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【発明の名称】 化学的および生物学的汚染除去物質およびシステム
【発明者】 【氏名】ブルース・モーリス・ローゼンバウム

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 哺乳動物対象の生物学的および化学的汚染を防止し、処置するための方法であって、前記対象に銀含浸吸着剤を局所投与することを含む方法。
【請求項2】 ガス流れまたはミストの生物学的および化学的汚染を防止し、処置するための方法であって、前記ガス流れまたはミストを銀含浸吸着剤と接触させることを含む方法。
【請求項3】 哺乳動物対象の生物学的および化学的汚染を防止する方法であって、銀含浸吸着剤を含む防御服を着用することを含む方法。
【請求項4】 表面の生物学的および化学的汚染を防止する方法であって、前記表面に銀含浸吸着剤を局所適用することを含む方法。
【請求項5】 哺乳動物対象の生物学的および化学的汚染を防止し、処置するための方法であって、前記対象に銀含浸炭素質吸着剤を局所投与することを含み、さらに前記銀含浸炭素質吸着剤が、カチオン性イオン交換樹脂、アニオン性イオン交換樹脂または両者の混合物からなる群から選択される物質と同時投与される方法。
【発明の詳細な説明】【0001】1800年代初期に発明され、第一次世界対戦において使用されたマスタードガスおよび神経剤(1930年代中期に発明され、1990年代に、日本においてテロリストにより使用された)などの化学兵器の出現に伴いは、その有効な汚染除去法が求められている。例えば、影響を受けやすい集団に対して病原体を含む物質(例えば、天然痘)を故意に散布することによるなど、生物兵器は化学兵器よりもさらに長く使用され、最近では、2001年後期および2002年においてアメリカ合衆国の郵便により炭疽菌が散布され、生物兵器に対する防御および汚染除去のための有効な方法は入手困難であった。
【0002】化学的薬剤、例えば、VX、GD、およびサリン(GB)(有機リン系神経剤)およびHまたはHD(有機硫黄または窒素マスタードブリスター剤)は、吸着または化学的分解のいずれかにより不活化されることが知られている。
【0003】過去においては化学薬剤を強苛性アルカリ(アルカリ液)と接触させる様々な方法が採用され、用いられてきた。主な欠点は、苛性アルカリはそれ自身が、毒性で、特に皮膚に対して刺激性であることである。他の処方(例えば、米軍により使用されるDS2、NATOにより使用されるC8−エマルジョン)は、苛性アルカリに加えて、DETA、EGME、および/または過酸化水素、あるいは次亜塩素酸カルシウム(塩素漂白剤)、ペルクロロエチレン(または四塩化炭素)を含む。これらの成分はまた潜在的な健康上の危険性を提示する。
【0004】より危険でない混合物を処方する試みがなされた結果、重炭酸ナトリウムまたはカリウム、固体尿素または水性過酸化水素、およびアルコールの組み合わせが得られた。米国特許第6245957号参照。この混合物は化学薬剤で汚染された装置を洗浄するために有効であるが、人員の汚染除去のためには作用が遅すぎ、いずれの場合においても、生物学薬剤の汚染除去においては有効でない。
【0005】米国特許第5859064号に開示されたもう一つの処方は、約20%の第四アンモニウム錯体(ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドおよびベンジルトリエチルアンモニウムクロリドを含む)および約20%の酸化剤(過酸化水素または過ホウ酸塩または過酢酸塩または過オキシフタル酸塩または過オキシ硫酸塩または過炭酸塩)の水またはグリコール中溶液からなる溶液である。GDに対して有効であるが(30秒で99%分解)、VXに対しては作用が遅く(30秒で37%分解、1時間で99%分解)、HDに対しては作用がさらに遅い(30秒で20%分解、1時間で66%分解)。これは生物学的薬剤に対しても有効でない。
【0006】もう一つの処方は、米国特許第5075297号に開示されている、その活性成分としてワックス状/クリーム状固体マクロサイクルベース(これに不活性増粘剤を添加することができる)内に含まれたフェノールまたはオキシム(例えば、アセトフェノンオキシム、アセトンオキシム、2,3−ブタンジオンモノオキシム)のアルカリ金属(例えば、カリウム)塩を活性成分の溶媒と組み合わせて含むバリアクリームである。該特許は、HD、VX、およびGD剤が希釈された活性成分および薬剤(0.2モル活性成分)を含む反応容器中で5分で有効に分解されることを記載している。活性成分:塩基:薬剤の有効な比は8:8:1であり、これは活性成分と薬剤の比が減少するか、または活性成分と塩基の比が減少するにつれて急速に減少した。さらに、このクリームについて抗微生物活性は起こらない。
【0007】もう一つの方法は、アルカン、アニオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、すなわち、石けん)、およびアルコールを含む水性ミクロエマルジョンの使用である。米国特許第5695775号参照。これは、化学薬剤について幾分作用する可能性があるが(石けん状湿潤片も同様に作用するが)、生物学的薬剤の汚染除去においては有効でない。
【0008】他の方法は、皮膚から化学薬剤を除去するための吸収剤の使用である。フラー土およびF−200活性アルミナは二つのかかる例である。この方法についての問題は、その後の脱着および表面上または空気中への再堆積の可能性である。米軍M−291 Personnel Skin Decon Kitにおいて現在使用されているAmbergard XE555は、同様に吸着剤を使用するが、アニオンおよびカチオン樹脂も用い、化学薬剤分解の方法を提供する。この方法についての改良は、米国特許第5336329号に記載され、ここにおいて、強塩基水酸化物官能基が吸収剤に添加される。これらはおそらくは化学薬剤の汚染除去および分解のための最も有効な方法を包含するが、これらは残念なことに生物学的薬剤の汚染除去においては有効でない。
【0009】生物学的薬剤は不活化するのがさらに困難である。胞子形成菌、例えば炭疽菌は高度に耐性であり得る。これらの種を殺すことができる抗菌剤が存在するが、ヒトの皮膚に適合性であるものはほとんどない。例えば、ホルムアルデヒドおよび二酸化塩素は有効であるが、毒性である。イソチアザロンは有効であるが、これらは化学薬剤に対して価値がない。ヨウ素も微生物に対して有効であるが、乾燥すると爆発性化合物を形成し得る。
【0010】装置の汚染除去のために開発された発泡体(WO01/56380、米国特許仮出願番号60/176499)は殺生物剤(好ましくは、トリクロサン、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムスルフェート、およびベンジアルコニウムクロリド)、化学結合剤(好ましくは、ウシ血清)、および酵素(好ましくは、有機亜リン酸アンヒドラーゼ)を使用する。残念なことに、これは作用が遅く(少なくとも1時間)、精巧な貯蔵容器および発泡分配装置を必要とするので、皮膚の汚染除去には現実味のある方法ではない。
【0011】炭素粉末、炭素含浸ゴム発泡体、ならびにビーズ形態の合成炭素質吸着剤を用いたラミネートを含む織物およびフィルターメディアを用いて衣服および空気フィルターが作られてきた。米国特許第5769992号参照。化学薬剤の吸着において有効であるが、抗菌活性がない。
【0012】抗菌織物は米国特許第5662991号に記載され、これはヨウ化ポリプロピレン樹脂を用い、実際ヨウ化合成樹脂は当該分野において公知である。しかしながら、これらの物質は化学薬剤に対して有効でない。
【0013】従って、当該分野において化学および生物兵器の両方による汚染を防止および処置する手段が必要とされている。本発明は前記要求にあうものである。
【0014】本発明は、哺乳動物対象の生物学的および化学的汚染を防止し、処置する方法であって、前記対象に銀含浸吸着剤を局所投与することを含む方法に関する。
【0015】本発明はさらに、ガス流れの生物学的および化学的汚染を防止し、処置する方法であって、前記ガス流れを、銀含浸吸着剤と接触させることを含む方法に関する。
【0016】本発明はさらに、哺乳動物対象の生物学的および化学的汚染を防止する方法であって、銀含浸吸着剤で処理された防御服を着用することを含む方法に関する。
【0017】本発明は、哺乳動物対象の生物学的および化学的汚染を防止し、処置する方法であって、前記対象に銀含浸吸着剤を局所投与することを含む方法に関する。
【0018】本発明はさらに、ガス流れの生物学的および化学的汚染を防止する方法であって、前記ガス流れを銀含浸吸着剤と接触させることを含む方法に関する。
【0019】本発明はまた、哺乳動物対象の生物学的および化学的汚染を防止する方法であって、銀含浸吸着剤で処理された防御服を着用することを含む方法に関する。
【0020】銀元素および銀塩は長年にわたり微生物に対して安全かつ有効に用いられてきた。硝酸銀溶液は新生児における眼の感染症に対する予防手段として一般に使用される。これはまたカテーテルにおいても広範囲に用いられる。ここ数年、さまざまな水差し製品におけるように、飲用水の精製において使用される活性炭上に銀が添加され、銀の目的は、塩素を含まない湿潤炭素基体上の細菌の増殖を防止することである。本発明は、化学および生物学両方の毒性物質に対する防御を提供するために、元素およびイオン性銀の抗菌活性を様々な多孔性基体の吸着特性とともに使用する。本発明の実施において有用な銀は、水溶性銀塩、例えば、硝酸銀である。
【0021】本発明の実施において有用な吸着剤としては、これらに限定されるものではないが、多孔性炭素質吸着剤、例えば、Rohm and HaasのAmbersorb炭素質吸着剤または活性炭;多孔性ポリマー吸着剤、例えばRohmand HaasのAmberchrome CG300ポリマー吸着剤;官能化多孔性イオン交換樹脂、例えば、Rohm and Haas Companyから入手可能なAmberlyst XN1010Dry(スルホン化ポリ−スチレン/DVB)およびAmbersep 900OH(アミン化ポリスチレン/DVB)、または多孔質無機吸着剤、例えば、活性アルミナ、ゼオライト、またはシリカが挙げられる。元素またはイオン性銀を前記吸着剤上に含浸または吸収させる。
【0022】所望により、炭素質吸着剤を、天然に存在する炭素供給源、たとえば瀝青炭またはヤシ殻の熱分解および蒸気活性化により、または炭素固定基、例えば硫酸塩が添加されたスチレン/DVBポリマーなどの合成物質の使用により調製することができる。米国特許第4957897号参照。
【0023】所望により、多孔性ポリマー吸着剤は、水相およびモノマー相中に部分的に可溶性であるが、ポリマー相中に不溶性である溶媒が用いられる1またはそれ以上のモノマーの懸濁重合により調製することができる。
【0024】無機吸着剤は天然に存在するもの、例えば様々なクレイ(フラー土、層状クレイ)であってもよいし、活性アルミナの場合のように蒸気で活性化することにより調製してもよいし、シリカおよびゼオライトの場合のように逆相重合により調製することもできる。
【0025】好ましい吸着剤としては、これらに限定されないが、Ambersorb炭素質吸着剤、活性アルミナ、およびAmberchrome CG300ポリマー吸着剤が挙げられる。より好ましい吸着剤としては、これらに限定されないが、Ambersorb炭素質吸着剤および活性アルミナが挙げられる。最も好ましい吸着剤は、Ambersorb炭素質吸着剤である。
【0026】吸着剤に銀を負荷(load)する方法は、当業者には知られている。一般に、吸着剤を銀で負荷することは、吸着剤を銀塩溶液と接触させ、次に加熱して水を蒸発させることにより行うことができる。銀元素還元の程度は、吸着剤を硝酸で前処理することにより、または銀塩負荷吸着剤を還元が起こる温度まで加熱することにより、例えば、米国特許第3294572号に記載されているように硝酸銀を負荷した炭素質吸着剤を300℃まで加熱するか、またはその後アンモニア、ホルムアルデヒド、苛性アルカリ、および塩化ナトリウムの水性溶液を添加し、これで洗浄することにより、ある程度まで制御することができる。
【0027】前記のようにして調製される前記銀負荷吸着剤は、当業者に公知の手段により乾燥し、粉砕して所望のサイズの粉末にすることができる。微粉砕された粉末は、ワイピング(wiping)、散布または噴霧により適用しやすいので好ましい。粉末は局所適用のためにブレンドしてスラリーまたはクリームにすることもできる。スラリーおよびクリームの調製法は当業者に公知である。スラリーおよびクリームの調製の典型的な成分は水、鉱油、ワセリン、脂肪酸、シリコン、グリセリン、ビタミンE、キサンタンガムおよび脂肪族アルコールである。
【0028】本発明の一例において、前記のようにして調製される銀含浸吸着剤は、汚染された哺乳動物の皮膚に対して粉末として適用され、化学および生物学的薬剤が吸着され、不活化される。銀含浸吸着剤を、化学薬剤に対する性能を向上させるためにアニオン性およびカチオン性イオン交換樹脂と混合することができる。粉末が織物を通して自由に流通し、汚染された皮膚表面と接触することを許容するような構造である限り、銀含浸吸着剤をアプリケーションパッドとして機能することができる目の粗いパウチ内におくことができる。さらなる送達法としては、これに限定されるものではないが、塗布および噴霧粉末容器が挙げられる。
【0029】本発明のもう一つの例において、前記のようにして調製された銀含浸吸着剤は防御服として使用される織物またはフィルターあるいは空気またはミスト濾過装置、例えば人工呼吸装置またはガスマスクに添加するかまたは含めることができる。
【0030】本発明のさらにもう一つの例は、表面汚染除去のその有用性である。表面としては、これらに限定されるものではないが、乗物、装置、兵器、ガスマスク、衣類、家具、建物および仮設建造物が挙げられる。前記のようにして調製された銀含浸吸着剤は、単純に表面に施用される。施用手段としては、これらに限定されないが、塗布および噴霧が挙げられる。
【0031】本発明は、これらに限定されないが、有機硫黄およびマスタードブリスター剤および有機リン神経毒を含む化学薬剤に対して有用である。
【0032】本発明は、これらに限定されないが、バチルス種(活性体および胞子)、ウイルス(例えば、ベネズエラウマ脳炎および天然痘)、T−2マイコトキシン、および真菌を含む生物学的作用物質に対して有用である。
【0033】以下の非制限的実施例は、本発明の調製および有用性を説明する。
【0034】実施例1可溶性形態の抗菌剤銀を含むAmbersorb CB炭素質吸着樹脂を、一連の実験室試験において枯草菌(B.subtilis)に対する静的および殺菌活性について評価した。この銀含有樹脂は、スラリーおよび固体形態のいずれにおいても枯草菌の菌株に対して優れた活性を示した。Ambersorb CB樹脂は、固体寒天培地上での細菌の成長の抑制ならびに液体および硬質表面有効性試験において迅速かつ広範囲におよぶ殺菌を示した。
【0035】銀吸着樹脂を次のようにして調製した:750m/gの表面積を有する10グラムの炭素質吸着剤をカラム中100mlのDI水で洗浄した。次に50mlの23%HNO、続いて150mlのDI水をカラムに通した。洗浄した樹脂を次にビーカー中に入れ、32.7グラムの1N AgNOとともに撹拌し、ちょっと湿った状態になるまで80℃で加熱した。これを次に110℃のオーブン中に入れ、一夜乾燥した。球状ビーズを次に粉砕して、抗菌試験のために微粉末にした。
【0036】AgNOを添加したSA=750m/gのAmbersorb炭素質吸着剤は、誘導結合プラズマ発光により測定すると19.8%Ag(“Ambersorg CB”)を含む。
【0037】SA=750m/gの銀のロードされていないAmbersorb炭素質吸着剤(“Ambersorb C”)、AgNOを31%で対照として使用した(19%Agを含む)。
【0038】試験はAmbersorb CB(Agを含む)およびAmbersorbC(Agを含まない)をそのまま(固体粉末)およびスラリー形態において使用した。スラリーは、1gの固体を5gの滅菌DI水中に添加することにより調製した。激しく混合して、スラリーを形成した。Ambersorb CBは可溶性でないが、水中に分散性であった。Ambersorb CBの固体形態は19.8%のAgを含み、スラリー形態は3.3%Agを含んでいた。
【0039】AgNOを31%(19.7%Agを含み、Ambersorb CBの固体形態に匹敵する)および5.2%(3.3%Agを含み、AmbersorbCBのスラリー形態に匹敵する)で使用した。
【0040】AgNOおよびAmbersorb Cは、比較のための試験において使用した。
【0041】栄養ブイヨン(30℃のシェーカー水浴中でインキュベート)中のバチスル・サチリス(Bacillus subtilis)(ATCC#6461、天然痘の原因物質の模倣物)の一夜培養物を接種物として使用した。栄養ブイヨン溶液は、1mlあたり4×10コロニー形成単位(CFU)を含んでいた。
【0042】Ambersorb CB抗細菌活性を評価するために、次の3つの試験を行った:阻止帯、硬質表面試験、殺菌速度。
【0043】阻止帯−この試験は、寒天表面上におかれた場合に、殺生剤が24時間の期間にわたって細菌増殖を抑制する能力(静的効果)を測定する。該領域の直径(cm))が大きいほど、抑制効果は大きくなる。
【0044】試験はさらに、Ambersorb CBの寒天中に拡散する能力も測定する。該領域の直径が大きいほど、抑制効果は大きい。
【0045】阻止帯試験この試験において、細菌を溶融寒天に添加し、凝固させる。化学物質を固体寒天の表面に添加し、プレートを一夜インキュベートする。抑制の領域を、寒天の表面上で細菌の増殖が観察されない直径として測定する。該領域が大きいほど、抑制の程度が大きい。
【0046】試験のための固体寒天培地を調製するために、0.23mlのバチルス接種物をペトリ皿中、23mlの溶融栄養寒天に添加して、凝固させた。この方法によると、固体寒天培地は約4×10CFU/mlの細菌を含んでいた。
【0047】0.5mgのAmbersorb CBまたはAmbersorb C固体粉末のサンプルまたは10μlのスラリー形態のサンプルを、接種された寒天プレートの中心においた。陽性の対照として、10μlのAgNOの5.2%溶液を寒天プレートの中心においた。
【0048】処理されたプレートおよび対照プレートを30℃で24時間インキュベートした。インキュべーション期間の最後に、化学的処置のまわりの阻止帯の直径(cm)を測定した。
【0049】結果は、Agを有するAmbersorb CBは、スラリーおよび固体形態において、細菌の増殖を効果的に抑制することを示した。固体樹脂は約99μgのAgを含み、直径7.1cmの領域で細菌の増殖を抑制した。スラリーは約330μgのAgを含み、細菌の成長を直径1.7cmの領域で抑制した。
【0050】AgNO単独は、バチルス菌に対して優れた活性を示した。これは同じAg基準でAmbersorb CBスラリーよりも大きな領域(直径3.7cm)を示した。これはおそらく寒天においてより大きな拡散(大きな領域)を提供するフリーなAgNOの水溶性がより大きいことによる。固体は最低Agで最大の領域を示すが、これは固体粉末が寒天上の配置中に液体よりも大きな領域にわたって拡散する傾向のためである。
【0051】阻止帯の試験の結果を表1に示す:【表1】

【0052】硬質表面試験(2分接触時間)−この試験は、硬質表面上の細菌乾燥フィルムを撲滅する殺生剤の能力を測定する(CFU/ml=1ミリリットルあたりのコロニー形成単位)。
【0053】硬質表面2分接触殺菌試験この試験は、固体表面上で乾燥された細菌に対する樹脂処理の殺菌効果を測定するために設計される。接触時間は2分に限定され、生存細菌を標準成長培地において回収した。
【0054】滅菌スライドガラスに、pH7リン酸塩緩衝液(約5×10cfu/mlの細菌を含有)中、10μlの細菌懸濁液を接種し、30℃で45分間乾燥させた。細菌接種物はスライドガラス表面上で乾燥フィルムを形成した。この方法により、各スライドガラスはガラス表面の1平方インチあたり約5×10cfuの細菌を受容した。
【0055】Ambersorb CBまたはAmbersorb Cに関して、1gの固体粉末または1mlのスラリーをスライドガラスの接種された部分上においた。粉末を表面上に広げ、試験期間中撹拌した(細菌フィルムを破壊しない)。2分の接触時間の後、粉末またはスラリーを振り落とし、スライドを20mlのpH7緩衝溶液中に入れた。この溶液を次に連続希釈し、プレートして、生存細菌数を測定した。
【0056】AgNOに関して、1mlの5.2%溶液を用いて、スライドガラスの接種された領域上に広げた。前記と同じようにして試験を行った。結果から、スラリーおよび固体形態のAmbersorb CB樹脂は、わずか2分の接触時間の後、硬質表面上で優れた殺菌活性を示すことがわかった。スラリー形態に関して生存数は確認されず、固体形態に関して、99.98%より高い殺菌が達成された。AgNO単独でも細菌に対して優れた効果を示し、予想されるように、生存数は回復されなかった。Ambersorb C樹脂は、銀成分を含まず、未処理対照に対して、最低の(1−log)減少を示した。
【0057】硬質表面接触試験の結果を以下の表2に示す:【表2】

【0058】殺菌速度−この試験は、Ambersorb CBの、2分間の接触時間後に水性溶液中で細菌を撲滅する能力(殺菌効果)を測定する。
【0059】この試験は、細菌および処理された樹脂を互いに2分間、完全水性培地中で接触させる液体懸濁試験である。殺菌の程度を標準成長培地中の生存菌を測定することにより決定する。
【0060】この試験のために、1mlのバチスル・サチリスの緩衝懸濁液を、さらに9mlのpH7リン酸塩緩衝液中に希釈して、最終細胞濃度5×10cfu/mlを得た。
【0061】最終細菌試験溶液の調製後、1gのAmbersorb CBまたはAmbersorb Cまたは1mlの31%AgNOを10mlのサンプルに添加した。溶液を激しく振とうして混合した。2分の接触時間の後、溶液を連続希釈し、プレートして、生存細菌数を測定した。
【0062】結果から、Ambersorb CB樹脂は、溶液中2分の接触時間後に優れた抗菌活性を示すことがわかった。処理サンプルから生存バチルス細胞は確認されなかった(>5logの殺菌)。
【0063】AgNOはまた、同じレベルの抗菌活性を示し、2分後に生存菌は回収されなかった。銀を含まないAmbersorb C樹脂は、細菌に対して活性を示さなかった。
【0064】殺菌速度試験の結果を以下の表3に示す:【表3】

【0065】実施例2硝酸処理をしないAmbersorb750m/gの表面積を有する10グラムの炭素質吸着剤を32.7グラムの1N AgNOに添加し、80℃でちょっと湿った状態まで加熱した。これを次に110℃のオーブン中に入れ、一夜乾燥した。球状ビーズを次に抗菌試験のために粉砕して微粉末にした。物質は誘導結合プラズマ発光により5.51%の銀を含むことが判明した。
【0066】試験を実施例1と同様に行い、次の結果を得た:阻止帯:【表4】

硬質表面:【表5】

殺菌速度(2分の接触時間)
【表6】

【0067】実施例3活性アルミナ3グラムの粉末活性アルミナを、1.417gの結晶性AgNOを13.4mlのDI水中に溶解させた溶液に添加した。撹拌し、80℃で加熱して存在する水の量を減少させた後、110℃のオーブン中に入れ、一夜乾燥した。誘導結合プラズマ発光により測定すると、物質は12.51%の銀を含むことが判明した。
【0068】試験を実施例1と同じようにして行い、次の結果を得た:阻止帯:【表7】

硬質表面:【表8】

殺菌速度(接触時間2分):【表9】

【0069】実施例4Amberchrom CG300エタノール/水中Amberchrom CG300Mポリマー吸着剤を、DI水で洗浄し、次にブフナー漏斗中で濾過して、表面水を除去した。5グラムの湿潤樹脂を、1.52gの結晶性AgNOを20mlのDI水中に溶解させておいた溶液に添加した。撹拌し、80℃で加熱して、存在する水の量を減少させた後、110℃のオーブン中に入れ、一夜乾燥した。物質をそのビーズ形態(粉砕しない)において維持した。乾燥物質は、誘導結合プラズマ発光により測定すると、49.15%の銀を含むことが判明した。水で湿った吸着剤は、110℃で一夜乾燥することによる重量損失により測定すると21.1%の固体を含むことが判明した。
【0070】試験を実施例1と同じようにして行い、次の結果を得た:阻止帯:【表10】

硬質表面:【表11】

殺菌速度(接触時間2分)
【表12】

【出願人】 【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【出願日】 平成15年2月20日(2003.2.20)
【代理人】 【識別番号】100073139
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 稔 (外2名)
【公開番号】 特開2003−310793(P2003−310793A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2003−42876(P2003−42876)