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【発明の名称】 自動消火設備
【発明者】 【氏名】加賀 寛治
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市下町屋一丁目1番1号 宮田工業株式会社内

【氏名】吉村 哲男
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市下町屋一丁目1番1号 宮田工業株式会社内

【氏名】津田 貴之
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市下町屋一丁目1番1号 宮田工業株式会社内

【氏名】安部 美範
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市下町屋一丁目1番1号 宮田工業株式会社内

【要約】 【課題】自動消火設備を簡単な構造とすることにより、小規模な建物に設置するのに適したものとする。

【解決手段】建物の各部位に配設された各閉鎖型放射器に接続される消火液タンクユニットであって、該タンクユニットは、消火液貯蔵タンクと、その外側面に沿わせたガイドパイプと、該ガイドパイプの下端に取り付けられたガスボンベと、ガスボンベ内から噴出した加圧ガスを前記消火液貯蔵タンク内に圧送するガス導入管と、前記ガイドパイプ内を転動落下可能な起動用錘と、前記消火液貯蔵タンクの上端に気密に取り付けられたところの、下端に消火液貯蔵タンク内の消火液面に浮遊するフロートを、また上端には前記ガイドパイプの上方部内に進退可能であって、前記フロートの上昇時にのみ前記起動用錘を係止可能な錘係止杆を突出させた作動装置とからなる。これにより特に小規模の建物に設置でき、また停電時にも起動させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】建物の各部位に配管を介して配設された閉鎖型放射器と、上記配管に接続された消火液タンクユニットとからなり、さらに該消火液タンクユニットは、内部に消火液が充填される消火液貯蔵タンクと、該消火液貯蔵タンクの外側面に沿って上下方向に設置されたガイドパイプと、ガイドパイプの下端に、起動装置を該ガイドパイプ内に臨ませて取り付けられた加圧用ガスボンベと、加圧用ガスボンベの起動装置が起動した際に、加圧ガスボンベ内から噴出した加圧ガスを前記消火液貯蔵タンク内に圧送するガス導入管と、前記ガイドパイプ内を転動落下可能な起動用錘と、前記消火液貯蔵タンクの上端に気密に取り付けられたところの、下端に消火液貯蔵タンク内の消火液面に浮遊するフロートを、また上端には前記ガイドパイプの上方部内に進退可能であって、前記フロートの上昇時にのみ前記起動用錘を係止可能な錘係止杆を突出させた作動装置とからなる自動消火設備。
【請求項2】閉鎖型放射器が、感熱開放機構を備えたものであるところの請求項1に記載の自動消火設備。
【請求項3】消火液貯蔵タンク内の消火液中にはアルカリ塩類を混合させてなるところの請求項1〜2に記載の自動消火設備。
【請求項4】作動装置にはフロートの上方に逆止弁が設けられているところの請求項1に記載の自動消火設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に雑居ビルや一般家屋など比較的小規模の建物に設置するのに適した自動消火設備に関し、火災発生時において、停電となった場合においても迅速且つ効率的な自動消火が期待でき、しかも低コストで簡単な構造でありながら十分な安全性を確保することができるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の最も進歩した自動消火設備としては、特開2001−109966公報に開示されたものが一般的に知られている。 これは消火剤放射手段のほか、少なくとも火災センサーおよび移信回路とを備えた複数の個別自動消火装置と、各個別自動消火装置の移信回路に接続されたところの、前記各個別自動消火装置の火災センサーによる情報を受けて状況判断をする判定回路を有し、その情報内容に応じた判定結果に基づいて警報発信状況、消火薬剤の放射状況、消火後の状況等、およびそれらの度合い等を加味した警報発生の有無、あるいは火災発生地点およびその状況等の表示をおこなう受信機とによって火災消火スステムを構成するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した火災消火スステムにあっては、火災発生原因となった箇所のみの迅速かつ適格な自動消火活動の実施が可能となること、さらに初期消火性能が向上することなどの大きな利点を有する半面、設備費が高額となり、また大掛かりな設備であるところから、雑居ビルその他比較的小規模の建物用には不向きである。
【0004】また、一般的に比較的大きい建物に対してスプリンクラーを用いた自動消火設備を設置する場合においては、ポンプ室の設置や水源の確保、さらには大きな動力を確保するための電源が必要となり、従ってやはり小規模の建物に適用することは困難といえる。 さらにそればかりでなく、火災や事故などにより電路が絶たれた場合には消火システムが起動できないという問題もある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、上記した課題を解決し、特に雑居ビルや一般家屋など比較的小規模の建物に設置するのに適し、しかも停電となった場合においても迅速且つ効率的な自動消火システムを開発したものである。
【0006】具体的には建物の各部位に配管を介して配設された閉鎖型放射器と、上記配管に接続された消火液タンクユニットとからなり、さらに該消火液タンクユニットは、内部に消火液が充填される消火液貯蔵タンクと、該消火液貯蔵タンクの外側面に沿って上下方向に設置されたガイドパイプと、ガイドパイプの下端に、起動装置を該ガイドパイプ内に臨ませて取り付けられた加圧用ガスボンベと、加圧用ガスボンベの起動装置が起動した際に、加圧ガスボンベ内から噴出した加圧ガスを前記消火液貯蔵タンク内に圧送するガス導入管と、前記ガイドパイプ内を転動落下可能な起動用錘と、前記消火液貯蔵タンクの上端に気密に取り付けられたところの、下端に消火液貯蔵タンク内の消火液面に浮遊するフロートを、また上端には前記ガイドパイプの上方部内に進退可能であって、前記フロートの上昇時にのみ前記起動用錘を係止可能な錘係止杆を突出させた作動装置とからなる自動消火設備に関する。
【0007】上記した構成において、火災が発生した場合に、火炎や熱気により閉鎖型放射器が開放され、消火液タンクユニットの消火液貯蔵タンク内に貯蔵されている消火液が配管を介して上記放射器から放射される。 消火液貯蔵タンク内の消火液が減少すると消火液の液面が下降し、これに伴って液面に浮遊するフロートも下降するため、ガイドパイプ内に進入して錘を係止していた作動装置の錘係止杆も下降する結果、起動用錘がガイドパイプに沿って落下し、起動装置に当って加圧用ガスボンベを開封する。 加圧用ボンベの開封に伴って、加圧ガスがガス導入管を通じて消火液貯蔵タンク内に圧送され、消火液貯蔵タンク内を圧迫して該貯蔵タンク内の消火液を配管を介して火災発生箇所の放射器に圧送し、これによって自動噴射する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の具体的な内容を図1〜3の実施例をもとに説明すると、1は建物、2は主配管、3は放射器、5は消火液タンクユニットを示す。 建物1はこの場合、1階部分1a〜4階部分1dまでの4階建ての小規模な構造のものが例示されている。 主配管2は消火液タンクユニット5から各階1a〜1dに渡って配設され、しかも先端(下端)にはテスト及び排水用のバルブ4が取り付けられている。
【0009】また主配管2には各階1a〜1dに通じる部分にそれぞれ枝配管2aが配設され、しかも各枝配管1a〜1dには放射器3が取り付けられている。 なお放射器3としては、この場合例えば閉鎖型スプリンクラーのような、火炎や熱により一定の温度以上に昇温した際に開放されて消火液を放射することができる感熱開放機構を備えた閉鎖型のものが用いられる。
【0010】さらに消火液タンクユニット5は、図2に詳細を示した通り、上記した主配管2に接続された消火液貯蔵タンク6と、該消火液貯蔵タンク6の外側面に沿って上下方向に設置されたガイドパイプ7と、ガイドパイプ7の下端に、起動装置10の打撃手段9を該ガイドパイプ7内に臨ませて取り付けた加圧用ガスボンベ8と、該加圧用ガスボンベ8の起動装置10が起動した際に、加圧ガスボンベ8内から噴出した加圧ガスを前記消火液貯蔵タンク6内に圧送するガス導入管11と、ガイドパイプ7内を転動落下可能な起動用錘12と、消火液貯蔵タンク6内の消火液が減少した際に前記した起動用錘12を落下させて加圧用ガスボンベ8を開封し、該加圧用ガスボンベ8内の加圧ガスを消火液タンクユニット5内に供給させるための作動装置15とから構成される。
【0011】加圧用ガスボンベ8の起動装置10および作動装置15について、さらに具体的に説明すると、加圧用ガスボンベ8の起動装置10は、図3に拡大してあらわしたように、下端部に加圧用ガスボンベ8を取り付けるための、内部を中空にした取り付け部10aと、該取り付け部10a内に、保持体10dとの間にバネ10bを介して常時上方に付勢させるべく植立させたところの、下端を鋭利に尖らせた中空の穿針体10cと、取り付け部10aの中空室内に通ずるべくガス導入管11を接続させるガス導入管接続部10eと、該ガス導入管接続部10eを貫通して上端をガイドパイプ7内に臨ませた打撃手段9とから構成される。
【0012】また作動装置15は、消火液貯蔵タンク6の上端開口部に取り付けられるものであって、下端を開口させた筒状をなし、内部には上下方向に作動杆14が貫通されており、下端開口部は作動杆14の下端に有するところの消火液貯蔵タンク6内の消火液に浮遊するフロート13を受け止めることができるように構成されている。 さらに上記した作動杆14の上方は、上方に向けて錘係止杆14aが気密を保持しつつ上下動自在に突出され、しかも該錘係止杆14aは前記フロート13の上昇時にのみガイドパイプ7の上方部内に進入して前記起動用錘12を係止するように構成されている。
【0013】なお図において16は錘係止杆14に同軸にはめ込まれた逆止弁をあらわし、加圧用ガスボンベ8から加圧ガスが消火液貯蔵タンク6内に圧送された際に、作動装置15内を貫通している作動杆14の上部貫通穴の内周面に圧し付けられて気密を保持しつつ消火液貯蔵タンク6内の消火液17を加圧し、主配管2および枝配管2aを介して建物1における各放射器3へ向けて圧送できるようになっている。
【0014】したがって、上記フロート13は消火液17の液面に浮遊しており、該消火液17の充填量が十分で該液面の位置が作動装置15近くにある場合にはフロート13が上昇し、これに伴って作動杆14が上昇し、上端の錘係止杆14がガイドパイプ7内に進入し、起動用錘12の落下を阻止している。 なお図においてVは消火液の供給・停止用バルブをあらわしている。
【0015】一方消火液貯蔵タンク6内に充填される消火液17については水だけでもよく、さらに好ましくは汎用の液体消火剤や発泡性の消火薬剤が用いられる。 なおこの場合において、消火液中にアルカリ塩類を混合させると、一酸化炭素などの有毒ガス発生を抑制することができ、避難を容易にすることができる。
【0016】上記した構成において、火災が発生した場合に、火炎や熱気により当該火災発生箇所に対応して設置されている閉鎖型の放射器3が開放され、消火液タンクユニット5の消火液貯蔵タンク6内に貯蔵されている消火液17が主配管2および枝配管2aを介して上記した目的箇所の放射器3から火災発生箇所に向けて放射される。
【0017】消火液貯蔵タンク6内の消火液17が減少すると消火液の液面が下降し、これに伴って液面に浮遊するフロート13も下降するため、ガイドパイプ7内に進入して起動用錘12を係止していた作動装置15の錘係止杆14aも下降する結果、起動用錘12がガイドパイプ7に沿って落下し、打撃手段9を叩打する。 さらに打撃手段9は下降して穿針体10cを下降させ、その鋭利な先端部によって加圧用ガスボンベ8の開口部を開封する。
【0018】さらに加圧用ボンベ8の開封に伴って、加圧ガスがガス導入管11を通じて消火液貯蔵タンク6内に圧送され、消火液貯蔵タンク6内を圧迫して消火液17を主配管2および枝配管2aを介して火災発生箇所の放射器3へ向けて圧送し、自動噴射する。
【0019】なお上記の実施例においては、消火液タンクユニット5を建物1の屋上部分に設置した場合について説明したが、必ずしも屋上に限られるものではなく、これより下の階における建物1の内外何れの箇所に設置することも可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明は上記した通り、建物の各部位に配管を介して配設された放射器と、上記配管に接続された消火液タンクユニットとからなり、さらに該消火液タンクユニットは、内部に消火液が充填される消火液貯蔵タンクと、該消火液貯蔵タンクの外側面に沿って上下方向に設置されたガイドパイプと、ガイドパイプの下端に、起動装置を該ガイドパイプ内に臨ませて取り付けられた加圧用ガスボンベと、加圧用ガスボンベの起動装置が起動した際に、加圧ガスボンベ内から噴出した加圧ガスを前記消火液貯蔵タンク内に圧送するガス導入管と、前記ガイドパイプ内を転動落下可能な起動用錘と、前記消火液貯蔵タンクの上端に気密に取り付けられたところの、下端に消火液貯蔵タンク内の消火液面に浮遊するフロートを、また上端には前記ガイドパイプの上方部内に進退可能であって、前記フロートの上昇時にのみ前記起動用錘を係止可能な錘係止杆を突出させた作動装置とからなるものである。
【0021】したがって、従来の自動消火装置のようなポンプ室の設置や水源の確保その他、大掛かりで、しかも高額な設備を必要としないために、雑居ビルその他比較的小規模の建物用として適している。 また起動源として加圧用ガスボンベを用いるために火災や事故などにより電路が絶たれた場合にも問題がなく、しかも消火液貯蔵タンクを蓄圧式にする場合に比して長期間にわたる一定値の内圧力を維持することが可能であり、耐久性に優れている。
【0022】さらに消火液として、消火液中にアルカリ塩類を混合させると、一酸化炭素などの有毒ガス発生を抑制することができ、避難を一層容易にすることができる。
【出願人】 【識別番号】000161437
【氏名又は名称】宮田工業株式会社
【住所又は居所】神奈川県茅ヶ崎市下町屋1丁目1番1号
【出願日】 平成14年4月19日(2002.4.19)
【代理人】 【識別番号】100070183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 公一
【公開番号】 特開2003−310784(P2003−310784A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−117452(P2002−117452)