランス-%をも測定して、本発明の方法の有効性を検討した。該トランス-異性体に転化されたポリブタジエンの割合は、該中心における殆ど40%から、そのエッジにおける55%を越える割合に及んでいた。従来の技術、米国特許第3,239,228号および同第4,692,497号に従って調製した2種のコアは、トランス-勾配ゼロを示した。米国特許第5,697,856号に従って調製した第三のコアは、エッジから中心にかけて、18%未満の僅かなトランス-勾配を示したに過ぎなかった。米国特許第5,252,652号に従って調製した第四のコアは、エッジから中心にかけて、殆ど65%もの極めて大きな勾配を示した。 【0110】 【表5】
【0111】
*:エッジは測定物品の外表面から約5mmの位置で測定。 (A): US No. 5,697,856; (B): US No. 5,252,652; (C): US No. 4,692,497; (D): US No. 3,239,228; (E): US No. 5,816,944; (F): US No. 4,971,3291): シェル(Shell)製のカリフレックス(CARIFLEX) BR1220; 2): ファイアーストーン製(Firestone) 35NF; 3): 約38.1 m/s (125 ft/s)における復元係数;4): (表面 - 中心)/表面【0112】実施例3:コア、無機硫化物シスートランス転化触媒を使用本発明によるコアを、該シスートランス転化触媒として、無機硫化物を使用して製造した。得られたコアの特性は、従来の技術により構築したコアの例と比較して、本発明に従って製造したゴルフボールコアの優位性を、明らかに立証している。該コアの成分および物性を、表4に示した。該圧縮荷重は、米国特許第5,697,856号、同第5,252,652号および同第4,692,497号に従って構築した3種のコアに関する圧縮荷重の約半分である。一方、同時にほぼ同一の、および幾つかの場合においては、より高いCOR(レジリエンス)を維持する。本発明により製造したコアは、柔軟であり、しかも弾性(堅牢)である。その圧縮荷重は、米国特許第3,239,228号に従って構築したコアの値よりも大きく、かつ大幅に高いCORを持つ。米国特許第3,239,228号のコアは、極めてソフトで、極めて遅い(低いCOR)。 【0113】0〜-50℃における動的剛性の変動(%)を、該コアのエッジおよび中心部両者において測定した。本発明のコアの、エッジおよび中心部両者におけるこの動的剛性は、検討した温度範囲において、125%未満で、ほんの僅かな変動を示した。米国特許第3,239,228号に従って製造したコアは、230%もの変動を示し、一方他の公知技術に従って製造したコアは、同一の温度範囲に渡り、130%を越える、および典型的には150%程度に変動する動的剛性を示した。本発明に従って製造したコアおよび上記と同一の4つの特許に記載のように製造したコアの、中心およびエッジ両者におけるトランス-異性体転化割合(%)を測定し、トランス-勾配を算出した。本発明によるコアは、エッジから中心にかけて、約45%のトランス-勾配を有していた。従来の技術、米国特許第3,239,228号および同第4,692,497号に従って調製した2種のコアは、トランス-勾配ゼロを示した。米国特許第5,697,856号に従って調製した第三のコアは、エッジから中心にかけて、18%未満の僅かなトランス-勾配を示したに過ぎなかった。米国特許第5,252,652号に従って調製した第四のコアは、エッジから中心にかけて、殆ど65%もの極めて大きな勾配を示した。 【0114】実施例4:有機硫黄および無機硫化物シスートランス転化触媒のブレンド用いたコア本発明によるコアを、該シスートランス転化触媒として、有機硫黄と無機硫化物とのブレンドを使用して製造した。得られたコアの特性は、従来の技術により構築したコアの例と比較して、本発明に従って製造したゴルフボールコアの優位性を、明らかに立証している。該コアの成分および物性を、表4に示した。該圧縮荷重は、米国特許第5,697,856号、同第5,252,652号および同第4,692,497号に従って構築した3種のコアに関する圧縮荷重の約半分である。一方、同時にほぼ同一の、および幾つかの場合においては、より高いCOR(レジリエンス)を維持する。本発明により製造したコアは、柔軟であり、しかも弾性(堅牢)である。本発明の圧縮荷重は、米国特許第3,239,228号に従って構築した第四のコアの値よりも大きく、かつ大幅に高いCORを持つ。米国特許第3,239,228号のコアは、極めてソフトで、極めて遅い(低いCOR)。 【0115】0〜-50℃における動的剛性の変動(%)を、該コアのエッジおよび中心部両者において測定した。本発明のコアの、エッジおよび中心部両者におけるこの動的剛性は、検討した温度範囲において、121%未満で、ほんの僅かな変動を示した。米国特許第3,239,228号に従って製造したコアは、230%もの変動を示し、一方他の公知技術に従って製造したコアは、同一の温度範囲に渡り、130%を越える、および典型的には150%程度に変動する動的剛性を示した。 【0116】本発明に従って製造したコアおよび上記と同一の4つの特許に記載のように製造したコアの、中心およびエッジ両者におけるトランス-異性体転化割合(%)を測定し、トランス-勾配を算出した。本発明によるコアは、エッジから中心にかけて、約44%のトランス-勾配を有していた。本発明に従って製造したコアに関連して、硬化前後のトランス-%をも測定して、本発明の方法の有効性を検討した。該トランス-異性体に転化されたポリブタジエンの割合は、該中心における殆ど26%から、そのエッジにおける45%を越える割合に及んでいた。米国特許第3,239,228号および同第4,692,497号に従って調製した2種のコアは、トランス-勾配ゼロを示した。米国特許第5,697,856号に従って調製した第三のコアは、エッジから中心にかけて、18%未満の僅かなトランス-勾配を示したに過ぎなかった。米国特許第5,252,652号に従って調製した第四のコアは、エッジから中心にかけて、殆ど65%もの極めて大きな勾配を示した。 【0117】実施例5:本発明に従って調製した糸巻きボール本発明による二重コアゴルフボールを調製することができ、これは中実中心、この中実中心を取巻く、張力の掛けられた材料製の中間層および該中間層の周りに同心状に設けられた、多層カバーを含む。その成分および物性を、以下の表5に示す。 【0118】 【表6】表5 【0119】該中心は、出発物質としてのカリフレックス BR-1220から製造でき、唯一の違いは、バロックス(VAROX) 802-40KE-HPパーオキシド(良好なスコーチ抵抗を持つパーオキシド(peroxide with technology))を、本発明のDTDSシスートランス触媒およびジクミルパーオキシドと置き換えたことである。この置換は、該成型工程中に、該ポリブタジエン材料の一部を、そのトランス構造のものに転化することを可能とする。得られる中実中心は、外径約2.92 cm (約1.15 in)を持つことができる。これにより調製される該ポリブタジエン反応生成物は、従来のボールの1.5%というトランス-異性体含有率に比して、40%なるトランス-異性体含有率をもつ。外径約3.96 cm (約1.56 in)を持つ中間層は、該中実中心の周りに、張力の作用下にある糸材料を巻回して、糸巻きコアを製造することにより構築できる。該張力が掛けられた材料は、公知のシス-ポリイソプレン糸を包含する。 【0120】実施例6:本発明に従って製造した中実ボールボールの一例を、約40-50なるムーニー粘度を持つポリブタジエンゴム、DTDSシス-トランス転化触媒、20-35 phr の亜鉛ジアクリレートおよび該中心の密度を調節するための、タングステンフィラーを使用して調製することができる。このコアの径は、約3.81-4.06 cm (約1.5-1.5 in)であり得る。このコアの圧縮率は、望ましくは約50-60であり、130 kg-10 kg テストの下で、約3.0 mmを越える反りを有する。トランス-ポリイソプレンで作られた内側カバーは、該コア上に圧縮成型することができる。該内側カバーは、約45-64ショアD硬さを持つことができ、また該内側カバーは、望ましくは約0.508-1.27 mm (約0.02-0.05 in)なる厚みで形成される。 【0121】好ましくは、クラレ(Kuraray)から入手できる剛性のトランス-ポリイソプレンを使用する。このトランス-ポリイソプレンは、スチレン-ブタジエンゴムおよび/またはスチレン-強化樹脂、例えばより剛性の高い化合物としての、プライオライトと混合することができる。好ましくは、該SBR等は、該内側カバー材料化合物の、0〜50%なる範囲の量で存在する。該外側カバーは、該ボール上で測定した際に、硬化された際の硬さ約45-60ショアDをもつ、MDIを主成分とする注型ウレタン材料から製造できる。このカバーは、好ましくは、約0.254-0.762 mm (約0.01-0.03 in)の厚みを持つ。このウレタンは、1当量の、6.0% NCOを含むMDI/PTMEGポリオール2000プレポリマー、0.95当量のエタキュア(Ethacure) 300および3.5% HCC-19584 (白色分散物)から製造できる。エタキュア300は、アルバーマール社(Albermarle Corporation)から市販品として入手できる。公知の塗料または他のカラー安定化パッケージを、該ゴルフボールのカバー上に適用することができる。適当なディンプルパターンは、約590 mm3なるディンプル体積を持つ、392二重ディンプル正二十面体パターンである。 【0122】実施例7:ポリエーテルウレア糸巻きゴルフボール本発明によれば、ボールは、該巻き糸を適用する前に、約40-80なる圧縮率を持つ、約3.56-3.94 cm (約1.40-1.55 in)のコアを含むことができる。ポリエーテルウレア糸材料製の糸巻き層(該糸巻き層の外径は約3.94-4.06 cm (1.55-1.60in))を適用し、次に、上に示したものと同一のカバー材料を用いて、2層のカバー材料層で覆うことができる。本明細書に記載した、本発明の例示的な態様は、上記目的を満たすことは明らかであるが、当業者が、多くの改良並びに他の態様を工夫できることは明らかであろう。例えば、本発明は、1本以上の糸を使用でき、ここで該糸は、相互に化学的、物理的または機械的に異なったものである。従って、上記の特許請求の範囲は、本発明の精神並びに範囲に入るこのような全ての改良並びに態様を、カバーするものであると理解すべきである。 |
| 【出願人】 |
【識別番号】390023593 【氏名又は名称】アクシュネット カンパニー 【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY
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| 【出願日】 |
平成14年6月18日(2002.6.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100059959 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 稔 (外10名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−79766(P2003−79766A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2002−177151(P2002−177151) |
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