| 【発明の名称】 |
ゴルフボール |
| 【発明者】 |
【氏名】川畑 浩 【住所又は居所】香川県大川郡志度町大字志度5412番地 キャスコ株式会社内
【氏名】遠藤 雅文 【住所又は居所】香川県大川郡志度町大字志度5412番地 キャスコ株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】飛行中の軌道がさらに安定化することで所望の打球方向を得ることができるとともに、十分な飛距離を得ることのできるゴルフボールを提供する。
【解決手段】断面形状が、周縁部側に形成される傾斜した第1直線部分と、第1直線部分に接続し、第1直線部分よりも傾斜の小さい第2直線部分と、中央部側に形成され、第2直線部分に接続する曲線部分とからなる複数のディンプル22がゴルフボール20の表面に形成される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ボール表面に複数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、前記ディンプルの断面形状が、前記ディンプルの周縁部側に形成される傾斜した直線部分と、前記直線部分に接続し、前記ディンプルの中央部側に形成される曲線部分とからなることを特徴とするゴルフボール。 【請求項2】請求項1記載のゴルフボールにおいて、前記直線部分は、前記周縁部側の第1直線部分と、前記第1直線部分と前記曲線部分との間に形成され、前記ボール表面に対する傾斜が前記第1直線部分よりも小さく設定される第2直線部分とからなることを特徴とするゴルフボール。 【請求項3】ボール表面に複数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、開口部が略円形に形成される前記ディンプルの断面形状が、前記ディンプルの周縁部側に形成される傾斜した第1直線部分と、前記第1直線部分に接続し、前記ディンプルの中央部側に形成され、前記ボール表面に対する傾斜が前記第1直線部分よりも小さく設定される第2直線部分とからなることを特徴とするゴルフボール。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ボール表面に特有の断面形状からなる複数のディンプルを有するゴルフボールに関する。 【0002】 【従来の技術】通常、ゴルフボールの表面には、複数のディンプルが形成されている。このディンプルは、ゴルフボールの飛行中の軌道を安定させ、且つ、十分な飛距離を得ることを目的として形成されている。 【0003】すなわち、ディンプルが形成されていない表面が滑らかなゴルフボールでは、乱流による空気層のボール表面からの剥離が偶発的な要因で発生し、その反作用で軌道が不安定となる。この結果、エネルギ損失が生じ、その分、飛距離も短くなってしまう。これに対して、ディンプルが形成されたゴルフボールでは、ボール表面からの空気層の剥離の偶発性が低下するため、軌道が安定化し、飛距離の増大することが確認されている。 【0004】そこで、軌道のさらなる安定化および飛距離の増大を目的として、ディンプルの形状や配列、個数等についての種々の技術が提案されている。例えば、特開平9−70449号公報に開示された従来技術では、図5に示すように、ゴルフボール2の表面に形成されたディンプル4の断面形状を、点A2、A3間のディンプル4の中央部の曲率半径がr1、点A1、A2間および点A3、A4間の周縁部側の曲率半径がr1よりも小さいr2となるように形成したものが提案されている。この従来技術においては、ゴルフボール2の表面での空気の乱流を増大させることで、飛距離の増大および軌道の安定化を図ることができるとしている。 【0005】また、特開平3−198875号公報に開示された他の従来技術では、図6に示すように、ゴルフボール6の表面に形成されたディンプル8の断面形状を、点B2、B3間のディンプル8の中央部で直線とするとともに、点B1、B2間および点B3、B4間のディンプル8の周縁部でも直線としたものが提案されている。 【0006】さらに、特開平6−190082号公報に開示された他の従来技術では、図7に示すように、ゴルフボール10の表面に形成されたディンプル12の断面形状を、点C1、C2間およびC2、C3間で直線とした逆三角錐状のものが提案されている。 【0007】さらにまた、特開平5−96026号公報に開示された従来技術では、ディンプルの開口部形状を五角形、六角形等の多角形形状とし、且つ、その断面形状を、開口部周縁部からディンプル中心に向かって傾斜する第1直線部分と、第1直線部分からディンプル中心に向かって傾斜する第1直線部分よりも傾斜の小さい第2直線部分とで構成したものが提案されている。 【0008】しかしながら、ディンプル形状をこのように構成した場合、開口部形状が多角形であるため、ゴルフボールの回転方向とディンプルの開口部の方向との関係が一定とならず、従って、安定した飛行特性が得られなくなるといった不具合が生じる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、飛行中の軌道がさらに安定化することで所望の打球方向を得ることができるとともに、十分な飛距離を得ることのできるゴルフボールを提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するために、本発明は、ボール表面に複数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、前記ディンプルの断面形状が、前記ディンプルの周縁部側に形成される傾斜した直線部分と、前記直線部分に接続し、前記ディンプルの中央部側に形成される曲線部分とからなることを特徴とする。 【0011】この場合、前記直線部分を第1直線部分と第2直線部分とから構成し、前記第1直線部分から傾斜の小さい前記第2直線部分を介して前記曲線部分に接続するように構成することもできる。また、前記曲線部分を形成せず、開口部が略円形に形成されるディンプルにおいて、前記第1直線部分および前記第2直線部分でディンプルを構成するようにしてもよい。 【0012】 【発明の実施の形態】図1は、本実施形態のゴルフボール20の表面に形成されるディンプル22の拡大断面形状を示す。このディンプル22は、開口部が円形に形成され、ゴルフボール20の中心を通る軸線に対して対称であり、ディンプル22の周縁部側から中央部側にかけて、ゴルフボール20の表面に対して傾斜する第1直線部分(点D1、D2間および点D5、D6間)と、ゴルフボール20の表面に対する傾斜が第1直線部分よりも小さい第2直線部分(点D2、D3間および点D4、D5間)と、曲線部分(点D3、D4間)とが順に形成されている。 【0013】ゴルフボール20の表面は、図2に示すように、6本の仮想分割ライン24a〜24fによって分割され、20個の球面正三角形と12個の球面正五角形とからなる20−12面体として構成される。なお、仮想分割ライン24a〜24fは、ゴルフボール20の表面に実際に形成されるものではない。 【0014】ディンプル22は、図1に示す形状パラメータd、h、r、s1、s2によって規定されるA〜Dの4種類の形状からなり、これらが図2に示すように配置される。なお、図2では、ディンプル22の配置を1つの球面正三角形および1つの球面正五角形についてのみ開示しているが、残りの球面正三角形および球面正五角形においても同様にして配置される。 【0015】ここで、形状パラメータdはディンプル22の直径、形状パラメータhはゴルフボール20の表面からのディンプル22の最大深さ、形状パラメータrは点D3、D4間の曲線部分の曲率半径、形状パラメータs1は点D3、D4間の距離、形状パラメータs2は点D2、D5間の距離を表し、表1に示すように設定される。 【0016】一方、表2は、図5に示す従来技術のディンプル4の形状パラメータd、h、r1、r2を比較例として示したものである。この場合、形状パラメータdはディンプル4の直径、形状パラメータhはゴルフボール2の表面からのディンプル4の最大深さ、形状パラメータr1は点A2、A3間の曲線部分の曲率半径、形状パラメータr2は点A1、A2間および点A3、A4間の曲線部分の曲率半径を表す。 【0017】これらのゴルフボール2およびゴルフボール20を試打したところ、表3に示す結果が得られた。すなわち、本実施形態のゴルフボール20の場合、比較例のゴルフボール2に比較して、打球の最大高さ(ピーク)が高く、その分、飛距離(キャリー)も長くなるという結果が得られた。これは、本実施形態のディンプル22の形状によって、ゴルフボール20の飛行軌道が安定化していることによるものと推定される。なお、飛行軌道が安定化することにより、打球方向も安定化し、これによってゴルフボール20を所望の方向へ飛ばすことができる。 【0018】 【表1】
【0019】 【表2】
【0020】 【表3】
【0021】なお、上述した実施形態では、ディンプル22に2個所の直線部分と1個所の曲線部分を設けているが、例えば、図3に示すように、周縁部側に形成される点E1、E2間および点E3、E4間の直線部分と、中央部側に形成される点E2、E3間の曲線部分とからなる開口部が円形のディンプル26を有するゴルフボール28としてもよい。 【0022】また、図4に示すように、周縁部側に形成される点F1、F2間および点F4、F5間の第1直線部分と、中央部側に形成される点F2、F3間およびF3、F4間の第2直線部分とからなる開口部が円形のディンプル30を有するゴルフボール32とすることもできる。 【0023】さらに、図1、図3および図4に示す各ディンプル22、26、30の周縁部形状は、必ずしも円形である必要はなく、例えば、楕円形とすることも可能である。 【0024】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、周縁部側に形成される直線部分と中央部側に形成される曲線部分とでディンプルの断面形状を構成することにより、安定した飛行軌道を得ることができ、これによって所望の飛行方向が得られるとともに、十分な飛距離を得ることができる。 【0025】また、ディンプルの開口部を略円形に形成し、断面形状を周縁部側から中心に向かって傾斜の異なる2つの直線部分で構成することにより、安定した飛行軌道および十分な飛距離を得ることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】393000847 【氏名又は名称】キャスコ株式会社 【住所又は居所】香川県さぬき市志度5412番地
|
| 【出願日】 |
平成13年9月17日(2001.9.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077665 【弁理士】 【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−79763(P2003−79763A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月18日(2003.3.18) |
| 【出願番号】 |
特願2001−281164(P2001−281164) |
|