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【発明の名称】 火災消火方法、並びにこの火災消火方法を実施する消火装置脱着式消防自動車
【発明者】 【氏名】山城 邦夫
【住所又は居所】横浜市鶴見区尻手3丁目2番43号 新明和オートエンジニアリング株式会社播磨工場内

【氏名】越智 英記
【住所又は居所】横浜市鶴見区尻手3丁目2番43号 新明和オートエンジニアリング株式会社播磨工場内

【要約】 【課題】1台の消防自動車で、初期消火が可能であるとともに、ポンプ車に相当する消火活動を行うことも可能であり、迅速で十分な消火活動を行うことができる火災消火方法、並びに消火装置脱着式消防自動車を提供する。

【解決手段】車体11上に消防ポンプ2が搭載される一方、水タンク4及び消火ポンプ5を備えた消火装置3が車体11上と地上との間で積降ろし自在に構成されている。水タンク4及び消火ポンプ5は脱着フレーム6上に載置され、脱着フレーム6が車体11に設けられた荷役装置13により車体上と地上との間で積降ろし自在に設けられている。そして、火災現場において、まず消防自動車から消火装置3を地上に降ろし、消火ポンプ5により水タンク4内の水を供給して初期消火活動を行いながら、消火装置3を降ろした消防自動車を水源に移動し、当該消防自動車に搭載した消防ポンプ2によって水源から供給する水で消火活動を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 火災現場において、まず消防自動車から水タンク及び小型消防ポンプを地上に降ろし、小型消防ポンプにより水タンク内の水を供給して初期消火活動を行いながら、水タンク及び小型消防ポンプを降ろした消防自動車を水源に移動し、当該消防自動車に搭載した消防ポンプによって水源から供給する水で本格的消火活動を行うことを特徴とする火災消火方法。
【請求項2】 車体上に消防ポンプが搭載される一方、水タンク及び小型消防ポンプを備えた消火装置が上記車体上と地上との間で積降ろし自在に構成されたことを特徴とする消火装置脱着式消防自動車。
【請求項3】 前記水タンク及び小型消防ポンプは脱着フレーム上に載置されるとともに、該脱着フレームが車体に設けられた荷役装置により車体上と地上との間で積降ろし自在に設けられたことを特徴とする請求項2記載の消火装置脱着式消防自動車。
【請求項4】 前記脱着フレームには、車体に搭載された状態で前記水タンクが当該車体の前側に配置されるとともに、前記小型消防ポンプが水タンクの後側に隣接して配置され、当該小型消防ポンプが脱着フレーム上において前後にスライド自在に、もしくは脱着フレームに着脱自在に設けられたことを特徴とする請求項3記載の消火装置脱着式消防自動車。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災消火方法、並びにこの火災消火方法を実施する消火装置脱着式消防自動車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、消防自動車としては、例えば、消防ポンプを搭載したポンプ車または小型消防ポンプ積載車があり、消火活動に当たっては、火災現場において、ポンプ車または小型消防ポンプ積載車を水源近くに配置してポンプにより水源から吸い上げた水を放水ホースを通じて火災現場に供給して放水することにより消火活動を行っている。
【0003】また、上記消防ポンプの他に水タンクも搭載した車輌もあり、この車輌では、火災現場において消防ポンプにより水タンク内の水を放水することにより消火活動を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来のような各消防自動車では、以下のような問題があった。
【0005】まず、ポンプ車または小型消防ポンプ積載車にあっては、水源から火災現場までは通常相当な距離があり、この間で放水ホースを配設する作業に時間をついやすため、実際に消火活動を開始するまでに時間がかかり、所謂初期消火が行えないという問題があった。
【0006】また、消防ポンプの他に水タンクも搭載した車輌では、上記初期消火を行うことができるものの、水タンク内の水が無くなった時点で消火活動を終え、続いてポンプ車を用いた本格的消火活動に移行せざるを得なかった。
【0007】つまり、上述した2台の消防自動車が同時に火災現場に到着しないと、迅速で十分な消火活動が行えない。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、1台の消防自動車で、初期消火が可能であるとともに、ポンプ車に相当する本格的消火活動を行うことも可能であり、これにより迅速で十分な消火活動を行うことができる火災消火方法、並びにこの火災消火方法を実施する消火装置脱着式消防自動車を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の火災消火方法は、火災現場において、まず消防自動車から水タンク及び小型消防ポンプを地上に降ろし、小型消防ポンプにより水タンク内の水を供給して初期消火活動を行いながら、水タンク及び小型消防ポンプを降ろした消防自動車を水源に移動し、当該消防自動車に搭載した消防ポンプによって水源から供給する水で消火活動を行うことを特徴とする。
【0010】請求項2に係る発明の消火装置脱着式消防自動車は、車体上に消防ポンプが搭載される一方、水タンク及び小型消防ポンプを備えた消火装置が上記車体上と地上との間で積降ろし自在に構成されたものである。
【0011】請求項3に係る発明の消火装置脱着式消防自動車は、前記水タンク及び小型消防ポンプは脱着フレーム上に載置されるとともに、該脱着フレームが車体に設けられた荷役装置により車体上と地上との間で積降ろし自在に設けられたものである。
【0012】請求項4に係る発明の消火装置脱着式消防自動車は、前記脱着フレームには、車体に搭載された状態で前記水タンクが当該車体の前側に配置されるとともに、前記小型消防ポンプが水タンクの後側に隣接して配置され、当該小型消防ポンプが脱着フレーム上において前後にスライド自在に、もしくは脱着フレームに着脱自在に設けられたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】図1は、消火装置脱着式消防自動車の全体構成を示している。
【0015】この消火装置脱着式消防自動車1は、車体11上に消防ポンプ2が搭載されるとともに、消火装置3が車体11上と地上との間で積降ろし自在に設けられたものである。
【0016】消防ポンプ2は、運転席12に面して車体11の前部に搭載されており、従来からポンプ車に搭載されている周知のものである。即ち、水源より水を吸い上げる吸上ホース21が接続される吸水口22を有するとともに、火災現場に水を導くための図示しない放水ホースが接続される放水口23を有している。そして、この消防ポンプ2により吸上ホース21を通じて吸上げた水を加圧状態で放水ホースに供給して火災現場に放水することで、消火活動を行うようにしている。
【0017】消火装置3は、図2及び図3に示すように、水タンク4と小型消防ポンプ5とを備えてなり、これら水タンク4と小型消防ポンプ5とが脱着フレーム6上に配設されている。
【0018】詳しくは、まず、脱着フレーム6は、水タンク4と小型消防ポンプ5とを載置する載置部材61と、この載置部材61の一端に立設された垂直部材62とで側面視L字状に構成されている。
【0019】前記垂直部材62が設けられた載置部材61の一端部底面の左右には支持部材63が設けられ、また、載置部材61の他端部底面の左右には支持ローラ64が設けられている。よって、脱着フレーム6を地上に降ろした場合には、これら支持部材63と支持ローラ64とで当該脱着フレーム6を支持する。
【0020】また、前記支持ローラ64は、脱着フレーム6を後述する荷役装置13により車体11上と地上との間で積降ろす際に、地上を転動することで、この脱着フレーム6の積降ろしを円滑に行うようになされている。
【0021】前記垂直部材62は、その上端部に前記荷役装置13のフック14cと係脱自在な係止部材65が設けられている。
【0022】この係止部材65は、棒状のもので、前記垂直部材62の前面に突設された左右一対のブラケット66に支持されている。
【0023】水タンク4は、水を貯留するためのもので、載置部材61の垂直部材62側となる前部に設置されている。
【0024】この水タンクの底部には、小型消防ポンプ5に水タンク4内の水を供給するための供給管41が設けられるとともに、水タンク4内の水を外部に排出するための排出管42が設けられている。また、水タンク4の上部には、マンホール43が設けられるとともに、オーバーフロー管44が設けられている。さらに、この水タンク4には、水タンク4内の水量を計測するための水量計45が設けられている他、小型消防ポンプ5を通じて水タンク4内に水を補給する補給管46や、消防ポンプ2を通じて水タンク4内に水を補給する補給管47も設けられている。
【0025】なお、水タンク4の上面は、作業上の安全を図るために、しま板で構成されている。
【0026】小型消防ポンプ5は、水タンク4内の水を図示しない放水ホースを用いて放水するためのもので、載置部材61の後部に水タンク4と隣接して設けられている。
【0027】この小型消防ポンプ5は、図4に示すように吸込口51と、放水口52とを有する従来周知なポンプであり、例えば、持ち運びが可能な所謂可搬式のものが用いられている。
【0028】そして、上記吸引口51には、図2に示すように前記水タンクの供給管41に一端が連結された供給ホース53の他端が連結され、上記放水口52には、図示しない放水ホースの一端が連結されるようになされている。従って、小型消防ポンプ5に内蔵されたエンジン駆動により水タンク4内の水を供給ホース53を通じて当該小型消防ポンプ5内に導入し、放水ホースを通じて加圧した水を放水するようにしている。これらホース53及び放水ホースは上記した各連結部にそれぞれ着脱自在に連結されている。
【0029】ところで、この小型消防ポンプ5は、載置部材61上にスライド機構によりスライド自在に設けられている。このスライド機構の一例としては、載置部材61上に基台54が固設され、この基台54上にスライド台55が図示しないガイドにより前後に(図2の状態からは後方へ)スライド自在に設けられている。このように小型消防ポンプ5をスライド自在に設けたのは、小型消防ポンプ5と水タンク4とは近接して配置されているため、小型消防ポンプ5及び水タンク4のメンテナンスを行う際に、当該メンテナンスに必要なスペースを確保する必要があるからである。
【0030】また、小型消防ポンプ5は、走行時の安全性を考慮して水タンク4と近接した通常の位置で図示しない固縛部材によって強固に固縛するように構成されている。
【0031】なお、小型消防ポンプ5は、上述したスライド式に限らず、載置部材61から脱着可能に設けても良い。
【0032】このように水タンク4及び小型消防ポンプ5を搭載した脱着フレーム6は、車体11上に設けられた荷役装置13により当該水タンク4及び小型消防ポンプ5とともに、車体11上と地上との間で積降ろすことができる。
【0033】詳しくは、荷役装置13は、前後方向に回動自在に設けられた荷役フレーム14と、荷役フレーム14と車体11との間に連結された起伏シリンダ15とで構成されている。
【0034】具体的には、荷役フレーム14が、脱着フレーム6が車体11上に配置された状態において水平に配置される水平部14aと、この水平部14aの前端部から立設された垂直部14bとで図5に示すように略L字状に形成されている。そして、水平部14aの後端部が車体11側に前後方向に回動自在に支持されるとともに、水平部14aの途中部に起伏シリンダ15(図5参照)の伸縮ロッド端が連結されている。また、垂直部14bの先端には、脱着フレーム6の係止部材65と係脱自在なフック14cが設けられている。
【0035】従って、起伏シリンダ15の伸縮動作により荷役フレーム14を前後に回動させることで、係止部材65に係止した脱着フレーム6を、水タンク4及び小型消防ポンプ5とともに図5に示す状態を経て車体11上と地上との間で積降ろすようにしている。
【0036】なお、消防ポンプ2は、車輌エンジン動力を利用してフルパワーで駆動させるようにしており、また、荷役装置13は、車輌エンジンに付設したトランスミッション動力を利用して作動させるようにしている。
【0037】また、図1及び図5に示す符号16は、車体11の後部に設けられ、脱着フレーム6を円滑に積降ろすためのローラである。
【0038】さらに、車体11上における脱着フレームの左右は、消火作業に必要な図示しない各種の付属品を設置する設置スペースになされている。
【0039】次に、このように構成された消火装置脱着式消防自動車による消火作業について、本発明の火災消火方法とともに説明する。
【0040】火災が発生した場合、消火装置脱着式消防自動車により火災現場にむかい、当該火災現場付近に車輌を停車して荷役装置13により消火装置3を脱着フレーム6ととともに車体11上から地上に降ろす。そして、地上において消火装置3の小型消防ポンプ5を作動させ、水タンク4から水を吸い込んで放水口52に連結した放水ホースを通じて加圧水を放水することにより消火活動を行う。即ち、所謂初期消火を行う。
【0041】一方、消火装置3を降ろした車輌を、上述した初期消火を行っている間に水源に移動させ、車輌に搭載した消防ポンプ2から火災現場にかけて放水ホースを配置する。そして、消防ポンプ2の駆動により水源から吸上ホース21を介して水を吸い上げ、放水ホースを通じて火災現場に供給して放水することで、初期消火に続いて本格的消火活動を行う。
【0042】また、必要であれば、車輌に折り畳み式などの簡易水槽を搭載しておき、火災現場で展開して設置することで、水源から供給される水をこの簡易水槽に貯留して消火活動に利用するようにしてもよい。
【0043】このように1台の車輌で初期消火と、この初期消火に続く本格的消火活動を連続して行うことができ、迅速で十分な消火活動を行うことができる。
【0044】また、消火装置3が脱着式であるため、車輌には消火装置3以外の装置を搭載することも可能であることから、消火活動以外の救助や風水害などの支援に必要な装置を車輌に搭載してこれらの活動を行うこともできる。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、火災現場において迅速に初期消火に行い、この初期消火に続いて水源からの水を放水して本格的消火活動を行うことで、適切な消火活動を迅速に行うことができ被害を最小限に抑えることができる。
【0046】また、1台の消火装置脱着式消防自動車により初期消火とこの初期消火に続く本格的消火活動を行うことができ、汎用性に優れた画期的な車輌を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
【住所又は居所】兵庫県宝塚市新明和町1番1号
【出願日】 平成14年4月19日(2002.4.19)
【代理人】 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
【公開番号】 特開2003−310781(P2003−310781A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−117003(P2002−117003)